JP4003258B2 - 制電性ポリエステルフィルム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、帯電防止性に優れ、かつ滑り性、透明性、耐擦り性、耐溶剤性に優れ、特に外観の優れた制電性ポリエステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】
二軸延伸されたポリエステルフィルムは、優れた透明性、機械的特性、耐熱性、耐薬品性を有することから広範囲な用途に使用されている。しかしポリエステルフィルムは、その表面固有抵抗が大きいため、摩擦や剥離する際に静電気を生じ易く、周囲の挨を吸引してさまざまな問題を引き起こしている。たとえば、電子部品用途などにおける静電気障害、静電気の吸引力による塵、ホコリの吸着などである。したがって、無塵、防塵性能が要求される用途においては、フィルムが帯電防止性能をもつことは必要不可欠である。
【0003】
ポリエステルフィルムの上記欠点の改善方法として、フィルム表面への帯電防止剤の塗布、導電剤の塗布や蒸着、スパッタリングなどによる帯電防止処理、およびポリエステルフィルム内部への導電剤練り込みなどの方法が行われている。中でも最も多用されているのは、その帯電防止効果の高さや品質の安定性から、ポリエステルフィルム表面への帯電防止剤の塗布である。
【0004】
帯電防止処理剤には、大きく分けると「電子伝導性」処理剤と「イオン伝導性」処理剤がある。
「電子伝導性」処理剤の一つの系として、金属系化合物、金属酸化物系化合物があり、それぞれ、薄膜、粒子/ウィスカーなどの形を取る。これとは別の系として、有機系化合物があり、共役二重結合系でのπ電子による伝導効果によって帯電防止効果を得る。たとえば、鎖状共役系化合物(ブタジエンなど)、環状共役系化合物(ベンゼン、ポリアセンなど)がある。
「イオン伝導性」処理剤の一つの系には、界面活性剤(カチオン系、アニオン系、両性系)がある。また別の系として、樹脂の主鎖または側鎖に帯電防止剤を組み込んだ高分子型イオン性帯電防止剤(カチオン系、アニオン系)がある。さらにまた別のタイプとして、非イオン性でかつ吸湿性のある高分子、たとえばポリエーテル鎖を持つポリエチレングリコールなどもある。
【0005】
それぞれの帯電防止剤には特徴があり、たとえば「電子伝導性」帯電防止剤は、環境湿度の影響を受けにくく、高度の導電性効果が得られ易いなどの利点がある。しかし、材料が高価でしかも多量に使用する必要があるためコストが高くなることや、透明性を維持することが困難な場合が多いなどの欠点がある。
これに対し「イオン伝導性」帯電防止剤である界面活性剤は、比較的安価であり低コストであること、透明性を維持し易いなどの利点がある。しかし界面活性剤は、一般には環境湿度の影響を受けやすい場合が多く、低湿度下では帯電防止効果が落ちやすく、耐水性も悪く、溶出や裏移りの懸念、さらにはブロッキングが発生し易いなどの欠点がある。
界面活性剤の欠点を改良するため、最近では高分子の主鎖または側鎖にイオン性基を組み込んだ高分子型イオン性帯電防止剤が注目され、広く用いられるようになってきた。高分子型イオン性帯電防止剤は、低分子型イオン性界面活性剤に比べて、帯電防止層の膜強度が強く、耐ブロッキング性、耐裏移り性(「裏移り」とは塗布済みフィルムを巻き取ったときに非塗布面に帯電防止層が転移することをいう。裏移りがあると非塗布面の接着性や印刷性の低下など種々の問題が起こる)などの性能が良好なものが多い。
【0006】
しかしながら、従来知られている高分子型帯電防止剤でプラスチックフィルムを塗布処理すると、良好な帯電防止性能、耐裏移り性は得られても、該フィルムを実用の場で取扱うと、滑り性が悪いため作業性に劣り帯電防止層が脱落し易かったり、有機溶剤と接触すると帯電防止膜が溶け出し帯電防止性能が低下したり、溶け出した帯電防止剤により新たな汚染が発生する問題があった。また高分子型帯電防止剤は、低分子型イオン性界面活性剤に比べて塗膜中のイオン性基の比率が少なくなるため、帯電防止効果が不十分であり、低分子型と同等の帯電防止効果を得るために塗布厚みを上げると、塗布斑が生じ易いなどの問題があった。
【0007】
フィルムの滑り性の悪さは、制電性ポリエステルフィルムの帯電防止剤塗布面または非塗布面に後加工をする際、擦り傷や擦り跡の発生をもたらし、仕上がり外観を悪くし、光学的用途には使用できなくなる。また、電子部品用途など無塵や防塵性を要する用途には、塵、挨を除去する溶剤洗浄作業が不可欠であり、耐溶剤性がなければ使用できない。さらに視認可能な塗布斑がある場合は、光学的な均一性が要求される用途には使用できない。
【0008】
従来使用されている帯電防止剤で上述した全ての性能を満足したものはなく、いずれかの性能に欠点を有するものであった。これらの点を改善するため、たとえば、取扱い性向上、加工工程適性向上の効果が高いパラフィン系やオレフィン系の微粒子を滑り剤として添加したものがある。しかしこれは、滑り性や耐擦り性は改善されるが、耐溶剤性は改善されにくい。また、架橋剤を添加すると耐溶剤性は向上するが、帯電防止性が得られなくなり易い。すなわち、帯電防止性とその他の性能とのバランスが得られにくい。
また満足できる帯電防止効果を得るためには乾燥塗布厚みを厚くする必要があることから、視認可能な塗布斑が生じ易く、光学的な均一性を維持できにくいなどの問題もある。
【0009】
本発明の目的は、かかる従来技術の問題点を解決し、帯電防止性能にすぐれ、さらに滑り性、耐溶剤性、透明性が共に優れ、かつ視認可能な塗布斑がなく光学的均一性に優れたポリエステルフィルムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような目的を達成するために検討した結果、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、特定の帯電防止剤、滑り剤、バインダー樹脂および架橋性樹脂とを含む組成物から帯電防止層を設けること、さらに該組成物を使用すると帯電防止層の乾燥塗布厚みを一定の範囲に収めることができ、それによって上述性能の達成が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち本発明は、
(1)ポリエステルフィルムの少なくとも片面に帯電防止層が被覆されたフィルムであって、前記帯電防止層が(a)ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂およびアクリル系樹脂から選ばれる少なくとも1種のバインダー樹脂:10〜70重量%、(b)分子内にスルホン酸塩基成分を含有するスチレン系樹脂を含む高分子型帯電防止剤:5〜70重量%、(c)反応性官能基を有する架橋性樹脂:5〜30重量%、および(d)微粒子状に分散されたポリオレフィンエマルジョン:0.5〜20重量%(固形分)を主たる構成成分として含有し、有機及び無機粒子を含有しない組成物から形成され、かつ該層の厚み(乾燥)が0.01〜0.3μmであり、帯電防止層と金属板との間の傾斜法による滑り開始角度が20°以下であり、帯電防止層の耐溶剤性指数が4以上でかつ20℃、50%RH下の表面電気抵抗値が1×1012Ω/□以下であることを特徴とする制電性ポリエステルフィルム、
(2)全光線透過率が80%以上であって、ポリエステルフィルムの厚みが10〜300μmの範囲であることを特徴とする上記(1)に記載の制電性ポリエステルフィルム、
(3)暗室下の蛍光燈反射光によって生じる長径が5mm以上の視認可能点が1平方メートル当たり1個以内であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の制電性ポリエステルフィルムに関する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の耐溶剤性に優れた制電性ポリエステルフィルムは、帯電防止層の面と金属板との間の傾斜法による滑り開始角度が20°以下、好ましくは16°以下である。滑り開始角度が20°を上回ると、取扱い性の改善が不十分であり、裁断フィルムを取り出す際、共ずれが生じ易い。
また、帯電防止層の耐溶剤性指数は4以上、好ましくは5である。耐溶剤性指数が4を下回ると、帯電防止層が有機溶剤と接触する作業がある場合、仕上がり外観の悪化、帯電防止性能の低下が生じやすい。
さらに、帯電防止層の20℃、50%RH下での表面電気抵抗値は1×1012Ω/□以下、好ましくは1×1011Ω/□以下である。表面電気抵抗値が1×1012Ω/□を超えると、帯電による静電気障害、塵、挨の吸着が生じ易い。
本発明の制電性ポリエステルフィルムは、上記3つの物性を全て満足する。
該物性の測定は以下のようにして行う。
【0013】
傾斜法による滑り開始角度
JIS P 8147における傾斜方法に準拠する。測定方法・条件は次の通りである。
滑り台の上昇速度:0.7°/秒(電動)
測定合わせ面 :ポリエステルフィルムの帯電防止層面とステンレス板鏡面仕上げ面(滑り台側をステンレス板とする)
おもり :重さ100gの直方体
測定フィルム寸法:45×100(mm)
滑り開始角度 :水平にセットしたステンレス板とおもりに貼り付けた測定フィルムとを重ね合せ、電動で滑り台を傾け、おもりが動きはじめた瞬間の傾斜角度を読み取る。
【0014】
耐溶剤性指数
JIS L 0849「摩擦に対する染色堅牢度試験方法」の試験機を用い測定する。測定条件は次の通りである。
試験機:摩擦試験機II型(学振式)
試験方法:試験台に測定面(帯電防止層面)を上にしてフィルムを貼る。合計500gの荷重を加えた摩擦子に4枚重ねのガーゼを固定する。ガーゼはそれぞれ「乾燥状態」「酢酸エチル含浸」「エタノール含浸」を用意する。往復回数を3回にセットし往復摩耗させる。
判定方法:耐溶剤性指数を1〜5に区別し測定フィルムを判定する。
1:擦り跡に帯電防止層は全く残らない。
2:擦り跡に帯電防止層は1/4残る。
3:擦り跡に帯電防止層は1/2残る。
4:擦り跡に帯電防止層は3/4以上残る。
5:擦り跡に帯電防止層の脱落は見られない。さらに擦り跡に帯電防止層の溶出による「しみ」「汚れ」が生じない。
【0015】
表面固有抵抗
JIS K 6911「熱硬化性プラスチックの一般試験方法」に準拠する。三菱油化(株)製の表面抵抗計(商品名:HIRESUTA MCP HT−260)を用い、20℃、50%RHの雰囲気中におけるポリエステルフィルムの帯電防止層の表面固有抵抗率(Ω/口)を測定する。測定条件は次の通り。
印加電圧:500V
測定時間:10秒
使用プローブ:Type HRS
【0016】
また本発明の制電性ポリエステルフィルムは全光線透過率が80%以上であることが好ましく、85%以上であるとさらに好ましい。
全光線透過率は、JIS K 6714に準じて、ポィック積分球式へーズメーター(TOKYO DENSYOKU(株)製、商品名TC−H3DP)を用いて全光線透過率(T2 %)を測定する。
【0017】
さらに本発明の制電性ポリエステルフィルムは、暗室下の蛍光燈反射光に於いて、長径が5mm以上の視認可能点が1平方メートル当たり1個以内であることが好ましい。
上記帯電防止層の視認可能点検査法は、暗室で検査フィルムを床と垂直方向に吊り、塗布面側から蛍光燈(15W以上の明るさのものを使用)で光を当てる。蛍光燈反射光の変化を観察しながら、長径が5mm以上の視認可能点を探す。検査面積は1サンプル当たり5平方メートルとする。1平方メートル当たりの個数を数え、この個数が本発明の制電性ポリエステルフィルムでは1個以内であることが好ましい。上記視認可能点が2個以上存在すると、光学的な均一性を要求される用途には使用するのが困難となる。均一な外観を維持するには、長径5mmの視認可能点が1平方メートル当たり1個以内であることが好ましい。
【0018】
本発明で用いられるポリエステルフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどの芳香族ジカルボン酸類とジオール類とからなる芳香族線状ポリエステル、脂肪族ジカルボン酸類とジオール類とからなる脂肪族線状ポリエステル、およびそれらの共重合体などのポリエステルから製造されるポリエステル系フィルムが挙げられる。
【0019】
上記ポリエステル原料について説明する。
ジカルボン酸成分としては、たとえば、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸などの不飽和ジカルボン酸などを挙げることができ、特にテレフタル酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましい。
【0020】
ジオール成分としては、たとえばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−へキサンジオール、ポリエチレングリコールなどの脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族ジオール、4,4’−ビス(ヒドロキシエチル)ビスフェノールAなどの芳香族ジオール、さらにビス(ポリオキシエチレングリコール)ビスフェノールエーテルなどを挙げることができ、特にエチレングリコールが好ましい。
【0021】
かかるポリエステルのうち、その機械的強度、耐熱寸法安定性、透明性などの点からポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートの単独重合体が好ましいが、20モル%以下の範囲で上記ジカルボン酸成分、あるいはジオール成分を共重合したポリエステルであってもよい。
また、固有粘度が0.45以上であるポリエステルが好ましい。
上記ポリエステル原料には、さらに必要に応じて、無機または有機の不活性粒子、酸化防止剤、着色剤、顔料などの添加剤を含有してもよい。
【0022】
本発明に用いるポリエステルフィルムは、通常知られている製法で製造することができる。たとえば、押出し機による加熱溶融から、回転冷却ドラム上にキャストして未延伸フィルムとし、ついで流れ方向、幅方向への延伸を施し、さらに熱処理による配向結晶を完結させることで製造することができる。
【0023】
ポリエステルフィルムの厚みは、延伸後において10〜300μmであることが好ましい。
【0024】
上記ポリエステルフィルムの少なくとも片面に帯電防止層が設けられる。
該帯電防止層は、必須成分として、(a)バインダー樹脂を10〜70重量%、(b)帯電防止剤を5〜70重量%、(c)架橋性樹脂を5〜30重量%、(d)ポリオレフィンエマルジョンを0.5〜20重量%含有する組成物から形成される。
【0025】
バインダー樹脂(a)として、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂およびアクリル系樹脂から選ばれる少なくとも1種が使用される。
ポリエステル樹脂として共重合ポリエステル系樹脂を選ぶことができる。共重合ポリエステル系樹脂とはジカルボン酸成分とジオール成分およびその他のエステル形成成分の重縮合物である。共重合ポリエステル系樹脂に構成成分として含有されるジカルボン酸成分としては、たとえば、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸などの不飽和ジカルボン酸などを挙げることができる。
【0026】
上記ジカルボン酸成分の他に、水分散性を付与するため、5−スルホイソフタル酸、スルホテレフタル酸、4−スルホイソフタル酸、4−スルホナフタレン−2,6−ジカルボン酸、5(4−スルホフェノキシ)イソフタル酸の塩類を用いることができる。なかでも、5−ナトリウムスルホイソフタル酸を1〜10モル%の範囲で使用するのが好ましい。
【0027】
共重合ポリエステル系樹脂に含有されるジオール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、ポリエチレングリコールなどの脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタールなどの脂環族ジオール、4,4’−ビス(ヒドロキシエチル)ビスフェノールAなどの芳香族ジオール、さらにビス(ポリオキシエチレングリコール)ビスフェノールエーテルなどを挙げることができる。
【0028】
バインダー樹脂(a)としてポリウレタン系樹脂を選ぶこともできる。ポリウレタン系樹脂は、通常の活性水素を2個以上有するポリオール類と有機ポリイソシアネートとを反応させて得られるものを用いてもよい。
ポリオール類としては、たとえば、飽和ポリエステルポリオール類;ポリエーテルポリオール類(たとえばポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなど);アミノアルコール類(たとえばエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなど);不飽和ポリエステルポリオール類(たとえば不飽和多価カルボン酸単独あるいはこれと飽和多価カルボン酸との混合物と、飽和多価アルコール類と不飽和多価アルコール類との混合物とを重縮合させて得られるもの)、ポリブタジエンポリオール類(たとえば1,2−ポリブタジエンポリオール、1,4−ポリブタジエンポリオールなど)、アクリルポリオール類(各種アクリル系モノマーとヒドロキシル基を有するアクリル酸系モノマーとを共重合させて得られるヒドロキシル基を側鎖に有するアクリルポリオール類)などの不飽和二重結合を有するポリオール類を挙げることができる。
有機ポリイソシアネートとしては、たとえば、芳香族ポリイソシアネート類(たとえばジフェニルメタンジイソシアネート、トルエンジイソシアネートなど)、脂肪族ポリイソシアネート類(たとえばへキサメチレンジイソシアネートなど)、脂環族ポリイソシアネート類(たとえばイソホロンジイソシアネートなど)、芳香族・脂肪族ポリイソシアネート類(たとえばキリレンジイソシアネート)、さらにこれらのイソシアネート類と低分子量ポリオールとを予め反応させて得られるポリイソシアネート類を挙げることができる。
【0029】
このポリウレタン系樹脂の製造は公知の方法により行うことができる。製造の際には生成プレポリマー中に未反応のイソシアネート基が2個以上存在するようにする必要がある。このイソシアネート基はブロック化することが好ましく、特に水系塗液を調製するときはこのブロック化は必須である。このブロック化はイソシアネートのブロック化として良く知られているものであり、加熱によって遊離イソシアネート基を再生できるものである。ブロック化剤としては、たとえば、重亜硫酸塩類、アルコール類、オキシム類、活性メチレン化合物、イミダゾール類、ラクタム、イミン化合物、アミド化合物、イミド化合物などを挙げることができる。
【0030】
これらブロック化剤とポリウレタンプレポリマー中のイソシアネート基との反応は、常温〜100℃の温度で行うことができ、必要に応じてウレタン化触媒を用いることができる。ここでポリウレタンプレポリマーに安定な水分散性、水溶性を付与するために分子内に親水性基を導入するとよい。該親水性基としては、─SO3 M(ここで、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属である)、−OH、−COOR(ここでRはアンモニア、第三級アミンの残基である)などが例示される。これらのうち特にアンモニアまたは第三級アミンで中和されたカルボキシル基が好ましい。アンモニアまたは第三級アミンで中和されたカルボキシル基をポリウレタンプレポリマー中に導入するには、たとえば、ポリウレタンプレポリマー合成時の反応原料の一つとしてカルボキシル基含有ポリヒドロキシ化合物を用いる方法、未反応イソシアネート基を有するポリウレタンプレポリマーのイソシアネート基に水酸基含有カルボン酸やアミノ基含有カルボン酸を反応させ、ついで反応生成物を高速攪拌中下でアンモニア水または第三級アミン水溶液中に添加し中和する方法などの方法がある。
【0031】
バインダー樹脂(a)としてアクリル系樹脂を選ぶこともできる。アクリル系樹脂としては、アクリル酸またはメタクリル酸、またはその塩類やエステル類を重合して得られるアクリル系重合体が挙げられる。
アクリル酸エステル系およびメタクリル酸エステル系単量体としては、たとえば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸グリシジルなどを挙げることができる。アクリル酸およびメタクリル酸の塩類としては、たとえば、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸ナトリウム、アクリル酸カリウム、メタクリル酸カリウム、アクリル酸アンモニウム、メタクリル酸アンモニウムなどが挙げられる。
これらの必須成分の他に、アクリルアミド、メタクリルアミド、メタクリル酸アミノエチル、メタクリル酸アミノメチル、N−メチロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミドなどのアクリル酸系単量体を添加してもよい。
【0032】
アクリル系重合体には、この他に塩化ビニル、酢酸ビニル、スチレン、ビニルエーテル、ブタジエン、イソプレン、ビニルスルホン酸ソーダなどの単量体を共重合成分として用いることもできる。なお、アクリル系重合体には、アクリル酸塩成分、メタクリル酸塩成分、アクリル酸成分、アクリルアミド成分、アクリル酸2−ヒドロキシエチル成分、N−メチロールアクリルアミド成分などの親水性成分が共重合成分として含まれることが塗膜の機能性を高めるために好ましい。また分子側鎖に官能基を有する共重合体であってもよい。また、このアクリル系重合体は、メタクリル酸メチルやメタクリル酸エチルのような硬質成分を主成分として用い、共重合成分として、アクリル酸エステルのような軟質成分を共重合して得ることもできる。
【0033】
これらのバインダー樹脂成分(a)は、帯電防止組成物中に10〜70重量%の範囲で含まれることが好ましい。10重量%を下回ると、膜強度が不足し、摩擦などの外力が加わった際に層の脱落が生じ易くなる。さらに有機溶剤での洗浄時に帯電防止層の溶出が生じ易くなる。一方、70重量%を上回ると膜としての強度は向上するが、帯電防止性能、滑り性などの目的とする性能が発現しずらくなる。
【0034】
帯電防止層の帯電防止剤(b)としては、ポリスチレンスルホン酸塩のような分子内にスルホン酸塩基成分を含有するスチレン系樹脂を使用することが好ましい。この高分子型帯電防止剤の特徴は、そのスルホン酸成分の親水性の高さにある。分子内にスルホン酸塩基成分を含有するスチレン系樹脂としては、ポリスチレンスルホン酸のナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩などのホモポリマー、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルなどのアクリル系単量体とスチレンスルホン酸単量体との共重合物などが挙げられる。
【0035】
帯電防止組成物中における高分子型帯電防止剤の量は5〜70重量%である。高分子型帯電防止剤が5重量%を下回ると帯電防止効果が発生しにくくなり、70重量%を上回るとポリエステルフィルムへの密着力や膜強度、耐溶剤性の性能が不十分になる。
【0036】
反応性官能基を有する架橋性樹脂(c)としては、たとえば、メラミン、エポキシ、イソシアネートなどの反応性官能基を有する架橋性樹脂が挙げられる。これらは、塗膜強度の向上、ポリエステルフィルムへの帯電防止層の密着力の向上、帯電防止層の有機溶剤に対する耐溶解性の向上などの観点から好ましい。架橋性樹脂(c)としては、反応性基を1分子中に少なくとも2つ有するものを使用する。架橋反応の温度と時間を制御するために、架橋剤の種類に応じて触媒を使用してもよい。架橋性樹脂(c)の量は、帯電防止組成物中5〜30重量%が好ましい。架橋性樹脂が5重量%を下回るとポリエステルフィルムへの密着力や膜強度、耐溶剤性の性能が不十分になりやすく、一方30重量%を上回ると帯電防止効果が発生しにくくなる。
【0037】
ポリオレフィンエマルジョン(d)は、帯電防止層表面の滑り性を向上させることで取扱い性、走行性などの加工適性を向上させる目的で添加する。通常の滑り剤としては有機、無機の粒子が一般的であるが、これらでは金属板上での静摩擦係数を下げる効果が少なく、本発明の目的である取扱い性向上、加工工程適性向上の効果を得るのが困難である。本発明においては、特に微粒子状に分散されたポリオレフィンエマルジョンを用いることで、添加による弊害(たとえば、粒子の脱落による工程汚染、帯電防止性能の低下、塗膜強度の低下など)を防ぎながら、取扱い性向上、加工工程適性向上の効果を得る。
微粒子状に分散されたポリオレフィンエマルジョンは公知のもの、市販品を用いることができる。たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンとプロピレンの共重合体のエマルジョンなどが挙げられる。
【0038】
ポリオレフィンエマルジョン(d)は、帯電防止組成物中に固形分として0.5〜20重量%の範囲で含むことが好ましい。0.5重量%を下回ると静摩擦係数の改善効果が得られにくい。20重量%を上回ると帯電防止層中に該成分が固定されにくい、擦りなどの外力による該成分の脱落、溶剤洗浄時の該成分の脱落などの発生により、新たな工程汚染、異物の発生問題が生じる。さらに、塗布面の外観低下、透明性低下が生じる。
【0039】
帯電防止層を形成する塗布液(帯電防止組成物)には、ポリエステルフィルムへの濡れ性を向上させるための公知の界面活性剤、樹脂の安定性、分散性を壊さない範囲でのアルコール成分添加による濡れ性、乾燥性の向上、その他帯電防止性能、耐溶剤性、塗膜強度、滑り性を阻害しない範囲での各種添加剤を含んでもよい。さらに、予めアンカーコートを有するポリエステルフィルムへの重ね塗り、また、プラズマ処理、コロナ処理、UV/EB処理などを施したポリエステルフィルムへの塗工をすることによりさらに塗膜の密着性が改善される場合がある。
【0040】
本発明で用いられる帯電防止層は、上記ポリエステルフィルムの少なくとも片面に形成される。帯電防止層の形成方法としては塗布方法が好ましい。たとえば、ポリエステルフィルムの結晶配向が完了する前のフィルム上に塗布・乾燥した後、延伸・熱セットして得られるいわゆるインラインコーティング、二軸延伸後のフィルムに塗布・乾燥するいわゆるオフラインコーティングなどが挙げられる。コーティング方式も特に限定されるものではなく、公知の方式、たとえばワイヤーバーコート、ブレードコート、グラビアコート、ロールコート、エアナイフコート方式などがある。
【0041】
帯電防止層の厚さは好ましくは0.01〜0.3μmである。0.01μm未満では帯電防止性能、滑り性、耐溶剤性が不安定となる。0.3μmを超えると、帯電防止性能は得られるが、使用する樹脂の量が増加するためコスト高となり、また暗室下での蛍光燈による表面チェックに於いて、塗布斑などの異常が多く見られるようになり、良好な塗布外観が得られない。
【0042】
このようにして得られた制電性ポリエステルフィルムは、帯電防止効果を維持しながら、従来の制電性ポリエステルフィルムに比べ、優れた滑り性、耐溶剤性、透明でむらのない外観などの性能を満足することができる。
したがって、搬送フィルム、ベルト、マスキングフィルム、カバーフィルム、電子部品用途などにおいて加工工程中に求められる特性、たとえば、共ずれしない、溶剤での拭き跡が目立たない、品質チェックし易いなどの特性を満足するものである。さらに暗室下での蛍光燈による目視表面チェックに於いて、直径が5mm以上の塗布斑などの異常がないことにより、光学用途における製品品質の向上、むらの無い外観による電子部品異常の確認し易さを向上することができるようになった。
【0043】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。ここで本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0044】
表面固有抵抗、傾斜法による滑り開始角度、測定フィルムの耐溶剤性指数、全光線透過率は、上記したように測定する。帯電防止層面の視認可能点検査方法は上記したように測定し、判定基準は次の通り。
○:視認可能点0〜1個/1平方メートル当たり。
△:視認可能点2〜5個/1平方メートル当たり。
×:視認可能点6個以上/1平方メートル当たり。
【0045】
帯電防止層を形成する組成物(塗布液)の基本組成は以下の通り
Figure 0004003258
【0046】
実施例1
厚み25μmの2軸延伸ポリエステルフィルムの片面に、前述の塗布液を乾燥塗膜厚みが0.03μmとなるようロールコート方式により塗布、さらに140℃で30秒の乾燥、硬化処理を施し制電性フィルムを得た。表1に帯電層を形成する塗布液の組成および得られる層の乾燥厚みを示す。
得られたフィルムの品質を表2に示す。
表2に示すように、得られた制電性フィルムは、帯電防止効果のみならず滑り性、耐溶剤性、透明性、外観の均一性にも優れ、帯電防止効果と他の性能が両立していた。
【0047】
実施例2
前述の塗布液を乾燥塗膜厚みが0.10μmとなるようロールコート方式により塗布した以外は、実施例1と同じ方法で制電性フィルムを得た。表1に帯電層を形成する塗布液の組成および得られる層の乾燥厚みを示す。
得られたフィルムの品質を表2に示す。
表2に示すように、得られたフィルムは厚みが増したにもかかわらず外観の均一性を維持しながら帯電防止効果、滑り性、耐溶剤性、透明性にも優れていた。
【0048】
実施例3
表1に示した通り、塗布液基本組成からポリエステル系樹脂液(a)の量を半分に減らし、減少分をポリスチレンスルホン酸塩含有アニオン系帯電防止剤(b)で追加した以外は実施例1と同じ方法で制電性フィルムを得た。
得られたフィルムの品質を表2に示す。
表2に示すように、得られたフィルムは耐溶剤性指数を4レベルで維持しながら帯電防止効果、滑り性、透明性、外観の均一性が優れていた。
【0049】
実施例4
表1に示した通り、塗布液基本組成から帯電防止剤(b)を半分に減らし、減少分をバインダー樹脂(a)で追加した以外は実施例1と同じ方法で制電性フィルムを得た。
得られたフィルムの品質を表2に示す。
表2に示すように、得られたフィルムは特に耐溶剤性に優れながらも帯電防止効果を維持し、滑り性、透明性、外観の均一性が優れていた。
【0050】
比較例1
表1に示した通り、塗布液基本組成から、ポリスチレンスルホン酸塩含有アニオン系帯電防止剤(b)の代わりにアクリル酸エステル共重合体を主成分とするアニオン系帯電防止剤(新中村化学工業(株)製、商品名ELポリマー)を添加した以外は実施例1と同じ方法で制電性フィルムを得た。
得られたフィルムの品質を表2に示す。
表2に示すように、得られたフィルムは酢酸エチル、エタノールでの耐溶剤性指数が4レベルに届かなかった。
【0051】
比較例2
表1に示した通り、塗布液基本組成からポリオレフィンエマルジョンワックス分散液の代わりに無機粒子(富士シリシア化学(株)製、商品名サイリシア)を添加した以外は実施例1と同じ方法で制電性フィルムを得た。
得られたフィルムの品質を表2に示す。
表2に示すように、得られたフィルムは傾斜法による金属板との滑り開始角度が20°に届かず滑り性が劣った。さらに全光線透過率、塗布面の均一性が低下した。
【0052】
比較例3
表1に示した通り、塗布液基本組成からバインダー樹脂(a)の比率を5重量%に減らし、帯電防止剤(b)の比率を増やした以外は実施例1と同じ方法で制電性フィルムを得た。
得られたフィルムの品質を表2に示す。
表2に示すように、得られたフィルムは耐溶剤指数が劣った。
【0053】
比較例4
表1に示した通り、塗布液基本組成からバインダー樹脂(a)の比率を80重量%に増やし、その他の成分比を減らした以外は実施例1と同じ方法で制電性フィルムを得た。
得られたフィルムの品質を表2に示す。
表2に示すように、得られたフィルムは表面抵抗値が1×1013Ω/□に悪化した。
【0054】
比較例5
表1に示した通り、塗布液基本組成から帯電防止剤(b)の比率を3重量%に減らし、バインダー樹脂(a)の比率を増やした以外は実施例1と同じ方法で制電性フィルムを得た。
得られたフィルムの品質を表2に示す。
表2に示すように、得られたフィルムは表面抵抗値が1×1014Ω/□に悪化した。
【0055】
比較例6
表1に示した通り、塗布液基本組成から帯電防止剤(b)の比率を80重量%に増やし、その他の成分比を減らした以外は実施例1と同じ方法で制電性フィルムを得た。
得られたフィルムの品質は表2に示す。
表2に示すように、得られたフィルムは耐溶剤性指数が4に届かなかった。
【0056】
比較例7
表1に示した通り、塗布液基本組成から架橋性樹脂(c)を3重量%に減らし、減少分をバインダー樹脂(a)を増やした以外は実施例1と同じ方法で制電性フィルムを得た。
得られたフィルムの品質は表2に示す。
表2に示すように、得られたフィルムは酢酸エチルでの耐溶剤性に劣った。
【0057】
比較例8
表1に示した通り、塗布液基本組成から架橋性樹脂(c)を40重量%に増やし、バインダー樹脂(a)を減らした以外は実施例1と同じ方法で制電性フィルムを得た。
得られたフィルムの品質は表2に示す。
表2に示すように、得られたフィルムは表面抵抗値が1×1014Ω/□以上と劣った。
【0058】
比較例9
表1に示した通り、塗布液基本組成からポリオレフィンエマルジョン(d)を0.2重量%に減らし、バインダー樹脂(a)を増やした以外は実施例1と同じ方法で制電性フィルムを得た。
得られたフィルムの品質は表2に示す。
表2に示すように、得られたフィルムは金属板との傾斜法による滑り開始角度が低下した。
【0059】
比較例10
表1に示した通り、塗布液基本組成からポリオレフィンエマルジョン(d)を30重量%に増やし、バインダー樹脂(a)を減らした以外は実施例1と同じ方法で制電性フィルムを得た。
得られたフィルムの品質は表2に示す。
表2に示すように、得られたフィルムは耐溶剤指数の低下、塗布外観の低下が生じた。
【0060】
比較例11
表1に示した通り、塗布液基本組成を乾燥塗膜厚みが0.005μmとなるようロールコート方式により塗布した以外は実施例1と同じ方法で制電性フィルムを得た。
得られたフィルムの品質は表2に示す。
表2に示すように、得られたフィルムは表面抵抗値の低下、滑り開始角度の悪化が生じた。
【0061】
比較例12
表1に示した通り、塗布液基本組成を乾燥塗膜厚みが0.40μmとなるようロールコート方式により塗布した以外は実施例1と同じ方法で制電性フィルムを得た。
得られたフィルムの品質は表2に示す。
表2に示すように、得られたフィルムは塗布外観の均一性が低下した。
【0062】
【表1】
Figure 0004003258
【0063】
【表2】
Figure 0004003258
【0064】
【発明の効果】
本発明の制電性ポリエステルフィルムは、優れた帯電防止効果をもつのみならず、滑り性、耐溶剤性、透明性、外観の均一性、光線透過性にも優れ、従来になく帯電防止効果と他の性能が両立している。

Claims (3)

  1. ポリエステルフィルムの少なくとも片面に帯電防止層が被覆されたフィルムであって、
    前記帯電防止層が(a)ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂およびアクリル系樹脂から選ばれる少なくとも1種のバインダー樹脂:10〜70重量%、(b)分子内にスルホン酸塩基成分を含有するスチレン系樹脂を含む高分子型帯電防止剤:5〜70重量%、(c)反応性官能基を有する架橋性樹脂:5〜30重量%、および(d)微粒子状に分散されたポリオレフィンエマルジョン:0.5〜20重量%(固形分)を主たる構成成分として含有し、有機及び無機粒子を含有しない組成物から形成され、かつ該層の厚み(乾燥)が0.01〜0.3μmであり、
    帯電防止層と金属板との間の傾斜法による滑り開始角度が20°以下であり、帯電防止層の耐溶剤性指数が4以上でかつ20℃、50%RH下の表面電気抵抗値が1×1012Ω/□以下であることを特徴とする
    制電性ポリエステルフィルム。
  2. 全光線透過率が80%以上であって、ポリエステルフィルムの厚みが10〜300μmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の制電性ポリエステルフィルム。
  3. 暗室下、蛍光燈反射光によって生じる長径が5mm以上の視認可能点が、1平方メートル当たり1個以内であることを特徴とする請求項1または2に記載の制電性ポリエステルフィルム。
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