JP3995534B2 - 吸収性物品の個装体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は生理用ナプキン、パンティライナー、失禁用パッド等の吸収性物品を個別に包装する吸収性物品の個装体に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
生理用ナプキン、パンティライナー、失禁用パッド等の吸収性物品を個別に包装した吸収性物品の個装体が種々知られている。吸収性物品は、これを下着に固定する為のホットメルトや粘着テープなどの粘着固定部を非肌当接面側に有しており、この粘着固定部を覆う剥離紙等の剥離材、及び個別包装に用いられるフィルムなどの包装材で包まれて個装体が形成されている。従って吸収性物品の使用時には、包装材を開封し、更に剥離材を剥がす必要があり、ゴミが出て取り扱いづらいといった問題があった。
【0003】
かかる問題を解決する為、実開平2−17127号公報及び特開平5−103814号には、剥離材及び包装材を用いる代わりに、フィルムに剥離処理を施した剥離処理個装フィルムを使用し、該フィルムによって吸収性物品の粘着固定部を覆い、更に吸収性物品を包装し、両端をヒートシールした吸収性物品の包装構造が提案されている。しかしながら、フィルムに剥離処理を施している事に起因してヒートシールが容易でないという問題がある。具体的には、十分にシールできなかったり、逆に強くシールされ過ぎる場合がある。強くシールされ過ぎると、包装材の開封時に開封音が大きくなってしまう。また、開封時に包装材が破れたり伸びてしまい、吸収性物品の取り出し性が悪化してしまう。
【0004】
ヒートシール性を改善し、使用者の手間を軽減すべく、特開平7−88129号公報には、紙と熱融着性樹脂とを複合したものに剥離処理を施した包装材を使用する事が提案されている。しかし、紙を使用している為、包装材が硬くなりすぎ、触感に劣り、また吸収性物品を包んで捨てる時にクシャクシャになりやすい。またこの種の包装材には、開封を容易にする目的及び使用済みの吸収性物品を包んで廃棄する目的で、タブテープが取り付けられていることが多い。この場合、紙はパルプ等の短繊維材料から作られることから表面強度が弱く、タブテープをつまんだ時に紙が破れることがしばしばある。
【0005】
包装材の外観及び触感を向上させ、また開封時の音を低減することを目的として、特開2001−159063号公報及び特開2002−645号公報には、包装材料としてフィルムの代わりに不織布を用いることが提案されている。しかし不織布は繊維材料から構成されていることから、いくら目の詰まったものを用いたとしても、保存時に、埃、水分、臭いなどがで吸収性物品が汚染される可能性がある。また、包装材を単に不織布にするだけであり、吸収性物品の粘着固定部を覆う剥離材は別に必要であり、その結果製造経費が高くなったり加工工程が複雑になったりする欠点もある。
【0006】
従って本発明は、良好な外観を呈し、肌触りの良い柔らかな吸収性物品の個装体を提供することを目的とする。
また本発明は、包装材と吸収性物品の粘着部を覆う剥離材とが一体となった機能を有し、また吸収性物品を包装した後にヒートシールするときのヒートシール性に優れ、更に包装材を開封するときの開封音を低減し得る吸収性物品の個装体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、吸収性物品とこれを個別に包装する包装材とを備えた吸収性物品の個装体において、
前記包装材は、熱融着性樹脂からなる繊維を構成繊維として含む不織布の一方の面に、熱融着性樹脂からなるフィルムが積層されてなり、前記フィルムの側の面が剥離処理されており、前記不織布がスパンボンド・メルトブローン・スパンボンド複合不織布から構成されており、
前記吸収性物品は、粘着剤の塗布された面を有しており、
前記吸収性物品における前記粘着剤の面が、前記包装材における前記剥離処理された面に当接され、且つ前記製品の周縁から延出している前記包装材における前記フィルムどうしが互いにヒートシールされるように、前記吸収性物品が前記包装材に包装されている吸収性物品の個装体を提供することにより前記目的を達成したものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には、本発明の包装材によって包装された生理用ナプキンの個装体の斜視図が示されており、図2には図1に示す個装体の展開状態の斜視図が示されている。また図3には、包装材1の断面の構造が模式的に示されている。
【0010】
図1及び図2に示すように、本実施形態の包装材1は、吸収性物品としての生理用ナプキン2を個別に包装するために用いられるものであり、ナプキン2は包装材1に個別に包装されて個装体3を形成している。ナプキン2は、縦長の形状をしており、液透過性のトップシート、液不透過性のバックシート及び両シート間に介在配置された液保持性の吸収体(何れも図示せず)を具備している。ナプキン2における包装材1の対向面(バックシート外面)には、ナプキン2を着用者の着衣に固定するための粘着剤の層(図示せず)が形成されている。包装材1は、ナプキン2の周縁から外方に延出しており、縦長の矩形状をしている。図3に示すように包装材1は外面11及び内面12を有する。包装材1の内面12は、所定の剥離処理がなされてナプキン2が載置される面である。包装材1の外面11は、包装材1によってナプキン2が個装されて個装体3となされたときに、該個装体3の外面をなす面である。
【0011】
個装体3は、包装材1の剥離処理面(内面)と、ナプキン2における粘着剤の層とが当接するように、包装材1上にナプキン2を載置して図2に示す状態となした後、包装材3及びナプキン2を三つ折り又は四つ折りに折り畳み、折り畳んだ後の包装材1の左右両側縁(つまり、ナプキン1の側縁から外方に延出している部位どうし)を、ヒートシールなどの所定の接合手段によって封止してシール部4を形成し、更に包装材3の端部を跨ぐようにタブテープ5を貼着させることで得られる。
【0012】
図3に示すように包装材1は、不織布13の一方の面にフィルム14が積層一体化されてなるシートである。そして、包装材1における不織布13の側の面が外面11を構成し、フィルム14の側の面が内層12を構成している。
【0013】
包装材1における不織布13は、スパンボンド・メルトブローン・スパンボンド複合不織布(以下、SMS不織布ともいう)から構成されている。詳細には、不織布13は、スパンボンド法に準じ連続フィラメントを堆積させて形成された第1層15と第2層16との間に、メルトブローン法に準じ溶融樹脂の吹き付けによって形成された第3の層が積層一体化されてなる三層構造の複合不織布から構成されている。各層は、熱融着性樹脂を構成繊維として含んでいる。本実施形態において、スパンボンド・メルトブローン・スパンボンド複合不織布とは、スパンボンド法に準じて形成された層間に、メルトブローン法に準じて形成された層が積層一体化されてなる多層構造の複合不織布を包含する。従って、例えば四層構造であるスパンボンド・メルトブローン・メルトブローン・スパンボンド複合不織布や、五層構造であるスパンボンド・スパンボンド・メルトブローン・メルトブローン・スパンボンド複合不織布も本発明における不織布13に含まれる。
【0014】
不織布13における一方の面、本実施形態においては第2層16の表面に、フィルム14が積層されている。フィルム14は熱融着性樹脂から構成されている。
【0015】
本実施形態の包装材1が前述の構成を有することによって、該包装材1は、包装材料としての機能と、ナプキン2の粘着部を覆う剥離材としての機能を併せ持ったものになり、別途剥離紙などを使用する必要がない。また包装材1は、良好な外観を呈し、また肌触りが良く柔らかな感触を呈する。この理由は、包装材1は、布様の感触を有する材料である不織布13の側の面、つまりスパンボンド法に準じて形成された第1層15が外方を向くように使用されるからである。更に、後述するように、フィルム14を構成する樹脂のしみ出し、あるいはフィルム14と不織布13とを接合するために用いられる接着剤のしみ出しが、メルトブローン法に準じて形成された第3層17によって阻止されるので、第1層15の良好な風合いが保たれるからである。
【0016】
更に、包装材1が、スパンボンド法に準じて形成された第1層15が外方を向くように使用されることによって、包装材1の毛羽立ちや繊維の脱落が防止される。毛羽立ちや繊維脱落が起こるとタブテープ5の粘着力が低下してしまい、ナプキン2の廃棄時に、ナプキン2を包装材1に包んで、その端部をタブテープ5で粘着固定することができない場合がある。
【0017】
本実施形態の包装材1は、ヒートシール性に優れている。この理由は、包装材1の内面12は熱融着性樹脂から構成されているフィルム14からなるからである。従来、不織布にフィルムを積層一体化させ、ヒートシール性を向上させること自体は知られていた。しかしその場合には、不織布の目の間から樹脂や接着剤がしみ出ることを防止するために、フィルムの坪量を高くしたり或いは接着剤の塗布量を高くしないと、十分な接合強度を得ることができなかった。その結果、得られる複合シートは剛性の高いものとなってしまい、風合いが損なわれていた。これに対して本実施形態においては、不織布13を構成する層の一つとしてメルトブローン法に準じて形成された第3層17を用いているので、不織布の目の間からの樹脂や接着剤のしみ出しが効果的に防止され、フィルムの坪量や接着剤の塗布量を低くすることが可能となった。このように、本実施形態の包装材1は、ヒートシール性を高めつつ、その風合いが向上するという二律背反の要求を満たすものである。
【0018】
また、不織布13を構成する層の一つとしてメルトブローン法に準じて形成された第3層17を用いていることで、フィルム14が低坪量であっても該フィルム14の外面(つまり包装材1の内面12)を平滑にできるという利点がある。フィルム14の外面を平滑にできることは、該面に剥離剤を均一に塗布できるという点から極めて有利である。剥離剤が均一に塗布できないと、包装材1からのナプキン2の剥離操作に支障をきたすおそれがある。
【0019】
フィルム14を低坪量とし得ることで、個装体3の開封時にシール部4を引き剥がすときの音を低減できることにもなる。この理由は次の通りである。フィルム14が低坪量であると、フィルム14と不織布13との接合強度が、高くなりすぎず、逆に低すぎることにもならない。これに対してシール部4におけるフィルム14どうしの接合は十分に高いものとなる。その結果、個装体3の開封時に、シール部4におけるフィルム14どうしの剥離よりも、フィルム14と不織布13との剥離が優先的に起こりやすくなる。フィルム14と不織布13との剥離音は、一般にフィルム14どうしの剥離音よりも小さい。
【0020】
フィルム14と不織布13との接合強度には、不織布13におけるフィルム14が積層される層である第2層16の存在も重要である。具体的には、フィルム14が、スパンボンド不織布からなる第2層16と積層されることで、十分な接合強度が得られる。仮に、フィルム14が、第2層16ではなく、メルトブローン不織布からなる第3層17上に直接接合されると、十分な接合強度は得られない。
【0021】
不織布13とフィルム14との接合強度は、5〜200cN/25mm、特に10〜150cN/25mmであることが、不織布13とフィルム14との接着を十分に確保しつつ、個装体3の開封時の音を十分に低減する点から好ましい。不織布13とフィルム14との接合強度は、次の方法によって測定される。
【0022】
<不織布とフィルムとの接合強度の測定方法>
包装材1を、その長手方向(MD)に200mm、MDと直交する方向(幅方向、CD)に25mmの大きさに裁断し、これを試験片とする。試験片は5枚用意する。不織布13とフィルム14とを、試験片の長手方向端部から約75mm剥離させる。不織布13とフィルム14とが剥離した面の長さは約150mmとなる。試験片における剥離させた部分を、テンシロン引張試験機のチャックに取り付ける。このとき、不織布13を上側のチャックに取り付け、フィルム14を下側のチャックに取り付ける。チャック間距離は100mmとする。引張速度300mm/minの条件下で、チャック間距離が200mmになるまで180度剥離を行い、荷重を測定する。測定された荷重には複数点の極大値が観察されることから、該極大値の平均値を求める。5枚の試験片につき極大値の平均値を求め、それらの平均値を算出しこれを不織布とフィルムとの接合強度の値とする。
【0023】
以上の通り、本実施形態の包装材1は、フィルム14が低坪量であっても所望の効果が得られる点が特徴の一つである。この観点から、フィルム14の坪量は5〜20g/m2、特に6〜12g/m2であることが好ましい。一方、不織布13の坪量も低坪量とすることができ、具体的には10〜20g/m2、特に12〜18g/m2であることが好ましい。
【0024】
不織布13の坪量に関しては前述の通りであるが、該不織布13を構成する各層の坪量は、布様の外観や感触の発現、樹脂や接着剤のしみ出し防止及び包装材1全体としての風合い維持などを考慮して決定される。特に、第2層16の坪量は、不織布13とフィルム14との接合性や、後述するフィルム14の平滑性を左右する要因となる。これらの観点から、第1及び第2層15,16の坪量はそれぞれ独立に4〜10g/m2、特に5〜10g/m2であることが好ましく、第3層17の坪量は2〜8g/m2、特に3〜6g/m2であることが好ましい。
【0025】
前述の通り、包装材1においてはフィルム14が低坪量でもその表面を平滑にすることができる。フィルム14の表面(即ち包装材1の内面12)の平均表面粗さRa(JIS B 0601に準拠)は、15μm以下、特に10μm以下であることが、剥離剤を均一に塗布し得る点から好ましい。平均表面粗さRaの下限値に特に制限はなく低ければ低いほど好ましい。平均表面粗さRaは次の方法によって測定される。
【0026】
<平均表面粗さRaの測定方法>
包装材1を、その長手方向に70mm、幅方向に20mmの大きさに裁断し、これを第1の試験片とする。また、包装材1を、その長手方向に20mm、幅方向に70mmの大きさに裁断し、これを第2の試験片とする。第1の試験片は包装材1の長手方向の表面粗さの測定に用い、第2の試験片は幅方向の測定に用いる。各試験片をそのフィルム側を表にして、70mm×26mmのマイクロスライドガラス上に、しわが生じないようにしながらテープで固定し測定サンプルとする。表面粗さ計(東京精密(株)製、商品名 SURFCOM300B)を用い、表面粗さを通常の測定方法に従い測定する。測定条件は、針5μm、走査速度0.3mm/sec、荷重40mgf、走査長さ8mmとする。各試験片とも5枚について測定を行い、計10個の測定値の平均値を表面粗さRaの値とする。
【0027】
不織布13を構成する第1層15及び第2層16の構成繊維としては、所定温度での加熱によって融着する熱融着性樹脂からなる繊維が用いられる。熱融着性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンとα−オレフィンとの共重合体のようなポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートのようなポリエステル樹脂などが用いられる。第3層16の構成繊維としても同様のものを用いることができる。
【0028】
一方、不織布13に積層されるフィルム14も熱融着性樹脂からなり、その具体例としては、上述の不織布と同様のものが挙げられる。個装加工時におけるフィルム14どうしのヒートシール適性を考慮すると、フィルム14を構成する熱融着性樹脂は、その融点が、不織布13を構成する熱融着性樹脂、特にフィルム14が積層される面と反対側の面である第1層15を構成する熱融着性樹脂の融点よりも10〜200℃低いこと、特に20〜150℃低いことが好ましい。これによって、個装加工時に不織布13の面側からヒートシールをしても、フィルム14どうしのヒートシールを良好に行うことができる。この観点からの不織布13とフィルム14との好ましい組み合わせとしては、例えばポリプロピレン不織布(融点が約170℃)と、低密度ポリエチレンフィルム(融点約110℃)との組み合わせが挙げられる。
【0029】
不織布13は部分的に熱エンボスされており、その外面(即ち包装材1における外面11)に、該熱エンボスによる凹凸(図示せず)が形成されている。これによって、包装材1はその不織布側の面(即ち外面11)の摩擦係数が高められている。その結果、個装体3を複数個袋詰めするときの加工性が良好になる。この観点から、包装材1における外面11の静摩擦係数(JIS K 7125)は0.2〜1.5、特に0.3〜1であることが好ましい。静摩擦係数は次の方法で測定される。熱エンボス加工は、包装材1の製造工程(これについては後述する)において施される。
【0030】
包装材を縦×横=100mm×100mmの大きさに切り出し、これを測定サンプルとする。次に、63mm×63mm×厚み7mmのステンレス板につり手がついた機具(63mm×63mmの正面及び背面を有し、63mm×7mmの側面を4面有し、一側面の中央につり手が設けられたステンレス製の治具)に、測定サンプルの測定面(本実施形態においては包装材の外面)が表になるように巻きつけ固定して、測定用のスベリ片を得る。測定サンプルに弛みや皺が出ないように、前記機具の背面全面を測定サンプルで覆い、つり手を通す穴を開けて貼りつけ(包装材の縦方向をつり手と同じ方向に貼り付ける)、更に正面を、テープを用いて貼り付けてスベリ片を得る。次いで、摩擦係数測定で滑らせる台(縦500mm×横300mmのステンレス板)上に、包装材を縦×横=250mm×100mmの大きさに切り出し、切り出された包装材の測定面(本実施形態においては包装材の外面11)が表になるように、ステンレス板上にシワのないように、周りをテープで貼り付けて滑り測定台とする(切り出された包装材の縦方向とステンレス板の縦方向とが同一となるようにする)。この滑り測定台を水平にした上に、前記スベリ片の背面を当接させておき、該スベリ片上にスベリ片と重りの荷重が計1kgとなるように、荷重をかけて、引張速度200mm/min、引張距離60mm、チャート速度30mm/minの条件にて摩擦係数の測定を行う。得られたチャートより常法に準じて静摩擦係数を求める。(摩擦係数としては、静摩擦力が0.35kgなら静摩擦係数は0.35となる。)
【0031】
包装材1は次の方法で好適に製造される。先ず不織布13を構成するSMS不織布は次の方法で好適に製造される。スパンボンド法に準じ溶融紡糸法によって熱融着性樹脂からなる連続フィラメントを、吸引状態にあるワイヤメッシュ上に堆積させる。その上に、メルトブローン法に準じ熱融着性樹脂を吹き付ける。更にその上に、スパンボンド法に準じ溶融紡糸法によって熱融着性樹脂からなる連続フィラメントを堆積させる。このようにして得られた三層構造のウエブを、平滑ロールと彫刻ロールとからなる一対のロールを備えたエンボス装置を用いて熱エンボス加工して、三者を部分的に接合一体化させSMS不織布からなる不織布13を得る。次に、得られたSMS不織布における前記平滑ロール対向面に、溶融ラミネート法によって熱融着性樹脂を積層し、フィルム14を形成する。この後、必要に応じて不織布13とフィルム14とを熱エンボス加工してもよい。更に、フィルム14の表面に所定の剥離剤を塗布し、包装材1が得られる。
【0032】
不織布13とフィルム14とを一体化させる方法としては、前述の溶融ラミネート法に代えて、ホットメルト粘着剤などの接着剤を用い不織布13とフィルム14とを接着させることもできる。但し、フィルム14が低坪量である場合には接着剤等を用いるよりも、溶融ラミネート法を用いた方が、一層の低コスト化が図れ、また別途接着剤を必要としないので好ましい。
【0033】
剥離剤としては、例えばシリコーン系樹脂やフッ素系樹脂が用いられる。剥離剤は、様々な方法でフィルム14の表面に施すことが可能である。例えば、各種グラビア法によりフィルム14の表面に塗工する方法、フィルム内に含有させる方法、スプレーでフィルム14の表面に散布する方法が挙げられる。剥離剤としてシリコーン系樹脂を使用する場合には、紫外線硬化処理や電子線硬化処理によって剥離剤を硬化させることが好ましい。剥離剤の層の厚みは0.1〜10μm程度であることが好ましい。
【0035】
本発明は前記実施形態に制限されない。例えば前記実施形態においては個別包装の対象となる吸収性物品として生理用ナプキンを例にとって説明したが、これ以外の吸収性物品、例えばパンティライナーや失禁パッド等にも同様に適用できる。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、良好な外観を呈し、肌触りの良い柔らかな吸収性物品の個装体が提供される。
本発明の吸収性物品の個装体は、包装材と吸収性物品の粘着部を覆う剥離材とが一体となった機能を有する。また吸収性物品を包装した後にヒートシールするときのヒートシール性に優れ、更に包装材を開封するときの開封音が低減する。
【図面の簡単な説明】
【図1】包装材によって包装された生理用ナプキンの個装体の斜視図である。
【図2】図1に示す個装体の展開状態を示す斜視図である。
【図3】包装材の断面の構造を示す模式図である。
【符号の説明】
1 包装材
2 生理用ナプキン(吸収性物品)
3 個装体
4 シール部
5 タブテープ
11 外面
12 内面
13 不織布
14 フィルム
15 第1層
16 第2層
17 第3層
Claims (1)
- 吸収性物品とこれを個別に包装する包装材とを備えた吸収性物品の個装体において、
前記包装材は、熱融着性樹脂からなる繊維を構成繊維として含む不織布の一方の面に、熱融着性樹脂からなるフィルムが積層されてなり、前記フィルムの側の面が剥離処理されており、前記不織布がスパンボンド・メルトブローン・スパンボンド複合不織布から構成されており、
前記吸収性物品は、粘着剤の塗布された面を有しており、
前記吸収性物品における前記粘着剤の面が、前記包装材における前記剥離処理された面に当接され、且つ前記製品の周縁から延出している前記包装材における前記フィルムどうしが互いにヒートシールされるように、前記吸収性物品が前記包装材に包装されており、
前記不織布の坪量が10〜20g/m 2 であり、前記フィルムの坪量が5〜20g/m 2 であり、
前記フィルム側の面の平均表面粗さが15μm以下であり、
前記不織布と前記フィルムとの接合強度が5〜200g/25mmであり、
少なくとも前記不織布が部分的に熱エンボスされており、該不織布側の静摩擦係数(JIS K 7125)が0.2〜1.5であり、
前記スパンボンド不織布の坪量がそれぞれ独立に4〜10g/m 2 であり、前記メルトブローン不織布の坪量が2〜8g/m 2 であり、
前記フィルムを構成する熱可塑性樹脂は、その融点が、該フィルムが積層される面と反対の面の前記スパンボンドを構成する熱可塑性樹脂の融点よりも10〜200℃低いものであり、
前記フィルムと前記複合不織布とが溶融ラミネート法によって積層されている吸収性物品の個装体。
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