JP4007088B2 - スクロール圧縮機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、冷凍・空調機器に使用されるスクロール圧縮機に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】
図12は特願平10−330775に記載のスクロール圧縮機の縦断面図である。
図において、1は固定スクロールであり、外周部はガイドフレーム15にボルト(図示せず)によって締結されている。台板部1aの一方の面(図12において下側)には板状渦巻歯1bが形成されると同時に、外周部にはオルダム案内溝1cがほぼ一直線上に2ヶ形成されている。このオルダム案内溝1cにはオルダムリング9の爪9cが往復摺動自在に係合されている。さらに固定スクロール1の側面からは、吸入管10aが密閉容器10を貫通して圧入されている。
【0003】
2は揺動スクロールであり、台板部2aの上面には固定スクロール1の板状渦巻歯1bと実質的に同一形状の板状渦巻歯2bが設けられており、幾何学的に圧縮室1dを形成している。台板2aの板状渦巻歯2bと反対側の面の中心部には中空円筒のボス部2fが形成されており、主軸4上端の揺動軸部4bと回転自在に係合されている。また同面にはコンプライアントフレーム3のスラスト軸受け3aと圧接摺動可能なスラスト面2dが形成されている。揺動スクロール台板2aの外周部には、前記固定スクロール1のオルダム案内溝1cと90度の位相差をもつオルダム案内溝2eがほぼ一直線上に2ヶ形成されており、このオルダム案内溝2eにはオルダムリング9の爪9aが往復摺動自在に係合されている。また台板部2aには前記圧縮室1dとスラスト面2dを貫通する抽気孔2jが設けられ、圧縮途中の冷媒ガスを抽出してスラスト面2dに導く構造となっている。
なお抽気孔2jは図13(a)に示すように1本の斜め穴であっても、図13(b)に示すように3本の穴と抽気孔栓2iで構成されていても実質的にその機能は同じである。
【0004】
コンプライアントフレーム3はその外周部に設けられた上下2つの円筒面3d、3eを、ガイドフレーム15の内周部に設けた円筒面15a、15bにより半径方向に支持されており、その中心部にはモータ7により回転駆動される主軸4を半径方向に支持する主軸受け3cおよび副主軸受け3hが形成されている。またスラスト軸受け3a面内からコンプライアントフレ−ム3を軸方向に貫通し、フレ−ム空間15fに連通する連絡通路3sが設けてあり、そのスラスト軸受け側開口部2kは揺動スクロール抽気孔2jに対面して配置されている。
【0005】
図14は抽気孔2jのコンプライアントフレ−ム側開口部2kの運転中の円軌跡と、連絡通路3sの揺動スクロ−ル側開口部(くぼみ部)3fの位置関係を示した模式図である。抽気孔2jのコンプライアントフレ−ム側開口部2kは、通常運転時にはそのなす円軌跡がコンプライアントフレーム3のスラスト軸受け3aの軸受け面内部に設けた連絡通路の開口部3fにおさまるように配置されており、揺動スクロール2とコンプライアントフレーム3の密着摺動により、吸入圧力雰囲気空間1gへのリークはない構造となっている。
【0006】
ガイドフレーム15の外周面15gは焼きばめ、もしくは溶接などによって密閉容器10に固着されているものの、その外周部に設けた切り欠き部15cにより、固定スクロール1の吐出ポート1fから吐出される高圧の冷媒ガスをモータ側に設けられた吐出管10bに導く流路は確保されている。またガイドフレーム15の内周面には、コンプライアントフレーム3の外周面に形成された上下円筒面3d、3eと係合する円筒面15a、15bおよびシール材を収納するシール溝が2カ所設けられており、それぞれシール材16a、16bが設置されている。
これら2つのシール材を用いて密封されたガイドフレーム15の内周面とコンプライアントフレーム3の外周面からなるフレーム空間15fは、コンプライアントフレーム3の連絡通路3sとのみ連通しており、揺動スクロール抽気孔2jより供給される圧縮途中の冷媒ガスを封入する構造となっている。
なお、固定スクロ−ル1の台板部1aを密閉容器10に焼きばめ等で固着し、これにガイドフレ−ム15をボルト締結等で固定してもよい。
【0007】
4は主軸であり、その上端部は揺動スクロール2の揺動軸受け2cと回転自在に係合する揺動軸4bが形成されており、その下側には主軸バランサ4eが焼きばめられている。さらにその下にはコンプライアントフレーム3の主軸受け3cおよび副主軸受け3hと回転自在に係合する主軸部4cが形成されている。また主軸4の下側はサブフレーム6の副軸受け6aと回転自在に係合する副軸部4dが形成され、この副軸部4dと前述した主軸部4c間にはロータ8が焼きばめられている。
ロータ8の上端面には上バランサ8aが、下端面には下バランサ8bが固定されており、前述した主軸バランサ4eとあわせて合計3ヶのバランサにより、静バランスおよび動バランスがとられている。さらに主軸4の下端にはオイルパイプ4fが圧入されており、密閉容器10底部にたまった冷凍機油10eを吸い上げる構造となっている。
密閉容器10の側面にはガラス端子10fが設置されており、モータ7からのリード線が接合されている。
【0008】
つぎにこのスクロール圧縮機の基本動作について説明する。
低圧の吸入冷媒は吸入管10aから固定スクロール1および揺動スクロール2の板状渦巻歯で形成される圧縮室1dに入る。モータ7により駆動される揺動スクロール2は偏心旋回運動とともに圧縮室1dの容積を減少させる。この圧縮行程により吸入冷媒は高圧となり、固定スクロール1の吐出ポート1fより密閉容器10内に吐き出される。
なお上記圧縮行程において圧縮途中の中間圧力の冷媒ガスは揺動スクロール2の抽気孔2jよりコンプライアントフレーム3の連絡通路3sを経て、フレーム空間15fに導かれ、この空間の中間圧力雰囲気を維持する。
高圧となった吐出ガスは密閉容器10内を高圧雰囲気で満たし、やがて吐出パイプ10bから圧縮機外に放出される。
【0009】
密閉容器10底部の冷凍機油10eは、差圧により主軸4を軸方向に貫通する中空空間4gを通り揺動軸受け部2gに導かれる。この軸受け部の絞り作用によって中間圧力となった冷凍機油10eは、揺動スクロール2とコンプライアントフレーム3によって囲まれた空間(ボス部空間)2hを満たし、この空間と低圧雰囲気空間を連絡する圧力調整弁(記載せず)を経由して低圧空間に導かれ、低圧の冷媒ガスとともに圧縮室1dに吸入される。圧縮行程により冷凍機油10eは高圧の冷媒ガスとともに吐出ポート1fから密閉容器10内に開放され、ここで冷媒ガスと分離されて再び密閉容器底部に戻る。
【0010】
さて、コンプライアントフレーム3には、圧縮作用により固定スクロール1と揺動スクロール2が軸方向に離れようとするスラストガス力と、ボス部空間2hの中間圧力によりコンプライアントフレーム3と揺動スクロール2が離れようとする力の合計が、図中下向きの力として作用する。
一方、圧縮途中の冷媒ガスを導いて中間圧力雰囲気となったフレーム空間15fがコンプライアントフレーム3に働く力と、下部の高圧雰囲気に露出している部分に作用する差圧力の合計が、コンプライアントフレ−ム3の上向きの力として作用する。
定常運転時においては前述した上向きの力が下向きの力を上回るように設定されており、このためコンプライアントフレーム3は上下2つの嵌合された円筒面3d、3eにガイドされて上方に浮上する。揺動スクロール2はコンプライアントフレーム3と密着摺動して同様に浮上し、その板状渦巻歯2bを固定スクロール1に接触させて摺動する。
【0011】
また起動時や液圧縮時などには前述したスラストガス力が大きくなり、揺動スクロール2はスラスト軸受け3aを介してコンプライアントフレーム3を下方に強く押し下げるので、揺動スクロール2と固定スクロール1の歯先と歯底には比較的大きな隙間が生じ、圧縮室の異常な圧力上昇は回避される。この動作をリリーフ動作といい、生じる隙間量をリリーフ量という。
リリーフ量はコンプライアントフレーム3とガイドフレーム15が衝突するまでの距離により管理される。
【0012】
コンプライアントフレーム3には揺動スクロール2に発生する転覆モーメントの一部または全部が、スラスト軸受け3aを介して伝達されるものの、主軸受け3cから受ける軸受け負荷と、その反作用である2つの合力、すなわちコンプライアントフレーム3とガイドフレーム15の上下2つの円筒嵌合面3d、3eから受ける反力の合力によって生じる偶力が前記転覆モーメントを打ち消すように作用するので、非常に良好な定常運転時追随動作安定性、およびリリーフ動作安定性を有する。
【0013】
ここでコンプライアントフレーム3および揺動スクロール2の浮上力を発生させるフレーム空間15fの中間圧力について補足説明する。
フレーム空間15fの中間圧力は圧縮室1dにて圧縮途中の冷媒ガスを、揺動スクロール抽気孔2jとコンプライアントフレーム連絡通路3sを経て供給される。抽気孔2jから連絡通路3sへの冷媒ガスの連絡は図14に示すように、抽気孔2jのコンプライアントフレ−ム側開口部2kの円軌跡中心と、これと同心で半径の大きいスラスト軸受け側のくぼみ部3fにより構成され、常時連通を保つ構造となっている。
【0014】
図15は揺動スクロール2に配置した抽気孔の板状渦巻歯2b側開口部(圧縮室側に開口する開口部)2mとクランク角の説明図である。
クランク角は渦巻歯外周側に初めて三日月形の圧縮室が形成された時点を0度とし、それから揺動スクロ−ルの公転角(主軸4の回転角)と定義し、クランク角が90、180、270度となるにつれて圧縮室容積が減少することで冷媒ガスの圧縮行程をなす。抽気孔2jの板状渦巻歯側開口部2mは固定スクロール1および揺動スクロール2の板状渦巻歯1b、2bにより幾何学的に構成される三日月形の圧縮室1dに常時臨む位置に設定されており、フレーム空間15fの中間圧力冷媒ガスが、連絡通路3sと抽気孔2jを経て吸入圧力雰囲気の空間1gに逆流することはない。フレーム空間15fから吸入圧力雰囲気空間1gへの冷媒ガスの逆流が起こると、体積効率が低下し、圧縮機の性能を損なうからである。
したがって抽気孔2jの板状渦巻歯側開口部2mは、揺動スクロール板状渦巻歯2bの比較的中心側に配置することになる。具体的には揺動スクロール板状渦巻歯2bの巻き終わり(外側)位置から、最低でも一回り以上内側の台板2aに設ける必要がある(図14では、揺動スクロ−ル板状渦巻歯2bの巻き終わり位置から丁度一回り内側)。
【0015】
図16はクランク角と圧縮室1d内圧力、抽気孔2jの板状渦巻歯側開口部2m雰囲気、およびフレーム空間15fの圧力推移を示したものである。なおクランク角は、固定スクロールおよび揺動スクロールの板状渦巻歯のなす三日月形の圧縮室1dが渦巻歯外周側に初めて形成された時点を0度と定義し、抽気孔2jの板状渦巻歯側開口部2mはクランク角で0〜360度の区間で圧縮室1dに臨む位置に設定した。
圧縮室内圧はクランク角にして約1.25回転(360+90度)で吐出(高圧)圧力(Pd)に達し、吐出ポート1fから吐き出される。一方抽気孔2jの板状渦巻歯側開口部2m付近はクランク角0〜360度まで、ひとつの圧縮室圧力に開口しているが、360度を境にひとつ外側の圧縮室に開口するので圧力は不連続な形で急激に低下する(吸入圧力Ps)。フレーム空間15fは抽気孔2jと連絡通路3sを介して圧縮室1dに常時臨んでいるので、その圧力は圧縮室1dの内圧変動につられて若干緩和された圧力脈動をとりながら推移する。フレーム空間15fの中間圧力の平均値はこの積算平均となる。
【0016】
また、これはフレーム空間15fの設定できる中間圧力の最小値である。図15においてこれ以上、抽気孔2jの板状渦巻歯側開口部2mを板状渦巻歯の巻き終わり側にシフトさせると、フレーム空間15fが抽気孔2jを介して吸入圧力雰囲気空間1gと連通する領域が発生し、冷媒ガスが逆流して体積効率の低下を招くからである。
【0017】
前述したようにフレーム空間15fの中間圧力は、コンプライアントフレーム3を浮上させて固定スクロール1と揺動スクロール2を軸方向に接触させて摺動するための押し付け力を発生させる。設計段階では過剰な押し付け力で摺動ロスが増加することのないよう、この中間圧力値を必要最小限となるよう設定するのが重要なポイントである。
フレーム空間15fの圧力が前述した最小値よりも下げられない場合は、2つのシール材で構成されるフレーム空間15fの軸方向投影面積を調整するなどして押し付け力を制御しなければならない。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
以上に説明した、コンプライアントフレーム3が軸方向に可動である前記のスクロール圧縮機は、コンプライアントフレーム3および揺動スクロール2を浮上させる力を、圧縮室内に開口するように設けられた抽気孔2jより中間圧力の冷媒ガスををフレーム空間15fに導いて発生させている。
この抽気孔2jの板状渦巻歯側開口部2mは常に圧縮室内に臨むよう配置しなければならない。抽気孔2jが吸入圧力雰囲気空間1gに臨むよう配置されると、フレーム空間15fの中間圧力ガスが吸入圧力雰囲気側1gに逆流して体積効率は低下し、圧縮機の性能を損なうからである。
【0019】
したがってフレーム空間15fの中間圧力設定値は、最低でも圧縮室形成からクランク角360度までの圧力の積算平均となるが、フレーム空間15fの軸方向投影面積が他の制約により小さくできない場合は、コンプライアントフレーム3および揺動スクロール2を浮上させる力が過剰となり、摩擦増加による性能悪化や歯先焼き付きによる信頼性低下の原因となる問題があった。
【0020】
この発明は上記の問題点を解消するためになされたもので、フレーム空間15fの軸方向投影面積が他の制約により小さくできない場合でも、容易な手段でフレーム空間15fの中間圧力を低く、正確に所望の圧力に設定できる自由度を与え、最適な歯先の押し付け力により良好な性能と信頼性の高いスクロール圧縮機を得ることを目的とする。
【0021】
また以上に説明した、コンプライアントフレーム3が軸方向に可動である前記のスクロール圧縮機は、フレーム空間15fが圧縮室1dと常時連通しているためにフレーム空間15fの中間圧力冷媒ガスが圧縮室の圧力脈動の影響をうけて、その差圧により2つの空間を行き来する呼吸損失が発生する。
呼吸損失とは図16において、クランク角360度時点でフレーム空間15fの開口する圧縮室がひとつ外側に移行して不連続に圧力が急低下するので、フレーム空間15fの中間圧力との差により冷媒ガスの一部が圧縮室内1dに戻り、その後の圧縮行程の進行とともに再びフレーム空間15fに供給されることの繰り返しで発生する冷媒滞留であり、圧縮機の電気入力増加や能力不足の原因となる。
低速運転領域においてはこの呼吸損失が顕著となり、またフレーム空間15fの圧力も不安定になることから、固定スクロール1と揺動スクロール2の軸方向押し付け力が安定せず、性能低下や信頼性低下の原因となる。
【0022】
この発明は上記の問題点を解消するためになされたもので、圧縮室1dの圧力変動がフレーム空間15fに伝播するのを抑制して中間圧力を安定維持しやすく、低速運転領域においても呼吸損失による性能低下のないスクロール圧縮機を得ることを目的とする。
【0023】
また以上に説明したコンプライアントフレームが軸方向に可動である前記のスクロール圧縮機は、前述したようにフレーム空間15fの中間圧力冷媒ガスが吸入圧力雰囲気空間1gに逆流するのを防ぐために、抽気孔2jの渦巻き側開口部2mは常に圧縮室内に開口する位置に設定しなければならない。したがって抽気孔2jの渦巻き側開口部2mは渦巻きの比較的中心側に配置する。
これに対し抽気孔2jのスラスト面側開口部2kは、運転中の円軌跡をスラスト軸受け3a面内におさめて連絡通路3s以外、具体的にはボス部空間2hや吸入圧力雰囲気空間1gへのリークを抑制できる位置に設定しなければならない。このような場合、この2つの開口部2m、2kをつなぐ抽気孔2jは台板に鉛直なキリ穴となることは稀で、ほとんどの場合は図13(a)(b)に示すように、斜め穴あるいは3本の穴と抽気孔栓2iにて構成される。
【0024】
このとき抽気孔2jの渦巻き側開口部2mが渦巻きの中心に近い場所にあるほど、抽出孔の加工進入角(斜め穴の角度)が大きくなり、加工精度や工具寿命に不具合を与える。具体的には工具の折損等の発生する確率が増加する。また抽出孔を3つの穴と抽気孔栓で構成する場合は、台板に平行な横穴の加工深さが大きくなり、同様に加工精度や工具の寿命などに不具合を与える問題があった。
【0025】
この発明は上記の問題点を解消するためになされたもので、抽気孔2jの板状渦巻歯側開口部2mが渦巻きの比較的外周側に配置され、吸入圧力雰囲気1gに臨む場合においても、フレーム空間15fの冷媒ガスが吸入圧力雰囲気空間1gに逆流して体積効率の低下を招くことなく、さらに抽気孔2jの加工精度や工具寿命も損なわないスクロール圧縮機を得ることを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】
本発明のスクロール圧縮機は、密閉容器内に設けられ、それぞれの台板上の板状渦巻歯が相互間に圧縮室を形成するようにかみ合わされた固定スクロールおよび揺動スクロールと、前記揺動スクロ−ルを駆動する主軸と、前記主軸を半径方向に支持し、前記揺動スクロ−ルを軸方向に支持するコンプライアントフレ−ムと、前記コンプライアントフレームを半径方向に支持するガイドフレームと、を備え、前記コンプライアントフレームと前記ガイドフレームとの間に設けられたフレーム空間に前記圧縮室の圧縮途中の中間圧のガスを供給するスクロ−ル圧縮機において、前記圧縮室の圧縮途中の中間圧のガスを前記フレーム空間に供給する供給路に絞り手段を備えたものである。
【0029】
本発明のスクロール圧縮機は、前記揺動スクロールの台板に設けられ、一端が前記圧縮室に開口し、他端が前記コンプライアントフレーム側に開口する抽気孔と、前記コンプライアントフレームに設けられ、一端が前記揺動スクロール側に開口し、他端が前記フレーム空間に開口する連絡通路と、によって前記供給路を構成し、前記抽気孔あるいは前記連絡通路のうち、少なくとも一方に絞り手段を設けたものである。
【0030】
本発明のスクロール圧縮機は、前記絞り手段を、小孔付きのセットボルト又は小孔付きの板金等の別部材で構成するようにしたものである。
【0031】
本発明のスクロール圧縮機は、前記絞り手段を、内径φ0.5mm以上φ1.0mm以下の範囲内に設定したものである。
【0032】
【発明の実施の形態】
実施の形態1
図1〜5において、本発明の実施の形態1の説明を行う。
図1は本発明の実施の形態1の縦断面図である。各部については図12と同様のものは、同符号を付して説明を省略する。
図2は本発明の特徴である抽気孔2jとコンプライアントフレーム3周辺について示した部分断面図である。
図1、図2において、2jは揺動スクロール台板2aに設けた抽気孔である。抽気孔2jは小径のキリにて斜め穴加工を施して形成されており、それ自体がひとつの絞り手段である絞り流路となっている。抽気孔の開口部の一方2m(圧縮室に開口する開口部)は固定スクロール1の板状渦巻歯と幾何学的に構成される三日月形の圧縮室に臨み、他方2k(コンプライアントフレ−ム側に開口する開口部)はコンプライアントフレームのスラスト軸受け面3a内に、その円軌跡の全てがおさまるように配置されている。
【0033】
この2つの開口部2m、2kの連結は図2で示すように小径の斜め穴で構成されているが、前記の図13(b)に示すように3つの穴と抽気孔栓2iで構成する場合は、2つの開口部2m、2kはそれぞれ台板2aに絞り手段である鉛直な小径のキリ穴を形成することにより、さらに大きな絞り効果を得ることができる。
【0034】
3はコンプライアントフレームであり、2つの円筒面3d、3eをガイドフレーム15に係合することで半径方向に支持されている。スラスト軸受け面3aにはフレーム空間15fに連通する連絡通路3sが設けてあり、そのスラスト軸受け側には揺動スクロ−ル側に開口する開口部であるくぼみ部3fを円形の機械加工にて施してある。連絡通路3sの途中には小径のキリ穴による絞り手段である絞り流路3gが設けてある。
くぼみ部3fは揺動スクロール抽気孔2jのコンプライアントフレ−ム側開口部2kに対面する位置に設けてあり、その中心と抽気孔の開口部2kのなす円軌跡中心がオフセットして配置されている。
【0035】
図3は、実施の形態1の間欠連通手段を説明する図であり、運転中に揺動スクロール抽気孔2jのコンプライアントフレ−ム側開口部2kがなす円軌跡と、コンプライアントフレームの連絡通路3sの揺動スクロ−ル側開口部であるくぼみ部3fの干渉を示した模式図である。図は抽気孔2jと連絡通路3sが連通するタイミングを、主軸4の一回転中の約半分の区間となるようにそのオフセット量と方向を設定したケースである。抽気孔2jのコンプライアントフレ−ム側開口部2kの円軌跡がくぼみ部3fから外れた区間では、抽気孔のコンプライアントフレ−ム側開口部2kがスラスト軸受け3aに密着し、圧縮室1dとフレーム空間15fの連通は遮断される。
以降の説明のために、抽気孔の開口部2kとくぼみ部3fを以下のように設定したケースを間欠連通手段の一例に挙げる。
▲1▼ 前述したように初めて三日月形圧縮室の形成した時点をクランク角の0度とし、抽気孔2jの板状渦巻歯側開口部(圧縮室に開口する開口部)2mは0度から360度までの区間で圧縮室に臨む。
▲2▼ 抽気孔のコンプライアントフレ−ム側開口部2kの円軌跡中心と連絡通路3sの入口の円形くぼみ部3f中心は、前述のクランク角において0〜180度の範囲で開口部2kとくぼみ部3fが連通するよう、そのオフセット量と方向を設定する。
【0036】
図4は以上の設定において、クランク角と圧縮室1d、抽気孔2jの板状渦巻歯側開口部2m雰囲気及びフレーム空間15fの圧力変動を示したものである。圧縮室内圧力は圧縮行程とともに上昇し、クランク角が約1.25回転(360+90度)で高圧(吐出圧力Pd)に達して吐出ポート1fから吐出される。抽気孔の板状渦巻歯側開口部2m雰囲気の圧力は圧縮室内圧力に伴い上昇し、クランク角360度にて、ふたたびクランク角0度の圧縮室内圧力(吸入圧力Ps)に等しくなる形で圧力変動する。
一方、フレーム空間15fは抽気孔2jとくぼみ部3fによる前記の間欠連通手段により、圧縮室1dとフレーム空間15fの連通が比較的圧力変動の小さいクランク角0〜180度となるよう制御されており、さらに抽気孔2j自体の絞り手段による絞り効果と連絡通路3sに設置した絞り手段である絞り流路3gの効果も相まって、フレーム空間15fの圧力脈動は小さく、従来例の圧力変動(図16)よりも安定維持された状態で推移している。
圧縮上昇勾配の大きくなるクランク角180〜360度の区間では、くぼみ部3fによる間欠連通手段により圧縮室1dとフレーム空間15fの連通が遮断されているので、圧縮室1dの圧力変動がフレーム空間15fに及ぼす影響はなく、呼吸損失での性能低下はない。特に低速運転において上記の効果は顕著であり、フレ−ム空間15fは安定した中間圧力により良好な信頼性と性能を維持できる。
【0037】
図4ではクランク角0〜180度を、圧縮室1dとフレーム空間15fの連通範囲に設定したが、くぼみ部3fのオフセット量と方向を調整することで抽出する圧力値は自由に設定可能で、従来例の中間圧力設定の最小値よりも小さな値を設定することもできる。またフレーム空間15fの軸方向投影面積が他の制約により調整できない場合でも、フレ−ム空間15fには任意の中間圧力を容易に設定できることから、コンプライアントフレーム3および揺動スクロール2を浮上させる力も最適な値を容易に得ることが可能となる。
【0038】
図3ではコンプライアントフレームのくぼみ部3fを円形の機械加工としたが、抽気孔のコンプライアントフレ−ム側開口部2kの円軌跡中心と円形くぼみ部3f中心のオフセット量が小さいと、間欠連通における連通遮断時のシール距離が充分とれないケースもあり得る。図5(a)はこれを示した模式図であるが、特に小形のスクロール圧縮機においては開口部2kの周回半径も小さくなり、このシール距離の絶対値が小さくならざるを得ない。シ−ル距離が小さいと遮断時にでも漏れるおそれがある。
このようなケースではくぼみ部3fを円形とせず、図5(b)のように異形のくぼみ部3fをエンドミル等で成形すればシール距離を大きくできる。小径エンドミルでの成形が工具寿命や加工時間での問題となれば、型成形や放電加工などの電気加工にて成形してもその効果は同様である。図5(c)、図5(d)はその他のくぼみ部の形状例を挙げているが、必要な中間圧力と連通区間幅により、様々な形状と加工手段が挙げられる。図5は間欠連通手段を説明する前記図3とは別の説明図である。
【0039】
実施の形態2
図6は発明の実施の形態2における揺動スクロール抽気孔2jの板状渦巻歯側開口部2mの配置、また図7は実施の形態2の間欠連通手段を説明する図であり、抽気孔のコンプライアントフレ−ム側開口部2kの円軌跡とくぼみ部3fの干渉による間欠連通領域についての説明図である。
【0040】
揺動スクロール抽気孔2jの板状渦巻歯側開口部2mは図3に示した位置よりもさらに外側にシフトし、渦巻巻き終わり位置から半周内側に入った位置の台板2aに設置してある。このような配置にすると、抽気孔の板状渦巻歯側開口部2mは主軸4一回転中に圧縮室形成以前の吸入圧力雰囲気空間1gに臨む領域が発生する。図6ではクランク角180〜360度の区間で開口部2mは吸入圧力空間1gに臨み、従来例に示したスクロール圧縮機では、このタイミングでフレーム空間15fから吸入圧力雰囲気空間1gに冷媒ガスの逆流が起こり、体積効率が低下することは先に述べた。
【0041】
しかし発明の実施の形態2における間欠連通手段では図7に示すように、抽気孔の板状渦巻歯側開口部2mが吸入圧力雰囲気空間1gに臨んでいるクランク角180〜360度の区間は、抽気孔2jのコンプライアントフレ−ム側開口部2kがフレーム空間15fと連通することのないよう、くぼみ部3fのオフセット量と方向を設定しているので、このタイミングでフレーム空間15fの冷媒ガスが吸入圧力雰囲気空間1gに逆流することはない。
【0042】
図8はこの場合のクランク角と抽気孔2jの板状渦巻歯側開口部2m雰囲気、フレーム空間15fの圧力変動を示している。
抽気孔2jの板状渦巻歯側開口部2mはクランク角180〜360度の区間において吸入圧力雰囲気にも臨み、吸入圧力(Ps)となっている。しかし上記のように、この区間は抽気孔のコンプライアントフレ−ム側開口部2kとくぼみ部3fの干渉により、フレーム空間15fへの連通は回避されている。したがってフレーム空間15fの圧力は発明の実施の形態1のケースと同様に圧力変動の少ない、安定した状態で推移していることがわかる。
同様に発明の実施の形態1で述べた連絡通路3Sの絞り手段である絞り流路も設置されているのでフレーム空間15fの中間圧力を安定維持でき、低速運転における呼吸損失も小さく、良好な信頼性と性能を維持できる。
【0043】
そればかりか抽気孔の板状渦巻歯側開口部2mを渦巻の比較的外周に配置できるので、図9(a)に示すように抽気孔2jの斜め穴の加工進入角度θ1は内周に配置の加工進入角度θ2に比較して小さくすることができ、加工精度よく生産性に優れた抽気孔の加工を実現できる。工具寿命の向上も図れる。
図9(b)のように抽気孔2jを3つの穴と抽気孔栓において設ける場合は、台板に平行な横穴の加工深さD1が内周に配置の場合の横穴の加工深さD2と比較して小さくなるので、同様に精度よく生産性に優れた抽気孔2jの加工を実現できる。工具寿命の向上も図れる。またこのような形態の抽気孔2jでは、台板2aに平行な横穴を介して絞り手段である小径キリ穴を2ヶ設けることができるので、抽気孔2jの絞り効果がさらに大きくなり、圧力変動を緩和する効果も大きくなることは発明の実施の形態1で述べたのと同様である。
【0044】
実施の形態3
図10(a)はコンプライアントフレーム3の連絡通路3sにおける絞り手段である絞り流路3gを、小孔を成形したセットボルトにて代用した例である。また図10(b)はセットボルトの代わりに小孔3gを設けた板金片を設置することで、同様の絞り効果を得るものである。圧縮室1dとフレーム空間15fの圧力変動の伝播を緩和し、フレーム空間15fから圧縮室1dへの冷媒ガス逆流の抵抗となる効果は、実施の形態1および2と同様である。
【0045】
図1や図2に示すように連絡通路3sに直接絞り流路3gを設けることは、部品点数を減らす観点で有効であるが、一方、加工行程の複雑化や加工機必要工具の増加などの不具合もある。したがって絞り流路のような箇所は別部品にて構成し、別途設置するほうが生産性としては効率的とも言える。
【0046】
実施の形態4
図11は揺動スクロールの抽気孔2jおよびコンプライアントフレーム3の連絡通路3sの絞り流路3gの小孔径をパラメータとして、フレーム空間15fに伝播する圧力変動の様子を示したものである。なお絞りの効果を見やすくするために、図11における圧縮室1dとフレーム空間15fは間欠連通手段により、比較的圧力変動の大きいクランク角で180〜360度の範囲で連通するよう設定した場合のフレーム空間15fの圧力変動を示している。
【0047】
図11より、小孔径が大きくなるほど絞りによる圧力変動の減衰効果は小さくなり、フレーム空間15fに圧力変動は大きくなる傾向を示している。
また小孔の径を小さくするほど変動圧力の減衰効果は大きくなり、安定したフレーム空間15fの中間圧力を維持できるが、過度に径の小さい小孔を加工するのは工具の折損確率増加や加工速度の管理面で必ずしも効率的とは言えない。
【0048】
本発明による絞り流路3gの小孔径は、φ1.0mm以上で圧力変動の減衰効果が小さく、低速運転域での呼吸損失による性能低下が著しい。またφ0.5mm未満ではキリ穴加工の工具折損確率増加や加工行程の煩雑化などの問題が発生する。
これらを考慮すると、絞り流路の小孔径はφ0.5mm以上φ1.0mm以下の範囲が適当である。
【0049】
実施の形態5
間欠連通手段は、その連通している区間が短いほど通常運転時に圧縮室1dからフレーム空間15fに伝播する圧力脈動を減衰し、安定した中間圧力を得ることができる。
しかしその反面、連通区間の短期化は圧縮機の起動性に悪影響を与える恐れがある。
【0050】
圧縮機起動時は密閉容器10内が同一の圧力でバランスしている。
圧縮機が起動すると圧縮室1dでの圧縮行程により、揺動スクロール2およびコンプライアントフレーム3を浮上させる中間圧力を発生させてフレーム空間15fに供給しはじめる。
間欠連通手段により圧縮室1dとフレーム空間15fの連通区間が著しく短く設定されると、圧縮室1dの中間圧力がフレーム空間15fに充分に供給されず、揺動スクロール2およびコンプライアントフレーム3を浮上させる力が発生しない事態が発生しやすい。このようなケースでは圧縮機が安定運転を行うまでに要する時間が長くなり、起動性を損なう原因となる。
【0051】
良好な起動性を得るには圧縮室1dとフレーム空間15fの連通区間が、最低でもクランク軸の一回転中の1/4程度必要である。また安定運転時の圧縮室1dからフレーム空間15fへの圧力伝播を抑制し、低速運転において呼吸損失による性能低下を最小限にするには、圧縮室とフレーム空間の連通区間を主軸4の一回転中の3/4以下程度にしなければならない。
したがって間欠連通手段における圧縮室1dとフレーム空間15fの連通区間は、主軸4の一回転中の1/4以上3/4以下が適当である。
【0052】
クランク角のどの範囲から中間圧力を抽出するかはフレーム空間15fの軸方向投影面積や、コンプライアントフレーム3を浮上させるのに必要な力および揺動スクロール2を固定スクロール1に押し付けるのに必要な力などから自由に設定できるので、以上に述べた間欠連通のクランク角範囲や絞り流路径、さらにフレーム空間15fの軸方向投影面積の調整により、圧縮機の全運転範囲において最もバランスのよい仕様を容易に設定できることが可能である。
【0053】
なお、本発明の実施の形態1から5は、すべて小形・中型の冷凍・空調機で主に用いられている密閉型圧縮機を例に説明したが、自動車用空調機に採用されている、駆動要素を圧縮機構収納容器の外側に有するタイプの圧縮機においても同様の効果が得られる。
【0054】
【発明の効果】
本発明のスクロール圧縮機では、密閉容器内に設けられ、それぞれの台板上の板状渦巻歯が相互間に圧縮室を形成するようにかみ合わされた固定スクロールおよび揺動スクロールと、前記揺動スクロ−ルを駆動する主軸と、前記主軸を半径方向に支持し、前記揺動スクロ−ルを軸方向に支持するフレ−ムと、前記圧縮室の圧縮途中の中間圧のガスが供給されることによって前記固定スクロールおよび前記揺動スクロールを接触させて摺動させるための中間圧力雰囲気の空間と、を備えたスクロ−ル圧縮機において、前記圧縮室より前記中間圧力雰囲気の空間に中間圧のガスを供給する供給路に絞り手段を備えたので、圧縮室の圧力変動が中間圧力雰囲気の空間に伝播するのを緩和できる。
【0055】
また本発明のスクロール圧縮機では、前記中間圧力雰囲気の空間を前記揺動スクロールと前記フレームとの間に備えたので、圧縮室の圧力変動が中間圧力雰囲気の空間に伝播するのを緩和でき、低速運転領域においても呼吸損失による性能低下が起こらない。
【0056】
また本発明のスクロール圧縮機では、密閉容器内に設けられ、それぞれの台板上の板状渦巻歯が相互間に圧縮室を形成するようにかみ合わされた固定スクロールおよび揺動スクロールと、前記揺動スクロ−ルを駆動する主軸と、前記主軸を半径方向に支持し、前記揺動スクロ−ルを軸方向に支持するコンプライアントフレ−ムと、前記コンプライアントフレームを半径方向に支持するガイドフレームと、を備え、前記コンプライアントフレームと前記ガイドフレームとの間に設けられたフレーム空間に前記圧縮室の圧縮途中の中間圧のガスを供給するスクロ−ル圧縮機において、前記圧縮室の圧縮途中の中間圧のガスを前記フレーム空間に供給する供給路に絞り手段を備えたので、圧縮室の圧力変動がフレーム空間に伝播するのを緩和でき、低速運転においてもフレーム空間から圧縮室に逆流する冷媒ガスの抵抗となり、フレーム空間の中間圧力を安定して維持することが可能となる。
【0057】
また、本発明のスクロール圧縮機では、前記揺動スクロールの台板に設けられ、一端が前記圧縮室に開口し、他端が前記コンプライアントフレーム側に開口する抽気孔と、前記コンプライアントフレームに設けられ、一端が前記揺動スクロール側に開口し、他端が前記フレーム空間に開口する連絡通路と、によって前記供給路を構成し、前記抽気孔あるいは前記連絡通路のうち、少なくとも一方に絞り手段を設けたので、圧縮室の圧力変動がフレーム空間に伝播するのを緩和でき、低速運転においてもフレーム空間から圧縮室に逆流する冷媒ガスの抵抗となり、フレーム空間の中間圧力を安定して維持することが可能となる。
【0058】
また、本発明のスクロール圧縮機では、前記絞り手段を小孔付きのセットボルト又は小孔付きの板金等の別部材で構成するようにしたので、揺動スクロールやコンプライアントフレームの複雑な絞り孔の加工が省略され、生産性の高いスクロール圧縮機が得られる。
【0059】
また、本発明のスクロール圧縮機では、前記絞り手段を、内径φ0.5mm以上φ1.0mm以下の範囲内に設定したので、圧縮室とフレ−ム空間との流路抵抗を保ってフレーム空間の中間圧力を安定して維持できるとともに、加工性の優れた絞り手段が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1のスクロ−ル圧縮機の縦断面図である。
【図2】 この発明の実施の形態1のスクロ−ル圧縮機の主要箇所の部分縦断面図である。
【図3】 この発明の実施の形態1のスクロ−ル圧縮機の間欠連通手段の説明図である。
【図4】 この発明の実施の形態1のスクロ−ル圧縮機のクランク角とフレ−ム空間の圧力変動の説明図である。
【図5】 この発明の実施の形態1のスクロ−ル圧縮機の別の間欠連通手段の説明図である。
【図6】 この発明の実施の形態2のスクロ−ル圧縮機の抽気孔位置とクランク角の説明図である。
【図7】 この発明の実施の形態2のスクロ−ル圧縮機の間欠連通手段の説明図である。
【図8】 この発明の実施の形態2のスクロ−ル圧縮機のクランク角とフレ−ム空間の圧力変動の説明図である。
【図9】 この発明の実施の形態2のスクロ−ル圧縮機の抽気孔の配置図である。
【図10】 この発明の実施の形態3のスクロ−ル圧縮機の連絡通路の絞り手段の説明図である。
【図11】 この発明の実施の形態4のスクロ−ル圧縮機のクランク角と絞り流路径によるフレ−ム空間圧力変動図である。
【図12】 従来のスクロール圧縮機の縦断面図である。
【図13】 従来のスクロール圧縮機の抽気孔の説明図である。
【図14】 従来のスクロール圧縮機の連通部の説明図である。
【図15】 従来のスクロール圧縮機の抽気孔とクランク角の説明図である。
【図16】 従来のスクロール圧縮機のクランク角とフレ−ム空間の圧力変動の説明図である。
【符号の説明】
1 固定スクロール、 1a 固定スクロ−ルの台板、 1b 固定スクロ−ルの板状渦巻歯、 1d 圧縮室、 1g 吸入圧力雰囲気空間、 2 揺動スクロール、 2a 揺動スクロ−ルの台板、 2b 揺動スクロ−ルの板状渦巻歯、 2j 抽気孔、 2k 抽気孔のコンプライアントフレ−ム側開口部、 2m 抽気孔の圧縮室の開口部、 3 コンプライアントフレーム、 3f 連絡通路の揺動スクロ−ル側開口部、 3s 連絡通路、 4 主軸、 10 密閉容器、 15 ガイドフレーム、 15f フレーム空間、 17 小孔付きのセットボルト、 18 小孔付きの板金。
Claims (3)
- 密閉容器内に設けられ、それぞれの台板上の板状渦巻歯が相互間に圧縮室を形成するようにかみ合わされた固定スクロールおよび揺動スクロールと、前記揺動スクロ−ルを駆動する主軸と、前記主軸を半径方向に支持し、前記揺動スクロ−ルを軸方向に支持するコンプライアントフレ−ムと、前記コンプライアントフレームを半径方向に支持するガイドフレームと、を備え、前記コンプライアントフレームと前記ガイドフレームとの間に設けられたフレーム空間に前記圧縮室の圧縮途中の中間圧のガスを供給するスクロ−ル圧縮機において、前記揺動スクロールの台板に設けられ、一端が前記圧縮室に開口し、他端が前記コンプライアントフレーム側に開口する抽気孔と、前記コンプライアントフレームに設けられ、一端が前記揺動スクロール側に開口し、他端が前記フレーム空間に開口する連絡通路と、を備え、前記抽気孔あるいは前記連絡通路のうち、少なくとも一方に絞り手段を設けたことを特徴とするスクロール圧縮機。
- 前記絞り手段を、小孔付きのセットボルト又は小孔付きの板金等の別部材で構成するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のスクロール圧縮機。
- 前記絞り手段を、内径φ0.5mm以上φ1.0mm以下の範囲内に設定したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスクロール圧縮機。
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