JP4007300B2 - シリンダブロックの冷却構造 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンのシリンダブロックの冷却構造に関する。
従来、特開2002−30989号公報は、シリンダブロックと別体で形成したスペーサ(「インサート」と言ってもよい)をウォータジャケット内に配置してシリンダボア壁(ウォータジャケット内壁)の温度分布を均一化するシリンダブロックの冷却構造を開示している。
上記公報に開示のシリンダブロックの冷却構造では、シリンダボア壁における気筒間温度分布を改善するため、
(i)スペーサの熱伝達率を冷却水入口で小、冷却水出口で大とする、
(ii)シリンダボア壁外周面に触れる冷却水通路断面積を冷却水入口で小、冷却水出口で大とする、
(iii )冷却水出口側に絞りを設けて下流側の流速を上げる、
(iv)冷たい水を冷却水入口から離れたシリンダボア壁周囲にまわすようにスペーサに独立に経路を設ける、
の何れか少なくとも一つの構造をとっている。
しかし、上記の冷却構造には、なおつぎの解決すべき課題が残る。
(i)スペーサの熱伝達率を冷却水入口で小、冷却水出口で大とする構造では、固体であるスペーサの熱伝達率は流速を持たせた冷却水の熱伝達率より、かなり小さいため、冷却水出口側の冷却が不足する。冷却出口側の冷却不足を起こらないように冷却水量を上げると、冷却入口側での冷却し過ぎが生じる。
(ii)冷却水通路断面積を冷却水入口で小、冷却水出口で大とする構造では、出口側ほど冷却水の流速が落ちて熱伝達率が著しく低下し、冷却水出口側の冷却が不足する。
(iii )冷却水出口側に絞りを設けて下流側の流速を上げる構造では、シリンダヘッドガスケットの水孔またはエア抜き孔を通してシリンダヘッド内ウォータジャケットに抜ける水量が増加する結果、シリンダブロック内ウォータジャケットの出口側の流量が著しく低下するため、熱容量的に出口側の冷却能力が低下し、冷却水出口側の冷却が不足する。
(iv)冷たい水を冷却水入口から離れたシリンダボア壁周囲にバイパス回路を通して冷却水をまわす構造では、バイパス回路が広いと入口部の冷却が不足し、入口部が広いとバイパス流が不足するため出口側の冷却不足が生じる。
特開2002−30989号公報
本発明が解決しようとする問題点は、ウォータジャケットにスペーサを配置してシリンダボア壁温(ウォータジャケット内壁温)を気筒間で均一化する場合、従来の冷却構造では、冷却水出口側の冷却が不足しやすく、冷却水出口側の冷却不足を起こらないようにすると冷却水入口側での冷却し過ぎが生じるという問題である。
本発明の目的は、ウォータジャケットにスペーサを配置してシリンダボア壁温(ウォータジャケット内壁温)を気筒間で均一化する場合、冷却水出口側の冷却不足も冷却水入口側での冷却し過ぎも生じさせないシリンダブロックの冷却構造を提供することにある。
上記目的を達成する本発明はつぎの通りである。
(1) シリンダブロックのウォータジャケット内にスペーサを配置したシリンダブロックの冷却構造であって、
ウォータジャケット上部のメインの冷却通路の通路断面積が下流側の方が広くならないようにしながら、前記メインの冷却通路のシリンダボア壁との接触面積が下流側ほど大きくなるように、スペーサの断面形状を冷却水循環方向に変化させ
ガスケット水孔前後で流速がほぼ同じになるように、スペーサの断面形状を冷却水流れ方向に水孔前後で段階状に変化させたシリンダブロックの冷却構造。
上記(1)のシリンダブロックの冷却構造によれば、ウォータジャケット上部のメインの冷却通路の通路断面積が下流側の方が広くならないようにしながら、スペーサの断面形状を冷却水循環方向に変化させたので、熱伝達率に最も影響する流速を冷却水流れ方向にほぼ同じにすることができ、水孔を通して冷却水がシリンダヘッド側へ抜けても、冷却水出口側での冷却不足は生じない。また、下流ほど冷却水温度が上がって、ボア壁と冷却水の温度差が小になるが、メインの冷却通路のシリンダボア壁との接触面積が下流側ほど大きくなるようにしたので、ボア壁と冷却水の温度差が小になる分を、冷却通路のシリンダボア壁との接触面積が下流側ほど大きくなる分で相殺することができ、冷却水出口側の冷却不足は生じない。また、出口側での冷却不足が生じる場合に必要であった冷却水量の増加が必要でなく、冷却水量を増加した場合に生じる冷却水入口側での冷却し過ぎも生じない。
上記()のシリンダブロックの冷却構造によれば、スペーサの断面形状を冷却水流れ方向に水孔前後で段階状に変化させたので、水孔前後で段階的に生じていた流速の変化に対応することができ、水孔前後で流速を、したがって熱伝達率をほぼ一定に維持することができる。
(削除)
(削除)
本発明実施例(実施例1)と参考例(本発明に含まず)のシリンダブロックの冷却構造を、図1〜図8を参照して、説明する。
図中、図1、図2は本発明の実施例(実施例1)を示し、図3、図4は参考例2を示し、図3、図5は参考例3を示し、図3、図6は参考例4を示し、図6〜図7は参考例5を示す。実施例番号と参考例番号は通し番号とした。本発明の実施例と参考例にわたって共通する部分には本発明の実施例と参考例を通して同じ符号を付してある。
まず、本発明の実施例と参考例にわたって共通する部分を、たとえば、図1、図2を参照して説明する。
本発明のシリンダブロックの冷却構造1は、内燃機関のシリンダブロック2に形成されたウォータジャケット10内にスペーサ20(挿入物という意味で、「インサート」といってもよい)を配置したシリンダブロックの冷却構造である。
ウォータジャケット10にエンジン冷却水が流れ、シリンダボア壁4(ウォータジャケット内壁)を適正温度に冷却する。スペーサ20は、ウォータジャケット10に挿入されて、ウォータジャケット10内のエンジン冷却水の流量分布を変え、シリンダボア壁4(ウォータジャケット内壁)の温度を各シリンダボア3の上下方向および気筒間で均一化させる。
内燃機関は、シリンダブロック2に1以上のシリンダボア3を有する。シリンダボア3まわりにウォータジャケット10が形成される。図示例では、シリンダボア3が、複数、互いに並列に設けられている。複数のシリンダボア3の軸芯は、シリンダブロック長手方向に延びる直線上に位置している。図示例は、複数のシリンダボア3がシリンダブロック2に形成されている場合を示している。シリンダボア3の軸芯は、上下方向に延び、左右のバンクがV字状をなすV型エンジンでは、斜め上下方向に延びる。
シリンダボアの軸芯と直交する面内方向には、ウォータジャケット10は、シリンダボア3まわりに、複数のシリンダボア3を外側から囲むように形成される。
シリンダボアの軸芯と直交する面内方向には、ウォータジャケット10は、シリンダボア列の左右両側でシリンダブロック長手方向に延びる流路14、15と、シリンダブロック長手方向両端部で流路14、15が合流する合流部16、17とを有している。ウォータジャケット10は、シリンダブロック長手方向一端部16にエンジン冷却水の入口を有し、シリンダブロック長手方向他端部17にエンジン冷却水の出口を有する。
シリンダボアの軸芯と平行な方向には、ウォータジャケット10は、ピストンの上面のストローク範囲の側方に形成され、ピストンの上面のストローク範囲とほぼ同じ深さ(高さ)を有する。
本発明では、ウォータジャケット10はオープンデッキのウォータジャケットで、上方に開口している。スペーサ20は、通常、上部の開口からウォータジャケット10内に挿入され、固定される。
ウォータジャケット10は、シリンダボア壁4を兼ねるウォータジャケット内壁4と、ウォータジャケット外壁5との間に形成された空間で、底壁6有りで上方がシリンダヘッドガスケットを介してシリンダヘッドで覆われた空間である。ウォータジャケット10にはエンジン冷却水が流れ、シリンダボア3まわりを冷却し、燃焼室を外部から冷却する。
シリンダブロック1とシリンダヘッドとによって挟まれるシリンダヘッドガスケットには、ウォータジャケット10の上方に、ところどころに、シリンダブロック内のウォータジャケット10からシリンダヘッド内のウォータジャケットに水を流通させる水孔、および/または、エア抜き孔9(エンジン冷却水交換時などにおいて、水中に混入するエアを上方へと抜く孔)が設けられている。エンジン冷却水がエンジン冷却水の入口からエンジン冷却水の出口へと流れていく間に、一部がシリンダブロック内のウォータジャケット10から水孔および/またはエア抜き孔9を通ってシリンダヘッド内ウォータジャケットへ出ていく。
スペーサ20は、たとえば、樹脂製である。スペーサ20は、ウォータジャケット10に挿入可能な形状と大きさを有する。スペーサ20の形状は、シリンダボアの軸芯と直交する面内方向には、ウォータジャケット10と同様に、シリンダボア3まわりに延びる形状を有し、シリンダボアの軸芯と平行な方向には、ウォータジャケット10の深さより低い高さを有する。スペーサ20は、ウォータジャケット10に挿入可能なように、ウォータジャケット10の幅より小さい厚さを有する。スペーサ20をウォータジャケット10に挿入した状態では、スペーサ20の内面とウォータジャケット内壁4の外面との間、およびスペーサ20の外面とウォータジャケット外壁5の内面との間には、通常、挿入を可能とするためのクリアランスが残っている。ただし、何れか一方のクリアランスは0でもよい。
シリンダボア壁、すなわち、ウォータジャケット内壁4には、上下方向および気筒間で温度差が生じようとする。
上下方向には、シリンダボア壁4は、上部がエンジンの爆発、燃焼行程の熱を受けるため、シリンダボア壁の上部の温度が下部よりも高くなる傾向にある。
上下方向温度分布を均一化するために、スペーサ20がウォータジャケット10の上部より下部の空間をより多く占めるように、スペーサ20が、ウォータジャケット10に挿入される。これによって、エンジン冷却水が、ウォータジャケット上部11に多く流れ、ウォータジャケット下部12、ウォータジャケット中間部13(高さ方向中間部)にはウォータジャケット上部11より少なく流れ、その結果、シリンダボア壁4の温度が上下方向に均一化される。
シリンダボア壁4の気筒間温度差は、
(イ)エンジン冷却水はウォータジャケット10をエンジン冷却水入口7からエンジン冷却水出口8に流れる間にシリンダボア壁4からの温度を奪って自身は温度が上昇していき、シリンダボア壁4温度とエンジン冷却水温度との差がエンジン冷却水の流れの下流側ほど小さくなること、
(ロ)水孔および/またはエア抜き孔9からエンジン冷却水がシリンダヘッドに流出し、シリンダブロックのウォータジャケット10を流れるエンジン冷却水の流速が下流側ほど遅くなること、そして、それによって下流側ほど熱伝達率が小さくなること、
などにより、生じる。そして、下流側のシリンダボア3のボア壁4ほど温度が高くなる傾向にある。
また、シリンダボア壁4の気筒間温度差は、
(ハ)エンジン冷却水入口7に対向するシリンダボア壁4が、エンジン冷却水入口7とシリンダボア壁4との間にスペーサ20が存在しても、エンジン冷却水がスペーサ20の上下からシリンダボア壁4側に回り込んで強く冷却すること、
(ニ)シリンダボア列の中央にあるシリンダボア壁4は2方向から冷却されるが、シリンダボア列の両端にあるシリンダボア壁4は3方向から冷却されるため、より強く冷却されること、
によっても生じる。この場合は、特定のシリンダボアのボア壁の温度が下がる傾向にある。
シリンダボア壁4の温度を気筒間で均一化する場合、上記(イ)、(ロ)による下流側のシリンダボア壁4の冷却不足と、上記(ハ)、(ニ)によるシリンダボア列の端部にあるシリンダボアのシリンダボア壁4の冷却し過ぎの、少なくとも一方を生じさせない冷却構造とする必要がある。
このシリンダボア壁4の温度を気筒間で均一化するための構造は、本発明の実施例と各参考例で異なる。
つぎに、本発明の実施例と参考例に特有な部分を説明する。
〔実施例1〕
本発明の実施例1のシリンダブロックの冷却構造1では、図1、図2に示すように、ウォータジャケット上部11のメインの冷却通路18の通路断面積Sが下流側の方が広くならないようにしながら、メインの冷却通路18のシリンダボア壁との接触面積(「高さ」Hであらわせる)が下流側ほど大きくなるように、スペーサ20の断面形状を冷却水循環方向(冷却水流れ方向)に変化させてある。
図1における、A、B、C部位は、それぞれ、冷却水流れ方向に、上流部、中流部、下流部に対応し、図1のA、B、C部位の断面を図2の(A)、(B)、(C)に示す。図2において、通路断面積SA、SB、SCは、それぞれ、図1のA、B、C部位のメインの冷却通路18の通路断面積であり、VwA、VwB、VwCは、それぞれ、図1のA、B、C部位のメインの冷却通路18のエンジン冷却水の流量であり、vA、vB、vCは、それぞれ、図1のA、B、C部位のメインの冷却通路18のエンジン冷却水の流速である。
上記の「ウォータジャケット上部11のメインの冷却通路18の通路断面積Sが下流側の方が広くならないようにしながら」という条件は、SA≧SB≧SCということであり、これによって、熱伝達率に最も影響する流速をほぼ同じにする、すなわち、vA≒vB≒vCとする。
また、上記の「メインの冷却通路18のシリンダボア壁との接触面積が下流側ほど大きくなるように」という条件は、HA<HB<HCということであり、これによって、下流側にいくほどシリンダボア壁4冷却効果を上げ、下流側にいくほどエンジン冷却水温が上がってシリンダボア壁冷却効果が落ちる分を相殺するようにする。
スペーサ20の断面形状を冷却水循環方向(冷却水流れ方向)に変化させる場合、シリンダヘッドガスケットの水孔および/またはエア抜き孔9の前後でエンジン冷却水の流速がほぼ同じになるように、スペーサ20の断面形状を冷却水流れ方向に水孔および/またはエア抜き孔9前後で段階状に変化させることが望ましい。
本発明の実施例1の作用、効果を説明する。
ウォータジャケット上部のメインの冷却通路18の通路断面積Sが下流側の方が広くならないようにしながら、スペーサ20の断面形状を冷却水循環方向に変化させたので、熱伝達率αに最も影響する流速vを冷却水流れ方向にほぼ同じにすることができ、すなわち、vA≒vB≒vCとすることができる。その結果、水孔および/またはエア抜き孔9を通してエンジン冷却水がシリンダヘッド内ウォータジャケットへ抜けても、ウォータジャケット10の冷却水出口側でのシリンダボア壁4の冷却不足は生じない。
また、下流ほど冷却水温度が上がって、シリンダボア壁4とエンジン冷却水の温度差が小になり、シリンダボア壁からエンジン冷却水に伝達される(奪われる)熱量Q=αA(Tb−Tw)の(Tb−Tw)が小となってQが低下するが、メインの冷却通路18のシリンダボア壁との接触面積A(接触面積高さHに比例)が下流側ほど大きくなるようにした(HA<HB<HCとした)ので、ボア壁と冷却水の温度差(Tb−Tw)が小になる分を、冷却通路のシリンダボア壁との接触面積が下流側ほど大きくなる分(HA<HB<HC)で相殺することができ、冷却水出口側のシリンダボア壁4の冷却不足は生じない。また、従来、出口側での冷却不足が生じる場合に必要であった(下流側でのTwの上昇を抑えるために必要であった)冷却水量の増加が必要でなく、冷却水量を増加した場合に生じる冷却水入口側での冷却し過ぎも生じない。
また、スペーサ20の断面形状を冷却水流れ方向に水孔および/またはエア抜き孔9前後で段階状に変化させたので、水孔および/またはエア抜き孔9前後で段階的に生じていたエンジン冷却水の流速vの変化に対応することができ、水孔および/またはエア抜き孔9前後でエンジン冷却水の流速vを、したがって熱伝達率αをほぼ一定に維持することができる。これによっても、気筒間のシリンダボア壁温度差を小とすることができる。
参考例2
参考例2のシリンダブロックの冷却構造1では、図3の(ロ)に示すように、スペーサ20に、冷却水のウォータジャケット10への導入部(エンジン冷却水入口7、ウォータポンプW/Pからの冷却水が流入する部位)の近傍に、エンジン冷却水のシリンダボア壁4側への回り込み(図3の(イ)は従来構造で冷却水の回り込みを示す)を抑制する、シリンダボア壁4に沿って上下方向に延びるスペーサ延長部24(「回り込み抑制用のスペーサ延長部」、図3の(ロ)において図3の(イ)のスペーサより上下に長くなった部分)が設けられている。
スペーサ延長部24は、シリンダボア壁4の周方向には、最上流側のシリンダボア壁4の、周長の約1/4程度に設けられていればよい。その場合、スペーサ延長部24の円弧の周方向中心が、エンジン冷却水入口7部位にくるようにする。
参考例2の作用、効果については、スペーサ20に、冷却水のウォータジャケットへの導入部の近傍に、シリンダボア壁に沿って上下方向に延びるスペーサ延長部24を設けたので、エンジン冷却水のシリンダボア壁4側への回り込みを抑制することができ、エンジン冷却水入口7に対向するシリンダボア壁4が集中的に冷却されることがなくなり、気筒間ボア壁温度の均一化がより一層はかられる。
参考例3〕
参考例3のシリンダブロックの冷却構造1では、図4に示すように、スペーサ20に、冷却水のウォータジャケット10への導入部(エンジン冷却水入口7、ウォータポンプW/Pからの冷却水が流入する部位)の近傍に、エンジン冷却水のシリンダボア壁4側への回り込みを抑制する、シリンダボア壁4に沿って上下方向に延びるスペーサ延長部24が設けられるとともに、スペーサ延長部24の上下端部からスペーサ延長部24と直交する方向に折れ曲がってシリンダボア壁4に延びる庇25が設けられている。
スペーサ延長部24および庇25は、シリンダボア壁4の周方向には、最上流側のシリンダボア壁4の、周長の約1/4程度に設けられていればよい。その場合、スペーサ延長部24および庇25の円弧の周方向中心が、エンジン冷却水入口7部位にくるようにする。
参考例3の作用、効果については、スペーサ20に、冷却水のウォータジャケットへの導入部の近傍に、シリンダボア壁に沿って上下方向に延びるスペーサ延長部24を設けるとともに、スペーサ延長部24に庇25を設けたので、エンジン冷却水のシリンダボア壁4側への回り込みを抑制することができ(参考例2よりも一層、回り込みを抑制することができ)、エンジン冷却水入口7に対向するシリンダボア壁4が集中的に冷却されることがなくなり、気筒間ボア壁温度の均一化がより一層はかられる。
参考例4〕
参考例4のシリンダブロックの冷却構造1では、図5に示すように、スペーサ20に、冷却水のウォータジャケット10への導入部(エンジン冷却水入口7、ウォータポンプW/Pからの冷却水が流入する部位)の近傍に、エンジン冷却水のシリンダボア壁4側への回り込みを抑制する、シリンダボア壁4に沿って上下方向に延びるスペーサ延長部24が設けられるとともに、スペーサ延長部24の上下端部の少なくとも一方に、冷却水のシリンダボア壁側への回り込みを抑制する回り込み抑制部材40が設けられている。
回り込み抑制部材40は、シリンダボア壁4またはウォータジャケット底壁またはシリンダヘッドガスケットと当たってもよい。回り込み抑制部材40が、シリンダボア壁4またはウォータジャケット底壁またはシリンダヘッドガスケットと当たる場合は、回り込み抑制部材40がスポンジなど、弾性部材からなることが望ましく、回り込み抑制部材40がシリンダボア壁4等と干渉しても、回り込み抑制部材40が変形して、ウォータジャケット10への挿入性を阻害することなく、冷却水の回り込みを抑制することができる。また、回り込み抑制部材40を断熱材とすることにより、樹脂製スペーサの、ウォータジャケット内壁4からの熱損傷を防止することができる。
スペーサ延長部24および回り込み抑制部材40は、シリンダボア壁4の周方向には、最上流側のシリンダボア壁4の、周長の約1/4程度に設けられていればよい。その場合、スペーサ延長部24および回り込み抑制部材40の円弧の周方向中心が、エンジン冷却水入口7部位にくるようにする。
参考例4の作用、効果については、スペーサ20に、冷却水のウォータジャケットへの導入部の近傍に、シリンダボア壁に沿って上下方向に延びるスペーサ延長部24を設けるとともに、スペーサ延長部24に回り込み抑制部材40を設けたので、エンジン冷却水のシリンダボア壁4側への回り込みを抑制することができ(参考例2よりも一層、回り込みを抑制することができ)、エンジン冷却水入口7に対向するシリンダボア壁4が集中的に冷却されることがなくなり、気筒間ボア壁温度の均一化がより一層はかられる。
参考例5〕
参考例5のシリンダブロックの冷却構造1では、図6〜図8に示すように、スペーサ20の、シリンダボア列の端にあるシリンダボア3のシリンダボア壁4にシリンダボア列方向に対向する部分(上流側と下流側との2ケ所あるが、少なくとも一方)に、シリンダボア列方向からのシリンダボア壁4の冷却を抑制する、シリンダボア壁4に沿って上下方向に延びるスペーサ延長部26(冷え過ぎ抑制用のスペーサ延長部)が設けられている。
最上流側のシリンダボア壁4に対向して設けられた冷え過ぎ抑制用のスペーサ延長部26は、回り込みを抑制用のスペーサ延長部24を兼ねてもよい。
冷え過ぎ抑制用のスペーサ延長部26は、シリンダボア壁4の周方向には、最上流側のシリンダボア壁4の、周長の約1/4程度に設けられていればよい。その場合、スペーサ延長部26の円弧の周方向中心が、エンジン冷却水入口7部位にくるようにする。
参考例5の作用、効果については、つぎの通りである。
シリンダボア列のうち冷却水入口7と冷却水出口8側にあるシリンダボアは、シリンダブロックの長手方向と直交する左右方向の2面から冷却される以外にシリンダブロックの長手方向の1面からも冷却され、中央にあるシリンダボアに比べて強く冷却され、気筒間温度差を生じやすい。しかし、参考例5の構造では、スペーサ20の、シリンダボア列の端にあるシリンダボアのシリンダボア壁にシリンダボア列方向に対向する部分に、シリンダボア列方向からのシリンダボア壁の冷却を抑制する、シリンダボア壁に沿って上下方向に延びるスペーサ延長部26を設けたので、シリンダボア列の端のシリンダボアの冷却し過ぎを抑制でき、気筒間ボア壁温度の均一化に寄与することができる。
本発明の実施例1のシリンダブロックの冷却構造の平面図である。 本発明の実施例1のシリンダブロックの冷却構造の断面図で、(A)、(B)、(C)は、それぞれ、図1のA、B、C部位の断面図である。 (イ)は従来のシリンダブロックの冷却構造の断面図で、(ロ)は参考例2のシリンダブロックの冷却構造の断面図である。 参考例3のシリンダブロックの冷却構造の断面図である。 参考例4のシリンダブロックの冷却構造の断面図である。 参考例5のシリンダブロックの冷却構造の平面図である。 参考例5のシリンダブロックの冷却構造の断面図で、図6のA部位に対応する部位の断面図である。 参考例5のシリンダブロックの冷却構造の断面図で、図6のB部位に対応する部位の断面図である。
符号の説明
1 シリンダブロックの冷却構造
2 シリンダブロック
3 シリンダボア
4 ウォータジャケット内壁(シリンダボア壁)
5 ウォータジャケット外壁
6 ウォータジャケット底壁
7 エンジン冷却水入口
8 エンジン冷却水出口
9 水孔および/またはエア抜き孔
10 ウォータジャケット
11 (ウォータジャケットの)上部
12 (ウォータジャケットの)下部
13 (ウォータジャケットの)中間部
14、15 流路
16、17 合流部
18 メインの冷却通路
20 スペーサ
24 (回り込み抑制用の)延長部
25 庇
26 (冷え過ぎ抑制用の)延長部
40 回り込み抑制部材

Claims (1)

  1. シリンダブロックのウォータジャケット内にスペーサを配置したシリンダブロックの冷却構造であって、
    ウォータジャケット上部のメインの冷却通路の通路断面積が下流側の方が広くならないようにしながら、前記メインの冷却通路のシリンダボア壁との接触面積が下流側ほど大きくなるように、スペーサの断面形状を冷却水循環方向に変化させ
    ガスケット水孔前後で流速がほぼ同じになるように、スペーサの断面形状を冷却水流れ方向に水孔前後で段階状に変化させたシリンダブロックの冷却構造。
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