JP3994743B2 - 液晶装置の製造方法及び液晶装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画面全域で配向を均一化するようにした液晶装置の製造方法及び液晶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶ライトバルブ等の液晶装置は、ガラス基板、石英基板等の2枚の基板間に液晶を封入して構成される。液晶ライトバルブでは、一方の基板に、例えば薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下、TFTと称す)等のスイッチング素子をマトリクス状に配置し、他方の基板に共通電位を供給する対向電極を配置して、両基板間に封止した液晶層の光学特性を画像信号に応じて変化させることで、画像表示を可能にする。
【0003】
TFTを配置したTFT基板と、TFT基板に対向配置される対向基板とは、別々に製造される。両基板は、パネル組立工程において高精度に貼り合わされた後、液晶が封入される。パネル組立工程においては、先ず、各基板工程において夫々製造されたTFT基板と対向基板との対向面、即ち、対向基板及びTFT基板の液晶層と接する面上に配向膜が形成され、次いでラビング処理が行われる。
【0004】
配向膜を形成してラビング処理を施すことで、電圧無印加時の液晶分子の配列が決定される。配向膜は、例えばポリイミドを約数十ナノメーターの厚さで塗布することにより形成される。液晶層に対向する両基板の面上に配向膜を形成することで、液晶分子を基板面に沿って配向処理することができる。ラビング処理は、ラビングロールを配向膜と接するように配置し、ラビングロールを高速で回転させながら、配向膜を擦ることにより、配向膜表面に細かい溝を形成し、あるいは配向膜を形成する高分子側鎖の方向を揃えることにより配向異方性の膜にするものであり、配向膜に一定方向のラビング処理を施すことで、液晶分子の配列を規定することができる。なお、ラビングロールの回転速度がラビングロールと液晶基板の相対移動速度より十分大きい場合、ラビング方向はラビングローラの回転方向によって規定される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、液晶パネルの透過率特性は、液晶のΔnd(Δnは液晶分子の屈折率異方性,dはセル厚(光路長))の影響を受ける。Δnは液晶分子の向き、つまり液晶分子集合の配向状態によって変化する。従って、配向状態が画面全体で一様でない場合には、表示品位が低下し、例えばざらつき感等として現れる。
【0006】
特に、マトリクス状に配置したTFT画素のゲート線(走査線)又はソース線(データ線)方向近傍は段差が大きく、配向均一性の低下によって、この方向にスジむらが発生しやすいという問題点があった。
【0007】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、ラビングロールの回転方向、移動方向及び基板の向き等の設定によって、配向状態を画面全域で均一にして表示品位を向上させることができる液晶装置の製造方法及び液晶装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る液晶装置の製造方法は、素子基板及び対向基板の間で液晶がツイストネマチックモードとなるように素子基板及び対向基板を互いに異なる2つのラビング方向にラビング処理することを含んだ液晶装置の製造方法であって、素子基板及び対向基板の少なくとも一方の液晶基板とラビングロールとの相対進行方向を規定する第1の手順と、相対進行方向に対するラビングロールの回転軸の傾きを規定する第2の手順と、傾きを有する回転軸の回りでラビングロールを回転させながら、相対進行方向に液晶基板とラビングロールとを相対的に進行させることにより、所定方向に延びた段差がある表面を有した液晶基板にラビング処理を施す第3の手順と、を具備し、第3の手順において、所定の方向に延びた段差の両側壁面のうち、互いに異なる2つのラビング方向のよって決まる向きにねじれ配向された液晶の配向障害となる壁面がラビングロールによって擦り上げられるように、第1の手順および第2の手順において相対進行方向および傾きを規定することを特徴とする。
【0009】
このような構成によれば、段差の両側壁面のうち配向障害となる壁面がラビングロールによって擦り上げるられることにより、この配向障害となる壁面近傍において配向不良を防ぐことができる。
【0010】
また、第1の手順は、液晶基板とラビングロールとの相対進行方向を所定方向に対して所定角度傾斜させ、第2の手順は、相対進行方向に対するラビングロールの回転軸の傾きを90度に規定することを特徴とする。
【0011】
このような構成によれば、ラビング方向を、段差の両側壁面のうち配向障害となる壁面側をラビングロールによって擦り上げるように所定角度傾斜させることができ、段差が配向障壁である場合でも、段差近傍における配向不良を防止することができる。
【0012】
また、第1の手順は、液晶基板とラビングロールとの相対進行方向を所定方向に対して所定角度傾斜させ、第2の手順は、相対進行方向に対するラビングロールの回転軸の傾きを液晶のねじれ方向に基づいて90度から所定角度傾斜させることを特徴とする。
【0013】
このような構成によれば、ラビングロール表面の移動方向を段差の両側壁面のうち液晶の配向障害となる壁面をラビングロールによって擦り上げるように所定角度傾斜させることができるので、段差が配向障害となる壁面である場合でも、段差近傍における配向不良を防止することができる。
【0016】
また、段差は、液晶基板の表面にある複数の段差のうちも最も大きな段差であることを特徴とする。
【0017】
このような構成によれば、少なくもと最も大きい段差部分の配向不良を防止することができ、配向の均一化が促進される。
【0018】
また、前記段差は、前記液晶基板に形成された相互に直交するデータ線又は走査線によって構成されることを特徴とする。
【0019】
このような構成によれば、データ線又は走査線によって液晶基板表面に段差が形成される場合でも、これらの段差による配向不良を防止することができる。
【0020】
対向基板を、走査線方向にラビング処理し、素子基板のみを、第1乃至第3の手順によってラビング処理することを特徴とする。
【0021】
このような構成によれば、段差が大きいデータ線近傍の配向不良を防止することができる。
【0022】
本発明に係る液晶装置は、ラビングロールの回転方向と所定方向の所定角度が、1〜6度の範囲に設定されることを特徴とする。
【0023】
このような構成によれば、1〜6度の範囲の傾斜角度でラビングロールの表面が配向障壁部分を移動しながらラビングが行われるので、配向不良が確実に防止される。また、本件出願人は先に出願した特願平2000−248525号明細書において、ツイスト角をこの範囲にすることによりコントラストが向上することを開示している。
【0024】
また、前記相対進行方向に対するラビングロールの回転軸の傾きが10〜45度の範囲に設定されることを特徴とする。
【0025】
このような構成によれば、10〜45度の範囲の傾斜角度でラビングロールの表面が配向障壁部分を移動しながらラビングが行われるので、配向不良が確実に防止される。
【0026】
本発明に係る液晶装置は、請求項1乃至8のいずれか1つに記載の液晶装置の製造方法によって製造されたことを特徴とする。
【0027】
このような構成によれば、ラビングロールの表面が、段差の両側壁面のうち互いに異なる2つのラビング方向によって決まる液晶のねじれ配向の向きに基づいた配向障害となる壁面を擦り上がるように所定の角度傾斜して移動しながらラビングが行われている。従って、液晶装置は、液晶の回転がスムーズに行われるように配向不良が防止され、表示品質に優れている。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係る液晶装置の製造方法を説明するための説明図である。図2は液晶装置の画素領域を構成する複数の画素における各種素子、配線等の等価回路図である。図3はTFT基板等の素子基板をその上に形成された各構成要素と共に対向基板側から見た平面図であり、図4は素子基板と対向基板とを貼り合わせて液晶を封入する組立工程終了後の液晶装置を、図3のH−H'線の位置で切断して示す断面図である。また、図5は液晶装置を詳細に示す断面図である。図6はパネル組立工程を示すフローチャートである。
【0029】
本実施の形態は光の旋光性を利用したツイストネマチックモードの液晶パネルに適用したものであり、ラビング時にラビングロールの回転方向及び進行方向、ステージの進行方向並びに基板の向き等を適宜設定することにより、画面全体で均一な配向状態を得て表示品位を向上させるようになっている。
【0030】
先ず、図2乃至図5を参照して、液晶パネルの構造について説明する。
【0031】
液晶パネルは、図3及び図4に示すように、TFT基板等の素子基板10と対向基板20との間に液晶50を封入して構成される。素子基板10上には画素を構成する画素電極等がマトリクス状に配置される。図2は画素を構成する素子基板10上の素子の等価回路を示している。
【0032】
図2に示すように、画素領域においては、複数本の走査線3aと複数本のデータ線6aとが交差するように配線され、走査線3aとデータ線6aとで区画された領域に画素電極9aがマトリクス状に配置される。そして、走査線3aとデータ線6aの各交差部分に対応してTFT30が設けられ、このTFT30に画素電極9aが接続される。
【0033】
TFT30は走査線3aのON信号によってオンとなり、これにより、データ線6aに供給された画像信号が画素電極9aに供給される。この画素電極9aと対向基板20に設けられた対向電極21との間の電圧が液晶50に印加される。また、画素電極9aと並列に蓄積容量70が設けられており、蓄積容量70によって、画素電極9aの電圧はソース電圧が印加された時間よりも例えば3桁も長い時間の保持が可能となる。すなわち、蓄積容量70によって、電圧保持特性が改善され、コントラスト比の高い画像表示が可能となる。
【0034】
図5は、一つの画素に着目した液晶パネルの模式的断面図である。
【0035】
ガラスや石英等の素子基板10には、素子基板完成時の段差形状を調整する為に溝11が形成されている。この溝11上に遮光膜12及び第1層間絶縁膜13を介してLDD構造をなすTFT30が形成されている。溝11によって、TFT基板の液晶50との境界面が平坦化される。
【0036】
TFT30は、チャネル領域1a、ソース領域1d、ドレイン領域1eが形成された半導体層に絶縁膜2を介してゲート電極をなす走査線3aが設けられてなる。なお、遮光膜12は、TFT30の形成領域に対応する領域、後述するデータ線6a及び走査線3a等の形成領域、即ち各画素の非表示領域に対応した領域に形成されている。この遮光膜12によって、入射光がTFT30のチャネル領域1a、ソース領域1d及びドレイン領域1eに入射することが防止される。
【0037】
TFT30上には第2層間絶縁膜14が積層され、第2層間絶縁膜14上にはバリア層15が形成されている。バリア層15上には誘電体膜17を介して容量線18が対向配置されている。容量線18は、容量層と遮光層とからなり、バリア層15との間で蓄積容量を構成すると共に、光の内部反射を防止する遮光機能を有する。半導体層に比較的近接した位置にバリア層15を形成しており、光の乱反射を効率よく防止することができる。
【0038】
容量線18上には第3層間絶縁膜19が配置され、第3層間絶縁膜19上にはデータ線6aが積層される。データ線6aは、第3及び第2層間絶縁膜19,14を貫通するコンタクトホール24a,24bを介してソース領域1dに電気的に接続される。データ線6a上には第4層間絶縁膜25を介して画素電極9aが積層されている。画素電極9aは、第4〜第2層間絶縁膜25,19,14を貫通するコンタクトホール26a,26bにより容量線18を介してドレイン領域1eに電気的に接続される。画素電極9a上にはポリイミド系の高分子樹脂からなる配向膜16が積層され、図1に示す方法によって所定方向にラビング処理されている。
【0039】
走査線3a(ゲート電極)にON信号が供給されることで、チャネル領域1aが導通状態となり、ソース領域1dとドレイン領域1eとが接続されて、データ線6aに供給された画像信号が画素電極9aに与えられる。
【0040】
一方、対向基板20には、TFTアレイ基板のデータ線6a、走査線3a及びTFT30の形成領域に対向する領域、即ち各画素の非表示領域において第1遮光膜23が設けられている。この第1遮光膜23によって、対向基板20側からの入射光がTFT30のチャネル領域1a、ソース領域1d及びドレイン領域1eに入射することが防止される。第1遮光膜23上に、対向電極(共通電極)21が基板20全面に亘って形成されている。対向電極21上にポリイミド系の高分子樹脂からなる配向膜22が積層され、所定方向にラビング処理されている。
【0041】
そして、素子基板10と対向基板20との間に液晶50が封入されている。これにより、TFT30は所定のタイミングでデータ線6aから供給される画像信号を画素電極9aに書き込む。書き込まれた画素電極9aと対向電極21との電位差に応じて液晶50の分子集合の配向状態が変化して、光を変調し、階調表示を可能にする。
【0042】
図3及び図4に示すように、対向基板20には表示領域を区画する額縁としての遮光膜42が設けられている。遮光膜42は例えば遮光膜23と同一又は異なる遮光性材料によって形成されている。
【0043】
遮光膜42の外側の領域に液晶を封入するシール材41が、素子基板10と対向基板20間に形成されている。シール材41は対向基板20の輪郭形状に略一致するように配置され、素子基板10と対向基板20を相互に固着する。シール材41は、素子基板10の1辺の一部において欠落しており、貼り合わされた素子基板10及び対向基板20相互の間隙には、液晶50を注入するための液晶注入口78が形成される。液晶注入口78より液晶が注入された後、液晶注入口78を封止材79で封止するようになっている。
【0044】
素子基板10のシール材41の外側の領域には、データ線駆動回路61及び実装端子62が素子基板10の一辺に沿って設けられており、この一辺に隣接する2辺に沿って、走査線駆動回路63が設けられている。素子基板10の残る一辺には、画面表示領域の両側に設けられた走査線駆動回路63間を接続するための複数の配線64が設けられている。また、対向基板20のコーナー部の少なくとも1箇所においては、素子基板10と対向基板20との間を電気的に導通させるための導通材65が設けられている。
【0045】
次に、図6を参照してパネル組立工程について説明する。素子基板10(TFT基板)と対向基板20とは、別々に製造される。ステップS1 ,S6 で夫々用意されたTFT基板及び対向基板20に対して、次のステップS2 ,S7 では、配向膜16,22となるポリイミド(PI)を塗布する。次に、ステップS3 ,S8 において、素子基板10表面の配向膜16及び対向基板20表面の配向膜22に対して、ラビング処理を施す。
【0046】
次に、ステップS4 ,S9 において、洗浄工程を行う。この洗浄工程は、ラビング処理によって生じた塵埃を除去するためのものである。洗浄工程が終了すると、ステップS5 において、シール材41(図3参照)を形成する。次に、ステップS10で、素子基板10と対向基板20とを貼り合わせ、ステップS11でアライメントを施しながら圧着し、シール材41を硬化させる。最後に、ステップS12において、シール材41の一部に設けた切り欠きから液晶を封入し、切り欠きを塞いで液晶を封止する。
【0047】
次に、図7及び図8を参照して、ラビング角の設定の理由について説明する。図7は液晶パネルの配向状態を説明するための説明図である。
【0048】
本実施の形態は光の旋光性を利用したツイストネマチックモードの液晶パネルに適用したものである。
【0049】
図7は水平及び垂直方向にマトリクス状にデータ線及びゲート線が配置されたTFT基板を用いたツィストネマチックモードの液晶パネルについて、光の透過状態を偏光顕微鏡にて観察した状態を模式的に示している。なお、図7の液晶パネルは、図8に示すラビング方向でラビングされている。図7及び図8は図3と同様に、対向基板側から見た図である。なお段差の大きさの関係は、データ線>ゲート線の例である。
【0050】
図7において、塗り潰した格子状部分71は対向基板上に形成されたブラックマトリクスを示している。また、図7中の無地の領域72は、配向状態が均一の部分を示している。そして、図7中の斜線の領域73は、配向状態が不安定な部分を示している。配向状態が不良な領域73は、TFT基板のデータ線に沿っている。即ち、この領域73はTFT基板表面が段差を有する部分の一方の側面に相当する。
【0051】
図8に示すように、TFT基板のラビング方向は垂直方向下から上側に向かっており、TFT基板近傍では液晶分子は下側がTFT基板に隣接し上側がTFT基板から離間したチルトを有する。一方、対向基板のラビング方向は水平方向右から左側に向かっており、対向基板近傍では液晶分子は右側が対向基板に隣接し左側が対向基板から離間したチルトを有する。即ち、対向基板側に隣接する液晶分子の向きを基準にすると、電圧無印加時には液晶分子は対向基板とTFT基板との間で反時計方向に90度回転する。
【0052】
従って、図8のラビング状態では、TFT基板側の液晶分子のチルトを考慮すると、パネル表面側から見て液晶分子の左側に段差を有する場合に、液晶分子の回転が妨害されるものと考えられる。逆に、ラビング方向が図9に示すものである場合には、パネル表面側から見て液晶分子の右側にあるデータ線による段差が障壁となる。
【0053】
つまり、これらの段差障壁近傍では液晶分子は配向障害を受けやすい。なお、TFTパネルでは信号線、容量線、遮光膜等によっても基板表面に段差が生じており、これらの段差部分においても配向障害が生じる。
【0054】
そこで、本実施の形態においては、配向障害が液晶分子のチルトの向き、即ち、ラビング方向と段差の向きとに応じて発生することを考慮して、段差を生じさせる信号線の向きに対してラビングの向きを傾斜させることにより、配向障害を抑制するものである。これにより、本実施の形態においては、液晶パネルの段差部分においても配向状態を良好にして、画面全体で均一な配向状態を得るようになっている。
【0055】
図1において、ステージ81上には液晶基板82が載置されている。図1の例はTFT基板と対向基板とのラビング方向の関係が図8に示す関係を有する場合の例である。液晶基板82は上述した素子基板10であり、図6のステップS2 における配向膜形成が行われものである。なお、仮に対向基板20表面にも段差がある場合には、対向基板20に対しても図1の方法によってラビングを行えばよい。
【0056】
ラビングロール83は、円柱形状に構成され、円中心を軸84として周方向に回動自在である。ラビングロール83の周面には、例えばレーヨンで形成されたラビング布が取り付けられている。ラビング布の表面からはレーヨンの毛先が伸びている。ラビングロール83とステージ81とは、ラビング布による液晶基板82へのラビング圧が所定値になるように、垂直方向の位置決めが行われている。
【0057】
ステージ81とラビングロール83とは相対的に移動自在であり、図1では、例えば、ラビングロール83がステージ81に対して矢印85にて示す水平方向に相対的に移動することを示している。ラビングロール83を回転させながらステージ81を水平方向に移動させて、ラビングロール83の回転及びステージ81の移動によって、ラビング布で液晶基板82の全面を擦ってラビングを行う。
【0058】
本実施の形態においては、液晶基板82は、ラビングロール83とステージ81との相対移動方向に対して所定角度傾斜させて配置している。
【0059】
従って、図1の矢印85にて示すラビング方向は、液晶基板82の垂直方向に対して所定角度傾斜している。即ち、この場合には、データ線の配線方向に対して、所定角度だけラビング方向がずれている。図1と図7,図8との比較から明らかなように、データ線等による段差の両側壁面のうち配向障害を与えやすい壁面に対して、段差の下側から上側に向かってラビングロール83が進行するように、設定される。
【0060】
このように構成された実施の形態においては、素子基板82に対するラビング時には、図1の矢印85に示す方向にラビングが行われる。即ち、ラビングロール83の表面は、液晶基板82と対向基板との間のラビング方向の関係が図8に示す関係である場合に、液晶基板82のデータ線による段差に対して、配向障害を与えやすい壁面の下側から上側に向かって進行する。
【0061】
本実施の形態におけるラビング処理では、ラビング布が配向障害を与える段差壁面を擦り上げる方向に進行するように行われる。このようにラビング処理された液晶基板82を図8に示す関係を有して対向基板と貼り合わせるものとする。そうすると、対向基板側に隣接する液晶分子の向きを基準にすると、電圧無印加時には、TFT基板側の液晶分子は対向基板側に向かって時計方向に回転する。
【0062】
この場合には、配向障害を与える段差壁面近傍のTFT基板に隣接する液晶分子は、段差壁面近傍において段差を斜めに横切るように配向状態が規定されており、ラビング布によるラビング方向に沿ってチルトが形成される。従って、液晶分子は、段差障壁近傍であっても、時計方向に回転しやく、段差障壁近傍において配向状態が不良となることを防止することができる。
【0063】
このように、本実施の形態においては、ラビング方向を段差の向きに対して液晶ねじれ方向に応じて所定角度傾斜させており、段差障壁近傍の配向不良の発生を防止することができる。これにより、配向状態を画面全域で均一にして表示品位を向上させることができる。
【0064】
なお、TFT基板側のラビング方向をデータ線等の段差に対して所定角度傾斜させているが、対向基板側もTFT基板側のラビング方向に応じてツイスト角が90度異なるように所定角度傾斜させてラビング処理を行ってもよい。また、ツイスト角を90度に設定する必要がない場合には、対向基板側については、基板の水平又は垂直軸に一致させたラビング方向でラビング処理を行ってもよい。
【0065】
なお、段差方向とラビングロール83及びステージ81の相対進行方向との角度は、1〜6度の範囲に設定されることが望ましい。この角度範囲の場合に、配向状態は良好となりやすい。また、対向基板のラビング方向を水平軸に一致させた場合、ツイスト角は、91〜96度となり、本件出願人が先に出願した特願平2000−248525号明細書に開示した通り、コントラスト特性が良好となる。
【0066】
図10は本発明の第2の実施の形態を示す説明図である。図10において図1と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0067】
本実施の形態はラビングロール83の回転方向に対してステージ81とラビングロール83との相対移動方向を液晶ねじれ方向に応じて所定角度傾斜させた状態でラビングを行う方式に適用したものである。
【0068】
第1の実施の形態においては、ラビング方向を段差の向きに対して傾斜させることで、段差障壁近傍の配向不良の発生を防止した。しかし、ラビング方向を段差の向き、即ちデータ線の向き等に対して傾斜させることから、製造工程において回転方向の基準軸の設定が困難である。
【0069】
そこで、本実施の形態は、ラビング方向を段差方向に一致させると共に、ラビングロールを配向障害を与えやすい壁面の下側から上側に向かってラビング布表面を進行させるようにすることにより、配向不良の発生を防止すると共に、製造工程における回転方向基準軸の設定を容易にすることを可能にしたものである。
【0070】
本実施の形態においては、図10に示すように、段差を構成するデータ線等の向きが、軸84の向きによって規定されるラビングロール83の回転方向に一致するように、液晶基板82をステージ81上に配置している。矢印96はラビングロール83の回転速度方向を示している。また、矢印95はステージ81とラビングロール83の水平方向の相対移動方向を示している。
【0071】
ラビングロール83の回転速度は、ラビングロール83とステージ81との相対移動速度に対して極めて高速であり、ラビング方向は略ラビングロール83の回転方向に一致する。
【0072】
しかし、ラビングロール83とステージ81との相対移動方向は、液晶基板82のデータ線等の段差に対して傾斜しており、本実施の形態においても、ラビングロール83は、データ線等による段差の両側壁面のうち配向障害を与えやすい壁面に対して、段差の下側から上側に向かって進行するように、設定される。
【0073】
このように、本実施の形態においては、バイアスラビングを行うことで、ラビング方向をデータ線等による段差方向に一致させると共に、ラビングロール83とステージ81の相対移動方向を、段差に対して液晶ねじれ方向に応じて所定角度傾斜させている。これにより、液晶分子は段差障壁近傍においても回転しやすく、配向不良が生じることはない。
【0074】
なお、本実施の形態においても、段差方向とラビングロール83及びステージ81の相対進行方向との角度は、10〜45度の範囲に設定されることが望ましい。この角度範囲の場合に、配向状態は良好となりやすい。
【0075】
図11は第2の実施の形態によって製造した液晶パネルについて、図7と同様に、光の透過状態を偏光顕微鏡にて観察した状態を示している。また、図12は段差に対するラビング方向の傾斜角度を液晶分子のねじれ方向を考慮することなく設定した場合の例である。なお、図11及び図12の例は図8と同一のラビング方向に設定した場合の例である。
【0076】
第2の実施例のように、ラビングロール83が段差障壁の下側から上側に向かって擦り上げながらラビングを行った場合には、図11と図8との比較から明らかなように、領域93は比較的配向が均一となる。これに対し、図12の場合には、ラビングロール83が段差障壁の上側から下側に向かって擦り下げながらラビングを行った場合の例である。この場合には、領域94は配向が不均一となっている。
【0077】
このように、ラビングロール表面が段差障壁を下側から上側に向かって擦り上げながら進行することによって、段差障壁近傍における配向不良の発生を防止することが可能である。
【0078】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、ラビングロールの回転方向、移動方向及び基板の向き等の設定によって、配向状態を画面全域で均一にして表示品位を向上させることができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る液晶装置の製造方法を説明するための説明図。
【図2】液晶装置の画素領域を構成する複数の画素における各種素子、配線等の等価回路図。
【図3】TFT基板等の素子基板をその上に形成された各構成要素と共に対向基板側から見た平面図。
【図4】素子基板と対向基板とを貼り合わせて液晶を封入する組立工程終了後の液晶装置を、図3のH−H'線の位置で切断して示す断面図。
【図5】液晶装置を詳細に示す断面図。
【図6】パネル組立工程を示すフローチャート。
【図7】ツイストネマチックモードの液晶パネルの光の透過状態を示す説明図。
【図8】対向基板及びTFT基板のラビング方向を示す説明図。
【図9】対向基板及びTFT基板のラビング方向と配向障壁を説明するための説明図。
【図10】本発明の第2の実施の形態を示す説明図。
【図11】第2の実施の形態についてツイストネマチックモードの液晶パネルの光の透過状態を示す説明図。
【図12】段差に対するラビング方向の傾斜角度を液晶分子のねじれ方向を考慮することなく設定した場合の例を示す説明図。
【符号の説明】
81…ステージ
82…液晶基板
83…ラビングロール
85…相対移動方向

Claims (9)

  1. 素子基板及び対向基板の間で液晶がツイストネマチックモードとなるように前記素子基板及び前記対向基板を互いに異なる2つのラビング方向にラビング処理することを含んだ液晶装置の製造方法であって、
    前記素子基板及び前記対向基板の少なくとも一方の液晶基板とラビングロールとの相対進行方向を規定する第1の手順と、
    前記相対進行方向に対する前記ラビングロールの回転軸の傾きを規定する第2の手順と、
    前記傾きを有する回転軸の回りで前記ラビングロールを回転させながら、前記相対進行方向に前記液晶基板と前記ラビングロールとを相対的に進行させることにより、所定方向に延びた段差がある表面を有した前記液晶基板にラビング処理を施す第3の手順と、を具備し、
    前記第3の手順において、前記所定の方向に延びた前記段差の両側壁面のうち、前記互いに異なる2つのラビング方向のよって決まる向きにねじれ配向された前記液晶の配向障害となる壁面が前記ラビングロールによって擦り上げられるように、前記第1の手順および前記第2の手順において前記相対進行方向および前記傾きを規定することを特徴とする液晶装置の製造方法。
  2. 前記第1の手順は、前記液晶基板と前記ラビングロールとの前記相対進行方向を前記所定方向に対して所定角度傾斜させ、
    前記第2の手順は、前記相対進行方向に対する前記ラビングロールの回転軸の傾きを90度に規定することを特徴とする請求項1に記載の液晶装置の製造方法。
  3. 前記第1の手順は、前記液晶基板と前記ラビングロールとの前記相対進行方向を前記所定方向に対して所定角度傾斜させ、
    前記第2の手順は、前記相対進行方向に対する前記ラビングロールの回転軸の傾きを前記液晶のねじれ方向に基づいて90度から所定角度傾斜させることを特徴とする請求項1に記載の液晶装置の製造方法。
  4. 前記段差は、前記液晶基板の表面にある複数の段差のうちも最も大きな段差であることを特徴とする請求項1に記載の液晶装置の製造方法。
  5. 前記段差は、前記液晶基板に形成された相互に直交するデータ線又は走査線によって構成されることを特徴とする請求項1に記載の液晶装置の製造方法。
  6. 前記対向基板を、走査線方向にラビング処理し、
    前記素子基板のみを、前記第1乃至第3の手順によってラビング処理することを特徴とする請求項3に記載の液晶装置の製造方法。
  7. 前記ラビングロールの回転方向と前記所定方向の所定角度が、1〜6度の範囲に設定されることを特徴とする請求項1、2、又は3に記載の液晶装置の製造方法。
  8. 前記相対進行方向に対する前記ラビングロールの回転軸の傾きが10〜45度の範囲に設定されることを特徴とする請求項1又は3のいずれか一方に記載の液晶装置の製造方法。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1つに記載の液晶装置の製造方法によって製造されたことを特徴とする液晶装置。
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