JP4003213B2 - 換気装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カーテンウオール、サッシ窓などに設けられて室内と室外とに空気を流通する換気装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
特許文献1に、嵌め殺し窓の下枠に、室外に開口した換気口と室内に開口した通気口を形成し、この通気口を開閉する蓋体を取付けた換気装置が開示されている。
この換気装置によれば、蓋体によって通気口を開放することで室内と室外に空気が流通して換気でき、その蓋体を閉じることで室内と室外を遮断できる。
特許文献2には、窓枠の下枠に室外に開口した換気孔を形成すると共に、その下枠に、この換気孔を室内に連通する通風孔と2つの蓋体を備えた換気ユニットを取付け、2つの蓋体で通風孔を開閉するようにした換気装置が開示されている。
この換気装置によれば、2つの蓋体を開放することで換気でき、その2つの蓋体を閉じることで室内と室外を遮断できる。
【0003】
【特許文献1】
実公平6−22792号公報
【特許文献2】
特開平11−336443号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に開示された換気装置は、室内に開口した通気口を1つの蓋体で開閉するので、室内と室外を連通する空気流通経路(通気口と換気口の連通経路)が1つの蓋体で遮断される。
このために、空気流通経路を通して室内と室外に伝わる音、風雨、熱が1つの蓋体によって遮断されるだけであるから、遮音性、気密性、断熱性に劣る換気装置である。
【0005】
特許文献2に開示された換気装置は、通気孔が2つの蓋体によって開閉されるので、室内と室外を連通する空気流通経路(換気孔と送風孔)が2つの蓋体で遮断されるから、前述した特許文献1に開示された換気装置よりも遮音性、気密性、断熱性が優れた換気装置である。
しかし、特許文献2に開示された換気装置は、2つの蓋体が別々に開閉自在に取付けてあるから、ベルクランク、2つのカム部材を備えた複雑構造の開閉機構によって2つの蓋体を連動して開閉するようにしている。
このために、構造が複雑になり、製造が煩わしく、コストが高い換気装置である。
【0006】
本発明は前述の課題に鑑みなされたものであって、その目的は、遮音性、気密性、断熱性が優れていると共に、単純構造で容易に製造できてコストが安い換気装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、室内と室外を連通する空気流通経路と、この空気流通経路に、流通方向に離隔して設けられ、開口縁の向きがほぼ90度ずれている第1流通口、第2流通口と、前記第1流通口を開放する位置と閉じる位置とに亘ってヒンジで揺動自在に取付けた第1蓋体と、この第1蓋体に、当該第1蓋体とほぼ90度ずれて一体的に設けられ、第1蓋体が開放位置の時に前記第2流通口を開放し、第1蓋体が閉じ位置の時に第2流通口を閉じる第2蓋体と、前記第1流通口と第1蓋体との間を気密する第1気密材と、第2流通口と第2蓋体との間を気密する第2気密材で構成したことを特徴とする換気装置である。
【0008】
第2の発明は、枠材と、この枠材に取付けた換気ユニットを備え、
前記枠材は、換気孔を有し、
前記換気ユニットは、本体の流通孔に、第1流通口と第2流通口を、各開口縁の向きがほぼ90度ずれ、かつ流通方向に離隔して形成し、この本体に第1蓋体を、第1流通口を閉じる位置と開放する位置に亘ってヒンジで揺動自在に取付け、この第1蓋体に第2流通口を開閉する第2蓋体を、第1蓋体とほぼ90度ずれ、かつ第1蓋体が開放位置の時には第2流通口を開放し、第1蓋体が閉じ位置の時には第2流通口を閉じるように一体的に設け、前記第1流通口と第1蓋体との間を気密する第1気密材を設けると共に、前記第2流通口と第2蓋体との間を気密する第2気密材を設け、
前記枠材の換気孔と前記本体の流通孔を連通して室内と室外を連通する空気流通経路としたことを特徴とする換気装置である。
【0009】
【作用】
第1の発明によれば、第1・第2蓋体で空気流通経路の第1・第2流通口を開放することで室内と室外に空気が流通して換気できる。
前記第1・第2流通口が流通方向に離隔しているので、その第1・第2流通口を第1・第2蓋体で閉じることによって空気流通経路の流通方向に離隔した2ヶ所が遮断されるから、遮音性、気密性、断熱性が優れた換気装置である。
また、ヒンジで揺動自在に取付けた第1蓋体に、第2蓋体をほぼ90度ずれて一体的に設けたので、その第1蓋体をヒンジで揺動自在に取付ければ良く、単純構造で、容易に製造できてコストが安い換気装置である。
【0010】
第2の発明によれば、第1・第2蓋体で流通孔の第1・第2流通口を開放することで室内と室外に空気が流通して換気できる。
前記第1・第2流通口が流通方向に離隔しているので、その第1・第2流通口を第1・第2蓋体で閉じることによって流通孔の流通方向に離隔した2ヶ所が遮断されるから、遮音性、気密性、断熱性が優れた換気装置である。
また、ヒンジで揺動自在に取付けた第1蓋体に、第2蓋体をほぼ90度ずれて一体的に設けたので、その第1蓋体を本体にヒンジで揺動自在に取付ければ良く、単純構造で、容易に製造できてコストが安い換気装置である。
【0011】
また、枠材に換気孔を形成すると共に、換気ユニットを取付けることで、その枠材に換気装置を設けることができ、カーテンウオールの上枠、下枠、無目やサッシ窓の上枠、下枠、框などに換気装置を簡単に設けることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1、図2、図3に示すように、ユニット式のカーテンウオールを構成するカーテンウオールユニット1は、枠2にパネル3を装着したもので、このカーテンウオールユニット1を図1に仮想線で示すように建物躯体に上下、左右方向に連続して取付けることでユニット式のカーテンウオールを構成する。
前記枠2は、上枠4と下枠5と無目6と左右の縦枠7で上枠部2aと下枠部2bを有する形状で、その上枠部2a、下枠部2bにパネル3、例えばガラスが装着してあると共に、上枠部2aの室内寄りに耐火パネル等の目隠しパネル8が装着され、この上枠部2aが腰部、下枠部bが窓部を形成している。
なお、枠2は前述のものに限ることはなく、従来から用いられている種々の枠を用いることができる。
【0013】
前記下枠5に換気装置が設けてある。
例えば、下枠5に室外に開口した換気孔9を形成し、その換気孔9を室内に開口、遮断する換気ユニット10を下枠5に取付けて換気装置としてある。
前記換気装置は、無目6、上枠4、縦枠7などに設けても良いし、方立式のカーテンウオールの場合には無目、方立に換気装置を設けても良い。
つまり、カーテンウオールを構成する枠材に換気孔9を形成し、その枠材に換気ユニット10を取付けて換気装置とする。
【0014】
前記換気装置の具体例を説明する。
図4に示すように、下枠5は第1部材5aと第2部材5bを備え、その第1部材5aと第2部材5bとの間に換気孔9を形成している。
前記換気孔9は室外に開口していると共に、換気ユニット10の取付面に開口している。例えば、下枠5の下面5cにおける室外寄りと下枠5の室内側面5dにそれぞれ開口している。
この実施の形態では、第1部材5aと第2部材5bを左右の縦枠7に上下に離隔して固着することで換気孔9を有する下枠5としている。なお、換気ユニット10は図3に示すように下枠5の長手方向中間部に取付けてあり、換気孔9の長手方向両側部が室内側に開口するので、プレートなどを取付けて閉塞する。
これに限ることはなく、例えば、第1部材5aと第2部材5bが連結材で間隔を置いて一体に連結された下枠とし、その連結材の長手方向の一部分を切欠き除去して換気孔を有する下枠としても良い。
【0015】
前記換気ユニット10は、流通孔11を有する本体12と、この本体12に設けた第1蓋体13と、その第1蓋体13に一体的に設けた第2蓋体14を備え、その第1蓋体13と第2蓋体14は流通孔11における流通方向に離隔して形成した第1・第2流通口15,16をそれぞれ開閉する。
前記本体12が下枠5の室内側面5dに取付けられ、その流通孔11の室外側開口部が下枠5の換気孔9に連通すると共に、流通孔11の室内側開口部が室内に開口する。
これによって、換気孔9と流通孔11で室内と室外を連通する空気流通経路を形成している。
【0016】
なお、換気ユニット10を設けずに、換気孔9に流通方向に離隔した第1・第2流通口を形成し、下枠5に第1蓋体13を設けると共に、その第1蓋体13に第2蓋体14を設けて換気孔9の流通方向に離隔した第1・第2流通口を開閉するようにしても良い。
つまり、前述したようにカーテンウオールを構成する枠材に室内と室外を連通する空気流通経路を形成し、その空気流通経路の第1流通口を開閉する第1蓋体を設け、この第1蓋体に、第1流通口と流通方向に離隔した第2流通口を開閉する第2蓋体を取付けすれば良い。
また、換気ユニット10のみで換気装置としても良く、その場合には本体12の流通孔11が空気流通経路となる。
【0017】
次に、前記換気ユニット10の具体形状を図4〜図6に基づき説明する。
本体12は、上面12aと下面12bと室内側面12cと室外側面12dと左右の端面12eで囲まれた箱形状である。前記流通口11の一端部が上面12aに開口し、他端部が室外側面12dに開口し、流通孔11は横向き孔11aと縦向き孔11bとによってほぼL字形状となっている。
前記本体12の室外側面12dが下枠5の室内側面5dに接してボルト17で固着される。
前記第1蓋体13は上面12aに揺動自在、例えばヒンジ18で上下揺動自在に取付けられ、下方(一方)に揺動すると第1流通口15を閉じ、上方(他方)に揺動すると第1流通口15を開放する。
前記第2蓋体14は第1蓋体13に一体に設けてあり、第1蓋体13が下方に揺動すると同時に下方に揺動して第2流通口16を閉じ、上方に揺動すると同時に上方に揺動して第2流通口16を開放する。つまり、第2蓋体14は第1蓋体13と同一方向に揺動する。
【0018】
この実施の形態では、第1蓋体13と第1流通口15との間が第1気密材20で気密され、第2蓋体14と第2流通口16との間が第2気密材21で気密される。
例えば、流通孔11の第1流通口15を形成する部分(前述の縦向き孔11b)における室内側内面と室外側内面に室内側受片22、室外側受片23が一体的に設けてあり、左右内面には左右受片24がビス25で固着され、この各受片が四周連続して第1流通口15を形成している。
第1蓋体13の下面外周縁に沿って第1気密材20が下向きに装着され、この第1気密材20が前記各受片に圧接する。
前記流通孔11の第2流通口16を形成する部分(前述の横向き孔11a)の下面に下受片26、左右内面に左右受片27がそれぞれ一体的に設けてあり、この下受片26、左右受片27と前記室外側受片23は四周連続して第2流通口16を形成している。
第2蓋体14の室外側面外周縁に沿って第2気密材21が室外側に向けて装着され、この第2気密材21が前記下受片26、左右受片27、室外側受片23に圧着する。
なお、受片側に気密材を装着し、その気密材に第1・第2蓋体13,14が圧着するようにしても良い。
【0019】
前記第1蓋体13と第2蓋体14は所定の角度、好ましくは90度で、第1流通口15の開口縁(各受片)の向きと第2流通口16の開口縁(各受片)の向きも第1蓋体13と第2蓋体14の角度と同一角度だけずれている。
そして、第1蓋体13、第2蓋体14は同一の方向(例えば上方)に揺動することで第1流通口15、第2流通口16と離れ、同一の他方向(例えば、下方)に揺動することで第1流通口15、第2流通口16に接近する。
これによって、第1・第2気密材20,21が圧着して第1・第2流通口15,16を確実に気密できる。
【0020】
この実施の形態では、前記第1・第2蓋体13,14は断熱性に優れたものである。
例えば、第1・第2蓋体13,14は中空形状で、その中空部に断熱材、例えばグラスウール28が充填してある。
具体的には、第1蓋体13は図4、図5に示すように、矩形断面中空長尺材より成る第1蓋体本体30と、その長手方向両端面に固着した第1端面板31で中空部32を有する形状で、その第1蓋体本体30の両側下部と第1端面板31の下部に第1気密材装着部33(例えば、あり溝)を有し、この各第1気密材装着部33が四周連続し、第1気密材20が装着される。
前記第2蓋体14は、図4と図6に示すように、第1蓋体13の第1蓋体本体30の下面30aに一体に設けた第2蓋体本体34、この第2蓋体本体34の長手方向両端面に取付けた第2端面板35で中空部36を有する形状で、この第2蓋体本体34の室外側部と第2端面板35の室外側部に第2気密材装着部37(たとえば、あり溝)を有し、この各第2気密材装着部37は四周連続し、前記第2気密材21が装着される。
【0021】
なお、第2蓋体本体34を第1蓋体本体30と別体とし、その第2蓋体本体34を第1蓋体本体30にボルトなどで固着しても良い。つまり、第1蓋体13に第2蓋体14を一体的に設ければ良い。
【0022】
以上の実施の形態ではカーテンウオールの枠材に換気装置を設けたが、サッシ窓を形成する上枠、下枠、縦枠、上框、下框などの枠材に前述と同様に換気装置を設けることができる。
また、建物の外壁に前述と同様に換気装置を設けることができる。
すなわち、本発明に係る換気装置は、室内と室外を連通する空気流通経路と、この空気流通経路に設けた流通方向に離隔した第1・第2流通口と、第1流通口を開閉する第1蓋体と、この第1蓋体に一体的に設けられ第2流通口を開閉する第2蓋体を具備したものである。
【0023】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、第1・第2蓋体で空気流通経路の第1・第2流通口を開放することで室内と室外に空気が流通して換気できる。
前記第1・第2流通口が流通方向に離隔しているので、その第1・第2流通口を第1・第2蓋体で閉じることによって空気流通経路の流通方向に離隔した2ヶ所が遮断されるから、遮音性、気密性、断熱性が優れた換気装置である。
また、第1蓋体に第2蓋体を一体的に設けたので、その第1蓋体を揺動自在に取付ければ良く、単純構造で、容易に製造できてコストが安い換気装置である。
【0024】
請求項2に係る発明によれば、第1・第2蓋体で流通孔の第1・第2流通口を開放することで室内と室外に空気が流通して換気できる。
前記第1・第2流通口が流通方向に離隔しているので、その第1・第2流通口を第1・第2蓋体で閉じることによって流通孔の流通方向に離隔した2ヶ所が遮断されるから、遮音性、気密性、断熱性が優れた換気装置である。
また、第1蓋体に第2蓋体を第1蓋体と同一方向に揺動するように一体的に設けたので、その第1蓋体を本体に揺動自在に取付ければ良く、単純構造で、容易に製造できてコストが安い換気装置である。
【0025】
また、枠材に換気孔を形成すると共に、換気ユニットを取付けることで、その枠材に換気装置を設けることができ、カーテンウオールの上枠、下枠、無目やサッシ窓の上枠、下枠、框などに換気装置を簡単に設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カーテンウオールユニットの外観図である。
【図2】図1の縦断面図である。
【図3】図1の横断面図である。
【図4】下枠部分の拡大詳細断面図である。
【図5】図4のA−A断面図である。
【図6】図4のB−B断面図である。
【符号の説明】
5…下枠(枠材)、9…換気孔(空気流通経路)、10…換気ユニット、11…流通孔(空気流通経路)、12…本体、13…第1蓋体、14…第2蓋体、15…第1流通口、16…第2流通口、20…第1気密材、21…第2気密材。
Claims (2)
- 室内と室外を連通する空気流通経路と、この空気流通経路に、流通方向に離隔して設けられ、開口縁の向きがほぼ90度ずれている第1流通口、第2流通口と、前記第1流通口を開放する位置と閉じる位置とに亘ってヒンジで揺動自在に取付けた第1蓋体と、この第1蓋体に、当該第1蓋体とほぼ90度ずれて一体的に設けられ、第1蓋体が開放位置の時に前記第2流通口を開放し、第1蓋体が閉じ位置の時に第2流通口を閉じる第2蓋体と、前記第1流通口と第1蓋体との間を気密する第1気密材と、第2流通口と第2蓋体との間を気密する第2気密材で構成したことを特徴とする換気装置。
- 枠材と、この枠材に取付けた換気ユニットを備え、
前記枠材は、換気孔を有し、
前記換気ユニットは、本体の流通孔に、第1流通口と第2流通口を、各開口縁の向きがほぼ90度ずれ、かつ流通方向に離隔して形成し、この本体に第1蓋体を、第1流通口を閉じる位置と開放する位置に亘ってヒンジで揺動自在に取付け、この第1蓋体に第2流通口を開閉する第2蓋体を、第1蓋体とほぼ90度ずれ、かつ第1蓋体が開放位置の時には第2流通口を開放し、第1蓋体が閉じ位置の時には第2流通口を閉じるように一体的に設け、前記第1流通口と第1蓋体との間を気密する第1気密材を設けると共に、前記第2流通口と第2蓋体との間を気密する第2気密材を設け、
前記枠材の換気孔と前記本体の流通孔を連通して室内と室外を連通する空気流通経路としたことを特徴とする換気装置。
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