JP3996318B2 - 粉体の分級方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉体の分級方法、さらに詳しくは、種々の粒子径を有する粉体を精密に所望の粒度範囲の粒子に分級する分級方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種分野で取り扱われる粉体はその種類、目的、用途によって、必要とされる平均粒子径及び粒子径の分布が異なる。特に、液晶表示素子用スペーサー、異方導電フィルム用導電性粒子、液体クロマトグラフィー用充填剤、フィルム用滑剤あるいは静電荷像現像用トナーといった用途に用いられる粉体の場合、粒子径の分布を狭くする必要がある。
中でも、液晶表示素子用スペーサーとして用いられる粉体は、粒子径分布を特に狭くする必要があり、種々の方法により作製した原料粉体から目的とする粒子径および粒子径分布となるように精密に分別して使用する必要がある。
【0003】
一般に、粉体の粒子径分布を狭くするためには、いわゆる分級装置が用いられる。分級装置としては、サイクロン、沈降塔、あるいはふるい等が乾式または湿式で用いられる。しかしながら、旋回流中の遠心力と重力とのバランスを利用して分級を行うサイクロンでは、その構造上、分級ゾーンをショートパスする粒子が存在するため、粒子径分布を狭くすることに限界があり、また少量ではあるものの粒子径分布から大きく外れた粒子が残存するといった問題を有している。
また、媒体中での沈降速度の差を利用して分級する沈降塔においては、温度、振動などの要因によって沈降速度が変化するため、分級精度を上げることが困難であり、また粒子径の小さいものについては、沈降速度が極めて小さいため分級に多大な時間が必要である。沈降塔を改良し、下方より媒体を供給し上方よりオーバーフローさせる装置も提案されているが、上記した沈降塔と同様の問題を有している。
【0004】
一方、ふるいは一定の目開きを通過するか否かで分級を行うものである。目開き10μm以上のものについては細線を編んだふるいが用いられ、それ以下のものについては金属箔などをエッチングにより微細な孔をあけたものや、電成ふるいと呼ばれる、メッキによって矩形の孔を有するスクリーンを作製したものが用いられ、これらは細線を編んだものと比較して目開きが非常によくそろっており分級の精度を向上させることができるものである。特に電成ふるいはエッチングにより孔をあけたものと比較して、厚みより小さな孔加工が可能であり、サイドエッジがなく断面形状がきれいであり、優れたふるいである。
【0005】
しかしながら、ふるいを分級装置として使用した場合、操作中にふるいが目詰まりを起こしたり、粒子が凝集することによってふるいわけの速度が著しく低下する現象がしばしば観察される。この現象はふるいの目開きが小さくなるほど顕著にかつ短時間で発生し、その都度ふるいの洗浄や粒子の再分散といった操作が必要である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の課題は、電成ふるいを用いた精密な分級方法において、ふるいの目詰まりや粒子の凝集を起こさずに粉体の分級を行う方法を提供することにある
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、以下の構成を採用する。
すなわち、本発明の分級方法(以下、これを第1の分級方法ということがある)は、原料粉体を液状媒体に分散させた分散体を、電成ふるいを備えた分級装置に通すことによって、前記原料粉体を所望の粒度範囲の粒子に分級する方法であり、前記分級装置として、超音波振動を印加する超音波照射チップと、該超音波照射チップとは独立に前記電成ふるいを回転させる機構とを備え、かつ、前記電成ふるいの回転軸と前記超音波照射チップの軸とが一致しないものを使用することを特徴としている。
本発明の分級方法は、上記において、さらに、分級中に前記電成ふるいを下流側から洗浄することができ(以下、これを第2の分級方法ということがある)、さらに、前記分散体に圧力をかけた状態で、および/または、前記電成ふるいの出口側を減圧した状態で、分級を行うことができる(以下、これを第3の分級方法ということがある)。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明では、電成ふるいを備えた分級装置を用いて粒子の分級を行う。
電成ふるいとは、メッキによって矩形の孔を有するスクリーンを作製したものである。電成ふるいの製造方法としては、高精度にクロスライン状に腐食させたガラス原板上に、真空蒸着、スパッタリング等の物理メッキ、あるいは電解メッキ、無電解メッキ等の化学メッキにより導電性被膜を形成した後、腐食部分の溝以外のメッキ層を除去し、これに電解メッキ等の方法でメッシュを形成し、ガラス原板から剥離する方法が挙げられる。このようにして作製されたメッシュはガラス原板から剥離後、必要に応じてさらに電解メッキを施してもかまわない。また、他の製造方法として、ガラス平板上に真空蒸着、スパッタリング等の物理メッキ、あるいは電解メッキ、無電解メッキ等の化学メッキにより導電性被膜を形成し、その被膜上にレジストを塗布した後、所定の形状のパターンを形成し、その後エッチングによりパターン以外の部分を除去し、ガラス原板から剥離後、電解メッキを施す方法も挙げられる。
【0010】
電成ふるいの材質としては、金、白金、銀、銅、鉄、アルミニウム、ニッケル及びこれらをベースとする種々の合金が用いられるが、ふるいの耐久性、耐蝕性やメッキ作業の容易さからニッケルを主成分とするものが特に好適に用いられる。
電成ふるいは、開孔径、単位あたりの開孔数の調整が容易であるばかりでなく、開孔径分布が非常に良好であるため、ふるいとして用いた場合、非常に精度良く分級することが可能となる。
電成ふるいは非常に薄いため簡単に傷ついたり、破れたりし、分級された粒子へ金属系不純物の混入のおそれがある。特に分級された粒子を液晶表示素子用スペーサー等の電子材料の用途に用いる場合、金属系不純物の混入は信頼性低下の原因となるため重大な問題である。そのため、電成ふるいの片面あるいは両面に格子状あるいはリング状等のサポートを設けて強度を上げることが好ましい。
【0011】
電成ふるいの分級装置への取り付けに関しては、特に超音波振動を印加する場合など、電成ふるいと分級装置とが擦れて電成ふるいが損傷し分級された粒子へ金属系不純物が混入するおそれがあるため、エラストマーからなる部材を介して取り付けることが好ましい。
本発明の第1の分級方法では、分級装置として電成ふるいが移動および/または回転可能であるものを使用することを特徴とする。分級操作中に電成ふるいを移動および/または回転させることで、電成ふるいの上に粒子が堆積しにくくなるので分級効率が向上する。特に超音波振動を印加する場合には、電成ふるいの超音波照射チップと対向する部分は粒子が堆積しにくく、それ以外の部分は堆積しやすいため、電成ふるいの移動および/または回転により、超音波照射チップとの相対的な位置を変更できるようにすることが好ましい。つまり、電成ふるいの移動および/または回転の機構を超音波照射チップとは独立に設けることが好ましい。特に、電成ふるいを回転の機構を設ける場合、電成ふるいの回転軸と超音波照射チップの軸とが一致しないようにすることで、超音波照射チップと電成ふるいの相対的な位置を容易に変化させることができるため好ましい。
【0012】
本発明では、原料粉体を液状媒体に分散させた分散体を電成ふるいを備えた分級装置に通すことによって湿式法により分級を行う。媒体として不活性ガスや空気などを用いる乾式法と比較して、湿式法によった場合の方が超音波の照射効率、分散の安定性が高く、また電成ふるいへの付着が少ない。
原料粉体を分散させる液状媒体としては、用いる電成ふるいの材質、開孔径、線数、および粉体の性状あるいは粒子径分布などによって適切に選択することができる。
分級に際しては、分級装置内に超音波照射チップを挿入し、媒体に超音波照射を行うことで、分級の効率を向上させることができる。
【0013】
本発明の第2の分級方法では、分級中に前記電成ふるいを下流側から洗浄することを特徴とする。これにより電成ふるいの目詰まりを防止することができる。あるいは目詰まりの原因となっている粒子を取り除くことができる。特に電成ふるいのふるい面が鉛直方向である場合(粒子が水平方向に流れる場合)は、この洗浄が非常に有効である。洗浄の方法は特に限定されないが、電成ふるいの下流側に洗浄媒体供給管を設けて、該供給管から洗浄媒体を流出させればよい。このとき用いる洗浄媒体としては、分級に用いる媒体(原料粉体を分散させる液状媒体)と同じものを使用することが好ましい。
【0014】
本発明の第3の分級方法では、分散体に圧力をかけた状態で、および/または、電成ふるいの出口側を減圧した状態で、分級を行うことを特徴とする。これにより、分級効率を向上させることができる。分散体に圧力をかける場合、その圧力が高すぎると電成ふるいが損傷して、分級した粉体へ金属系不純物が混入するおそれがあり、低すぎると上記効果が得られないので、0.01〜5kgf/cmが好ましく、0.01〜3kgf/cmがより好ましい。分散体に圧力をかける方法としては、電成ふるいの上流側に加圧装置を組み込めばよいが、例えば窒素ガス等で加圧するという方法が簡便である。電成ふるいの出口側を減圧する場合は、電成ふるいの下流側に減圧装置を組み込めばよく、例えばトラップを介して真空ラインに接続するという方法を採ることができる。このように分散体に圧力をかけたり、電成ふるいの出口側を減圧したりする場合は、特に開孔径に小さい電成ふるいは損傷しやすいので、上記したようなサポートを電成ふるいの片面あるいは両面に設けて電成ふるいの強度を上げることが好ましい。
【0015】
図1に、電成ふるいを備えた分級装置の一例を示すが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。図1において、電成ふるい1は、ハウジング上部4およびハウジング下部4′によって挟み込まれる形で固定される。電成ふるい1の強度を上げるためのサポート2が設けられ、エラストマーからなるパッキン3を介してハウジング4、4′に接続されている。ハウジング上部4内には超音波照射チップ5が挿入され、これによりハウジング内の媒体に超音波振動が照射される。ハウジング上部4内には媒体の循環ライン6、6′、媒体の供給ライン7及び気体導入管10が設けられている。気体導入管10から窒素ガス等の気体を導入することで、分散体に圧力をかけることができるようになっている。ハウジング下部4′内には、洗浄媒体供給管9が設けられている。ハウジング4、4′の間には、移動および/または回転機構8が備えられていて、これにより、電成ふるい1は、移動および/または回転が可能となっている。原料粉体を液状媒体に分散させた分散体はハウジング上部4内に仕込まれ、媒体とともに電成ふるいの開孔径よりも小さい粒子がハウジング下部4′へと移動する。操作の経過に伴い、ハウジング上部4内に存在する電成ふるいの開孔径よりも小さい粒子が減少していき、最終的には電成ふるいの開孔径を境にして、粒子径の大きいもの(ハウジング上部4内に残留した粒子)と粒子径の小さいもの(ハウジング下部4′に移動した粒子)とに分級することができる。
【0016】
図2に、電成ふるいを備えた分級装置の他の一例を示す。図2の分級装置は、ハウジング上部4に気体導入管10を有しない代わりに、ハウジング下部4′に真空ライン11を備えている以外は、図1の分級装置と同様である。真空ライン11によってハウジング下部4′内を減圧にすることができる。
上記した本発明の第1から第3の発明の分級方法により、各種粉体は容易にかつ低コストで精密に、しかもふるいの目詰まりや粒子の凝集を起こさずに分級を行うことができる。したがって、得られる粒子の粒子径は極めてそろっている。用いる粉体の平均粒子径、粒子径分布および電成ふるいの開孔径によって、分級により得られる粒子の平均粒子径および粒子径分布は異なるが、粒子径の標準偏差と平均粒子径の比Cvを2〜10%とすることができる。
【0017】
本発明の第1から第3の分級方法により得られる粒子の平均粒子径は特に限定されず、平均粒子径が0.5μm程度の小さなものから、平均粒子径が100μm程度の大きなものまで可能である。中でも、平均粒子径が10μm以下の小さな粒子を得る場合にも、低コストで精密に、しかもふるいの目詰まりや粒子の凝集を起こさずに分級を行うことができるのが本発明の大きな効果である。
上記において、本発明の第1から第3の分級方法についてそれぞれ説明したが、本発明の第1から第3の分級方法を複数組み合わせて実施することで、さらなる効果が得られることはもちろんのことである。
【0018】
発明を適用して得られた液晶表示素子用スペーサー(「本発明の液晶表示素子用スペーサー」という)は、上記した本発明の第1から第3の分級方法により分級された粒子を本体とする。そのため、粒子径が極めてそろっており、正確な間隔で配置されるべき一対の電極基板間の隙間距離を精度良く一定に保持することが可能である。
【0019】
本発明の液晶表示素子用スペーサーは、上記した本発明の第1から第3の発明の分級方法により分級された粒子を本体とするものであり、該粒子のみからなるものであってもよいし、本体である粒子の表面に接着剤層を有する接着性スペーサーであってもよい。また、本体である粒子が染料および/または顔料を含むことにより着色した着色粒子からなる着色スペーサーであってもよい。
液晶表示素子において、従来のスペーサーの代わりに本発明の液晶表示素子用スペーサーを電極基板間に介在させることで、同スペーサーとほぼ同じ隙間距離を有する液晶表示素子を作製することができる。使用されるスペーサーの量は、そのスペーサーの材質や基板の大きさ等によって左右されるが、通常30〜300個/mm2であり、従来用いられているスペーサーと同様の条件をとることができる。
【0020】
液晶表示素子は、たとえば、図3にみるように、第1電極基板と、第2電極基板と、液晶表示素子用スペーサーと、シール材と液晶とを備えている。第1電極基板は、第1基板と、第1基板の表面に形成された第1電極とを有する。第2電極基板は、第2基板と、第2基板の表面に形成された第2電極とを有し、第1電極基板と対向している。液晶表示素子用スペーサとしては上述の本発明のものが使用され、第1電極基板と第2電極基板との間に介在し、その電極基板間の間隔を保持する。シール材は、第1電極基板と第2電極基板とを周辺部で接着する。液晶は、第1電極基板と第2電極基板との間に封入されており、第1電極基板と第2電極基板とシール材とで囲まれた空間に充填されている。
【0021】
本発明の液晶表示板(本発明の液晶表示用素子用スペーサーを用いた液晶表示板)において、スペーサー以外の、電極基板、シール材、液晶などについては従来と同様のものを同様に使用することができる。
電極基板は、ガラス基板、フィルム基板などの基板と、基板の表面に形成された電極とを有しており、必要に応じて、電極基板の表面に電極を覆うように形成された配向膜をさらに有する。シール材としては、エポキシ樹脂接着シール材などが使用される。液晶としては、従来より用いられているものでよく、たとえば、ビフェニル系、フェニルシクロヘキサン系、シッフ塩基系、アゾ系、アゾキシ系、安息香酸エステル系、ターフェニル系、シクロヘキシルカルボン酸エステル系、ビフェニルシクロヘキサン系、ピリミジン系、ジオキサン系、シクロヘキシルシクロヘキサンエステル系、シクロヘキシルエタン系、シクロヘキセン系、フッ素系などの液晶が使用できる。
【0022】
液晶表示素子を作製する方法としては、たとえば、本発明のスペーサーを面内スペーサーとして2枚の電極基板のうちの一方の電極基板に湿式法または乾式法により均一に散布したものに、本発明のスペーサーをシール部スペーサーとしてエポキシ樹脂等の接着シール材に分散させた後、もう一方の電極基板の接着シール部分にスクリーン印刷などの手段により塗布したものを載せ、適度の圧力を加え、100〜180℃の温度で1〜60分間の加熱、または、照射量40〜300mJ/cm2の紫外線照射により、接着シール材を硬化させた後、液晶を注入し、注入部を封止して、液晶表示素子を得る方法を挙げることができるが、液晶表示板の作製方法によって本発明が限定されるものではない。
【0023】
本発明の液晶表示素子は、従来の液晶表示素子と同じ用途、たとえば、テレビ、モニター、パーソナルコンピューター、ワードプロセッサー、カーナビゲーションシステム、DVD、デジタルビデオカメラ、PHS(携帯情報端末)などの画像表示素子として使用される。
【0024】
【実施例】
以下に本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のものではなく、前・後記の趣旨の範囲で設計変更することはいずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
実施例中で「部」、「%」とは特にことわりがない限り、それぞれ「重量部」、「重量%」を表すものとする。
(実施例1)
懸濁重合により製造した平均粒子径4.7μm、粒子径の標準偏差0.52μmのジビニルベンゼン系球状粒子からなる粉体を図1に示した装置を用いて分級を行った。分級にあたって、1分間に1回90゜ずつ分級装置を回転させた。なお、分級中ハウジング上部を窒素ガスによって0.1kgf/cm2に加圧するとともに3分に1回10秒間ずつ洗浄媒体供給管より粉体の分散媒を流出させふるいの洗浄を行った。
【0025】
電成ふるいとしてニッケル系で開孔径3.9μm、線数1500本/インチのもの(ふるいA)を用い、上記条件で1時間分級を行った後、ハウジング上部に残存した液を回収し(下分級)、これをニッケル系で開孔径4.7μm、線数1500本/インチの電成ふるい(ふるいB)を用いて再び10分間分級し、ハウジング下部に流出した分散体を回収した(上分級)。
回収した分散体のろ過、乾燥を行い、分級粒子1を得た。分級粒子1の平均粒子径は4.28μmで、粒子径の標準偏差は0.18μmであった。
(実施例2)
図2に示した装置を用いて、平均粒子径6.5μm、粒子径の標準偏差0.73μmの球状シリカ粒子を、ニッケル系で開孔径6.0μm、線数1000本/インチのふるい(ふるいC)およびニッケル系で開孔径7.0μm、線数1000本/インチのふるい(ふるいD)を用いて、分級を行った。分級にあたって、1rpmで分級装置を回転させた。なお、分級中ハウジング下部を600Torrに減圧するとともに3分に1回10秒間ずつ洗浄媒体供給管より粉体の分散媒を流出させふるいの洗浄を行った。
【0026】
この分級の結果、平均粒子径6.52μm、粒子径の標準偏差0.21μmの分級粒子2が得られた。
(実施例3)
実施例2と同様の装置を用いて、平均粒子径5.3μm、粒子径の標準偏差0.34μmのアクリル−シロキサン複合球状粒子を、実施例1で使用したふるいAおよび実施例2で使用したふるいCを用いて、照射する超音波の振幅15μmで分級を行った。分級にあたって、1分間に1回90゜ずつ分級装置を回転させた。なお、分級中ハウジング下部を600Torrに減圧するとともに1分に1回3秒間ずつ洗浄媒体供給管より粉体の分散媒を流出させふるいの洗浄を行った。
【0027】
この分級の結果、平均粒子径5.34μm、粒子径の標準偏差0.18μmの分級粒子3が得られた。
(実施例4)
コア粒子として実施例3で得られた分級粒子3の表面をスチレン−アクリル樹脂(平均粒子径0.4μm、Tg68℃)で乾式コーティングを行い、熱可塑性樹脂コーティング粒子とした。この粒子の平均粒子径は6.2μm、粒子径の標準偏差0.78μmであった。このコーティング粒子を、実施例1と同様の装置を用いて、実施例1で使用したふるいAおよび実施例2で使用したふるいCを用いて、分級を行った。分級にあたって、1分間に1回90゜ずつ分級装置を回転させた。なお、分級中ハウジング上部を窒素ガスによって0.1kgf/cm2に加圧するとともに3分に1回10秒間ずつ洗浄媒体供給管より粉体の分散媒を流出させふるいの洗浄を行った。
【0028】
この分級の結果、平均粒子径5.54μm、粒子径の標準偏差0.27μmの分級粒子4が得られた。
(比較例1)
実施例1において分級装置を回転しなかった以外は同様の操作を行ったところ、ふるいB上に多量の粒子が沈降しわずかしか分級粒子(比較分級粒子1)が得られなかった。なお、比較分級粒子1の平均粒子径は4.22μm、粒子径の標準偏差0.27μmであった。
(比較例2)
実施例2において洗浄媒体供給管より粉体の分散媒を流出させずにふるいCを用いて分級を行ったところ、ふるいC上に多量の粒子が沈降しハウジング下部への分級液の流出が著しく低下したため下分級を終了した。その後ふるいDを用いて上分級を行った後、ろ過、乾燥を行い、比較分級粒子2を得た。
【0029】
比較分級粒子2の平均粒子径は6.50μm、粒子径の標準偏差は0.25μmであった。
(比較例3)
実施例4においてハウジング上部への窒素ガスの導入を行わず、常圧下で分級を行ったところ、実施例4と比較して2.5倍の時間を分級に要した。
この分級の結果、平均粒子径5.44μm、粒子径の標準偏差は0.26μmの比較分級粒子3が得られた。比較分級粒子3を光学顕微鏡観察したところ、コア粒子の付着していない粒子が分級粒子4と比較して多数観察された。
【0030】
(実施例5)
図3に示すような液晶表示素子を以下の方法により作製した。まず、300mm×345mm×1.1mmの下側ガラス基板21上に、透明電極15およびポリイミド配向膜14を形成した後、ラビングを行って、下側電極基板210を得た。その下側電極基板210に、メタノール30重量部、イソプロパノール20重量部、水50重量部の混合溶媒中に実施例1で得られた分級粒子1を液晶表示素子用スペーサー18として1重量%となるように均一に分散させたものを5秒間散布した。
【0031】
一方、300mm×345mm×1.1mmの上側ガラス基板22上に、透明電極15およびポリイミド配向膜14を形成した後、ラビングを行って、上側電極基板220を得た。そして、エポキシ樹脂接着シール剤中に実施例1で得られた分級粒子1をシール部スペーサー13として30重量%となるように分散させたものを上側電極基板220の接着シール部分にスクリーン印刷した。
最後に、上側電極基板220、下側電極基板210を電極15および配向膜14がそれぞれ対向するように、液晶表示素子用スペーサー18を介して貼り合わせ、4kg/cm2の圧力を加え、150℃の温度で30分間加熱し、接着シール剤12を硬化させた。その後、2枚の電極基板210、220の隙間を真空とし、さらに大気圧に戻すことによりビフェニル系およびフェニルシクロヘキサン系の液晶物質を混合した液晶17を注入し、注入部を封止した。そして、上下ガラス基板22、21の外側にポリビニルアルコール系偏光膜16を貼り付けて液晶表示素子1とした。
【0032】
液晶表示素子1について画像むらの有無を目視により評価したところ、画像むらは確認されなかった。
(実施例6および7、比較例4および5)
実施例2および3、比較例1および2で得られた分級粒子を用いて、実施例5と同様にして液晶表示素子2および3、比較液晶表示素子1および2をそれぞれ作製し、実施例5と同じ方法で評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例8、比較例6)
実施例4、比較例3で得られた分級粒子を用いて、実施例5と同様にして液晶表示素子4、比較液晶表示素子3をそれぞれ作製した。得られた液晶表示素子に1000回殴打試験を行った後、画像むらの有無を目視により評価した。結果を表2に示す。
【0033】
【表1】
Figure 0003996318
【0034】
【表2】
Figure 0003996318
【0035】
【発明の効果】
本発明の第1の分級方法では、分級装置として超音波を印加する超音波照射チップと電成ふるい移動および/または回転させる機構とを具備するものを使用するため、電成ふるいの上に粒子が堆積しにくくなり、分級効率が向上する。上記電成ふるいを移動および/または回転させる機構は、超音波照射チップとは独立に設けられているので、超音波照射チップと電成ふるいの相対位置を変化させることができる。
本発明の第2の分級方法では、分級中に前記電成ふるいを下流側から洗浄するので、電成ふるいの目詰まりを防止することができる。あるいは目詰まりの原因となっている粒子を取り除くことができる。
本発明の第3の分級方法では、分散体に圧力をかけた状態で、および/または、電成ふるいの出口側を減圧した状態で、分級を行うので、分級効率を向上させることができる。
【0036】
本発明によって分級された粒子は、粒子径が極めてそろったものであり、かつ不純物の混入が極めて少ないものである
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の分級方法に用いられる分級装置の一例を表す概略断面図である。
【図2】 本発明の分級方法に用いられる分級装置の他の一例を表す概略断面図である。
【図3】 本発明の液晶表示素子用スペーサーが用いられる液晶表示素子の一例を表す概略断面図である。
【符号の説明】
1 電成ふるい
2 サポート
3 パッキン
4 ハウジング上部
4′ ハウジング下部
5 超音波照射チップ
6、6′ 媒体循環ライン
7 媒体供給ライン
8 電成ふるいの移動および/または回転機構
9 洗浄媒体供給管
10 気体導入管
11 真空ライン
12 接着シール材
13 シール部スペーサー
14 配向膜
15 電極
16 偏光膜
17 液晶
18 面内スペーサー
21 下側ガラス基板
22 上側ガラス基板
210 下側電極基板
220 上側電極基板

Claims (3)

  1. 原料粉体を液状媒体に分散させた分散体を、電成ふるいを備えた分級装置に通すことによって、前記原料粉体を所望の粒度範囲の粒子に分級する方法であって、前記分級装置として、超音波振動を印加する超音波照射チップと、該超音波照射チップとは独立に前記電成ふるいを回転させる機構とを備え、かつ、前記電成ふるいの回転軸と前記超音波照射チップの軸とが一致しないものを使用することを特徴とする粉体の分級方法。
  2. 分級中に前記電成ふるいを下流側から洗浄することを特徴とする請求項1に記載の粉体の分級方法。
  3. 前記分散体に圧力をかけた状態で、および/または、前記電成ふるいの出口側を減圧した状態で、分級を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の粉体の分級方法。
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