JP3994486B2 - 化学増幅型ポジ型レジスト組成物およびそのための共重合体 - Google Patents

化学増幅型ポジ型レジスト組成物およびそのための共重合体 Download PDF

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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体の微細加工に好適に用いられる化学増幅型のポジ型レジスト組成物、およびそれの樹脂成分として有用な共重合体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体の微細加工には通常、レジスト組成物を用いたリソグラフィプロセスが採用されており、リソグラフィにおいては、レイリー (Rayleigh) の回折限界の式で表されるように、原理的には露光波長が短いほど解像度を上げることが可能である。半導体の製造に用いられるリソグラフィ用露光光源は、波長436nmのg線、波長365nmのi線、波長248nmのKrFエキシマレーザーと、年々短波長になってきており、次世代の露光光源として、波長193nmのArFエキシマレーザーが有望視されている。
【0003】
ArFエキシマレーザー露光機に用いられるレンズは、従来の露光光源用のものに比べて寿命が短いので、ArFエキシマレーザー光に曝される時間はできるだけ短いことが望ましい。そのためには、レジストの感度を高める必要があることから、露光により発生する酸の触媒作用を利用し、その酸により解裂する基を有する樹脂を含有するいわゆる化学増幅型レジストが用いられる。
【0004】
ArFエキシマレーザー露光用のレジストに用いる樹脂は、レジストの透過率を確保するために芳香環を持たず、またドライエッチング耐性を持たせるため、芳香環の代わりに脂環式環を有するものがよいことが知られている。 このような樹脂としては、 D. C. Hofer et al., Journal of Photopolymer Science and Technology, Vol.9, No.3 (1996) 387-398 にまとめられているような、脂環式環を含むメタクリル酸エステル系の樹脂が知られている。その他、S. Iwasa et al., Journal of Photopolymer Science and Technology, Vol.9, No.3 (1996) 447-456 に示されるような、酸によって解裂する基(保護基)に脂環式基を導入した樹脂も提案されている。また、メタクリル酸系樹脂以外にも、T. I. Wallow et al., Proc. SPIE 1996, 2724, 355-364 に示されるような、2−ノルボルネンと無水マレイン酸の交互共重合体を含む樹脂も知られている。しかしながら、従来公知の種類の樹脂では、ドライエッチング耐性を上げるための十分な量の脂環式環を持ち、かつ基板への十分な接着性とともに、良好な解像度および感度を得ることは困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的の一つは、樹脂成分と酸発生剤を含有し、ArFやKrFなどのエキシマレーザーリソグラフィに適した化学増幅型のポジ型レジスト組成物であって、感度や解像度などの各種のレジスト性能が良好であるとともに、特に基板への接着性に優れるものを提供することにある。本発明の別の目的は、かかるレジスト組成物の樹脂成分として有用な共重合体を提供することにある。
【0006】
本発明者らは、特定の構造単位を有する共重合体を見出し、そしてその共重合体をレジスト組成物の樹脂成分として用いることにより、基板への接着性が改良されることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、酸発生剤とともに、下式(I)および(II)で示される各構造単位を有する樹脂を含有してなる化学増幅型ポジ型レジスト組成物を提供するものである。
【0008】
Figure 0003994486
【0009】
式中、R1 およびR2 は互いに独立に、水素、水酸基を有してもよいアルキル、水酸基もしくは基 -COOCH(CH3)OC2H4-R3を表すか、またはR1 とR2 が一緒になって、カルボン酸無水物残基を形成するか、もしくは基 -COOCH(CH3)OC2H4-R3を有してもよい2価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素残基を形成し、ここで、R3 は水素、アルキルまたは -OCOR4 を表し、ここにR4 は脂環式基を表す。
【0010】
Figure 0003994486
【0011】
式中、R5 は水素またはメチルを表し、R6 は脂環式基を表し、Xは直接結合、炭素数1〜4のアルキレンまたはシクロへキシレンを表し、mおよびnは互いに独立に0または1を表す。
【0012】
さらに本発明は、上記式(I)および(II)で示される各構造単位を有する共重合体をも提供する。
【0013】
上記の樹脂ないしは共重合体は、式(I)および(II)以外の構造単位を有することもでき、特に無水マレイン酸から導かれる下式(III) の単位を有するのが有利である。
【0014】
Figure 0003994486
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明のポジ型レジスト組成物を構成する樹脂、および本発明に係る共重合体は、上記式(I)および(II)で示される各構造単位を必須に含有し、任意にさらに上記式(III) で示される構造単位を有することができる。
【0016】
式(I)中のR1 およびR2 はそれぞれ、水素、アルキル、水酸基を有するアルキル、水酸基もしくは基 -COOCH(CH3)OC2H4-R3であることができ、ここでR3 は水素、アルキルまたは基 -OCOR4 であり、ここにR4 は脂環式基である。またR1 とR2 が一緒になって、カルボン酸無水物残基を形成するか、または2価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素残基を形成することもできる。R1 および/またはR2 が水酸基を有してもよいアルキルの場合、その炭素数は1〜4程度であることができる。R1 とR2 とで形成されるカルボン酸無水物残基とは、次の2価基を意味する。
【0017】
Figure 0003994486
【0018】
1 とR2 とで2価の炭化水素残基を形成する場合、トリメチレンやテトラメチレンのような脂肪族2価基、特にアルキレンを形成し、R1 とR2 が結合するそれぞれの炭素原子とともに単純な脂環式環となることができるほか、例えばシクロペンタン−1,3−ジイルのような脂環式2価基を形成し、R1 とR2 が結合するそれぞれの炭素原子とともに架橋の脂環式環となってもよい。これら脂環式環におけるR1 とR2 とで形成される部分は、炭素数3〜10程度、好ましくは炭素数3〜8程度であることができる。このようにR1 とR2 とで2価の脂肪族または脂環式炭化水素残基を形成する場合、その2価の脂肪族または脂環式炭化水素残基には、基 -COOCH(CH3)OC2H4-R3がさらに結合してもよく、ここでR3 は前記の意味を表す。
【0019】
1 またはR2 が基 -COOCH(CH3)OC2H4-R3である場合、またR1 とR2 とで2価の脂肪族または脂環式炭化水素残基を形成し、そこに基 -COOCH(CH3)OC2H4-R3が結合する場合、これらの基中のR3 で表されるアルキルも炭素数1〜4程度であることができ、R3 が基 -OCOR4 である場合のR4 で表される脂環式基は、シクロペンタン環やシクロヘキサン環のような単純な環であることもできるが、ボルナン環やノルボルナン環、トリシクロデカン環、テトラシクロドデカン環、アダマンタン環のような架橋多環であるのが好ましい。したがってR4 で表される脂環式基は、炭素数5〜16程度であることができ、具体的には、シクロペンチル、シクロヘキシル、イソボルニル、ノルボルニル、トリシクロデシル、テトラシクロデシル、1−アダマンチル、2−メチル−2−アダマンチル、2−アダマンチルなどが挙げられる。なかでも、1−アダマンチル、2−メチル−2−アダマンチル、2−アダマンチルのようなアダマンタン環、とりわけ1−アダマンチルが好ましい。
【0020】
式(I)で示される構造単位の中では、R1 およびR2 が水素であるもの、または基 -COOCH(CH3)OC2H4-R3を有する下式(Ia)もしくは(Ib)で示されるものが有利である。
【0021】
Figure 0003994486
【0022】
式中、R3 は前記の意味を表す。R3 は、水素または架橋多環の脂環式カルボニロキシであるのが、とりわけ水素または1−アダマンチルカルボニロキシであるのが有利である。
【0023】
以上の説明からわかるように、式(I)の構造単位は、2−ノルボルネン、その5−および/もしくは6−置換体、またはその5−位と6−位が結合した化合物、すなわち、下式(Ic)で示される脂環式不飽和化合物から導かれる。
【0024】
Figure 0003994486
【0025】
式中、R1 およびR2は前記の意味を表す。
【0026】
式(Ic)の脂環式不飽和化合物として具体的には、 2−ノルボルネン、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、5−ノルボルネン−2−メタノール、2−ヒドロキシ−5−ノルボルネン、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン(別名1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロ−1,4−メタノ−5,8−メタノナフタレン)、さらには上記の2−ノルボルネンまたはテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エンに基 -COOCH(CH3)OC2H4-R3(ここにR3 は前記の意味を表す)が結合した化合物などを挙げることができる。
【0027】
基 -COOCH(CH3)OC2H4-R3を有する式(Ic)の脂環式不飽和化合物、具体的には例えば、上記式(Ia)または(Ib)の構造単位へ導くためのモノマー化合物は、下式(Id)または(Ie)で示される。
【0028】
Figure 0003994486
【0029】
式中、R3 は前記の意味を表す。
【0030】
これら式(Id)および(Ie)の化合物は、例えば次のようにして製造することができる。まずR3 が水素またはアルキルである化合物は、式 CH2=CHOC2H4-R3 に相当するアルキルビニルエーテルと、2−ノルボルネンカルボン酸またはテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エンカルボン酸とを、適当な溶媒中、酸性条件下で反応させることにより、製造できる。R3 が基 -OCOR4 である化合物は、式 R4COCl に相当する脂環式カルボン酸クロリドを適当な溶媒中、塩基性条件下でエチレングリコールモノビニルエーテルと反応させて、脂環式カルボン酸の2−ビニロキシエチルエステルとし、これを2−ノルボルネンカルボン酸またはテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エンカルボン酸と適当な溶媒中、酸性条件下で反応させることにより、製造できる。それぞれの反応における溶媒としては、アセトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフランなどを用いることができる。また、これらの反応における条件は、常圧付近、室温から60℃程度までの温度、1〜20時間程度の時間の各範囲から選択することができる。
【0031】
式(II)の構造単位は、下式(IIa) で示される不飽和カルボン酸エステル化合物から導かれる。
【0032】
Figure 0003994486
【0033】
式中、R5 、R6 、X、mおよびnは、前記の意味を表す。
【0034】
式(IIa) の不飽和カルボン酸エステル化合物は、アクリル酸またはメタクリル酸の、1−脂環式カルボニロキシエチルエステル(m=n=0の場合)、 1−(ω−脂環式カルボニロキシアルコキシ)エチルエステル(m=1、n=0の場合)、1−(1−脂環式カルボニロキシエトキシ)エチルエステル(m=0、n=1の場合)または1−〔ω−(1−脂環式カルボニロキシエトキシ)アルコキシ〕エチルエステル(m=n=1の場合)である。したがって、この不飽和カルボン酸エステル化合物は、m=n=0の場合、m=1でn=0の場合、m=0でn=1の場合およびm=n=1の場合に応じて、それぞれ下式(IIb) 、(IIc) 、(IId) または(IIe) で示される。
【0035】
Figure 0003994486
【0036】
式中、R5 、R6 およびXは前記の意味を表す。
【0037】
式(II)、(IIa) 、(IIb) 、(IIc) 、(IId) および(IIe) において、R6 で表される脂環式基は、脂環式カルボン酸からカルボキシル基を除去して得られるもので、その炭素数は5〜16程度であることができ、またその種類は特に限定されないが、特に架橋多環のものが好ましい。 具体的には、ボルナン環、ノルボルナン環、トリシクロデカン環、テトラシクロドデカン環、アダマンタン環などが挙げられ、さらに具体的には、イソボルニル、ノルボルニル、トリシクロデシル、テトラシクロデシル、1−アダマンチル、2−メチル−2−アダマンチル、2−アダマンチルなどが挙げられる。なかでも、1−アダマンチル、2−メチル−2−アダマンチル、2−アダマンチルのようなアダマンタン環、とりわけ1−アダマンチルが好ましい。またXは、直接結合、炭素数1〜4のアルキレンまたはシクロへキシレンであり、ここでシクロへキシレンの結合手の位置は任意である。Xが直接結合であるものは、原料的に有利である。
【0038】
式(IIb) の化合物は、例えば、式 R6COOH に相当する脂環式カルボン酸をビニルエステルとした後、適当な溶媒中、酸性条件下でアクリル酸またはメタクリル酸と反応させることにより、製造できる。 式(IIc) の化合物は、 例えば、式 R6COCl に相当する脂環式カルボン酸クロリドを適当な溶媒中、塩基性条件下でアルキレングリコールモノビニルエーテルと反応させて、脂環式カルボン酸のビニロキシアルキルエステルとした後、適当な溶媒中、酸性条件下でアクリル酸またはメタクリル酸と反応させることにより、製造できる。また、式(IId) および式(IIe) の化合物はそれぞれ、例えば、式 CH2=CH(OCH2-X-CH2)mOCH=CH2 に相当するジビニルエーテルまたはアルキレングリコールジビニルエーテルを適当な溶媒中、酸性条件下でアクリル酸またはメタクリル酸および式 R6COOH に相当する脂環式カルボン酸と任意の順序で反応させることにより、製造できる。それぞれの反応における溶媒としては、アセトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフランなどを用いることができる。これらの反応における条件は、常圧付近、室温から60℃程度までの温度、1〜20時間程度の時間の各範囲から選択することができる。
【0039】
式(IIa) の不飽和カルボン酸エステル化合物、すなわち、式(IIb) 、(IIc) 、(IId) および(IIe) の化合物として、具体的には例えば、次のようなものを挙げることができる。
【0040】
2−ノルボルナンカルボン酸1−メタクリロイロキシエチル、
テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン−4−カルボン酸1−メタクリロイロキシエチル、
1−アダマンタンカルボン酸1−メタクリロイロキシエチル、
2−ノルボルナンカルボン酸2−(1−メタクリロイロキシエトキシ)エチル、
テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン−4−カルボン酸 2−(1−メタクリロイロキシエトキシ)エチル、
1−アダマンタンカルボン酸2−(1−メタクリロイロキシエトキシ)エチル、
2−メチル−2−アダマンタンカルボン酸2−(1−メタクリロイロキシエトキシ)エチル、
2−アダマンタンカルボン酸2−(1−メタクリロイロキシエトキシ)エチル、
1−アダマンタンカルボン酸1−(1−メタクリロイロキシエトキシ)エチル、
1−アダマンタンカルボン酸1−〔2−(1−メタクリロイロキシエトキシ)エトキシ〕エチル、
1−アダマンタンカルボン酸1−〔4−(1−メタクリロイロキシエトキシ)ブトキシ〕エチル、
1−アダマンタンカルボン酸1−〔4−(1−メタクリロイロキシエトキシメチル)シクロヘキシルメトキシ〕エチルなど。
【0041】
式(I)の単位となる2−ノルボルネンまたはその誘導体、式(II)の単位となる式(IIa) の不飽和カルボン酸エステル化合物、および任意に式(III) の単位となる無水マレイン酸を用いた共重合は、適当な溶媒にそれぞれのモノマーを所定の割合で溶解し、通常の溶液重合法によって行うことができる。溶媒の例としては、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどが挙げられる。この反応は通常、アゾビスイソブチロニトリルや過酸化ベンゾイルのような重合開始剤の存在下に、50〜100℃程度の温度で、1〜10時間程度行われる。
【0042】
本発明に係る共重合体ないし樹脂は、式(I)および(II)で示される各構造単位を必須に含むが、それぞれの割合は、共重合体全体を基準に、式(I)の構造単位が10〜70モル%程度、そして式(II)の構造単位が30〜90モル%程度であるのが好ましい。第三成分として式(III) の構造単位を導入する場合、その量は、共重合体全体を基準に35モル%以下程度であるのが好ましい。特に式(III) の構造単位を有する場合は、共重合体全体を基準に、式(I)の構造単位が10〜35モル%程度、式(II)の構造単位が30〜80モル%程度、そして式(III) の構造単位が10〜35モル%程度であるのが好ましい。また、本発明の効果を損なわない範囲で、これら以外の構造単位を有することもできるが、式(I)、(II)および(III) の各構造単位は、共重合体全体を基準に合計70モル%以上であるのが好ましい。この共重合体ないし樹脂は、重量平均分子量が 4,000〜30,000程度であるのが好ましい。
【0043】
本発明による前記式(I)および(II)の各構造単位を含み、任意に式(III) の構造単位を含む共重合体ないし樹脂は、それ自体ではアルカリに不溶または難溶であるが、酸の作用により式(II)の構造単位中で解裂し、また式(I)の構造単位が基 -COOCH(CH3)OC2H4-R3を有する場合にはその基中でも解裂し、解裂後はアルカリ可溶性となる。そこで本発明のレジスト組成物は、上記樹脂に加えて酸発生剤を含有する。酸発生剤は、その物質自体に、あるいはその物質を含むレジスト組成物に、光や電子線などの放射線を作用させることにより、その物質が分解して酸を発生するものである。酸発生剤から発生する酸が前記樹脂に作用して、その樹脂中の易解裂基(保護基)を解裂させることになる。このような酸発生剤には、例えば、オニウム塩化合物、有機ハロゲン化合物、スルホン化合物、スルホネート化合物などが包含される。具体的には、次のような化合物を例示することができる。
【0044】
ジフェニルヨードニウム トリフルオロメタンスルホネート、
4−メトキシフェニルフェニルヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
4−メトキシフェニルフェニルヨードニウム トリフルオロメタンスルホネート、
ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム テトラフルオロボレート、
ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロホスフェート、
ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム トリフルオロメタンスルホネート、
【0045】
トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、
トリフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
トリフェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネート、
4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネート、
p−トリルジフェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネート、
2,4,6−トリメチルフェニルジフェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネート、
4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネート、
4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウム ヘキサフルオロホスフェート、
4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
1−(2−ナフトイルメチル)チオラニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
1−(2−ナフトイルメチル)チオラニウム トリフルオロメタンスルホネート、
4−ヒドロキシ−1−ナフチルジメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモネート、
4−ヒドロキシ−1−ナフチルジメチルスルホニウム トリフルオロメタンスルホネート、
【0046】
2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−メトキシ−1−ナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(ベンゾ[d][1,3]ジオキソラン−5−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(3,4,5−トリメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(3,4−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(2,4−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(2−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−ブトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
2−(4−ペンチルオキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、
【0047】
1−ベンゾイル−1−フェニルメチル p−トルエンスルホネート(通称ベンゾイントシレート)、
2−ベンゾイル−2−ヒドロキシ−2−フェニルエチル p−トルエンスルホネート(通称α−メチロールベンゾイントシレート)、
1,2,3−ベンゼントリイル トリスメタンスルホネート、
2,6−ジニトロベンジル p−トルエンスルホネート、
2−ニトロベンジル p−トルエンスルホネート、
4−ニトロベンジル p−トルエンスルホネート、
【0048】
ジフェニル ジスルホン、
ジ−p−トリル ジスルホン、
ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(4−クロロフェニルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(p−トリルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(2,4−キシリルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、
(ベンゾイル)(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、
【0049】
N−(フェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、
N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、
N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、
N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、
N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフタルイミド、
N−(10−カンファースルホニルオキシ)ナフタルイミドなど。
【0050】
また、一般に化学増幅型のポジ型レジスト組成物においては、塩基性化合物、特に塩基性含窒素有機化合物、例えばアミン類を、クェンチャーとして添加することにより、露光後の引き置きに伴う酸の失活による性能劣化を改良できることが知られており、本発明においても、このような塩基性化合物を配合するのが好ましい。クェンチャーに用いられる塩基性化合物の具体的な例としては、以下の各式で示されるようなものが挙げられる。
【0051】
Figure 0003994486
【0052】
式中、R21、R22、R23、R24およびR25は互いに独立に、水素、水酸基で置換されてもよいアルキル、シクロアルキル、アリールまたはアルコキシを表し、Aはアルキレン、カルボニルまたはイミノを表す。ここで、R21ないしR25で表されるアルキルおよびアルコキシは、炭素数1〜6程度であることができ、シクロアルキルは、炭素数5〜10程度であることができ、そしてアリールは、炭素数6〜10程度であることができる。また、Aで表されるアルキレンは、炭素数1〜6程度であることができ、直鎖でも分岐していてもよい。
【0053】
本発明のレジスト組成物は、その全固形分重量を基準に、樹脂を80〜99.9重量%、そして酸発生剤を0.1〜20重量%の範囲で含有するのが好ましい。また、クェンチャーとしての塩基性化合物を用いる場合は、同じくレジスト組成物の全固形分重量を基準に、0.001〜1重量%の範囲で含有するのが好ましい。この組成物はまた、必要に応じて増感剤、溶解抑止剤、他の樹脂、界面活性剤、安定剤、染料など、各種の添加物を少量含有することもできる。
【0054】
本発明のレジスト組成物は通常、上記の各成分が溶剤に溶解された状態でレジスト液となり、シリコンウェハーなどの基体上に塗布される。ここで用いる溶剤は、各成分を溶解し、適当な乾燥速度を有し、溶剤が蒸発した後に均一で平滑な塗膜を与えるものであればよく、この分野で通常用いられているものであることができる。例えば、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテートおよびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートのようなグリコールエーテルエステル類、乳酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミルおよびピルビン酸エチルのようなエステル類、アセトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノンおよびシクロヘキサノンのようなケトン類、γ−ブチロラクトンのような環状エステル類などを挙げることができる。これらの溶剤は、それぞれ単独で、または2種以上組み合わせて用いることができる。
【0055】
基体上に塗布され、乾燥されたレジスト膜には、パターニングのための露光処理が施され、次いで脱保護基反応を促進するための加熱処理を行った後、アルカリ現像液で現像される。ここで用いるアルカリ現像液は、この分野で用いられる各種のアルカリ性水溶液であることができるが、一般的には、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドや(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド(通称コリン)の水溶液が用いられることが多い。
【0056】
【実施例】
次に実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。例中にある部は、特記ないかぎり重量基準である。
【0057】
合成例1(モノマーの合成)
1−アダマンタンカルボニルクロリド55.1gとピリジン44gを仕込み、1−アダマンタンカルボニルクロリドの2重量倍のメチルイソブチルケトンを加えて溶液とした。そこにエチレングリコールモノビニルエーテル37.2g(1−アダマンタンカルボニルクロリドに対して1.5モル倍)を滴下し、その後、室温で約10時間攪拌した。濾過後、有機層を5重量%重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、次いで水洗を2回行った。有機層を濃縮後、3重量倍の1,4−ジオキサンを加えて溶液とし、そこに適量のp−トルエンスルホン酸一水和物とメタクリル酸36gを仕込み、室温で約10時間攪拌した。その後、有機層を5重量%重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し、次に水洗を2回行った。この有機層を濃縮して、次式で示される1−アダマンタンカルボン酸2−(1−メタクリロイロキシエトキシ)エチルを得た。
【0058】
Figure 0003994486
【0059】
合成例2(樹脂A1の合成)
2−ノルボルネン、無水マレイン酸および合成例1で得られた1−アダマンタンカルボン酸2−(1−メタクリロイロキシエトキシ)エチルを、3:3:4のモル比(18.8g:19.6g:89.9g)で仕込み、全モノマーの2重量倍のメチルイソブチルケトンを加えて溶液とした。そこに、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを全モノマー量に対して2モル%添加し、80℃で約8時間加熱した。その後、反応液を大量のヘプタンに注いで沈殿させる操作を2回行い、精製した。その結果、次式で示され、各単位の組成モル比が30:30:40で、重量平均分子量が約 10,000 の共重合体を得た。
【0060】
Figure 0003994486
【0061】
合成例3(樹脂A2の合成)
合成例2において、2−ノルボルネン、無水マレイン酸および1−アダマンタンカルボン酸2−(1−メタクリロイロキシエトキシ)エチルのモル比を2:2:6(3.7g:3.9g:40.0g)とした以外は、合成例2と同様の操作を行った。その結果、次式で示され、各単位の組成モル比が20:20:60で、重量平均分子量が約 10,000 の共重合体を得た。
【0062】
Figure 0003994486
【0063】
合成例4(モノマーの合成)
シクロペンタジエンとアクリル酸より得られる5−ノルボルネン−2−カルボン酸90.8gおよびジシクロペンタジエン130gを仕込み、150℃で10時間反応させた後、炭酸カリウム水溶液を用いてpH10で抽出した。水層にジエチルエーテル100ccを加え、塩酸を用いてpH2.0で抽出し、さらにエーテル層を水洗した後、減圧濃縮を行い、次式で示されるテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エンカルボン酸を収率27.2%で得た。
【0064】
Figure 0003994486
【0065】
上で得られたテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エンカルボン酸34.5gを1,4−ジオキサン100gに溶解し、そこにp−トルエンスルホン酸0.1gとエチルビニルエーテル25.0gを加え、室温で2時間反応させた後、有機層を水で抽出し、さらに濃縮することにより、次式で示されるテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エンカルボン酸1−エトキシエチルを収率85.0%で得た。
【0066】
Figure 0003994486
【0067】
合成例5(樹脂A3の合成)
合成例4で得られたテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エンカルボン酸1−エトキシエチル、無水マレイン酸および合成例1と同様にして得られた1−アダマンタンカルボン酸2−(1−メタクリロイロキシエトキシ)エチルを、2:2:6のモル比(10.9g:3.9g:40.0g)で仕込み、全モノマーの2重量倍のテトラヒドロフランを加えて溶液とした。そこに、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを全モノマー量に対して2モル%添加し、63℃で約12時間加熱した。その後、反応液を大量のヘプタンに注いで沈殿させる操作を2回行い、精製した。 その結果、次式で示され、各単位の組成モル比が20:20:60で、重量平均分子量が約 10,000 の共重合体を得た。
【0068】
Figure 0003994486
【0069】
合成例6(モノマーの合成)
合成例1の前半と同様にして1−アダマンタンカルボニルクロリドとエチレングリコールモノビニルエーテルを反応させた。次に反応液をトルエンで抽出し、有機層を重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した後、水洗し、次いで有機層を濃縮して、次式で示される1−アダマンタンカルボン酸2−ビニロキシエチルを得た。
【0070】
Figure 0003994486
【0071】
5−ノルボルネン−2−カルボン酸35.88gおよび上で得られた1−アダマンタンカルボン酸2−ビニロキシエチル50.0gを仕込み、1,4−ジオキサン150gを加えて溶液とした。そこにp−トルエンスルホン酸0.1gを添加し、50℃で5時間攪拌した。室温に冷却後、炭酸カリウム水溶液による洗浄および水による洗浄を行った。有機層を減圧下で濃縮して、次式で示される5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−〔2−(1−アダマンチルカルボニロキシ)エトキシ〕エチルを得た。
【0072】
Figure 0003994486
【0073】
合成例7(樹脂A4の合成)
合成例6で得られた5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−〔2−(1−アダマンチルカルボニロキシ)エトキシ〕エチル、無水マレイン酸および合成例1と同様にして得られた1−アダマンタンカルボン酸2−(1−メタクリロイロキシエトキシ)エチルを、3:3:4のモル比(34.6g:8.7g:40.0g)で仕込み、全モノマーの2重量倍のテトラヒドロフランを加えて溶液とした。そこに、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを全モノマー量に対して2モル%添加し、63℃で約12時間加熱した。その後、反応液を大量のヘプタンに注いで沈殿させる操作を2回行い、精製した。その結果、次式で示され、各単位の組成モル比が30:30:40で、重量平均分子量が約 10,000 の共重合体を得た。
【0074】
Figure 0003994486
【0075】
合成例8(樹脂A5の合成)
2−ノルボルネンおよび合成例1と同様にして得られた1−アダマンタンカルボン酸2−(1−メタクリロイロキシエトキシ)エチルを4:6のモル比(7.5g:40.0g)で仕込み、全モノマーの2重量倍のテトラヒドロフランを加えて溶液とした。そこに、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを全モノマー量に対して2モル%添加し、63℃で約12時間加熱した。その後、反応液を大量のヘプタンに注いで沈殿させる操作を2回行い、精製した。その結果、次式で示され、各単位の組成モル比が40:60で、重量平均分子量が約 10,000 の共重合体を得た。
【0076】
Figure 0003994486
【0077】
合成例9(モノマーの合成)
エチレングリコールジビニルエーテル86gとp−トルエンスルホン酸0.1gを仕込み、1,4−ジオキサン150gを加えて溶液とした。そこにメタクリル酸43gを1時間かけて滴下し、さらに室温で2時間攪拌した。次にトルエンを加え、重炭酸ナトリウム水溶液および水にてトルエンを洗浄した後、トルエン層を濃縮した。濃縮残渣を減圧蒸留することにより、メタクリル酸1−(2−ビニロキシエトキシ)エチルを収率55%で得た。
【0078】
上で得られたメタクリル酸1−(2−ビニロキシエトキシ)エチル65g、1−アダマンタンカルボン酸70gおよびp−トルエンスルホン酸0.1gを仕込み、1,4−ジオキサン100gを加えて溶液とした。室温で2時間攪拌後、トルエンを加え、重炭酸ナトリウム水溶液および水にてトルエンを洗浄し、次にトルエン層を濃縮した。さらに濃縮残渣を減圧蒸留して、次式で示される1−アダマンタンカルボン酸1−〔2−(1−メタクリロイロキシエトキシ)エトキシ〕エチルを収率85%で得た。
【0079】
Figure 0003994486
【0080】
合成例10(樹脂A6の合成)
2−ノルボルネン、無水マレイン酸および合成例9で得られた1−アダマンタンカルボン酸1−〔2−(1−メタクリロイロキシエトキシ)エトキシ〕エチルを、3:3:4のモル比(5.0g:5.1g:26.7g)で仕込み、全モノマーの2重量倍のテトラヒドロフランを加えて溶液とした。そこに、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを全モノマー量に対して2モル%添加し、60℃に昇温して12時間反応させた。室温に冷却後、反応液を大量のヘプタンに注いで沈殿させる操作を2回行い、精製した。その結果、次式で示され、各単位の組成モル比が30:30:40で、重量平均分子量が約 10,000 の共重合体を得た。
【0081】
Figure 0003994486
【0082】
合成例11(樹脂AXの合成:比較用)
1−アダマンタンカルボン酸2−(1−メタクリロイロキシエトキシ)エチルとメタクリル酸を8:2のモル比(33.7g:2.2g)で仕込んだほかは、合成例2に準じて操作した。その結果、次式で示され、各単位の組成モル比が80:20で、重量平均分子量が約 10,000 の共重合体を得た。
【0083】
Figure 0003994486
【0084】
実施例1〜7
各例毎に、表1に示す樹脂を15部、酸発生剤としてのα−メチロールベンゾイントシレート(みどり化学(株)製)を0.3部および表1に示すクェンチャーを0.02部用い、これらをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート60部に溶かし、さらに孔径0.2μm のフッ素樹脂製フィルターで濾過して、レジスト液を調製した。これを、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)で処理したシリコンウェハー(水の接触角60°)に、乾燥後の膜厚が0.72μm となるよう塗布した。レジスト液塗布後のプリベークは、130℃、60秒の条件で、ダイレクトホットプレート上にて行った。
【0085】
こうしてレジスト膜を形成したウェハーに、KrFエキシマステッパー〔(株)ニコン製の“NSR-1755 EX8A”、NA=0.45〕を用いて、ラインアンドスペースパターンを露光した。次にホットプレート上にて、70℃、60秒の条件でポストエキスポジャーベーク(PEB)を行い、さらに、2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間のパドル現像を行った。現像後のパターンを走査型電子顕微鏡で観察し、以下の方法で、感度、解像度および接着性を調べた。それらの結果を、レジストの組成とともに表1に示す。
【0086】
感度: 0.5μm のラインアンドスペースパターンが1:1となる露光量(実効感度)で表示した。
【0087】
解像度: 実効感度の露光量で分離するラインアンドスペースパターンの最小寸法で表示した。
【0088】
接着性: 0.5μm のラインアンドスペースパターンが1:1となる露光量で露光、現像を行った後のパターンが、基板に接着しているものを○、少しでも剥がれているものを×と判定した。
【0089】
【表1】
Figure 0003994486
【0090】
(表1の脚注)クェンチャー
C1:2,2′−ジピリジルアミン
C2:2,6−ジイソプロピルアニリン
【0091】
表1に示すとおり、本発明により、特定成分の二元または三元共重合体である樹脂A1〜A6を用いたレジストは、現像剥がれを起こすことがなく、基板に対する接着性に優れている。また解像度および感度も優れている。なお、実施例1〜7で用いた組成物は、ArFエキシマレーザー露光機による露光でも、同様に優れた性能のレジストパターンを与える。
【0092】
比較例
樹脂A1に代えて、合成例11で得られた樹脂AXを用いた以外は、実施例1および2と同様の操作を行ったところ、現像後のパターンが基板から剥がれて倒れてしまい、感度および解像度の測定はできなかった。
【0093】
【発明の効果】
本発明の化学増幅型ポジ型レジスト組成物は、基板への接着性に優れており、感度や解像度などのレジスト諸性能も良好である。また、このレジスト組成物は親水性が高く、アルカリ現像液に対する濡れ性がよいことから、良好なプロファイル(パターンの形状)を与える。したがって、この組成物は、KrFエキシマレーザーやArFエキシマレーザーなどを用いた露光に適しており、それによって高い性能のレジストパターンが得られる。また、本発明に係る共重合体は、上記レジスト組成物の樹脂成分として有用である。

Claims (9)

  1. 下式(I)、(Ia)もしくは(Ib)で示される構造単位、および下式(II)
    Figure 0003994486
    〔式中、R1およびR2水素を表す〕
    Figure 0003994486
    〔式中、R 3 は水素または -OCOR 4 を表し、ここにR 4 は脂環式基を表す〕
    Figure 0003994486
    〔式中、R5は水素またはメチルを表し、R6は脂環式基を表し、Xは直接結合を表し、mは1を表し、nは0または1を表す〕
    で示される構造単位を有する樹脂、および酸発生剤を含有することを特徴とする化学増幅型ポジ型レジスト組成物。
  2. 樹脂が、さらに式(III)
    Figure 0003994486
    で示される構造単位を有する請求項1記載の組成物。
  3. さらに、塩基性含窒素有機化合物をクェンチャーとして含有する請求項1または2のいずれかに記載の組成物。
  4. 下式(I)、(Ia)もしくは(Ib)で示される構造単位、および下式(II)
    Figure 0003994486
    〔式中、R1およびR2水素を表す〕
    Figure 0003994486
    〔式中、R 3 は水素または -OCOR 4 を表し、ここにR 4 は脂環式基を表す〕
    Figure 0003994486
    〔式中、R5は水素またはメチルを表し、R6は脂環式基を表し、Xは直接結合を表し、mはを表し、nは0または1を表す〕
    で示される構造単位を有する共重合体。
  5. 式(Ia)および(Ib)中のR3が水素または1−アダマンチルカルボニロキシである請求項記載の共重合体。
  6. 式(II)中mが1、そしてnが0である請求項4または5のいずれかに記載の共重合体。
  7. 式(II)中のmおよびnがともに1である請求項4または5のいずれかに記載の共重合体。
  8. 式(II)中のR6が1−アダマンチルである請求項のいずれかに記載の共重合体。
  9. さらに、式(III)
    Figure 0003994486
    で示される構造単位を有する請求項のいずれかに記載の共重合体。
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