JP4362955B2 - 復調装置及び復調方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、直交周波数分割多重化伝送(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式によるデジタル放送や通信装置等に適用される復調装置及び復調方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、デジタル信号を伝送する方式として、直交周波数分割多重方式(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)と呼ばれる変調方式が提案されている。このOFDM方式は、伝送帯域内に多数の直交する副搬送波(サブキャリア)を設け、それぞれのサブキャリアの振幅及び位相にデータを割り当て、PSK(Phase Shift Keying)やQAM(Quadrature Amplitude Modulation)によりディジタル変調する方式である。
【0003】
このOFDM方式は、多数のサブキャリアで伝送帯域を分割するため、サブキャリア1波あたりの帯域は狭くなり変調速度は遅くはなるが、トータルの伝送速度は、従来の変調方式と変わらないという特徴を有している。また、このOFDM方式は、多数のサブキャリアが並列に伝送されるためにシンボル速度が遅くなるという特徴を有している。そのため、このOFDM方式は、シンボルの時間長に対する相対的なマルチパスの時間長を短くすることができ、マルチパス妨害を受けにくくなる。また、OFDM方式は、複数のサブキャリアに対してデータの割り当てが行われることから、変調時には逆フーリエ変換を行うIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)演算回路、復調時にはフーリエ変換を行うFFT(Fast Fourier Transform)演算回路を用いることにより、送受信回路を構成することができるという特徴を有している。
【0004】
以上のような特徴からOFDM方式は、マルチパス妨害の影響を強く受ける地上波ディジタル放送に適用することが広く検討されている。このようなOFDM方式を採用した地上波ディジタル放送としては、例えば、DVB−T(Digital Video Broadcasting-Terrestrial)やISDB−T(Integrated Services Digital Broadcasting -Terrestrial)といった規格が提案されている。
【0005】
次に、OFDM方式によるデジタルテレビジョン放送の受信装置(OFDM受信装置)について説明する。図3は、従来のOFDM受信装置のブロック構成図である。なお、ここでは、DVB−T規格(2Kモード)に適用したOFDM受信装置について説明する。また、受信するOFDM信号は、情報が16QAM方式で変調されている。さらに、この図3では、ブロック間で伝達される信号が複素信号の場合には太線で信号成分を表現し、ブロック間で伝達される信号が実数信号の場合には細線で信号成分を表現している。
【0006】
従来のOFDM受信装置は、図3に示すように、アンテナ102と、チューナ103と、A/D変換回路104と、デジタル直交復調回路105と、FFT演算回路106と、ウィンドウ同期回路107と、イコライザ108と、デマッピング回路109と、エラー訂正回路10とを備えている。
【0007】
放送局から放送されたデジタルテレビジョン放送の放送波は、OFDM受信装置1のアンテナ102により受信され、RF信号としてチューナ103に供給される。
【0008】
アンテナ102により受信されたRF信号は、チューナ103によりIF信号に周波数変換され、A/D変換回路104に供給される。IF信号は、A/D変換回路104によりデジタル化され、デジタル直交復調回路105に供給される。なお、A/D変換回路104は、DVB−T規格(2Kモード)においては、このOFDM時間領域信号の有効シンボルを2048サンプル、ガードインターバルを例えば512サンプルでサンプリングされるようなクロックで量子化する。
【0009】
デジタル直交復調回路105は、所定の周波数(キャリア周波数)のキャリア信号を用いて、デジタル化されたIF信号を直交復調し、ベースバンドのOFDM信号を出力する。このデジタル直交復調回路105から出力されるベースバンドのOFDM信号は、FFT演算される前のいわゆる時間領域の信号である。このことから、以下デジタル直交復調後でFFT演算される前のベースバンド信号を、OFDM時間領域信号と呼ぶ。このOFDM時間領域信号は、直交復調された結果、実軸成分(Iチャンネル信号)と、虚軸成分(Qチャネル信号)とを含んだ複素信号となる。デジタル直交復調回路105により出力されるOFDM時間領域信号は、FFT演算回路106及びウィンドウ同期回路107に供給される。
【0010】
FFT演算回路106は、OFDM時間領域信号に対してFFT演算を行い、各サブキャリアに直交変調されているデータを抽出して出力する。このFFT演算回路106から出力される信号は、FFTされた後のいわゆる周波数領域の信号である。このことから、以下、FFT演算後の信号をOFDM周波数領域信号と呼ぶ。
【0011】
FFT演算回路106は、1つのOFDMシンボルから有効シンボル長の範囲(例えば2048サンプル)の信号を抜き出し、すなわち、1つのOFDMシンボルからガードインターバル分の範囲を除き、抜き出した2048サンプルのOFDM時間領域信号に対してFFT演算を行う。具体的にその演算開始位置は、OFDMシンボルの境界から、ガードインターバルの終了位置までの間のいずれかの位置となる。この演算範囲のことをFFTウィンドウと呼ぶ。
【0012】
このようにFFT演算回路106から出力されたOFDM周波数領域信号は、OFDM時間領域信号と同様に、実軸成分(Iチャンネル信号)と、虚軸成分(Qチャネル信号)とからなる複素信号となっている。この複素信号は、16QAM方式で直交振幅変調された信号である。OFDM周波数領域信号は、イコライザ108に供給される。
【0013】
ウィンドウ同期回路107は、入力されたOFDM時間領域信号を有効シンボル期間分遅延させて、ガードインターバル部分とこのガードインターバルの複写元となる信号との相関性を求め、この相関性が高い部分に基づきOFDMシンボルの境界位置を算出し、その境界位置を示すウィンドウ同期信号Wsyncを発生する。FFTウィンドウ同期回路107は、発生したウィンドウ同期信号WsyncをFFT演算回路106に供給する。
【0014】
イコライザ108は、スキャッタードパイロット信号(SP信号)を用いて、OFDM周波数領域信号の位相等化及び振幅等化を行う。位相等化及び振幅等化がされたOFDM周波数領域信号は、デマッピング回路109に供給される。
【0015】
デマッピング回路109は、イコライザ108により振幅等化及び位相等化されたOFDM周波数領域信号を、16QAM方式に従ってデマッピングを行ってデータの復号をする。例えば、図4に示すように、Iチャネル信号及びQチャネル信号の各レベルに判定しきい値を設定し、その判定しきい値に基づき、1つの信号点あたり4ビットで表現されるデータを出力する。デマッピング回路109により復号されたデータは、エラー訂正回路110に供給される。
【0016】
エラー訂正回路110は、供給されたデータに対して、例えば、ビタビ復号やリード−ソロモン符号を用いたエラー訂正を行う。エラー訂正が行われたデータは、例えば後段のMPEG復号回路等に供給される。
【0017】
ここで、一般に、OFDM方式においては、送信時には、データが畳み込み符号により符号化され、受信時には、受信信号の信頼度情報を用いた軟判定ビタビ復号が行われる。このような軟判定復号を行うことにより、信頼度情報を用いない通常の硬判定復号に比べて誤り率特性が向上する。
【0018】
デマッピング回路109は、判定しきい値により区切られた判定領域中に実際の受信信号をデマッピングすることによってデータを復号する。例えば、図4に示すように、16QAMにおいて変調された実際の受信信号の受信点が、図中Zに示す位置にあれば、その位置を区切る判定領域によって示された“1011”という4ビットの値を出力する。
【0019】
さらにこのとき、デマッピング回路109は、この復号した値を出力するとともに、実際の受信信号のS/N比を算出し、算出したS/N比を信頼度情報として出力している。
【0020】
S/N比は、図5に示すように、実際の受信信号の受信点Z(図中●で示す)から理想的な受信信号の信号点(図中○で示す)までの距離をノイズ成分とし、理想的な受信信号の原点からの距離を信号成分とし、その信号成分に対するノイズ成分の割合として求められる。すなわち、S/N比は、理想的な受信信号の信号点を示すベクトルをS、実際の受信信号の信号点のベクトルをS′とすれば、以下の式(1)を算出することにより求められる。
S/N=|S|/|(S−S′)| ・・・(1)
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、実際の受信信号のノイズ分布は、判定しきい値で区切られた領域内に分布しているとは限られない。そのため、実際の受信信号の受信点が本来位置しなければならない判定領域を越えて、例えば隣接した判定領域に入ってしまう場合がある。この場合、デマッピングして得られるデータが誤ってしまうことはもちろんのこと、算出するS/N比にも誤差が生じる。
【0022】
例えば、図6に示すように、本来信号点Cの判定領域内に位置しなければならない実際の受信信号Zが、信号点Cの判定領域に隣接する信号点Dの判定領域内に位置したとする。この場合、この実際の信号点ZのS/N比は、本来のノイズ成分N(即ち、信号点Cと信号点Zとの距離)に基づいて算出されずに、信号点Dとの間の誤ったノイズ成分N′に基づいて算出されてしまう。
【0023】
このように従来のOFDM受信装置では、デマッピング時に各データのS/N比を算出しているため、確実に正確なS/N比を算出することができず、そのため、後段の軟判定復号手段に誤った信頼度情報を出力してしまっていた。
【0024】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、確実に正確なS/N比を得ることができるOFDM信号の復調装置及び復調方法を提供することを目的とするものである。
【0025】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために、本発明にかかる復調装置は、複数のサブキャリアに対して有効信号が分割されて直交変調されることにより生成された伝送シンボルを伝送単位とし、特定の電力であって且つ特定の位相とされたパイロット信号が各伝送シンボルに離散的に挿入された直交周波数分割(OFDM)信号を復調する復調装置であって、上記OFDM信号を上記伝送シンボル単位でフーリエ変換して周波数領域信号を生成するフーリエ変換手段と、上記周波数領域信号から上記パイロット信号を抽出するパイロット信号抽出手段と、上記抽出したパイロット信号のノイズ成分を抽出するノイズ検出手段と、上記ノイズ成分に基づき上記パイロット信号が挿入されたサブキャリア位置におけるS/N比を演算するS/N比演算手段と、上記S/N比演算手段により演算されたS/N比を時間方向にフィルタリングする時間方向フィルタ手段と、上記時間方向フィルタ手段によりフィルタリングされたS/N比をサブキャリア方向に周波数補間して、有効信号が含まれる全サブキャリア位置におけるS/N比を推定する周波数補間フィルタ手段と、上記フーリエ変換手段から出力された周波数領域信号からデータを復号する復号手段と、上記周波数補間フィルタ手段により推定された有効信号が含まれる全サブキャリア位置におけるS/N比を信頼度情報として用いて、上記復号手段により復号された上記データの軟判定復号を行う軟判定復号手段とを備える。
【0027】
また、本発明にかかる復調方法は、複数のサブキャリアに対して有効信号が分割されて直交変調されることにより生成された伝送シンボルを伝送単位とし、特定の電力であって且つ特定の位相とされたパイロット信号が各伝送シンボルに離散的に挿入された直交周波数分割(OFDM)信号を復調する復調方法であって、上記OFDM信号を上記伝送シンボル単位でフーリエ変換して周波数領域信号を生成し、上記周波数領域信号から上記パイロット信号を抽出し、上記抽出したパイロット信号のノイズ成分を抽出し、上記ノイズ成分に基づき上記パイロット信号が挿入されたサブキャリア位置におけるS/N比を演算し、上記演算したS/N比を時間方向にフィルタリングし、上記時間方向にフィルタリングしたS/N比をサブキャリア方向に周波数補間して、有効信号が含まれる全サブキャリア位置におけるS/N比を推定し、上記フーリエ変換した周波数領域信号からデータを復号し、上記推定された有効信号が含まれる全サブキャリア位置におけるS/N比を信頼度情報として用いて、上記復号したデータの軟判定復号を行う
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態として、本発明を適用したOFDM方式によるデジタルテレビジョン放送の受信装置(OFDM受信装置)について説明する。図1は、本発明を適用したOFDM受信装置のブロック構成図である。なお、このOFDM受信装置は、本発明をDVB−T規格(2Kモード)に適用したものである。また、受信するOFDM信号は、情報が16QAM方式で変調されているものとする。さらに、この図1では、ブロック間で伝達される信号が複素信号の場合には太線で信号成分を表現し、ブロック間で伝達される信号が実数信号の場合には細線で信号成分を表現している。
【0030】
OFDM受信装置は、図1に示すように、アンテナ2と、チューナ3と、A/D変換回路4と、デジタル直交復調回路5と、FFT演算回路6と、ウィンドウ同期回路7と、イコライザ8と、デマッピング回路9と、エラー訂正回路10と、S/N比算出回路11とを備えている。
【0031】
放送局から放送されたデジタルテレビジョン放送の放送波は、OFDM受信装置1のアンテナ2により受信され、RF信号としてチューナ3に供給される。
【0032】
アンテナ2により受信されたRF信号は、チューナ3によりIF信号に周波数変換され、A/D変換回路4に供給される。IF信号は、A/D変換回路4によりデジタル化され、デジタル直交復調回路5に供給される。なお、A/D変換回路4は、DVB−T規格(2Kモード)においては、このOFDM時間領域信号の有効シンボルを2048サンプル、ガードインターバルを例えば512サンプルでサンプリングされるようなクロックで量子化する。
【0033】
デジタル直交復調回路5は、所定の周波数(キャリア周波数)のキャリア信号を用いて、デジタル化されたIF信号を直交復調し、ベースバンドのOFDM信号を出力する。このデジタル直交復調回路5から出力されるベースバンドのOFDM信号は、FFT演算される前のいわゆる時間領域の信号である。このことから、以下デジタル直交復調後でFFT演算される前のベースバンド信号を、OFDM時間領域信号と呼ぶ。このOFDM時間領域信号は、直交復調された結果、実軸成分(Iチャンネル信号)と、虚軸成分(Qチャネル信号)とを含んだ複素信号となる。デジタル直交復調回路5により出力されるOFDM時間領域信号は、FFT演算回路6及びウィンドウ同期回路7に供給される。
【0034】
FFT演算回路6は、OFDM時間領域信号に対してFFT演算を行い、各サブキャリアに直交変調されているデータを抽出して出力する。このFFT演算回路6から出力される信号は、FFTされた後のいわゆる周波数領域の信号である。このことから、以下、FFT演算後の信号をOFDM周波数領域信号と呼ぶ。
【0035】
FFT演算回路6は、1つのOFDMシンボルから有効シンボル長の範囲(例えば2048サンプル)の信号を抜き出し、すなわち、1つのOFDMシンボルからガードインターバル分の範囲を除き、抜き出した2048サンプルのOFDM時間領域信号に対してFFT演算を行う。具体的にその演算開始位置は、OFDMシンボルの境界から、ガードインターバルの終了位置までの間のいずれかの位置となる。この演算範囲のことをFFTウィンドウと呼ぶ。
【0036】
このようにFFT演算回路6から出力されたOFDM周波数領域信号は、OFDM時間領域信号と同様に、実軸成分(Iチャンネル信号)と、虚軸成分(Qチャネル信号)とからなる複素信号となっている。この複素信号は、16QAM方式で直交振幅変調された信号である。OFDM周波数領域信号は、イコライザ8に供給される。
【0037】
ウィンドウ同期回路7は、入力されたOFDM時間領域信号を有効シンボル期間分遅延させて、ガードインターバル部分とこのガードインターバルの複写元となる信号との相関性を求め、この相関性が高い部分に基づきOFDMシンボルの境界位置を算出し、その境界位置を示すウィンドウ同期信号Wsyncを発生する。FFTウィンドウ同期回路7は、発生したウィンドウ同期信号WsyncをFFT演算回路6に供給する。
【0038】
イコライザ8は、スキャッタードパイロット信号(SP信号)を用いて、OFDM周波数領域信号の位相等化及び振幅等化を行う。位相等化及び振幅等化がされたOFDM周波数領域信号は、デマッピング回路9に供給される。
【0039】
デマッピング回路9は、イコライザ8により振幅等化及び位相等化されたOFDM周波数領域信号を、16QAM方式に従ってデマッピングを行ってデータの復号をする。Iチャネル信号及びQチャネル信号の各レベルに判定しきい値を設定し、その判定しきい値に基づき、1つの信号点あたり4ビットで表現されるデータを出力する。デマッピング回路9により復号されたデータは、エラー訂正回路10に供給される。
【0040】
エラー訂正回路10は、供給されたデータに対して、例えば、ビタビ復号やリード−ソロモン符号を用いたエラー訂正を行う。エラー訂正が行われたデータは、例えば後段のMPEG復号回路等に供給される。なお、このエラー訂正回路10は、S/N算出回路11により算出された信頼度情報を用いた軟判定ビタビ復号を行う。
【0041】
S/N比算出回路11は、SP信号抽出回路12と、S/N比演算回路13と、時間方向フィルタ14と、周波数補間フィルタ15とを有している。
【0042】
SP信号抽出回路12は、FFT演算回路6から出力されたOFDM周波数領域信号が供給される。SP信号抽出回路12は、OFDM周波数領域信号からSP信号のみを抽出する。SP信号は、各OFDMシンボルに離散的に挿入されており、その挿入位置は予め規格により定められている。
【0043】
例えば、DVB−T規格においては、以下の式に示すようなインデックス番号kのサブキャリアにSP信号を挿入することが提案されている。
【0044】
【数1】
Figure 0004362955
【0045】
ここで、kは、SP信号が挿入されるサブキャリアのインデックス番号を示す。lは、OFDMシンボルのシンボル番号を示す。Kminは、OFDMシンボル内の有効サブキャリアの最小のインデックス番号を示し、Kmaxは、OFDMシンボル内の有効サブキャリアの最大のインデックス番号を示す。また、pは、0以上の整数を示す。なお、インデックス番号kは、Kmin〜Kmaxの範囲の値をとるものとする。
【0046】
すなわち、この式は、12本のサブキャリアに1本の割合でSP信号が挿入され、さらにOFDMシンボル毎に、SP信号の挿入位置が、3サブキャリアずつシフトすることを意味している。
【0047】
SP信号抽出回路12は、シンボル毎に異なるサブキャリア位置にSP信号が挿入されていることから、供給されたOFDM周波数領域信号のシンボル番号を参照し、そのシンボル番号からどのインデックス番号のサブキャリアにSP信号が挿入されているかを規格に基づき算出し、SP信号を抽出する。SP信号抽出回路12は、抽出したSP信号をS/N比演算回路13に供給する。また、SP信号は、M系列のランダム符号化がされ、その位相が0°又は180°とされている。SP信号抽出回路12は、M系列のランダム符号をSP信号に加算することによって、本来の信号成分を抽出する。
【0048】
S/N比演算回路13は、抽出したSP信号のS/N比を算出する。SP信号の理想的な信号点は、予め規格上定められており、例えば、DVB−T規格(2kモード)の16QAM変調であれば、位相が0°或いは180°であり、振幅が有効信号の平均電力(α=1)に対して4/3倍とされている。
【0049】
S/N比演算回路13は、図2に示すように、理想的なSP信号を示すベクトルをSとし、実際に受信したSP信号を示すベクトルをS′とし、この実際の受信したSP信号のノイズ成分をNとすると、以下の式に示すような演算を行い、S/N比を求める。
【0050】
【数2】
Figure 0004362955
【0051】
ここで、さらに、理想的なSP信号のレベルを1とすれば、S/N比は、以下のように算出される。
【0052】
【数3】
Figure 0004362955
【0053】
S/N比演算回路13は、SP信号に対して以上のような演算を行うことにより、S/N比を演算する。このようにS/N比演算回路13により求められた、実際に受信したSP信号のS/N比成分は、時間方向フィルタ14に供給される。
【0054】
時間方向フィルタ14は、例えばIIR(Infinite Impulse Response)フィルタから構成され、SP信号のS/N比成分を時間軸方向にフィルタリングし、求められたS/N比成分に含まれている時間方向のノイズを除去する。時間方向フィルタ14によりフィルタリングされたS/N成分は、1OFDMシンボル単位で、周波数補間フィルタ15に供給される。
【0055】
周波数補間フィルタ15は、例えばFIR(Finite Impulse Response)フィルタから構成され、SN比成分をサブキャリア方向に補間し、OFDMシンボルのすべてのサブキャリア位置におけるS/N比を推定する。例えば、DVB−T規格においては、3本のサブキャリアに対して1本の割合でSP信号が供給される。従って、周波数補間フィルタ15は、3倍補間フィルタ等を用いて、SP信号が挿入されていない周波数の特性を補間して求め、例えば2048本のうちの情報が変調されている1705本の全てのサブキャリアにおけるS/N比を求める。この周波数補間フィルタ15により求められた全サブキャリアに対するS/N比は、信頼度情報としてエラー訂正回路10に供給される。
【0056】
以上のように本発明の実施の形態のOFDM受信装置1では、SP信号のS/N比を算出し、このSP信号のS/N比に基づき各サブキャリアに対するS/N比を推定して求めている。SP信号のS/N比は、実際のSP信号の受信点がどのような位置にあっても算出することができ、そのため、例えば、ノイズの分布範囲が大きい場合であっても確実に正確なS/N比を算出することができる。
【0057】
なお、以上、本発明を適用した実施の形態を説明するにあたり、変調方式として16QAM方式を用いたOFDM受信装置を例にとって説明したが、変調方式はこのような16QAMに限らず、QPSK、64QAM、128QAMといった他の変調方式であってもよい。
【0058】
また、このOFDM受信装置1では、SP信号のS/N比を算出することによって各サブキャリアに対するS/N比を算出しているが、このSP信号とともに、キャリア周波数の同期をとるためのコンティニュアルパイロット信号CPを用いてもよい。
【0059】
また、このOFDM受信装置1は、算出したS/N比を信頼度情報としてエラー訂正回路10に供給するのみならず、外部出力してもよい。例えば、このOFDM受信装置1の受信感度を示す外部モニタや、アンテナの受信感度を示すモニタ等に出力し、S/N比を表示するようにしてもよい。
【0060】
また、このOFDM受信装置1のイコライザ8は、SP信号を抽出して、このSP信号の位相変動量及び振幅変動量に基づき伝送路の伝達特性を推定し、この推定した伝達特性に基づき各サブキャリアに対する波形等化を行っている。このイコライザ8は、SP信号を抽出する抽出回路と、SP信号を時間方向にフィルタリングしてノイズを除去するIIRフィルタと、SP信号を周波数方向にフィルタリングして各サブキャリアに対する伝達特性の補間をするFIRフィルタと、FFT演算をして得られたOFDMの周波数領域の信号に対して各サブキャリアに対する伝達特性を複素除算する複素除算回路とから構成されるのが一般的である。そのため、S/N比算出回路11のSP信号抽出回路、時間方向フィルタ、周波数方向フィルタをそれぞれイコライザが備える回路と共用化して用いてもよい。
【0061】
【発明の効果】
本発明にかかる復調装置及び復調方法では、パイロット信号が挿入されたサブキャリア位置におけるS/N比を演算し、演算したS/N比を時間方向にフィルタリングし、時間方向にフィルタリングしたS/N比をサブキャリア方向に周波数補間することによって、抽出したパイロット信号に基づき、各サブキャリア位置におけるS/N比を算出する。
【0062】
このことにより、本発明では、各サブキャリア毎に確実に正確なS/N比を算出することができる。さらに、後段に設けられた軟判定復号手段に正確な信頼度情報を出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したOFDM受信装置のブロック構成図である。
【図2】受信したスキャッタードパイロット信号のS/N比について説明する図である。
【図3】従来のOFDM受信装置のブロック構成図である。
【図4】16QAMの変調信号をデマッピングして復号する処理について説明する図である。
【図5】上記従来のOFDM受信装置のデマッピング回路によるS/N比の算出処理について説明する図である。
【図6】上記従来のOFDM受信装置のデマッピング回路により正確にS/N比が算出できない場合について説明する図である。
【符号の説明】
1 OFDM受信装置、2 アンテナ、3 チューナ、4 A/D変換回路、5 デジタル直交復調回路、6 FFT演算回路、7 ウィンドウ制御回路、8イコライザ、9 デマッピング回路、10 エラー訂正回路、11 S/N比算出回路

Claims (2)

  1. 複数のサブキャリアに対して有効信号が分割されて直交変調されることにより生成された伝送シンボルを伝送単位とし、特定の電力であって且つ特定の位相とされたパイロット信号が各伝送シンボルに離散的に挿入された直交周波数分割(OFDM)信号を復調する復調装置において、
    上記OFDM信号を上記伝送シンボル単位でフーリエ変換して周波数領域信号を生成するフーリエ変換手段と、
    上記周波数領域信号から上記パイロット信号を抽出するパイロット信号抽出手段と、
    上記抽出したパイロット信号のノイズ成分を抽出するノイズ検出手段と、
    上記ノイズ成分に基づき上記パイロット信号が挿入されたサブキャリア位置におけるS/N比を演算するS/N比演算手段と
    上記S/N比演算手段により演算されたS/N比を時間方向にフィルタリングする時間方向フィルタ手段と、
    上記時間方向フィルタ手段によりフィルタリングされたS/N比をサブキャリア方向に周波数補間して、有効信号が含まれる全サブキャリア位置におけるS/N比を推定する周波数補間フィルタ手段と、
    上記フーリエ変換手段から出力された周波数領域信号からデータを復号する復号手段と、
    上記周波数補間フィルタ手段により推定された有効信号が含まれる全サブキャリア位置におけるS/N比を信頼度情報として用いて、上記復号手段により復号された上記データの軟判定復号を行う軟判定復号手段とを備える復調装置。
  2. 複数のサブキャリアに対して有効信号が分割されて直交変調されることにより生成された伝送シンボルを伝送単位とし、特定の電力であって且つ特定の位相とされたパイロット信号が各伝送シンボルに離散的に挿入された直交周波数分割(OFDM)信号を復調する復調方法において、
    上記OFDM信号を上記伝送シンボル単位でフーリエ変換して周波数領域信号を生成し、
    上記周波数領域信号から上記パイロット信号を抽出し、
    上記抽出したパイロット信号のノイズ成分を抽出し、
    上記ノイズ成分に基づき上記パイロット信号が挿入されたサブキャリア位置におけるS/N比を演算し、
    上記演算したS/N比を時間方向にフィルタリングし、
    上記時間方向にフィルタリングしたS/N比をサブキャリア方向に周波数補間して、有効信号が含まれる全サブキャリア位置におけるS/N比を推定し、
    上記フーリエ変換した周波数領域信号からデータを復号し、
    上記推定された有効信号が含まれる全サブキャリア位置におけるS/N比を信頼度情報として用いて、上記復号したデータの軟判定復号を行う復調方法。
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