JP3989776B2 - 液晶表示パネルおよびそれを用いた投射型表示装置 - Google Patents

液晶表示パネルおよびそれを用いた投射型表示装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、駆動回路内蔵型のアクティブマトリクス基板を用いた液晶表示パネル、およびそれを用いた投写型表示装置に関するものである。さらに詳しくは、アクティブマトリクス基板と対向基板との間にシール層を介して液晶層が挟持されてなる液晶パネルにおいて、画素部の周辺部に形成された駆動回路の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示パネルに用いられるアクティブマトリクス基板のうち、駆動回路内蔵型のものでは、図14のブロック図に示されるように、基板10の上にマトリクス状に配列された複数の走査線20および複数のデータ線30によって画素領域40が区画された画素部11が構成されている。この画素部11において、画素領域40のそれぞれには走査線20およびデータ線30に接続する画素スイッチング用のTFT50(薄膜トランジスタ)が形成されている。また、基板10上における画素部11の外側領域には、複数のデータ線30のそれぞれに画像信号を供給するデータ側駆動回路部60と、複数の走査線20のそれぞれに走査信号を供給するYシフトレジシタ700を備える走査側駆動回路部70とが構成されている。これらの駆動回路部60、70のうち、データ側駆動回路部60は、基板外周側に位置する第1の回路形成領域61と、この第1の回路形成領域61と画素部11との間に位置する第2の回路形成領域62と、この第2の回路形成領域62と第1の回路形成領域61との間に位置する配線層形成領域63とが構成され、第1の回路形成領域61には端子を介してクロック信号が供給されるXシフトレジスタ610が構成されている。第2の回路形成領域62には、アナログスイッチとしてのTFTを備えるサンプルホールド回路620が構成されている。配線層形成領域63には、Xシフトレジスタ610からサンプルホールド回路620への信号を供給するためのサンプリング信号入力用配線パターン64と、6相分の画像信号線66と、画像信号線66とサンプルホールド回路620とを接続する画像信号サンプリング用配線パターン65とが構成されている。
【0003】
このように構成したアクティブマトリクス基板1は、所定の隙間を介して対向基板(図示せず。)と貼り合わされ、これらの基板間に液晶が封入される。このような貼り合わせ構造を構成するにあたって、従来は、図15に示すように、画素部11の外側領域のうち、画素部11とデータ側駆動回路部60(サンプルホールド回路620)との間、および画素部11と走査側駆動回路部70との間に相当する領域にギャップ材含有のシール材を塗布し、このシール層80によって、アクティブマトリクス基板1と、対向電極およびブラックマトリクス91が構成された対向基板とを貼り合わせて、その内側領域を液晶封入領域12としている。ここで、走査側駆動回路部70近くの走査線20、および画素部11とデータ側駆動回路部60とを接続する引出し線90については、データ線30と同時形成された第1の配線層13と、第1の配線層13と重なるように走査線20と同時形成された第2の配線層14との重なり部分を利用して全体として平坦なセルギャップ制御領域15を構成している。なお、シール層80の形成領域を図14に示すと、一点鎖線L11で表され、その内側領域が液晶封入領域12となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、液晶表示パネルに対しては表示品位の向上が求められる状況にあって、データ側駆動回路部60に対してはそれを構成するTFTの動作速度の向上、あるいは大規模回路の導入などが求められているが、従来の液晶表示パネルでは、アクティブマトリクス基板1上でデータ側駆動回路部60の形成領域をこれ以上拡張できないため、TFTのチャネル幅の拡張によるオン電流の増大や新たな回路の導入などが不可能である。すなわち、従来の液晶表示パネルでは、アクティブマトリクス基板1を大型化せずに、周辺部分(データ側駆動回路部60の形成領域)を拡張するには、その分、画素部11を含む液晶封入領域12やシール領域80が占めている部分を縮小する必要があるが、かかる変更は表示面積の縮小やシール性の低下を招くため、困難である。
【0005】
また、従来のアクティブマトリクス基板1では、表示領域の面積をそのままにして液晶表示パネルを小型化しようにも、シール層80の周辺部には、幅L1を占めるサンプルホールド回路620、および幅L2を占めるシフトレジスタ610を形成する必要がある以上、液晶表示パネルの小型化が困難である。
【0006】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、駆動回路内蔵型のアクティブマトリクス基板を用いた液晶表示パネルにおいて、液晶封入領域を規定するシール層と周辺回路との配置を改良することにより、アクティブマトリクス基板上でのデータ側駆動回路の形成領域を拡張し、データ側駆動回路への新たな回路の導入、あるいはシール層周辺部分の縮小などを可能とする構成を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、基板に、走査線と、前記走査線に交差するデータ線と、前記走査線と前記データ線の交差に対応して設けられた画素トランジスタとを有する画素部を有するアクティブマトリクス基板と、前記アクティブマトリクス基板にシール層を介して貼り合わされる対向基板とを備えた液晶表示パネルであって、前記対向基板に設けられ画素領域を規定する遮光膜と、前記アクティブマトリクス基板の前記対向基板の外周縁より張り出した部位に配置されたデータ線駆動回路を構成する第1回路と、前記アクティブマトリクス基板と前記対向基板とを貼り合わせた内側で、かつ前記対向基板の前記遮光膜の開口部よりも外側で対向する前記アクティブマトリクス基板の領域に形成された前記データ線駆動回路を構成する第2回路と、前記第1回路と前記第2回路と電気的に接続された配線層と、前記配線層に接続され、前記アクティブマトリクス基板の前記シール層に重なる領域に形成された画像信号線と、を具備することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の液晶表示パネルは、前記第1回路はシフトレジスタからなり、前記第2回路は前記シフトレジスタの出力に応じて、前記画像信号線の画像信号を前記データ線に供給する回路であることを特徴とする。
【0010】
本発明の液晶表示パネルを用いた投写型表示装置は、光源部と投写手段を有し、前記光源部から出射された光を前記液晶表示パネルを介して前記投写手段で投写することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
【0016】
(アクティブマトリクス基板の全体および画素部の構成)
図1は、液晶表示装置に用いられる駆動回路内蔵型のアクティブマトリクス基板の構成を模式的に示すブロック図であり、図2(A)は、このアクティブマトリクス基板に対向基板を貼り合わせた構造を示す平面図、図2(B)は図2(A)のH−H’の断面図である。なお、本形態に係るアクティブマトリクス基板は、基本的な構成が図14および図15を参照して説明したものと同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してある。
【0017】
図1からわかるように、本形態の液晶表示パネルに用いられる駆動回路内蔵型のアクティブマトリクス基板1も、画素部11では、ガラスや石英などの透明な基板10の上に複数の走査線20および複数のデータ線30がマトリクス状に配列され、これらの走査線20およびデータ線30によって画素領域40が区画されている。いずれの画素領域40にも、走査線20およびデータ線30に接続する画素スイッチング用のTFT50が形成され、このTFT50のドレイン電極は、後述するように、液晶セルを構成するための画素電極である。
【0018】
(アクティブマトリクス基板の周辺部分の構成)
本形態のアクティブマトリクス基板1において、基板10上における画素部11の外側領域(周辺部分)には、複数のデータ線30のそれぞれに画像信号を供給するデータ線駆動回路部60と、複数の走査線20のそれぞれに画素選択用の走査信号を供給するYシフトレジスタ700やバッファを備える走査線駆動回路部70とが構成されている。これらの駆動回路部60、70のうち、データ線駆動回路部60は、基板外周側に位置する第1の回路形成領域61と、この第1の回路形成領域61と画素部11との間に位置する第2の回路形成領域62と、この第2の回路形成領域62と第1の回路形成領域61との間に位置する配線層形成領域63とが構成され、第1の回路形成領域61には端子を介して外部からクロック信号が供給されるXシフトレジスタ610が構成されている。第2の回路形成領域62には、Xシフトレジスタ610から出力された信号に基づいて動作するアナログスイッチとしてのTFTを備えるサンプルホールド回路620が構成されている。配線層形成領域63には、Xシフトレジスタ610からサンプルホールド回路620への信号を供給するためのサンプリング信号入力用配線パターン64と、たとえば6相に展開された各画像信号に対応する6本の画像信号線66と、画像信号線66とサンプルホールド回路620とを接続する画像信号サンプリング用配線パターン65とが構成されている。このため、サンプルホールド回路620は、シフトレジスタ610から出力された信号に基づいて各TFTが動作し、画像信号線66を介して供給される画像信号を所定のタイミングでデータ線30に取り込み、各画素に供給することが可能である。
【0019】
このように構成したアクティブマトリクス基板1は、図2(A)及び図2(B)に示すように、対向電極55およびブラックマトリクス91を備える透明な対向基板5とギャップ材含有のシール材を塗布したシール層80によって貼り合わされ、これらの基板間に液晶が封入される。シール層80には、エポキシ樹脂や各種の紫外線硬化樹脂などを用いることができる。また、ギャップ材としては、直径約2μm〜約6μmの円筒や球状のグラスファイバー等を用いることができる。ここで、対向基板5はアクティブマトリクス基板1よりも小さく、アクティブマトリクス基板1の周辺部分は、対向基板5の外周縁よりはみ出た状態に貼り合わされる。従って、アクティブマトリクス基板1の入出力端子7及び第1駆動回路61は、アクティブマトリクス基板1と対向基板5とを貼り合わせた後も露出しており、第2駆動回路62は貼り合わせた内側に配置されている。また、アクティブマトリクス基板1と対向基板5とは、上下導通材8によりコモン電位(LCCOM)とされている。なお、シール層80は部分的に途切れているため、そこから対向基板5とアクティブマトリクス基板1とを貼り合わせた後も液晶を封入でき、封入した後は封止剤6で塞がれる。
【0020】
このような貼り合わせ構造を構成するにあたって、本形態では、図3にアクティブマトリクス基板1の一部(図2の円領域L12)を拡大して示すように、画素部11の外側領域のうち、第1の回路形成領域61と第2の回路形成領域62との間に位置する配線層形成領域63に重なるようにギャップ材含有のシール材が塗布され、このシール層80によって、アクティブマトリクス基板1と対向基板5とを貼り合わせている。従って、アクティブマトリクス基板1と対向基板5との間にはシール層80の内側に液晶封入領域12が区画され、かつ、この液晶封入領域12内に第2の回路形成領域62(サンプルホールド回路620)が位置している。本実施例では、対向基板5にはシール層80の内周縁に沿うようにブラックマトリクス91が形成されているが、該ブラックマトリクスの開口部よりも外側に第2の回路形成領域62の内周縁が位置している。すなわち、第2の回路形成領域62は液晶封入領域12内にあるが、ブラックマトリクス91の開口部より内側へはみ出していない。それ故、シール層の形成領域を図1に示すと、一点鎖線L13で表され、その内側領域が液晶封入領域12となる。
【0021】
本形態では、アクティブマトリクス基板1の外周部分の両側には走査側駆動回路部70が対称に構成され、いずれの走査側駆動回路部70においても、シール層80は走査側駆動回路部70よりも完全に内側、すなわち、走査線20に重なる領域に形成されている。
【0022】
図3を用いて詳述すると、シール層80の下層側に位置する各配線層は、対向基板5に向けてほぼ均一に突出している。即ち、データ線駆動回路部60の側では、第1の回路形成領域61に形成されているXシフトレジスタ610とサンプルホールド回路620とを接続する多数のサンプリング信号入力用配線パターン64は、データ線30と同時形成された第1の配線層13と、この第1の配線層13と重なるように走査線20と同時形成された第2の配線層14が形成されている。この第2の配線層14と第1の配線層13との重なり部分は、隣合う配線層と隙間を介して並んでほぼ均一に対向基板5に向けて突出しているため、液晶層のセルギャップの制御に利用できる。また、サンプリング信号入力用配線パターン64と、配線層形成領域63内を通る画像信号線66との重なり部分も、対向基板5に向けてほぼ均一に突出しているため、ギャップ制御に利用できる。
【0023】
また、データ側駆動回路部60の側では、配線層形成領域62内を通る画像信号線66とサンプルホールド回路620とを接続する画像信号サンプリング用配線パターン65も、データ線30と同時形成された第1の配線層13と、第1の配線層13と重なるように走査線20と同時形成された第2の配線層14とを備え、この第2の配線層14と第1の配線層13との重なり部分も、隣合う配線層とわずかな隙間を介して並んで対向基板5に向けて突出している。しかも、画像信号サンプリング用配線パターン65は、配線層形成領域63内を通る画像信号線66との重なり部分によっても、対向基板5に向けてほぼ均一に突出している。このように配線層はほぼ均一に対向基板に向けて突出しており、図3にはアクティブマトリクスパネルの一部しか図示されていないが、配線層は平面的に見て画素部の周辺の上下、左右に形成されているため、これらの配線層が、ギャップ制御として機能し、セルギャップを均一にするために利用することができる。本発明はこれらの複数の配線層を利用してギャップ制御を行うものであり、本明細書では上述のようなシール材が形成される領域の配線層15を以下、セルギャップ制御領域と称して説明する。
【0024】
同様に、走査側駆動回路部70の側でも、走査線20に対して、データ線30と同時形成された第1の配線層13が重なっており、この重なり部分も、隣合う配線層と隙間を介して並んで対向基板5に向けてほぼ均一に突出してセルギャップ制御領域15を構成している。
【0025】
従って、データ線駆動回路部60の側、および走査線駆動回路部70の側の双方において、シール層80に含有されているギャップ材のうち、各セルギャップ制御領域15に位置するギャップ材は、アクティブマトリクス基板1と対向基板5との間に所定の隙間を確保することになる。
【0026】
(アクティブマトリクス基板の製造方法)
このようにして、2層の配線層を利用してセルギャップ制御領域15を構成する際には、画素スイッチング用のTFT50が以下に説明する構造を有していることから、画素スイッチング用のTFT50の製造工程をそのまま採用する。すなわち、図4(A)には、画素部11の一部(画素領域40)を拡大して示すように、いずれの画素領域40に対しても、アルミニウム膜などからなるデータ線30の下層側においてデータ線30に部分的に重なるように形成したポリシリコンからなる半導体膜51(TFTの能動層)と、ポリシリコンなどからなる走査線20の一部をゲート電極21として用い、画素スイッチング用のTFT50が形成されている。このTFT50において、半導体膜51にはゲート電極21に対して自己整合的にソース領域521およびドレイン領域522が形成され、ソース領域521にはコンタクトホール56を介してデータ線30が電気的接続し、ドレイン領域522にはコンタクトホール57を介して画素電極55が電気的接続している。また、図4(A)に示す例では、走査線20に沿うように、この走査線20と同時形成されたポリシリコンからなる容量線22が形成され、この容量線22に対してはドレイン領域522の延設部分523が重なって保持容量を構成している。
【0027】
一方、図4(B)には前記のセルギャップ制御領域15のうち、データ線駆動回路部60において、シフトレジスタ610とサンプルホールド回路620とを接続するサンプリング信号入力用配線パターン64の一部を拡大して示すように、画像信号サンプリング用配線パターン64は、データ線30と同時形成された第1の配線層13と、この第1の配線層13と重なるように走査線20と同時形成された第2の配線層14とが形成され、それらの重なり部分によって、前記のセルギャップ制御領域15が構成されている。
【0028】
ここで、図4(C)に示すように、第1の配線層13と第2の配線層14とを複数のコンタクトホール56で複数箇所で電気的接続しておけば、画像信号サンプリング用配線パターン64を冗長配線構造として構成できる。それ故、そこにシール材に含まれるギャップ材によって一方の配線が断線しても、もう一方の配線により信号を供給することが可能となる。
【0029】
このようなセルギャップ制御領域のうち、画像信号サンプリング用配線パターン64を画素スイッチング用のTFTの製造工程を援用しながら形成する方法を、図5ないし図7を参照して説明する。これらの図は、本形態のアクティブマトリクス基板の製造方法を示す工程断面図であり、いずれの図においても、その左側部分には図4(A)のA−A′線における断面、右側部分には図4(B)のB−B′線における断面を示してある。
【0030】
まず、図5(A)に示すように、画素TFT部およびセルギャップ制御領域のいずれの側にも、ガラス基板、たとえば無アルカリガラス基板や石英基板などからなる透明な基板10の表面全体に直接、あるいは基板10の表面に形成した下地保護膜の表面全体に、減圧CVD法などにより厚さが約500オングストローム〜約2000オングストローム、好ましくは約1000オングストロームのポリシリコン膜からなる半導体膜51を形成した後(半導体膜堆積工程)、それをフォトリソグラフィ技術を用いて、図5(B)に示すように、パターニングし、画素TFT部の側に島状の半導体膜51(能動層)を形成する。これに対して、セルギャップ制御領域の側では半導体膜51を完全に除去する(半導体膜フォト・エッチング工程)。上記の半導体膜の形成は、アモルファスシリコン膜を堆積した後、600℃〜700℃の温度で1時間〜8時間のアニール処理を施してポリシリコン膜を形成したり、ポリシリコン膜を堆積した後、シリコンイオンを打ち込み、非晶質化した後、アニール処理により再結晶化してポリシリコン膜を形成する方法を用いてもよい。
【0031】
次に、図5(C)に示すように、熱酸化法などにより半導体膜51の表面に厚さが約600オングストローム〜約1500オングストロームのゲート絶縁膜58を形成する(ゲート絶縁膜形成工程)。その結果、半導体膜51の厚さは、約300オングストローム〜約1500オングストローム、好ましくは350オングストローム〜約450オングストロームとなる。
【0032】
次に、図5(D)に示すように、ゲート電極などを形成するためのポリシリコン膜210を基板10全面に形成した後(ゲート電極膜堆積工程)、それをフォトリソグラフィ技術を用いて、図5(E)に示すように、パターニングし、画素TFT部の側にゲート電極21を形成する。これに対して、セルギャップ制御領域の側ではポリシリコン膜をセルギャップ制御用の第2の配線層14として残す
(ゲート電極フォト・エッチング工程)。
【0033】
次に、図5(F)に示すように、画素TFT部および駆動回路のNチャネルTFT部の側には、ゲート電極21をマスクとして高濃度の不純物イオン(リンイオン)の打ち込みを行い(イオン打ち込み工程)、画素TFT部の側には、ゲート電極21に対して自己整合的に高濃度のソース領域521、および高濃度のドレイン領域522を形成する。ここで、ゲート電極21の真下に位置しているため、不純物が導入されなかった部分はチャネル領域520となる。このようにしてイオン打ち込みを行った際には、ゲート電極21および第2の配線層14として形成されていたポリシリコン膜にも不純物が導入されるので、それらは低抵抗化することになる。なお、この工程に代えて、ゲート電極21をマスクとして約1×1013/cm2 〜約3×1013/cm2 のドーズ量で低濃度の不純物(リンイオン)を導入して、ポリシリコン膜に低濃度領域を形成した後、ゲート電極21よりの幅の広いマスクを形成して高濃度の不純物(リンイオン)を約1×1015/cm2 〜約3×1015/cm2 のドーズ量で打ち込み、LDD構造(ライトリー・ドープト・ドレイン構造)のソース領域およびドレイン領域を形成してもよい。また、低濃度の不純物の打ち込みを行わずに、ゲート電極21より幅の広いマスクを形成した状態で高濃度の不純物(リンイオン)を打ち込み、オフセット構造のソース領域およびドレイン領域を形成してもよい。
【0034】
また、図示を省略するが、周辺駆動回路のPチャネルTFT部を形成するために、前記画素部およびNチャネルTFT部をレジストで被覆保護して、ゲート電極21をマスクとして、約1×1015/cm2 〜約3×1015/cm2 のドーズ量でボロンイオンを打ち込むことにより、自己整合的にPチャネルのソース・ドレイン領域を形成する。なお、NチャネルTFT部の形成時と同様に、ゲート電極をマスクとして、約1×1013/cm2 〜約3×1013/cm2 のドーズ量で低濃度の不純物(ボロンイオン)を導入して、ポリシリコン膜に低濃度領域を形成した後、ゲート電極よりの幅の広いマスクを形成して高濃度の不純物(ボロンイオン)を約1×1015/cm2 〜約3×1015/cm2 のドーズ量で打ち込み、LDD構造(ライトリー・ドープト・ドレイン構造)のソース領域およびドレイン領域を形成してもよい。また、低濃度の不純物の打ち込みを行わずに、ゲート電極より幅の広いマスクを形成した状態で高濃度の不純物(リンイオン)を打ち込み、オフセット構造のソース領域およびドレイン領域を形成してもよい。これらのイオン打ち込み工程によって、CMOS化が可能になり、周辺駆動回路の同一基板内への内蔵化が可能となる。
【0035】
次に、図6(A)に示すように、ゲート電極21および第2の配線層14の表面側に、CVD法などによりたとえば800℃程度の温度条件下で厚さが約5000オングストローム〜約15000オングストロームのNSG膜(ボロンやリンを含まないシリケートガラス膜)などからなる第1層間絶縁膜53を形成した後(第1層間絶縁膜堆積工程)、図6(B)に示すように、画素TFT部の側では、フォトリソグラフィ技術を用いて、第1層間絶縁膜53のうち、ソース領域521に対応する部分にコンタクトホール56を形成する(ソース電極導通部開孔工程)。
【0036】
次に、図6(C)に示すように、第1層間絶縁膜53の表面側に、ソース電極を構成するためのアルミニウム膜300などの低抵抗導電膜をスパッタ法などで形成した後(ソース電極膜堆積工程)、図6(D)に示すように、フォトリソグラフィ技術を用いて、アルミニウム膜300をパターニングし、画素TFT部では、データ線30の一部としてソース電極301を形成し、セルギャップ制御領域では、シフトレジスタ610とサンプルホールド回路620とを接続する第1の配線層13(画像信号サンプリング用配線パターン64)を形成する(ソース電極フォト・エッチング工程)。
【0037】
次に、図7(A)に示すように、ソース電極301および第1の配線層13の表面側に、CVD法などによりたとえば500℃程度の低い温度条件下で厚さが約5000オングストローム〜約15000オングストロームのBPSG膜(ボロンやリンを含むシリケートガラス膜)などからなる第2層間絶縁膜54を形成した後(第2層間絶縁膜形成工程)、図7(B)に示すように、画素TFT部の側では、フォトリソグラフィ技術およびドライエッチング法などを用いて、第1層間絶縁膜53および第2層間絶縁膜54のうち、ドレイン領域522に対応する部分にコンタクトホール57を形成する(画素電極導通部開孔工程)。
【0038】
次に、図7(C)に示すように、第2層間絶縁膜54の表面側に、ドレイン電極を構成するための厚さが約1500オングストロームのITO膜550(Indium Tin Oxide)をスパッタ法などで形成した後(画素電極膜堆積工程)、図7(D)に示すように、フォトリソグラフィ技術を用いて、ITO膜550をパターニングし、画素TFT部では画素電極55を形成し、セルギャップ制御領域では、ITO膜550を完全に除去する。(画素電極フォトエッチング工程)ここで、画素電極55としては、ITO膜に限らず、SnOX 膜やZnOX 膜などの高融点の金属酸化物などからなる透明電極材料を使用することも可能であり、これらの材料であれば、コンタクトホール57内でのステップカバレージも実用に耐えるものである。
【0039】
このようにして、画素TFT部に画素スイッチング用のTFT50を形成する際には、図5(D)、(E)、(F)に示す工程を利用して第2の配線層14を形成でき、かつ、図6(C)、(D)に示す工程を利用して第1の配線層13を形成できるので、それらが部分的に重なるように形成するだけで、図7(D)に示すように、ほぼ均一に突出したセルギャップ制御領域15を形成できる。また、図3を参照して説明した画像信号サンプリング用配線パターン65、および走査側駆動回路部70近くの走査線20に対しても、2層の配線層が重なったセルギャップ制御領域15を形成できる。
【0040】
(本形態の効果)
以上説明したように、本形態では、データ側駆動回路部60の第1の回路形成領域61、第2の回路形成領域62、および配線層形成領域63のうち、配線層形成領域63に重なるようにシール層80を形成することによって、第1の回路形成領域62が液晶封入領域12内に位置するように構成してある。すなわち、図14および図15を参照して説明した構造からみれば、図3に示すように、シール層80よりも内側部分に第2の回路形成領域62を形成した分だけ、シール層80よりも外側部分において第1の回路形成領域61を幅L4にまで拡張できる。また、第2の回路形成領域62についてもブラックマトリクス91で隠れている部分を利用しているので、幅L5にまで拡張できる。それ故、本形態によれば、液晶表示パネルの表示の品位を高めることを目的に、データ側駆動回路部60に対してはそれを構成するTFTのチャネル幅の拡張によるオン電流の増大(動作速度の向上)、あるいは大規模回路の導入などを行うことができる。すなわち、本形態の液晶表示パネルでは、アクティブマトリクス基板1を大型化せずに、かつ、画素部11を含む液晶封入領域12やシール層80が占めている部分を縮小することなく、データ側駆動回路部60の形成領域を実質的に拡張することができる。また、逆にいえば、シール層80よりも内側部分に第2の回路形成領域62を形成したので、シール層80よりも外側には第1の回路形成領域61だけを確保すればよい。すなわち、シール層80よりも外側にはシフトレジシタ回路610を構成すればよい。それ故、アクティブマトリクス基板の周辺部分を縮小できるので、同じ大きさの表示領域を有しながらも周辺部分が狭い液晶表示パネルを構成することができる。
【0041】
さらに、データ線駆動回路部60全体を液晶封入領域12内に形成すると、液晶に印加される直流成分の電位の影響を受けて液晶中の不純物イオンが配向膜との界面に吸着し分極発生を招くおそれがあるが、本形態では、極性反転した画像信号をサンプリングするサンプルホールド回路620が液晶封入領域12内にあるので、液晶の劣化を防ぐことができる。しかも、サンプルホールド回路620ブラックマトリクス91で覆われているので、対向基板側から入射される光の影響でTFTがオフ状態でリークする心配がなく、表示の品位を落とさない。
【0042】
さらにまた、データ線駆動回路部60の側、および走査線駆動回路部70の側の双方において、シール層80に含有されているギャップ材は、画像信号線66までも利用したセルギャップ制御領域15と対向基板5との間に挟まれてそれらの間に所定の隙間を確保しており、このような構造であれば、アクティブマトリクス基板1の側を損傷しない。すなわち、駆動回路の一部をシール層80に重ねるといっても、シール層80が駆動回路のTFTに重なるような構成であれば、TFTと対向基板との間に挟まれたギャップ材はTFTを損傷させてしまう恐れがあるが、このような問題は本形態では発生しない。しかも、セルギャップ制御領域15に位置する配線を冗長配線構造にしておけば、そこではギャップ材によって断線するという不具合を確実に防止できる。
【0043】
また、アクティブマトリクス基板1の外周領域のシール材形成領域の全面にアルミニウム層などを形成し、そこにシール層80を形成する構成では、シール層80を光硬化させる場合には対向基板5の方から紫外線を照射しなればならず、対向基板5としては光透過性のかなり高い石英基板などを使用せざるを得ないという制約がある。これに対して、本形態では、アクティブマトリクス基板1の側から紫外線を照射しても配線層同士の隙間(例えば、配線層の幅約10μmに対して、隙間の幅は約10μm程度)を通って紫外線がシール層80に到達し、硬化させるので、対向基板5との未硬化を防ぐことができる。それ故、本形態によれば、対向基板5として光透過性の低い基板等、安価なネオセラム等のガラス基板を使用できるという利点もある。
【0044】
(その他の形態)
なお、上記実施形態では、アクティブマトリクス基板において画素部の一方の側のみにデータ側駆動回路部60を構成した場合を例に説明したが、図8(A)、(B)に示すように、アクティブマトリクス基板1において画素部11の両側にデータ線駆動回路部60を構成してもよい。この場合にも、2つのデータ線駆動回路部60のいずれにおいても、第1の回路形成領域61、第2の回路形成領域62、および配線層形成領域63のうち、配線層形成領域63に重なるように前記のシール層80(図中、一点鎖線によりシール層80の外周縁を示す。)を形成することによって、いずれのデータ線駆動回路部60においても、第2の回路形成領域62が液晶封入領域12内に位置するように構成する。このように構成するにあたっては、図8(A)に示すように、画素部11の両側にある2つのデータ線駆動回路部60から同一のデータ線30に対して同一の画像信号を同一のタイミングで供給するように構成して歩留りなどを向上させてもよい。また、図8(B)に示すように、画素部11の両側にある2つのデータ線駆動回路部60のそれぞれが、複数のデータ線30のうち一本おきに画像信号を供給するように構成し、安価な構成でサンプリング周波数を2倍に高めてもよい。
【0045】
また、上記いずれの実施の形態でも、データ線駆動回路部60において、第1の回路形成領域61、第2の回路形成領域62、および配線層形成領域63のうち、配線層形成領域63に重なるように前記のシール層80を形成したが、走査側駆動回路70においても、基板外周側に位置する第1の回路形成領域(Yシフトレジスタ形成領域)と、この第1の回路形成領域と画素部11との間に位置する第2の回路形成領域(バッファ回路形成領域)と、この第2の回路形成領域と第1の回路形成領域との間に位置する配線層形成領域とを設け、この配線層形成領域に重なるように前記のシール層80を形成してもよい。この場合には、第2の回路形成領域(バッファ回路)は液晶封入領域12内に位置することになるので、走査側駆動回路70においてもその形成領域を実質的に拡張できるので、走査速度の向上などといった表示の品位を向上させることができる。この場合にも、Yシフトレジスタとバッファ回路とを接続する配線層としては、データ線30と同時形成された第1の配線層13と、この第1の配線層13と重なるように走査線20と同時形成された第2の配線層14との重なり部分をセルギャップ制御領域として利用することが好ましい。また、液晶封入領域12内に形成するバッファ回路についても対向基板5のブラックマトリクス91から内側にはみ出ないように形成する。
【0046】
(液晶表示パネルの使用例)
上記実施の形態に係る液晶表示パネルを透過型で構成した場合の電子機器への使用例を、図9ないし図13を参照して説明する。
【0047】
上記形態の液晶表示パネルを用いて構成される電子機器は、図9のブロック図に示すように、表示情報出力源1000、表示情報処理回路1002、表示駆動装置1004、液晶表示パネル1006(表示駆動装置1004と液晶表示パネル1006は同一基板に形成されている)、クロック発生回路1008、および電源回路1010を含んで構成される。表示情報出力源1000は、ROM、RAMなどのメモリ、テレビ信号などを同調して出力する同調回路などを含んで構成され、クロック発生回路1008からのクロックに基づいて表示情報を処理して出力する。この表示情報出力回路1002は、たとえば増幅・極性反転回路、相展開回路。ローテーション回路、ガンマ補正回路、あるいはクランプ回路等を含んで構成され、液晶表示パネル1006を駆動する。電源回路1010は、上述の各回路に電力を供給する。
【0048】
このような構成の電子機器としては、図10に示す液晶プロジェクタ、図11に示すマルチメディア対応のパーソナルコンピュータ(PC)、およびエンジニアリング・ワークステーション(EWS)、図12に示すページャ、あるいは携帯電話、ワードプロセッサ、テレビ、ビューファインダ型またはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、電子手帳、電子卓上計算機、カーナビゲーション装置、POS端末、タッチパネルを備える装置などを挙げることができる。
【0049】
図10に示す投写型表示装置は、液晶表示パネルをライトバルブとして用いた投写型プロジェクタであり、たとえば3枚プリズム方式の光学系を用いている。図10において、液晶プロジェクタ1100では、白色光源のランプユニット1102から出射された投写光がライトガイド1104の内部で、複数のミラー1106および2枚のダイクロイックミラー1108によって、R、G、Bの3原色に分離され(光分離手段)、それぞれの色の画像を表示する3枚の液晶表示パネル1110R、1110G、1110Bに導かれる。そして、それぞれの液晶表示パネル1110R、1110G、1110Bによって変調された光は、ダイクロイックプリズム1112(光合成手段)に3方向から入射される。ダイクロイックプリズム1112では、レッドRおよびブルーBの光が90°曲げられ、グリーンGの光は直進するので、各色の光が合成され、投写レンズ1114を通してスクリーンなどにカラー画像が投写される。
【0050】
図11に示すパーソナルコンピュータ1200は、キーボード1202を備える本体部1204と、液晶表示パネル1206(液晶表示画面)とを有する。
【0051】
図12に示すページャ1300は、金属製のフレーム1302内に、液晶表示基板1304、バックライト1306aを備えたライトガイド1306、回路基板1308、第1および第2のシールド板1310、1312、2つの弾性電導体1314、1316、およびフィルムキャリヤテープ1318を有する。2つの弾性電導体1314、1316、およびフィルムキャリヤテープ1318は、液晶表示基板1304と回路基板とを接続するものである。
【0052】
ここで、液晶表示基板1304は、2枚の透明基板1304a、1304bの間に液晶を封入したもので、これにより少なくともドットマトリクス型の液晶表示パネルが構成される。一方の透明基板には図13に示す駆動回路1004、あるいはこれに加えて表示情報処理回路1002を構成することができる。液晶表示基板1304に搭載されない回路は、液晶表示基板1304の外付け回路とされ、図12に示す例であれば、回路基板1308に搭載できる。
【0053】
図12はページャの構成を示すものであるから、液晶表示基板1304以外に回路基板1308が必要であるが、電子機器用の一部品として液晶表示パネルが使用される場合であって、透明基板上に表示駆動回路が搭載される場合には、その液晶表示装置としての最小単位は液晶表示基板1304である。あるいは、液晶表示基板1304を筐体としての金属フレーム1302に固定したものを、電子機器用の一部品である液晶表示装置として用いることもできる。これらに代えて、図13に示すように、液晶表示基板1304を構成する2枚の透明基板1304a、1304bの一方に、金属の導電膜が形成されたポリイミドテープ1322にICチップ1324を実装したTCP(Tape Carrier Package)1320を接続して、電子接続用の一部品である液晶表示装置として使用することもできる。
【0054】
なお、本発明は上記実施例に限定されることなく、配線層形成領域にシール層を形成するという本発明の要旨の範囲内で種々変形した形態で実施が可能である。たとえば、本発明は上述の各種の液晶表示パネルの駆動に適用されるものに限らず、エレクトロルミネッセンス、プラズディスプレー装置にも適用できるものである。
次に、本発明を付記項として以下に示す。
1.基板上にマトリクス状に配列された複数の走査線および複数のデータ線と、該走査線および該データ線に接続されたスイッチング用のTFTとが形成された画素部と、該画素部の周辺領域に該複数のデータ線に画像信号を供給するデータ線駆動回路とが形成されてなり、該基板と対向基板との間はギャップ材含有のシール層によって液晶が挟持されてなる液晶表示パネルにおいて、
該データ線駆動回路は、第1の回路と、該第1の回路と該画素部との間に位置する第2の回路と、該第2の回路と該第1の回路との間に位置する配線層とを備え、該シール層は該配線層に重なるように形成されてなり、該第2の回路は該シール層の内側に位置していることを特徴とする。
この構成により、シール層よりも内側に第2の回路が形成された分だけ、シール層よりも外側において第1の回路を拡張できる。それ故、データ線駆動回路に対してはデータ線駆動回路を構成するTFTのチャネル幅の増大によるオン電流の増大、すなわちTFTの動作速度の向上、あるいはデータ線駆動回路への大規模回路の導入などを行うことができる。よって、本発明によれば、アクティブマトリクス基板を大型化せずに、かつ画素部を含む液晶封入領域やシール領域が占めている部分を縮小することなく、データ線駆動回路の形成領域を実質的に拡張することができるので、液晶表示パネルの表示の品位を高めることができる。また、シール層よりも内側に第2の回路を形成したため、シール層よりも外側には第1の回路の領域だけを確保すればよい。よって、アクティブマトリクス基板の周辺部分を縮小できるので、同じ大きさの表示領域を有しながらも、周辺部分が狭い液晶表示パネルを構成することができる。さらに、データ側駆動回路全体を液晶封入領域内に形成すると、そこに印加される直流成分の電位の影響を受けて液晶の劣化を招くおそれがあるが、本発明では、データ線駆動回路の一部である、極性反転した画像信号をサンプリングするサンプルホールド回路が液晶封入領域内にあるので、液晶中の不純物イオンが配向膜との界面に吸着し分極発生により、表示品位の劣化を招く。また、アクティブマトリクス基板の外周のシール材形成領域の全面にギャップ制御をするための層、あるいはアルミニウム層などの配線を形成し、そこにシール層を形成する構成では、シール層を光硬化させる場合には対向基板の方から光照射しなればならず、対向基板としては光透過性の高い石英基板などを使用せざるを得ないという制約があるが、本発明によれば、配線層形成領域にシール層を形成するので、アクティブマトリクス基板の側から光照射しても、配線層同士の隙間を通って光がシール層に到達して、十分シール層を硬化させることができる。従って、対向基板に光透過性が低い基板、例えば安価なガラス基板を使用できるという利点もある。
2.付記項1において、該シール層よりも外側に該複数の走査線に走査信号を供給する走査線駆動回路が構成されていることを特徴とする。
この構成により、駆動回路内蔵型のアクティブマトリクス基板には、駆動回路のうち、データ側駆動回路のみが画素部の周辺部分に形成されているタイプのもの、データ側駆動回路および走査側駆動回路の双方が画素部の周辺部分に形成されているタイプのものがあるが、本発明ではいずれのタイプのものにも適用できる。
3.付記項1または2において、該第2の回路には、該配線層に形成されているサンプリング信号入力用配線パターンを介して該第1の回路に形成されているシフトレジスタからの信号が入力されるサンプルホールド回路が構成されていることを特徴とする。
また本発明において、配線層形成領域には、データ線と同時形成された第1の配線層と、走査線と同時形成された第2の配線層との重なり領域に、前記のシール層が形成されることが好ましい。このような配線層であれば、TFTと違って、シール材のギャップ材が対向基板との間に挟まっていても損傷することがない。すなわち、データ側駆動回路の一部をシール層の内側に形成するといっても、シール層が駆動回路のTFTに重なるような構成であれば、TFTと対向基板との間に挟まれたギャップ材はTFTを損傷させてしまう恐れがあるが、このような問題は本発明では発生しない。また、第1の配線層および第2の配線層はそれぞれ、データ線または走査線と同時形成した配線層を利用するので、このような配線層を形成するために、特別な工程を追加する必要がないという利点がある。
4.付記項3において、前記サンプリング信号入力用配線パターンは、前記データ線と同時形成された第1の配線層と、該第1の配線層と重なるように前記走査線と同時形成された第2の配線層とを備え、該第2の配線層および前記第1の配線層の形成領域に前記のシール層が形成されている。
5.付記項3において、前記配線層形成領域内を通る画像信号線と前記サンプルホールド回路とを接続する画像信号サンプリング用配線パターンが、前記データ線と同時形成された第1の配線層と、該第1の配線層と重なるように前記走査線と同時形成された第2の配線層とを備え、該第2の配線層および前記第1の配線層の形成領域に前記シール層が形成されてもよい。この場合にも、前記画像信号サンプリング用配線パターンと、前記配線層形成領域内を通る画像信号線との重なり部分にシール層が形成されてもよい。
6.付記項4または5において、本発明の液晶表示パネルは、互いに重なる該第1の配線層と該第2の配線層とは、コンタクトホールを介して少なくとも1箇所で電気的接続していることを特徴とする。
このように構成すると、そこにシール材のギャップ材により、第1配線層あるいは第2配線層のどちらか一方の配線が断線したとしても、もう一方の配線層で信号を供給することができるため、冗長構造が可能となる。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る液晶表示パネルでは、アクティブマトリクス基板の外周部分において、データ線駆動回路部の配線層形成領域に重なるようにシール層を形成することによって、第2の回路形成領域を液晶封入領域内に構成してある。従って、本発明によれば、シール層よりも内側部分に第2の回路形成領域を形成した分だけ、シール層よりも外側部分において第1の回路形成領域を拡張できる。よって、データ側駆動回路に対してはそれを構成するTFTのチャネル幅の増大によるオン電流の増大、すなわちTFTの動作速度の向上、あるいはデータ側駆動回路への大規模回路の導入などを行うことができる。それ故、アクティブマトリクス基板を大型化せずに、かつ、画素部を含む液晶封入領域やシール領域が占めている部分を縮小することなく、データ側駆動回路の形成領域を実質的に拡張することができるので、液晶表示パネルの表示の品位を高めることがとができる。また、シール層よりも内側部分に第2の回路形成領域を形成したので、シール層よりも外側領域には第1の回路形成領域だけを確保すればよいので、同じ大きさの表示領域を有しながらも、周辺部分が狭い液晶表示パネルを構成することができる。さらに、データ線駆動回路のうち、第2の回路形成領域のみが液晶封入領域内にあるので、液晶の劣化を招かない。しかも、アクティブマトリクス基板の外周領域のシール材形成領域の全面にギャップを制御するための層、あるいはアルミニウム等の配線層などを形成してそこにシール層を形成する場合と違って、本発明では、配線層形成領域にシール層を形成するので、アクティブマトリクス基板の側から光照射しても、照射した光は配線層同士の隙間を通ってシール層に到達し、シール層を十分硬化させる。よって、対向基板として光透過性の低い基板、安価なガラス基板を使用できるという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液晶表示パネルのアクティブマトリクス基板のブロック図である。
【図2】(A)は図1に示すアクティブマトリクス基板に対向基板を貼り合わせた構造を示す平面図、(B)は(A)のH−H’の断面図である。
【図3】図2のL12で示す領域を拡大して示す説明図である。
【図4】(A)は、図1に示すアクティブマトリクス基板に形成した画素スイッチング用TFTの平面図、(B)は、駆動回路の配線層形成領域に形成したセルギャップ制御領域を示す平面図、(C)は、このセルギャップ制御領域において画像信号サンプリング用配線パターンを冗長配線構造とするための構造を示す平面図である。
【図5】(A)〜(F)は、図4に示すTFTおよびセルギャップ制御領域を形成するための工程断面図である。
【図6】(A)〜(D)は、図5に続いて行う工程を示す工程断面図である。
【図7】(A)〜(D)は、図6に続いて行う工程を示す工程断面図である。
【図8】(A)、(B)は、本発明の変形例を示すアクティブマトリクス基板のブロック図である。
【図9】本発明を適用した液晶表示パネルを用いた電子機器のブロック図である。
【図10】本発明を適用した液晶表示パネルを用いた投写型表示装置の光学系を示す説明図である。
【図11】本発明を適用した液晶表示パネルを用いたパーソナルコンピュータの説明図である。
【図12】本発明を適用した液晶表示パネルを用いたページャの説明図である。
【図13】図12のページャに用いた液晶表示基板の説明図である。
【図14】従来の液晶表示パネルのアクティブマトリクス基板のブロック図である。
【図15】図14に示すアクティブマトリクス基板の部分拡大図である。
【符号の説明】
1 アクティブマトリクス基板
5 対向基板
10 基板
11 画素部
12 液晶封入領域
13 第1の配線層
14 第2の配線層
15 セルギャップ制御領域
20 走査線
30 データ線
40 画素領域
50 画素スイッチング用のTFT
60 データ線駆動回路部
61 第1の回路形成領域
62 第2の回路形成領域
63 配線層形成領域
64 サンプリング信号入力用配線パターン
66 画像信号線
65 画像信号サンプリング用配線パターン
70 走査線駆動回路部
80 シール層
610 Xシフトレジスタ
620 サンプルホールド回路

Claims (4)

  1. 基板に、走査線と、前記走査線に交差するデータ線と、前記走査線と前記データ線の交差に対応して設けられた画素トランジスタとを有する画素部を有するアクティブマトリクス基板と、前記アクティブマトリクス基板にシール層を介して貼り合わされる対向基板とを備えた液晶表示パネルであって、
    前記対向基板に設けられ画素領域を規定する遮光膜と、
    前記アクティブマトリクス基板の前記対向基板の外周縁より張り出した部位に配置されたデータ線駆動回路を構成する第1回路と、
    前記アクティブマトリクス基板と前記対向基板とを貼り合わせた内側で、かつ前記対向基板の前記遮光膜の開口部よりも外側で対向する前記アクティブマトリクス基板の領域に形成された前記データ線駆動回路を構成する第2回路と、
    前記第1回路と前記第2回路と電気的に接続された配線層と、
    前記配線層に接続され、前記アクティブマトリクス基板の前記シール層に重なる領域に形成された画像信号線と、
    を具備することを特徴とする液晶表示パネル。
  2. 前記第1回路はシフトレジスタからなり、前記第2回路は前記シフトレジスタの出力に応じて、前記画像信号線の画像信号を前記データ線に供給する回路であることを特徴とする請求項1記載の液晶表示パネル。
  3. 前記遮光膜は、前記シール層の内周縁に沿うように形成されることを特徴とする請求項又は2に記載の液晶表示パネル。
  4. 請求項1乃至3のいずれかの液晶表示パネルを用いた投写型表示装置であって、光源部と投写手段を有し、前記光源部から出射された光を前記液晶表示パネルを介して投写手段で投写することを特徴とする投写型表示装置。
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