JP4005216B2 - 車両用ロックシステム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯用通信装置に対する操作により車両をロック、アンロックすると共に、携帯用通信装置と車両用通信装置との通信の可否に応じて自動的に車両をロック、アンロックする車両用ロックシステムに関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
例えば宅配用の車両の運転者がリモートキーで車両のドアをロック、アンロックする場合は、通常の単方向の通信方式のリモートキーではドアをロック、アンロックするためにはリモートキーを操作する必要があり、両手に荷物を持っているときなど使い勝手がよくない。
【0003】
この場合、携帯機から間欠的に電波を送信し、携帯機を携帯した利用者が車両に近づいたり、遠ざかったりするだけでロック・アンロックが可能なリモートキーシステムが考えられているものの、それでは携帯機から常に電波を間欠的に送信する必要があり、電池寿命が短くなる。
【0004】
これに対して、車両からリクエスト信号を送信し、携帯機からアンサーバックを返答する方式のものでは、配送センターなど、同様のシステムを搭載した車両が近くにある場合、電波が混信してしまうため、使用可能な状況に制約を受けるという欠点がある。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、使い勝手が優れていると共に混信の影響を防止することができる車両用ロックシステムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、携帯用通信装置に備えられたロック,アンロックスイッチの操作に応じてロック信号,アンロック信号を送信することにより車両側のロック制御装置を制御する単方向通信モードと、車両側からのリクエスト信号に応じて携帯用通信装置からアンサーバック信号を返信することにより上記ロック制御装置を制御する双方向通信モードとを備えた車両用ロックシステムにおいて、前記携帯用通信装置のロックスイッチが操作されたときは双方向通信モードとなり、前記携帯用通信装置のロックスイッチが操作されたときは単方向通信モードとなるようにしたものである(請求項1)。
【0007】
このような構成によれば、使用者が車両のロックを解除するために携帯用通信装置のアンロックスイッチを操作すると、アンロック信号が送信され、それに応じて車両側のロック制御装置がアンロック動作を実行すると共に双方向通信モードとなる。この双方向通信モードでは、車両側からリクエスト信号が送信されるようになる。このとき、使用者が乗車している状態或いは車両の近傍に位置している状態では、車両側からのリクエスト信号に応じて携帯用通信装置からアンサーバック信号が返信されるので、アンロック状態を継続する。
【0008】
そして、使用者が車両から離れると、車両側からのリクエスト信号の送信にもかかわらず携帯用通信装置からアンサーバックが返信されなくなるので、ロック制御装置はロック動作を実行する。これにより、使用者は携帯用通信装置のロックスイッチを操作することになく車両をロックすることができる。
【0009】
また、使用者が携帯用通信装置のロックスイッチを操作すると、ロック制御装置が車両をロックすると共に単方向通信モードとなるので、次に携帯用通信装置のアンロックスイッチが操作されるまで、車両のロック状態が継続する。
【0010】
本発明は、ロック制御装置に対してロック動作またはアンロック動作を実行する車両用通信装置と、ロック操作またはアンロック操作に応じてロック制御信号またはアンロック制御信号を送信する携帯用通信装置とを双方向通信可能に設けた車両用ロックシステムにおいて、前記車両用通信装置は、動作開始に応じて通常モードを実行し、その通常モード時は前記携帯用通信装置からロック制御信号またはアンロック制御信号を受信するのに応じてロック動作またはアンロック動作を実行すると共にアンロック動作の実行終了を示す制御結果信号を送信してからリクエストモードに移行し、そのリクエストモード時はリクエスト信号の送信に応じて前記携帯用通信装置からアンサーバック信号を受信したときはアンロック動作を実行すると共にアンサーバック信号を受信しなかったときはロック動作を実行し、且つ前記携帯用通信装置からロック制御信号を受信したときはロック動作を実行すると共にロック動作の終了を示す制御結果信号を送信してから通常モードに復帰し、前記携帯用通信装置は、動作開始に応じて通常モードを実行し、その通常モード時はロック操作またはアンロック操作に応じてロック制御信号またはアンロック制御信号を送信すると共に、アンロック制御信号の送信に応じて前記車両用通信装置から受信した制御結果信号がアンロック動作の実行終了を示していたときはアンサーバックモードに移行し、そのアンサーバックモード時は前記車両用通信装置からリクエスト信号を受信するのに応じてアンサーバック信号を返信し、且つロック制御信号の送信に応じて前記車両用通信装置から受信した制御結果信号がロック動作の終了を示していたときは通常モードに復帰するものである(請求項2)。
【0011】
このような構成によれば、携帯用通信装置及び車両用通信装置は、動作開始時は通常モードを実行する。
さて、使用者が車両の所定のロック制御装置をアンロックするために携帯用通信装置をアンロック操作すると、携帯用通信装置は、アンロック操作に応じてアンロック信号を送信する。車両用通信装置は、アンロック信号を受信すると、所定のロック制御装置に対してアンロック動作を実行する。これにより、所定のロック制御装置はアンロックされる。このとき、車両用通信装置は、アンロック動作を終了したときは、アンロック動作の実行の終了を示す制御結果信号を返信すると共にリクエストモードに移行する。つまり、リクエスト信号の送信に応じてアンサーバック信号を受信するかを監視するようになる。
【0012】
また、携帯用通信装置は、アンロック信号の送信に応じて受信した制御結果信号がアンロック動作の実行終了を示していたときはアンサーバックモードに移行する。つまり、リクエスト信号を受信したときはアンサーバック信号を返信するようなる。
【0013】
さて、使用者が車両に乗車または車両の近傍に位置しているときは、車両用通信装置と携帯用通信装置との双方向通信が成立しているので、車両用通信装置からリクエスト信号が送信されるのに応じて、携帯用通信装置はアンサーバック信号を返信する。従って、車両用通信装置は、アンサーバック信号を受信する毎にロック制御装置に対してアンロック動作を実行する。
【0014】
また、使用者が車両から降車して離れると、車両用通信装置と携帯用通信装置との間で双方向通信が不可能となるので、車両用通信装置は、ロック制御装置に対してロック動作を実行するようになる。これにより、所定のロック制御装置を自動的にロックすることができる。また、使用者が車両に接近すると、車両用通信装置と携帯用通信装置との間で双方向通信が可能となるので、車両用制御装置は、ロック制御装置に対してアンロック動作を実行するようになる。これにより、所定のロック制御装置を自動的にアンロックすることができる。従って、使用者は、車両から離れる際にロック制御装置を一々ロックする必要がなく、使用勝手が優れている。
【0015】
そして、使用者が車両から降車して携帯用通信装置に対してロック操作すると、携帯用通信装置からロック信号が送信される。このとき、車両用通信装置は、リクエストモード時にロック信号を受信することから、ロック制御装置に対してロック動作を実行すると共に、ロック動作の終了を示す制御結果信号を送信してから、通常モードに復帰する。また、携帯用通信装置は、ロック信号を送信してから受信した制御結果信号がロック動作の終了を示しているので、同様に通常モードに復帰する。これにより、これ以降においては、携帯用通信装置に対するロック操作またはアンロック操作が有効となる。
【0016】
上記構成において、前記車両用通信装置は、乱数を含んだリクエスト信号を送信すると共に、受信したアンサーバック信号に対して所定の演算処理を施して復元することにより得られた乱数がリクエスト信号に含めた乱数と一致したときはアンサーバック信号は真であると判断し、前記携帯用通信装置は、リクエスト信号に含まれる乱数に対して所定の演算処理を施すことによりアンサーバック信号を生成するようにしてもよい。(請求項3)
このような構成によれば、車両用通信装置が送信するリクエスト信号には乱数が含まれると共に、携帯用通信装置が応答するアンサーバック信号はリクエスト信号に含まれる乱数に対して所定の演算処理が施されることにより生成される。そして、車両用通信装置は、アンサーバック信号に所定の演算処理を施すことにより得られた乱数に基づいてアンサーバック信号の真偽を判断する。この場合、車両用通信装置から送信されるリクエスト信号に含まれる乱数は常に変化すると共に、携帯用通信装置から応答されるアンサーバック信号も秘匿処理が施されるので、車両用通信装置と携帯用通信装置との双方向通信時の信号が第3者に読取られるしてもその解読は困難であり、保安性を高めることができる。
【0017】
また、車両に運転者が乗員していることを検出する乗員検知手段を設け、前記車両用通信装置は、前記乗員検知手段の検出状態では前記携帯用通信装置との通信を停止するようにしてもよい(請求項4)
このような構成によれば、車両に運転者が乗車すると、乗員検知手段は、車両に運転者が乗車したことを検出する。これにより、車両用通信装置は、携帯用通信装置に対するアンロック動作を停止するので、この状態では、携帯用通信装置が通信動作を実行しなくなり、携帯用通信装置の電源が無駄に消費してしまうことを防止できる。
【0018】
また、前記携帯用通信装置は、ロック操作またはアンロック操作されることに応じて動作停止状態から動作開始すると共に、アンサーバックモードから通常モードに復帰するのに代えて動作停止状態となるようにしてもよい(請求項5)。このような構成によれば、使用者が携帯用通信装置に対してロック操作またはアンロック操作すると、携帯用通信装置が動作停止状態から動作開始して通常モードとなる。また、使用者が車両から降車するために携帯用通信装置に対してロック操作を実行したときに双方向通信が成立したときは、携帯用通信装置はアンサーバックモードから動作停止状態となる。これにより、携帯用通信装置の消費電力を抑制することをできる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を車両用ドアロックシステムに適用した一実施の形態を図面を参照して説明する。
図1には、車両用ドアロックシステムの全体構成が機能ブロックの組合わせにより模式的に示されている。この図1において、車両用ドアロックシステムは、宅配用の車両側に設けられたドアロックECU1(車両用通信装置に相当)とカード形状の携帯機2(携帯用通信装置に相当)とを双方通信可能にして構成されている。
【0020】
即ち、車両に設けられたドアロックECU1は、車両側制御装置3及び通信装置4から構成されている。この車両側制御装置3はマイクロコンピュータを主体として構成されており、携帯機2との通信結果に加えて乗員検知センサ5(乗員検知手段に相当)の検出状態に基づいてドアロック制御装置6を制御するようになっている。この乗員検知センサ5は、キーリマインドスイッチ、IGスイッチ、シートスイッチ等を利用することができる。
【0021】
この場合、車両側制御装置3は通常モード(単方向通信モード)とリクエストモード(双方向通信モード)とを選択的に実行可能に構成されており、後述するように携帯機2との通信結果に応じてそれらのモードを適宜切替えるようになっている。また、車両側制御装置3は、携帯機2からの指令に応じてドアロック制御装置6に対してロック動作若しくはアンロック動作を実行する。また、車両側制御装置3は、乗員検知センサ5の検出状態に基づいて運転者が乗車していると判断したときは携帯機2との通信動作を中断するようになっている。
【0022】
一方、携帯機2は、携帯機側制御装置7、入力装置8(ロックスイッチ及びアンロックスイッチ)、表示装置9及び通信装置10から構成されている。この場合、携帯機側制御装置7は通常モード(単方向通信モード)とアンサーバックモード(双方向通信モード)とを選択的に実行可能に構成されており、後述するようにドアロックECU1との通信結果に応じてそれらのモードを適宜切替えるようになっている。また、携帯機側制御装置7は、入力装置8に対する外部操作に応じて通信装置10を通じてロック制御信号、アンロック制御信号を送信すると共に、ドアロックECU1との通信結果を表示装置9に表示する。この表示装置9はLED(図示せず)から構成されており、所定のLEDの点灯によりドアロックECU1との通信結果を確認することができる。
【0023】
次に上記構成の作用について説明する。この場合、車両は配送センターに駐車された状態でドアがロックされているものとする。
図2は携帯機2の携帯機側制御装置7の動作を示している。この図2において、携帯機側制御装置7は、通常時においてはスリープ状態となっており、入力装置8が操作されたときにウェークアップして動作するようになっている。
【0024】
さて、作業員が配送センターに駐車している宅配用の車両に乗車するために車両に接近して携帯機2のアンロックスイッチを操作すると、携帯機側制御装置7はウェークアップし、動作開始するのに応じて通常モードを実行する。この通常モードとは入力装置8に対する操作に応じて制御信号を送信するモードで、入力装置8がアンロックスイッチかロックスイッチかを判断する(S101)。この場合、アンロックスイッチが操作されたことから(S101:UNLOCK)、通信装置10を通じてアンロック制御信号を送信する(S102)。
【0025】
一方、図3は車両側制御装置の動作を示している。この図3において、車両側制御装置3は、電源投入直後は通常モードを実行している。この通常モードは携帯機2からの制御信号に応じてドアロック制御装置6を制御するモードであり、携帯機2からの制御信号を間欠的に受信している(S201)。この場合、携帯機2からアンロック制御信号を受信するので(S202:UNLOCK受信)、ドアロック制御装置6に対してアンロック制御を指令すると共にアンロック制御の実行を示す制御結果信号(アンロックOK)を送信する(S204)。これにより、ドアロック制御装置6により車両のドアロックがアンロックされる。
【0026】
一方、携帯機側制御装置7は、アンロック制御信号を送信するのに応じて所定時間内に制御結果信号を受信したときは(S103:有り)、その制御結果(アンロックOK)を表示装置9により表示する(S104)。
【0027】
以上のような通常モードにおける携帯機2及びドアロックECU1との双方向通信の結果、ドアロック制御装置7により車両のドアがアンロックされると共に、携帯機2のLEDの点灯によりドアロックが解除されたことを確認することができるので、作業員は、車両に乗車することができる。
【0028】
尚、通常モードにおいて作業員が携帯機2のロックスイッチを操作したときは(S101:LOCK受信)、携帯機側制御装置7は、ロック制御信号を送信し(S110)、車両側制御装置3は、ロック制御信号を受信したときは(S202:LOCK)、ドアロック制御装置6にドアロックを指令し且つ制御結果信号を送信してから(S203)、ステップS201に移行することにより受信信号の間欠受信状態となる。そして、携帯機側制御装置7は、ロック制御結果信号の送信に応じて制御結果信号を受信したときは、制御結果(ロックOK)を表示してからスリープ状態となる(S112)。これにより、携帯機2のLEDの点灯によりドアがロックされたことが表示される。この場合、ドアは既にロックされているので、ドアロック制御装置6によるロック動作は無視される。
【0029】
さて、上述のようにして通常モードを実行した車両側制御装置3は、一定時間(携帯機2が車両用制御装置から制御結果信号を受信して、その処理を終了するのに十分な時間)が経過した後、リクエストモードに移行する。このリクエストモードとは、携帯機2との双方向通信の成立の可否に応じてドアロック制御装置6に指令を与えるモードで、リクエストモードに移行した車両側制御装置3は、乗員検知センサ5の検出結果に基づいて乗員が乗車していると判断したときは(S205:YES)、乱数を含んだリクエスト信号を生成して送信する(S206)。
【0030】
一方、携帯機側制御装置7はアンサーバックモードに移行する。このアンサーバックモードとは、車両側制御装置3からの通信要請に応じて応答するモードで、アンサーバックモードに移行した携帯機側制御装置7は、リクエスト信号を受信するか(S105)、入力装置8が操作されたかを監視するようになる(S115)。
【0031】
この場合、作業員は車両の近傍に位置しており、携帯機側制御装置7は、車両側制御装置3からのリクエスト信号を受信することができることから(S105:YES)、リクエスト信号を受信するのに応じてアンサバック信号を返信する(S106)。このアンサバック信号は、受信したリクエスト信号に含まれる乱数に基づいて自己のIDコードを所定の関数で演算処理を施すことにより生成する。
【0032】
車両側制御装置3は、リクエスト信号を送信してから所定時間内に信号を受信したかを判断する(S207)。このとき、所定時間内にアンサーバック信号を受信するので、受信したアンサーバック信号を所定の関数に基づく演算処理により復元することによりIDコードを取得し、そのIDコードが予め登録したものであることを確認したときは(S208:YES)、携帯機2は車両の近傍に位置していると判断する。この場合、ドアは既にアンロックされているので(S209:YES)、車両側制御装置3は、何もすることなくステップS205に移行することによりリクエストモードを継続する。
【0033】
ここで、図3のフローチャートに示していないが、作業員が車両に乗車して車両を進行することにより乗員検知センサ5が車両の走行を検出したときは、車両側制御装置3は、人が乗車していると判断し、リクエストモードの送信を停止するようになっている。これにより、携帯機2がリクエストに応答してアンサーバック信号を返信しなくなるので、携帯機2の電力消費を低減することができる。
【0034】
さて、作業員が荷物の配送のために車両を停止すると、車両側制御装置3は、乗員検知センサ5により車両の停止を検出したところでリクエストモードの送信を再開する。この場合、車両側制御装置3と携帯機側制御装置7との双方向通信が成立しているので、車両側制御装置3は、リクエスト信号の送信に応じてドアロック制御装置6に対してアンロックを指令する。
【0035】
そして、作業員が車両から降車して離れることにより車両側制御装置3と携帯機側制御装置7との双方向通信が不可能となると、車両側制御装置3から送信されるリクエスト信号を作業員が携帯している携帯機2の携帯機側制御装置7が受信できなくなるので、車両側制御装置3がリクエスト信号を送信するにしても、携帯機側制御装置7からアンサーバック信号が返信されなくなる(S207:無)。
【0036】
この場合、車両側制御装置3は、携帯機2は車両から離れていると判断して、車両がアンロック状態であることを確認してから(S211:NO)、ドアロック制御装置6に対してロックを指令する。これにより、ドアロック制御装置6がドアをロックするので、作業員は携帯機2を操作することなくドアをロックすることができる。
ここで、車両側制御装置3は、携帯機側制御装置7との双方向通信が不可能な状態では、リクエスト信号の間欠的な送信を継続する。
【0037】
そして、荷物の配送を終了した作業員が車両に接近して車両側制御装置3と携帯機側制御装置7との双方向通信が可能となると、車両側制御装置3は、リクエスト信号の送信に応じて携帯機制御装置7からアンサーバック信号を受信するようになるので(S208:YES)、車両がロック状態であることを確認してから(S209:NO)、ドアロック制御装置6に対してアンロックを指令する(S210)。これにより、ドアロック制御装置6がドアをアンロックするので、作業員は携帯機2を操作することなく車両に乗車することができる。
【0038】
さて、荷物の配送を終了して配送センターに戻った作業員が車両から降車し、ドアを閉鎖してから携帯機2のロックスイッチを操作すると、携帯機側制御装置7は、アンサーバックモードでロックスイッチが操作されたことから(S116:LOCK)、ロック制御信号を送信する(S107)。
【0039】
車両側制御装置3は、リクエストモード時に受信した信号がアンサーバック信号でなかったときは(S208:NO)、携帯機2が操作されたと判断してステップS202に移行することにより通常モードに移行し、ロック制御信号を受信したことを確認すると共に(S202:LOCK受信)、ドアロック制御装置6にロックを指令し且つ制御結果を送信してから(S203)、ステップS201に移行することにより通常モードを継続する。
【0040】
一方、携帯機側制御装置7は、ロック制御信号の送信に応じて車両側制御装置3から応答があったときは(S108:有り)、その制御結果(ロックOK)を表示してから(S121)、スリープ状態となる。
【0041】
尚、車両側制御装置3は、リクエストモード時にリクエスト信号の送信に応じてアンサーバック信号は受信できるものの当該アンサーバック信号が示すIDコードが正しくなかったときは、アンサーバック信号は真でないと判断し、車両のドアのロック状態を継続する。
【0042】
一方、携帯機側制御装置7は、アンサーバックモード時にアンロックスイッチの操作に応じてアンロック制御信号を送信したとき(S117)、或いはロックスイッチの操作に応じてロック制御信号を送信したときに(S107)、車両側制御装置3から制御結果が送信されない場合は(S108:NO)、リクエストモードの実行を継続する。
【0043】
このような本実施の形態によれば、ドアロックECU1と携帯機2とを双方向通信可能に設け、通常モード時は携帯機2に対する操作に応じてドアロックECU1によりドアのロック、アンロック動作を実行し且つドアロックECU1がアンロック動作を実行したときはリクエストモードに移行すると共に携帯機2はアンサーバックモードに移行し、その状態ではドアロックECU1は、携帯機2との双方向通信の可否に応じてロック動作、アンロック動作を実行するようにしたので、リモートキーに対するロック、アンロック操作に応じてドアをロック、アンロックするだけの構成のものと違って、宅配中の作業員は携帯機2を一々操作することなく車両のドアを自動的にロック、アンロックすることができ、宅配中の使用勝手に優れている。
【0044】
また、車両が配送センターに駐車された状態では、車両側制御装置3及び携帯機側制御装置7は通常モードとなっており、車両側制御装置3からリクエスト信号は送信されていないので、複数の車両からの電波が混信してしまうことを防止することができる。
【0045】
本発明は、上記実施の形態にのみ限定されるものではなく、次のように変形または拡張できる。
ドアロックECU1から制御結果信号を送信することを省略するようにしてもよい。
ロック制御対象としては、ドアロック制御装置に限定されることなく、電気的なステアリングロック装置、或いはシフトレバーロック装置に適用するようにしてもよい。
携帯通信装置をキーのグリップに内蔵するようにしてもよい。
【0046】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の車両用ロックシステムによれば、以下の効果を奏する。
請求項1記載のものによれば、単方向通信モードにおいて携帯用通信装置のアンロックスイッチが操作されたときは、アンロック信号の送信に応じてドアロック制御装置により車両をアンロックすると共に双方向通信モードとなり、その双方向通信モードにおいて車両側からのリクエスト信号に応じて携帯用通信装置がアンサーバック信号を返信することによりドアロック制御装置により車両をロックするようにしたので、使い勝手が優れていると共に混信の影響を防止することができるという優れた効果を奏する。
【0047】
また、請求項2記載のものによれば、通常モード時に携帯機に対するアンロック操作に応じて車両通信装置がアンロック動作を実行したときは車両通信装置はリクエストモードに移行すると共に携帯用通信装置はアンサーバックモードに移行し、それらのモード時においては双方向通信の可否に応じて車両通信装置がロック動作、アンロック動作を実行すると共に携帯機に対するロック操作に応じて車両用通信装置がロック動作を実行したときは通常モードに復帰するようにしたので、使い勝手が優れていると共に混信の影響を防止することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における全体構成を示す概略図
【図2】携帯機の動作を示すフローチャート
【図3】ドアロックECUの動作を示すフローチャート
【符号の説明】
1はドアロックECU(車両用通信装置)、2は携帯機(携帯用通信装置)、3は車両側制御装置、5は乗員検知センサ(乗員検知手段)、7は携帯機側制御装置である。
Claims (5)
- 携帯用通信装置に備えられたロック,アンロックスイッチの操作に応じてロック信号,アンロック信号を送信することにより車両側のロック制御装置を制御する単方向通信モードと、車両側からのリクエスト信号に応じて携帯用通信装置からアンサーバック信号を返信することにより上記ロック制御装置を制御する双方向通信モードとを備えた車両用ロックシステムにおいて、
前記携帯用通信装置のアンロックスイッチが操作されたときは双方向通信モードとなり、
前記携帯用通信装置のロックスイッチが操作されたときは単方向通信モードとなることを特徴とする車両用ロックシステム。 - ロック制御装置に対してロック動作またはアンロック動作を実行する車両用通信装置と、ロック操作またはアンロック操作に応じてロック制御信号またはアンロック制御信号を送信する携帯用通信装置とを双方向通信可能に設けた車両用ロックシステムにおいて、
前記車両用通信装置は、動作開始に応じて通常モードを実行し、その通常モード時は前記携帯用通信装置からロック制御信号またはアンロック制御信号を受信するのに応じてロック動作またはアンロック動作を実行すると共にアンロック動作の実行終了を示す制御結果信号を送信してからリクエストモードに移行し、そのリクエストモード時はリクエスト信号の送信に応じて前記携帯用通信装置からアンサーバック信号を受信したときはアンロック動作を実行すると共にアンサーバック信号を受信しなかったときはロック動作を実行し、且つ前記携帯用通信装置からロック制御信号を受信したときはロック動作を実行すると共にロック動作の終了を示す制御結果信号を送信してから通常モードに復帰し、
前記携帯用通信装置は、動作開始に応じて通常モードを実行し、その通常モード時はロック操作またはアンロック操作に応じてロック制御信号またはアンロック制御信号を送信すると共に、アンロック制御信号の送信に応じて前記車両用通信装置から受信した制御結果信号がアンロック動作の実行終了を示していたときはアンサーバックモードに移行し、そのアンサーバックモード時は前記車両用通信装置からリクエスト信号を受信するのに応じてアンサーバック信号を返信し、且つロック制御信号の送信に応じて前記車両用通信装置から受信した制御結果信がロック動作の終了を示していたときは通常モードに復帰することを特徴とする車両用ロックシステム。 - 前記車両用通信装置は、乱数を含んだリクエスト信号を送信すると共に、受信したアンサーバック信号に対して所定の演算処理を施して復元することにより得られた乱数がリクエスト信号に含めた乱数と一致したときはアンサーバック信号は真であると判断し、
前記携帯用通信装置は、リクエスト信号に含まれる乱数に対して所定の演算処理を施すことによりアンサーバック信号を生成することを特徴とする請求項2記載の車両用ロックシステム。 - 車両に運転者が乗車していることを検出する乗員検知手段を設け、
前記車両用通信装置は、前記乗員検知手段の検出状態では前記携帯用通信装置との通信を停止することを特徴とする請求項2または3記載の車両用ロックシステム。 - 前記携帯用通信装置は、ロック操作またはアンロック操作されることに応じて動作停止状態から動作開始すると共に、アンサーバックモードから通常モードに復帰するのに代えて動作停止状態となることを特徴とする請求項2乃至4の何れかに記載の車両用ロックシステム。
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