JP2004119591A - 基板処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】処理槽20において基板Wの洗浄処理が終了した後、第1供給ノズル40および第2供給ノズル50から窒素ガスを供給しつつ処理槽20内から純水が排出される。そして、第1供給ノズル40からIPA蒸気(有機溶剤の蒸気)を吐出してIPA蒸気の気流域AIを形成し、この気流域AIに基板Wを通過させ、基板W表面にIPAを凝縮させる。その後、第1供給ノズル40からの吐出を窒素ガス(不活性ガス)に切り替え、AIと同じ位置に窒素ガスの気流域を形成し、この気流域に基板Wを通過させ、基板W表面に凝縮したIPAの液滴を気化させることにより乾燥を行う。
【選択図】 図7
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、純水による洗浄処理が終了した半導体基板、液晶表示装置用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板等(以下、単に「基板」と称する。)の乾燥処理を行う基板処理技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、基板の製造工程においては、フッ酸等の薬液による処理および純水による洗浄処理を順次行った後、純水から基板を引き出しつつイソプロピルアルコール(以下、「IPA」と称する。)等の有機溶剤の蒸気を基板の周辺に供給して乾燥処理を行う基板処理装置が用いられている。特に、基板上に形成されるパターンの構造の複雑化、微細化が進展している近年においては、IPA蒸気を供給しつつ純水から基板を引き揚げる引き揚げ乾燥方式が主流になりつつある。
【0003】
従来の引き揚げ乾燥方式の基板処理装置は、図9に示すように純水による洗浄処理を行う処理槽92を収容器90の内部に収容している。処理槽92における基板Wの洗浄処理終了後に、収容器90内に窒素ガスを供給しつつ基板Wを昇降機構93によって処理槽92から引き揚げてから、図9中矢印FI9に示すように、供給ノズル91からIPA蒸気を吐出する。これにより、収容器90内がIPA蒸気で満たされて、基板WにIPAが凝縮し、それが気化することにより、基板Wの乾燥処理が行われることとなる(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開昭62−198126号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の引き揚げ乾燥方式の基板処理装置においては、収容器90内全体にIPA蒸気を供給することが必要であり、IPA蒸気が基板Wに効率良く供給されているとは言えず、IPAの消費量が多いという問題が存在する。
【0006】
また、基板W上に凝縮したIPAの液滴の気化に長時間を要し、基板W表面に残留するIPAの液滴により乾燥不良が発生するという問題が存在する。特に、大口径の基板ほどこの問題が顕著である。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、有機溶剤の消費量を削減でき、かつ基板表面の有機溶剤の液滴を効率よく気化できる基板処理装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、基板の洗浄処理と乾燥処理とを行う基板処理装置であって、純水を貯留し、純水中に基板を浸漬して洗浄処理を行う処理槽と、前記処理槽を収容する収容器と、前記処理槽内で基板が保持された状態で、前記処理槽内に貯留された純水を排水する排水手段と、前記収容器内の一部に有機溶剤の蒸気を吐出して有機溶剤の気流域を形成するとともに、前記収容器内の一部に不活性ガスを吐出して不活性ガスの気流域を形成する気流域形成手段と、基板を、前記収容器内において昇降させる昇降手段と、前記処理槽内の純水によって基板を洗浄した後、前記昇降手段によって基板を移動させて有機溶剤の気流域と不活性ガスの気流域とを通過させる制御手段と、を備える。
【0009】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の基板処理装置であって、前記気流域形成手段は、前記排水手段による前記処理槽からの純水の排水が終了した後に有機溶剤の蒸気の吐出を開始して有機溶剤の気流域を形成する。
【0010】
また、請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載の基板処理装置であって、前記処理槽内に不活性ガスを流入させる不活性ガス流入手段をさらに備え、前記不活性ガス流入手段により前記処理槽内に不活性ガスを流入させつつ、前記排水手段が前記処理槽から純水を排水する。
【0011】
また、請求項4に係る発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の基板処理装置であって、前記気流域形成手段は、前記収容器内に開口した気体吐出部と、前記気体吐出部から吐出する気体を、有機溶剤の蒸気と不活性ガスとの間で切り替える吐出切り替え手段とを備え、前記制御手段は、前記昇降手段によって基板を上昇させて、前記収容器内の所定の領域に形成させた有機溶剤の気流域を通過させた後に、前記吐出切り替え手段を不活性ガス側に切り替えて前記領域に不活性ガスの気流域を形成し、前記昇降手段によって基板を下降させて、不活性ガスの気流域を通過させる。
【0012】
また、請求項5に係る発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の基板処理装置であって、前記収容器内を減圧する減圧手段をさらに備え、基板が不活性ガスの気流域を通過した後、前記気流域形成手段からの不活性ガスの吐出を継続しつつ、前記減圧手段が前記収容器内の減圧を行う。
【0013】
また、請求項6に係る発明は、請求項5に記載の基板処理装置であって、前記減圧手段は、基板が不活性ガスの気流域の下方に位置する状態で、前記収容器内を減圧する。
【0014】
また、請求項7に係る発明は、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の基板処理装置であって、前記気流域形成手段および不活性ガス流入手段へ供給する不活性ガスを加熱して高温の不活性ガスを生成する、不活性ガス加熱手段
をさらに備える。
【0015】
また、請求項8に係る発明は、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の基板処理装置であって、前記有機溶剤の蒸気は、イソプロピルアルコールの蒸気である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0017】
<基板処理装置の要部構成>
図1は、本発明の実施形態に係る基板処理装置1の正面図である。また、図2は、図1のII−II位置から見た断面図である。なお、図1および以下の各図にはそれらの方向関係を明確にするため、XY平面を水平面としてZ軸方向を鉛直方向とするXYZ直交座標系を適宜付している。
【0018】
この基板処理装置1は、純水による洗浄処理が終了した基板Wを、有機溶剤であるIPAにより乾燥させる装置であって、主として収容器10と、処理槽20と、昇降機構30と、第1供給ノズル40と、第2供給ノズル50とを備えている。
【0019】
処理槽20は、フッ酸等の薬液または純水(以下、これらを総称して「処理液」とする。)を貯留して基板Wに順次表面処理を行う槽であり、収容器10の内部に収容されている。処理槽20の底部近傍には処理液吐出ノズル(図示省略)が配置されており、図外の処理液供給源からその処理液吐出ノズルを介して処理槽20内に処理液を供給することができる。この処理液は処理槽20の底部から供給されてオーバーフロー面、すなわち処理槽20の開口部20Pから溢れ出る。また、処理槽20では、後述する排液バルブ47(図3参照)の開放によって処理槽20内に貯留された処理液を排出することも可能である。
【0020】
収容器10は、その内部に処理槽20、昇降機構30、第1供給ノズル40、第2供給ノズル50等を収容する筐体である。収容器10の上部11は、概念的に図示されたスライド式開閉機構12によって開閉可能とされている(以下の図2〜図8は、この開閉機構12を図示省略。)。収容器10の上部11を開放した状態では、その開放部分から基板Wの搬出入を行うことができる。一方、収容器10の上部11を閉鎖した状態では、その内部を密閉空間とすることができる。
【0021】
昇降機構30は、処理槽20に貯留されている処理液に一組の複数の基板W(ロット)を浸漬させる機構である。昇降機構30は、リフター31と、リフターアーム32と、基板Wを保持する3本の保持棒33、34、35とを備えている。3本の保持棒33、34、35のそれぞれには基板Wの外縁部がはまり込んで基板Wを起立姿勢にて保持する複数の保持溝が所定間隔にてX方向に配列して設けられている。それぞれの保持溝は、切欠状の溝である。3本の保持棒33、34、35はリフターアーム32に固設され、リフターアーム32はリフター31によって鉛直方向(Z方向)に昇降可能に設けられている。
【0022】
このような構成により、昇降機構30は3本の保持棒33、34、35によってX方向に相互に平行に配列されて保持された複数の基板Wを処理槽20に貯留されている処理液に浸漬する位置(図1の実線位置)とその処理液から引き揚げた位置(図1の仮想線位置)との間で経路PTに沿って昇降させることができる。なお、リフター31には、リフターアーム32を昇降させる機構として、ボールネジを用いた送りネジ機構や、プーリやベルトを用いたベルト機構など種々の公知の機構を採用することが可能である。
【0023】
昇降機構30を図1の仮想線位置に位置させるとともに、収容器10の上部11を開放することにより、装置外部の基板搬送ロボットと昇降機構30との間で基板Wの受け渡しを行うことができる。
【0024】
また、処理槽20の外部には、開口部20Pの近傍に2本の第1供給ノズル40が設けられている。2本の第1供給ノズル40は、昇降機構30によって昇降される複数の基板Wの両側の側方のそれぞれに設けられている。第1供給ノズル40のそれぞれは、X方向に沿って伸びる中空の管状部材であり、X方向に等間隔にて配列された複数の吐出孔41を備えている。複数の吐出孔41のそれぞれは、吐出方向をオーバーフロー面と平行に向けるように形成されている。そして、第1供給ノズル40のそれぞれは、複数の吐出孔41から水平方向(Y方向)に向けてIPA蒸気、または不活性ガスである窒素ガスを吐出し、処理槽20の上方でかつ基板Wの昇降経路PTと交わる領域に、IPA蒸気、または窒素ガスの気流域を形成する気流域形成手段として機能する。
【0025】
さらに、収容器10の内部であって処理槽20の上端よりも外側上方には2本の第2供給ノズル50が設けられている。2本の第2供給ノズル50は、それぞれ第1供給ノズル40の下方に設けられている。第2供給ノズル50のそれぞれは、X方向に沿って伸びる中空の管状部材であり、X方向に等間隔にて配列された複数の吐出孔51を備えている。複数の吐出孔51のそれぞれは、吐出方向を処理槽20の開口部20Pに向けるように斜め下方に向けて形成されている。そして、第2供給ノズル50のそれぞれは、複数の吐出孔51から処理槽20の開口部20Pに向けて不活性ガスである窒素ガスを吐出し、処理槽20内に当該窒素ガスを流入する、不活性ガス流入手段として機能する。
【0026】
第1供給ノズル40および第2供給ノズル50には、収容器10外部の供給機構から、IPA蒸気や窒素ガス等を供給することができる。図3は、基板処理装置1の配管等の構成を示す模式図である。
【0027】
第1供給ノズル40は、IPA供給源42および窒素ガス供給源44と配管を介して接続されている。IPAバルブ43を開放することによって、IPA供給源42から第1供給ノズル40にIPA蒸気を供給することができる。第1供給ノズル40に供給されたIPA蒸気は、複数の吐出孔41のそれぞれから水平方向に、基板Wの主面に平行な流れを形成して吐出される。
【0028】
また、窒素ガスバルブ46を開放することによって、窒素ガス供給源44から第1供給ノズル40に窒素ガスを供給することができる。第1供給ノズル40に供給された窒素ガスは、複数の吐出孔41のそれぞれから水平方向に、基板Wの主面に平行な流れを形成して吐出される。
【0029】
すなわち、窒素ガスバルブ46を閉鎖してIPAバルブ43を開放すれば第1供給ノズル40から処理槽20のオーバーフロー面と平行にIPA蒸気を供給することができ、逆にIPAバルブ43を閉鎖して窒素ガスバルブ46を開放すれば処理槽20のオーバーフロー面と平行に窒素ガスを供給することができる。
【0030】
第2供給ノズル50は、窒素ガス供給源44と配管を介して接続されている。窒素ガスバルブ45を開放することによって、窒素ガス供給源44から第2供給ノズル50に窒素ガスを供給することができる。第2供給ノズル50に供給された窒素ガスは、複数の吐出孔51のそれぞれから処理槽20の開口部20Pに向けて、基板Wの主面に平行な流れを形成して吐出される。
【0031】
また、処理槽20の底部と装置外の排液ラインとは配管を介して接続されており、その配管には排液バルブ47が介挿されている。この排液バルブ47を開放すると、処理槽20内の処理液は処理槽20の底部から速やかに排出されることとなる。
【0032】
収容器10内と装置外の排気ラインとは配管を介して接続されており、その配管には排気バルブ48と排気(減圧)ポンプ49が介挿されている。排気バルブ48を開放して排気ポンプ49を駆動させることによって、収容器10内の雰囲気は排気されることとなる。
【0033】
なお、図3に示すIPAバルブ43、窒素ガスバルブ45、46、排液バルブ47、排気バルブ48および排気ポンプ49は、いずれも制御部60によってその動作が制御される。この制御部60および排液バルブ47が排水手段として機能することとなる。また、この制御部60、IPAバルブ43、および窒素ガスバルブ46が、第1供給ノズルの吐出切り替え手段として機能することとなる。
【0034】
<基板処理装置1における乾燥処理>
図4は、基板処理装置1における基板処理の動作を説明するフローチャートである。また、図5から図8は、基板処理装置1における処理の様子を説明する図である。以下に、上記の基板処理装置1の処理手順について図4から図8を参照しつつ説明する。
【0035】
上記の基板処理装置1において基板Wに処理を行うときは、まず、昇降機構30が図外の基板搬送ロボットから複数の基板Wを受け取る。そして、昇降機構30がX方向に相互に間隔を隔てて一括保持した複数の基板Wを降下させるとともに収容器10が密閉され、基板Wを処理槽20内に搬入するための開口部20Pから処理槽20に貯留された純水中に浸漬させる(ステップS1)。この段階においては、処理槽20に純水が供給され続けており、処理槽20の上端のオーバーフロー面からは純水が溢れ出し続けている。処理槽20から溢れ出した純水は、処理槽20の上端部外側に設けられた回収部によって回収され、装置外の排液ラインに排出される。
【0036】
ステップS2では、基板Wの洗浄処理を行う。ここでは、処理槽20に貯留された純水に複数の基板Wを浸漬した状態を維持しつつ、処理槽20に薬液または純水を順次供給することによりエッチングや洗浄処理を予め定められた順序に従って進行させる(図5の状態)。この段階においても、処理槽20の上端から薬液または純水が溢れ出し続けており、溢れ出した処理液は上記の回収部によって回収される。
【0037】
そして、図5の状態においては、図5中矢印FN41に示すように第1供給ノズル40から窒素ガスを水平方向に吐出するとともに、図4中矢印FN42に示すように第2供給ノズル50から窒素ガスを処理槽20の開口部20Pに向けて吐出する。これにより、収容器10の内部が窒素雰囲気となり、窒素雰囲気下で基板Wの処理が進行することとなる。
【0038】
基板Wに対する表面処理が進行すると、やがて最終の仕上洗浄処理に至る。本実施形態では、仕上洗浄処理も通常の洗浄処理と同じく、処理槽20に純水を貯留し、その純水中に複数の基板Wを浸漬することによって行われる。なお、最終の仕上げ洗浄処理の段階においても窒素ガスの供給が行われており、第1供給ノズル40および第2供給ノズル50から窒素ガスが吐出され、窒素雰囲気下にて仕上げ洗浄処理が行われる。
【0039】
ステップS3では、処理槽20に貯留された純水を排水する。すなわち、処理槽20内における基板Wの洗浄処理(ステップS2)が終了すると、図6に示すように、基板Wを処理槽20内に保持したまま、処理槽20内に貯留された純水を排水する。ここでも、図6中矢印FN51に示すように第1供給ノズル40から窒素ガスを水平方向に吐出するとともに、図6中矢印FN52に示すように第2供給ノズル50から窒素ガスを処理槽20の開口部20Pに向けて吐出することによって処理槽20内に窒素ガスを流入させる。これにより、純水中から露出した基板Wは窒素雰囲気で覆われることとなり、基板W表面におけるウォーターマークの発生を防止できる。
【0040】
また、上記のように処理槽20内で基板Wを保持した状態で排水して、処理槽20内の界面(水面)を低下させることで基板Wを収容器10内の雰囲気に露出させる場合には、純水から基板Wを引き揚げることで基板Wを露出させる場合に対して、引き揚げに伴う基板Wの揺れ(振動)が発生することがないため、界面付近で生じうる基板Wへのパーティクルの再付着を効果的に防止できる。特に、雰囲気への基板Wの露出速度を上げたい場合には、基板Wを保持して排水する方法が有効となる。
【0041】
ステップS4では、IPA蒸気の気流域AIを形成する。すなわち、処理槽20内の排水(ステップS3)が終了した後、第1供給ノズル40からIPA蒸気を処理槽20の上方で略水平方向に吐出し(図7中矢印FI)、収容器10の内部空間の一部の領域にIPA蒸気の気流域AI(図7の仮想線部)を形成する。このIPA蒸気の気流域AIは、第1供給ノズル40付近において吐出孔41の吐出方向に一定以上の流速を有するIPA蒸気のゾーンとなっている。なお、第2供給ノズル50からは、継続して窒素ガス流FN62を処理槽20内に供給する。
【0042】
ステップS5では、基板WがIPA蒸気の気流域AIを通過する。すなわち、昇降機構30を上昇方向(図7中矢印DW1の方向)に駆動し、相互に間隔を隔てた複数の基板Wを処理槽20から一括して引き揚げる。ここでは、図7に示すように、第1供給ノズル40により収容器10内の局所において形成されたIPA蒸気の気流域AIを複数の基板Wが下から上へと通過する。このように経路PT(図1参照)の一部について形成されるIPA蒸気の気流域AIにおいて、IPA蒸気が基板Wに直接的に吹き付けられる。この場合、混合気体でなく単一の気体つまりIPAのみが窒素ガスにさらされていた基板Wに作用し、基板Wの表面全体がIPAで覆われることとなる。
【0043】
このように気流域AIを基板Wが通過することにより、基板WにIPA蒸気を効率よく供給できるため、IPA蒸気の消費量が削減できる。すなわち、収容器10内の一部のスペースにIPA蒸気を重点的に供給するため、収容器10内全体にIPA蒸気を供給する従来の方法に比べて、IPAの消費量を著しく減少できることとなる。
【0044】
ステップS6では、窒素ガスの気流域ANを形成する。すなわち、基板WがIPA蒸気の気流域AIを通過し終えると、第1供給ノズル40より一定時間IPA蒸気の供給が継続された後、第1供給ノズル40からはIPA蒸気に替わって窒素ガスを水平方向に吐出し(図8中矢印FN71)、窒素ガスの気流域AN(図8の仮想線部)を形成する。窒素ガスのこの気流域ANは、IPA蒸気の気流域AIが存在していた領域と実質的に同一(すなわちほぼ重なる範囲)である。このように、基板Wの下方であり処理槽20の上方には、吐出孔41の吐出方向に一定以上の流速を有する窒素ガスの気流域ANが形成される。なお、この際、第2供給ノズル50からも、継続的に窒素ガス流FN72が処理槽20内に供給されている。
【0045】
ステップS7では、基板Wが窒素ガスの気流域ANを通過する。すなわち、昇降機構30を下降方向(図8中矢印DW2の方向)に駆動し、相互に間隔を隔てた複数の基板Wを再び処理槽20内へ一括して引き下げる。ここでは、図8に示すように、第1供給ノズル40により収容器10内の局所において形成された気流域ANを複数の基板Wが上から下へと通過する。このように経路PT(図1参照)の一部について形成される窒素ガスの気流域ANにおいて、窒素ガスが基板Wに直接的に吹き付けられ、複数の基板Wの表面に凝縮したIPAの液滴が気化されることとなる。
【0046】
このように気流域ANを基板Wが通過することにより、基板Wの表面に凝縮したIPAの液滴を効率よく気化するため、乾燥時間を短縮し、基板W表面の残留IPAによる乾燥不良を低減することができる。
【0047】
ステップS8では、減圧処理を行う。すなわち、基板Wが窒素ガスの気流域ANの下方まで引き下げられた後、第1供給ノズル40および第2供給ノズル50から窒素ガスを供給しつつ、排気ポンプ49を駆動し、IPA蒸気を収容器10外部に排気する。このとき、排気ポンプ49による排気流量よりも第1供給ノズル40および第2供給ノズル50からの窒素ガスの合計供給流量が少なくなるようにしておけば、収容器10内を窒素ガス雰囲気に置換しつつ減圧することができ、基板W表面に付着したIPAの沸点が低下して、IPAが急速に気化する。したがって、いわゆるIPAによる減圧乾燥が実行され、基板W表面に残留するIPAの液滴の気化をさらに促進する。
【0048】
ここで、基板Wが窒素ガスの気流域ANの下方に位置する状態で収容器10内を減圧することにより、収容器10内に残存し減圧により凝縮した有機溶剤の液滴が降下しても、不活性ガスの気流域ANにより遮られ、基板W付近にまでは達しない。したがって、この段階で減圧により凝縮した有機溶剤の液滴が、新たに基板W表面に付着することは抑制される。
【0049】
減圧乾燥が終了すると、窒素ガスの供給を続行しつつ、排気ポンプ49の動作を停止する。これにより、収容器10内が窒素ガス雰囲気で満たされ、大気圧にまで復圧することとなる。大気圧に復圧した後、第1供給ノズルおよび第2供給ノズル50からの窒素ガスの供給を停止する。
【0050】
ステップS9では、基板Wの引き揚げを行う。すなわち、基板Wを昇降機構30により引き揚げ、基板Wが図1中の仮想線位置にまで到達した時点で、昇降機構30が停止し、基板Wの引き上げが完了する。そして、基板Wは基板搬送ロボットに渡されて一連の処理が終了する。
【0051】
以上の基板処理装置1の動作により、基板WがIPA蒸気の気流域AIを通過し、基板Wに対して直接的にIPA蒸気を供給するため、IPAの供給量を削減でき、乾燥効率が向上する。また、その後基板Wが窒素ガスの気流域ANを通過することにより、基板Wに対して直接的に窒素ガスを供給するため、基板W表面に凝縮したIPAの液滴を効率よく気化させることができる。
【0052】
<変形例>
上記の実施形態については、窒素ガス供給源44から導かれる配管の経路途中にヒータを設け、該ヒータを作動させることによって加熱された高温の窒素ガスを、第1供給ノズル40または第2供給ノズル50から供給するようにしてもよい。
【0053】
【発明の効果】
以上のように、請求項1ないし請求項8に記載の発明によれば、洗浄処理が終了した基板を有機溶剤の気流域、不活性ガスの気流域の順で通過させるため、有機溶剤の消費量を削減でき、かつ水分と置換して基板表面に凝縮した有機溶剤の液滴を、効率よく気化することができる。さらには、基板表面に残留する有機溶剤の液滴による乾燥不良を低減することができる。
【0054】
請求項2に記載の発明によれば、処理槽内の純水の排水が終了した後に有機溶剤の蒸気の吐出を開始することにより、処理槽内の純水に有機溶剤が溶解することを抑制することができるため、排液中の有機溶剤濃度を低減でき、排液処理費用を軽減することができる。
【0055】
請求項3に記載の発明によれば、処理槽内に不活性ガスを流入しつつ、処理槽内の純水を排水するため、純水中から露出した基板が窒素雰囲気に覆われ、基板表面におけるウォーターマークの発生を抑制できる。
【0056】
請求項4に記載の発明によれば、気流域形成手段は、同一の気体吐出部から有機溶剤の蒸気と不活性ガスとを切り替えて吐出するようにすれば、吐出部の数を減らすことができるため、基板処理装置全体の構造を簡易化できる。
【0057】
請求項5に記載の発明によれば、基板が有機溶剤蒸気の気流域、不活性ガスの気流域の順で通過した後、不活性ガスの吐出を継続しつつ、収容器内を減圧することにより、収容器内に残留する有機溶剤の雰囲気を不活性ガスに置換しつつ減圧することができ、基板に付着した有機溶剤の沸点が低下して、有機溶剤の気化をさらに促進することができる。
【0058】
請求項6に記載の発明によれば、基板が不活性ガスの気流域の下方に位置する状態で、収容器内を減圧することにより、収容器内に残存し減圧により凝縮した有機溶剤の液滴が降下しても、不活性ガスの気流域により遮られ、基板付近にまでは達しない。したがって、減圧により凝縮した有機溶剤の液滴が、基板表面に付着することを抑制できる。
【0059】
請求項7に記載の発明によれば、高温の不活性ガスを生成し、供給するため、基板表面に凝縮した有機溶剤の液滴を、さらに効率よく気化することができる。
【0060】
請求項8に記載の発明によれば、有機溶剤の蒸気がイソプロピルアルコールの蒸気であるため、効率よく基板乾燥が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る基板処理装置1の正面図である。
【図2】図1のII−II位置から見た断面図である。
【図3】基板処理装置1の配管等の構成を示す模式図である。
【図4】基板処理装置1における基板処理の動作を説明するフローチャートである。
【図5】基板処理装置1における処理の様子を説明する図である。
【図6】基板処理装置1における処理の様子を説明する図である。
【図7】基板処理装置1における処理の様子を説明する図である。
【図8】基板処理装置1における処理の様子を説明する図である。
【図9】従来例に係る基板乾燥処理の様子を説明する図である。
【符号の説明】
1 基板処理装置
10 収容器
20 処理槽
30 昇降機構
40 第1供給ノズル
50 第2供給ノズル
AI IPA蒸気の気流域(有機溶剤の気流域)
AN 窒素ガスの気流域(不活性ガスの気流域)
W 基板
Claims (8)
- 基板の洗浄処理と乾燥処理とを行う基板処理装置であって、
純水を貯留し、純水中に基板を浸漬して洗浄処理を行う処理槽と、
前記処理槽を収容する収容器と、
前記処理槽内で基板が保持された状態で、前記処理槽内に貯留された純水を排水する排水手段と、
前記収容器内の一部に有機溶剤の蒸気を吐出して有機溶剤の気流域を形成するとともに、前記収容器内の一部に不活性ガスを吐出して不活性ガスの気流域を形成する気流域形成手段と、
基板を、前記収容器内において昇降させる昇降手段と、
前記処理槽内の純水によって基板を洗浄した後、前記昇降手段によって基板を移動させて有機溶剤の気流域と不活性ガスの気流域とを通過させる制御手段と、を備えることを特徴とする基板処理装置。 - 請求項1に記載の基板処理装置であって、
前記気流域形成手段は、
前記排水手段による前記処理槽からの純水の排水が終了した後に有機溶剤の蒸気の吐出を開始して有機溶剤の気流域を形成することを特徴とする基板処理装置。 - 請求項1または請求項2に記載の基板処理装置であって、
前記処理槽内に不活性ガスを流入させる不活性ガス流入手段
をさらに備え、
前記不活性ガス流入手段により前記処理槽内に不活性ガスを流入させつつ、前記排水手段が前記処理槽から純水を排水することを特徴とする基板処理装置。 - 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の基板処理装置であって、
前記気流域形成手段は、
前記収容器内に開口した気体吐出部と、
前記気体吐出部から吐出する気体を、有機溶剤の蒸気と不活性ガスとの間で切り替える吐出切り替え手段と
を備え、
前記制御手段は、
前記昇降手段によって基板を上昇させて、前記収容器内の所定の領域に形成させた有機溶剤の気流域を通過させた後に、前記吐出切り替え手段を不活性ガス側に切り替えて前記領域に不活性ガスの気流域を形成し、前記昇降手段によって基板を下降させて、不活性ガスの気流域を通過させることを特徴とする基板処理装置。 - 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の基板処理装置であって、
前記収容器内を減圧する減圧手段
をさらに備え、
基板が不活性ガスの気流域を通過した後、前記気流域形成手段からの不活性ガスの吐出を継続しつつ、前記減圧手段が前記収容器内の減圧を行うことを特徴とする基板処理装置。 - 請求項5に記載の基板処理装置であって、
前記減圧手段は、
基板が不活性ガスの気流域の下方に位置する状態で、前記収容器内を減圧することを特徴とする基板処理装置。 - 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の基板処理装置であって、
前記気流域形成手段および不活性ガス流入手段へ供給する不活性ガスを加熱して高温の不活性ガスを生成する、不活性ガス加熱手段
をさらに備えることを特徴とする基板処理装置。 - 請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の基板処理装置であって、
前記有機溶剤の蒸気は、イソプロピルアルコールの蒸気であることを特徴とする基板処理装置。
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