JP3997646B2 - 電池の残存容量演算方式 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気自動車などににおける電池の残存容量演算方式に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえばEV自動車に用いられる電池は、メモリ効果や電池劣化などによる電池の放電特性変化をもつので、放電電圧Vと積算充放電量Ahとの関係を示す放電特性を学習しておき、この放電特性に積算充放電量(単に充放電量ともいう)Ahを代入して今後放電可能な残存容量を算出する残存容量算出方式(放電特性式残存容量算出方式)が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述の方式における充放電量Ahは、電池の充放電電流を逐次検出してこれを初期値に無限に累算(積算)する方法であるため、次第に積算誤差が累積してしまい、その結果、この積算誤差による残存容量の直接の変動の他に、推定放電特性がこの積算誤差により変形してしまうために残存容量推定誤差が生じてしまう。
【0004】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、電流積算誤差による残存容量の推定誤差低減が可能な電池の残存容量演算方式を提供することをその目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題の解決のためになされたこの発明の電池の残存容量演算方式によれば、充放電電流を積算(累算)して得た充放電量Ahと予め学習し、記憶する放電特性(放電電圧Vと充放電量Ahとの関係)とに基づいて、残存容量を演算する。
【0006】
具体的に一例を挙げれば、満充電状態を基準としての充放電量Ahより深放電側の上記放電特性により規定される領域の面積を積分することにより今後放電可能な残存容量を電力量の形態で得ることができる。
(放電特性学習の一例)
電池は劣化やメモリ効果などにより充放電の繰り返しとともにその放電特性が変化する。そこで上述した放電特性の学習の一例として初期放電特性から今回の放電特性を学習する例について以下に説明する。
【0007】
まず予め、電池の初期放電特性を記憶しておく。次にこの初期放電特性を放電量Ahの減少方向へ圧縮して今回の放電特性を求める。たとえば、所定の放電量Ah’の点から現在の放電電圧V、放電量Ahの点までの放電量Ahの変化量ΔAhを求め、所定の放電量Ah’の点から初期放電特性上にて放電電圧Vに対応する初期放電量Ahiniまでの初期放電量Ahiniの変化量ΔAhiniを求め、両変化量の比K(=ΔAh/Ahini)を求め、残存放電可能電力量を、初期放電特性の初期放電量Ahiniに比率を掛けて放電量Ahとした今回の放電特性を求める。したがって、この今回の放電特性の現在の座標点から所定の放電終止電圧値までの放電領域の面積を積分すれば残存放電可能電力量を求めることができる。
【0008】
この初期放電特性の放電量軸圧縮操作による今回の放電特性の学習は、同じ電池においては、初期放電特性でも、電池劣化が生じた放電特性でも、各放電電圧Vにおいて比K(=ΔAh/Ahini)はほぼ等しいという本出願人になされた実験結果およびその解析を基礎とする知見に基づくものである。なお、この実験結果およびその解析については、本出願人により出願中の特願平10−246760号公報を参照されたい。
【0009】
なお、メモリ効果をもつ電池に所定の残存放電可能電力量が残っている状態で所定量の充電がなされた場合には、充電終了後に充電により増加した電荷がすべて放電した後、検出した放電電圧Vmafterと、充電前の放電電圧Vmbeforeとの差であるメモリ効果電圧低下量ΔVmを求めることができる。そして、この時点の放電量Ahよりも深放電側の放電特性を放電電圧軸に平行にこのメモリ効果電圧低下量ΔVmだけ減らせばよい。これにより、メモリ効果を読み込んだ放電特性を学習することができる。
【0010】
なお、この操作は、電池劣化による容量低下は電池の内部抵抗の増大に起因し、メモリ効果による容量低下は電池の起電力の低下に起因すると考えることができるので、同じ電池においては、充電終了後に充電により増加した電荷がすべて放電した後の時点において、上記充電とその後の放電による電池劣化を無視すれば、充電直前の所定の放電量Ahにおける放電電圧Vの値Vmbeforeと充電後の上記所定の放電量Ahにおける放電電圧の値Vmafterとの差をメモリ効果による電池の起電力の低下とみなすことができるという本出願人になされた実験結果およびその解析を基礎とする知見に基づくものである。なお、この実験結果およびその解析については、本出願人により出願中の特願平10−246760号公報を参照されたい。
【0014】
請求項1記載の電池の残存容量演算方式によれば、積算誤差が所定のしきい値を超えて増大した可能性が生じた後、満充電状態に達することなく所定の期間が経過した場合に、直前の満充電状態以降の最も深放電状態である座標点よりも深放電側の放電特性上の座標点である深放電座標点における充放電量値Ahd’と、この深放電座標点における放電電圧の値に等しい放電電圧を検出した場合における充放電量Ahの値Ahdとの差を深放電状態積算誤差として算出し、この深放電状態積算誤差に基づいて放電特性を修正する。
【0015】
このようにすれば、積算誤差が所定のしきい値を超えて増大した可能性が生じた後、満充電状態に達することなく所定の期間が経過した場合における深放電時でも、積算誤差による放電特性の変形による残存容量推定誤差を低減できる。
なお、上記深放電状態積算誤差は、本当に積算誤差であるのか、又は、メモリ効果によるものかが不明である。しかしながら、どちらにせよ、現実にこのような深放電時による積算誤差を、回復可能なメモリ効果による一時的な容量減少ではなく現実の積算誤差とすることにより、残存容量を誤って過大に推定することがなくなり、電池の過放電を防止することができる。
【0016】
請求項2記載の構成によれば請求項1記載の電池の残存容量演算方式において更に、放電特性上の前記深放電座標点を最深放電状態積算誤差だけ放電量軸と平行にシフトする。
このようにすれば、簡単に放電特性の修正を行うことができる。
請求項3記載の構成によれば請求項1又は2記載の電池の残存容量演算方式において更に、充放電量Ahの現在値と放電電圧Vの現在値とにより規定される現座標点が、記憶する放電特性よりも高容量側の空間領域に存在する場合にシフトを実行する。
【0017】
すなわち、メモリ効果による放電特性の変形は記憶する放電特性より容量低下側(低容量側)に出現するため、高容量側に出現する積算誤差(座標点の学習、記憶する放電特性からのシフト)は確実に単なる積算誤差であるとして放電特性のシフトを行うことができる。
請求項4記載の構成によれば請求項1乃至3のいずれか記載の電池の残存容量演算方式において更に、充放電量Ahの現在値と放電電圧Vの現在値とにより規定される現座標点が、記憶する放電特性と、放電特性に所定のメモリ効果を加味したメモリ効果付き放電特性との間の領域にある場合に、放電特性の前記シフトを行わない。
【0018】
すなわち、この場合には、上記積算誤差はメモリ効果によるシフトである可能性が高く、放電により回復可能であるので、この積算誤差による恒久的な放電特性の修正は行わない。
これによりメモリ効果による一時的な容量低減すなわち放電特性変形を積算誤差と誤って推定して放電特性を誤って修正する可能性を低減することができる。
【0019】
請求項5記載の構成によれば請求項1乃至4のいずれか記載の電池の残存容量演算方式において更に、充放電量Ahの現在値と放電電圧Vの現在値とにより規定される現座標点が、放電特性に所定のメモリ効果を加味したメモリ効果付き放電特性よりも低容量側の空間領域にある場合に、現座標点をメモリ効果付き放電特性上の等放電電圧の座標点まで放電量軸と平行にシフトする。
【0020】
すなわち、座標点がメモリ効果付き放電特性を超えて更に低容量側に異常にシフトすることはメモリ効果とは無関係であり、積算誤差に起因すると考えてよいので、積算誤差とみなして放電特性の前記シフトにより修正を行う。
これにより、積算誤差による放電特性の補正を一層良好に行うことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の電池の残存容量演算方式の好適な実施形態を図面に沿って以下に説明する。
【0023】
【実施例】
(装置構成)
図1は、本発明に係るハイブリッド車用の電池劣化度判定装置の一例を示すブロック図である。
1は電池、2はハイブリッド車の回転電機を含む動力伝達処理要素であって、エンジン及び車両駆動軸に連結されてそれらと電池との間で電力の形態でエネルギー授受を行う。3は、電池1に対して入出力する直流電力と、動力伝達処理要素2に対して入出力する交流電力との変換を行う双方向電力変換装置である。これら動力伝達処理要素2や双方向電力変換装置3の構成は周知であり、かつ、本発明の要旨でもないので更に詳しい説明は省略する。
【0024】
電池1は、多数のNiーMH電池を直列接続してなる組み電池からなり、電流センサ5はその充放電電流を検出し、この充放電電流Aは電池1の出力電圧V1〜Vnとともにマイコン構成のコントローラ4に入力される。
電池1は、多数のNiーMH電池を直列接続してなる組み電池からなり、個々の電圧V1〜Vnはコントローラ4に入力される。また、電流センサ5はその充放電電流を検出し、検出した電流は前記電圧と同様にマイコン構成のコントローラ4に入力される。
(残存容量演算動作)
以下、図2に示すフローチャートを参照して、この実施例の残存容量算出ルーチンを説明する。
【0025】
(ステップS100)
まず、放電電圧V、充放電電流Aを検出し、それに前回の充放電量A検出時から充放電電流Aを積分して前回の充放電量に累算(充電で加算、放電で減算)することにより前回の満充電状態を基準(0)とする今回の充放電量Ahを累算する。
【0026】
また、検出した放電電圧V1〜Vnのうちの最小値を代表放電電圧として選択する。これは電池の転極などを防止するためである。更に、この代表放電電圧を基準放電電力(この実施例では2kW)放電時の放電電圧(以下Vという)に換算する。この換算は、次のように行う。
まず、電池の内部抵抗rと開放電圧とを求める。内部抵抗rは、たとえば放電電圧Vと放電電流Aとの特性上におけるV−I特性におけるΔV/ΔAとして求めることができる。次に、検出した放電電流Aと内部抵抗rを掛けて電池の内部抵抗rを掛けてその電圧降下を求め、開放電圧を求める。このようにして求めたモデル電池が所定の基準放電電力(ここでは2kW)を放電する場合の電池の出力電圧を今回の放電電圧Vとする。
【0027】
(ステップS102)
次に、前回の放電特性修正ルーチンの実行からの累計放電量が所定のしきい値に達したかどうかを判定し、達したら、真の放電特性と、残存容量算出に用いる記憶放電特性との間の誤差が大きいと判断してステップS110へ進んで放電特性の修正を行い、達していなければ上記誤差はまだ小さいと判断してステップS103へ進んで残存容量の算出処理を行う。
【0028】
なお、この実施例では、上記両放電特性間のずれの大小の判定は放電量の累計値が所定のしきい値を超えたかどうかで判定したが、その他や、充回数の累計値、前回の放電特性修正時点からの充放電時間の累計値や、またはそれらの組み合わせなどで判定を行ってもよい。
(ステップS103)
次に、満充電かどうかを調べ、満充電の場合には、ステップS114へ進んで上記放電特性間の誤差の修正を行い、そうでなければステップS104へ進む。
【0029】
なお、満充電の判定には種々の方式があるが、ここでは、放電電圧Vの放電量Ahに対する変化量dV/dAhのピーク値を検出した場合に満充電と判定する方法を採用する。
(ステップS104)
このステップでは、充電中かどうかを調べ、充電中でなければステップS107へ進み、充電中であれば残存容量算出は行わず、ステップS105で充電開始直後かどうかを調べ、そうであればその時の充放電量Ahを、充電開始時点の充放電量AHo=Qdoとして記憶して(S106)、S100へ戻り、そうでなければ直接戻る。
【0030】
(ステップS107)
このステップでは充電分極が解消したかどうかを調べ、解消していないと判断した場合にはS108へ進み、解消したと判断した場合にはS109へ進む。
なお、上記充電分極の解消したかどうかは、今回の放電量がその前の充電開始点における充放電量Ahである充電開始時点充放電量AHo=Qdo(ステップS104で算出)に達したかどうかで判断する。
又は、上記充電分極の解消したかどうかを、前回の満充電以降の最深放電点にまで放電により達したかで判断してもよい。
【0031】
(ステップS108)
このステップでは、まだ前回の充電時における充電分極が解消していないので、現在記憶する放電特性において予め算出し、記憶する満充電時の残存容量から今回の充放電量Ahを差し引いて今回の残存容量とする。
なお、記憶する放電特性からの満充電時の残存容量の算出は、上記放電特性において満充電時から所定の放電終止電圧値までの領域において、放電電力(V・Ah)を積分して求めればよい。
【0032】
(ステップS109)
このステップでは、前回の充電時における充電分極が解消しているので、現在記憶する放電特性を修正し、この修正した放電特性から残存容量を算出する。
この残存容量算出ルーチン2を図3に示すフローチャートを参照して更に説明する。
【0033】
(ステップS200)
まず、充電分極解消直後かどうか、すなわち今回の放電量が前回の充電開始点の充放電量Ahに等しい点まで放電されたかどうかを調べ、そうであればメモリ効果による放電電圧の低下量ΔVを求めるためにステップS202、S204を経由してステップS206へ進み、充電分極解消直後ではなく更に放電が深くなっていれば直接ステップS206へ進む。
【0034】
(ステップS202)
このステップでは、予め記憶する初期放電特性上における今回の充放電量Ah(充電開始点の充放電量Qdoともいう)に対応する放電電圧放電電圧Vbeforeと、今回検出した放電電圧V(=Vqdo)との差ΔVを算出してこれをメモリ効果電圧とする。
【0035】
(ステップS204)
次のステップS204では、この充電開始点の充放電量Qdoよりも深い場合の残存容量の算出のために、初期放電特性をメモリ効果電圧ΔVだけ放電電圧軸と平行にレベルダウンしたメモリ効果織り込み済み放電特性を形成する。
なお、初期放電特性は電池の運用の最初における充放電量Ahと放電電圧Vとの関係を示す特性線であり、予め記憶しているものとする。また、完全放電した場合はこのΔVmを0にキャンセルする。
【0036】
(ステップS205)
このステップは、メモリ効果織り込み済み放電特性を用い、今回の充放電量Ahが、放電により前回の充電開始点の充放電量Ahに等しい点を残存容量減少側に超えてから次の充電開始までの範囲にある間の放電特性を求める。この操作は、電池劣化により電池の容量が減少することを、残存容量算出に用いる放電特性に織り込むための処理である。この放電特性の導出処理を図4を参照して以下に説明する。
【0037】
まず、既述するように前回の充電開始点の充放電量をQd0とする。
次に前回の充電開始点の充放電量Qd0より深放電側にある今回の充放電量Ahに等しい今回の充放電量Qd1とそれに対応する放電電圧Vに等しい放電電圧における前述したメモリ効果織り込み済み放電特性上の充放電量Qdxを求め、容量低下率Pを次の式から算出する。
【0038】
P=(Qd1−Qd0)/(Qdx−Qdo)
この式は、電池劣化による残存容量の低下率を示す。
次に、予め記憶する初期放電特性の今回の今回の充放電量Ah(=Qd1)よりも深放電側における初期放電特性の各座標点の充放電量Ahの値に上記に容量低下率Pを掛けて、今回の放電特性を得る。
【0039】
(ステップS206)
次に、今回の放電特性で決定されるV−Ah平面上における面積を現在の充放電量Ahから所定の基準放電電力(ここでは2kW)を放電可能な限界まで積分して求めて所定の基準放電電力値での放電による残存放電可能電力量とする。
以上により電池劣化とメモリ効果とを織り込んだ残存容量の算出を行うことができる。
【0040】
(ステップS110)
ステップS102にて、前回の放電特性修正ルーチンの実行からの累計放電量が所定のしきい値に達した場合には、真の放電特性と、残存容量算出に用いる記憶放電特性との間の誤差が大きいと判断して運転者に満充電を行って上記誤差のキャンセルを要求するための警報を出力する。
【0041】
すなわち、上述した残存容量処理サイクルを繰り返していると、誤差特に充放電量Ahの累算誤差が増大し、それにより、上記容量低下率Pを用いた容量圧縮の原点をなす前回の充電開始点の充放電量Qd0と今回の充放電量Ahとが表面的に一致しても実際は一致していないなどの誤差が生じ、その結果として前述した電池劣化を織り込んだ放電特性自体が歪んでしまう。そこで、図5に示すフローチャートの処理を行って充放電量Ahの累算誤差による放電特性のずれを解消する。
【0042】
(ステップS112)
次に、ステップS112にて満充電かどうかを調べ、満充電であればS114へ進み、満充電でなければS116へ進む。
(ステップS114)
このステップでは、満充電時の充放電量Ahを誤差充放電量ΔAhとしてキャンセルし、次に、S106で記憶した充電開始点の充放電量Qdoから誤差充放電量ΔAhを差し引いて、真の充電開始点の充放電量を求める。次に、S110で発報した満充電要求をオフして(S116)、S104へリターンする。
【0043】
これにより、充放電量Ahの累積誤差による放電特性の形成誤差をキャンセルするとともに、充電開始点の決定誤差もキャンセルすることができる。
(ステップS118)
このステップでは、S110にて警報を出力したにもかかわらず満充電に到達していない場合における上記充放電量Ahの累積誤差による放電特性の歪みの一時的な修正を行う。
【0044】
すなわち、予め記憶している(フローチャートには図示省略)前回の満充電時点以降における最も深い放電点(すなわち充放電量Ahの最大値)における放電電圧Vの値Vminまで今回の放電電圧Vが達したかどうかを調べ、達していなければS104へリターンし、達していれば、ステップS120へ進む。
(ステップS120)
このステップでは、今回の充放電量Ahすなわち最も深い放電点における充放電量をAhmaxとする場合に、この座標点(Vmin、Ahmax)が図6に示す領域A〜Cのどれに属するかどうかを調べ、それが領域A又はCにある場合に次に説明する方式で放電特性を修正する。
【0045】
なお、図6に示す各領域はマップとして予め記憶しているものとする。図6に示すマップについて更に説明する。
累算した充放電量Ahの誤差が大きくなれば、この累算した充放電量Ahに基づいて算出した放電特性の形状は真の放電特性の形状からずれる。
しかしS120では、完全放電によるメモリ効果による放電電圧低下が存在するために、この放電特性による座標点(Vmin、Ahmax)の放電特性からのずれが、累算した充放電量Ahの誤差に起因するものか、メモリ効果に起因するものかがわからない。
【0046】
そこで、この実施例では、初期放電特性と、それを最大メモリ効果電圧ΔVmmaxだけ放電電圧軸に平行にレベルシフトした放電特性(メモリ効果放電特性)とを形成し、これら両放電特性間の領域をBとし、初期放電特性より上側の領域をA、メモリ効果放電特性より下側の領域をCとする。なお、最大メモリ効果電圧ΔVmmaxとはメモリ効果を最大に見込んだ場合の放電特性である。
【0047】
(充放電量Ahが過大である場合)
ステップS120にて求めた今回の最深放電点である座標点R1(Vmin、Ahmax)が図6に示す領域Aに位置するということは、充放電量Ahの誤差(ΔAh’という)は、メモリ効果よりも累積充放電量Ahの誤差とみなせるわけである。そこで、この場合は、今回の充放電量Ah=Ahmaxから充放電量の誤差ΔAh’を差し引いて、充放電量Ahを修正する。
【0048】
なお、充放電量の誤差ΔAh’は、初期放電特性上において放電電圧がVminである場合の充放電量Ah2と、今回の充放電量Ah=Ahmaxとの差である。同時にS106で記憶する充電開始点の充放電量Qdoからもこの充放電量の誤差ΔAh’を差し引く。
(充放電量Ahが過小である場合)
ステップS120にて求めた今回の最深放電点である座標点R2(Vmin、Ahmax)が図6に示す領域Cに位置するということは、充放電量の誤差(ΔAh”という)がメモリ効果と累積充放電量Ahの誤差との両方に起因するとみなせるわけである。そこで、この場合は、今回の充放電量Ah=Ahmaxに誤差充放電量ΔAh’を加算して、充放電量Ahを修正する。
【0049】
なお、充放電量の誤差ΔAh”は、メモリ効果放電特性上において放電電圧がVminである場合の充放電量Ah3と、今回の充放電量Ah=Ahmaxとの差である。同時にS106で記憶する充電開始点の充放電量Qdoにも充放電量の誤差ΔAh”を加算する。
(充放電量Ahが過大でも過小でもない場合)
ステップS120にて求めた今回の最深放電点である座標点R3が図6に示す領域Bに位置するということは、充放電量の誤差がメモリ効果に起因する可能性が高いことを意味する。
【0050】
メモリ効果は、S204で補正されるので、メモリ効果に起因する充放電量の誤差をここで修正すると二重の修正となってしまいかえって誤差が増大する。
そこで、今回の最深放電点である座標点R3が図6に示す領域Bに位置する場合には、充放電量Ahの修正を行わずにステップS104へリターンする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電池特性演算装置の一実施例を示すブロック図である。
【図2】残存容量演算動作を示すフローチャートである。
【図3】実施例1の残存容量演算動作を示すフローチャートである。
【図4】電池の放電特性図である。
【図5】充放電量Ahの誤差累積を補正するためのフローチャートである。
【図6】図5にて用いるマップを示す電池の放電特性図である。
Claims (5)
- 充放電可能な電池の放電電圧V及び充放電電流Aを検出する放電パラメータ検出処理要素、
前記充放電電流Aを積算して所定の基準座標からの充放電量Ahを積算する充放電量算出処理要素、
前記放電電圧Vと前記充放電量Ahとの関係を示す放電特性を記憶する放電特性記憶処理要素、
前記放電特性及び前記積算充放電量Ahに基づいて現時点から所定の放電終止電圧値までの放電可能容量である現容量を演算する現容量演算処理要素、
を備える電池の残存容量演算方式であって、
前記充放電量算出処理要素の積算誤差が所定のしきい値を超えて増大した可能性が生じたかどうかを判定する積算誤差増大判定処理要素、
前記充放電量算出処理要素の積算誤差が所定のしきい値を超えて増大した可能性が生じた後、満充電状態に達することなく所定の期間が経過したかどうかを判定する満充電状態未了判定処理要素、
前記満充電状態未了判定処理要素が前記所定の期間が経過したと判定した場合に、直前の満充電状態以降の最も深放電状態である座標点である深放電座標点における充放電量値Ahd’と、前記深放電座標点における放電電圧の値に等しい放電電圧を検出した場合における前記充放電量Ahの値Ahdとの差を深放電状態積算誤差として算出する積算誤差算出処理要素、及び、
前記深放電状態積算誤差に基づいて前記放電特性を修正する放電特性修正処理要素、
を有することを特徴とする電池の残存容量演算方式 - 請求項1記載の電池の残存容量演算方式において、
前記放電特性修正処理要素は、
前記放電特性上の前記深放電座標点を前記最深放電状態積算誤差だけ放電量軸と平行にシフトすることを特徴とする電池の残存容量演算方式。 - 請求項1又は2記載の電池の残存容量演算方式において、
前記放電特性修正処理要素は、
前記充放電量Ahの現在値と前記放電電圧Vの現在値とにより規定される現座標点が、記憶する前記放電特性よりも高容量側の空間領域に存在する場合に前記シフトを実行することを特徴とする電池の残存容量演算方式。 - 請求項1乃至3のいずれか記載の電池の残存容量演算方式において、
前記放電特性修正処理要素は、
前記充放電量Ahの現在値と前記放電電圧Vの現在値とにより規定される現座標点が、記憶する前記放電特性と、前記放電特性に所定のメモリ効果を加味したメモリ効果付き放電特性との間の領域にある場合に、前記放電特性の前記シフトを行わないすることを特徴とする電池の残存容量演算方式。 - 請求項1乃至4のいずれか記載の電池の残存容量演算方式において、
前記放電特性修正処理要素は、
前記充放電量Ahの現在値と前記放電電圧Vの現在値とにより規定される現座標点が、前記放電特性に所定のメモリ効果を加味したメモリ効果付き放電特性よりも低容量側の空間領域にある場合に、前記現座標点を前記メモリ効果付き放電特性上の等放電電圧の座標点まで放電量軸と平行にシフトすることを特徴とする電池の残存容量演算方式。
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