JP4007818B2 - 弾性表面波素子の実装方法及びこれを用いた弾性表面波装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、弾性表面波素子の実装方法及びこれを用いた弾性表面波装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
弾性表面波装置は、圧電基板表面に櫛形電極が形成された弾性表面波素子を有し、櫛形電極間を弾性表面波が伝搬することにより共振回路あるいはフィルタとしての電気的特性を得ている。
【0003】
したがって、弾性表面波素子を弾性表面波装置内部に封入する場合、少なくとも弾性表面波素子の圧電基板の櫛形電極が形成された面上には空間が必要である。
【0004】
さらに、櫛形電極上にゴミや水分等が付着する場合、弾性表面波の伝搬特性の変化のために特性が変化する。このために上記櫛形電極が形成された面上の空間は、気密封止されていることが望ましい。
【0005】
かかる要求を満たす一つの従来方法として、特開2000−124767号公報に記載された技術(以下、従来技術という)がある。かかる従来技術では、基板と弾性表面波素子(チップ)との接続にバンプを用い、このバンプを挟んで内側と外側領域に封止壁を設けた構成である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
かかる構成を考察すると、櫛形電極とバンプとの間に内側の壁を形成する領域が必要となり、従って、弾性表面波素子の小型化という観点において有利ではない。
【0007】
さらに、基板に向かう面と反対側の弾性表面波素子の面はむき出しとなり信頼性に欠ける。これを解決するために、従来技術の実施の形態例では封止筐体の内底に上記の二重壁構造により弾性表面波素子を封止し、更にこの封止筐体を弾性表面波素子がフェイスアップとなる状態で基板に実装する構成を提示している。
【0008】
しかし、かかる構成では封止筐体によって、装置の大きさが大きくならざるを得ない。
【0009】
したがって、本発明の目的は、かかる従来技術において基本的に弾性表面波装置の小型化が困難である問題を解決し、より量産性に有利となる弾性表面波素子の実装方法及びこれを用いた弾性表面波装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決する本発明に従う弾性表面波装置の基本構成は、第1の態様は、基板と、圧電基板上に形成された櫛形電極を有し、前記櫛形電極が前記基板に対向するようにバンプにより前記基板にフリップ実装された弾性表面波素子と、前記弾性表面波素子のバンプ周辺に形成された第1の樹脂層と、前記第1の樹脂層と少なくとも前記弾性表面波素子の側面を覆う第2の樹脂層を有し、前記第1の樹脂層は前記第2の樹脂層より粘度の大きい樹脂材料で形成されたことを特徴とする。
【0011】
上記の課題を解決する本発明に従う弾性表面波装置の基本構成は、第2の態様として、第1の態様において、前記第1の樹脂層を形成する樹脂材料は、粘度が100〜400Pa・s(温度25℃)、チクソ指数1.0〜3.5(温度25℃)の物性を有する熱硬化性樹脂であることを特徴とする。
【0012】
上記の課題を解決する本発明に従う弾性表面波装置の基本構成は、第3の態様として、第1の態様において、前記第1の樹脂層は、前記基板にフリップ実装された弾性表面波素子の前記基板に対向する面の高さに対応する高さの第1の層と、前記第1の層上に形成され前記第1の層より狭い幅を有し、前記弾性表面波素子の側面を覆う第2の層を有していることを特徴とする。
【0013】
上記の課題を解決する本発明に従う弾性表面波装置の基本構成は、第4の態様として、基板と、圧電基板上に形成された櫛形電極を有し、前記櫛形電極が前記基板に対向するようにバンプにより前記基板にフリップ実装された弾性表面波素子と、前記フリップ実装された弾性表面波素子を覆う樹脂キャップと、前記樹脂キャップの側面に形成された樹脂層を有することを特徴とする。
【0014】
上記の課題を解決する本発明に従う弾性表面波装置の基本構成は、第5の態様として、第4の態様において、前記樹脂キャップは、前記基板に接着材により固定されていることを特徴とする。
【0015】
上記の課題を解決する本発明に従う弾性表面波装置の基本構成は、第6の態様として、第4の態様において、前記基板は、スルーホールを通して両面に形成された電極パターンを有し、前記樹脂キャップの下部ピンを有し、前記スルーホールに前記ピンを勘合させて、前記樹脂キャップが前記基板に固定されていることを特徴とする。
【0016】
上記の課題を解決する本発明に従う弾性表面波素子の実装方法の第1の態様として、圧電基板上に形成された櫛形電極を有する複数の弾性表面波素子を用意し、1つの基板上に、前記櫛形電極が前記基板に対向するようにバンプにより前記複数の弾性表面波素子をフリップ実装し、前記複数の弾性表面波素子のそれぞれのバンプ周辺に第1の樹脂層の樹脂材料を塗布し、硬化して前記第1の樹脂層を形成し、前記第1の樹脂層及び少なくとも複数の弾性表面波素子のそれぞれの側面を覆うように、前記第1の樹脂層の粘度より小さい粘度の樹脂材料で第2の樹脂層を形成することを特徴とする。
【0017】
上記の課題を解決する本発明に従う弾性表面波素子の実装方法の第2の態様として、実装方法の第1の態様において、第1の樹脂層の形成は、粘度が100〜400Pa・s(温度25℃)、チクソ指数1.0〜3.5(温度25℃)の物性を有する熱硬化性樹脂を材料とすることを特徴とする。
【0018】
上記の課題を解決する本発明に従う弾性表面波素子の実装方法の第3の態様として、圧電基板上に形成された櫛形電極を有する複数の弾性表面波素子を用意し、1つの基板上に前記複数の弾性表面波素子がフリップ実装される領域の各々に、弾性表面波素子を囲む形状に第1の樹脂層として熱硬化性若しくは感光性ソルダーレジストを形成し、ついで、前記1つの基板上に、前記櫛形電極が前記基板に対向するようにバンプにより前記複数の弾性表面波素子をフリップ実装し、前記ソルダーレジストを硬化して前記第1の樹脂層を形成し、前記複数の弾性表面波素子のそれぞれに対応する前記第1の樹脂層周辺及び前記弾性表面波素子を覆うように第2の樹脂層を形成することを特徴とする。
【0019】
上記の課題を解決する本発明に従う弾性表面波素子の実装方法の第4の態様として、圧電基板上に形成された櫛形電極を有する複数の弾性表面波素子を用意し、前記複数の弾性表面波素子がフリップ実装される領域の各々の4辺に樹脂抜き穴を有する1つの基板を用意し、前記1つの基板上に、前記櫛形電極が前記基板に対向するようにバンプにより前記複数の弾性表面波素子をフリップ実装し、前記複数の弾性表面波素子のそれぞれのバンプ周辺に第1の樹脂層を形成する樹脂材料を塗布し、前記基板の前記弾性表面波素子が実装された面と反対の面から、前記樹脂抜き穴に流れた第1の樹脂の樹脂材料を含めて加熱して前記第1の樹脂層を形成し、前記第1の樹脂層及び少なくとも複数の弾性表面波素子のそれぞれの側面を覆うように、前記第1の樹脂層の粘度より小さい粘度の樹脂材料で第2の樹脂層を形成することを特徴とする。
【0020】
上記の課題を解決する本発明に従う弾性表面波素子の実装方法の第5の態様として、圧電基板上に形成された櫛形電極を有する複数の弾性表面波素子を用意し、1つの基板上に前記複数の弾性表面波素子がフリップ実装される領域の各々に、弾性表面波素子を囲む形状に第1の樹脂層の樹脂材料を塗布し、ついで、前記1つの基板上に、前記櫛形電極が前記基板に対向するようにバンプを介して前記複数の弾性表面波素子を載置し、前記第1の樹脂層の樹脂材料を前記複数の弾性表面波素子を前記基板にフリップ接合する際に硬化し、前記複数の弾性表面波素子のそれぞれに対応する前記第1の樹脂層周辺及び前記弾性表面波素子を覆うように第2の樹脂層を形成することを特徴とする。
【0021】
上記の課題を解決する本発明に従う弾性表面波素子の実装方法の第6の態様として、前記実装方法の第1乃至第5のいずれかの態様において、さらに、前記1つの基板にフリップ実装された複数の弾性表面波素子をダイシングソーにより個々に切り出し、弾性表面波装置を形成することを特徴とする。
【0022】
さらに、以下に図面に従い説明する発明の実施の形態例から本発明の特徴が更に明らかになる。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1の実施の形態例であり、一つの弾性表面波装置の構造を断面図により示している。
【0024】
図1において、基板1には、引き出し電極パターン2が形成されている。SAW(Surface Acoustic Wave)フィルタ等の弾性表面波素子(チップ)3が、その一表面に形成されている櫛形電極4がフェースダウンとなるように、基板1に向けられている。
【0025】
弾性表面波素子(チップ)3と基板1に形成されている引き出し電極パターン2とは、電極部となるバンプ5により電気的に接続され、弾性表面波素子(チップ)3は、基板1にフリップ実装されている。したがって、このバンプ5の高さにより、櫛形電極4と基板1の面との間に中空部8を有している。実施例として、この中空部8の高さはおよそ50μmである。
【0026】
この櫛形電極4と基板1の面との間の中空部8は、更に弾性表面波素子(チップ)3の側面を覆う第1の樹脂層6と、更に第1の樹脂層6及び、弾性表面波素子(チップ)3の上面を覆う第2の樹脂層7により密封空間となるように封止されている。
【0027】
第1の樹脂層6と第2の樹脂層7は、粘度及びチクソ性(thixotropy:揺変性(温度を変えることなく、ただ機械的な揺動によって、ゾルとゲルとが可逆的に変換する現象: マグローヒル科学技術用語大辞典) が異なる樹脂により形成された層である。
【0028】
図2は、図1の実施の形態を構成する製造工程を示すフローである。
【0029】
基板1(Bと表記、以下同様)と、弾性表面波素子(チップ)3(Cと表記、以下同様)が用意され、バンプ5により弾性表面波素子(チップ)3を基板1にチップボンディングする(処理工程P1)。
【0030】
次に、バンプ5及び、弾性表面波素子(チップ)3の側面を第1の樹脂層6となる樹脂材料をディスペンサー等により塗布する(処理工程P2)。ここで、第1の樹脂層6となる樹脂材料は、バンプ5の内側に流れ込むことがないように、粘度の高い液状樹脂を用いる。
【0031】
実施例として、粘度100〜400Pa・s(at 25℃)で、チクソ指数1.0〜3.5(at 25℃)の物性を有する熱硬化性エポキシ樹脂を用いてディスペンサー等により塗布する。
【0032】
ついで、125℃〜150℃で、15〜30分間乾燥する(処理工程P3)。
【0033】
乾燥後に、第1の樹脂層6の樹脂材料に対してより流動性の良い第2の樹脂層7の樹脂材料をトランスファーモールドし、弾性表面波素子(チップ)3を含む基板1の片面を封止し、樹脂を熱硬化させる(処理工程P4)。この時の加熱条件は、実施例として、150℃〜175℃で3〜5分間の加熱である。
【0034】
さらに、ポストキュアとして、150℃〜175℃で60〜180分間加熱する(処理工程P5)。
【0035】
ここで、図1では、省略されているが、上記処理工程P1において、一の基板上に複数の弾性表面波素子(チップ)3をチップボンディングして、上記処理工程P2〜P4を施すことにより一度に複数の弾性表面波装置の形成が可能である。
【0036】
この場合、ダイシングにより複数の弾性表面波装置は個別に切断される(処理工程P6)。ついで、個々の弾性表面波装置に対し、特性試験を行い(処理工程P7)、良品が選別されて梱包出荷される(処理工程P8)。
【0037】
図3は、上記図1の実施の形態例構成において、一度に複数の弾性表面波装置を形成した場合の、断面構成を示す図である。
【0038】
図3において、電極パターン2が形成された基板1に弾性表面波素子(チップ)3を複数個(10,11,12)、図1に示すと同様にバンプ5によりフリップ実装する。第1の樹脂層6は、パターニングにより個別の弾性表面波素子(チップ)3毎に図1に示したように形成する。次いで第2の樹脂層は、複数の弾性表面波素子(チップ)3に対し、オーバーコートして一括に形成される。
【0039】
さらに、個々の弾性表面波装置として切り出す場合は、図示されるようにダイシングフィルム9に基板1側を張り付けた後にダイシングソー13により個片に切り出す。あるいは、ダイシングフィルム9を第2の樹脂層7側に張り付け、ダイシングソー13により切り出した後に特性試験の対象とすることも可能である。
【0040】
図4は、第2の実施の形態例を説明する図である。図4Aは、基板1の上面から見た図であり、図4Bは、断面方向からみた図である。
【0041】
図4A、4Bに示すように、スルーホール20を通して電気的に接続された電極パターン2が両面に形成された基板1に弾性表面波素子(チップ)3を配置する複数の領域a,b,c,dが設定されている。
【0042】
複数の領域a,b,c,dのそれぞれを囲むように、第1の樹脂層6となるソルダーレジストにより立ち壁が形成され、その後弾性表面波素子(チップ)3をバンプ5によりフリップ実装し、次いで、第2の樹脂層7がオーバーコートされる。これにより、櫛形電極表面に中空部8が形成される。
【0043】
図5は、かかる構成の実施の形態例の具体的製造工程を示すフロー図である。図5に基づき図4の実施の形態例構成の製造過程を以下に説明する。
【0044】
図5において、電極パターン2が形成された基板1の片面に複数の弾性表面波素子(チップ)3がフリップ実装される個々の領域を囲うように、第1の樹脂層6として、熱硬化あるいは、感光性樹脂によりスルーホール20を埋めるようにレジストを塗布する(処理工程P1)。
【0045】
この時、第1の樹脂層6の高さを、後の第2の樹脂層7の形成において、第2の樹脂層7の樹脂材料が中空部8に流れ込まないように、弾性表面波素子(チップ)3をフリップ実装した時の弾性表面波素子(チップ)3の底面高さより高くする。ついで、塗布された第1の樹脂層6のレジスト材料を乾燥する(処理工程P2)。
【0046】
このように準備した基板1上に弾性表面波素子(チップ)3をバンプ5によりフリップ実装する(処理工程P3)。図4では領域aは弾性表面波素子(チップ)3が未実装、領域b〜dは弾性表面波素子(チップ)3が実装された状態を示している。
【0047】
ついで、第2の樹脂層となる樹脂材料を複数の弾性表面波素子(チップ)3上にオーバーコートして熱硬化させる。ここまでの処理において、図5における処理工程P2、P4での加熱温度と加熱時間の条件は、図2の工程における第1の樹脂層および、第2の樹脂層形成の場合と同様である。以下の実施の形態例においても同様である。
【0048】
さらに、図5における以降の処理工程P5〜P8の工程は、図2における処理工程P5〜P8と同様である。
【0049】
図6は、図4の実施の形態例の変形例である。特徴は、図4に実施の形態例における第1の樹脂層6を形成するためのレジストの塗布を2層にしたことにある。すなわち、レジスト第1層6−1と、レジスト第2層6−2となるように2層にしている。
【0050】
さらに、レジスト第1層6−1は、弾性表面波素子(チップ)3をフリップ実装した時に、弾性表面波素子(チップ)3の底辺端部に触れる高さに形成される。レジスト第2層6−2は、レジスト第1層6−1よりも幅を狭くし、且つ弾性表面波素子(チップ)3の端面を塞ぐように形成される。これにより、第2の樹脂層7の形成において、実質に第2の樹脂層7の樹脂材料が中空部8に流れ込まないように第1の樹脂層6を形成するためのレジスト材料を少なくすることができる。
【0051】
図7は、本発明の第3の実施の形態例であり、複数の弾性表面波装置の製造工程途中の状態図である。図4A、図4Bと同様に、図7Aは、基板1の上面から見た図であり、図7Bは、側断面方向からみた図である。図8は、図7の実施の形態の製造工程フローである。このフロー図を参照して図7の実施の形態例を説明する。
【0052】
図7の実施の形態の特徴は、基板1の弾性表面波素子(チップ)3がフリップ実装される領域の周囲4辺に樹脂抜き穴30が形成されていることである。
【0053】
樹脂抜き穴30が形成されている基板1に弾性表面波素子(チップ)3がフリップ実装される(処理工程P1)。ついで、第1の樹脂層6の樹脂材料を弾性表面波素子(チップ)3の周辺部に塗布し、加熱により乾燥硬化する(処理工程P2)。この時、図7Bに示すように、樹脂抜き穴30に樹脂材料が流れ出た状態とする。
【0054】
この第1の樹脂層6の樹脂材料の硬化のための加熱は、基板1の裏面から行われる。この基板1の裏面からの加熱により、弾性表面波素子(チップ)3への加熱によるダメージが防止できる。
【0055】
ついで、第2の樹脂層7となる樹脂材料をオーバーコートし、硬化する(処理工程P3)。さらに、所定温度及び加熱実施の形態時間によりポストキュアする(処理工程P4)。
【0056】
かかる処理の後、ダイシングソー13により個片に切り出され(処理工程P5)、特性試験(処理工程P6)を経て、梱包出荷される(処理工程P7)。
【0057】
図9は、本発明の第4の実施の形態例の断面構造である。この実施の形態では、先の実施の形態例における第1の樹脂層6に相当するものとして予め形成した樹脂キャップ60を用いる。
【0058】
図10は、図9の実施の形態例の製造工程である。基板1に弾性表面波素子(チップ)3をフリップ実装する(処理工程P1)。一方、第1の樹脂層6の樹脂材料により予め形成されて、用意されている(処理工程P2)、フリップ実装された弾性表面波素子(チップ)3を個別に覆う樹脂キャップ60により対応する弾性表面波素子(チップ)3に蓋を配置する(処理工程P3)。
【0059】
ついで、第2の樹脂層7を形成するための樹脂材料を、成形金具70を通してプランジャーにより樹脂キャップ6の側面に注入し、硬化する(処理工程P4)。この後、先の実施の形態例と同様に、ポストキュア(処理工程P5)、ダイシングソーによリ個片に切断(処理工程P6)、更に特性試験(処理工程P7)を経て、梱包出荷される(処理工程P8)。
【0060】
ここで、図9の実施の形態例において、第1の樹脂層6となる樹脂キャップ60の基板1との接触即ち固定は、第2の樹脂層7の硬化により行われている。図9の実施の形態例においては、この第1の樹脂層6の基板1への固定の強固さにより弾性表面波素子(チップ)3に対する保護の信頼性が依存することになる。
【0061】
したがって、図11に示すように、樹脂キャップ60を弾性表面波素子(チップ)3に被せる際に、樹脂キャップ60の基板1との接触面に接着剤61を塗布してより強固の固定する様にしてもよい。
【0062】
また、図12は、樹脂キャップ60の基板1への取り付けの他の形態例である。図12に示す例では、樹脂キャップ60の下部にピン61を設けている点に特徴を有する。すなわち、ピン61が、基板に形成されたスルーホール20に勘合するように樹脂キャップ60の下部に形成されている。
【0063】
ピン61は、同一材料で樹脂キャップ60と一体に形成されているので、弾力性を有している。そのため、スルーホール20に容易に挿入され、樹脂キャップ60を基板1に固定することが可能である。
【0064】
図13は、本発明の第5の実施の形態例であり、第1の樹脂層6を基板1と弾性表面波素子(チップ)3の面との間に形成することを特徴としている。図13Aは上面図であり、図13Bは断面側面図である。
【0065】
図13Aにおいて、基板1に弾性表面波素子(チップ)3がフリップ実装される領域で弾性表面波素子(チップ)3の基板と対向する面に位置する領域に樹脂リング62を形成する。
【0066】
樹脂リング62が形成された状態の上に弾性表面波素子(チップ)3が配置される。図13A,図13Bにおいて、領域aは樹脂リング62が形成された状態を、領域bは樹脂リング62に弾性表面波素子(チップ)3が配置された状態を示している。
【0067】
図14は、図13の実施の形態の製造工程を示す図である。基板1に図13Aに示すように弾性表面波素子(チップ)3が配置される領域に樹脂リング62の樹脂材料を塗布する(処理工程P1)。
【0068】
ついで、バンプ5により弾性表面波素子(チップ)3をチップボンディングし(処理工程P2)、樹脂リング62を熱硬化する(処理工程P4)。さらに、図3の実施例と同様に、第2の樹脂層7の樹脂材料をオーバーコートし、硬化する(処理工程P4)。
【0069】
以降の工程は、先の実施の形態例と同様であり、ポストキュアし(処理工程P5)、ダイシングソーにより個別に切断する(処理工程P6)。個別に切断された弾性表面波装置は特性試験を受け(処理工程P7)、良品が選別されて梱包出荷される(処理工程P8)。
【0070】
図15は、図14の工程の変形例である。図14では、弾性表面波素子(チップ)3がチップボンディングされる複数の領域に樹脂リング62を形成している。これに対し、図15の工程例では、1の領域ごとに樹脂リング62を形成し(処理工程P1)、ついで弾性表面波素子(チップ)3をチップボンディングし、第1の樹脂材料を硬化する(処理工程P2)。これが終わると、別の領域に対し、樹脂リング62を形成し(処理工程P3)、第1の樹脂材料を硬化する(処理工程P4)。
【0071】
この処理工程P1からP4を繰り返し、弾性表面波素子(チップ)3をチップボンディングする全ての領域に樹脂リング62と弾性表面波素子(チップ)3を配置する。
【0072】
ついで,先の実施の形態例と同様に、第1の樹脂層である樹脂リング62と弾性表面波素子(チップ)3を被うように、第2の樹脂層を形成する樹脂材料を成形硬化する(処理工程P5)。ついで、ポストキュアし(処理工程P6)、ダイシングソーにより個別に切断する(処理工程P7)。
【0073】
個別に切断された弾性表面波装置は特性試験を受け(処理工程P8)、良品が選別されて梱包出荷される(処理工程P9)。
【0074】
【発明の効果】
以上実施の形態例を図面に従い説明したように、本発明により更なる小型化と量産性に有利となる弾性表面波装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態例であり、一つの弾性表面波装置の構造を断面図により示している。
【図2】図1の実施の形態を構成の製造工程を示すフローである。
【図3】上記図1の実施の形態例構成において、一度に複数の弾性表面波装置を形成した場合の、断面構成を示す図である。
【図4】第2の実施の形態例を説明する図である。
【図5】第2の実施の形態例構成の具体的製造工程を示すフロー図である。
【図6】図4の実施の形態例の変形例である。
【図7】本発明の第3の実施の形態例であり、複数の弾性表面波装置の製造工程途中の状態図である。
【図8】図7の実施の形態の製造工程フローである。
【図9】本発明の第4の実施の形態例の断面構造である。
【図10】図9の実施の形態例の製造工程である。
【図11】図9の実施の形態例における樹脂キャップ60の基板1への取り付けの形態例である。
【図12】図9の実施の形態例における樹脂キャップ60の基板1への取り付けの他の形態例である。
【図13】本発明の第5の実施の形態例である。
【図14】図13の実施の形態の製造工程を示す図である。
【図15】図14の工程の変形例である。
【符号の説明】
1 基板
2 電極パターン
3 弾性表面波素子
4 櫛形電極
5 電極バンプ
6 第1の樹脂層
7 第2の樹脂層
8 中空部
Claims (4)
- 基板と,
圧電基板上に形成された櫛形電極を有し,前記櫛形電極が前記基板に対向するようにバンプにより前記基板にフリップ実装された弾性表面波素子と,
前記弾性表面波素子のバンプ周辺に形成された第1の樹脂層と,
前記第1の樹脂層と少なくとも前記弾性表面波素子の側面を覆う第2の樹脂層を有し,
前記第1の樹脂層は前記第2の樹脂層より粘度の大きい樹脂材料で形成され,且つ前記弾性表面波素子の側面側に対応する,前記バンプの側面と接触し,
前記基板,前記弾性表面波素子,前記バンプ及び,前記第1の樹脂層で囲われた空隙を有し,更に
前記第1の樹脂層を形成する樹脂材料は,粘度が100〜400Pa・s(温度25℃),チクソ指数1.0〜3.5(温度25℃)の物性を有する熱硬化性樹脂である
ことを特徴とする弾性表面波装置。 - 圧電基板上に形成された櫛形電極を有する複数の弾性表面波素子を用意し,
1つの基板上に,前記櫛形電極が前記基板に対向するようにバンプにより前記複数の弾性表面波素子をフリップ実装し,
前記複数の弾性表面波素子のそれぞれの側面側に対応する,前記バンプの側面に接するように第1の樹脂層の樹脂材料を塗布し,硬化して前記第1の樹脂層を形成し,
前記第1の樹脂層及び少なくとも複数の弾性表面波素子のそれぞれの側面を覆うように,前記第1の樹脂層の粘度より小さい粘度の樹脂材料で第2の樹脂層を形成し,
前記第1の樹脂層の形成は,粘度が100〜400Pa・s(温度25℃),チクソ指数1.0〜3.5(温度25℃)の物性を有する熱硬化性樹脂を材料とする
ことを特徴とする弾性表面波素子の実装方法。 - 圧電基板上に形成された櫛形電極を有する複数の弾性表面波素子を用意し,
前記複数の弾性表面波素子がフリップ実装される領域の各々の4辺に樹脂抜き穴を有する1つの基板を用意し,
前記1つの基板上に,前記櫛形電極が前記基板に対向するようにバンプにより前記複数の弾性表面波素子をフリップ実装し,
前記複数の弾性表面波素子のそれぞれの側面側に対応する,前記バンプの側面に接するように第1の樹脂層を形成する樹脂材料を塗布し,
前記基板の前記弾性表面波素子が実装された面と反対の面から,前記樹脂抜き穴に流れた第1の樹脂の樹脂材料を含めて加熱して前記第1の樹脂層を形成し,
前記第1の樹脂層及び少なくとも複数の弾性表面波素子のそれぞれの側面を覆うように,前記第1の樹脂層の粘度より小さい粘度の樹脂材料で第2の樹脂層を形成することを特徴とする弾性表面波素子の実装方法。 - 請求項2又は3のいずれかにおいて,
さらに,前記1つの基板にフリップ実装された複数の弾性表面波素子をダイシングソーにより個々に切り出し,弾性表面波装置を形成することを特徴とする弾性表面波素子の実装方法。
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