JP4002470B2 - 基板乾燥方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、純水中に浸漬されている基板を純水中から取り出すとき、酸素に触れさせることなく基板表面を乾燥させる基板乾燥方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、特公平6−103686号公報に開示されるような乾燥装置では、窒素ガスをキャリアとしてIPA(イソプロピルアルコール)を蒸気として、エッチング処理液で処理されたのち純水で洗浄されている基板の一例であるウェハの処理槽内の上部空間内に供給するようにしている。そして、処理槽の純水を処理槽底部から排水することにより、処理槽内でウェハを露出させ、処理槽の上部空間に供給されたIPA蒸気が露出したウェハの表面に付着した水滴と置換して、ウェハ表面が酸素に触れて自然酸化することなく、乾燥させるようにしている。
【0003】
また、処理槽の純水を処理槽底部から排水することにより、処理槽内でウェハを露出させる場合に代えて、ウェハを処理槽内より引き上げることにより、処理槽内でウェハを露出させ、処理槽の上部空間に供給されたIPA蒸気が露出したウェハの表面に付着した水滴と置換して乾燥させるようにしている乾燥装置もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記構造のものでは、ウェハの純水による洗浄の際に発生した異物が処理槽の純水液面付近に浮遊した状態となるが、処理槽内の純水を処理槽底部から排水することによって処理槽内でのウェハの露出を行うため、処理槽内における底部近傍の純水から順次排水が行われて、上記異物が浮遊している液面近傍の純水の排水は最後に行われることとなるため、上記液面よりウェハの露出の際に上記浮遊している異物がウェハの表面に付着するという問題がある。
【0005】
また、上記構造のものでは、処理槽底部から純水の排水を行うことによりウェハの露出を行っているため、処理槽の上記液面における純水は最後まで排水されず、上記液面においてIPAの溶け込み量が時間の経過とともに増大することとなり、上記液面の純水中のIPAの濃度及びIPAが溶け込んだ層の厚みも厚くなり、上記置換効率が低下することにより上記乾燥効率が低下し、ウェハ表面における乾燥むらが発生するという問題点がある。
【0006】
また、処理槽内の上記純水液面よりの引き上げによるウェハの露出を行うような場合にあっても、同様に異物がウェハの表面に付着するという問題が発生するとともに、さらに、ウェハ引き上げ時において純水液面に揺れが発生することにより、ウェハ表面における乾燥むらが発生するという問題がある。
【0007】
従って、本発明の目的は、上記問題を解決することにあって、純水中よりの基板の露出の際に、上記基板の表面への異物付着量を低減することができ、また、上記液面の純水に溶け込んだIPAの濃度の上昇及びIPAが溶け込んだ純水層の厚さが厚くなるのを防ぐことができ、さらに、基板の乾燥効率を向上させて乾燥むらを無くすことができる基板乾燥方法及び装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
【0009】
本発明の第1態様によれば、夫々の表面を互いに略平行にかつ乾燥室内の純水の液面と略直交するように配列されて上記純水内に浸漬された複数の基板を上記純水内より露出させて乾燥させる基板乾燥方法において、
上記乾燥室内の上記純水の液面上の空間内に窒素ガス及びミスト状若しくはガス状のイソプロピルアルコールを供給し、
上記純水の液面において、上記乾燥室における互いに対向する側面のうちの一方の上記側面近傍より純水を供給しながら他方の上記側面近傍より純水を排液して上記液面沿いかつ上記基板の表面沿いの一方向の表面流れを形成し、上記表面流れでもって上記純水の液面若しくは液面近傍より液面側純水を排液させながら、上記乾燥室内の純水を排液して上記液面を下降させ、上記乾燥室内で上記純水から上記基板を上記液面より上方に露出させて、それとともに、上記露出された基板の表面に付着した上記純水が上記ミスト状若しくは上記ガス状の上記イソプロピルアルコールにより置換され、
その後、上記基板の表面から上記イソプロピルアルコールが蒸発することにより上記基板が乾燥されるようにしたことを特徴とする基板乾燥方法を提供する。
【0010】
本発明の第2態様によれば、上記乾燥室の底面近傍から上記純水の排液を行うことにより、上記純水の上記液面を下降させる第1態様に記載の基板乾燥方法を提供する。
【0011】
本発明の第3態様によれば、上記表面流れは、少なくとも上記液面における上記基板が露出される部分において形成されている第1態様又は第2態様に記載の基板乾燥方法を提供する。
【0012】
本発明の第4態様によれば、上記他方の側面近傍よりの上記純水の排液量は、上記一方の側面近傍よりの上記純水の供給量と略同じである第1態様から第3態様のいずれか1つに記載の基板乾燥方法を提供する。
【0013】
本発明の第5態様によれば、上記純水から上記基板を上記液面より完全に露出させるまで、上記乾燥室内において上記基板を固定させておく第1態様から第4態様のいずれか1つに記載の基板乾燥方法を提供する。
【0014】
本発明の第6態様によれば、上記基板はウェハ又は液晶ガラス基板である第1態様から第5態様のいずれか1つに記載の基板乾燥方法を提供する。
【0015】
本発明の第7態様によれば、互いに対向する側面を備え、かつ純水内に夫々の表面を互いに略平行にかつ上記純水の液面と略直交するように配列された複数の基板を上記純水内に浸漬可能な乾燥室と、
上記乾燥室内の上記純水の液面上の空間内に窒素ガス及びミスト状若しくはガス状のイソプロピルアルコールを供給する置換媒体供給装置と、
上記純水の上記液面において、上記乾燥室の上記互いに対向する側面のうちの一方の上記側面近傍より純水を供給しながら他方の上記側面近傍より純水を排液して上記液面沿いかつ上記基板の表面沿いの一方向の表面流れを形成して、上記表面流れでもって上記純水の液面若しくは液面近傍より液面側純水を排液する液面側純水排液装置と、
上記乾燥室内の上記純水を排液させる乾燥室排液装置とを備えて、
上記液面側純水排液装置により形成された上記表面流れでもって上記純水の液面若しくは液面近傍より上記液面側純水を排液しながら、上記乾燥室排液装置による上記純水の排液により上記純水の液面を下降させ、上記純水から上記基板を上記液面より上方に露出させて、それとともに、上記露出された基板の表面に付着した上記純水が上記置換媒体供給装置により供給された上記ミスト状又は上記ガス状の上記イソプロピルアルコールにより置換され、その後、上記基板の表面から上記イソプロピルアルコールが蒸発することにより上記基板が乾燥されるようにしたことを特徴とする基板乾燥装置を提供する。
【0016】
本発明の第8態様によれば、上記液面側純水排液装置は、
上記乾燥室内の上記一方の側面近傍に備えられた液面純水供給部を有し、かつ上記液面純水供給部を通して上記純水の液面に純水を供給する液面純水供給機構と、
上記乾燥室内の上記他方の側面近傍に備えられた液面純水排液部を有し、かつ上記液面純水排液部を通して上記液面側純水の排液を行う液面純水排液機構と、
上記液面純水供給部及び上記液面純水排液部を上記乾燥室内において昇降させる昇降機構とを備え、
上記乾燥室内において上記液面の下降に合わせて上記昇降機構により上記液面純水供給部及び上記液面純水排液部を下降させながら、上記液面において上記液面純水供給部を通して上記液面純水供給機構により純水を供給するとともに上記液面純水排液部を通して上記液面純水排液機構により上記液面側純水を排液して上記表面流れを形成する第7態様に記載の基板乾燥装置を提供する。
【0017】
本発明の第9態様によれば、上記液面純水供給部と上記液面純水排液部は互いに対向して上記乾燥室内に備えられており、
上記液面純水供給部は、上記対向する位置において形成された上記純水を供給する複数の孔部を備え、
上記液面純水排液部は、上記対向する位置において形成された上記液面側純水を排液する複数の孔部を備える第8態様に記載の基板乾燥装置を提供する。
【0018】
本発明の第10態様によれば、上記表面流れは、少なくとも上記液面における上記基板が露出される部分において形成されている第7態様から第9態様のいずれか1つに記載の基板乾燥装置を提供する。
【0019】
本発明の第11態様によれば、上記乾燥室排液装置は、上記乾燥室の底面近傍より上記純水を排液させる第7態様から第10態様のいずれか1つに記載の基板乾燥装置を提供する。
【0020】
本発明の第12態様によれば、第7態様から第11態様のいずれか1つに記載の基板乾燥装置において、
上記基板を支持する基板支持機構をさらに備え、
上記乾燥室排液装置による上記純水の排液により上記純水から上記基板を上記液面より完全に露出させるまで、上記基板支持機構による上記基板の支持位置を上記乾燥室内において固定させておく基板乾燥装置を提供する。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0022】
本発明の一実施形態にかかる基板乾燥装置は、基板の一例としてウェハの乾燥を行うウェハ乾燥装置501であり、ウェハ乾燥装置501の縦断面図を図1に、図1におけるA−A断面図を図2に、図1におけるB−B断面図を図3に示す。また、ウェハ乾燥装置501の概略構成を示すフロー図を図4に示す。なお、本発明において用いられる基板には、上記ウェハの他に、液晶パネル基板(液晶ガラス基板)等がある。
【0023】
図1、図2、図3及び図4に示すように、ウェハ乾燥装置501は、上面全体が開放されかつ4つの側面及び底面を備えた略直方体状の箱体形状を有し、かつその内部に純水40を収容可能であって、かつ円盤状の複数のウェハ2を上記収容された純水40内に浸漬させて洗浄後に乾燥可能な乾燥室201と、略直方体状の箱体形状を有してその内部に密閉可能な空間4を有し、かつ乾燥室201がその内部に固定されて設置されている処理室212とを備えている。
【0024】
また、乾燥室201は、複数のウェハ2をその表面を鉛直方向に略平行かつ一定間隔でもって夫々の表面を略平行に配列させて支持する公知のウェハキャリア13を搬入可能とし、さらに搬入されたウェハキャリア13を乾燥室201内において解除可能に固定する基板支持機構の一例であるキャリア固定部9を備えている。ウェハキャリア13は、例えば、複数の固定ピンを備えており、また、上記各固定ピンと嵌め合い可能な固定ピン受部がキャリア固定部9に備えられて、夫々の上記固定ピンと上記固定ピン受部が嵌め合わさることにより、ウェハキャリア13がキャリア固定部9に固定される。なお、上記固定の機構については、公知の他の固定機構による場合であってもよく、ウェハキャリア13をキャリア固定部9に固定させた状態において、ウェハキャリア13とキャリア固定部9との間にガタツキ等が発生しなければよい。
【0025】
また、キャリア固定部9は乾燥室201の底面に取り付けられており、乾燥室201に純水を注入して満水とした状態において、ウェハキャリア13に支持された全てのウェハ2が純水40中に一斉に浸漬可能となっている。なお、ウェハキャリア13を用いて複数のウェハ2を乾燥室201内に搬入する場合に代えて、ウェハキャリア13を用いずに直接ウェハ2を乾燥室201内に搬入し、乾燥室201内において底面に固定した基板支持機構によりウェハ2を支持して支持位置を固定するような場合であってもよい。
【0026】
また、処理室212は、その上面に開閉可能な蓋211を有しており、蓋211を開けることによりウェハ2を多数収納したウェハキャリア13の供給取出し及び処理室212内部のメンテナンス等が可能となっており、蓋211を閉めることにより処理室212内部の空間4を密閉状態とすることが可能となっている。さらに、蓋211には、処理室212内における乾燥室201に収容された純水40の液面上における空間4内に窒素ガスを噴射させると同時に、置換媒体の一例として液相のイソプロピルアルコール(以下、単にIPAと記す。)を噴射させてミスト状のIPAを上記空間4内に噴霧させる置換媒体供給装置の一例である2台のミスト噴霧装置3と、上記空間4内に窒素ガスを噴射させる乾燥ノズル5とが備えられている。なお、ミスト噴霧装置3の構造の詳細な説明については後述する。
【0027】
また、乾燥室201内部に純水を供給する管状の純水供給機構の一例である純水供給部210が、乾燥室201の内側下部に備えられており、乾燥室201内へ均一に純水を供給可能なように、純水供給部210は乾燥室201の内部においてその管状の外周に多数の純水の供給孔を有している。
【0028】
また、乾燥室201の底面は、その中心方向に向かって勾配が設けられかつその中心部分に排液口19が設けられており、この排液口19より乾燥室201内に収容された純水を円滑に乾燥室201外に排液可能となっている。
【0029】
また、液面沿いの方向に細長い角筒形状を有しかつ純水を供給可能な液面純水供給部の一例である吹出しノズル251と、同じく液面沿いの方向に細長い角筒形状を有しかつ純水を排液可能な液面純水排液部の一例である吸込みノズル252とが、乾燥室201の内側における互いに対向する側面に備えられている。図1において説明すると、乾燥室201の図示左側の側面内側に吹出しノズル251が、図示右側の側面に吸込みノズル252が、夫々の側面とその長手方向の面とが略平行となり、かつ上記夫々の側面沿いに昇降可能に備えられている。また、吹出しノズル251は、吸込みノズル252と互いに対向する面において、孔部の一例である複数の供給孔251aが液面と略平行となるように一列にかつ一定の間隔でもって形成されており、また、吸込みノズル252は、吹出しノズル251と対向する面、すなわち、吹出しノズル251における上記複数の供給孔251aが形成されている面と対向する面において、孔部の一例である複数の排液孔252aが液面と略平行となるように一列にかつ一定の間隔でもって形成されている。ここで、供給孔251a、排液孔252a、及びウェハキャリア13に支持された状態のウェハ2の平面的な関係を示す部分拡大平面図を図5(A)に示し、また、図5(A)におけるC−C断面図を図5(B)に示す。図5(A)及び(B)に示すように、吹出しノズル251における夫々の供給孔251aの上記一定の間隔と、吸込みノズル252における夫々の排液孔252aの上記一定の間隔は、例えば同じ間隔となっており、ウェハキャリア13に指示されたウェハ2の支持間隔と同じ間隔となっている。さらに、夫々の供給孔251aと夫々の排液孔252aとは互いに一対一に対向するように形成されており、また、互いに対向する供給孔251aと排液孔252aとを結ぶ仮想直線は、ウェハキャリア13に支持された隣接するウェハ2の間に位置している。なお、乾燥室201内において、吹出しノズル251の夫々の供給孔251aと吸込みノズル252の夫々の排液孔252aとは同じ高さ位置となるように形成されている。
【0030】
また、吹出しノズル251には、吹出しノズル251への純水の供給を行う液面純水供給機構の一例である吹出しノズル供給機構253における供給口253aが固定されている。また、吹出しノズル供給機構253は、上記供給口253a、供給口253aに接続されたフレキシブルホース253b、及びフレキシブルホース253bに接続されかつ吹出しノズル251への純水の供給量を調整する流量調整用エアーオペレートバルブ253cとを備えており、これらにより純水供給通路254が形成されている。
【0031】
また、吸込みノズル252には、吸込みノズル252からの純水の排液を行う液面純水排液機構の一例である吸込みノズル排液機構255における吸込口255aが固定されている。また、吸込みノズル排液機構255は、上記吸込口255a、吸込口255aに接続されたフレキシブルホース255b、及びフレキシブルホース255bに接続された排液ポンプ255cとを備えており、これらにより純水排液通路256が形成されている。
【0032】
これにより、吹出しノズル供給機構253により吹出しノズル251へ純水を供給することができるとともに、吸込みノズル排液機構255により吸込みノズル252からの純水の排液を行うことができる。
【0033】
また、吹出しノズル251及び吸込みノズル252は、乾燥室201内部において純水40の液面と略平行な状態を保ちながら昇降機構の一例であるノズル昇降機構214により上記夫々の側面沿いに一体的に平行移動可能(すなわち昇降可能)となっている。ノズル昇降機構214は、図3における処理室212の左側に備えられており、処理室212及びノズル昇降機構214はウェハ乾燥装置501の機台215上に固定されている。ノズル昇降機構214は、回転軸回りに回転可能に機台215に上下方向に固定されたボールねじ軸部214aと、ボールねじ軸部214aを正逆回転させる駆動部214bと、ボールねじ軸部214aに螺合してボールねじ軸部214aが正逆回転されることによりボールねじ軸部214aに沿って昇降可能なナット部214cと、機台215に固定されかつ上記正逆回転の方向においてナット部214cを固定して上記昇降動作を案内するガイド214eと、複数の剛体により門型に形成されかつ一方の下端がナット部214cに固定されかつ他方の下端が処理室212の上面を貫通して、吹出しノズル251と吸込みノズル252との夫々の上面端部に固定された昇降フレーム214dとにより構成されている。なお、駆動部214bの例としては、ボールねじ軸部214aの下端に固定されかつボールねじ軸部214aを直接的に正逆回転させるモータ、又は、ボールねじ軸部214aの下端の固定されたプーリーをベルト等を介してボールねじ軸部214aを間接的に正逆回転させるモータがある。ノズル昇降機構214において駆動部214bによりボールねじ軸部214aを正逆回転させることにより昇降フレーム214dを昇降させて、吹出しノズル251及び吸込みノズル252を乾燥室201の上記夫々の側面沿いに昇降させることが可能となっている。
【0034】
これにより、純水が供給されて満水状態とされ、かつウェハキャリア13に支持された全てのウェハ2が浸漬された状態の乾燥室201において、吹出しノズル供給機構253により液面近傍の高さ位置に位置された状態の吹出しノズル251を通して液面に純水の供給を行うとともに、吸込みノズル排液機構255により液面近傍の高さ位置に位置された状態の吸込みノズル252を通して液面若しくは液面近傍の液面側純水の排液を行うことができる。また、底面の排液口19より純水の排液を開始して乾燥室201内の純水40の液面を下降させるとともに、液面近傍の高さ位置に位置された状態の吹出しノズル251及び吸込みノズル252を、上記液面の下降に合わせてノズル昇降機構214により下降させることにより、上記液面における純水の供給と上記液面側純水の排液を行いながら、乾燥室201内の純水の排液を行うことができるようになっている。
【0035】
また、ノズル昇降機構214による吹出しノズル251及び吸込みノズル252の昇降範囲は、例えば、ウェハキャリア13に支持される全てのウェハ2の上端位置よりも多少の余裕をもって上方に位置する高さ位置(昇降動作の上端位置とする)から、上記全てのウェハ2の下端よりも多少の余裕をもって下方に位置する高さ位置(昇降動作の下端位置とする)までの範囲である。なお、吹出しノズル251による純水の供給及び吸込みノズル252による液面側純水の排液を行う場合であって、純水40の液面が下降されるような場合においては、吹出しノズル251の各供給孔251a及び吸込みノズル252の各排液孔252aは、上記液面の近傍にあり、ノズル昇降機構214により下降される。
【0036】
なお、本実施形態においては、吹出しノズル251、吸込みノズル252、吹出しノズル供給機構253、吸込みノズル排液機構254、及びノズル昇降機構214により、乾燥室201における上記液面側純水の排液を行う液面側純水排液装置が構成されている。
【0037】
なお、ここで液面側純水とは、純水40の液面を含む液面近傍の液体のことであり、例えば液面より20mm程度までの下方の液層における液体のことを示す。また、この液体が純水のみにより構成される場合、さらに純水に、IPA又はシリコン化合物等の異物が混合(若しくは溶解)されている場合も含む。
【0038】
なお、吹出しノズル251及び吸込みノズル252が共に上記角筒形状で形成されている場合に代えて、例えば、共に円筒形状に形成されている場合であってもよく、又は、共に同じ形状ではなく互いに異なる形状に形成されている場合であってもよい。
【0039】
また、乾燥室201においては、上向きに開放部を有するコ字型断面形状の溝を有するオーバーフロー受部217が乾燥室201の4つの側面上部の外側沿いに設置され、乾燥室201の上部外周全体にオーバーフロー受部217の上記コ字型断面形状の溝が平面的にロ字型に一体として形成されている。また、オーバーフロー受部217の上記溝の乾燥室201側の側面は、乾燥室201の上部外側側面により形成されており、他方の側面はその上端の高さ位置が乾燥室201の上端よりも高くなるように形成されている。これにより、乾燥室201において純水がオーバーフローした際に、オーバーフローした純水をオーバーフロー受部217により受けることが可能となっている。また、オーバーフロー受部217の底面には排液口217aが設けられており、配管等を介して若しくは直接、処理室212の底部に設けられた排液口18より処理室212外へ上記オーバーフローした純水を排液可能となっている。
【0040】
また、上記ロ字型におけるオーバーフロー受部217の内側の縁、すなわち乾燥室201の上端には、V字型の切り込み形状を有する三角堰201aが、一例として一定の間隔でもって複数形成されており、上記純水40がオーバーフロー受部217内への流入(すなわち、オーバーフロー)した場合において各三角堰201aよりオーバーフロー受部217内へ流入させることにより、上記流入をスムーズに行うことができるようになっている。
【0041】
乾燥室201において、処理室212の蓋211に設置されている夫々のミスト噴霧装置3により、処理室212内における乾燥室201の純水40の液面上における空間4内に窒素ガスを噴射させると同時に、上記純水40内に浸漬されてウェハキャリア13により支持されているウェハ2の温度(例えば常温)より高い、好ましくは上記ウェハ2の温度より少なくとも5℃以上高い、より好ましくは上記ウェハ2の温度より5℃から60℃までの範囲の高い温度で液相のIPAを噴射させてミスト状のIPAを上記空間4内に噴霧させて、上記乾燥室201の上記純水40を排液することにより、上記乾燥室201内で上記純水40から上記ウェハ2が液面より上方に露出するとき、各ミスト噴霧装置3から上記ウェハ2の表面にIPAをミスト状態、すなわち、窒素をキャリアとするのではなく、IPA自体が単体で窒素ガス中を浮遊している状態で噴霧させ続けて、上記ウェハ2の表面に付着した純水40が上記ミスト状の上記IPAにより置換されるようにしている。
【0042】
ここでミスト噴霧装置3の構造について図6(A)及び(B)を用いて詳細に説明すると、各ミスト噴霧装置3は、図6(A)及び(B)に示すように、フッ素樹脂からなる直方体状の本体に長手方向沿いにそれぞれ貫通して形成された窒素ガス用通路3aと液相のIPA用通路3cとを備え、窒素ガス用通路3aから延びてウェハ2に大略向けて(詳細には隣接するウェハ2間の空間でかつウェハ2の中心に相当する位置に向けて)開口された噴射孔3eを有する細い窒素ガス用噴出通路3bを多数備えるとともに、IPA用通路3cから延びて窒素ガス用噴出通路3bの開口端の噴射孔3eに向けて開口された噴射孔3fを有する細いIPA用噴出通路3dを多数備える。よって、窒素ガス用噴出通路3bの噴射孔3eから窒素ガスを噴射させると同時にIPA用噴出通路3dの噴射孔3fから液相のIPAを噴射させてミスト状のIPAを上記空間4内にを噴霧させることができる。窒素ガス用噴出通路3bの噴射孔3eとIPA用噴出通路3dの噴射孔3fとで1組のミスト噴霧用ノズルを構成し、各1組のミスト噴霧用ノズルを、所定間隔を空けて配置された例えば50枚程度のウェハ2のうちの隣接ウェハ2間の空間に対向して配置するとともに、空間4内で両端のウェハ2の外側にもミスト噴霧用ノズルをそれぞれ配置することにより、全てのウェハ2の表面全体に対して、ミスト噴霧用ノズルからIPAのミストを噴霧できるようにしている。
【0043】
なお、上記において説明したようにミスト噴霧装置3により空間4内に置換媒体の一例としてミスト状のIPAを噴霧する場合に代えて、ガス状のIPAを上記空間4内に公知の噴射装置により噴射するような場合であってもよい。このような場合にあっては、上記乾燥室201内で上記純水40から上記ウェハ2が液面より上方に露出するとき、上記公知の噴射装置から上記ウェハ2の表面にIPAをガス状態で噴射させ続けて、上記ウェハ2の表面に付着した純水40を上記ガス状の上記IPAにより(若しくは上記ガス状のIPAが凝縮された液相のIPAにより)置換することができる。
【0044】
一方、窒素ガスは、常温若しくはウェハ2の温度で供給され、又は、常温より高い温度(例えば常温若しくはウェハ2の温度を越えて60℃までまでの範囲の高い温度)で供給され、好ましくは少なくとも常温若しくはウェハ2の温度より5℃以上高い、より好ましくは常温若しくはウェハ2の温度より5℃から60℃までの範囲の高い温度で供給されるものであって、図4に示すように、減圧弁29、第1エアーオペレートバルブ30、流量計31を介して、図1における処理室212の蓋211の左右に配置された各ミスト噴霧装置3に夫々供給される。第1エアーオペレートバルブ30は、流量計31で検出された窒素ガスの流量に基づき、窒素ガスの流量を自動的に調整することが好ましい。この結果、ミストの温度は、常温若しくはウェハ2の温度より高い、好ましくは常温若しくはウェハ2の温度より少なくとも5℃以上高い、より好ましくは常温若しくはウェハ2の温度より5℃から60℃までの範囲の高い温度で噴霧される。なお、左右のミスト噴霧装置3の夫々に窒素ガスを供給するとき、各ミスト噴霧装置3の一端側から他端閉塞部に向けて一方向に窒素ガスを窒素ガス用通路3a内に供給させればよい。このようなものでは構造が簡単なものとなるという利点がある。しかしながら、窒素ガス用通路3a内で圧力損失が生じて全ての窒素ガス用噴出通路3bの噴射孔3eから窒素ガスを均一に噴射させることができない場合には、各ミスト噴霧装置3の一端側と他端側の両方から同時に両者の中間に向けて窒素ガスを窒素ガス用通路3a内に供給するようにすれば、窒素ガス用通路3a内で圧力損失を防止することができて、窒素ガスを均一に噴射孔3eから噴射させることができる。
【0045】
また、図4に示すように、窒素ガスは、減圧弁20、第8エアーオペレートバルブ28を介して、図1における処理室212の蓋211の中央に配置した乾燥ノズル5に供給される。上記ウェハ2の表面に付着した純水40がIPAにより置換された後、乾燥ノズル5において窒素ガスを噴射することによりIPAの蒸発、乾燥を促進させることができる。
【0046】
また、図4において、IPAは、減圧弁20、第2エアーオペレートバルブ21、フィルター22を介してIPA圧送タンク41内に上記とは別に窒素ガスを圧送し、窒素ガスの圧力によりIPA圧送タンク41内のIPAの液体42が、第3エアーオペレートバルブ24を介して、さらに、夫々のフィルター25、流量計26、及び第4エアーオペレートバルブ27を介して、図1における処理室212の蓋211の左右に配置されたミスト噴霧装置3に夫々供給される。なお、23はIPA圧送タンク用リリーフ弁である。夫々の第4エアーオペレートバルブ27は、左右夫々のミスト噴霧装置3に配置され、夫々の流量計26で検出されたIPAの液体の流量に基づき、IPAの液体の流量を自動的に調整することにより、左右夫々のミスト噴霧装置3から乾燥室201内の上記純水40の液面上の空間4内にミストを噴霧するとき、上記左右のミスト噴霧状態のバランスが自動的に調整される。なお、上記左右のミスト噴霧装置3の夫々にIPA液体を供給するとき、各ミスト噴霧装置3の一端側から他端閉塞部に向けて一方向にIPA液体をIPA用通路3c内に供給させればよい。このようなものでは構造が簡単なものとなるという利点がある。しかしながら、IPA用通路3c内で圧力損失が生じて全てのIPA用噴出通路3dの噴射孔3fからIPA液体を均一に噴射させて均一なIPAのミストを噴霧することができない場合には、各ミスト噴霧装置3の一端側と他端側の両方から同時に両者の中間に向けてIPA液体をIPA用通路3c内に供給するようにすれば、IPA用通路3c内で圧力損失を防止することができて、IPA液体を均一に噴射孔3fから噴射させて均一なIPAのミストを噴霧させることができる。
【0047】
また、処理室212内の空間4の圧力が異常に高まらないようにするため、処理室212には排気通路43を設けて、排気流量を調整するための手動弁7と、排気の開始又は停止を行う第5エアーオペレートバルブ8とを設けている。なお、空間4内に圧力センサを配置して、圧力センサで検出された空間4内の圧力に応じて第5エアーオペレートバルブ8を自動的に開閉することもできる。
【0048】
さらに、乾燥室201の底部の排液口19には、第6エアーオペレートバルブ35を設けて、排液流量を調整するようにしている。なお、本実施形態においては、排液口19及び第6エアーオペレートバルブ35が乾燥室排液装置の一例となっている。さらに、処理室212の底部の排液口18に排液通路44を設けられており、この排液通路44に吸込みノズル排液機構255よりの純水排液通路256が接続されて、乾燥室201内の吸込みノズル252よりウェハ乾燥装置501外への純水排液通路256を介しての排液が行われる。処理室212内においてこの排液通路44にオーバーフロー受部217の排液口217aよりの排液通路が接続されて、オーバーフロー受部217よりウェハ乾燥装置501外への排液通路44を介しての排液が行われる。なお、図示しないが排液通路44上には、処理室212内の空間4の圧力を保持するために封水機構が設けられている。
【0049】
また、乾燥室201内において設置されている純水供給部210には純水供給通路45が接続されて設けられており、純水は、純水供給通路45の経路上に設けられた手動弁32、流量計33、第7エアーオペレートバルブ34を介して、純水供給部210に供給される。第7エアーオペレートバルブ34は、流量計33で検出された純水の流量に基づき、純水の流量を自動的に調整することが好ましい。
【0050】
また、乾燥室201内において設置されている吹出しノズル251及び吹出しノズル251に接続されている吹出しノズル供給機構253には純水供給通路254が接続されて設けられており、純水は、純水供給通路の経路上に設けられた手動弁258、流量計257を介して、吹出しノズル供給機構253を通して、吹出しノズル251に供給される。なお、吹出しノズル供給機構253における流量調整用エアーオペレートバルブ253cは、流量計257で検出された純水の流量に基づき、純水の流量が自動的に調整される。
【0051】
上記第1エアーオペレートバルブ30、第2エアーオペレートバルブ21、第3エアーオペレートバルブ24、各第4エアーオペレートバルブ27、第5エアーオペレートバルブ8、第6エアーオペレートバルブ35、第7エアーオペレートバルブ34、第8エアーオペレートバルブ28、及び流量調整用エアーオペレートバルブ253cは、制御装置47に接続されて、所定のプログラムなどに基づいて、自動的に、処理室212内の空間4に供給する窒素ガス及びIPAの液体のそれぞれの流量、つまり、IPAのミストの噴霧状態、空間4内からの排気量、純水40の排液量などを動作制御できるようにしている。また、制御装置47は、ノズル昇降機構214、吹出しノズル供給機構253、及び吸込みノズル排液機構255における各動作制御も行う。
【0052】
上記構成によるウェハ乾燥装置501においてウェハ2の乾燥処理を行う場合の手順について以下に説明する。
【0053】
まず、純水供給通路45の第7エアーオペレートバルブ34を開いて乾燥室201内に純水供給部210により純水を供給し、乾燥室201を純水で満水とさせる。その後、蓋211を開放し、複数のウェハ2が支持されたウェハキャリア13を処理室212内に搬入し、乾燥室201内の純水40中にウェハキャリア13を浸漬させてキャリア固定部9により固定する。このとき、乾燥室201より純水をオーバーフロー受部217にオーバーフローさせることにより、ウェハ2が浸漬されている乾燥室201内の異物を純水40の液面近傍に浮遊させて、これら異物をオーバーフローされる純水とともに乾燥室201外に排出させて洗浄を行う。その後、上記純水の供給を停止する。また、このとき、吹出しノズル251及び吸込みノズル252は、ノズル昇降機構214によりその昇降動作の上端位置に位置された状態とされている。
【0054】
次に、排気通路43を閉じた状態、すなわち処理室212の空間4が密閉された状態において、各ミスト噴霧装置3から窒素ガスを噴射させると同時にIPA液体を上記窒素ガスの噴射開口近傍で噴射してIPAのミストを、例えば、約2cc/minで上記空間4内に噴霧させる。ミストを噴霧させる方向は、概ね下向きとして純水40内のウェハ2に大略向かう方向(詳細には隣接する夫々のウェハ2間の空間でかつウェハ2の中心に相当する位置に向かう方向)として、純水40の液面上に均一にミストが保持されるようにするのが好ましい。このとき、乾燥室201の空間4内の圧力が異常に高くなったときには、排気通路43を開いて圧力を低下させるようにするのが好ましい。
【0055】
次に、このように上記空間4の純水40の液面付近がIPAのミストで覆われた状態が保持できるようにミストを噴霧し続けている状態で、制御装置47の制御により、純水供給通路254の流量調整用エアーオペレートバルブ253cを開いて吹出しノズル251より純水40の液面若しくは液面近傍に純水の供給を開始するとともに、吸込みノズル排液機構255により吸込みノズル252を通して液面側純水の排液を開始する。
【0056】
この吹出しノズル251からの純水の供給、及び吸込みノズル252による液面側純水の排液により、乾燥室201の純水40における液面において吹出しノズル251側から吸込みノズル252側への各ウェハ2の表面沿いの方向における一方向の表面流れを生じさせることができる。また、この表面流れでもって液面若しくは液面近傍の液面側純水を積極的に上記一方向、すなわち、吹出しノズル251側から吸込みノズル252側への方向へと流して、吸込みノズル252を介して吸込みノズル排液機構255により上記液面側純水の排液を行うことができる。
【0057】
次に、このように上記表面流れでもって積極的な上記液面側純水の排液が行われている状態において、制御装置47の制御により、第6エアーオペレートバルブ35を開いて、乾燥室201の底面における排液口19より純水40の排液を開始する。なお、このとき、第6エアーオペレートバルブ35の開度が制御装置47により制御されて、排液口19よりの純水40の排液量が制御される。
【0058】
乾燥室201の底面の排液口19からの純水40の排液開始に伴い、純水40の液面の下降が開始される。このとき、制御装置47により、ノズル昇降機構214が制御されて、その昇降動作の上端位置に位置されている状態の吹出しノズル251及び吸込みノズル252を上記液面の下降速度に合わせて、例えば一定の速度でもって緩やかに下降させていく。この液面の下降速度、すなわち、吹出しノズル251及び吸込みノズル252の下降速度の例としては、1秒間に10mm程度以下の下降速度、好ましくは、ミストを例えば、約2cc/minで噴出させて噴霧させるときにおいて、1秒間に2mm程度の下降速度とする。なお、ノズル昇降機構214により上記液面の下降に合わせて、吹出しノズル251及び吸込みノズル252が下降されるため、純水40の液面においては上記一方向の表面流れでもって液面側純水の積極的な排液が行われながら、上記液面が下降される。
【0059】
また、吹出しノズル供給機構253による吹出しノズル251よりの純水の供給量は、吸込みノズル252を通しての吸込みノズル排液機構255による上記液面側純水の排液量に応じて、制御装置47により流量計257を用いて流量調整用エアーオペレートバルブ253cにより制御されている。例えば、吹出しノズル251よりの純水供給量は、吸込みノズル252よりの液面側純水の排液量と略同じとなるように制御装置47において設定されている。すなわち、乾燥室201の純水40の液面若しくは液面近傍においては、常に吹出しノズル251から新たな純水が供給されて、上記供給された新たな純水が上記表面流れでもって吸込みノズル252近傍まで移動されて(流されて)、吸込みノズル252により上記新たな純水が上記液面側純水として排液される。また、上記液面側純水には、空間4の液面付近におけるIPAが溶け込んでおり、また、異物等が浮遊している場合があり、IPAが溶け込んでいる純水及び浮遊している異物等を上記表面流れでもって上記液面側純水とともに吸込みノズル252を通して排出させることができる。
【0060】
このような状態で純水40の液面を下降させていくことにより、ウェハ2の上部が純水40の液面から上に露出することになるが、ウェハ2の表面が酸素に触れて自然酸化することなく、上記純水40の液面に均一に噴霧され続けているIPAのミストがウェハ2の表面に付着した純水とすぐに置換される。また、IPAのミストの温度を、ウェハ2の温度すなわち常温よりも高く(例えばウェハ2の温度すなわち常温を越えて60℃までの範囲で高く)、好ましくは少なくとも5℃以上高く、より好ましくは5℃から60℃までの範囲で高くする場合には、迅速に乾燥する。
【0061】
また、各ウェハ2の一部が純水40の液面よりも上に露出した場合に、隣接する夫々のウェハ2間の液面側純水を上記ウェハ2の表面沿いの上記表面流れでもって排液することができ、上記夫々のウェハ2間の液面若しくは液面近傍におけるIPAが溶け込んでいる純水及び浮遊している異物等の排出性を良好とさせることができる。
【0062】
その後、さらに上記表面流れが形成された状態の液面が下降されて、ウェハキャリア13に支持されている全てのウェハ2の下端が上記液面よりも多少の余裕をもって上方に位置されると、上記液面とともに下降されている吹出しノズル251及び吸込みノズル252もその昇降動作の下端位置に位置された状態となり、ノズル昇降機構214による下降動作が停止されるとともに、吹出しノズル供給機構253による純水の供給動作及び吸込みノズル排液機構255による液面側純水の排液動作が停止される。これにより、各ウェハ2が純水40から完全に露出された状態となり、各ウェハ2表面に付着した純水のIPAへの置換が完了する。その後、ミスト噴霧装置3よりのミストの噴霧を停止して、乾燥ノズル5より窒素ガスの噴射を開始する。これにより、各ウェハ2の表面からの上記IPAの蒸発が促進されて、各ウェハ2の表面が乾燥される。上記乾燥完了後、乾燥ノズル5よりの窒素ガスの噴射が停止されて、ウェハ2の乾燥処理が終了する。なお、上記乾燥ノズル5よりの窒素ガスの噴射を行う場合に代えて、各ウェハ2をそのまま放置して各ウェハ2の表面から上記IPAを自然に蒸発させるような場合であってもよい。
【0063】
その後、処理室212の蓋211を開放し、キャリア固定部9によるウェハキャリア13の固定を解除して、処理室212よりウェハキャリア13毎各ウェハ2が上方に搬出される。
【0064】
なお、ウェハ2が常温のとき、IPA、又は、窒素ガス、又は、IPA及び窒素ガスが、常温より5℃から60℃までの範囲の高い温度として、常温より高い温度のIPAミストをウェハ2に噴霧させるようにしたほうが、より迅速に乾燥させることができ、例えば、50枚のウェハでは10分以下で乾燥させることができる。
【0065】
また、ウェハキャリア13が上記公知のものである場合に代えて、図7に示すようなウェハ保持具213を用いる場合であってもよい。図7(A)及び(B)はウェハ保持具213の部分拡大側面図である。
【0066】
図7に示すように、ウェハ保持具213は、円盤状のウェハ2の下部におけるその面沿いに互いに対称な2箇所の位置にてウェハ2を支持可能なウェハ支持部213aが一定の間隔でもって複数形成されたフレーム213bを備えている。また、図7(B)に示すように、夫々のウェハ支持部213aは、フレーム213b上に串歯状に形成されており、夫々のウェハ2の配列方向沿いにおいて、互いに隣接する夫々のウェハ支持部213aの間には一定の間隔でもって空間が確保されるように形成されている。これにより、隣接するウェハ2間において、ウェハ2の上端から下端まで、ウェハ2の表面沿いかつ純水40の上記液面沿いの方向に空間を確保することが可能となっている。
【0067】
このようなウェハ保持具213を用いることにより、純水40内に浸漬されたウェハ2を液面よりも上方に露出させる場合において、上記液面上かつウェハ2の表面沿いの方向に発生する上記表面流れにより、上記夫々のウェハ2間の液面若しくは液面近傍におけるIPAが溶け込んだ純水及び浮遊している異物等の排出性をさらに良好とさせることができる。
【0068】
なお、上記においては、吹出しノズル251における夫々の供給孔251aの形成間隔と吸込みノズル252における夫々の排液孔252aの形成間隔が同じである場合について説明したが、上記夫々の供給孔251a及び上記夫々の排液孔252aの配置(形成間隔を含む)はこのような場合のみに限定されるものではなく、ウェハキャリア13に支持された夫々のウェハ2の支持間隔、乾燥室201の大きさ、純水40の液面の下降速度、供給孔251aの孔径や純水の吹出し速度、排液孔252aの孔径や液面側純水の吸込み速度、さらに供給孔251a及び排液孔252aの形状等に基づいて、液面におけるウェハ2が露出される部分においてより均一な流れの表面流れが形成できるような配置を選択することができる。
【0069】
また、吹出しノズル251よりの純水の供給及び吸込みノズル252による液面側純水の排液により液面に形成される上記一方向の表面流れは、ウェハ2が液面から上方に露出された場合に、液面におけるウェハ2間の液面側純水の排液性を良好とさせることが目的であるため、上記表面流れは少なくとも上記液面におけるウェハ2が露出される部分に形成されていれば、上記目的を達成することができる。
【0070】
また、吹出しノズル251による純水の供給量と吸込みノズル252による液面側純水の排液量は略同様である場合について説明したが、このような場合に代えて、上記純水の供給量よりも上記液面側純水の排液量の方が大きいような場合であってもよい。このような場合にあっては、吸込みノズル252により液面側純水の排液は同様に行うことができるため、上記表面流れの形成を同じように行うことができるとともに、さらに液面近傍よりも下方の純水をも液面近傍に押上げて上記液面側純水として吸込みノズル252により排液することができ、上記下方の純水中に浮遊する異物等を上記下方の純水とともに排出することができる。
【0071】
また、ウェハ乾燥装置501において、乾燥室201における互いに対向する側面内側に備えれらた吹出しノズル251及び吸込みノズル252が、上記側面に沿って下降動作が行われる場合について説明したが、吹出しノズル251及び吸込みノズル252の下降動作はこのような動作のみに限定されるものではない。上記実施形態の変形例として、吹出しノズル251及び吸込みノズル252に対し上記動作とは別の動作を行うウェハ乾燥装置502の縦断面図を図8に示す。
【0072】
図8に示すように、ウェハ乾燥装置502においては、乾燥室201の互いに対向する側面内側近傍に吹出しノズル251及び吸込みノズル252が備えられている。また、ウェハ乾燥装置502は、吹出しノズル251及び吸込みノズル252を昇降させるノズル昇降装置214を備えており、さらに、上記ノズル昇降装置214による吹出しノズル251及び吸込みノズル252の下降動作中に、吹出しノズル251及び吸込みノズル252を互いに対向させた状態を保ちながら互いの間隔を可変させるように平行移動させるノズル間隔可変機構(図示しない)が備えられている。上記ノズル間隔可変機構は、吹出しノズル251と吸込みノズル252の中間位置を基準位置として、吹出しノズル251及び吸込みノズル252の夫々を上記基準位置に近づく方向若しくは離れる方向(すなわち、図8における左右方向)に移動させることにより、上記間隔を可変させることが可能となっている。なお、上記ノズル間隔可変機構には、例えば、モータ等により回転されるボールねじ軸部とこれに螺合されかつボールねじ軸部が回転されることによりボールねじ軸部に沿って移動されるナット部とを備えるボールねじ軸機構や、圧縮空気若しくは油圧等を用いてシリンダ内でピストンを移動させるシリンダ機構等の機構を用いることができる。
【0073】
このようなウェハ乾燥装置502において純水40内に浸漬されているウェハ2を液面より上方に露出させる場合には、図8に示すように、まず、乾燥室201において純水40が満水とされている状態において、吹出しノズル251と吸込みノズル252とが乾燥室201の上記互いに対向する夫々の側面から離れて上記中間位置である上記基準位置に近づくように、かつ純水40中に浸漬されているウェハ2に接触しないような位置に位置されている。すなわち、吹出しノズル251及び吸込みノズル252はウェハ2に接触しないように互いの間隔が小さくなるように位置されている。また、このような状態で、吹出しノズル251より純水の供給が行われながら吸込みノズル252により液面側純水の排液が行われて、液面において上記表面流れが形成されている。
【0074】
その後、乾燥室201の底面よりの純水40の排液が開始されて液面の下降が開始されると、この液面の下降に合わせるようにノズル昇降機構214により吹出しノズル251及び吸込みノズル252の下降動作が開始される。それとともに、上記ノズル間隔可変機構により上記基準位置より吹出しノズル251及び吸込みノズル252の夫々が離れるように、すなわち、上記間隔が広がるように移動される。このとき上記表面流れは形成されたままの状態である。
【0075】
さらに液面が下降されてウェハ2の一部が液面より上方に露出され、液面がウェハ2の下部に位置されると、逆に、上記ノズル間隔可変機構により上記基準位置に吹出しノズル251及び吸込みノズル252の夫々が近づくように、すなわち、上記間隔が狭まるように移動されながら、上記表面流れの形成が行われる。
【0076】
すなわち、上記液面の下降に合わせて吹出しノズル251及び吸込みノズル252がノズル昇降機構214により下降されながら、上記ノズル間隔可変機構により吹出しノズル251及び吸込みノズル252の夫々が浸漬されているウェハ2の周部に沿うように円弧状に移動されてその間隔が可変されて、上記表面流れの形成が行われる。
【0077】
よって、ウェハ乾燥装置502においては、上記ノズル間隔可変機構が備えられていることにより上記液面の下降に合わせて吹出しノズル251及び吸込みノズル252の上記ウェハ2の周部沿いの円弧状の下降動作を行いながら、上記表面流れを形成することができ、液面におけるウェハ2が露出される部分においてより確実かつより強い指向性を有する上記表面流れを形成することができる。従って、ウェハ2の一部が液面より上方に露出された場合に、隣接するウェハ2間における液面若しくは液面近傍の純水に溶け込んでいるIPA及び浮遊している異物等を液面側純水とともに、上記確実かつ強い指向性を有する表面流れでもって排出することができる。
【0078】
上記実施形態によれば、乾燥室201の底面からの純水40の排液によって液面を下降させることにより純水40内に浸漬されたウェハ2を純水40の液面より上方に露出させるが、この露出を行う際に、純水40の液面において互いに対向するように備えられた吹出しノズル251により液面に純水を供給しながら吸込みノズル252により液面側純水の排液を行うことにより、上記液面において一方向の表面流れを形成して、液面若しくは液面近傍における純水中に浮遊している異物等を液面側純水とともに乾燥室201外へ排出することができる。これにより、上記ウェハ2の液面よりの露出の際に、上記異物等のウェハ2の表面への付着を防止することができる。
【0079】
また、乾燥室201の純水40内に浸漬されたウェハ2の上記液面から上方への露出は、上記液面における上記表面流れでもって上記液面側純水を排液しながら行うため、上記液面上方の空間4内に噴霧されたIPAのミストが純水40の上記液面若しくは上記液面近傍に溶け込むような場合であっても、上記液面側純水として上記IPAが溶け込んだ純水の排液を上記表面流れでもって行うことができる。これにより、上記液面若しくは上記液面近傍の純水においてIPAの溶け込み量の増大を防止することができ、ウェハ2表面における純水とIPAとの置換効率を向上させることによりウェハの乾燥効率の向上を図り、ウェハ表面における乾燥むらの発生を防止することができる。
【0080】
また、乾燥室201内において互いに対向するように備えられた吹出しノズル251と吸込みノズル252とにより形成される上記一方向の表面流れは、ウェハキャリア13に支持されながら純水40に浸漬されているウェハ2の表面沿いかつ上記液面沿いの流れであることにより、純水40の液面が下降されてウェハ2の一部が上記液面よりも上方に位置されるような場合に、上記表面流れでもって互いに隣接するウェハ2間における上記液面側純水の排出性を良好とさせることができ、ウェハ2表面における純水とIPAとの置換効率をさらに向上させてウェハの乾燥効率の向上を図り、ウェハ表面における乾燥むらの発生を防止することができるとともに、上記液面における上記異物等の排出性をさらに向上させることができ、上記異物等のウェハ2の表面への付着を防止することができる。
【0081】
また、吹出しノズル251における夫々の供給孔251aと吸込みノズル252における夫々の排液孔252aは互いに対向するように形成されており、さらに、互いに対向する供給孔251aと排液孔252aとを結ぶ仮想直線が、ウェハキャリア13に支持されている各ウェハ2における互いに隣接するウェハ2の間に位置されているような場合にあっては、供給孔251aより上記ウェハ2間における液面に向けて純水を吹出しながら排液孔252aにより上記ウェハ2間における液面から液面側純水を排液することができ、より強い指向性でもって上記液面沿いかつ上記ウェハ2の表面沿いの一方向の表面流れを形成することができ、ウェハ2間の上記液面側純水の排出性をさらに良好とさせることができる。
【0082】
また、ウェハ乾燥装置501にいては、乾燥室201の底面よりの純水40の排液により下降される液面に合わせて、吹出しノズル251及び吸込みノズル252を下降させるノズル昇降機構214が備えられていることにより、吹出しノズル251及び吸込みノズル252により液面において上記表面流れを形成しながら純水40の液面の下降を行うことができる。従って、純水40の液面において上記表面流れを連続的に形成して上記液面側純水の排液を行いながら、すなわち、液面若しくは液面近傍に溶け込んだIPA及び浮遊している異物等を上記液面側純水とともに連続的に排出しながら、ウェハ2の液面より上方への露出を行うことができる。
【0083】
また、ウェハ2はウェハキャリア13により支持されて、その支持位置が乾燥室201に対して固定された状態にて液面より上方への露出作業が行われるため、ウェハ2を純水40中から引き上げて液面より上方への露出を行うような場合と比べて、上記露出作業中におけるウェハ2の揺れの発生を無くすことができ、上記揺れによるウェハ表面におけるIPAの置換むら、すなわち乾燥むらの発生を防止することができる。
【0084】
また、ウェハ2が浸漬された純水の液面上の空間4に窒素ガスが常時保持されるようにしているので、ウェハ2の上部が純水40から露出することになるが、ウェハ表面が酸素に触れて自然酸化することなく、上記純水40の液面に均一に供給されているIPAのミストがウェハ2の表裏両面に付着した純水とすぐに置換される。また、IPAの温度を、ウェハ2の温度すなわち常温よりも高い、好ましくは少なくとも5℃以上高い、より好ましくは5℃から60℃までの範囲で高くすれば、IPAがウェハ2の表裏両面に凝着しやすくなり、ウェハ2の表裏両面に付着した純水とすぐに置換されやすくなる上に、ウェハ2の表面が迅速に乾燥する。よって、常温のウェハの表面の純水と常温のIPAとを置換させたのち、常温のIPAを乾燥させる従来の場合よりも乾燥時間が早くなり、乾燥効率を高めることができる。また、ミスト状態で純水40の液面に噴霧させるため、IPAを蒸気で供給する従来の場合と比較して、IPAの消費量を大幅に減少させることができる。また、IPAを蒸気で供給する場合には蒸気状態を保持するため配管の外側を断熱材で覆うなどする必要があるが、本実施形態では、単に例えば常温の液相のIPAを左右のミスト噴霧装置3の夫々に供給すればよいので、配管を断熱材で覆う必要はなく、装置が簡単なものとなる。また、IPAを蒸気化するときには加熱するためのエネルギーが必要であるが、本実施形態では、ミスト噴霧装置3から窒素ガスとIPAとを噴射させるだけのエネルギーがあれば十分であり、安価でかつ簡単な装置構成でもってIPAのミストを形成することができる。このように、互いに対向する側方から、窒素ガスを噴射させると同時に、液相のIPAを噴射させることができて、IPAミストを上記乾燥室の空間内に充満させて、ウェハの表裏両面にIPAミストを噴霧させることができ、ウェハの表裏両面の全体に対してIPAミストを供給することができる。
【0085】
また、超音波などの電気的なエネルギーにより液相のIPAをミスト化するのではなく、電気的なエネルギーを使用せずに、窒素ガスの噴射孔近傍でIPA噴射ノズルよりIPAを噴射させることにより、液相のIPAをミスト化することができるため、引火性の高いIPAに対して、より安全にかつより安定してIPAミストの噴霧動作を行わせることができる。
【0086】
なお、上記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
【0087】
【発明の効果】
本発明の上記第1態様又は上記第2態様によれば、乾燥室の底面からの純水の排液によって液面を下降させることにより上記純水内に浸漬された基板を上記純水の上記液面より上方に露出させる際に、上記乾燥室における互いに対向する側面のうちの一方の上記側面近傍より純水を供給しながら他方の上記側面近傍より純水を排液して上記液面沿いかつ上記基板の表面沿いの一方向の表面流れを形成し、上記表面流れでもって、上記液面若しくは上記液面近傍における上記純水中に浮遊している異物等を液面側純水とともに上記乾燥室外へ排出することができる。これにより、上記基板の上記液面よりの露出の際に、上記異物等の上記基板の表面への付着を防止することができる基板乾燥方法を提供することが可能となる。
【0088】
また、上記乾燥室の上記純水内に浸漬された上記基板の上記液面から上方への露出は、上記液面における上記表面流れでもって上記液面側純水を排液しながら行うため、上記液面上方の空間内に供給されたガス状若しくはミスト状のイソプロピルアルコールが上記純水の上記液面若しくは上記液面近傍に溶け込むような場合であっても、上記液面側純水として上記イソプロピルアルコールが溶け込んだ純水の排液を上記表面流れでもって行うことができる。これにより、上記液面若しくは上記液面近傍の純水において上記イソプロピルアルコールの溶け込み量の増大を防止することができ、上記純水と上記ガス状若しくは上記ミスト状のイソプロピルアルコールとの置換効率を向上させることにより上記基板の乾燥効率の向上を図り、上記基板表面における乾燥むらの発生を防止することができる基板乾燥方法を提供することが可能となる。
【0089】
本発明の上記第3態様によれば、上記純水の液面において形成される上記表面流れが、少なくとも上記液面における上記基板が露出される部分において形成されることにより、上記液面より上方への上記基板の露出の際に、上記基板の露出されている部分における液面において上記表面流れでもって上記液面側純水の排液を行うことができ、上記液面若しくは上記液面近傍の純水において溶け込んでいる上記イソプロピルアルコール及び浮遊している異物等を上記液面側純水とともに排出することができ、上記第1態様又は上記第2態様による効果を得ることができる基板乾燥方法を提供することが可能となる。
【0090】
本発明の上記第4態様によれば、上記乾燥室における上記他方の側面近傍よりの上記純水の排液量が、上記一方の側面近傍よりの上記純水の供給量と略同じとされていることにより、上記純水の液面若しくは液面近傍においては、常に新たな純水の供給が行われながらその供給された上記純水を排液することにより、上記液面若しくは上記液面近傍のみにおいて確実に上記表面流れを形成することができ、上記表面流れでもってより迅速かつ円滑に上記液面側純水の排液を行うことができ、上記夫々の態様による効果を得ることができる基板乾燥方法を提供することが可能となる。
【0091】
本発明の上記第5態様によれば、上記夫々の態様による効果に加えて、上記純水から上記基板を完全に露出させるまで、上記乾燥室内において上記基板を固定させておくことにより、例えば、上記基板を上記純水中から引き上げて上記液面より上方への露出を行うような場合と比べて、上記露出の作業中における上記基板の揺れの発生を無くすことができ、上記揺れによる上記基板の表面における上記イソプロピルアルコールの置換むら、すなわち乾燥むらの発生を防止することができる基板乾燥方法を提供することが可能となる。
【0092】
本発明の上記第6態様によれば、上記基板がその表面における清浄性等が要求されるウェハ又は液晶ガラス基板である場合において、上記第1態様から第5態様の夫々における効果を得ることができる基板乾燥方法を提供することが可能となる。
【0093】
本発明の上記第7態様によれば、乾燥室排液装置により、乾燥室の底面からの純水の排液によって液面を下降させることにより上記純水内に浸漬された基板を上記純水の上記液面より上方に露出させる際に、液面側純水排液装置により、上記乾燥室における互いに対向する側面のうちの一方の上記側面近傍より純水を供給しながら他方の上記側面近傍より純水を排液して上記液面沿いかつ上記基板の表面沿いの一方向の表面流れを形成し、上記表面流れでもって上記液面若しくは上記液面近傍における上記純水中に浮遊している異物等を液面側純水とともに上記乾燥室外へ排出することができる。これにより、上記基板の上記液面よりの露出の際に、上記異物等の上記基板の表面への付着を防止することができる基板乾燥装置を提供することが可能となる。
【0094】
また、上記乾燥室の上記純水内に浸漬された上記基板の上記液面から上方への露出は、上記液面側純水排液装置により形成される上記液面の上記表面流れでもって上記液面側純水を排液しながら行うため、置換媒体供給装置により上記液面上方の空間内に供給されたガス状若しくはミスト状のイソプロピルアルコールが上記純水の上記液面若しくは上記液面近傍に溶け込むような場合であっても、上記液面側純水として上記イソプロピルアルコールが溶け込んだ純水の排液を上記表面流れでもって行うことができる。これにより、上記液面若しくは上記液面近傍の純水において上記イソプロピルアルコールの溶け込み量の増大を防止することができ、上記純水と上記ガス状若しくは上記ミスト状のイソプロピルアルコールとの置換効率を向上させることにより上記基板の乾燥効率の向上を図り、上記基板表面における乾燥むらの発生を防止することができる基板乾燥装置を提供することが可能となる。
【0095】
本発明の上記第8態様によれば、上記液面側純水排液装置は、上記乾燥室内の上記一方の側面近傍に備えられた液面純水供給部を有しかつ上記液面純水供給部を通して上記純水の液面に純水を供給する液面純水供給機構と、上記乾燥室内の上記他方の側面近傍に備えられた液面純水排液部を有しかつ上記液面純水排液部を通して上記液面側純水の排液を行う液面純水排液機構と、上記液面純水供給部及び上記液面純水排液部を上記乾燥室内において昇降させる昇降機構とを備え、上記乾燥室内において上記液面の下降に合わせて上記昇降機構により上記液面純水供給部及び上記液面純水排液部を下降させながら、上記液面において上記液面純水供給部を通して上記液面純水供給機構により純水を供給するとともに上記液面純水排液部を通して上記液面純水排液機構により上記液面側純水を排液することにより、上記液面において上記表面流れを形成することができ、上記第7態様による効果を得ることができる基板乾燥装置を提供することが可能となる。
【0096】
本発明の上記第9態様によれば、上記液面純水供給部と上記液面純水排液部は互いに対向して上記乾燥室内に備えられ、上記液面純水供給部における上記対向する位置において形成された複数の孔部より上記純水を供給して、上記液面純水排液部における上記対向する位置において形成された複数の孔部を通して上記液面側純水の排液を行うことにより、上記液面において上記表面流れを均一に形成することができ、上記第8態様による効果を得ることができる基板乾燥装置を提供することが可能となる。
【0097】
本発明の上記第10態様によれば、上記純水の液面において形成される上記表面流れが、少なくとも上記液面における上記基板が露出される部分において形成されることにより、上記液面より上方への上記基板の露出の際に、上記基板の露出されている部分における液面において上記表面流れでもって上記液面側純水の排液を行うことができ、上記液面若しくは上記液面近傍の純水において溶け込んでいる上記イソプロピルアルコール及び浮遊している異物等を上記液面側純水とともに排出することができ、上記夫々の態様による効果を得ることができる基板乾燥装置を提供することが可能となる。
【0098】
本発明の上記第11態様によれば、上記乾燥室内の上記純水の排液を行う上記乾燥室排液装置が、上記乾燥室の底面近傍より上記純水を排液させることにより、上記液面における上記表面流れの形成に影響を与えることなく、上記液面の下降を行うことができ、上記夫々の態様による効果を得ることができる基板乾燥装置を提供することが可能となる。
【0099】
本発明の上記第12態様によれば、上記夫々の態様による効果に加えて、上記純水から上記基板を完全に露出させるまで、基板支持機構により上記乾燥室内において上記基板を固定させておくことにより、例えば、上記基板を上記純水中から引き上げて上記液面より上方への露出を行うような場合と比べて、上記露出の作業中における上記基板の揺れの発生を無くすことができ、上記揺れによる上記基板の表面における上記イソプロピルアルコールの置換むら、すなわち乾燥むらの発生を防止することができる基板乾燥装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態にかかるウェハ乾燥装置の縦断面図である。
【図2】 図1のウェハ乾燥装置のA−A断面図である。
【図3】 図1のウェハ乾燥装置のB−B断面図である。
【図4】 上記実施形態のウェハ乾燥装置の概略構成を示すフロー図である。
【図5】 図2のウェハ乾燥装置の吹出しノズル及び吸込みノズルの(A)は部分拡大平面図であり、(B)は(A)におけるC−C断面図である。
【図6】 上記実施形態のウェハ乾燥装置のミスト噴霧装置における(A)は平面図、(B)は断面図である。
【図7】 上記実施形態のウェハ乾燥装置におけるウェハ保持具の(A)は部分拡大図であり、(B)は(A)の側面図である。
【図8】 上記実施形態の変形例にかかるウェハ乾燥装置の縦断面図である。
【符号の説明】
2…ウェハ、3…ミスト噴霧装置、3a…窒素ガス用通路、3b…窒素ガス用噴出通路、3c…IPA用通路、3d…IPA用噴出通路、3e、3f…噴射孔、4…空間、5…乾燥ノズル、7…手動弁、8…第5エアーオペレートバルブ、9…キャリア固定部、13…ウェハキャリア、18…排液口、19…排液口、20…減圧弁、21…第2エアーオペレートバルブ、22…フィルター、23…IPA圧送タンク用リリーフ弁、24…第3エアーオペレートバルブ、25…フィルター、26…流量計、27…第4エアーオペレートバルブ、28…第8エアーオペレートバルブ、29…減圧弁、30…第1エアーオペレートバルブ、31…流量計、32…手動弁、33…流量計、34…第7エアーオペレートバルブ、35…第6エアーオペレートバルブ、40…純水、41…IPA圧送タンク、42…IPA、43…排気通路、44…排液通路、45…排液通路、46…排液通路、47…制御装置、201…乾燥室、201a…三角堰、210…純水供給部、211…蓋、212…処理室、213…ウェハ保持具、213a…ウェハ支持部、213b…フレーム、214…ノズル昇降機構、214a…ボールねじ軸部、214b…駆動部、214c…ナット部、214d…昇降フレーム、214e…ガイド、215…機台、217…オーバーフロー受部、217a…排液口、251…吹出しノズル、251a…供給孔、252…吸込みノズル、252a…排液孔、253…吹出しノズル供給機構、253a…供給口、253b…フレキシブルホース、253c…流量調整用エアーオペレートバルブ、254…純水供給流路、255…吸込みノズル排液機構、255a…吸込口、255b…フレキシブルホース、255c…ポンプ、256…純水排液通路、257…流量計、258…手動弁、501及び502…ウェハ乾燥装置。
Claims (10)
- 夫々の表面を互いに略平行にかつ乾燥室内の純水の液面と略直交するように配列されて上記純水内に浸漬された複数の基板を上記純水内より露出させて乾燥させる基板乾燥方法において、
上記乾燥室内の上記純水の液面上の空間内に窒素ガス及びミスト状若しくはガス状のイソプロピルアルコールを供給し、
上記純水の液面において、上記乾燥室における互いに対向する側面のうちの一方の上記側面近傍に備えられた液面純水供給用ノズルより純水を供給しながら他方の上記側面近傍に備えられた液面純水排液用ノズルより純水を排液して上記液面沿いかつ上記基板の表面沿いの一方向の表面流れを形成し、上記表面流れでもって上記純水の液面若しくは液面近傍より液面側純水を排液して、上記液面側純水における上記イソプロピルアルコールの溶け込み量の増大を抑制しながら、上記乾燥室内の純水を底面近傍から排液して上記液面を下降させることにより、上記乾燥室内で上記純水から上記基板を上記液面より上方に露出させて、それとともに、上記露出された基板の表面に付着した上記純水を上記ミスト状若しくは上記ガス状の上記イソプロピルアルコールにより置換し、
その後、上記基板の表面から上記イソプロピルアルコールが蒸発することにより上記基板が乾燥されるようにしたことを特徴とする基板乾燥方法。 - 上記表面流れは、少なくとも上記液面における上記基板が露出される部分において形成されている請求項1に記載の基板乾燥方法。
- 上記他方の側面近傍よりの上記純水の排液量は、上記一方の側面近傍よりの上記純水の供給量と略同じである請求項1又は2に記載の基板乾燥方法。
- 上記純水から上記基板を上記液面より完全に露出させるまで、上記乾燥室内において上記基板を固定させておく請求項1から3のいずれか1つに記載の基板乾燥方法。
- 上記基板はウェハ又は液晶ガラス基板である請求項1から4のいずれか1つに記載の基板乾燥方法。
- 互いに対向する側面を備え、かつ純水内に夫々の表面を互いに略平行にかつ上記純水の液面と略直交するように配列された複数の基板を上記純水内に浸漬可能な乾燥室と、
上記乾燥室内の上記純水の液面上の空間内に窒素ガス及びミスト状若しくはガス状のイソプロピルアルコールを供給する置換媒体供給装置と、
上記乾燥室内の上記互いに対向する側面のうちの一方の上記側面近傍に配置され、上記純水の液面に純水を供給する液面純水供給用ノズルと、上記乾燥室内の他方の上記側面近傍に配置され、上記純水の液面若しくは液面近傍より液面側純水を排液する液面純水排液用ノズルとを備え、上記純水の上記液面において、上記乾燥室の上記一方の側面近傍に配置された上記液面純水供給用ノズルにより純水を供給しながら上記他方の側面近傍に配置された上記液面純水排液用ノズルにより純水を排液して上記液面沿いかつ上記基板の表面沿いの一方向の表面流れを形成して、上記表面流れでもって上記純水の液面若しくは液面近傍より液面側純水を排液する液面側純水排液装置と、
上記乾燥室内の上記純水をその底面近傍より排液する乾燥室排液装置とを備えて、
上記液面側純水排液装置により形成された上記表面流れでもって上記純水の液面若しくは液面近傍より上記液面側純水を排液することにより、上記液面側純水における上記イソプロピルアルコールの溶け込み量の増大を抑制しながら、上記乾燥室排液装置による上記底面近傍からの上記純水の排液により上記純水の液面を下降させることにより、上記純水から上記基板を上記液面より上方に露出させて、それとともに、上記露出された基板の表面に付着した上記純水が上記置換媒体供給装置により供給された上記ミスト状又は上記ガス状の上記イソプロピルアルコールにより置換し、その後、上記基板の表面から上記イソプロピルアルコールが蒸発することにより上記基板が乾燥されるようにしたことを特徴とする基板乾燥装置。 - 上記液面側純水排液装置は、上記液面純水供給用ノズル及び上記液面純水 排液用ノズルを上記乾燥室内において昇降させる昇降機構を備え、
上記乾燥室内において上記液面の下降に合わせて上記昇降機構により上記液面純水供給用ノズル及び上記液面純水排液用ノズルを下降させながら、上記液面において上記液面純水供給用ノズルにより純水を供給するとともに上記液面純水排液用ノズルにより上記液面側純水を排液して上記表面流れを形成する請求項6に記載の基板乾燥装置。 - 上記液面純水供給用ノズルと上記液面純水排液用ノズルは互いに対向して上記乾燥室内に備えられており、
上記液面純水供給用ノズルは、上記対向する位置において形成された上記純水を供給する複数の孔部を備え、
上記液面純水排液用ノズルは、上記対向する位置において形成された上記液面側純水を排液する複数の孔部を備える請求項6又は7に記載の基板乾燥装置。 - 上記表面流れは、少なくとも上記液面における上記基板が露出される部分において形成されている請求項6から8のいずれか1つに記載の基板乾燥装置。
- 上記基板を支持する基板支持機構をさらに備え、
上記乾燥室排液装置による上記純水の排液により上記純水から上記基板を上記液面より完全に露出させるまで、上記基板支持機構による上記基板の支持位置を上記乾燥室内において固定させておく請求項6から9のいずれか1つに記載の基板乾燥装置。
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