JP4006390B2 - 空調装置 - Google Patents

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Description

本発明は,冷媒をコンプレッサで循環させて室内の空調を行う空調装置に関する。
従来より,室内と室外とにそれぞれ熱交換器を備え,それらの間に冷媒を相変化させつつ循環させることによって室内空調を行う空調装置がある。このような空調装置には,気相状態の冷媒を圧縮するためのコンプレッサをガスエンジンによって駆動させるものがあるが,ガスエンジンには運転可能な回転数域に制限があることから,対応可能な空調負荷に限度があった。これに対して,複数台のコンプレッサと変速手段とを備え,ガスエンジンの駆動力を複数台のコンプレッサに伝達させるようにした空調装置が提案されている(例えば,特許文献1参照。)。この空調装置によれば,変速手段の変速比の調整により,対応可能な空調負荷の幅を大きいものとすることができる。
あるいは,より小さい空調負荷に対応するために,中間圧部分に開口部を設けたコンプレッサを利用した空調装置も提案されている(例えば,特許文献2参照。)。この空調装置では,空調負荷が小さいときには,コンプレッサの開口部から低圧流路へ冷媒ガスを流出させる。これにより,実際に空調に貢献する冷媒の量を減少させ,空調負荷が小さい場合の制御性を向上させている。
特開2002−206813号公報(第3−4頁) 特開平10−115292号公報
前記した従来の空調装置は,いずれも対応可能な空調負荷の幅を大きくとることを目的としたものである。そのために,より大きな空調負荷やより小さな空調負荷に対応するための工夫がされている。一方,高頻度に使用される空調負荷範囲は中央付近であることが多い。また,一般にガスエンジンでは,同じ仕事量であれば高トルク領域ほど効率の高い運転領域となっているので,より高トルク領域での運転が望ましい。すなわち,対応可能な空調負荷範囲を小さくすることなく,部分負荷領域での運転効率を上昇させることが望まれているのである。しかし,従来の空調装置では,ガスエンジンの運転効率についてはあまり考慮されていなかった。
例えば,特許文献1に記載されている空調装置のように,2台のコンプレッサを有し,その稼働台数制御とエンジンの回転数制御とを行うシステムにおけるエンジントルクの変化状況の例を図16に示す。この図では,出力される空調能力に対するエンジントルクの設定状況(コンプレッサの台数の変化)及びエンジン回転数の変化をグラフ化して示している。なお,駆動コンプレッサの台数を減らした場合と増やした場合とでは,同じ空調能力に対するエンジン回転数が異なる場合もあるが,この図及び以下の同様の図では,簡略化のため同一として示している。
従来の空調装置を,空調負荷の大きい方から順に低下させる方向に説明すると,まず空調負荷最大の定格時には,2台のコンプレッサを駆動し,エンジン回転数も大きい運転状態である。ここから,部分負荷になるにつれエンジン回転数を下げる。そして,エンジン回転数がそのエンジンの下限回転数となると,駆動するコンプレッサを1台とする。このとき同時に,全体としての冷媒循環量の連続性を保つため,エンジン回転数を上昇させる。さらに空調負荷が下がった場合には,駆動コンプレッサを1台とした状態のままエンジン回転数を下げて対応している。すなわち,この図から分かるように,駆動コンプレッサを1台としたときにはエンジントルクも小さくなるため,エンジンの運転効率が急に低下してしまうという問題点があった。
本発明は,前記した従来の空調装置が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,平易な制御によってガスエンジンの運転効率の高い領域を使用できる空調装置を提供することにある。
この課題の解決を目的としてなされた本発明の空調装置は,熱交換器を含む冷媒循環路に冷媒を循環させて空調を行う空調装置であって,冷媒循環路に並列に設けられた複数の多段容量コンプレッサと,複数の多段容量コンプレッサを駆動する原動機とを有し,多段容量コンプレッサが,吸入口と吐出口との中間圧となる箇所に開閉可能な開口部が設けられたものであり,少なくとも,すべての多段容量コンプレッサの前記開口部を閉止した状態で使用する第1モードと,一部の多段容量コンプレッサの前記開口部を閉止した状態で使用するとともに残りの多段容量コンプレッサの前記開口部を開放した状態で使用する第2モードと,すべての多段容量コンプレッサの前記開口部を開放した状態で使用する第3モードと,一部の多段容量コンプレッサの前記開口部を閉止した状態で使用するとともに残りの多段容量コンプレッサを休止させる第4モードと,一部の多段容量コンプレッサの前記開口部を開放した状態で使用するとともに残りの多段容量コンプレッサを休止させる第5モードとを含むモード群のいずれか1つのモードを選択して動作するものである。
本発明の空調装置では,複数の多段容量コンプレッサを有することによって,少なくとも5種類の運転モードから選択して動作させることができる。ここで,多段容量コンプレッサとは,圧縮される気体内容量を変化させることのできるコンプレッサのことである。この多段容量コンプレッサとして,吸入口と吐出口との中間圧となる箇所に開口部を設け,その開口部を開閉可能としたコンプレッサ使用る。このようなコンプレッサを使用すると,コンプレッサの容量の選択によって駆動するエンジンのトルクは異なる。すなわち,コンプレッサの容量が大きいほど,エンジンが発生すべきトルクも大きくなる。さらに一般に,エンジンのトルクが大きいほどその運転効率も上昇することから,コンプレッサを大容量とするほどエンジンの運転効率がよいことになる。従って,多数の運転モードの中から空調負荷に応じて,エンジンの出力可能な回転数範囲内で大容量なモードを選択することによって,よりエンジンの運転効率のよい領域での運転状態とすることができる。これにより,平易な制御によってガスエンジンの運転効率の高い領域を使用できる空調装置となっている。
さらに本発明では,運転状況に応じて高い原動機効率が得られるようにモードの選択を切り替えるモード制御手段を有し,モード制御手段は,定格運転時に第1モードを選択することが望ましい。
このようにすれば,モード制御手段によって原動機効率の高いモードが選択されるとともに,定格運転時には最も空調能力の大きい運転モードが選択される。従って,空調能力の上昇に応じて,順次コンプレッサの容量の大きいモードに切り換えていけばよいので,制御が容易である。
さらに本発明は,熱交換器を含む冷媒循環路に冷媒を循環させて空調を行う空調装置であって,冷媒循環路に並列に設けられた複数の多段容量コンプレッサと,複数の多段容量コンプレッサを駆動するガスエンジンとを有し,少なくとも,すべての多段容量コンプレッサを大容量状態で使用する第1モードと,一部の多段容量コンプレッサを大容量状態で使用するとともに残りの多段容量コンプレッサを小容量状態で使用する第2モードと,すべての多段容量コンプレッサを小容量状態で使用する第3モードと,一部の多段容量コンプレッサを大容量状態で使用するとともに残りの多段容量コンプレッサを休止させる第4モードと,一部の多段容量コンプレッサを小容量状態で使用するとともに残りの多段容量コンプレッサを休止させる第5モードとを含むモード群のいずれか1つのモードを選択して動作し,運転状況に応じてガスエンジンの効率が高くなるようにモードの選択を切り替えるモード制御手段を有し,モード制御手段は,定格運転時に第2モード,第3モード,および第4モードのいずれか1つを選択するものであってもよい。
一般にガスエンジンでは,その回転数に対する最大トルクの変化の様子は山型のグラフとなり,最大回転数での運転時の最大トルクは,中程度の回転数での運転時の最大トルクよりやや小さいものとなっている。そこで,中程度の部分空調負荷時に,最大トルクとなるモードを選択して,中程度の回転数領域を使用すれば,この領域での運転効率をさらに上昇させることができる。現実には,この部分空調負荷領域が使用されることが多いので,このようにすることにより全体としての運転効率が上昇される。この場合は,定格運転時には最大トルクとなる運転モード以外の運転モードを選択することになる。特に,第2のトルクレベルとなる運転モードを選択するとよい。


本発明の空調装置によれば,平易な制御によってガスエンジンの運転効率の高い領域を使用できる。
「第1の形態」
以下,本発明を具体化した最良の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,冷媒を相変化させながら各所に循環させ,それによって室内の冷暖房を行う空調装置である。
本形態の空調装置1は,その概略構成を図1に示すように,ガスエンジン11の出力軸には,駆動切換装置21を介して2台の多段容量コンプレッサ22,23が接続されている。また,空調装置1はさらに,2つの熱交換器(凝縮器13と蒸発器14)と膨張弁15とを有し,これらが冷媒流路16によって互いに接続されている。また,冷媒流路16にはさらに,2つの逆止弁24と2つの開閉弁25,26とが接続され,多段容量コンプレッサ22,23への冷媒の流入が制御されている。
ガスエンジン11は,都市ガス等を燃料として出力軸を回転させ,多段容量コンプレッサ22,23を駆動する。凝縮器13は,熱を放出して冷媒を凝縮(液化)させる。蒸発器14は,熱を吸収して冷媒を蒸発(気化)させる。膨張弁15は,液体冷媒を減圧する。これらの構成は,従来の一般的な空調装置と同様のものである。また,空調装置1としては,この構成以外にさらに,各種の弁やアキュミュレータ等を含んでいるが,これらは一般的なものであるので,ここでは説明を省略する。
また,駆動切換装置21は例えばクラッチであり,ガスエンジン11の出力軸と2台の多段容量コンプレッサ22,23の駆動軸との接続を切り換える。駆動切換装置21の切り換えにより,ガスエンジン11は,2台の多段容量コンプレッサ22,23のうちの1台のみを駆動する状態と2台とも駆動する状態とが切り換えられる。この駆動切換装置21にさらに変速機能を設けて,2台の多段容量コンプレッサ22,23を互いに異なる回転速度で駆動できるようにしてもよい。
また,2台の多段容量コンプレッサ22,23は互いに同じ構成のものである。これらにはそれぞれ,吸入口31,32,吐出口33,34,および吸入量調整口35,36の3つの開口部が設けられている。吸入量調整口35,36は,多段容量コンプレッサ22,23の中間圧部分に設けられた開口部であり,開閉弁25,26はその吸入量調整口35,36に接続されている。
すなわち,例えば多段容量コンプレッサ22では,開閉弁25が閉状態では吸入量調整口35がない場合と同様であり,吸入口31から吐出口33までの全容量の冷媒が圧縮される。一方,開閉弁25が開状態では,吸入口31と同様に吸入量調整口35からも冷媒が入力され,しかもこれらは連通されているので圧力は同じである。つまり,吸入口31から吸入量調整口35までの部分は圧縮されない。圧縮される冷媒は,吸入量調整口35から吐出口33までの間の容量部分のみとなる。すなわち,開閉弁25,26の開閉によって,多段容量コンプレッサ22,23の圧縮にかかる容量が変更される。
この多段容量コンプレッサ22,23としては,例えば,スクロールコンプレッサで,その固定スクロールの端部から所定の角度内側の位置とその点対称位置の圧縮室に連通するように,吸入量調整口35,36を設けたものを使用することができる。ここでは,吸入量調整口35,36は,吸入口31,32から全体容積の約4分の1相当の位置に設けたものを用いている。そのため,多段容量コンプレッサ22,23の容量は,開閉弁25,26の開放時には閉止時の約4分の3となる。なお,2台の多段容量コンプレッサ22,23として,全容量や吸入量調整口35,36の位置等の互いに異なるものを使用してもよい。
また,逆止弁24は,各多段容量コンプレッサ22,23の吐出口33,34とそれらの合流点との間の冷媒流路16中に設けられる。この逆止弁24によって,各多段容量コンプレッサ22,23の内部に吐出口33,34から冷媒が逆流することが防止されている。
この空調装置1では,図1中に矢示したように,冷媒流路16を冷媒が循環され,各所で冷媒の状態変化が行われることにより,熱の放出や吸収が行われる。そこで,冷房時は蒸発器14を室内機,凝縮器13を室外機とし,暖房時には蒸発器14を室外機,凝縮器13を室内機とするように流路を切り換えることで,室内に冷暖房を行うことができる。さらに,駆動切換装置21によって駆動される多段容量コンプレッサ22,23の台数が選択され,開閉弁25,26によってそれぞれの多段容量コンプレッサ22,23の容量が選択されるので,これらの組合せから多数の運転モードができる。そこで,要求される空調能力に応じて最適なものを選択することができる。以下では,駆動されている多段容量コンプレッサ22,23の圧縮にかかる内容量の合計を実効容量と呼ぶ。
次に,各運転モードについて説明する。以下の各モードで,多段容量コンプレッサ22,23は逆でもよい。第1モードは,多段容量コンプレッサ22,23をともに大容量で使用するモードである。第2モードは,多段容量コンプレッサ22を大容量で使用し,多段容量コンプレッサ23を小容量で使用するモードである。第3モードは,多段容量コンプレッサ22,23をともに小容量で使用するモードである。第4モードは,多段容量コンプレッサ22を休止し,多段容量コンプレッサ23を大容量で使用するモードである。第5モードは,多段容量コンプレッサ22を休止し,多段容量コンプレッサ23を小容量で使用するモードである。
このように各運転モードを設けることにより,実効容量は,第1モード>第2モード>第3モード>第4モード>第5モードとなる。ここでは,各多段容量コンプレッサ22,23の小容量は大容量の4分の3程度なので,2台とも小容量の方が1台のみ大容量よりも実効容量は大きい。
これらの各運転モードを実行するためには,次のように運転制御すればよい。第1モードとするには,図2に示すように,開閉弁25,26をともに閉止し,駆動切換装置21を両方の多段容量コンプレッサ22,23に接続した状態とする。また,第2モードとするには,図3に示すように,開閉弁25を閉止,開閉弁26を開放し,駆動切換装置21を両方の多段容量コンプレッサ22,23に接続した状態とする。
また,第3モードとするには,図4に示すように,開閉弁25,26をともに開放し,駆動切換装置21を両方の多段容量コンプレッサ22,23に接続した状態とする。また,第4モードとするには,図5に示すように,開閉弁26を閉止し,駆動切換装置21を多段容量コンプレッサ23のみに接続した状態とする。また,第5モードとするには,図6に示すように,開閉弁26を開放し,駆動切換装置21を多段容量コンプレッサ23のみに接続した状態とする。第4および第5モードでは,開閉弁25の状態はいずれでもかまわない。
このように切り換えることにより,各運転モードのうちから1つのモードが選択される。このとき,実効容量の大きい運転モードほど,ガスエンジン11のトルクの大きい運転モードとなり,それはすなわち,ガスエンジン11の運転効率のよい空調運転となる。そこで,空調負荷に応じて,ガスエンジン11の許容される回転数の範囲内で最もトルクの大きい(実効容量の大きい)運転モードを選択するように制御する。
次に,この空調装置1の運転モードを制御する制御システム2の概略構成を図7に示す。制御システム2は,コントローラ41を中心として,ガスエンジン11,各種センサ42,駆動切換装置21,開閉弁25,26が接続されている。
この制御システム2では,コントローラ41は,ガスエンジン11の出力トルク及び回転数を検知する。あるいは,各種センサ42によって,外気温度,室内環境温度,設定温度,外部からの凝縮水や蒸発水の供給状況等を検出することにより,出力されるガスエンジン11のトルクを算出してもよい。次に,ガスエンジン11の規格からその回転数における最大トルクを求め,その最大トルクと現状の出力トルクとの差を算出する。このトルクの差が所定の範囲内となるように最適な運転モードを選択し,駆動切換装置21,開閉弁25,26及びガスエンジン11を制御するのである。
本形態の空調装置1の制御システム2では,定格運転時に第1モードを選択する。すなわち,最も大きい空調能力を発揮する定格運転時には最も実効容量の大きい第1モードが選択される。従って,多段容量コンプレッサ22,23の大容量を合計した最大実効容量が,設定される定格空調能力に対応する実効容量であるように,各多段容量コンプレッサ22,23の容量が選択される。すなわち,各多段容量コンプレッサ22,23の容量は。定格運転に対応できる必要最小限の大きさを選択できる。
この制御システム2による空調能力に対する圧縮機の組合せによるエンジン11のトルクの設定状況と,そのときのエンジン11の回転数の関係とを図8のグラフに示す。この図に示すように,第2モードから第5モードで運転される空調能力が30〜60%程度においては,空調能力に従って運転モードが切り換えられ,最適なトルクとなるモードが選択される。それにより,エンジンの回転数は低く押さえられている。なお,ここで第5モードのエンジン回転数最低状態においては,実質的に空調に寄与する冷媒量を変化させてやることにより,30%程度よりさらに小さい空調能力に対応させている。この部分の制御は一般的であり,説明は省略する。
次に,この制御システム2の処理を,図9のフローチャートを参照して説明する。空調装置1では,一般に運転開始時から定常状態となるまでの間は,定常状態となった後とは全く異なる制御が行われる。この制御システム2による制御処理は,空調装置1が定常状態となってから実行されるものである。従って,この処理が実行されるときには,エンジンの回転数や運転モードは所定の初期状態に設定されて運転されている。
この処理の実行が開始されるとまず,要求されている空調負荷が上記の初期状態から変化したかどうかを判断する(S101)。空調負荷が変化していないと判断された場合は(S101:No),そのままの設定で運転を継続する。そして,空調負荷が以前の設定状態から変化したと判断された場合は(S101:Yes),変化の方向が減少した場合と増加した場合とによって次に進むステップが分けられる(S102)。
S102において,空調負荷が減少したと判断された場合は(S102:Yes),その減少によって,空調負荷がその運転モードでの設定値を超えて小さくなったかどうかを判断する(S103)。各運転モードには,適正な空調負荷範囲があるので,その範囲を超えて小さくなった場合には(S103:Yes),運転モードを変更する。そして,実効容量を小さくすることで,空調負荷の減少に対応する(S104)。
あるいは,その運転モードでの適正な負荷範囲内である場合には(S103:No),変化幅が所定の範囲内であるかどうかを判断する(S105)。所定幅を超えた大きい変化である場合には(S105:No),エンジン回転数を減少させる(S106)。しかし,変化幅が小さく所定幅以内である場合には(S105:Yes),そのままのエンジン回転数での運転を継続する。
また,変化の方向が増加方向である場合には(S102:No),その増加によって,空調負荷がその運転モードでの設定値を超えて大きくなったかどうかを判断する(S107)。適正な空調負荷範囲を超えて大きくなった場合には(S107:Yes),運転モードを変更し実効容量を大きくして,エンジントルクを上昇させる(S108)。これにより,さらに高効率運転となる。
あるいは,その運転モードでの適正な負荷範囲内である場合には(S107:No),変化幅が所定の範囲内であるかどうかを判断する(S109)。所定幅を超えた大きい変化である場合には(S109:No),エンジン回転数を増加させる(S110)。しかし,変化幅が小さく所定幅以内である場合には(S109:Yes),そのままのエンジン回転数での運転を継続する。このようにして,空調装置1の運転が停止されるまで,運転モードの選択及びエンジン回転数変更の制御が継続される。なお,S104及びS108において,運転モードが変更されたときには,空調負荷に合わせてエンジン回転数の変更も同時に行う。
ここで,空調出力のそれほど細かな制御が必要でない場合は,S105及びS109での判断基準となる変化幅を大きくすればよい。例えば,図10に示すように,第2モードから第5モードの間では各モード中のエンジン回転数を変更しない制御としてもよい。すなわち,空調負荷がある程度の範囲内である間は,所定のモードでエンジン回転数を最低回転数のまま変化させないで運転する。そして所定の限度を超えて空調負荷が変化した場合に,実効容量を変化させることによって空調出力をステップ変化させるのである。本形態の空調装置1では,運転モードの種類が多いので,ステップ変化の変化幅がさほど大きくない。そのため,このような制御方法が実現可能となった。図16に示したような2段階のコンプレッサ台数の切換のみでは,変化幅が大きすぎるため,このような制御方法は実用性に乏しいものとなる。
以上詳細に説明したように,本形態の空調装置1によれば,開閉弁25,26の開閉により多段容量コンプレッサ22,23の実効容量が変更される。また,駆動切換装置21によって,多段容量コンプレッサ22,23のうち駆動される台数が選択される。これらにより,空調装置1の運転モードは,第1から第5の5通りのモードのうちから選択されることができる。そして,制御システム2によって,空調負荷に応じて,よりトルクの大きく運転効率の高い運転モードが選択される。従って,使用頻度が高い30〜60%程度の部分負荷空調領域において,平易な制御によってガスエンジンの運転効率の高い領域を使用できる空調装置となっている。
「第2の形態」
本形態の空調装置は,第1の形態の空調装置1とその構成は同様であり,制御方法がやや異なるのみであるので,異なる部分のみを説明する。
本形態の制御システム3は,定格運転時に第2モードを選択する。すなわち,最も空調能力の大きい定格運転時には,第2にトルクの大きい第2モードが選択される。これは,ガスエンジン11の回転数に対する最大軸トルクの関係が,図11に示すように,およそ山型の変化であることによる。そのため,中回転数域の方が高回転数域に比較して大きなトルクを出力することができ,またトルクが大きい方が運転効率が向上する。そこで,第1モードの最も実効容量の大きいモードとしては,定格運転時よりもさらに大きい中回転数域の最大トルクに対応したトルクのモードを設定しておく。
このようにすれば,定格をやや下回る60〜80%程度の部分負荷空調域でトルクの最も大きい第1モードを選択することにより,この部分では第1の形態の例よりもトルクを上昇させることができ,また,60%以下の部分負荷空調領域でのトルクも上昇してくる。これにより,この部分負荷領域での運転効率がさらに上昇する。定格運転時には,トルクが第2番目の第2モードを選択して,高回転数域を使用すればよい。
この制御システム3による空調能力に対する圧縮機の組合せによるエンジン11のトルクの設定状況と,そのときのエンジン11の回転数の関係とを図12のグラフに示す。この図に示すように,空調能力最低から60%程度までは,空調能力に従って運転モードが切り換えられ,最適なトルクとなるモードが選択される。それにより,エンジンの回転数は低く押さえられている。そして,空調能力が80%程度まで上昇されると回転数の上昇から最大トルクが下降するので,運転モードを第1モードから第2モードに切り換えて回転数を引き上げ,トルク不足によるエンジンストールを回避する。これにより,最大トルクが大きくより高効率な領域を,有効に利用できる制御システムとなっている。
次に,この制御システム3の処理を,図13と図14のフローチャートを参照して説明する。この処理も第1の形態の制御システム2と同様に,運転開始後に定常状態となってから実行される。この処理が実行されると,まず,S201において,そのとき要求されている空調負荷が所定値以上のものであるかどうかを判断する。上記のように,空調負荷の大きい領域では最大トルクが減少するため,エンジントルク状態を監視する必要があるからである。
空調負荷が小さい運転領域の場合には(S201:No),空調負荷の変化を見ながら,運転モードとエンジン回転数の制御を行う。これは第1の形態での制御と同様である。すなわち,図13中のS101〜S110は,それぞれ図9の制御システム2の同符号のステップと同様である。ただし,空調負荷が減少した場合は,S101へ戻ればよいが,空調負荷が増加した場合には,S201へ戻って,空調負荷が所定値以内かどうかの判断を再び行う。
次に,S201で,空調負荷が所定値以上であると判断された場合(S201:Yes),図14の「A」へと進む。そして,そのときのエンジン回転数での,このガスエンジン11の規格として記憶されている最大トルクと現状のガスエンジン11の出力トルクとの差を求め,その値(エンジントルクの余裕)が適正な範囲内であるかどうかを判断する(S211)。適正な範囲内でない場合は,より適切な運転モードに変更する必要があるからである。
エンジントルクの余裕が適正な範囲内ではないと判断された場合は(S211:No),まず,余裕が所定値より小さいかどうかを判断する(S212)。小さいと判断された場合は(S212:Yes),エンジンストールのおそれもあるので,より余裕を持たせるために運転モードを実効容量の小さいものに切り換える(S213)。あるいは,余裕が所定値より小さくないと判断された場合は(S212:No),すなわち余裕が大きすぎるということであり,より高効率の運転とするために,運転モードを実効容量の大きいものに切り換える(S214)。
こうして,エンジントルクの余裕が適正な範囲内となったら(S211:Yes),空調負荷が変化していない間は(S215:No),その状態での運転を継続する。空調負荷が変化したら(S215:Yes),その変化の方向によって次のように制御する。すなわち,空調負荷が減少した場合は(S216:Yes),エンジン回転数を減少させる(S217)。あるいは,空調負荷が増加した場合は(S216:No),エンジン回転数を増加させる(S218)。いずれの場合も,エンジン回転数を変更した後で,図13の「B」に進み,再びS201の判断を行う。
本形態においても,空調出力のそれほど細かな制御が必要でない場合は,S105及びS109での判断基準となる変化幅を大きくすればよい。例えば,図15に示すように,第2モードから第5モードの間では各モード中のエンジン回転数を変更しないステップ制御としてもよい。ただし,この形態では,空調能力の大きい部分での第1モードと第2モードとの切り換えに関しては,エンジンの回転数制御をも併用することが望ましい。
なお,本形態の空調装置において,第1の形態と同等の定格運転能力を有する空調装置とするためには,第2モードでの運転における実効容量を,第1の形態の第1モードでの運転における実効容量と同等とする必要がある。そのためには,多段容量コンプレッサ22,23の少なくとも一方は,第1形態よりやや大きい容量のものを使用するか,または最高回転数を上げる必要がある。しかし,全体としての運転効率は上昇し,特に使用頻度の高い60〜80%の部分負荷空調領域において高効率な運転が可能となる。
以上詳細に説明したように,本形態の制御システム3によっても,第1の形態の制御システム2と同様に,平易な制御によってガスエンジンの運転効率の高い領域を使用できる空調装置となっている。
なお,上記の各形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。
例えば,接続されるコンプレッサの数やその切り換え可能な容量の段数は,本形態に示したものよりさらに多くしてもよい。その場合は,モードの数ももっと多くできる。
また例えば,上記の形態では使用するコンプレッサとしてスクロール式のものを例示したが,これに限らず,マルチベーン式等の他形式のものでもよい。
第1形態の空調装置の概略構成を示す説明図である。 第1モードでの運転状況を示す説明図である。 第2モードでの運転状況を示す説明図である。 第3モードでの運転状況を示す説明図である。 第4モードでの運転状況を示す説明図である。 第5モードでの運転状況を示す説明図である。 空調装置の制御システムの概略構成を示すブロック図である。 第1形態の制御システムによる空調能力に対するエンジントルク及びエンジン回転数の関係を示すグラフである。 第1形態の制御システムによる制御処理を示すフローチャートである。 第1形態の別の制御システムによる空調能力に対するエンジントルク及びエンジン回転数の関係を示すグラフである。 ガスエンジンの回転数と最大トルクとの関係を示すグラフである。 第2形態の制御システムによる空調能力に対するエンジントルク及びエンジン回転数の関係を示すグラフである。 第2形態の制御システムによる制御処理を示すフローチャートである。 第2形態の制御システムによる制御処理を示すフローチャートである。 第2形態の別の制御システムによる空調能力に対するエンジントルク及びエンジン回転数の関係を示すグラフである。 従来の空調装置による空調能力に対するエンジントルク及びエンジン回転数の関係を示すグラフである。
符号の説明
1 空調装置
2,3 制御システム(モード制御手段)
11 ガスエンジン(原動機)
13 凝縮器(熱交換器)
14 蒸発器(熱交換器)
16 冷媒流路(冷媒循環路)
22,23 多段容量コンプレッサ

Claims (3)

  1. 熱交換器を含む冷媒循環路に冷媒を循環させて空調を行う空調装置において,
    前記冷媒循環路に並列に設けられた複数の多段容量コンプレッサと,
    前記複数の多段容量コンプレッサを駆動する原動機とを有し,
    前記多段容量コンプレッサが,吸入口と吐出口との中間圧となる箇所に開閉可能な開口部が設けられたものであり,
    少なくとも,
    すべての多段容量コンプレッサの前記開口部を閉止した状態で使用する第1モードと,
    一部の多段容量コンプレッサの前記開口部を閉止した状態で使用するとともに残りの多段容量コンプレッサの前記開口部を開放した状態で使用する第2モードと,
    すべての多段容量コンプレッサの前記開口部を開放した状態で使用する第3モードと,
    一部の多段容量コンプレッサの前記開口部を閉止した状態で使用するとともに残りの多段容量コンプレッサを休止させる第4モードと,
    一部の多段容量コンプレッサの前記開口部を開放した状態で使用するとともに残りの多段容量コンプレッサを休止させる第5モードとを含むモード群のいずれか1つのモードを選択して動作することを特徴とする空調装置。
  2. 請求項1に記載する空調装置において,
    運転状況に応じて高い原動機効率が得られるようにモードの選択を切り替えるモード制御手段を有し,
    前記モード制御手段は,定格運転時に第1モードを選択することを特徴とする空調装置。
  3. 熱交換器を含む冷媒循環路に冷媒を循環させて空調を行う空調装置において,
    前記冷媒循環路に並列に設けられた複数の多段容量コンプレッサと,
    前記複数の多段容量コンプレッサを駆動するガスエンジンとを有し,
    少なくとも,
    すべての多段容量コンプレッサを大容量状態で使用する第1モードと,
    一部の多段容量コンプレッサを大容量状態で使用するとともに残りの多段容量コンプレッサを小容量状態で使用する第2モードと,
    すべての多段容量コンプレッサを小容量状態で使用する第3モードと,
    一部の多段容量コンプレッサを大容量状態で使用するとともに残りの多段容量コンプレッサを休止させる第4モードと,
    一部の多段容量コンプレッサを小容量状態で使用するとともに残りの多段容量コンプレッサを休止させる第5モードとを含むモード群のいずれか1つのモードを選択して動作し,
    運転状況に応じて前記ガスエンジンの効率が高くなるようにモードの選択を切り替えるモード制御手段を有し,
    前記モード制御手段は,定格運転時に第2モード,第3モード,および第4モードのいずれか1つを選択することを特徴とする空調装置。
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