JP4000465B2 - 薄板状部品の積層接着構造 - Google Patents

薄板状部品の積層接着構造 Download PDF

Info

Publication number
JP4000465B2
JP4000465B2 JP2002330450A JP2002330450A JP4000465B2 JP 4000465 B2 JP4000465 B2 JP 4000465B2 JP 2002330450 A JP2002330450 A JP 2002330450A JP 2002330450 A JP2002330450 A JP 2002330450A JP 4000465 B2 JP4000465 B2 JP 4000465B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adhesive
thin plate
plate
ink
laminated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002330450A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004160874A (ja
Inventor
敦 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Brother Industries Ltd filed Critical Brother Industries Ltd
Priority to JP2002330450A priority Critical patent/JP4000465B2/ja
Priority to US10/446,465 priority patent/US6955420B2/en
Priority to EP03012089A priority patent/EP1366904B1/en
Priority to EP10186071A priority patent/EP2311639B1/en
Publication of JP2004160874A publication Critical patent/JP2004160874A/ja
Priority to US11/087,297 priority patent/US7311272B2/en
Application granted granted Critical
Publication of JP4000465B2 publication Critical patent/JP4000465B2/ja
Priority to US11/983,627 priority patent/US8523333B2/en
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットプリンタヘッドや電子部品等に使用される複数枚の薄板状部品を積層状にて接着固定する構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
先行技術のオンディマンド型のインクジェットプリンタヘッドにおいては、[特許文献1]の公報に記載されているように、キャビティユニットは、ノズルを列状に配置したノズルプレートと、この各ノズルごとの圧力室を備えたベースプレートと、その両プレートの間にあってインク供給源に接続され、且つ前記圧力室に連通するインク流路や、共通インク室(マニホールド室)を有する複数枚のプレートとを、接着剤を介して積層形成されており、このキャビティユニットの背面には、前記圧力室箇所に対応させて駆動用の圧電素子等の噴射圧力発生手段を固着したものである。
【0003】
そして、前記先行技術では、前記積層する上下のプレート(薄板状部品)の少なくとも一方のプレートの片面には、前記インク流路やマニホールド室のより外周位置に、接着剤を塗布する箇所に沿って細長い逃がし溝を凹み形成する。さらに、前記逃がし溝に連通し、且つ各プレートの板厚を貫通する貫通孔(但し、積層最下層の貫通孔の底を封止する)を設けることにより、前記複数枚のプレートを接着剤を介して積層し、加圧接合したとき、塗布された接着剤中や隣接するプレートの合わせ面に紛れ込んだ空気(気泡)を前記逃がし溝及び貫通孔を介してキャビティユニットの外に排出できるようにする。また、前記塗布した接着剤の余分のものも合わせ面同士で加圧されるときに逃がし溝及び貫通孔を介してキャビティユニットの外に排出することができる。しかも、逃がし溝が各プレートの外周縁に開口していないので、前記塗布した接着剤の層がシール層を兼用したとき、前記インク流路等からキャビティユニット外へのインクの漏出を防止できるというものであった。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−96478号公報(図7及び図8参照)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記接着剤の粘度が低い場合には、プレートの加圧接合作業時に、最上層のプレートの貫通孔から外に溢れ出し、加圧接合装置に接着剤が付着してしまうから、この溢れた接着剤の始末のために、余分の清掃作業を実行したりするメインテナンス作業を頻繁に行わなければならない。または、前記加圧接合作業に際して、接着剤付着防止のためのシートを加圧接合装置に敷設する等の余分の手間が掛かるという問題があった。
【0006】
このような問題は、パターンが小さい電子部品の組み立ての際にも起こり得るものであった。
【0007】
本発明は、このような問題を解消した薄板状部品の積層接着(固定)した構造を得ることを技術的課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この技術的課題を達成するため、請求項1に記載の発明の薄板状部品の積層接着構造は、所定のパターンの液体流路が少なくとも片面に形成された少なくとも1枚の薄板状部品を含む複数枚の薄板状部品を、接着剤を介して積層接着する構造において、前記液体流路より外周位置に、接着剤を塗布する箇所に沿って細幅の逃がし溝を、各薄板状部品の片面にのみ凹み形成し、該逃がし溝の一部に、該逃がし溝の幅を拡大し、且つその逃がし溝に沿って延在するように接着剤溜まり部を形成すると共に、前記逃がし溝に対向する各薄板状部品には、前記接着剤溜まり部と連通し、且つ当該薄板状部品の厚さ方向に貫通する空気逃がし孔を穿設し、前記各薄板状部品の空気逃がし孔を、相互の前記接着剤溜まり部に連通させると共に、その一端において積層最外層における少なくとも一方の面から外方へ開口させ、前記空気逃がし孔を前記接着剤溜まり部の幅の大きさと等しくなるように形成し、且つ薄板状部品の積層方向に延びる前記空気逃がし孔の軸線同士が互いに食い違い状に配置されているものである。
【0009】
【0010】
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の薄板状部品の積層接着構造において、前記薄板状部品は、複数のノズルを備えたインクジェットプリンタヘッド用のプレートであり、前記液体流路は、インク供給源から、前記各ノズルへインクを通過させるためのインク流路としたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面について説明する。図1〜図4は、本発明の実施形態及び参考例による圧電式インクジェットプリンタヘッドを示す。図1において、金属板製のキャビティユニット9に対して接合されるプレート型の圧電アクチュエータ20の上面には、外部機器との接続のために、フレキシブルフラットケーブル40が接着剤にて重ね接合されているものであり、最下層のキャビティユニット9の下面側に開口されたノズル15から下向きにインクが噴射するものとする。
【0013】
前記キャビティユニット9は、図2〜図4に示すように構成されている。すなわち、ノズルプレート10、二枚のマニホールドプレート11、12、スペーサプレート13及びベースプレート14の五枚の薄い板をそれぞれ接着剤にて重ね接合して積層した構造であり、実施形態では、合成樹脂製のノズルプレート10を除き、各プレート11、12、13、14は、42%ニッケル合金鋼板製で、50μm〜150μm程度の厚さを有する。前記ノズルプレート10には、微小径(実施形態では25μm程度)のインク噴出用のノズル15が、当該ノズルプレート10における第1の方向(長辺方向)に沿って2列の千鳥配列状に設けられている。即ち、ノズルプレート10の前記第1の方向に延びる2つの平行状の基準線10a、10bに沿って、微小ピッチPの間隔で千鳥状配列にて多数個のノズル15が穿設されている。前記二枚のマニホールドプレート11、12には、外部のインク供給源からのインクを溜めた後、後述する圧力室16にインクを供給するための共通インク室(マニホールド室)12a、12bが、前記ノズル15の列の両側に沿って延びるように穿設されている。但し、ノズルプレート10に対面する下側のマニホールドプレート11における共通インク室12bは、当該マニホールドプレート12の上側にのみ開放するように凹み形成されている(図3及び図4参照)。この共通インク室12a、12bは、上側のマニホールドプレート12に対する前記スペーサプレート13の積層により密閉される構造になっている。
【0014】
また、前記ベースプレート14には、その長辺(前記第1の方向)に沿う中心線に対して直交する第2の方向(短辺方向)に延びる細幅の圧力室16の多数個が穿設されている。そして、前記中心線を挟んで左右両側にて平行状の長手基準線14a、14bを設定すると、前記中心線より左側の圧力室16の先端流路16aは前記右側の長手基準線14a上に位置し、逆に前記長手中心線より右側の圧力室16の先端流路16aは前記左側の長手基準線14b上に位置し、且つこの左右の圧力室16の先端流路16aが交互に配置されているので、左右両側の圧力室16は一つおきに互いに逆方向に延びるように交互に配置されていることになる。
【0015】
この各圧力室16の先端流路16aは、前記ノズルプレート10における前記千鳥状配列のノズル15に、前記スペーサプレート13及び両マニホールドプレート11、12に同じく千鳥状配列にて穿設されているインク流路としての微小径の連通孔17、17、17を介して連通している。一方、前記各圧力室16の他端は、断面積の小さいインク流路としてのハーフエッチングされた細長い絞り部16dを介して直径が大きい他端流路16bに接続されており、他端流路16bは、前記スペーサプレート13における左右両側部位に穿設されたインク流路18を介して、前記両マニホールドプレート11、12における共通インク室12a、12bに連通している。なお、前記他端流路16b及び細長の絞り部16dは、図3及び図4に示すように、ベースプレート14の下面側にのみ開口するようにハーフエッチングにて凹み形成されているものであり、前記他端流路16bの直径は前記インク流路18の直径とほぼ等しく形成する。絞り部16dは圧電アクチュエータ20が駆動されたときに、圧力室16から共通インク室12a、12bへ向かうインクの圧力波を抑えるため、圧力室16よりも断面が小さくなっている。
【0016】
さらに、各圧力室16の長手方向に中途部には、ベースプレート14の板厚の半分程度の連設部16cを設けることにより、多数並設された圧力室16の側壁の剛性の低下を防止する。
【0017】
また、スペーサプレート13及びベースプレート14の一端に穿設された供給孔19a、19bは、相互に重なって前記共通インク室12aに連通している。そして、この供給孔19aの上面には、その上方のインクタンク(図示せず)から供給されるインク中の塵除去のためのフィルタ29が張設されている。
【0018】
次に、キャビティユニット9を組み立てる方法について説明する。図9に示すように、4枚のリードフレーム100a〜100dを積層して接着固定するものであり、各リードフレーム100a〜100dには、所定のパターンが形成された薄板状の部品としてのマニホールドプレート11、12、スペーサプレート13、ベースプレート14が一定間隔にて連設配置されるものとする。即ち、最下層となるリードフレーム100dには、前記実施形態におけるベースプレート14を一定間隔にて配置するように形成されている。なお、左右の細長いフレーム枠102、102の間は適宜間隔でタイバー104に連結されている。同様に、下から第2層のリードフレーム100cにはスペーサプレート13が前記と同じ間隔で形成されている。下から第3層のリードフレーム100bには、マニホールドプレート12が前記と同じ間隔で形成されている。また、最上層のリードフレーム100aには他方のマニホールドプレート11が前記と同じ間隔で形成されている。また、前記各リードフレーム100a〜100dにおけるフレーム枠102には適宜間隔にて位置決め孔105が形成されている。なお、各プレート11、12、13、14はフレーム枠102に対して微小幅の連設片106で連結されている。
【0019】
これらのリードフレームを積層する場合、図2に示すように、キャビティユニット9の使用状態(下面側にインクのノズルが開口される状態)と同じになるようにノズルプレート10を最下層に、べースプレート14を最上層になるようにリードフレーム100a〜100dを積層するか、またはその上下が逆になるように、各プレート10〜14を配置して積層させてよい(図5参照)。これらのとき、参考例としての図5、図6(a)及び図6(b)に示すごとく、上下に隣接するプレートの相対向する面のうちの片面に接着剤用の細幅の逃がし溝34、35を凹み形成する。図5では最下層のベースプレート14、下から第2層のスペーサプレート13及び第3のマニホールドプレート12の各々の片面に形成された接着剤用の逃がし溝34、35が上向きになるように配置されるものとする。
【0020】
また、前記逃がし溝34、35に連通する位置であって、且つ積層する各プレート12、13の平坦面における上下の同じ位置には、各プレート12、13の板厚を貫通して互いに上下方向に連通するように空気逃がし孔37、38を穿設する。最上層のマニホールドプレート11(またはベースプレート14が最上層になるときにはベースプレート14)には、空気逃がし孔37、38と連通する位置に開口部36が板厚を貫通して形成され、外部に開口されている。また、最下層のベースプレート14に形成される空気逃がし孔36aは前記逃がし溝34(35)とほぼ同じ深さ(板厚さの半分程度)で下面側には連通しない凹みとする(図5(a)及び図5(b)参照)。
【0021】
さらに、最上層のプレート11と最下層のプレート14とを除く中間層のプレート12、13における空気逃がし孔37、38の直径D2を少なくとも最上層のプレート11における開口部36の直径D1より大きく形成し、且つ逃がし溝34、35の幅よりも大きく形成することにより、積層時の接着剤41が各プレート11〜14の合わせ面に沿って移動するときに、前記中間層における大径の空気逃がし孔37、38は、接着剤41に混じった空気(気泡)の逃げ道を確保すると共に、各プレートの外周縁に接着剤41が漏出しないための接着剤溜まり部となるようにするものである(図5(b)参照)。
【0022】
そして、リードフレーム100a〜100dのプレートの積層面に予め接着剤41を塗布する。この接着剤41の塗布方法の一つとしては、治具の平坦面に予め接着剤41を薄く塗布しておき、この塗布面に前記リードフレーム100a〜100dのプレートの積層面を合わせることにより、例えば、ベースプレート14における逃がし溝34、35、圧力室16、他端流路16b、絞り部16d、空気逃がし孔36a等の凹所以外の平坦な凸面に接着剤41を転写することができる。接着剤41を塗布したローラ面に前記プレートの積層面を押し当てて転写するようにしても良い。
【0023】
次いで、位置決め孔105にピンを差し込み、最下層のリードフレーム100dと最上層のリードフレーム100aとに挟持力または押圧力を作用させて、加圧し、接着固定するものである。
【0024】
このようにして接着剤41を転写した複数枚のリードフレームを押圧して、各プレート11、12、13、14の広幅面を接着固定するとき、余分の接着剤41は前記逃がし溝34、35に流れ込み、次いで、さらに余分の接着剤41は、図5(b)に示すように、空気逃がし孔36a、37、38を充満させる。このとき、前記隣接するプレート11、12、13、14の合わせ面(広幅面)や接着剤41中に紛れ込んだ空気は、気泡となって前記横方向の逃がし溝34、35及び縦方向の空気逃がし孔36a、37、38中の接着剤41と共に移動して、開口部36からプレートの外に排出される。その結果、前記隣接するプレート11、12、13、14の合わせ面(広幅面)に気泡を含まない層状に形成された接着剤41によって安定した接着兼シール層を形成することができる。しかも、中間層における空気逃がし孔37、38の直径が開口部36よりも大きい、即ち空気逃がし孔の空洞体積(容積)が大きいから、余分の接着剤41が前記空気逃がし孔37、38内に溜まって、開口部36からキャビティユニット9の外へ流れ出す接着剤41の量を大幅に減少させることができる。
【0025】
なお、最下層のプレート14の空気逃がし溝36aも大径に形成しても良いが、逃がし溝35から大径の空気逃がし孔38に接着剤が流れ込むので、逃がし溝35の幅と同じ径でも良い。
【0026】
従って、最上層のプレートの開口部36から外に溢れ出し、加圧接合装置に接着剤が付着してしまうことが少なくなり、その始末のために、余分の清掃作業を実行したりするメンテナンス作業を行う回数も少なくできる。また、前記加圧接合作業に際して、接着剤付着防止のためのシートを加圧接合装置に敷設する交換頻度も少なくできるという効果を奏する。
【0027】
その後、最上層のマニホールドプレート11の上面にて前記空気逃がし孔36の箇所を接着剤等のシール剤38にて封止すると、マニホールドプレート11の上面が平滑な広幅面であり、この面でシールすることから、確実に前記シール剤にて塞ぐことができる。その結果、各プレート11、12、13、14におけるインク流路としての、共通インク室12a、12b、連通孔17、インク流路18、並びに各圧力室16や先端流路16a、他端流路16b等からキャビティユニット9の外部へのインクの漏出が確実に防止できるのである。
【0028】
なお、粘性の低い(液状の)接着剤41がプレート(ベースプレート14等を含む、以下同じ)の合わせ面のような狭い隙間を通る毛細管現象では、断面積の大きい箇所よりも毛細管力が大きい、断面積の小さい箇所の方に、先に接着剤41が引き寄せられるから、インク流路としての他端流路16bから圧力室16に連通する前記絞り部16dや連通孔17、インク流路18の各断面積よりも逃がし溝34、35の断面積を小さくなるように設定することで、プレートの合わせ面における接着剤41が前記各インク流路よりも先に逃がし溝34、35を介して空洞体積(容積)が大きい中間層における空気逃がし孔37、38に接着剤41を導き、インク流路が接着剤41で塞がれるのを防止できるのである。
【0029】
図7、図8(a)及び図8(b)に示す第1実施形態では、前記空気逃がし孔37、38の近傍の逃がし溝35の一部分に、幅すなわち平面視の面積が拡大形成された拡大接着剤溜まり部42を形成したものである。この拡大接着剤溜まり部42は各プレート12〜14の板厚の略半分程度をハーフエッチングして凹み形成したものである。空気逃がし孔の直径は、拡大接着剤溜まり部42の幅と同じであることが好ましいが、小さくても良い。前記接着剤41による接合時の中間層での余分の接着剤41が拡大接着剤溜まり部42に溜まるので、キャビティユニット9の外へ流れ出す接着剤41の量を大幅に減少させることができる。前記と同様のメンテナンス作業の頻度を少なくできる効果を奏する。
【0030】
また、前記第1実施形態の変形例として、上下に隣接するプレートにおける空気逃がし孔37、38、36の位置を互いにその軸線が一致しないように横にずらす(上下の空気逃がし孔のプレートの積層方向に延びる軸線同士が食い違うようにずらす)ものである。例えば、図7、図8(a)及び図8(b)に示す実施形態のように、最下層のプレート14における拡大接着剤溜まり部42の一部と平面視で重なる位置にその上層のプレート13における空気逃がし孔38を形成し、さらにそのプレート13における拡大接着剤溜まり部42の一部と平面視で重なる位置にその上層のプレート12における空気逃がし孔38を形成し、さらにそのプレート12における拡大接着剤溜まり部42の一部と平面視で重なる位置にその上層のプレート11における空気逃がし孔36を形成する場合、少なくとも上下に隣接する空気逃がし孔同士の軸線が横にずれて一致しないように設定するのである。
【0031】
このように前記上下の空気逃がし孔の位置が横にずれていると、プレート11〜14の合わせ面に塗布された接着剤41は、加圧接合時に逃がし溝34、35から拡大接着剤溜まり部42に流れ込んで溜まり、次いで各プレートの上下方向に貫通する空気逃がし孔を介して、上層のプレート側に移動するというようにジグザグ状に接着剤41が移動する。従って、粘性の小さい接着剤41が一気に上層のプレート側に到達せず、各層における拡大接着剤溜まり部42及び大径の空気逃がし孔37(38)に接着剤41を確実に捕捉して、キャビティユニット9の外への接着剤41のはみ出し量を少なくできる。
【0032】
以上のようにして接着固定されたリードフレーム100a〜100dから連設片106が切断されて、一体化されたキャビティユニット9が取り外される。その後ノズルプレート10を同じく接着剤にて固定する。このキャビティユニット9では、前記前記ベースプレート14及びスペーサプレート13の一端部に穿設の供給孔19a,19bから前記共通インク室12a、12b内に流入したインクは、この共通インク室12aから前記各インク流路18を通って前記各圧力室16内に分配されたのち、この各圧力室16内から前記連通孔17、17、17を通って、当該圧力室16に対応するノズル15に至るという構成になっている。
【0033】
一方、前記圧電アクチュエータ20は、図1及び図4に示すように、複数枚の圧電シート21を積層した構造で、特開平4−341853号公報に開示されたものと同様に、1枚の厚さが30μm程度の各圧電シート21のうち最下段の圧電シートとそれから上方へ数えて偶数番目の圧電シートの上面(広幅面)には、前記キャビティユニット9における各圧力室16に対応した箇所ごとに細幅の個別電極(図示せず)が、第1の方向(長辺方向)に沿って列状に形成され、各個別電極は前記第1の方向と直交する第2の方向に沿って各圧電シートの長辺の端縁部近傍まで延びている。下から奇数段目の圧電シートの上面(広幅面)には、複数個の圧力室16に対して共通のコモン電極(図示せず)が形成されており、最上段のトップシート23の上面には、その長辺の端縁部に沿って、前記個別電極の各々に対して電気的に接続される表面電極30と、前記各コモン電極に対して電気的に接続される表面電極31とが、設けられている(図1参照)。
【0034】
そして、このような構成のプレート型の圧電アクチュエータ20における下面(圧力室16と対面する広幅面)全体に、接着剤層としてのインク非浸透性の合成樹脂材からなる接着剤シート41aを予め貼着し、次いで、前記キャビティユニット9に対して、当該圧電アクチュエータ20が、その各個別電極を前記キャビティユニット9における各圧力室16の各々に対応させて接着・固定される(図4参照)。また、この圧電アクチュエータ20における上側の表面には、前記フレキシブルフラットケーブル40が重ね押圧されることにより、このフレキシブルフラットケーブル40における各種の配線パターン(図示せず)が、前記各表面電極30、31に電気的に接合される。
【0035】
この構成において、前記圧電アクチュエータ20における各個別電極24のうち任意の個別電極と、コモン電極との間に電圧を印加することにより、圧電シート21のうち前記電圧を印加した個別電極の部分に圧電による積層方向の歪みが発生し、この歪みにて前記各個別電極に対応する圧力室16の内容積が縮小されることにより、この圧力室16内のインクが、ノズル15から液滴状に噴出して、所定の印字が行われる(図4参照)。
【0036】
前記各実施形態及び参考例では、インクジェットヘッドの組み立てに適用したが、電子部品の組み立てに際しても複数枚のリードフレーム等の薄板状部品であって、液体流路が所定パターンで少なくとも片面に形成された薄板状部品が少なくとも一枚あるときの複数枚の薄板状部品の積層固定の構造に対して最適なものである。また、インクジェットヘッドに適用する場合、アクチュエータとして圧電素子以外に加熱素子を使用することもできる。
【0037】
【発明の作用・効果】
以上に説明したように、請求項1に記載の発明の薄板状部品の積層接着構造は、所定のパターンの液体流路が少なくとも片面に形成された少なくとも1枚の薄板状部品を含む複数枚の薄板状部品を、接着剤を介して積層接着する構造において、前記液体流路より外周位置に、接着剤を塗布する箇所に沿って細幅の逃がし溝を、各薄板状部品の片面にのみ凹み形成し、該逃がし溝の一部に、該逃がし溝の幅を拡大し、且つその逃がし溝に沿って延在するように接着剤溜まり部を形成すると共に、前記逃がし溝に対向する各薄板状部品には、前記接着剤溜まり部と連通し、且つ当該薄板状部品の厚さ方向に貫通する空気逃がし孔を穿設し、前記各薄板状部品の空気逃がし孔を、相互の前記接着剤溜まり部に連通させると共に、その一端において積層最外層における少なくとも一方の面から外方へ開口させたものである。従って、薄板状部品の合わせ面(広幅面)や接着剤中に紛れ込んだ空気は、気泡となって前記合わせ面や横方向の逃がし溝及び縦方向の空気逃がし孔中の接着剤と共に移動して、薄板状部品の外に排出される。その結果、前記隣接する薄板状部品の合わせ面(広幅面)に層状に形成された接着剤の層によって、安定した接着兼シール層を形成することができる。
【0038】
そして、本発明では、逃がし溝の一部に、該逃がし溝の幅を拡大し、且つその逃がし溝に沿って延在するように接着剤溜まり部を形成したものであるから、前記接着剤による接合時の中間層での余分の接着剤が、容積の拡大された接着剤溜まり部に溜まるので、キャビティユニットの外へ流れ出す接着剤の量を大幅に減少させることができる。それ故、最上層の薄板状部品の空気逃がし孔から外に溢れ出し、加圧接合装置に接着剤が付着してしまうことが少なくなり、その始末のために、余分の清掃作業を実行したりするメンテナンス作業を行う回数も少なくできる。また、前記加圧接合作業に際して、接着剤付着防止のためのシートを加圧接合装置に敷設する交換頻度も少なくできるという効果を奏する。
【0039】
【0040】
【0041】
さらに、本発明では、前記空気逃がし孔を前記接着剤溜まり部の幅の大きさと等しくなるように形成し、且つ薄板状部品の積層方向に延びる前記空気逃がし孔の軸線同士が互いに食い違い状に配置されているものであるので、薄板状部品の合わせ面に塗布された接着剤は、加圧接合時に逃がし溝から幅が拡大した接着剤溜まり部に流れ込んで溜まり、次いで各薄板状部品の上下方向に貫通する空気逃がし孔を介して、隣接層の薄板状部品側に移動するというようにジグザグ状に接着剤が移動する。従って、粘性の小さい接着剤が一気に最外層の薄板状部品側に到達せず、各層における逃がし溝、拡大接着剤溜まり部及び空気逃がし孔に接着剤を確実に捕捉して、キャビティユニットの外への接着剤のはみ出し量を少なくできる。
【0042】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の薄板状部品の積層接着構造において、前記薄板状部品は、複数のノズルを備えたインクジェットプリンタヘッド用のプレートであり、前記液体流路は、インク供給源から、前記各ノズルへインクを通過させるためのインク流路としたものである。従って、インクジェットプリンタヘッド用のプレートの積層作業時に最上層から接着剤が多量にはみ出さないようにして周囲を汚さない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態及び参考例による圧電式インクジェットプリンタヘッドを示す分解斜視図である。
【図2】キャビティユニットの分解斜視図である。
【図3】キャビティユニットの分解部分的拡大斜視図である。
【図4】図1のIV−IV線矢視拡大断面図である。
【図5】参考例におけるノズル側を上にして配置した各プレートの逃がし溝及び空気逃がし孔を示す分解斜視図である。
【図6】(a)は積層に先立つ接着剤塗布状態を示す逃がし溝、空気逃がし孔等の断面図、(b)は各プレートの積層接着状態を示す断面図である。
【図7】第1実施形態における逃がし溝、拡大接着剤溜まり部、空気逃がし孔等を示す要部拡大斜視図である。
【図8】(a)は第1実施形態における積層に先立つ接着剤塗布状態を示す逃がし溝、空気逃がし孔等の断面図、(b)は各プレートの積層接着状態を示す断面図である。
【図9】本案のリードフレームの積層を示す斜視図である。
【符号の説明】
9 キャビティユニット
10 ノズルプレート
11、12 マニホールドプレート
13 スペーサプレート
14 ベースプレート
15 ノズル
16 圧力室
16b 他端流路
16d 絞り部
17 連通孔
18 インク流路
20 圧電アクチュエータ
34、35 逃がし溝
37、38 空気逃がし孔
36 開口部
41 接着剤
42 拡大接着剤溜まり部

Claims (2)

  1. 所定のパターンの液体流路が少なくとも片面に形成された少なくとも1枚の薄板状部品を含む複数枚の薄板状部品を、接着剤を介して積層接着する構造において、
    前記液体流路より外周位置に、接着剤を塗布する箇所に沿って細幅の逃がし溝を、各薄板状部品の片面にのみ凹み形成し、
    該逃がし溝の一部に、該逃がし溝の幅を拡大し、且つその逃がし溝に沿って延在するように接着剤溜まり部を形成すると共に、
    前記逃がし溝に対向する各薄板状部品には、前記接着剤溜まり部と連通し、且つ当該薄板状部品の厚さ方向に貫通する空気逃がし孔を穿設し、
    前記各薄板状部品の空気逃がし孔を、相互の前記接着剤溜まり部に連通させると共に、その一端において積層最外層における少なくとも一方の面から外方へ開口させ、
    前記空気逃がし孔を前記接着剤溜まり部の幅の大きさと等しくなるように形成し、且つ薄板状部品の積層方向に延びる前記空気逃がし孔の軸線同士が互いに食い違い状に配置されている
    ことを特徴とする薄板状部品の積層接着構造。
  2. 前記薄板状部品は、複数のノズルを備えたインクジェットプリンタヘッド用のプレートであり、前記液体流路は、インク供給源から、前記各ノズルへインクを通過させるためのインク流路であることを特徴とする請求項1に記載の薄板状部品の積層接着構造。
JP2002330450A 2002-05-28 2002-11-14 薄板状部品の積層接着構造 Expired - Fee Related JP4000465B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002330450A JP4000465B2 (ja) 2002-11-14 2002-11-14 薄板状部品の積層接着構造
US10/446,465 US6955420B2 (en) 2002-05-28 2003-05-27 Thin plate stacked structure and ink-jet recording head provided with the same
EP03012089A EP1366904B1 (en) 2002-05-28 2003-05-28 Thin plate stacked structure and ink-jet recording head provided with the same
EP10186071A EP2311639B1 (en) 2002-05-28 2003-05-28 Thin plate stacked structure and ink-jet recording head provided with the same
US11/087,297 US7311272B2 (en) 2002-05-28 2005-03-22 Thin plate stacked structure and ink-jet recording head provided with the same
US11/983,627 US8523333B2 (en) 2002-05-28 2007-11-09 Thin plate stacked structure and ink-jet recording head provided with the same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002330450A JP4000465B2 (ja) 2002-11-14 2002-11-14 薄板状部品の積層接着構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004160874A JP2004160874A (ja) 2004-06-10
JP4000465B2 true JP4000465B2 (ja) 2007-10-31

Family

ID=32808136

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002330450A Expired - Fee Related JP4000465B2 (ja) 2002-05-28 2002-11-14 薄板状部品の積層接着構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4000465B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4662027B2 (ja) 2004-12-22 2011-03-30 ブラザー工業株式会社 インクジェットヘッド及びその製造方法
JP4333584B2 (ja) 2005-01-07 2009-09-16 ブラザー工業株式会社 インクジェットヘッド
JP2009056601A (ja) * 2007-08-29 2009-03-19 Seiko Epson Corp 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JP2012187716A (ja) 2011-03-08 2012-10-04 Toshiba Tec Corp インクジェットヘッドおよびインクジェットヘッドの製造方法
JP2022130973A (ja) 2021-02-26 2022-09-07 ブラザー工業株式会社 液体吐出ヘッド

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004160874A (ja) 2004-06-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7311272B2 (en) Thin plate stacked structure and ink-jet recording head provided with the same
JP3951119B2 (ja) インクジェットプリンタヘッド
US6536879B2 (en) Laminated and bonded construction of thin plate parts
JP2004106395A (ja) インクジェットプリンタヘッド
JP4224822B2 (ja) インクジェットプリンタヘッド
JP2004174827A (ja) インクジェットプリンタヘッド及びそのためのヘッドユニット
JP2002036545A (ja) インクジェットプリンタヘッド及びその製造方法
US7690770B2 (en) Sheet-member stacked structure, lead frame, lead-frame stacked structure, sheet-member stacked and adhered structure, and ink jet printer head
JP2002096478A (ja) 薄板状部品の積層接着構造
JP4000465B2 (ja) 薄板状部品の積層接着構造
JP3812309B2 (ja) インクジェットプリンタヘッド
JP4329376B2 (ja) インクジェットヘッド及びその製造方法
EP1506870B1 (en) Inkjet head
JP2002105410A (ja) 薄板状部品の積層接着方法
JP4390038B2 (ja) 薄板状部品の積層接着構造
JP4259470B2 (ja) インクジェットプリンタヘッドの製造方法
JP3937152B2 (ja) インクジェットプリンタヘッドの製造方法
JP2003011356A (ja) インクジェットプリンタヘッド
JP3719169B2 (ja) インクジェットプリンタヘッド
JP2005028641A (ja) リードフレームの構造
JP4553111B2 (ja) 薄板状部品の積層接着構造
JP4661120B2 (ja) インクジェットヘッドの製造方法
JP4754775B2 (ja) インクジェットプリンタヘッド
JP2005040990A (ja) 薄板状部品の積層接着構造
JP3815228B2 (ja) 圧電式インクジェットプリンタヘッド

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040930

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061117

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061122

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070122

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070718

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070731

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100824

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4000465

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110824

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120824

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120824

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130824

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees