JP4007179B2 - 画像処理装置と印刷装置とで分担して画像処理を行いながら印刷する印刷システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、画像に所定の画像処理を加えて印刷する技術に関し、詳しくは、該画像処理を、画像処理装置と印刷装置とで分担して行いながら画像を印刷する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
印刷媒体上にドットを形成して画像を印刷する印刷装置は、コンピュータで作成した画像やデジタルカメラで撮影した画像などを出力する機器として広く使用されている。これら印刷装置で画像を印刷するためには、画像データをドット形成の有無による表現形式のデータに変換するべく、所定の画像処理を施しておく必要がある。
【0003】
こうした画像処理は、専用の画像処理装置を用いて行われることが多いが、処理の一部を印刷装置側で分担して行うことも効果的である(例えば、特許文献1)。すなわち、印刷装置にも、ある程度であれば画像処理を実行可能な処理能力が搭載されているので、画像処理装置および印刷装置がそれぞれ備える処理能力を活用して画像処理を分担することができれば、画像処理装置側に要求される処理能力を抑制しつつ、画像処理を迅速に行って高画質な画像を印刷することが可能となる。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−130063号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、画像処理の一部を印刷装置で分担して実行しようとしても、印刷装置での処理能力は画像処理装置ほどには高くないので、この点が制約となって画像処理を分担しても効果的に分担できない場合がある。特に、画像処理には大きな記憶容量が必要になることが多いので、印刷装置に搭載された記憶容量が画像処理装置の記憶容量よりも少ないことが制約となってしまうことが多い。もちろん、印刷装置の記憶容量を増やすなどして処理能力を増強することも可能であるが、これでは、画像処理を分担して行うことで、画像処理装置に要求される処理能力を抑制するという効果が減殺されてしまう。
【0006】
この発明は、従来の技術における上述した課題を解決するためになされたものであり、印刷装置側の処理能力が低い場合でも、画像処理装置との間で処理を分担することで、効率よく画像処理を行う技術の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の第1の印刷システムは、次の構成を採用した。すなわち、
印刷しようとする画像に画像処理を施して画像データを出力する画像処理装置と、該画像処理装置から出力された画像データを受け取り、印刷媒体上にドットを形成することによって該画像を印刷する印刷装置とを備えた印刷システムであって、
前記画像処理装置は、前記画像処理が施された画像データを、前記印刷装置側で複数の画素に対応したデータに展開を要する状態に圧縮し、該印刷装置に転送する画像データ転送手段を備えており、
前記印刷装置は、
前記転送されてきた画像データを、前記展開を要する圧縮した状態で記憶しておく画像データ記憶手段と、
ドット形成の有無を判断しようとする着目画素を、ドットを形成する順序に基づいて設定する着目画素設定手段と、
前記記憶されている画像データの中から、該画像データの並び順とは異なる順序であり、前記ドットを形成する順序に基づいて設定され、前記着目画素を含み該画素の着目の順序に対応した画像データを展開し、該展開した画像データに基づいて、該着目画素についてのドット形成有無を判断するドット形成有無判断手段と、
前記判断結果に従って前記印刷媒体上にドットを形成するドット形成手段と
を備えることを要旨とする。
【0008】
上記の印刷システムに対応する本発明の第1の印刷装置は、
画像処理装置から画像データを受け取って、印刷媒体上にドットを形成することにより、該画像データに対応した画像を印刷する印刷装置であって、
前記画像処理装置から受け取った画像データを、複数の画素に対応したデータに展開を要する状態に圧縮し、記憶しておく画像データ記憶手段と、
ドット形成の有無を判断しようとする着目画素を、ドットを形成する順序に基づいて設定する着目画素設定手段と、
前記記憶されている画像データの中から、該画像データの並び順とは異なる順序であり、前記ドットを形成する順序に基づいて設定され、前記着目画素を含み該画素の着目の順序に対応した画像データを展開し、該展開した画像データに基づいて、該着目画素についてのドット形成有無を判断するドット形成有無判断手段と、
前記判断結果に従って前記印刷媒体上にドットを形成するドット形成手段と
を備えることを要旨とする。
【0009】
更に、上記の印刷装置に対応する本発明の第1の印刷方法は、
画像処理装置から画像データを受け取って、印刷媒体上にドットを形成することにより、該画像データに対応した画像を印刷する印刷方法であって、
前記画像処理装置から受け取った画像データを、複数の画素に対応したデータに展開を要する状態に圧縮し、記憶しておく第1の工程と、
ドット形成の有無を判断しようとする着目画素を、ドットを形成する順序に基づいて設定する第2の工程と、
前記記憶されている画像データの中から、該画像データの並び順とは異なる順序であり、前記ドットを形成する順序に基づいて設定され、前記着目画素を含み該画素の着目の順序に対応した画像データを展開し、該展開した画像データに基づいて、該着目画素についてのドット形成有無を判断する第3の工程と、
前記判断結果に従って前記印刷媒体上にドットを形成する第4の工程と
を備えることを要旨とする。
【0010】
これら第1の印刷システム、印刷装置、および印刷方法においては、印刷装置に転送されてきた画像データを、展開を要する状態で記憶しておく。着目画素についてのドット形成有無を判断する際には、記憶されている画像データの中から該着目画素を含む画像データを展開して、ドット形成の有無を判断する。こうして着目画素についての判断結果に基づいてドットを形成して画像を印刷する。
【0011】
こうすれば、印刷装置側では転送されてきた画像データを、展開を要する状態のまま記憶しておくことができるので、大きな記憶容量が要求されることがない。従って、印刷装置側での処理能力がそれほど高くない場合であっても、画像処理装置と印刷装置とで、画像処理を効率よく分担することが可能となる。
【0012】
また、印刷媒体上で往動と復動とを繰り返しながらドットを形成することで、ドットの列たるラスタを形成して画像を印刷する印刷システム、印刷装置、および印刷方法においては、次のようにしても良い。すなわち、着目画素についてのドット形成有無の判断結果を一時的に蓄積しておく。そして、該蓄積された判断結果の中から、少なくとも1回の往動または復動で形成するドットに対応する判断結果をまとめて、ラスタを形成する。
【0013】
こうすれば、ラスタを迅速に形成することができ、延いては画像を迅速に印刷することが可能となって好ましい。
【0014】
あるいは、こうした印刷システム、印刷装置、および印刷方法においては、前記着目画素を設定した後、前記展開を要する状態で記憶されている画像データの中から、該着目画素に対応する箇所の画像データを展開して、前記ドット形成の有無を判断することとしてもよい。
【0015】
こうすれば、着目画素に対応する箇所の画像データのみを展開することができるので、画像データを無駄に展開することが無くなる。従って、その分だけ、展開に要する記憶容量を節約することが可能となる。
【0016】
更には、印刷媒体上で往動と復動とを繰り返しながらドットを形成して、ドットの列たるラスタを形成しながら画像を印刷する印刷システム、印刷装置、および印刷方法においては、前記着目画素を設定した後、前記記憶されている画像データの中から、前記着目画素を含む画像データを前記ラスタ単位で展開して、前記ドット形成の有無を判断することとしてもよい。
【0017】
こうすれば、展開すべき画像データを容易に特定することができるので、印刷装置側での処理を簡素なものとすることができると共に、処理を迅速化することが可能となるので好ましい。
【0018】
また、従来の技術の有する前述した課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の第2の印刷システムは、次の構成を採用した。すなわち、
印刷しようとする画像に画像処理を施して画像データを出力する画像処理装置と、該画像処理装置から出力された画像データを受け取り、印刷媒体上にドットの列たるラスタを形成することによって該画像を印刷する印刷装置とを備えた印刷システムであって、
前記画像処理装置は、
前記画像データに画像処理を施して、前記画像を構成する画素毎にドット形成の有無を判断することにより、該画像データをドット形成の有無による表現形式のデータに変換する画像データ変換手段と、
前記ドット形成の有無による表現形式に変換されたデータを圧縮して、前記印刷装置に転送する画像データ転送手段と
を備えており、
前記印刷装置は、
前記印刷媒体上で往動と復動とを繰り返しながら、少なくとも往動または復動の度に、互いに所定の間隔だけ離れた複数本の前記ラスタを形成するラスタ形成手段と、
先に形成された前記ラスタ間の間隔を後から形成される該ラスタが埋めるように、前記ラスタ形成手段と前記印刷媒体との相対位置を、該ラスタと交差する方向に移動させるラスタ位置移動手段と、
前記画像処理装置から転送されてきた画像データを、前記圧縮された状態で記憶しておく画像データ記憶手段と、
前記ラスタ形成手段が前記複数本のラスタを形成するに先立って、該ラスタを構成する画素を検出し、該画素を含んだ前記圧縮データを展開して該画素についての前記画像データを、該ラスタ形成手段に出力する画像データ出力手段と
を備えていることを要旨とする。
【0019】
また、上記の印刷システムに対応する本発明の第2の印刷装置は、
画像処理装置から、ドット形成の有無による形式で表現された画像データを受け取り、該画像データに従って、ドットの列たるラスタを印刷媒体上に形成しながら画像を印刷する印刷装置であって、
前記印刷媒体上で往動と復動とを繰り返しながら、少なくとも往動または復動の度に、互いに所定の間隔だけ離れた複数本の前記ラスタを形成するラスタ形成手段と、
先に形成された前記ラスタ間の間隔を後から形成される該ラスタが埋めるように、前記ラスタ形成手段と前記印刷媒体との相対位置を、該ラスタと交差する方向に移動させるラスタ位置移動手段と、
前記画像処理装置から前記画像データを圧縮された状態で受け取って記憶しておく圧縮データ記憶手段と、
前記ラスタ形成手段が前記複数本のラスタを形成するに先立って、該ラスタを構成する画素を検出し、該画素を含んだ前記圧縮データを展開して該画素についての前記画像データを、該ラスタ形成手段に出力する画像データ出力手段と
を備えることを要旨とする。
【0020】
更に、上記の印刷装置に対応する本発明の第2の印刷方法は、
画像処理装置から、ドット形成の有無による形式で表現された画像データを受け取り、該画像データに従って、ドットの列たるラスタを印刷媒体上に形成しながら画像を印刷する印刷方法であって、
前記画像処理装置から前記画像データを圧縮された状態で受け取って記憶しておく第1の工程と、
前記印刷媒体上で往動と復動とを繰り返しながら、少なくとも往動または復動の度に、互いに所定の間隔だけ離れた複数本の前記ラスタを形成する第2の工程と、
先に形成された前記ラスタ間の間隔を後から形成される該ラスタが埋めるように、前記ラスタ形成手段と前記印刷媒体との相対位置を、該ラスタと交差する方向に移動させる第3の工程と、
前記第2の工程に先立って、前記ラスタを構成する画素を検出し、該画素を含んだ前記圧縮データを展開して該画素についての前記画像データを取得する第4の工程と
を備えることを要旨とする。
【0021】
これら第2の印刷システム、印刷装置、および印刷方法においては、画像処理装置から、ドット形成の有無により表現された画像データを圧縮された状態で受け取って記憶しておく。画像処理装置内では、ランレングス圧縮などの周知の圧縮方法を適用することによって画像データが圧縮される。印刷装置側では、この画像データに基づいて、所定の間隔だけ離れた複数本のラスタを形成しながら画像を印刷する。これら複数本のラスタを形成するに際しては、該ラスタを構成する画素を検出する。そして、該画素を含んだ前記圧縮データを展開して、該画素についてのドット形成の有無を表す画像データを取得し、この画像データに基づいてドットを形成することにより画像を印刷する。
【0022】
このようにしても、印刷装置側では転送されてきた画像データを、圧縮されたまま記憶しておくことができるので、大きな記憶容量が要求されることがない。従って、印刷装置側での処理能力がそれほど高くない場合であっても、画像処理装置と印刷装置とで、画像処理を効率よく分担することが可能となる。
【0023】
また、本発明の印刷方法は、所定の機能を実現するプログラムをコンピュータに組み込んで、コンピュータを用いて印刷装置を制御することによっても実現することができる。従って、本発明は次のようなプログラムあるいは該プログラムを記録した記録媒体としての態様も含んでいる。すなわち、本発明の第1の印刷方法に対応するプログラムは、
画像処理装置から画像データを受け取って、印刷媒体上にドットを形成することにより、該画像データに対応した画像を印刷する方法をコンピュータを用いて実現するためのプログラムであって、
前記画像処理装置から受け取った画像データを、複数の画素に展開を要する状態で記憶しておく第1の機能と、
ドット形成の有無を判断しようとする着目画素を設定する第2の機能と、
前記記憶されている画像データの中から、前記着目画素を含む画像データを展開し、該展開した画像データに基づいて、該着目画素についてのドット形成有無を判断する第3の機能と、
前記判断結果に従って前記印刷媒体上にドットを形成する第4の機能と
をコンピュータを用いて実現するためのプログラムとしての態様である。
【0024】
また、本発明の第1の印刷方法に対応する第1の記録媒体は、
画像処理装置から画像データを受け取って、印刷媒体上にドットを形成することにより、該画像データに対応した画像を印刷する方法を実現するプログラムをコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体であって、
前記画像処理装置から受け取った画像データを、複数の画素に展開を要する状態で記憶しておく第1の機能と、
ドット形成の有無を判断しようとする着目画素を設定する第2の機能と、
前記記憶されている画像データの中から、前記着目画素を含む画像データを展開し、該展開した画像データに基づいて、該着目画素についてのドット形成有無を判断する第3の機能と、
前記判断結果に従って前記印刷媒体上にドットを形成する第4の機能と
をコンピュータを用いて実現するためのプログラムを記録した記録媒体としての態様である。
【0025】
また、本発明の第2の印刷方法に対応する本発明の第2のプログラムは、
画像処理装置から、ドット形成の有無による形式で表現された画像データを受け取り、該画像データに従って、ドットの列たるラスタを印刷媒体上に形成しながら画像を印刷する方法をコンピュータを用いて実現するためのプログラムであって、
前記画像処理装置から前記画像データを圧縮された状態で受け取って記憶しておく第1の機能と、
前記印刷媒体上で往動と復動とを繰り返しながら、少なくとも往動または復動の度に、互いに所定の間隔だけ離れた複数本の前記ラスタを形成する第2の機能と、
先に形成された前記ラスタ間の間隔を後から形成される該ラスタが埋めるように、前記ラスタ形成手段と前記印刷媒体との相対位置を、該ラスタと交差する方向に移動させる第3の機能と、
前記複数本のラスタを形成するに先立って、該ラスタを構成する画素を検出し、該画素を含んだ前記圧縮データを展開して該画素についての前記画像データを取得する第4の機能と
をコンピュータを用いて実現するためのプログラムとしての態様である。
【0026】
更に、本発明の第2の印刷方法に対応する本発明の第2の記録媒体は、
画像処理装置から、ドット形成の有無による形式で表現された画像データを受け取り、該画像データに従って、ドットの列たるラスタを印刷媒体上に形成しながら画像を印刷する方法を実現するためのプログラムをコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体であって、
前記画像処理装置から前記画像データを圧縮された状態で受け取って記憶しておく第1の機能と、
前記印刷媒体上で往動と復動とを繰り返しながら、少なくとも往動または復動の度に、互いに所定の間隔だけ離れた複数本の前記ラスタを形成する第2の機能と、
先に形成された前記ラスタ間の間隔を後から形成される該ラスタが埋めるように、前記ラスタ形成手段と前記印刷媒体との相対位置を、該ラスタと交差する方向に移動させる第3の機能と、
前記複数本のラスタを形成するに先立って、該ラスタを構成する画素を検出し、該画素を含んだ前記圧縮データを展開して該画素についての前記画像データを取得する第4の機能と
をコンピュータを用いて実現するためのプログラムを記録した記録媒体としての態様である。
【0027】
これらプログラムをコンピュータに読み込ませれば、画像処理装置と印刷装置とで、効果的に画像処理を分担することが可能となる。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明の作用・効果をより明確に説明するために、以下では、本発明の実施の形態を次のような順序に従って説明する。
A.発明の概要:
B.装置構成:
C.画像処理の概要:
D.ハーフトーン・マイクロウィーブ処理:
E.変形例:
【0029】
A.発明の概要:
以下では、実施例に基づいて詳細な説明を行うが、理解の便宜から、初めに発明の概要につき、例示を用いて簡単に説明しておく。図1は、本発明の印刷システムを例示した説明図である。例示した印刷システムは、画像処理装置としてのコンピュータ10と、印刷装置としてのプリンタ20などから構成されている。コンピュータ10の画像をプリンタ20から出力するためには、画像データに所定の画像処理を施さなければならないが、本発明の印刷システムでは、これら一連の画像処理を、コンピュータ10とプリンタ20とで分担して行っている。
【0030】
コンピュータ10では、画像は一般的に、いわゆる光の三原色によるRGB画像データとして表現されているが、プリンタ20では、プリンタに搭載されているインクを用いて画像を印刷している。このため、コンピュータ上の画像を印刷するに際しては、RGB画像データをインク量に相当するデータに変換する処理が必要となる。図1に示した印刷システムでは、コンピュータ10に設けられた色変換モジュールを用いて画像処理を施している。すなわち、色変換処理については、コンピュータ10側で行っている。色変換処理の内容については後述する。また、コンピュータ10には中間データ転送モジュールも設けられており、コンピュータ10側で施す画像処理が完了した中間データは、このモジュールからプリンタ20に向かって転送される。中間データの転送に際しては、転送に要する時間を短縮するため、プリンタ20側で複数の画素に展開を要する状態で転送する。
【0031】
プリンタ20側に転送された中間データは、展開を要する状態のまま、中間データ記憶モジュールに記憶される。プリンタ20側では、こうして記憶されたデータに残りの画像処理を施した後、最終的に得られたデータを印字ヘッドに供給する。印字ヘッドは、供給されたデータに従って、印刷媒体上にインクのドットを形成しながら画像を印刷する。ここで、コンピュータ10からプリンタ20に転送されてきた中間データは、ドットを用いて画像を表現可能な形式にはなっていないので、中間データをこうした形式のデータに変換する処理が必要となる。また、印字ヘッドがドットを形成する順序は、必ずしもプリンタ20に記憶されている順序に一致するとは限らないので、データの順番を並べ替える処理が必要になる場合もある。図1に例示した印刷システムでは、プリンタ20内にハーフトーン・マイクロウィーブモジュールが設けられており、このモジュールを用いて、これらの処理を行った後、最終的に得られたデータを印字ヘッドに供給して画像を印刷する。
【0032】
前述したように中間データは、プリンタ20側で複数の画素に展開を要する状態で記憶されている。そこで、ハーフトーン・マイクロウィーブモジュールは上記の処理を行うに際して、処理の対象となっている画素を含んだ中間データを読み込み、これを展開して、対象とする画素に所定の画像処理を行う。一つの画素について変換が終了したら、再び、他の画素を含んだ中間データを読み込んで展開し、目的の画素に所定の画像処理を施すことを繰り返す。こうすれば、プリンタ20では、処理の対象となっている中間データは展開されているものの、大部分の中間データは展開することなく記憶しておくことができるので、大きな記憶容量が必要となることがない。その結果、コンピュータ10とプリンタ20とで画像処理を分担した場合でも、プリンタ20側の記憶容量が制約となることなく、効果的に処理を分担することが可能となる。以下では、こうした印刷システムについて、実施例に基づいて詳細に説明する。
【0033】
B.装置構成:
図2は、本実施例の画像処理装置としてのコンピュータ100の構成を示す説明図である。コンピュータ100は、CPU102を中心に、ROM104やRAM106などを、バス116で互いに接続して構成された周知のコンピュータである。コンピュータ100には、フレキシブルディスク124やコンパクトディスク126などからデータを読み込むためのディスクコントローラDDC109や、周辺機器とデータの授受を行うための周辺機器インターフェースP−I/F108、CRT114を駆動するためのビデオインターフェースV−I/F112等が接続されている。P−I/F108には、ハードディスク118や、後述するカラープリンタ200等が接続されている。また、デジタルカメラ120や、カラースキャナ122等をP−I/F108に接続すれば、デジタルカメラ120やカラースキャナ122で取り込んだ画像を印刷することも可能である。また、ネットワークインターフェースカードNIC110を装着すれば、コンピュータ100を通信回線300に接続して、通信回線に接続された記憶装置310に記憶されているデータを取得することもできる。
【0034】
図3は、第1実施例のカラープリンタ200の概略構成を示す説明図である。カラープリンタ200はシアン,マゼンタ,イエロ,ブラックの4色インクのドットを形成可能なインクジェットプリンタである。もちろん、これら4色のインクに加えて、染料濃度の低いシアン(淡シアン)インクと染料濃度の低いマゼンタ(淡マゼンタ)インクとを含めた合計6色のインクドットを形成可能なインクジェットプリンタを用いることもできる。尚、以下では場合によって、シアンインク,マゼンタインク,イエロインク,ブラックインクのそれぞれを、Cインク,Mインク,Yインク,Kインクと略称するものとする。
【0035】
カラープリンタ200は、図示するように、キャリッジ240に搭載された印字ヘッド241を駆動してインクの吐出およびドット形成を行う機構と、このキャリッジ240をキャリッジモータ230によってプラテン236の軸方向に往復動させる機構と、紙送りモータ235によって印刷用紙Pを搬送する機構と、ドットの形成やキャリッジ240の移動および印刷用紙の搬送を制御する制御回路260とから構成されている。
【0036】
キャリッジ240には、Kインクを収納するインクカートリッジ242と、Cインク,Mインク,Yインクの各種インクを収納するインクカートリッジ243とが装着されている。キャリッジ240にインクカートリッジ242,243を装着すると、カートリッジ内の各インクは図示しない導入管を通じて、印字ヘッド241の下面に設けられた各色毎のインク吐出用ヘッド244ないし247に供給される。各色毎のインク吐出用ヘッド244ないし247は、こうして供給されたインクを用いてインク滴を吐出して、印刷媒体上にインクドットを形成する。
【0037】
制御回路260は、CPUを中心として、ROMや、RAM、周辺機器インターフェースP−I/F等に加えて、デジタルデータをアナログ信号に変換するD/A変換器262や、印字ヘッド241に供給するデータを一時的に蓄えておく駆動バッファ261等から構成されている。もちろん、CPUを搭載せずに、ハードウェアあるいはファームウェアによって同様の機能を実現することとしても良い。制御回路260は、キャリッジモータ230および紙送りモータ235の動作を制御することによって、キャリッジ240の主走査動作および副走査動作の制御を司っている。また、キャリッジ240の主走査および副走査に合わせて、適切なタイミングで印字ヘッド241を駆動する。印字ヘッド241を駆動するためには、D/A変換器262から駆動信号を供給し、駆動バッファ261から制御データを供給することによって行う。駆動信号および制御データを供給してインク滴を吐出するメカニズムについては、別図を用いて後述する。こうして制御回路260の制御の下で、各色のインク吐出用ヘッド244ないし247からは、適切なタイミングでインク滴が吐出され、その結果、印刷用紙P上にインクドットを形成し、カラー画像が印刷される。
【0038】
尚、各色のインク吐出ヘッドからインク滴を吐出する方法には、種々の方法を適用することができる。すなわち、ピエゾ素子を用いてインクを吐出する方式や、インク通路に配置したヒータでインク通路内に泡(バブル)を発生させてインク滴を吐出する方法などを用いることができる。また、インクを吐出する代わりに、熱転写などの現象を利用して印刷用紙上にインクドットを形成する方式や、静電気を利用して各色のトナー粉を印刷媒体上に付着させる方式のプリンタを使用することも可能である。
【0039】
図4は、各色のインク吐出用ヘッド244ないし247の底面に、インク滴を吐出する複数のノズルが形成されている様子を示した説明図である。図示するように、各色のインク吐出用ヘッドの底面には、各色毎のインク滴を吐出する4組のノズル列が形成されており、1組のノズル列は、48個のノズルNzがノズルピッチkの間隔を空けて千鳥状に配列されている。これらノズルは、制御回路260から供給された駆動信号および制御データに従って、一斉にインク滴を吐出する。これを図5を参照しながら説明する。
【0040】
図5は、インク吐出用ヘッド244ないし247が駆動信号および制御データに従って、インク滴を吐出する様子を概念的に示した説明図である。図4に示したように、インク吐出用ヘッドの底面には複数のノズルNzが設けられており、それぞれのノズルは、駆動バッファ261上に割り当てられた固有の領域に接続されている。また、D/A変換器262が駆動信号を出力すると、全てのノズルNzに一斉に駆動信号が供給されるように構成されている。
【0041】
インク吐出用ヘッド244ないし247は、次のようにしてインク滴を吐出する。先ず、インク滴を吐出するノズルを選択して、選択結果を表すデータを駆動バッファ261に書き込んでやる。前述したように、全てのノズルの各々は、駆動バッファ261上に設けられた固有の領域と対応付けられている。そして、インク滴を吐出するべくノズルが選択されている場合には、そのノズルに対応した領域に、データ「1」を書き込み、逆にノズルが選択されていない場合は、対応する領域にデータ「0」を書き込んでやる。こうして駆動バッファ261にデータを書き込んだら、このデータを制御データとしてインク吐出用ヘッド244ないし247に出力する。また、D/A変換器262からは、駆動バッファ261から制御データを出力することに合わせて、駆動信号を出力する。出力された駆動信号は全てのノズルに供給されるが、制御データによって選択されているノズルのみが駆動される。この結果、インク滴を吐出するべく選択されて、駆動バッファ261にデータ「1」が設定されたノズルから、一斉にインク滴が吐出される。
【0042】
図3に示した制御回路260は、インク滴の吐出を制御するための制御データを駆動バッファ261に設定し、キャリッジ240の主走査および副走査に同期させながら、次々と駆動信号を出力する。こうすることで、印刷用紙P上には、適切な位置にインクドットが形成され、その結果、画像が印刷されることになる。
【0043】
C.画像処理の概要:
このようにインク滴の吐出を制御するために用いられる制御データは、印刷しようとする画像に所定の画像処理を施すことによって生成される。図6は、本実施例の印刷システムで行われる画像処理の流れを示したフローチャートである。かかる処理は、本実施例では、コンピュータ100とカラープリンタ200とで分担して実行される。以下、図6に従って、画像処理の概要を簡単に説明する。
【0044】
画像処理を開始すると、先ず初めに、印刷しようとする画像の画像データを読み込む(ステップS100)。ここで読み込まれるデータは、RGBカラー画像データ、すなわちR,G,Bの各色毎に、階調値0から階調値255の256階調幅を有する画像データである。
【0045】
次いで、取り込んだ画像データに対して、色変換処理を行う(ステップS102)。色変換処理とは、RGB画像データを、プリンタに備えられている各色のインク毎に、インク量を表す階調データに変換する処理である。色変換処理は、色変換テーブルと呼ばれる3次元の数表を参照することによって迅速に行うことができる。ここでは、256階調を有するRGB画像データを、同じく256階調を有する階調データに変換する。
【0046】
色変換処理を行ったら、得られた中間データをカラープリンタ200に転送する処理を開始する(ステップS104)。本実施例では、転送に要する時間を短縮するために、コンピュータ100は中間データを、カラープリンタ200側で展開を要する状態で転送する。ここで、「展開を要する状態」の意味するところについて説明する。
【0047】
本実施例の印刷システムでは、カラープリンタ200が印刷媒体上にドットを形成する印刷解像度は、コンピュータ100内で取り扱われる画像の解像度よりも高い値に設定されている。図7は、この様子を例示した説明図であり、コンピュータ100内での画像データの解像度が720dpi(1インチあたり720画素)であるのに対して、カラープリンタ200での印刷解像度が1440dpi(1インチあたり1440画素)に設定されている場合を示している。図7の上段に示した大きな正方形は解像度720dpiでの画素を表している。解像度を1440dpiに変換する場合は、720dpiの各画素を縦横2分割することにより、1画素毎に4つの画素を生成することになる。
【0048】
図7の下段には、こうして画素を4分割している様子が概念的に示されている。すなわち、解像度720dpiの画素aは、解像度を1440dpiに変換すると、画素a1 ,a2 ,a3 ,a4 の4つの画素に分割される。同様に、解像度720dpiの画素bは、解像度を1440dpiに変換すると、画素b1 ,b2 .b3 .b4 の4つの画素に分割される。尚、本実施例では、こうして分割された解像度1440dpiの各画素の画像データは、分割前の解像度720dpiの画素と同じ画像データを取るものとしている。もちろん、同じ画像データのまま単純に分割するのではなく、隣接する画素との間で補間演算を行うこととしても良い。
【0049】
図7を参照しながら一例を挙げて説明すれば、画素a1 および画素b1 の画像データは、分割前のそれぞれ画素aおよび画素bの画像データと同じ値とする。また、画素a2 の画像データは、画素aおよび画素bの画像データから補間演算によって算出する。画素a3 の画像データについては、画素aの画像データと、その画素の下方の画素の画像データとを補間演算することによって算出する。また、画素a4 の画像データについては、画素aの右下にある画素との間で補間演算することによって算出する。
【0050】
あるいは隣接する画素間(例えば画素aと画素bとの間)での画像データの変化量に応じて、上述した2つの方法、すなわち同じ画像データを用いて単純に分割する方法と、補間演算を行う方法とを使い分けることも可能である。例えば、変化量の絶対値が所定値以上の場合は単純に分割し、絶対値が以下の場合は補間演算を行うこととしても良い。変化量の絶対値が大きな値を取る部分は、画像中ではエッジに相当する部分と考えられるから、この部分では補間演算を行う代わりに単純に分割してやれば、エッジを鈍らせることがない。逆に、画素間での変化量の絶対値が小さい部分では補間演算を行うこととすれば、画像データの階調値を滑らかに変化させて、自然な感じの画像を得ることができる。
【0051】
「展開を要する状態」の1つの態様は、上述したように、低解像度の画像データを高解像度の画像データに変換する前の状態、換言すれば、画素を分割する前の状態であることを意味している。尚、上述した説明では、高解像度は低解像度の2倍の解像度であるものとしたが、もちろんこれに限定されるものではない。例えば、高解像度と低解像度とが整数倍にない関係とすることも可能である。
【0052】
また、「展開を要する状態」には、次のように、画像データが圧縮されている態様も含まれる。図8は、こうした態様の一例として、画像データがいわゆるランレングス圧縮されている場合を示す説明図である。ランレングス圧縮は、データ中で同じ数値が連続している部分を、連続している個数と連続するデータの数値とによって表現することで圧縮を行う手法である。
【0053】
一例として、図8(a)に示すデータをランレングス圧縮する場合について説明する。図示したデータは15個の数値から構成されているが、このうち、3番目の数値から7番目の数値にかけては、同じ数値「21」が連続している。尚、ここでは各数値は1byteで表現されているものとする。ランレングス圧縮では、この部分のデータを、圧縮されていることを示す圧縮フラグと、連続する個数(ここでは5個)と、連続する数値(ここでは数値21)とからなるデータに置き換えてやる。一方、同じ数値が連続していない部分のデータは、こうした圧縮は行わず、非圧縮であることを表すための圧縮フラグを、個々のデータ前に付加しておく。
【0054】
図8(b)には、ランレングス圧縮を行うときの、こうした変換の規則をまとめて示してある。こうした規則に従って図8(a)のデータをランレングス圧縮すると、図8(c)に示すデータが得られる。図8(a)に示した元のデータの1番目および2番目の数値は「12」および「15」と異なっているから、この部分は圧縮されず、それぞれの数値の前に、1bitの圧縮フラグが付加される。圧縮フラグは、圧縮を行わない場合は「0」にセットされる。また、元のデータの3番目から7番目の数値は連続しているから、この部分は、圧縮フラグと、連続する個数を示す「5」と、データの数値を示す「21」とに変換される。尚、圧縮を行う場合は、圧縮フラグは「1」にセットされる。こうして変換することにより、元のデータでは5byte費やされていた部分が、圧縮フラグ分の1bit+2byteのデータに圧縮されたことになる。図8(c)では、「0」がセットされている圧縮フラグは白抜きで、「1」がセットされている圧縮フラグは黒く塗りつぶして表されている。結局、図8(a)に示すデータに対して、以上の様な変換を施すことにより、15byteあったデータを12byteに圧縮することができる。逆には、図8(c)に示すような圧縮データが転送されてきた場合は、このデータを図8(a)に示すようなデータに展開して使用することになる。
【0055】
「展開を要する状態」の態様には、上述したように、画像データが圧縮された状態であることも含まれている。更には、これらの態様が組み合わされた態様、すなわち、低解像度のまま圧縮されているような態様も含まれている。尚、以上では、ランレングス圧縮された場合を例に取って説明したが、もちろん周知の他の方法で圧縮されていても構わない。
【0056】
図6のステップS104では、色変換処理された画像データを、以上に説明したような展開を要する状態で、カラープリンタ200に転送する処理を行う。
【0057】
カラープリンタ200では、転送されてきた中間データを展開を要する状態のまま記憶しておき、このデータにハーフトーン・マイクロウィーブ処理を行う(ステップS106)。これは、大まかには次のような処理である。コンピュータ100から転送されてきた中間データは、既に色変換処理が施されてインク量に相当する階調データに変換されているものの、256階調を有するデータである。これに対して、カラープリンタ200では、ドットを「形成する」か、「形成しない」かのいずれかの状態しか取り得ない。そこで、256階調を有する階調データを、ドット形成の有無により表現されたデータに変換しておく必要がある。こうした処理は、通常、ハーフトーン処理と呼ばれている。ハーフトーン処理を行う手法としては、誤差拡散法やディザ法などの種々の手法が知られている。
【0058】
また、後述する理由から、インク吐出用ヘッドは、画素の並びの順序ではドットを形成しないので、ドット形成の有無を判断したデータを、インク吐出用ヘッドが実際にドットを形成する順番に並べ替える処理が必要となる。こうした処理を、ここではマイクロウィーブ処理と呼ぶことにする。図6のステップS106に示したハーフトーン・マイクロウィーブ処理では、ハーフトーン処理とマイクロウィーブ処理とを一体的に行う。ハーフトーン・マイクロウィーブ処理の詳細については後述することとして、ここでは、マイクロウィーブ処理について補足して説明しておく。
【0059】
図4を用いて前述したように、インク吐出用ヘッド244ないし247の底面に設けられたノズルNzは、互いにノズルピッチkだけ間隔を空けて形成されている。このため、ヘッドを主走査させつつ、各ノズルから一斉にインク滴を吐出して複数のラスタを形成すると、ラスタの間には隙間ができてしまう。そこで、所定量だけ副走査を行って、この隙間を埋めるようにしながら印刷することになる。図9は、この様子を概念的に示した説明図である。
【0060】
図9は、ラスタの隙間を埋めるように、インク吐出用ヘッドを副走査させる様子を示しており、図中の左側にはヘッドの副走査位置を、右側にはヘッド位置に応じてラスタが形成される様子を表している。ここで、実際の副走査は、ヘッドに対して印刷用紙を移動させることで行っているが、説明の都合上、以下では、印刷用紙を固定してヘッドを移動させるものとして説明する。尚、図4を用いて前述したように、印字ヘッドには、インク吐出用ヘッド244ないし247の4つのヘッドが並べて搭載されているが、図9では、図示の煩雑化を避けるために、1つのヘッドのみを示している。また、インク吐出用ヘッドの底面には、ノズルピッチkの間隔で48個のノズルが設けられているが、図示の煩雑化を避けるために、ここでは4つのノズルNzがノズルピッチ3の間隔で設けられているものとする。
【0061】
先ず、ヘッドを図9上で一番上の位置に置いて、ノズルNzからインク滴を吐出しながら主走査させると、ノズルNzの数に対応する4本のラスタが形成される。これらラスタは、図中で1番と符合し且つ実線で示した4本のラスタである。ここではノズルは、ノズルピッチ3の間隔で設けられているとしているから、ラスタの間にはノズルピッチに相当する隙間が空いている。そこで、この隙間にラスタを形成すべく、図中に矢印で示したように、ヘッドをラスタ4本分だけ副走査させる。図9中で破線で示されている矩形は、このときのヘッド位置を示している。このヘッド位置で主走査しながらインク滴を吐出することにより、2番と符合し且つ破線で示した4本のラスタが形成される。図9に示されているように、破線で示したラスタは実線のラスタの間に形成されているが、依然としてラスタ間には隙間が残されている。そこで、更にヘッドを副走査させる。図9中で一点鎖線で示されている矩形は、こうして副走査したときのヘッド位置を示している。また、このヘッド位置で形成されるラスタは、3番と符合されて、一点鎖線によって表されている。図9に示すように、一点鎖線のラスタを形成すると、隙間なくラスタが形成されることになる。
【0062】
以上に説明したように、ノズルの間隔がノズルピッチk(図9の例示では3)だけ離れているので、個々の主走査で形成するラスタは、ラスタ間にノズルピッチに相当する隙間が生じてしまう。しかし、ヘッドを適切な量だけ副走査させることで、続くk−1回の主走査により隙間を埋めるようにラスタを形成することが可能となる。このようにして、ラスタ間の隙間を埋めるように副走査して、隙間なくラスタを形成することを、「インターレース」を行うと言う。インターレースを行うためには、インク吐出用ヘッドに設けられたノズル数をN個、ノズルピッチkとしたとき、Nとkの公約数が1以外には存在しないような数値を選び(このようなNとkとの関係を「互いに素」の関係と言う)、且つ、ノズル数に相当するNラスタ分だけ副走査量を行えばよい。こうしてインターレースを行う場合、インク吐出用ヘッドは、画素の並びとは異なった順序ではラスタを、従ってドットを形成することになる。
【0063】
また、図9に示した例では、個々のラスタは、それぞれ1回の主走査で形成されるものとして説明したが、1つのラスタを複数回の主走査に分けて形成する場合もある。例えば、奇数番目の画素のドットと偶数番目の画素のドットとを、異なる主走査で形成することも可能である。こうすれば、画質が安定することが知られている。図9ではラスタ4本分ずつ副走査させるものとして説明したが、ラスタ2本分ずつヘッドを副走査させれば、各ラスタの位置をノズルが2回通過することになるので、1回目の主走査で例えば奇数番目の画素のドットを形成し、2回目の主走査で偶数番目の画素のドットを形成してやればよい。このように、個々のラスタを複数回の主走査に分けて形成することを「オーバーラップ」を行うと言う。オーバーラップを行った場合も、インク吐出用ヘッドは、画素の並びとは異なった順序ではドットを形成する。
【0064】
更には、印刷速度を向上させるために、ヘッドの往動時にドットを形成するだけでなく、復動時にもドットを形成する場合もある。このように往動時と復動時にドットを形成することを「双方向印刷」を行うと言う。双方向印刷を行う場合も、インク吐出用ヘッドは画素の並びとは異なる順序でドットを形成することになる。
【0065】
マイクロウィーブ処理は、インターレースや、オーバーラップ、双方向印刷といった処理の実施状況に応じて、ハーフトーン処理されたデータをインク吐出用ヘッドがドットを形成する順番に並び変える処理である。図6のステップS106に示した本実施例のハーフトーン・マイクロウィーブ処理では、後述するように、ハーフトーン処理とマイクロウィーブ処理を一体的に行っている。
【0066】
ハーフトーン・マイクロウィーブ処理を行ったら、得られたデータを駆動バッファ261に出力し、駆動バッファ261から、キャリッジ240の動きに併せて印字ヘッド241に供給する(図6のステップS108)。こうすることにより、図5を用いて説明したメカニズムによってノズルから一斉にインク滴が吐出され、印刷用紙上に画像が印刷されることになる。
【0067】
以上に説明したように、本実施例の印刷システムでは、カラープリンタ200から、展開を要する状態で転送されてきた中間データを、展開を要するままの状態で記憶しておく。そして、このデータに対して、後述するハーフトーン・マイクロウィーブ処理を行っているので、カラープリンタ200側で行う画像処理に大きな記憶容量を要しない。このため、カラープリンタ200に搭載されている記憶容量が少ない場合でも、このことが制約となることなく、コンピュータ100との間で効果的に画像処理を分散して実行することが可能となる。以下、この理由について説明する。
【0068】
D.ハーフトーン・マイクロウィーブ処理:
以下では、本実施例のハーフトーン・マイクロウィーブ処理について詳しく説明するが、その前に、理解の便宜を図るために参考として、通常のマイクロウィーブ処理について概要を説明しておく。
【0069】
図10は、参考例として、ハーフトーン処理された画像データに対してマイクロウィーブ処理を行う様子を概念的に示した説明図である。本実施例では、展開を要する状態で記憶された中間データに対して、ハーフトーン処理とマイクロウィーブ処理とを一体的に行うが、参考として図10に示した通常のマイクロウィーブ処理では、ハーフトーン処理した画像データに対して処理を行う。
【0070】
ハーフトーン処理が施されて、画素毎のドット形成の有無による表現形式に変換された画像データは、プリンタ内のRAMに蓄えられている。この画像データの中から、ノズルがドットを形成する順番に従って、適切なデータが選択され、駆動バッファに転送される。駆動バッファに転送されたデータは、ヘッドの主走査および副走査に同期して適切なタイミングで、制御データとして各々のノズルに供給される。図5を用いて説明したように、この制御データに従ってノズルから一斉にインク滴が吐出されることによって画像が印刷される。尚、説明が煩雑となることを避けるために、以下ではインターレースのみ行い、オーバーラップや双方向印刷は行わないものとする。
【0071】
図10に示した例では、ヘッドには4個のノズルがノズルピッチ3の間隔で設けられているから、ヘッドを主走査しながらインク滴を吐出すると、4本のラスタが、互いにラスタ2本ずつ離れた状態で同時に形成されることになる。このことに対応して、ヘッドを主走査する際には、RAM上に蓄えられている画像データの中から、互いに2ラスタずつ離れた4本分のラスタに対応する画像データが選択されて、駆動バッファに出力されることになる。例えば、図10で、ヘッドがAの位置で主走査するときには、画像データ中で斜線を付して示した4つのラスタに相当するデータを選択して、駆動バッファに供給しておく必要がある。換言すれば、これらデータを駆動バッファに供給するまでの間は、最低でもこれら斜線を付したデータを含む領域aの画像データは、プリンタのRAM上に記憶しておく必要がある。ヘッドがBの位置で主走査するときも同様に、該当するラスタのRAM上のデータを駆動バッファに出力するまでの間は、最低でも領域bの画像データはRAM上に記憶しておく必要がある。
【0072】
図10では、図示が煩雑となることを避けるために、インク吐出用ヘッドにはノズルピッチ3の間隔で4個のノズルしか設けられていないものとして説明したが、実際のヘッドでは、ノズルの個数は遙かに多く、またノズルピッチkの値も3より大きな値を取る。このことから、最低でも画像データを駆動バッファに出力するまでの間、RAM上に記憶しておかなければならないデータ量は、たいへんに大きなものとなってしまう。プリンタ側に搭載される記憶容量はコンピュータに搭載される容量よりも少ないことが多いから、プリンタ側でこのように大きな記憶容量が必要としたのでは、例え、コンピュータとプリンタとで画像処理を分担したとしても、記憶容量が制約となって効果的に分担することができない場合が生じ得る。以下に説明する本実施例のハーフトーン・マイクロウィーブ処理では、プリンタ側に大きな記憶容量を必要としないので、こうしたおそれを生じさせることなく、効果的に画像処理を分担することができる。
【0073】
図11は、本実施例のハーフトーン・マイクロウィーブ処理の概要を示した説明図である。ハーフトーン・マイクロウィーブ処理においても、主走査時にノズルが形成するラスタのデータは一旦、駆動バッファ261に蓄積された後、駆動バッファ261から制御データとしてインク吐出用ヘッドのノズルに出力される。このハーフトーン・マイクロウィーブ処理は、カラープリンタ200の制御回路260中でハーフトーン・マイクロウィーブモジュールによって行われる。このモジュールは、先ず初めに、駆動バッファ261にデータを転送すべき画素を着目画素として設定する。次いで、展開を要する状態でRAMに記憶されている中間データの中から、該当するデータを読み出して展開し、展開したデータの中の着目画素についてドット形成の有無を判断する。ハーフトーニングとは、画像データに基づいて画素毎にドット形成の有無を判断することをいう。尚、図11では、解像度720dpiで転送されてきた画像データを、解像度1440dpiのデータに展開してから印刷する場合を想定して、図中に示したハーフトーン・マイクロウィーブモジュールには、RAM上に記憶されている1画素分の画像データを、4画素分の画像データに展開している場合が表されている。また、モジュール中に示された4画素分の展開画素の中に、丸印が付された画素が表されているのは、この画素が着目画素であることを表したものである。
【0074】
ドット形成有無の判断は、例えばディザ法と呼ばれる手法を用いて行うことができる。ディザ法は、図12に示すように、着目画素の画像データと、ディザマトリックス中の対応する位置に設定された閾値とを比較して、画像データの方が大きければ、その画素にはドットを形成すると判断し、画像データの方が小さければ、その画素にはドットを形成しないと判断する手法である。こうした手法を用いてドット形成の有無を判断すれば、着目画素を含んだ画像データを展開後、直ちにドット形成の有無を判断することが可能である。
【0075】
着目画素についてのドット形成有無を判断したら、判断結果を駆動バッファ261に記憶する。こうして1つの着目画素についての処理を終了したら、新たな画素を着目画素として設定し、同様の処理を行ってドット形成有無の判断結果を駆動バッファ261に記憶する。こうした処理を繰り返して、ヘッドが1回の主走査で形成するラスタのデータを全て駆動バッファ261に記憶したら、キャリッジ240を主走査しながら、駆動バッファ261からインク吐出用ヘッドに制御データを出力してインク滴を吐出する。
【0076】
以上に説明したハーフトーン・マイクロウィーブ処理においても、RAM上には、最低でも、1回の主走査で形成するラスタを含む画像データを記憶しておく必要がある。しかし、本実施例のハーフトーン・マイクロウィーブ処理では、着目画素のデータを読み出し、展開してからハーフトーン処理およびマイクロウィーブ処理を一体的に行っているので、RAM上には展開を要する状態で画像データを記憶しておくことができる。このため、カラープリンタ200に大きな記憶容量が搭載されていない場合でも、効率よくハーフトーン・マイクロウィーブ処理を行うことが可能となるのである。
【0077】
図13は、上述したハーフトーン・マイクロウィーブ処理の流れを示すフローチャートである。この処理は、カラープリンタ200の制御回路260によって実行される。以下、フローチャートに従って、処理の具体的な内容について説明する。
【0078】
処理を開始すると、制御回路260は、先ず初めにコンピュータ100に対して、所定量の中間データの転送を要求する(ステップS200)。本実施例では、図6を用いて説明したように、コンピュータ100側で色変換までの画像処理を行っているから、コンピュータ100からは色変換処理された画像データが、展開を要する状態で転送されてくる。そこで、ステップS200では、転送されてきた中間データを、展開を要する状態のままRAMに記憶しておく。RAMに記憶する際には、転送されてきた中間データをそのままの状態で記憶しても良いし、何らかの前処理を施してから記憶しておくこととしても良い。
【0079】
次いで、着目画素を設定する(ステップS202)。ここで言う着目画素とは、ドット形成の有無を判断して判断結果を駆動バッファ261に書き込もうと着目した画素である。カラープリンタ200は、画像の印刷条件に応じて、インターレースや、オーバーラップ、双方向印刷などを適宜組合せた印刷を行っており、印刷条件に応じて、インク吐出用ヘッドに設けられた各ノズルNzがドットを形成する順序も異なってくる。ステップS202では、印刷条件に応じてノズルNzがドットを形成する順序を考慮して、着目画素の設定を行う。
【0080】
着目画素の設定に続いて、該着目画素を含む中間データを読み出して展開する(ステップS204)。中間データの読み出しに際しては、着目画素を含むラスタ全体を読み出しても良いし、着目画素の部分だけを読み出すこととしても良い。
【0081】
例えば、印刷しようとしている画像中の左上隅を原点としたとき、着目画素がN行M列目の画素であるとする。コンピュータ100から転送されてきた中間データが、例えばランレングス圧縮されている場合は、N行目の中間データをそのまま読み出して展開しても良いし、N行目の中間データを解析してM列目の画素を含んだ部分のみを読み出すこととしても良い。あるいは、解像度720dpiの中間データを解像度1440dpiに変換して印刷する場合であれば、中間データ中で、{int(N/4)+1}行目のラスタ全体を読み出しても良いし、中間データ中で{int(N/4)+1}行{int(M/4)+1}列目の画素のデータを読み出すこととしても良い。ここで、int(N)とは、Nの小数点以下を切り捨てて整数部分のみを取る演算子である。このように、ステップS204では、転送されて記憶されている中間データを、カラープリンタ200が実際に印刷を行う画素のレベルまで展開する処理を行う。
【0082】
次いで、展開したデータに基づいて、着目画素についてのドット形成有無を判断する(ステップS206)。ここでは、ドット形成の有無は、いわゆるディザ法を適用して判断するものとする。すなわち、展開したデータ中の着目画素についての画像データと、ディザマトリックス中で着目画素に対応する位置に設定されている閾値とを比較して、画像データの方が大きければ着目画素にはドットを形成すると判断し、そうでない場合はドットを形成しないと判断する。
【0083】
こうして着目画素についてのドット形成の有無を判断したら、判断結果を駆動バッファ261の該当する箇所に書き込む処理を行う(ステップS208)。図5を用いて説明したように、駆動バッファ261にはノズル毎に専用の領域が割り当てられている。そこで、着目画素の設定時に想定したノズルに割り当てられた領域に、ドット形成有無の判断結果を記憶させるのである。
【0084】
こうして1つの着目画素についての処理を終了したら、1パス分の全てのデータ、すなわち、キャリッジ240の1回の主走査時に形成する全ての画素についての判断結果を示すデータが、駆動バッファ261上に記憶されたか否かを判断する(ステップS210)。そして、未だ、1パス分の全データが記憶されていない場合は(ステップS210:no)、ステップS202に戻って新たな着目画素を設定し、続く一連の処理を繰り返す。
【0085】
この様な処理を繰り返していると、やがて、1パス分の全データが記憶されたと判断されるので(ステップS210:yes)、図6で説明したように、記憶したデータが制御データとしてインク吐出用ヘッドに出力されることになる。次に、印刷が終了したか否かを判断し(ステップS212)、終了していない場合は(ステップS216:no)、ステップS200に戻って、コンピュータ100に対して新たな中間データの転送を要求する。また、印刷が終了したと判断された場合は(ステップS216:yes)、図13に示したハーフトーン・マイクロウィーブ処理を終了して、図6に示す画像処理ルーチンに復帰する。
【0086】
図6の画像処理では、ハーフトーン・マイクロウィーブ処理から復帰後、駆動バッファ261に記憶されたデータを、キャリッジ240の動きに合わせて、制御データとして出力する。この結果、印刷媒体上に画像が印刷されることになる。
【0087】
以上に説明したように、本実施例の画像処理では、コンピュータ100から展開を要する状態で受け取った中間データを、展開を要するままの状態で記憶しておく。そして、着目画素を含んだ中間データをその都度読み出してドット形成の有無を判断し、判断結果を駆動バッファ261に記憶しているので、カラープリンタ200に大きな記憶容量が搭載されていない場合でも、ハーフトーン処理やマイクロウィーブ処理を行うことができる。従って、コンピュータ100とカラープリンタ200との間で画像処理を分担する場合に、カラープリンタ200側に搭載された記憶容量が不足するといった制約を受けることなく、効果的に処理を分担することが可能となる。
【0088】
E.変形例:
以上に説明した実施例では、色変換処理までをコンピュータ100側で行い、ハーフトーン処理以降をカラープリンタ200側で行うものとしたが、画像処理の分担は、こうした態様に限定されるものではない。図14は、こうした変形例の一例を概念的に示す説明図である。
【0089】
図14に示した変形例では、コンピュータ100側で、色変換処理およびハーフトーン処理とを行う。ハーフトーン処理は、前述したディザ法に限られず、種々の手法を適用することができる。特に、高画質が得られるものの大きな処理能力が要求される誤差拡散法などの手法を用いた場合でも、通常、コンピュータ100の処理能力はカラープリンタ200の処理能力よりも高いので、迅速に処理することが可能である。こうして、ハーフトーン処理後、画像データに例えばランレングス圧縮などの圧縮処理を施して、カラープリンタ200に転送する。
【0090】
カラープリンタ200では、転送された中間データを展開を要するままの状態で記憶しておき、この中間データに対してマイクロウィーブ処理を行う。すなわち、着目画素を設定し、該着目画素を含む中間データを展開する。そして、着目画素についてのデータを駆動バッファに記憶する。こうした変形例においても、カラープリンタ200に大きな記憶容量が要求されないので、コンピュータ100との間で効果的に画像処理を分担することが可能となる。
【0091】
以上、各種の実施例について説明してきたが、本発明は上記すべての実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することができる。例えば、上述した各実施例は、いずれもカラー画像を印刷するものとして説明したが、モノクロ画像を印刷するプリンタに対しても同様に適用することが可能である。
【0092】
また、上述の機能を実現するソフトウェアプログラム(アプリケーションプログラム)を、通信回線を介してコンピュータシステムのメインメモリまたは外部記憶装置に供給し実行するものであってもよい。もちろん、CD−ROMやフレキシブルディスクに記憶されたソフトウェアプログラムを読み込んで実行するものであっても構わない。
【0093】
更に、上述した各種実施例では、印刷用紙上に形成するドットの大きさは一定であるものとして説明したが、いわゆるバリアブルドットプリンタ等のように、印刷用紙上に形成されるドットの大きさを制御可能なプリンタに適用することもできる。
【0094】
加えて、上述した各種実施例では、画像データ変換処理はコンピュータ内で実行されるものとして説明したが、画像データ変換処理の一部あるいは全部をプリンタ側、あるいは専用の画像処理装置を用いて実行するものであっても構わない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 印刷システムを例にとって発明の概要を示した説明図である。
【図2】 本実施例の画像処理装置としてのコンピュータの構成を概念的に示した説明図である。
【図3】 本実施例のプリンタの構成を概念的に示した説明図である。
【図4】 インク吐出用ヘッドの底面に形成されたノズルの配列を示す説明図である。
【図5】 制御回路の制御の下で、ノズルからインク滴が吐出されるメカニズムを示した説明図である。
【図6】 本実施例の画像処理の流れを示したフローチャートである。
【図7】 画像データを展開する1つの態様を例示した説明図である。
である。
【図8】 画像データを展開する他の態様を例示した説明図である。
【図9】 マイクロウィーブ処理の内容を概念的に示した説明図である。
【図10】 参考として、一般的に行われるマイクロウィーブ処理の概要を示した説明図である。
【図11】 本実施例のハーフトーン・マイクロウィーブ処理の概要を示した説明図である。
【図12】 ディザ法によりドット形成の有無を判断する原理を概念的に示した説明図である。
【図13】 本実施例のハーフトーン・マイクロウィーブ処理の流れを示したフローチャートである。
【図14】 変形例の印刷システムを例示した説明図である。
【符号の説明】
10…コンピュータ
20…プリンタ
100…コンピュータ
102…CPU
104…ROM
106…RAM
108…周辺機器インターフェースP−I/F
109…ディスクコントローラDDC
110…ネットワークインターフェースカードNIC
112…ビデオインターフェースV−I/FI/F
114…CRT
116…バス
118…ハードディスク
120…デジタルカメラ
122…カラースキャナ
124…フレキシブルディスク
126…コンパクトディスク
200…カラープリンタ
230…キャリッジモータ
235…紙送りモータ
236…プラテン
240…キャリッジ
241…印字ヘッド
242,243…インクカートリッジ
244〜247…インク吐出用ヘッド
260…制御回路
261…駆動バッファ
262…D/A変換器
300…通信回線
310…記憶装置
Claims (10)
- 印刷しようとする画像に画像処理を施して画像データを出力する画像処理装置と、該画像処理装置から出力された画像データを受け取り、印刷媒体上にドットを形成することによって該画像を印刷する印刷装置とを備えた印刷システムであって、
前記画像処理装置は、前記画像処理が施された画像データを、前記印刷装置側で複数の画素に対応したデータに展開を要する状態に圧縮し、該印刷装置に転送する画像データ転送手段を備えており、
前記印刷装置は、
前記転送されてきた画像データを、前記展開を要する圧縮した状態で記憶しておく画像データ記憶手段と、
ドット形成の有無を判断しようとする着目画素を、ドットを形成する順序に基づいて設定する着目画素設定手段と、
前記記憶されている画像データの中から、該画像データの並び順とは異なる順序であり、前記ドットを形成する順序に基づいて設定され、前記着目画素を含み該画素の着目の順序に対応した画像データを展開し、該展開した画像データに基づいて、該着目画素についてのドット形成有無を判断するドット形成有無判断手段と、
前記判断結果に従って前記印刷媒体上にドットを形成するドット形成手段と
を備える印刷システム。 - 請求項1記載の印刷システムであって、
前記ドット形成手段は、前記印刷媒体上で往動と復動とを繰り返しながらドットを形成することで、ドットの列たるラスタを形成する手段であり、
前記印刷装置は、更に、
前記着目画素についてのドット形成有無の判断結果を一時的に蓄積する判断結果蓄積手段と、
前記蓄積された判断結果の中から、前記ドット形成手段が少なくとも1回の往動または復動で形成するドットについての判断結果をまとめて、前記ドット形成手段に向かって供給する判断結果供給手段と
を備える印刷システム。 - 請求項1記載の印刷システムであって、
前記ドット形成手段は、前記印刷媒体上で往動と復動とを繰り返しながらドットを形成することで、ドットの列たるラスタを形成する手段であり、
前記ドット形成有無判断手段は、前記記憶されている画像データの中から、前記着目画素を含む画像データを前記ラスタ単位で展開して、前記ドット形成の有無を判断する手段である印刷システム。 - 印刷しようとする画像に画像処理を施して画像データを出力する画像処理装置と、該画像処理装置から出力された画像データを受け取り、印刷媒体上にドットの列たるラスタを形成することによって該画像を印刷する印刷装置とを備えた印刷システムであって、
前記画像処理装置は、
前記画像データに画像処理を施して、前記画像を構成する画素毎にドット形成の有無を判断することにより、該画像データをドット形成の有無による表現形式のデータに変換する画像データ変換手段と、
前記ドット形成の有無による表現形式に変換されたデータを圧縮して、前記印刷装置に転送する画像データ転送手段と
を備えており、
前記印刷装置は、
前記印刷媒体上で往動と復動とを繰り返しながら、少なくとも往動または復動の度に、互いに所定の間隔だけ離れた複数本の前記ラスタを形成するラスタ形成手段と、
先に形成された前記ラスタ間の間隔を後から形成される該ラスタが埋めるように、前記ラスタ形成手段と前記印刷媒体との相対位置を、該ラスタと交差する方向に移動させるラスタ位置移動手段と、
前記画像処理装置から転送されてきた画像データを、前記圧縮された状態で記憶しておく画像データ記憶手段と、
前記ラスタ形成手段が前記複数本のラスタを形成するに先立って、該ラスタを構成する画素を検出し、該画素を含んだ前記圧縮データを展開して該画素についての前記画像データを、該ラスタ形成手段に出力する画像データ出力手段と
を備えている印刷システム。 - 画像処理装置から画像データを受け取って、印刷媒体上にドットを形成することにより、該画像データに対応した画像を印刷する印刷装置であって、
前記画像処理装置から受け取った画像データを、複数の画素に対応したデータに展開を要する状態に圧縮し、記憶しておく画像データ記憶手段と、
ドット形成の有無を判断しようとする着目画素を、ドットを形成する順序に基づいて設定する着目画素設定手段と、
前記記憶されている画像データの中から、該画像データの並び順とは異なる順序であり、前記ドットを形成する順序に基づいて設定され、前記着目画素を含み該画素の着目の順序に対応した画像データを展開し、該展開した画像データに基づいて、該着目画素についてのドット形成有無を判断するドット形成有無判断手段と、
前記判断結果に従って前記印刷媒体上にドットを形成するドット形成手段と
を備える印刷装置。 - 画像処理装置から、ドット形成の有無による形式で表現された画像データを受け取り、該画像データに従って、ドットの列たるラスタを印刷媒体上に形成しながら画像を印刷する印刷装置であって、
前記印刷媒体上で往動と復動とを繰り返しながら、少なくとも往動または復動の度に、互いに所定の間隔だけ離れた複数本の前記ラスタを形成するラスタ形成手段と、
先に形成された前記ラスタ間の間隔を後から形成される該ラスタが埋めるように、前記ラスタ形成手段と前記印刷媒体との相対位置を、該ラスタと交差する方向に移動させるラスタ位置移動手段と、
前記画像処理装置から前記画像データを圧縮された状態で受け取って記憶しておく圧縮データ記憶手段と、
前記ラスタ形成手段が前記複数本のラスタを形成するに先立って、該ラスタを構成する画素を検出し、該画素を含んだ前記圧縮データを展開して該画素についての前記画像データを、該ラスタ形成手段に出力する画像データ出力手段と
を備える印刷装置。 - 画像処理装置から画像データを受け取って、印刷媒体上にドットを形成することにより、該画像データに対応した画像を印刷する印刷方法であって、
前記画像処理装置から受け取った画像データを、複数の画素に対応したデータに展開を要する状態に圧縮し、記憶しておく第1の工程と、
ドット形成の有無を判断しようとする着目画素を、ドットを形成する順序に基づいて設定する第2の工程と、
前記記憶されている画像データの中から、該画像データの並び順とは異なる順序であり、前記ドットを形成する順序に基づいて設定され、前記着目画素を含み該画素の着目の順序に対応した画像データを展開し、該展開した画像データに基づいて、該着目画素についてのドット形成有無を判断する第3の工程と、
前記判断結果に従って前記印刷媒体上にドットを形成する第4の工程と
を備える印刷方法。 - 画像処理装置から、ドット形成の有無による形式で表現された画像データを受け取り、該画像データに従って、ドットの列たるラスタを印刷媒体上に形成しながら画像を印刷する印刷方法であって、
前記画像処理装置から前記画像データを圧縮された状態で受け取って記憶しておく第1の工程と、
された画像データを受け取り、該画像データに従って、ドットの列たるラスタを印刷媒体上に形成しながら画像を印刷する印刷方法であって、
前記画像処理装置から前記画像データを圧縮された状態で受け取って記憶しておく第1の工程と、
前記印刷媒体上で往動と復動とを繰り返しながら、少なくとも往動または復動の度に、互いに所定の間隔だけ離れた複数本の前記ラスタを形成する第2の工程と、
先に形成された前記ラスタ間の間隔を後から形成される該ラスタが埋めるように、前記ラスタ形成手段と前記印刷媒体との相対位置を、該ラスタと交差する方向に移動させる第3の工程と、
前記第2の工程に先立って、前記ラスタを構成する画素を検出し、該画素を含んだ前記圧縮データを展開して該画素についての前記画像データを取得する第4の工程と
を備える印刷方法。 - 画像処理装置から画像データを受け取って、印刷媒体上にドットを形成することにより、該画像データに対応した画像を印刷する方法をコンピュータを用いて実現するためのプログラムであって、
前記画像処理装置から受け取った画像データを、複数の画素に対応したデータに展開を要する状態に圧縮し、記憶しておく第1の機能と、
ドット形成の有無を判断しようとする着目画素を、ドットを形成する順序に基づいて設定する第2の機能と、
前記記憶されている画像データの中から、該画像データの並び順とは異なる順序であり、前記ドットを形成する順序に基づいて設定され、前記着目画素を含み該画素の着目の順序に対応した画像データを展開し、該展開した画像データに基づいて、該着目画素についてのドット形成有無を判断する第3の機能と、
前記判断結果に従って前記印刷媒体上にドットを形成する第4の機能と
をコンピュータを用いて実現するためのプログラム - 画像処理装置から、ドット形成の有無による形式で表現された画像データを受け取り、該画像データに従って、ドットの列たるラスタを印刷媒体上に形成しながら画像を印刷する方法をコンピュータを用いて実現するためのプログラムであって、
前記画像処理装置から前記画像データを圧縮された状態で受け取って記憶しておく第1の機能と、
前記印刷媒体上で往動と復動とを繰り返しながら、少なくとも往動または復動の度に、互いに所定の間隔だけ離れた複数本の前記ラスタを形成する第2の機能と、
先に形成された前記ラスタ間の間隔を後から形成される該ラスタが埋めるように、前記ラスタ形成手段と前記印刷媒体との相対位置を、該ラスタと交差する方向に移動させる第3の機能と、
前記複数本のラスタを形成するに先立って、該ラスタを構成する画素を検出し、該画素を含んだ前記圧縮データを解凍して該画素についての前記画像データを取得する第4の機能と
をコンピュータを用いて実現するためのプログラム。
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