JP3993441B2 - Ofdm信号受信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、伝送方式として互いに直交する複数本の搬送波(キャリア)で情報符号を伝送する直交周波数分割多重変調方式(Orthogonal Frequency Divisional Multiplexing 方式、以下OFDM方式と記す)を用い、例えば複数本のキャリア(搬送波)に対して同期検波を用いる変調方式(同期変調方式)でディジタル変調され伝送されたOFDM信号の受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、移動体向けディジタル音声放送や、地上系ディジタルテレビジョン放送への応用に適した変調方式として、マルチパスフェージングやゴーストに強いという特徴のある直交周波数分割多重変調方式(Orthogonal Frequency Division Multiplex 方式:OFDM方式)が注目を浴びている。このOFDM方式は、マルチキャリア変調方式の一種であって、互いに直交するn本(nは数十〜数百)の搬送波にディジタル変調を施した伝送方式である。
【0003】
そして図2に示すように、多数のディジタル変調波を加算し、I軸、Q軸を直交変調して得られた変調信号を送信する。上記の搬送波のディジタル変調方式としては、16値直交振幅変調(16QAM:16 Quadrature Amplitude Modulation)や32QAM、64QAMなどの多値変調方式を用いることも可能である。
【0004】
OFDM方式は、その性能上、マルチパス環境や移動体伝送などの劣悪な環境下で使用されることが多い。マルチパス環境下では、送信機から直接、伝搬してきた主波と、山や建物に反射し、遅延時間を伴って受信機に到来する反射波の合成波が受信されることになる。
【0005】
また、移動体伝送では、主波と反射波の信号レベルが独立に変動する、レイリーフェージングなども発生し、主波のレベルよりも反射波のレベルの方が大きくなるような場合も発生する。
【0006】
この反射波による受信性能劣化を軽減するための措置として、様々な処理が考えられるが、その代表的なものに、ガードインターバルの付加が挙げられる。
【0007】
ガードインターバルとは、図3に示す様に、OFDM信号の有効シンボルの後半部分を、シンボルの前半部分に付加した信号であり、OFDM信号のシンボルは有効シンボルとガードインターバルから構成される。
【0008】
ガードインターバルを付加したことにより、ガード内の遅延時間の反射波に対しては、シンボル間干渉による劣化を避けることが出来るため、マルチパスフェージングに対して強い耐性を有することが可能である。
【0009】
図4は、従来のOFDM信号受信装置を示す図であるが、同期処理部、誤り訂正処理部等の本発明に関連しない処理に関しては割愛して示している。
【0010】
FFT窓位置制御部42では、A/D変換部41で受信信号サンプリングした受信サンプリング系列から、有効シンボル長のサンプルを取り出し、FFT43にて高速フーリエ変換を行い、時間軸信号から周波数軸信号(キャリア信号)に変換する。この際、FFT窓位置制御部42では、上記で説明したシンボル間干渉が発生しないようなタイミングで受信サンプル系列にFFT窓を設ける必要がある。
【0011】
また、反射波が混入すると、振幅変動や位相回転などが発生するため、16QAMや32QAM、64QAM等の同期検波方式で復調する必要のある変調方式では、各キャリアに対して、振幅及び位相の補正を行う必要がある。
図6,8は、これらの位相回転を模式的に示した図である。
【0012】
図5はFFT窓位置が有効シンボル位置と正確に一致した時の、OFDMシンボル波形とFFT窓の時間的なタイミングを示した図である。このように、FFT窓が有効シンボルと一致している場合には、図6に示すように、各キャリアの位相は全てのキャリアに対して位相角が0°となる。これは、全てのキャリアが、FFT窓内で位相角が0°から始まり、0°で終結するためである。
【0013】
しかし、図7に示すように、FFT窓がKサンプルだけ有効シンボル位置から時間的に前にずれた場合には、各キャリアに位相回転が発生する。この位相回転量はキャリア番号に比例して増加するため、図8に示すように、角周波数が−2兀Kで回転する信号となる。
従って、この位相回転のスペクトラムは、図9に示すように、−Kサンプルに位置するインパルス性の波形となる。
【0014】
図10は遅延時間がKサンプルの反射波が混入した時のFFT窓を示した図である。FFT窓を主波に同期して設けたとすると、主波に対する位相回転は図6に示したものと等価とみなすことが出来、反射波に対する位相回転は図8に示したものと等価とみなすことが出来る。線形演算が可能であるので、位相回転は図6と図8の位相回転量を加算した結果と一致し、その時のスペクトラムも、図11に示すように、主波と反射波のスペクトラムを線形加算した波形となる。
【0015】
このように伝送系で発生する反射波等の影響を受け、これらの位相回転は時間毎あるいはキャリア毎に変化する。64QAM等で変調された信号を復調するには、伝送路で生じた振幅変動や位相回転を補正する必要があり、そのため、図12に示すように、数キャリア間隔毎に振幅と位相の基準キャリアであるパイロットキャリアを設けることが一般的に用いられている。
【0016】
等化処理部44では、生じた伝送路歪みを補正するために、受信した複数のパイロットキャリアから伝送路特性を推定する。パイロットキャリアから伝送路特性を推定する方法には、受信パイロットキャリアに対して内挿補間処理を行うことで、パイロットキャリアの配置されていないデータキャリア部分の振幅、位相特性を推定することが可能である。
【0017】
等化処理部44では更に、データキャリアと、パイロットキャリアの内挿補間処理にて算出された伝送路特性とを複素除算することにより、振幅と位相の補正を行う。
【0018】
次に、この内挿補間処理について詳細に説明する。
上記の図11で説明したように、反射波の遅延時間が長くなると、位相角のスペクトラムも遅延時間に比例して広がっていく。OFDM方式では、ガードインターバル期間Tgまでの遅延時間の反射波に対しては、シンボル間干渉が発生しないため、ガードインターバル期間Tg以内の反射波は精度良い内挿補間を行う必要がある。
【0019】
反射波の遅延時間がガードインターバル期間Tgまで及ぶ時の位相角のスペクトラム分布は図13の斜線部分のように−Tg〜0にまで広がり、Tgの帯域幅を有している。
【0020】
詳細な説明は省略するが、位相角スペクトラムがTgの帯域幅を有するような反射波を正しく内挿補間処理するためには、サンプリング定理より、パイロットキャリア間隔を少なくとも有効シンボル長/Tgの間隔で配置する必要がある。例えば、有効シンボル長が1024[サンプル]、ガードインターバル長128[サンプル]のOFDM信号では、1024[サンプル]/128[サンプル]=8[キャリア]間隔毎にパイロットキャリアを設ける必要がある。
【0021】
等化処理部44での内挿処理では、図13に示したスペクトラム分布を持つ反射波に対して内挿補間処理を行う必要がある。
【0022】
一般に、図13に示した斜線の範囲の周波数分布を有する信号の内挿演算を実施するには、この斜線枠の周波数範囲を通過領域内に有するフィルタを用いる必要がある。従って、通常のディジタルLPF(低域通過フィルタ)で構成する場合、図14の点線の特性を有するディジタルLPFを用いる必要がある。しかし、この特性のフィルタでは、正の周波数特性と負の周波数特性が対象ではないため複素デジタルフィルタが必要となるが、複素フィルタは図15の様に通常のディジタルLPFを4つ用いる必要があり、論理規模が大きくなってしまうという欠点が挙げられる。
【0023】
この欠点を解決するために、図16に示すように、位相角のスペクトラムに対して変調を施し、図16の点線で示したように正と負の周波数特性が対称となるようにすることで、図17に示すように、複素フィルタの構成を簡略化することが出来る。
【0024】
このフィルタは、図15の複素フィルタと比較すると、論理規模がほぼ半分に削減されている。
【0025】
位相角スペクトラムの変調、即ち周波数シフトには、種々の方式が考えられるが、受信サンプル系列に対して、直接、変調演算を行う方法や、FFT43に入力する受信サンプル系列の一部を巡回的に並び替える方法がある。
【0026】
本発明では、後者の方式を用いた方式であり、この方式について次に説明する。
【0027】
この方法の原理を説明する前に、図1のFFT43で実施する演算の意味について簡単に説明しておく。図18の(a)は、受信された直接波と、FFT43に入力するために切り出す範囲を模式的に示したものである。FFT43では、送信装置でIFFT演算した(B+b)の1024サンプルクロック分の信号列を切り出してする。
【0028】
ところで、詳細な説明はフーリエ変換に関する教科書に譲るが、FFT43では、入力される信号列が図18の(b)の様に無限に繰り返されると仮定して離散フーリエ変換する。従って図18の矢印23に示す様に、図18の(b)のBの先頭のb”の部分、例えば先頭の32サンプルクロック分の信号列をbの部分の後ろに移動してからFFTすると、図18の(c)の様に、図18の(a)の直接波の(B+b)の部分の信号列を32サンプルクロック期間だけ先行させた信号列をFFTした結果と同じ結果が得られる。
【0029】
FFT窓位置が時間的にKサンプル前にずれた時の様子を図7で説明したが、この場合には、位相角の回転量は有効シンボル長当りK回転の割合で負の方向に回転する。
【0030】
逆に、上記で説明したFFT入力順序を巡回的に並び替えることは、FFT窓位置が時間的に後ろにずれたことと等価になる。従って、図18のb”サンプルをシンボルの後ろに移動したことは、位相角の回転量が有効シンボル長当り+b”回転の割合で正の方向に回転することになり、位相角が+b”サンプル分、周波数シフトすることになる。
【0031】
従って、図16のTg/2サンプルの周波数シフトを行う場合には、FFT窓を主波に同期させて取り込み、前半Tg/2サンプルをシンボルの後半に並べ替えることで実現できる。
【0032】
図19は該並べ替え処理機能を追加した受信装置の構成を示した図である。従来技術と同様に、FFT窓位置制御部42により受信サンプル系列上にFFT窓を設け、窓内のサンプル値を取り込む。並べ替え処理部46では、FIFOメモリなどの記憶機能を有する記憶素子を用いて、上記並べ替え処理を行う。
【0033】
上記で説明したように、等化処理部44では伝送路特性を推定し、受信サンプリング系列に対して伝送路特性の補正を行う。
等化処理後は、復調部45にて復調処理され、情報符号として出力される。
【0034】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の技術において、図16で説明したように、位相角スペクトラムの周波数をシフトすることはTg/2サンプルの固定的な並べ替えを行うことで実現出来た。
【0035】
しかし、Tg/2サンプルの固定的な並べ替えを行った場合には、内挿フィルタ演算を行って伝送路特性を推定する際、帯域端近辺の精度が劣化するという問題が発生し、第一の課題となる。
【0036】
一般的に内挿フィルタ処理は、複数本の受信パイロットキャリアに対してFIRフィルタ処理を行うことで実現できる。この時のフィルタのタップ数は図17で示したように、数十〜数百のタップ数が必要となる。帯域内中央部では、内挿の対象となるキャリアを中心に、前後数百キャリアが存在するため、これらの信号に基づいて正確な内挿フィルタ処理を行うことが出来る。
【0037】
しかし、帯域端近傍では、帯域外のパイロットキャリアは存在しないため、正確な内挿処理を行うことが出来ず、帯域端近傍キャリアの内挿精度は劣化してしまう。
【0038】
この劣化量は位相角の回転量に依存するが、64QAM方式で復調する際、回転量が50回転程度になると、等価的なC/Nの劣化量は約5dB程度にまで達してしまう。
【0039】
そのため、帯域外の仮想パイロットキャリアとして、図20に示すように、帯域端のパイロットキャリアを用いて帯域外パイロットキャリアを推測する外挿処理が用いられることがある。外挿処理方式には、帯域端近辺の複数のパイロットキャリアから帯域外キャリアを推定する方式もあるが、複雑な処理が必要となり、様々な伝送路でも精度の良い外挿処理を行うことは困難であるため、帯域端パイロットキャリアを帯域外に0次ホールドして、帯域外仮想パイロットキャリアを設ける方式が、回路規模が小さいという理由から最も良く用いられている。
【0040】
この0次ホールド方式では、帯域内の位相角の回転量が少ないことが望ましく、回転量が大きくなると、帯域内と帯域外の特性にギャップが生じ、そのギャップ量は回転量に依存して大きくなり、精度の良い外挿処理は困難となる第二の課題が発生する。
【0041】
反射波の存在しない良好な伝送路環境で、主波に同期してFFT窓を設けた場合には、図6に示すように位相角の回転量は少なくなる。
【0042】
しかし、このような良好な環境下でもTg/2サンプルの固定的な並べ替えを行った場合、位相角の周波数シフトを行うため、位相角の回転が極めて大きくなってしまうという欠点が生じてしまう。これは、外挿を行わない場合と、同程度の精度となってしまう。
【0043】
また、外挿処理を行わない場合においても、位相角の回転量が少ない方が、内挿フィルタ精度が高いという特徴からも、この大きな位相角の回転は装置の性能劣化を生じさせる一要因といえる。
【0044】
本発明の目的は、上記課題を解決するため、精度の良い外挿処理を行うため、伝送路特性に応じて位相角スペクトラムの周波数シフトを可変制御するOFDM信号受信装置を提供することにある。
【0045】
【課題を解決するための手段】
本発明は、直交周波数分割多重方式(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:OFDM方式)でディジタル変調され伝送されたOFDM信号を受信するOFDM信号受信装置であって、受信サンプリング系列に対して時間的な窓を設け、該窓の開始位置からN(Nは正の整数)サンプルの信号を該窓の後半位置に巡回的に並べ替えて信号系列を生成し、且つ該並べ替えの前記Nサンプルの数を伝送路特性に基づいて可変制御させる処理手段を備えたことを特徴とするOFDM信号受信装置である。
【0046】
本発明は、前記処理手段が、前記受信サンプリング系列の伝送路特性を測定するマルチパス検出部と、該マルチパス検出部の測定結果に基づいて前記受信サンプリング系列に対して時間的な窓を設けるFFT窓制御部と、該伝送路特性の測定結果を解析し、受信信号の位相回転スペクトラムが内挿補間フィルタの帯域内に収め且つ外挿処理に適する信号に周波数シフトするための並べ替え量を逐次算出する並べ替え量制御部と、該並べ替え量制御部の情報に基づいて前記並べ替え量を可変制御する可変並べ替え処理部から構成することを特徴とするOFDM信号受信装置である。
【0047】
本発明は、前記OFDM信号が、有効シンボルと該有効シンボルの一部を複写したTg期間長のガードインターバルを有するOFDM信号であって、前記マルチパス検出部が、FFT窓開始位置と最大レベル信号との相対時間(Max)と、前記FFT窓位置と最先行到来信号との相対時間(First)と、前記FFT窓位置と最遅延到来信号との相対時間(Last)とを算出し、前記並べ替え量制御部が、前記相対時間(Max)と前記相対時間(First)の差分(Max−First)および前記相対時間(Last)と前記相対時間(Max)の差分(Last−Max)を算出し、前記差分(Max−First)が前記ガードインターバルの半分の期間から所定値αを差し引いた期間(Tg/2−α)より短く且つ前記差分(Last−Max)が前記(Tg/2−α)より短い場合を第一の条件とし、該第一の条件に相当するならば、前記最大レベル信号を内挿補間フィルタ帯域内の直流周波数に位置させるように、前記(Max)のサンプル区間の信号を並び替えるように前記可変並べ替え処理部を制御し、前記第一の条件に相当しないならば、前記差分(Last−Max)が前記ガードインターバルの半分の期間から所定値αを差し引いた期間(Tg/2−α)より大きい場合を第二の条件として、該第二の条件に相当するならば、前記最遅延到来信号を内挿補間フィルタの特性が劣化しない限界周波数(−Tg/2+α)に位置させるように、(−Tg/2+α+Last)のサンプル区間の信号を並び替えるように前記可変並べ替え処理部を制御し、前記第二の条件に相当しないならば、前記差分(Max−First)が前記ガードインターバルの半分の期間Tg/2と所定値αの差分(Tg/2−α)よりも大きい場合を第三の条件として、該第三の条件に相当するならば、前記最先行到来信号を内挿補間フィルタの特性が劣化しない限界周波数(Tg/2−α)に位置させるように、(Tg/2−α−First)のサンプル区間の信号を並び替えるように前記可変並べ替え処理部を制御し、前記第三の条件に相当しないならば、前記最先行到来信号を内挿補間フィルタの特性が劣化しない限界周波数(Tg/2−α)に位置させるように、(Tg/2−α)のサンプル区間の信号を並び替えるように前記可変並べ替え処理部を制御することを特徴とするOFDM信号受信装置である。
【0048】
本発明は、前記OFDM信号が、数キャリア間隔毎あるいは数シンボル間隔毎に、振幅及び位相の基準を示すパイロットキャリアを挿入した信号であり、前記並べ替え後の信号系列に対して離散フーリエ変換を行い、該離散フーリエ変換後の信号に対して、前記受信パイロットキャリア系列から、帯域外の仮想パイロットキャリアを外挿配置し、外挿配置後の信号に対して内挿補間処理を行い帯域内の伝送路特性を推定することを特徴とするOFDM信号受信装置である。
【0049】
本発明は、前記外挿配置処理が、帯域端受信パイロットキャリアを0次ホールドすることである特徴とするOFDM信号受信装置である。
【0050】
【発明の実施の形態】
以下、本発明によるOFDM信号受信装置について、図示の実施の形態により詳細に説明する。
【0051】
図1は本発明の実施の形態によるOFDM信号受信装置の構成を示す図である。本発明の実施の形態は、図19に示したOFDM信号受信装置の構成において、FFT窓位置制御部42と並べ替え処理部46を図1に示した構成に置き換えることで、伝送路特性に応じて並べ替え量を可変制御させて、位相角の回転量を制御することを特徴とする。
【0052】
図1においては、マルチパス検出部11と並べ替え量制御部12とFFT窓制御部13と可変並べ替え処理部14から構成される。
【0053】
図19のA/D変換器41から出力された信号は、図1のマルチパス検出部11とFFT窓位置制御部13に入力される。
【0054】
マルチパス検出部11は、受信サンプリング系列からマルチパスなどの伝送路特性の環境を観測する回路である。移動体伝送での伝送路特性の環境は時々刻々と変化し、主波と反射波の時間的な位置、あるいは、それらのレベルが変化する。
【0055】
そのため、マルチパス検出部11では、主波と反射波の時間的な位置、または、それらのレベルをシンボル毎、あるいは数十から数百シンボル毎に逐次検出する機能を有する。
【0056】
マルチパス検出部11の構成は様々な構成が考えられるが、本発明の主眼を置く回路ではないので、ここでは一例を挙げることに留める。
【0057】
例えば、OFDMシンボルの一部に同期用シンボルを挿入し、OFDM信号受信装置では、あらかじめ記憶してある該同期用シンボルと受信サンプリング系列との相互相関演算を行うことにより、主波や反射波の時間的な位置、あるいはそれらのレベルを観測することが可能となる。
【0058】
そして、観測した検出結果からFFT窓制御部13にFFT窓を設けるタイミング信号WRを出力する(図21のタイミングチャート)。遅延時間がガードインターバル内の反射波が存在する伝送路特性の環境では、検出した主波、即ち最も時間的に先行した先行到来信号信号に同期してFFT窓を設けることでシンボル間干渉が発生しなくなるため、主波位置にFFT窓を設ける方式が一般的に用いられている。
【0059】
FFT窓制御部13では、FFT窓開始パルスWRに基づいて、図21のFFT窓タイミングパルスWEで示すタイミングでFFT窓を設け、その時の受信サンプル系列を取り込み、後続の可変並べ替え処理部14に入力する。
【0060】
また、図22に示すように、反射波の遅延時間の短い時には、FFT窓位置を主波に同期させず、シンボル間干渉が発生しないような位置であれば、どのようなタイミングでFFT窓を設けてもよい。
【0061】
マルチパス検出部11は、FFT窓開始タイミングWRと、検出した遅延プロファイル特性との時間的な位置関係の情報を、並べ替え量制御部12に出力する。
【0062】
遅延プロファイル特性には、主波や反射波のレベル、及びそれらの遅延時間特性を含んでいる。
【0063】
一例を図23に示した遅延プロファイル特性を用いて説明する。横軸はサンプリング時間単位時間を示し、D1〜D7で示した四角の棒はサンプリング期間内の主波あるいは反射波のレベルを表している。
【0064】
FFT窓開始タイミングWRの時間的位置を相対時間0として、検出した遅延プロファイル特性の中で、最大レベル信号D2の時間位置をMax=4として遅延プロファイルの情報としている。
【0065】
また、検出した遅延プロファイル特性に所定値の閾値を設け、閾値以下の反射波は伝送特性に与える影響は少ないものと判断し、FFT窓開始タイミングWRと、レベルが閾値以上である信号の中で時間的に最も先行して到来した最先行到来信号D1との相対時間をFirst=0とする。
【0066】
同様に、閾値以上の信号の中で、FFT窓開始タイミングWRと、最も遅延した最遅延到来信号D6との相対時間をLast=28とする。
【0067】
閾値の設定方法には様々な方法が考えられるが、あらかじめ設定した所定値を固定的に閾値として設ける方法、あるいは、受信信号レベルや、遅延プロファイル信号レベルに基づいて可変制御する方法、即ち受信信号レベルが減衰した場合、それに伴い閾値レベルを低下させるという方法などが考えられる。
【0068】
この時、相対時間位置が負の信号が存在するということは、シンボル間干渉が発生しているということであり、一般的には、このような状況は発生しない。
【0069】
次に、本発明の実施の形態において特徴である並べ替え量制御部12と可変並べ替え処理部14について説明する。
【0070】
並べ替え量制御部12は、マルチパス検出部11からの遅延プロファイル情報を解析し、上記に説明した外挿処理及び内挿フィルタ特性に適した並べ替えが行われるように、可変並べ替え処理部14を制御する機能を有する。
【0071】
上記で説明したように、帯域端近辺の復調精度の劣化を軽減するための措置として、0次ホールド型外挿処理を行う方法が、回路規模も小さく、実現し易い。しかし、0次ホールド型では位相角の回転量が大きくなると、外挿精度も劣化し、外挿を行わない場合とほぼ同程度にまで劣化してしまう。
【0072】
本発明の実施の形態では、0次ホールド型外挿処理の外挿精度を向上させ、帯域端近辺の復調精度を向上させることが出来るOFDM信号受信装置を提供する。
【0073】
複数の反射波が混入する伝送路環境において、外挿を効率良く行うためには、図24に示すように、最大レベル信号を内挿フィルタ帯域の中心、即ち直流周波数に位置させることである。
【0074】
最大レベル信号が直流周波数に位置しているため、この信号の位相角は0、即ち直線となる。これは0次ホールド型外挿にとって都合が良く、高精度な外挿を行うことが出来る。
【0075】
また、最大レベル信号以外の信号は、スペクトラムの周波数位置に比例した回転量となり、回転半径もレベルに比例している。従って、図25に示すように、位相角は最大レベルの直流成分に、それ以外の信号の回転が線形加算された形となる。
【0076】
この様に、直流成分を最大レベル信号とすることで、0次ホールド型外挿の精度を向上させることが出来る。
【0077】
ところで、この最大レベル信号を直流にシフトさせる周波数シフトは、FFT窓位置、及び最大レベル信号位置に基づいて、並べ替え量を可変制御することで実現できる。
【0078】
マルチパス検出部11において、遅延プロファイル情報として、FFT窓位置と最大レベル信号の相対時間位置Maxを得ることが出来る。上記で説明したように、FFT窓開始位置からMaxサンプルの信号をシンボル後半に移動させることは、周波数を正の方向にMax分だけシフトすることである。従って、相対時間位置分の並べ替え処理を行えば、上記に説明したように内挿フィルタ帯域の中心位置に最大レベル信号を位置させることが出来る。
【0079】
この時、並べ替え量制御部12は、Maxサンプルの並べ替えを行うように並べ替え量の制御信号CにMaxを出力する。
【0080】
可変並べ替え処理部14は並べ替え量制御部12からの制御信号Cを受け取り、並べ替え量Cの情報に従って取り込まれたFFT窓の前半Maxサンプルをシンボルの後半に並べ替える。
【0081】
しかし、この場合は全てのマルチパス信号が、内挿フィルタが精度良く内挿出来る帯域内に収まっている必要がある。内挿フィルタは図16に示したように矩形であるのが望ましいが、実際にデジタルフィルタを構成した場合、図26に示すようにフィルタ帯域端近辺の特性が劣化する。この特性が劣化した周波数に存在するスペクトラムは精度良く内挿を行うことが出来ない。
【0082】
フィルタの特性劣化が生じている帯域幅をα、最も先行して到達した最先行到来信号の時間をFirst、最も遅延した最遅延到来信号の時間をLastとすると、最大レベル信号MaxとFirst、及び最大レベル信号MaxとLastの時間差がガードインターバルの半分の期間Tg/2から劣化帯域幅αを差し引いた期間内に収まる必要がある。言い換えれば、最大レベル信号を内挿フィルタ帯域の中心に位置させるように制御を行った場合、最先行到来信号、及び、最遅延到来信号がフィルタ劣化帯域までに及ばないところに位置する必要がある。
【0083】
並べ替え量制御部12は、遅延プロファイル情報から、(Max−First)、(Last−Max)を演算し、これらがガードインターバル期間の半分Tg/2から劣化帯域幅α以内であれば、最大レベル信号をフィルタ帯域中心に位置させ、その他の信号もフィルタ特性が劣化しない周波数に位置させることが出来るものとして、最大レベル位置Maxサンプルの並べ替えを行う。
【0084】
しかし、上記の条件にあてはまらない場合、即ち、最大レベル信号をフィルタ帯域の中心に位置させると、先行到来信号や反射波がフィルタ劣化帯域内あるいはフィルタ帯域外に位置してしまうような場合には、並べ替え量を可変して全ての反射波をフィルタ特性に劣化の無い周波数に配置させる必要がある。この場合には、最大レベル信号をフィルタ中心に位置させることは出来ないが、出来る限り直流周波数に近い位置に配置させることで外挿を精度良く行うことが出来る。
【0085】
最遅延到来信号Lastが劣化帯域内に存在してしまう場合((Last−Max)> Tg/2−α)には、最遅延到来信号を−Tg/2+αの周波数に位置するように、並べ替えを行う。この並べ替え量Cは、−Lastの周波数に位置する最遅延到来信号のスペクトラムを、並べ替えを行うことで−Tg/2+αに位置させることから、
−Last + C=−Tg/2+α
C=−Tg/2+α+Last
となる。
【0086】
また、逆に最先行到来信号Firstが劣化帯域内に存在してしまう場合((Max−First)> Tg/2−α)には、最先行到来信号をTg/2−αの周波数に位置するように、並べ替えを行う。この並べ替え量Cは、Fastの周波数に位置する最先行到来信号のスペクトラムを、並べ替えを行うことでTg/2−αに位置させることから、
Fast + C=Tg/2−α
並べ替え量Cを
C=Tg/2−α−First
とすることで、最先行到来信号をTg/2−αの周波数に位置させる。
【0087】
一般的には、遅延時間が長くなると反射波のレベルは減衰するため、最先行到来信号が劣化帯域内に位置するような確率は極めて低いため、後者の最先行到来信号のスペクトラムをTg/2−αに位置させることは少ない。
【0088】
図27に上記の処理の一例を示す。ガードインターバル期間Tg=128サンプル、劣化帯域幅α=10とした時に、並べ替えを行う前の段階で、最大レベル信号が周波数−2の位置(−Max)、最遅延時間の信号が周波数−68の位置(−Last)にあるような信号が受信された場合、並べ替え量Cは、
C=−Tg/2+α+Last=−128/2+10+68=14
となる。
【0089】
よって、14サンプルの並べ替えを行い、最遅延到来信号を−Tg/2+αの周波数に位置させるように制御する。
【0090】
しかし、更に遅延プロファイルの遅延広がり(最先行到来信号と最遅延到来信号との時間差)が大きくなり、内挿フィルタの劣化の無い帯域幅よりも大きくなった場合、即ち( Last−First>Tg−2α )の条件となった場合には、フィルタの劣化帯域内αの帯域も出来る限り有効利用して内挿を行う必要がある。
【0091】
この場合は、ガードインターバルの限界の付近までの長い遅延時間の反射波が存在する場合であって、上記に述べたように、一般的に反射波のレベルは遅延時間と共に減衰する確率が大きいため、最先行到来信号のレベルと最遅延到来信号のレベルを比較すると、最先行到来信号のレベルの方が大きくなる確率はほぼ100%に近いと言って良い。
【0092】
従って、図28に示すように、最先行到来信号はフィルタ特性の劣化の無い、限界の周波数(Tg/2−α)に配置させ、最遅延到来信号は劣化帯域内に配置させる。この時の並べ替え量CはD=(Tg/2−α)となる。
【0093】
図29と図30に、以上説明した動作フローを纏めて示す。
【0094】
受信サンプリング系列の伝送路特性を表す遅延プロファイル情報が、マルチパス検出部11に入力し(2901)、マルチパス検出部11で、FFT窓開始位置と最大レベル信号との相対時間(Max)を算出し(2902)、FFT窓位置と最先行到来信号との相対時間(First)を算出し(2903)、FFT窓位置と最遅延到来信号との相対時間(Last)を算出する(2904)。
【0095】
並べ替え量制御部12では、相対時間(Max)と相対時間(First)の差分(Max−First)および相対時間(Last)と相対時間(Max)の差分(Last−Max)を算出し(2905)、差分(Max−First)がガードインターバルの半分の期間から所定値αを差し引いた期間(Tg/2−α)より短く且つ差分(Last−Max)が(Tg/2−α)より短い場合を第一の条件とし、第一の条件に相当する伝送路特性であるかどうか第一の判定をする(2906)。
【0096】
第一の判定が第一の条件に相当するならば、最大レベル信号を内挿補間フィルタ帯域内の直流周波数に位置することが可能な場合として、並べ替え量C=Maxを出力し(2907)、第一の条件に相当しないならば、差分(Last−Max)がガードインターバルの半分の期間から所定値αを差し引いた期間(Tg/2−α)より大きい場合を第二の条件として、第二の条件に相当する伝送路特性であるかどうか第二の判定をする(2908)。
【0097】
第二の判定が第二の条件に相当するならば、最遅延到来信号を内挿補間フィルタの特性が劣化しない限界周波数(−Tg/2+α)に位置させるために、並べ替え量C=(−Tg/2+α+Last)を出力し(2909)、第二の条件に相当しないならば、差分(Max−First)がガードインターバルの半分の期間Tg/2と所定値αの差分(Tg/2−α)よりも大きい場合を第三の条件として、第三の条件に相当する伝送路特性であるかどうか第三の判定をする(2910)。
【0098】
第三の判定が第三の条件に相当するならば、最先行到来信号を内挿補間フィルタの特性が劣化しない限界周波数(Tg/2−α)に位置させるために、並べ替え量C=(Tg/2−α−First)を出力し(2911)第三の条件に相当しないならば、最先行到来信号を内挿補間フィルタの特性が劣化しない限界周波数(Tg/2−α)に位置させるために、並べ替え量C=(Tg/2−α)を出力し(2912)出力した並べ替え量Cを可変並べ替え処理部14に情報伝達する(2913)。
【0099】
並べ替え量制御部12により並べ替え量Cが可変並べ替え処理部14に入力され、可変並べ替え処理部14では、FFT窓開始位置から並べ替え量Cのサンプル分の信号をシンボルの後半に並べ替え、その後、後続の図19に示すFFT43で離散フーリエ変換を行う。
【0100】
図19の等化処理部44では、FFT43から出力されるキャリア信号に対して0次ホールド型あるいはその他の外挿処理を施し、内挿補間処理を行った後に、復調部45で復調する。
【0101】
また、外挿処理を行った方が、内挿補間精度か向上するが、外挿処理を行わなくとも、本発明の実施の形態の周波数シフトにより位相角の回転量が抑えられるため、従来の回転量の多い信号での復調よりも、復調精度を向上させることが出来る。
【0102】
したがって、本発明の実施の形態により、反射波が混入する伝送路環境であっても、最大レベル信号が内挿フィルタ帯域の中心に出来る限り近い位置に位置させることが可能になる。これにより、帯域外の仮想パイロットキャリアを配置する0次ホールド型外挿処理を効果的に行うことが出来るため、伝送路特性を推定する内挿補間処理を精度良く実現することが出来る。
【0103】
【発明の効果】
本発明によれば、精度の良い外挿処理を行うため、伝送路特性に応じて位相角スペクトラムの周波数シフトを可変制御するOFDM信号受信装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態によるOFDM信号受信装置の構成を示す図である。
【図2】OFDM信号を示す図である。
【図3】OFDM信号のシンボル波形を示す図である。
【図4】従来のOFDM信号受信装置の構成を示す図である。
【図5】有効シンボルに一致したFFT窓を示す図である。
【図6】FFT窓が有効シンボルに一致した時の位相角を示す図である。
【図7】KサンプルずれたFFT窓を示す図である。
【図8】FFT窓がKサンプルずれた時の位相角を示す図である。
【図9】FFT窓が−Kサンプルずれた時の位相角スペクトラムを示す図である。
【図10】反射波が混入したときのFFT窓を示す図である。
【図11】反射波が混入した時の位相角スペクトラムを示す図である。
【図12】パイロットキャリア配置を示す図である。
【図13】ガードインターバル期間内の反射波のスペクトラム分布を示す図である。
【図14】LPFの周波数特性を示す図である。
【図15】複素フィルタの構成を示す図である。
【図16】位相角スペクトラムの変調を示す図である。
【図17】簡略化したディジタルLPFの構成を示す図である。
【図18】並べ替え処理を説明する図である。
【図19】並べ替え処理部を追加したOFDM信号受信装置の構成を示す図である。
【図20】本発明の実施の形態において、外挿処理を説明する図である。
【図21】主波に同期したFFT窓タイミングを示す図である。
【図22】主波に同期させないFFT窓タイミングを示す図である。
【図23】遅延プロファイル特性の一例を示す図である。
【図24】最大レベル信号を帯域中央に位置させた時の位相角スペクトラムを示す図である。
【図25】最大レベル信号を帯域中央に位置させた時の位相角スペクトラムを示す図である。
【図26】フィルタ帯域端特性を説明する図である。
【図27】並べ替え処理による位相角スペクトラムのシフトを示す図である。
【図28】フィルタ特性限界位置への周波数シフトを示す図である。
【図29】本発明の実施の形態における動作フローチャートの1部を示す図である。
【図30】本発明の実施の形態における動作フローチャートの1部を示す図である。
【符号の説明】
11:マルチパス検出部、12:並べ替え量制御部、13:FFT窓制御部、14:可変並べ替え処理部、41:A/D変換部、42:FFT窓位置制御部、43:FFT、44:等化処理部、45:復調部、46:並べ替え処理部。
Claims (4)
- 直交周波数分割多重方式(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:OFDM方式)でディジタル変調され伝送されたOFDM信号を受信するOFDM信号受信装置であって、
受信サンプリング系列に対して時間的な窓を設け、該窓の開始位置からN(Nは正の整数)サンプルの信号を該窓の後半位置に巡回的に並べ替えて信号系列を生成し、且つ該並べ替えの前記Nサンプルの数を伝送路特性に基づいて可変制御させる処理手段を備え、
前記処理手段は、前記受信サンプリング系列の伝送路特性を測定するマルチパス検出部と、該マルチパス検出部の測定結果に基づいて前記受信サンプリング系列に対して時間的な窓を設けるFFT窓制御部と、該伝送路特性の測定結果を解析し、受信信号の位相回転スペクトラムが内挿補間フィルタの帯域内に収め且つ外挿処理に適する信号に周波数シフトするための並べ替え量を逐次算出する並べ替え量制御部と、該並べ替え量制御部の情報に基づいて前記並べ替え量を可変制御する可変並べ替え処理部から構成することを特徴とするOFDM信号受信装置。 - 請求項1記載のOFDM信号受信装置において、前記OFDM信号が、有効シンボルと該有効シンボルの一部を複写したTg期間長のガードインターバルを有するOFDM信号であって、
前記マルチパス検出部が、FFT窓開始位置と最大レベル信号との相対時間(Max)と、前記FFT窓位置と最先行到来信号との相対時間(First)と、前記FFT窓位置と最遅延到来信号との相対時間(Last)とを算出し、
前記並べ替え量制御部が、前記相対時間(Max)と前記相対時間(First)の差分(Max−First)および前記相対時間(Last)と前記相対時間(Max)の差分(Last−Max)を算出し、
前記差分(Max−First)が前記ガードインターバルの半分の期間から所定値αを差し引いた期間(Tg/2−α)より短く且つ前記差分(Last−Max)が前記(Tg/2−α)より短い場合を第一の条件とし、該第一の条件に相当するならば、前記最大レベル信号を内挿補間フィルタ帯域内の直流周波数に位置させるように、前記(Max)のサンプル区間の信号を並ベ替えるように前記可変並べ替え処理部を制御し、
前記第一の条件に相当しないならば、前記差分(Last−Max)が前記ガードインターバルの半分の期間から所定値αを差し引いた期間(Tg/2−α)より大きい場合を第二の条件として、該第二の条件に相当するならば、前記最遅延到来信号を内挿補間フィルタの特性が劣化しない限界周波数(−Tg/2+α)に位置させるように、(−Tg/2+α+Last)のサンプル区間の信号を並べ替えるように前記可変並べ替え処理部を制御し、
前記第二の条件に相当しないならば、前記差分(Max−First)が前記ガードインターバルの半分の期間Tg/2と所定値αの差分(Tg/2−α)よりも大きい場合を第三の条件として、該第三の条件に相当するならば、前記最先行到来信号を内挿補間フィルタの特性が劣化しない限界周波数(Tg/2−α)に位置させるように、(Tg/2−α−First)のサンプル区間の信号を並べ替えるように前記可変並べ替え処理部を制御し、
前記第三の条件に相当しないならば、前記最先行到来信号を内挿補間フィルタの特性が劣化しない限界周波数(Tg/2−α)に位置させるように、(Tg/2−α)のサンプル区間の信号を並べ替えるように前記可変並べ替え処理部を制御することを特徴とするOFDM信号受信装置。 - 請求項1または2に記載のOFDM信号受信装置において、前記OFDM信号が、数キャリア間隔毎あるいは数シンボル間隔毎に、振幅及び位相の基準を示すパイロットキャリアを挿入した信号であり、前記並べ替え後の信号系列に対して離散フーリエ変換を行い、該離散フーリエ変換後の信号に対して、前記受信パイロットキャリア系列から、帯域外の仮想パイロットキャリアを外挿配置し、外挿配置後の信号に対して内挿補間処理を行い帯域内の伝送路特性を推定することを特徴とするOFDM信号受信装置。
- 請求項3に記載のOFDM信号受信装置において、前記外挿配置処理が、帯域端受信パイロットキャリアを0次ホールドすることを特徴とするOFDM信号受信装置。
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