JP4001986B2 - プラスチック製光学レンズ - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学機器に用いられるプラスチック製の光学レンズに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、図4に示すプラスチック製光学レンズが知られており、8mmビデオの接眼レンズや、CD−ROMドライブの対物レンズ等に幅広く利用されている。この光学レンズ101は、成形金型を用いた射出成形、トランスファ成形等により製造される。すなわち、ゲートからキャビティ内に、PMMA(ポリメチルメタクリレート)等の溶融樹脂を流し込み、この樹脂を冷却して硬化させる。そして、樹脂が硬化した後、ゲート部分で硬化した余剰樹脂(以下、単に「ゲート」という)を除去した上で、適宜、表面処理を行うことにより光学レンズ101が完成する。
【0003】
このようなゲート処理に際しては、光学レンズ101の外周面104からゲート110のみを除去するのが理想的であるが、加工装置の加工精度や、大量生産のためのコストダウンに鑑みて、光学レンズ101の外周部の一部をゲート110と共に平面状に切断することによりゲート110を除去するのが一般的である。従って、製品としての光学レンズ101は、その外周面104に、ゲート110を除去することによってつくり出される平面状のゲート除去部105を有する。一方、このように、光学レンズをプラスチックにて形成した場合、プラスチック材料は吸湿性を有することから、光学レンズ101は、空気中に存在する水分(湿気)を、その内部に吸収する。この場合、水分は、レンズの外周面104から光学レンズ101の光軸線aに向かって放射線状にレンズ内部に吸収されていくことが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の光学レンズは、上述したように構成されているため、次のような課題をもっていた。
【0005】
すなわち、図3に示すように、光学レンズ101の外周部をゲート110と共に切断することにより、従来の光学レンズ101の外周面104には平面状のゲート除去部105が形成されるが、このゲート除去部105はレンズ101の本来の外周面104よりもレンズ光軸a側に奥まっていることから、レンズの外周面104がレンズ光軸aに対して点対称にはならない。この結果、ゲート除去部105を通り、光学レンズ101の光軸aを含む平面内では、図4に示すように、ゲート除去部105から、光透過が有効に行われる光学機能部102までの距離r1が、ゲート除去部105以外の外周面104から光学機能部102までの距離r2よりも短くなる。
【0006】
この状態で、光学レンズ101が空気中の水分(湿気)を吸収した場合、ゲート除去部105以外の外周面104からレンズ内部に吸収された水分は、光学機能部102まで達しないが、ゲート除去部105の表面からレンズ内部に吸収された水分は、レンズ表面から光学機能部102までの距離が短いことから、光学機能部102まで早く浸透してしまう。従って、ゲート除去部105付近の光学機能部102では、レンズ内部に吸収された水分に起因して密度が変化し、屈折率が高くなってしまうので、光学レンズ101の光学機能部102における屈折率が全体として均一にならない。このように、光学レンズの屈折率が均一にならない場合、収差に悪影響を及ぼし、期待した光学性能を得られないという問題がある。特に、この現象は、光学レンズの材料として広く用いられているPMMA(ポリメチルメタクリレート)で顕著に現れる。この場合、殆ど水分を吸収しない素材によって光学レンズを形成することも考えられるが、このような素材は高価であるため、製品としての光学レンズも高価なものになってしまう。
【0007】
そこで、本発明は、簡易かつ安価に構成でき、かつ、均一な屈折率をもって安定した光学性能を発揮する光学レンズを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明に係る光学レンズは、光学機能部の周囲にフランジ部を形成したプラスチック製光学レンズにおいて、フランジ部の外周面から突出するゲートを除去することにより、外周面に形成したゲート除去部と、プラスチックよりも吸湿性が小さい素材により形成され、ゲート除去部の表面を覆う吸湿調整膜とを備えたことを特徴とする。
【0009】
この光学レンズでは、ゲート除去部の表面が、光学レンズを形成するプラスチックよりも吸湿性が小さい素材からなる吸湿調整膜によって覆われているので、ゲート除去部からレンズ内部に吸収される水分の量は、ゲート除去部以外のレンズ外周面からレンズ内部に吸収される水分の量よりも少なくなる。これにより、ゲート除去部から光学機能部までの距離が短いにもかかわらず、吸湿調整膜を介してゲート除去部の表面からレンズ内部に吸収された水分が光学機能部にまで浸透する時間を全外周についてほぼ同一にすることができる。従って、ゲート除去部からレンズ内部に吸収される水分に起因して生じる光学機能部における密度の変化が防止され、光学レンズの屈折率を均一にすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面と共に本発明による光学レンズの好適な実施形態について詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明による光学レンズを示す斜視図である。図2は、図1におけるII−II線についての断面図である。これらの図面に示す光学レンズ1は、PMMA(ポリメチルメタクリレート)等のプラスチック樹脂を射出成形等することにより、例えば、直径3mm〜8mmのプラスチック製光学レンズとして製造される。これにより、光学レンズ1を安価に形成することができる。この光学レンズ1の中央部には、凸レンズとして機能する光学機能部2が設けられており、この領域で光透過が有効に行われる。また、光学機能部2の周囲には、8mmビデオやCD−ROMドライブ等の光学機器に設けられたレンズホルダ部(図示せず)に光学レンズ1を装着する際、基準面として機能するフランジ部3が形成されている。
【0012】
図1に示すように、フランジ部3の外周面4は円柱面として形成されているが、その一部は、平面状のゲート除去部5として形成される。このゲート除去部5は、射出成形等の際に形成されて外周面4から突出する図示しないゲート(ゲート部分で硬化した余剰樹脂を意味する)を除去することによりつくり出される。すなわち、光学レンズ1の外周面4から、いわゆるバリを突出させないために光学レンズ1のフランジ部3の一部をゲートと共に平面状に切断し、ゲート除去部5を形成している。従って、ゲート除去部5の表面は、光学レンズ1の本来の外周面4よりもレンズ光軸a側に奥まっている(図2参照)。
【0013】
光学レンズ1の外周面4からゲートを除去してゲート除去部5を形成するに際しては、NC加工装置等を介してエンドミル等の切削具を直線移動させ、フランジ部3の一部をゲートと共に平面状に切断する。ここで、フランジ部3を平面状に切断してゲート10を除去する場合、外径3mm〜8mmの光学レンズ1では、レンズ光軸a側の許容限界、すなわち、ゲート除去部5の表面から外周面4までの距離を0.3mm〜1mm程度とするのが一般的である。
【0014】
この光学レンズ1のゲート除去部5には、ゲート除去部5の表面全体を覆う吸湿調整膜6が設けられている。この吸湿調整膜6は、光学レンズ1を形成するPPMA等のプラスチック樹脂よりも吸湿性(吸水率)が小さい特性をもった素材により形成されている。吸湿調整膜6の素材としては、光学レンズ1を形成する材料よりも吸湿性が小さい特性をもった素材であれば、どのような素材であってもよく、例えば、紫外線硬化型樹脂、水ガラス等の素材が考えられる。また、光学レンズ1を形成する材料よりも吸湿性が小さい特性をもった素材を含有する塗料をゲート除去部4に塗布してもよい。いずれにしても、この吸湿調整膜6として、レンズ径、レンズの厚さ等に応じて任意の素材を選択することができる。
【0015】
ゲート除去部5に、吸湿防止膜6を形成するには、個々の光学レンズ1のゲート除去部5に樹脂等を塗布してもよいが、多数の光学レンズ1を並べ、ゲート除去部5の表面を平行においた状態で樹脂等を塗布していけば作業効率が向上すると共に、ゲート切断面5に吸湿調整膜6を備えた光学レンズ1を安価かつ容易に製造することができる。
【0016】
このように、この光学レンズ1では、ゲート除去部5の表面が光学レンズ1を形成するプラスチックよりも吸湿性が小さい素材からなる吸湿調整膜6によって覆われているので、吸湿調整膜6を介してゲート除去部5の表面からレンズ内部に吸収される水分の量は、ゲート除去部5以外の外周面4からレンズ内部に吸収される水分の量よりも少なくなる。これにより、ゲート除去部5から光学機能部2までの距離が短いにもかかわらず、吸湿調整膜6を介してゲート除去部5の表面からレンズ内部に吸収された水分が光学機能部2まで浸透する時間を全外周についてほぼ同一にすることができる。従って、ゲート除去部5からレンズ内部に吸収される水分に起因して生じる光学機能部2における密度の変化が防止され、光学レンズ1の屈折率を均一にすることができる。よって、光学レンズ1を、収差が低減されて安定した光学性能をもった光学レンズとすることができる。
【0017】
なお、上述した光学レンズ1では、平面状のゲート除去部5の表面に吸湿調整膜6を形成しているが、これに限られるものではない。例えば、ゲート除去部5を、ゲート側に張り出す概略2次曲面として形成した上で、吸湿調整膜6を設けてもよい。このような構成を採用すれば、ゲート除去部5の表面とレンズ光軸aとの距離を短くすることができるので、ゲート除去部5からレンズ内部に吸収される水分に起因して生じる光学機能部2における密度の変化がより効果的に防止され、光学レンズの屈折率を均一にすることができる。
【0018】
【発明の効果】
本発明による光学レンズは、以上説明したように構成されているため、次のような効果を得る。すなわち、ゲート除去部の表面を、光学レンズを形成するプラスチックよりも吸湿性が小さい素材からなる吸湿調整膜によって覆うことにより、ゲート除去部からレンズ内部に吸収される水分に起因して生じる光学機能部における密度の変化が防止され、光学レンズの屈折率を均一にすることができるので、簡易かつ安価に構成でき、かつ、均一な屈折率をもって安定した光学性能を発揮する光学レンズの実現が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光学レンズを示す斜視図である。
【図2】図1におけるII−II線についての断面図である。
【図3】従来の光学レンズを示す平面図である。
【図4】図4におけるIV−IV線についての断面図である。
【符号の説明】
1…光学レンズ、2…光学機能部、3…フランジ部、4…外周面、5…ゲート除去部、6…吸湿調整膜。
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学機器に用いられるプラスチック製の光学レンズに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、図4に示すプラスチック製光学レンズが知られており、8mmビデオの接眼レンズや、CD−ROMドライブの対物レンズ等に幅広く利用されている。この光学レンズ101は、成形金型を用いた射出成形、トランスファ成形等により製造される。すなわち、ゲートからキャビティ内に、PMMA(ポリメチルメタクリレート)等の溶融樹脂を流し込み、この樹脂を冷却して硬化させる。そして、樹脂が硬化した後、ゲート部分で硬化した余剰樹脂(以下、単に「ゲート」という)を除去した上で、適宜、表面処理を行うことにより光学レンズ101が完成する。
【0003】
このようなゲート処理に際しては、光学レンズ101の外周面104からゲート110のみを除去するのが理想的であるが、加工装置の加工精度や、大量生産のためのコストダウンに鑑みて、光学レンズ101の外周部の一部をゲート110と共に平面状に切断することによりゲート110を除去するのが一般的である。従って、製品としての光学レンズ101は、その外周面104に、ゲート110を除去することによってつくり出される平面状のゲート除去部105を有する。一方、このように、光学レンズをプラスチックにて形成した場合、プラスチック材料は吸湿性を有することから、光学レンズ101は、空気中に存在する水分(湿気)を、その内部に吸収する。この場合、水分は、レンズの外周面104から光学レンズ101の光軸線aに向かって放射線状にレンズ内部に吸収されていくことが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の光学レンズは、上述したように構成されているため、次のような課題をもっていた。
【0005】
すなわち、図3に示すように、光学レンズ101の外周部をゲート110と共に切断することにより、従来の光学レンズ101の外周面104には平面状のゲート除去部105が形成されるが、このゲート除去部105はレンズ101の本来の外周面104よりもレンズ光軸a側に奥まっていることから、レンズの外周面104がレンズ光軸aに対して点対称にはならない。この結果、ゲート除去部105を通り、光学レンズ101の光軸aを含む平面内では、図4に示すように、ゲート除去部105から、光透過が有効に行われる光学機能部102までの距離r1が、ゲート除去部105以外の外周面104から光学機能部102までの距離r2よりも短くなる。
【0006】
この状態で、光学レンズ101が空気中の水分(湿気)を吸収した場合、ゲート除去部105以外の外周面104からレンズ内部に吸収された水分は、光学機能部102まで達しないが、ゲート除去部105の表面からレンズ内部に吸収された水分は、レンズ表面から光学機能部102までの距離が短いことから、光学機能部102まで早く浸透してしまう。従って、ゲート除去部105付近の光学機能部102では、レンズ内部に吸収された水分に起因して密度が変化し、屈折率が高くなってしまうので、光学レンズ101の光学機能部102における屈折率が全体として均一にならない。このように、光学レンズの屈折率が均一にならない場合、収差に悪影響を及ぼし、期待した光学性能を得られないという問題がある。特に、この現象は、光学レンズの材料として広く用いられているPMMA(ポリメチルメタクリレート)で顕著に現れる。この場合、殆ど水分を吸収しない素材によって光学レンズを形成することも考えられるが、このような素材は高価であるため、製品としての光学レンズも高価なものになってしまう。
【0007】
そこで、本発明は、簡易かつ安価に構成でき、かつ、均一な屈折率をもって安定した光学性能を発揮する光学レンズを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明に係る光学レンズは、光学機能部の周囲にフランジ部を形成したプラスチック製光学レンズにおいて、フランジ部の外周面から突出するゲートを除去することにより、外周面に形成したゲート除去部と、プラスチックよりも吸湿性が小さい素材により形成され、ゲート除去部の表面を覆う吸湿調整膜とを備えたことを特徴とする。
【0009】
この光学レンズでは、ゲート除去部の表面が、光学レンズを形成するプラスチックよりも吸湿性が小さい素材からなる吸湿調整膜によって覆われているので、ゲート除去部からレンズ内部に吸収される水分の量は、ゲート除去部以外のレンズ外周面からレンズ内部に吸収される水分の量よりも少なくなる。これにより、ゲート除去部から光学機能部までの距離が短いにもかかわらず、吸湿調整膜を介してゲート除去部の表面からレンズ内部に吸収された水分が光学機能部にまで浸透する時間を全外周についてほぼ同一にすることができる。従って、ゲート除去部からレンズ内部に吸収される水分に起因して生じる光学機能部における密度の変化が防止され、光学レンズの屈折率を均一にすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面と共に本発明による光学レンズの好適な実施形態について詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明による光学レンズを示す斜視図である。図2は、図1におけるII−II線についての断面図である。これらの図面に示す光学レンズ1は、PMMA(ポリメチルメタクリレート)等のプラスチック樹脂を射出成形等することにより、例えば、直径3mm〜8mmのプラスチック製光学レンズとして製造される。これにより、光学レンズ1を安価に形成することができる。この光学レンズ1の中央部には、凸レンズとして機能する光学機能部2が設けられており、この領域で光透過が有効に行われる。また、光学機能部2の周囲には、8mmビデオやCD−ROMドライブ等の光学機器に設けられたレンズホルダ部(図示せず)に光学レンズ1を装着する際、基準面として機能するフランジ部3が形成されている。
【0012】
図1に示すように、フランジ部3の外周面4は円柱面として形成されているが、その一部は、平面状のゲート除去部5として形成される。このゲート除去部5は、射出成形等の際に形成されて外周面4から突出する図示しないゲート(ゲート部分で硬化した余剰樹脂を意味する)を除去することによりつくり出される。すなわち、光学レンズ1の外周面4から、いわゆるバリを突出させないために光学レンズ1のフランジ部3の一部をゲートと共に平面状に切断し、ゲート除去部5を形成している。従って、ゲート除去部5の表面は、光学レンズ1の本来の外周面4よりもレンズ光軸a側に奥まっている(図2参照)。
【0013】
光学レンズ1の外周面4からゲートを除去してゲート除去部5を形成するに際しては、NC加工装置等を介してエンドミル等の切削具を直線移動させ、フランジ部3の一部をゲートと共に平面状に切断する。ここで、フランジ部3を平面状に切断してゲート10を除去する場合、外径3mm〜8mmの光学レンズ1では、レンズ光軸a側の許容限界、すなわち、ゲート除去部5の表面から外周面4までの距離を0.3mm〜1mm程度とするのが一般的である。
【0014】
この光学レンズ1のゲート除去部5には、ゲート除去部5の表面全体を覆う吸湿調整膜6が設けられている。この吸湿調整膜6は、光学レンズ1を形成するPPMA等のプラスチック樹脂よりも吸湿性(吸水率)が小さい特性をもった素材により形成されている。吸湿調整膜6の素材としては、光学レンズ1を形成する材料よりも吸湿性が小さい特性をもった素材であれば、どのような素材であってもよく、例えば、紫外線硬化型樹脂、水ガラス等の素材が考えられる。また、光学レンズ1を形成する材料よりも吸湿性が小さい特性をもった素材を含有する塗料をゲート除去部4に塗布してもよい。いずれにしても、この吸湿調整膜6として、レンズ径、レンズの厚さ等に応じて任意の素材を選択することができる。
【0015】
ゲート除去部5に、吸湿防止膜6を形成するには、個々の光学レンズ1のゲート除去部5に樹脂等を塗布してもよいが、多数の光学レンズ1を並べ、ゲート除去部5の表面を平行においた状態で樹脂等を塗布していけば作業効率が向上すると共に、ゲート切断面5に吸湿調整膜6を備えた光学レンズ1を安価かつ容易に製造することができる。
【0016】
このように、この光学レンズ1では、ゲート除去部5の表面が光学レンズ1を形成するプラスチックよりも吸湿性が小さい素材からなる吸湿調整膜6によって覆われているので、吸湿調整膜6を介してゲート除去部5の表面からレンズ内部に吸収される水分の量は、ゲート除去部5以外の外周面4からレンズ内部に吸収される水分の量よりも少なくなる。これにより、ゲート除去部5から光学機能部2までの距離が短いにもかかわらず、吸湿調整膜6を介してゲート除去部5の表面からレンズ内部に吸収された水分が光学機能部2まで浸透する時間を全外周についてほぼ同一にすることができる。従って、ゲート除去部5からレンズ内部に吸収される水分に起因して生じる光学機能部2における密度の変化が防止され、光学レンズ1の屈折率を均一にすることができる。よって、光学レンズ1を、収差が低減されて安定した光学性能をもった光学レンズとすることができる。
【0017】
なお、上述した光学レンズ1では、平面状のゲート除去部5の表面に吸湿調整膜6を形成しているが、これに限られるものではない。例えば、ゲート除去部5を、ゲート側に張り出す概略2次曲面として形成した上で、吸湿調整膜6を設けてもよい。このような構成を採用すれば、ゲート除去部5の表面とレンズ光軸aとの距離を短くすることができるので、ゲート除去部5からレンズ内部に吸収される水分に起因して生じる光学機能部2における密度の変化がより効果的に防止され、光学レンズの屈折率を均一にすることができる。
【0018】
【発明の効果】
本発明による光学レンズは、以上説明したように構成されているため、次のような効果を得る。すなわち、ゲート除去部の表面を、光学レンズを形成するプラスチックよりも吸湿性が小さい素材からなる吸湿調整膜によって覆うことにより、ゲート除去部からレンズ内部に吸収される水分に起因して生じる光学機能部における密度の変化が防止され、光学レンズの屈折率を均一にすることができるので、簡易かつ安価に構成でき、かつ、均一な屈折率をもって安定した光学性能を発揮する光学レンズの実現が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光学レンズを示す斜視図である。
【図2】図1におけるII−II線についての断面図である。
【図3】従来の光学レンズを示す平面図である。
【図4】図4におけるIV−IV線についての断面図である。
【符号の説明】
1…光学レンズ、2…光学機能部、3…フランジ部、4…外周面、5…ゲート除去部、6…吸湿調整膜。
Claims (1)
- 光学機能部の周囲にフランジ部を形成したプラスチック製光学レンズにおいて、
前記フランジ部の外周面から突出するゲートを除去することにより、前記外周面に形成したゲート除去部と、
前記プラスチックよりも吸湿性が小さい素材により形成され、前記ゲート除去部の表面を覆う吸湿調整膜とを備えたことを特徴とするプラスチック製光学レンズ。
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JP26991197A JP4001986B2 (ja) | 1997-10-02 | 1997-10-02 | プラスチック製光学レンズ |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP26991197A JP4001986B2 (ja) | 1997-10-02 | 1997-10-02 | プラスチック製光学レンズ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH11109107A JPH11109107A (ja) | 1999-04-23 |
JP4001986B2 true JP4001986B2 (ja) | 2007-10-31 |
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ID=17478947
Family Applications (1)
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JP26991197A Expired - Fee Related JP4001986B2 (ja) | 1997-10-02 | 1997-10-02 | プラスチック製光学レンズ |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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