JP3996542B2 - 電極間の接続構造及び前記接続構造を用いたセンサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば振動センサ等の内部における電極間の接続構造に係わり、特に、前記センサ等の小型化においても、簡単な構造で前記電極間の良好な接続構造を可能とする電極間の接続構造及びそれを用いたセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
下記に示す特許文献1には傾斜角センサに関する発明が開示されている。特許文献1に記載された傾斜角センサには、弾性を有する板バネの自由端に錘が設けられ、さらに前記板バネ上には絶縁膜を介して電極部及び抵抗膜が印刷焼成によって形成されている。
【0003】
特許文献1では、前記板バネの自由端と反対側の端部が、ちょうど前記電極部上に設けられた固定板と、ケース内部に設けられた板バネ用支持部との間に挟み込まれ、前記固定板に設けられたねじ穴からねじを前記板バネ用支持部方向に向けて締め付けることで前記板バネを前記ケース内部取り付けている。
【0004】
特許文献1に示す傾斜角センサは、前記ケースを前記板バネが撓む方向に傾けると、前記板バネに設けられた抵抗膜の抵抗値が傾斜角の変化によって変化し、この抵抗値の変化を測定することで前記傾斜角を検出できるようになっている。
【0005】
【特許文献1】
実開昭61―161706号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで傾斜角センサなど電子機器等の内部に搭載されるセンサは、前記電子機器等自体の小型化によって、より小型化されることが要求されている。
【0007】
そしてその小型化にあっては、電極部の配線構造を簡単な構造にでき、また前記電極部に強い押圧力等が加わることによる前記電極部の破損を抑制することが重要である。
【0008】
しかしながら特許文献1に記載されたセンサでは、前記電極部にリード線が半田付けされて外部に引き延ばされた構成であるから、小型化につれて前記電極部にリード線を半田付けすることは非常に煩雑な作業となる。
【0009】
また特許文献1に記載されたセンサでは上記のように、板バネを、前記電極部上に設けられた固定板と、ケース内部に設けられた板バネ用支持部との間に挟み込み、前記固定板を板バネ支持部にねじ止めすることにより前記板バネをケース内に支持固定する構成であるため、ねじ止めによって前記固定部から前記電極部に強い締め付け力が作用すると前記電極部が破損するといった問題が生じやすい。一方、前記締め付け力が弱いと前記板ばねが振動するにつれて、前記板ばねがケース内部で位置ずれを起こしやすくなる。
【0010】
そこで本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、特に小型化を実現するために、簡単な構造で且つ電極間の良好な接続構造を可能とする電極間の接続構造及びそれを用いたセンサを提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明における電極間の接続構造は、電極部が設けられた基板と、前記電極部と対向する位置に突出する接続電極部が設けられた第1部材と、前記基板と第1部材間に介在するとともに、前記接続電極部が貫通する穴部が設けられた第1弾性部材と、を有し、
前記基板の電極部が設けられた面と反対側の面には第2部材が設けられ、前記第1部材と第2部材間の接合により前記接続電極部が前記第1弾性部材に形成された穴部を介して前記電極部と導通接続することを特徴とするものである。
【0012】
上記発明では、従来のように電極部にリード線等を半田付けするものではなく、基板に設けられた電極部と、前記電極部と面対向する位置に接続電極部が設けられた第1部材と、前記接続電極部を通す穴部が設けられた第1弾性部材とを設け、前記接続電極部を前記第1弾性部材に形成された穴部を介して、前記電極部と導通接続させることで、従来に比べて簡単な構造で電極部の接続構造を形成できるとともに、弾性部材による弾性力によって前記電極部と接続電極部間の押圧力が適度に緩和され、前記電極部と接続電極部との破損を防止できるとともに良好な導通接続状態を維持できる。
【0013】
また本発明では、前記基板の電極部が設けられた面と反対側の面と、第2部材間に第2弾性部材が設けられることが、前記電極部と接続電極部間の押圧力をより適度な大きさに緩和できるとともに、良好な導通接続状態を維持できて好ましい。
【0014】
また本発明では、前記第2弾性部材の前記基板に形成された電極部と対向する位置には、前記電極部方向に突き出す突出部が設けられ、前記第1部材と第2部材との接合により前記突出部が前記電極部を前記接続電極部方向に押圧することが、より効果的に前記電極部と接続電極部間を良好な導通接続状態に維持できて好ましい。
【0015】
また本発明では、前記第1弾性部材の厚さは、前記第1部材の表面から突出する接続電極部の高さよりも大きいことが好ましい。
【0016】
また本発明では、上記いずれかの電極間の接続構造を用いたセンサにおいて、
前記基板は弾性力を有する板ばね部材で、前記板ばね部材の自由端側に錘が取り付けられ、前記板ばね部材の固定端側に、前記電極部が形成され、
前記第1部材は第1ケース、第2部材は第2ケースであり、前記板ばね部材に取り付けられた錘が、前記第1ケースと第2ケース間に形成された空間内に位置し、前記板ばね部材の電極部が、前記第1ケースの表面から突出した接続電極部と第1弾性部材を介して導通接続されるとともに前記板ばね部材の固定端が前記第1ケース及び第2ケース間に挟持されて支持固定されることを特徴とするものである。
【0017】
上記の構成では、簡単な構造で電極部の接続構造を形成できるとともに、弾性部材による弾性力によって前記電極部と接続電極部間の押圧力が適度に緩和され、前記電極部と接続電極部との破損を防止できるとともに、良好な導通接続状態を維持できる。
【0018】
また板ばね部材の弾性力によって前記板ばね部材が振動しても、その振動力は前記板ばね部材の固定部側で前記第1弾性部材によって効果的に吸収されるので、前記板ばね部材を接着剤等で固着しなくても板ばね部材と第1部材との間に第1弾性部材を介在させることで前記板ばね部材が位置ずれ等を起こすことはなく、簡単な構造で前記板ばね部材をケース内部に固定支持できる。
【0019】
また本発明では、前記第1ケースには導電部材がインサート成形されており、前記第1ケースの表面から突出する導電部材が前記接続電極部を構成するとともに、前記導電部材は前記第1ケースの側面から外方に延出し、前記外方に延出した部分が端子部を構成することが好ましい。これにより接続電極部の形成と、前記接続電極部から引き出される端子部の形成を非常に簡単な構造で形成できる。
【0020】
また本発明では、前記板ばね部材の固定端は、自由端に比べて側方に延びて形成されることが好ましい。これによって前記固定端を広い面積で形成ででき、前記板ばね部材をより確実に前記ケース内に固定支持することが可能である。
【0021】
また本発明では、前記固定端は、自由端に比べて側方に延びて形成される側方部と、その側方部の端部から前記自由端方向に延びる脚部とで構成されてもよい。
【0022】
また本発明では、前記第1ケース及び第2ケースは、四方が側壁部で囲まれ、前記接続電極部は前記側壁部の表面から突出し、前記板ばね部材の固定端は、第1ケースと第2ケースの前記側壁部間で挟持されることが、簡単な構造でセンサの電極間の接続構造を形成できて好ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1は本発明におけるセンサ(振動センサ)を各構成部材に分解して示した組立前の振動センサの斜視図、図2は図1に示す各構成部材を組み立てた後の振動センサを、符号2の部材がちょうどII―II線から図示Y―Z平面と平行な方向に切断される位置で切断し、その切断面を矢印方向から見た部分断面図、図3は、図1に示す各構成部材を組み立てた後の振動センサを、符号3の部材がちょうどIII―III線から図示Y―Z平面と平行な方向に切断される位置で切断し、その切断面を矢印方向から見た部分断面図、図4は、図1に示す各構成部材を組み立てた後の振動センサを、符号5の部材がちょうどIV―IV線から下方向に切断される位置で切断しその切断面を矢印方向から見た部分断面図、図5は図1に示す符号3の部材を拡大し、且つ符号9の部材を符号3の部材から取り外した状態を示す部分拡大斜視図である。
【0024】
図1に示す符号1は上ケース(第2ケース)であり、例えばポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等の樹脂で形成された樹脂ケースである。図3に示すように、前記上ケース1は上板7と前記上板7の周囲から前記上板7と一体となって下方に突出する4つの側壁6とで構成される。これによって前記上ケース1には、前記上板7と側壁6とで囲まれた空間部8が形成される。前記側壁6は、さらに内壁部6aと、前記内壁部6aよりも外方に位置し、前記内壁部6aよりも下方に突出する外壁部6bとで構成される。
【0025】
図1に示す符号2はゴム等で形成された弾性部材(第2弾性部材)である。前記弾性部材2は、温度変化による硬度変化の少ないことが重要で、例えばシリコン系ゴムやフッ素系ゴムであることが好ましい。また前記弾性部材2の最大弾性損失周波数(以下、MEF)は、使用温度の範囲内のおいて板ばね部材3の弾性部3aでの自己共振周波数(以下、SRF)より大きいことが好ましい。これにより、自己共振周波数での振動を利用するアプリケーションを制限しなくて済む。仮にMEFがSRFより低いと、例えば、センサ出力のSRFをモニタして衝突を検知しようというような用途の場合に、衝撃のエネルギーがゴム弾性体に吸収され、著しく感度が低下する。振動センサ自体が振動吸収のダンパで保持されてしまうことになる。
【0026】
前記弾性部材2は、中央に四角形状の窓部2bを有するように四つの片2aの端部同士を一体に繋いだ囲み形状である。前記弾性部材2の各片2aは前記上ケース1のちょうど内壁部6aの下面に設置される。
【0027】
図1に示すように前記弾性部材2の図示左側の片2aには、2つの突出部2a1が下方に向けて突出している。同様に図示右側の片2aには、1つの突出部2a1が下方に向けて突出している。これら突出部2a1は、次に説明する板ばね部材3に形成された電極部11,13とちょうど対向する位置に形成される。
【0028】
図1に示す符号3は、板ばね部材である。前記板ばね部材3は、弾性変形可能な弾性部3aと、前記上ケース1と下ケース5間に挟持されて支持固定される固定部3bとで構成される。
【0029】
図5に示すように、前記弾性部3aの自由端3a1には、錘9が取り付けられる。前記錘9には、前記弾性部3aの自由端3a1と対向する位置に挿入孔9aが設けられており、前記自由端3a1が前記挿入孔9a内に挿入されることで、前記錘9が前記弾性部3aの自由端3a1に取り付けられるようになっている。
【0030】
前記錘9は、例えば黄銅であり、重さは例えば22mgである。
図5に示す板ばね部材3は、有機系絶縁フィルムで形成される。前記有機系絶縁フィルムには、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の使用温度範囲(例えば−40℃〜85℃程度)内において、ガラス転移等の物理的、科学的変性を生じない樹脂フィルムが使用可能であるが、この中でも特にポリイミドで形成された樹脂フィルムを使用することが好ましい。
【0031】
図5に示すように前記固定部3bは、前記板ばね部材3の前記弾性部3aの基端3a2から両側方(図示X方向)に向けて延出形成された側方部3b1と、前記側方部3b1の両端部から屈曲して前記弾性部3aの自由端3a1方向(図示Y方向)に延びる脚部3b2,3b2とで構成される。
【0032】
図5に示すように、前記弾性部3aの下面には、可変抵抗部10が形成されている。また前記固定部3bの図示左側の脚部3b2の下面には、2つの電極部11,11と、前記電極部11,11間に形成された抵抗部19が形成されている。また前記固定部3bの図示右側の脚部3b2の下面には、1つの電極部13が形成されている。なお前記抵抗部19は、板ばね部材3に印刷等によって形成されていなくても良く、センサ外部に設けられていてもよい。図5に示す電極部11,13及び抵抗部19の配置は一例にすぎない。
【0033】
図5に示すように、図示右側の脚部3b2の下面に形成された電極部13と、弾性部3aの下面に形成された可変抵抗部10とが導通接続されており、また前記可変抵抗部10と、図示左側の脚部3b2の下面に形成された電極部11―抵抗部19―電極部11とが導通接続されている。
【0034】
図5に示す前記可変抵抗部10は例えばカーボン膜である。前記弾性部3aが弾性変形すると、前記カーボン膜はそれに合わせて伸縮し、これによって前記カーボン膜の抵抗値が変化する。前記伸縮による前記抵抗値の変化量を大きくするには、本発明のようにカーボン膜を使用することが好ましい。
【0035】
また前記電極部11,13は銀膜など導電性に優れ且つ耐腐食性に優れた材質で形成されることが好ましい。また前記抵抗部19は可変抵抗部10と同様にカーボン膜等で形成される。
【0036】
前記可変抵抗部10,電極部11,13及び抵抗部19は有機系絶縁フィルムで形成された板ばね部材3の下面に直接、印刷成形されたものである。印刷方法は例えばスクリーン印刷法である。
【0037】
図1に示す符号4は、ゴム等の弾性部材(第1弾性部材)4である。前記弾性部材4は、弾性部材2と同様に、その中央に四角形状の窓部4bが形成されるように4つの片4aの端部同士を一体に繋いだ囲み形状である。前記弾性部材4の各片4aは前記下ケース5のちょうど内壁部12aの上面に設置される。なお前記弾性部材4の材質等は弾性部材2と同じである。
【0038】
図1に示すように前記弾性部材4の図示左側の片4aには、2つの穴部4a1が形成されている。同様に図示右側の片4aには、1つの穴部4a1が形成されている。これら穴部4a1は、次に説明する下ケース5から突出する接続電極部15,16と対向する位置に形成され、また前記接続電極部15,16を貫通させることが可能な程度の大きさで形成される。
【0039】
図1に示す符号5は下ケース(第1部材)である。前記下ケース5は上ケース1と同様に例えばポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等の樹脂で形成された樹脂ケースである。図3に示すように、前記下ケース5は底板14と、前記底板14の周囲から前記底板14と一体となって上方に突出する4つの側壁12とで構成される。これによって前記下ケース5には、前記底板14と側壁12とで囲まれた空間部20が形成される。前記側壁12は、さらに内壁部12aと、前記内壁部12aよりも外方に位置し、前記内壁部12aよりも上方に突出する外壁部12bとで構成される。
【0040】
図1に示すように2つの導電部材17が、ちょうど下ケース5の図示左側の側面5aから側壁12内部を通り、前記側壁12の上面に露出すべく設けられ、また1つの導電部材18が、ちょうど下ケース5の図示右側の側面5aから側壁12内部を通り、前記側壁12の上面に露出すべく設けられている。
【0041】
図示左側の側壁12の上面から突出した導電部材17の部分は、接続電極部15,15を構成し、図示右側の側壁12の上面から突出した導電部材18の部分は、接続電極部16を構成する。これら各接続電極部15,16は、前記板ばね部材3の脚部3b2の下面に形成された電極部11,13と対向する位置となるように、前記下ケース5の内壁部12aの上面から突出形成される。
【0042】
図1に示すように前記導電部材17,18はそれぞれ下ケース5の側面5aから外方に突出し、その突出した部分がそれぞれ端子部17a,17b,18aを構成している。
【0043】
前記導電部材17,18は下ケース5内部に例えばインサート成形により形成されたものである。
【0044】
図3に示すように、前記弾性部材2,4の各片2a,4aは、ちょうど上ケース1及び下ケース5の内壁部6a,12a間に挟まれる大きさで形成され、また板ばね部材3の固定部3bは、上下で対向する弾性部材2,4の各片2a,4aの大きさの範囲内で形成される。このため、前記上ケース1及び下ケース5の外形寸法は、前記弾性部材2,4及び板ばね部材3よりも若干大きくなっている。
【0045】
図3に示すように、前記上ケース1の外壁部6bの下面と下ケース5の外壁部12bの上面とがそれぞれ合わさり、この接合面間に接着剤等が付与されることで前記上ケース1と下ケース5とが接着固定される。例えば前記接着剤は前記上ケース1と下ケース5とを上下に重ねたときの境界部上に塗布することで毛細管作用によって前記接合面間に浸透していく。このとき前記弾性部材2,4上に若干接着剤が及んでいてもよい。
【0046】
図3に示すように上ケース1及び下ケース5とが接合されると、その内部には、三次元的に囲まれた空間が形成される。図3及び図4に示すようにその空間内には、前記板ばね部材3の弾性部3aと前記弾性部3aの自由端3a1に取り付けられた錘9が位置し、前記錘9が振動によって上下に振れることで前記弾性部3aが前記空間内で弾性変形を起こす。
【0047】
例えば図1に示す端子部17aには電源部(図示しない)が接続され、図1に示す端子部18aがアースに落とされ、端子部17bが検出部(図示しない)に接続されているとし、電源部での電圧をVcc、抵抗部19の抵抗値をR、可変抵抗部10の抵抗値をRx、検出部での電圧をVoとすると、式Vo=[Rx/(Rx+R)]Vccが成立する。
【0048】
今、前記錘9が上下に振動し、前記板ばね部材3の弾性部3aが上下に弾性変形を起こすと前記弾性部3aの下面に設けられた可変抵抗部10であるカーボン膜が伸縮することで前記可変抵抗部10抵抗値Rxが変化し、この結果、電位差ΔVoが生じ、これによって前記弾性部3aの振動状態や傾斜角を検出することが可能になっている。
【0049】
本発明では上記したように前記板ばね部材3が有機系絶縁フィルムで形成される。この結果、前記板ばね部材3を非常に小さい寸法で形成し、重さの軽い錘9を前記板ばね部材3の弾性部3aに取り付けても前記弾性部3aを良好に弾性変形させることが可能である。従って前記板ばね部材3自体の大きさを従来に比べて非常に小さくできる。
【0050】
図5に示すように、前記板ばね部材3の長さ寸法T1は、例えば5mm程度である。また前記板ばね部材3の幅寸法T2は7mm程度である。また前記板ばね部材3の弾性部3aの長さ寸法T3は2mm程度で、前記弾性部3aの幅寸法T4は1mm程度である。また前記板ばね部材3の厚みは前記板ばね部材3がポリイミドである場合、0.075mm程度まで薄くできる。
【0051】
本発明におけるセンサの特徴的部分について以下に説明する。
本発明では、下ケース5に形成された接続電極部15と、板ばね部材3の脚部3b2に形成された電極部11,13との接続構造に特徴点がある。
【0052】
図2は、図1に示す各構成部材が組立てられて完成したセンサの前記電極の接続構造を示す部分断面図である。
【0053】
図2に示すように、下ケース5の内壁部12aの上面から露出した接続電極部15(ここでは符号15の接続電極部の接続構造に関して説明する。なお符号16の接続電極部の接続構造も全く同じである)は、弾性部材4に形成された穴部4a1内を貫通して、前記穴部4a1内から露出し、前記接続電極部15と対向する位置に配置された前記板ばね部材3の脚部3b2の下面に形成された電極部11と、前記接続電極部15とが前記弾性部材4の穴部4a1を介して当接する。
【0054】
本発明では、前記板ばね部材3と下ケース5間に弾性部材4を介在させているため、上ケース1と下ケース5とを接合させたときの押圧力で、前記弾性部材4が若干の弾性変形を起こす。この結果、前記板ばね部材3に形成された電極部11と下ケース5に形成された電極部15とが極端に強い力によって当接せずに、適度な当接力を受けて前記電極部11,15が当接するので、前記電極部11,15が破損等することなく、常に良好な導通状態を保つことが可能である。
【0055】
また本発明のように、下ケース5から前記電極部11,13と対向する位置に接続電極部15,16を突出形成し、前記弾性部材4を介して、前記電極部11,13と前記接続電極部15,16とを付き合わせることで、従来のように電極部にリード線を半田付け等によって接続するなどの煩雑な作業が必要なくなり、簡単な構造で電極間の接続構造を実現できる。
【0056】
よって本発明における電極間の接続構造を用いればセンサ自体の小型化をより効果的に促進させることが可能である。
【0057】
また本発明におけるセンサは、板ばね部材3の弾性部3aが振動によって揺れるものであり、この際の振動が前記板ばね部材3の固定部3b方向に伝わっていくが、前記弾性部材4によって前記振動力が緩和されるので、前記電極部11,13と接続電極部15,16間を半田付け等しなくても弾性部材4を介在させ、上ケース1と下ケース5間を押圧する構造とすることで前記板ばね部材3をしっかりとケース内部に支持固定でき、前記電極間が位置ずれ等を起こすことなく良好な電極間の接続構造を維持できる。
【0058】
また前記板ばね部材3の前記弾性部3aが弾性変形した際に生じる応力は、前記弾性部材4によって緩和されるから、前記弾性部3aの付け根3a3,3a3部分に前記応力が集中することを抑制できる。このため繰り返し弾性部3aが振動しても、あるいは前記弾性部3aが極端に大きく振れた場合でも前記弾性部3aの付け根3a3部分が白色化等による劣化を起こしたり前記弾性部3aが塑性変形することを抑制でき前記弾性部3aの劣化を防ぎ耐久性を向上させることが可能になっている。
【0059】
また本発明では、図1に示すように、上ケース1と板ばね部材3間にも弾性部材2が設けられていることが好ましい。前記板ばね部材3の上下に弾性部材2,4を設けることで、上ケース1と下ケース5間を接合したときに前記電極部11,13と接続電極部15,16間に作用する押圧力が適度に緩和され、前記電極部11,13と接続電極部15,16が破損するのをより効果的に防止できるとともに良好な導通接続状態を維持することができる。
【0060】
また本発明では、図2に示すように、前記弾性部材2には下方に突出する突出部2a1が形成され、前記突出部2a1は、前記上ケース1と下ケース5とが接合されたときに、下方に押圧力を生じるため、前記突出部2a1は、前記板ばね部材3の電極部11を下方に押し、その結果、前記板ばね部材3の電極部11と前記下ケース5に形成された電極部15とがより良好に導通接続された状態になるとともに、接着剤や半田等を用いなくても衝撃等によって前記電極部11,15同士が位置ずれを起こすことをより効果的に抑制できる。
【0061】
なお前記下ケース5の側壁12の上面から突出する電極部15の高さは、前記弾性部材4の厚みよりも若干低くなるように調整されている。これによって前記弾性部材4は、下ケース5と上ケース1間を接合させるときに、若干の弾性変形を起こすとともに前記弾性部材2の突出部2a1からの適度な押圧力を受けて前記板ばね部材3の電極部11と前記下ケース5の電極部15とが良好な導通状態を保つようになる。
【0062】
また前記板ばね部材3がより好ましくケース内部に固定支持されるようにするには、図5のように、前記板ばね部材3の固定部3bを前記弾性部3aの基端3a2から側方に向けて延ばして形成することが好ましい。
【0063】
その結果、前記固定部3bの面積を前記弾性部3aの面積に比べて大きくすることが可能であり、前記固定部3bでしっかりと板ばね部材3をケース内に固定支持できる。
【0064】
また本発明では、図5に示すように、前記板ばね部材3の固定部3bは、前記弾性部3aの基端3a2から側方に向けて延びる側方部3b1と、その側方部3b1の両側端部から前記弾性部3aの自由端3a1方向に向けて延びる脚部3b2とで構成されることが好ましい。前記固定部3bに側方部3b1のみならず脚部3b2を設けることで、より前記固定部3bの面積を前記弾性部3aの面積に比べて広げることができ、より安定して前記板ばね部材3を前記ケース内に支持固定することが可能になる。また前記固定部3bに脚部3b2を設けることで、この脚部3b2に電極部11,13や抵抗部19を設けることができ、前記電極部11,13及び抵抗部19の形成位置の自由度を広げることができる。
【0065】
なお本発明では、前記弾性部3aの基端3a2の両側方に向けて固定部3bが延びているが、前記基端3a2の一方の側方のみに前記固定部3bが延出形成されていてもよい。ただし前記弾性部3aの基端3a2の両側方に向けて前記固定部3bが延出形成されている方が、より安定して前記板ばね部材3を前記ケース内部に支持固定することが可能である。
【0066】
また本発明ではケースは、上ケース1と下ケース5とに分割形成されており、前記上ケース1と下ケース5間に、前記弾性部材2,4及び板ばね部材3が挟持されるようになっている。そして前記板ばね部材3の固定部3bは、両ケース1,5の内壁部6a,12a間に沿って形成されたものであり、前記固定部3bが前記弾性部材2,4を介して前記内壁部6a,12a間に挟持される構造となっている。このように前記板ばね部材3は、前記上ケース1及び下ケース5間に前記弾性部材2,4を介して挟持されて支持固定されるようになっているから、簡単な構造で板ばね部材をケース内部に支持固定できるとともに、半田や接着剤による固定、あるいはねじ等による固定など煩雑な支持固定構造を使用することが必要なくなる。
【0067】
なお特に前記板ばね部材3を所定位置に設置するためには、例えば図1に示す下ケース5の側壁部12から上ケース1方向に向くリブ(図示しない)を設け、弾性部材2,4及び板ばね部材3には、前記リブと対向する位置に穴部を設け、弾性部材2,4及び板ばね部材3を上ケース1及び下ケース5間に挟持するときに、前記穴部内に前記リブを貫通させることで、前記板ばね部材3をより所定位置に設置しやすなる。
【0068】
上記した本発明におけるセンサは例えば携帯電話などの小型化機器への使用が期待される。
【0069】
【発明の効果】
以上説明した本発明では、基板(板ばね部材)に設けられた電極部と、前記電極部と面対向する位置に接続電極部が設けられた第1部材(下ケース)と、前記接続電極部を通す穴部が設けられた第1弾性部材とを設け、前記接続電極部を前記第1弾性部材に形成された穴部を介して、前記電極部と導通接続させることで、従来に比べて簡単な構造で電極部の接続構造を形成できるとともに、弾性部材による弾性力によって前記電極部と接続電極部間の押圧力が適度に緩和され、前記電極部と接続電極部との破損を防止できるとともに良好な導通接続状態を維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセンサを各構成部材に分解した分解斜視図、
【図2】図1に示す各構成部材を組み立てた後のセンサを、弾性部材2がちょうどII―II線から図示Y―Z平面と平行な方向に切断される位置で切断し、その切断面を矢印方向から見た部分断面図、
【図3】図1に示す各構成部材を組み立てた後のセンサを、板ばね部材3がちょうどIII―III線から図示Y―Z平面と平行な方向に切断される位置で切断し、その切断面を矢印方向から見た部分断面図、
【図4】図1に示す各構成部材を組み立てた後のセンサを、下ケース5がちょうどIV―IV線から下方向に切断される位置で切断しその切断面を矢印方向から見た部分断面図、
【図5】図1に示す板ばね部材3を拡大し、且つ錘9を板ばね部材3から取り外した状態を示す部分拡大斜視図、
【符号の説明】
1 上ケース
2、4 弾性部材
3 板ばね部材
3a 弾性部
3b 固定部
5 下ケース
6、12 側壁部
9 錘
10 可変抵抗部
11、13 電極部
15、26 接続電極部
17、18 導電部材
Claims (9)
- 電極部が設けられた基板と、前記電極部と対向する位置に突出する接続電極部が設けられた第1部材と、前記基板と第1部材間に介在するとともに、前記接続電極部が貫通する穴部が設けられた第1弾性部材と、を有し、
前記基板の電極部が設けられた面と反対側の面には第2部材が設けられ、前記第1部材と第2部材間の接合により前記接続電極部が前記第1弾性部材に形成された穴部を介して前記電極部と導通接続することを特徴とする電極間の接続構造。 - 前記基板の電極部が設けられた面と反対側の面と、第2部材間に第2弾性部材が設けられる請求項1記載の電極間の接続構造。
- 前記第2弾性部材の前記基板に形成された電極部と対向する位置には、前記電極部方向に突き出す突出部が設けられ、前記第1部材と第2部材間の接合により前記突出部が前記電極部を前記接続電極部方向に押圧する請求項2記載の電極間の接続構造。
- 前記第1弾性部材の厚さは、前記第1部材の表面から突出する接続電極部の高さよりも大きい請求項1ないし3のいずれかに記載の電極間の接続構造。
- 請求項1ないし4のいずれかの電極間の接続構造を用いたセンサにおいて、
前記基板は弾性力を有する板ばね部材で、前記板ばね部材の自由端側に錘が取り付けられ、前記板ばね部材の固定端側に、前記電極部が形成され、
前記第1部材は第1ケース、第2部材は第2ケースであり、前記板ばね部材に取り付けられた錘が、前記第1ケースと第2ケース間に形成された空間内に位置し、前記板ばね部材の電極部が、前記第1ケースの表面から突出した接続電極部と第1弾性部材を介して導通接続されるとともに前記板ばね部材の固定端が前記第1ケース及び第2ケース間に挟持されて支持固定されることを特徴とするセンサ。 - 前記第1ケースには導電部材がインサート成形されており、前記第1ケースの表面から突出する導電部材が前記接続電極部を構成するとともに、前記導電部材は前記第1ケースの側面から外方に延出し、前記外方に延出した部分が端子部を構成する請求項5記載のセンサ。
- 前記板ばね部材の固定端は、自由端に比べて側方に延びて形成される請求項5または6に記載のセンサ。
- 前記固定端は、自由端に比べて側方に延びて形成される側方部と、その側方部の端部から前記自由端方向に延びる脚部とで構成される請求項5または6に記載のセンサ。
- 前記第1ケース及び第2ケースは、四方が側壁部で囲まれ、前記接続電極部は前記側壁部の表面から突出し、前記板ばね部材の固定端は、第1ケースと第2ケースの前記側壁部間で挟持される請求項5ないし8のいずれかに記載のセンサ。
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