JP3988373B2 - ノズルクリーニング前のノズル検査 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、複数のノズルからインク滴をそれぞれ吐出して印刷媒体の表面にドットを記録し画像を印刷する印刷装置の、ノズルのクリーニングの技術に関するものである。特に、各ノズルからのインク滴の吐出の有無を検査するノズル検査を利用して、ノズルのクリーニングの実行/不実行を選択する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットプリンタは、複数のノズルからインク滴を吐出して画像の印刷を行う。インクジェットプリンタの印刷ヘッドには、多数のノズルが設けられているが、インクの粘度の増加や気泡の混入等の原因によって、いくつかのノズルが目詰まりしてインク滴を吐出できない場合がある。特に、印刷を行わずにインクジェットプリンタを長時間放置すると、インクの粘度が増してノズルからインク滴を吐出できなくなることがある。ノズルが目詰まりすると画像内にドットの抜けが生じ、画質を劣化させる原因となる。なお、本明細書においては、ノズルの検査を「ドット抜け検査」とも呼ぶ。
【0003】
ノズルの目詰まりを解消するために、通常のインクジェットプリンタには、クリーニング機構が設けられている。ユーザは、プリンタのボタンを操作して、いつでもノズルのクリーニングを実行させることができる。また、上述したような長時間の放置に対応するために、所定のタイミングから一定時間が経過するとプリンタが自動的にクリーニングを実行するようにプリンタ自体が設計されている場合もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、クリーニング機構の構造やシーケンスを工夫して十分に対策がとられているためごくまれではあるが、場合によっては、クリーニング前には目詰まりしていなかったノズルが、クリーニングによって目詰まりを起こすことがある。かかる場合には、目詰まりしているノズルをなくそうとしてクリーニングをすることにより、かえって目詰まりノズルを作り出す可能性を高めてしまうという問題があった。
【0005】
この発明は、従来技術における上述の課題を解決するためになされたものであり、ノズルの目詰まりを発生させる可能性を低減する技術を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明では、インク滴を吐出できない非動作ノズルが検査部によって一定数以上検出されること、以外の所定の誘因に応じてクリーニング機構がクリーニングを実行しようとするときには、当該クリーニングの前に検査部によるノズルの検査を自動的に実行する。
【0007】
上記のようにすれば、クリーニング前に各ノズルの目詰まりの有無を知ることができる。目詰まりが発生していないノズルについてクリーニングをすると新たに目詰まりが発生させてしまう可能性もある。しかし、上記のようにすれば、クリーニング前に各ノズルの目詰まりの有無を知ることができるため、目詰まりしているノズルの数に応じて、クリーニングをしないこととし、新たな目詰まりの発生の可能性を低減することができる。
【0008】
なお、除外される誘因である、「非動作ノズルが一定数以上検出されること」は、「非動作ノズルが1以上検出されること」であってもよい。
【0021】
なお、クリーニングを、1以上のクリーニング動作を含むクリーニングシーケンスとし、クリーニング前のノズルの検査によって検出された非動作ノズルの数に応じて異なったクリーニングシーケンスを開始することが好ましい。このような態様とすれば、非動作ノズルの数に応じて適切なクリーニングシーケンスを実施することができる。
【0022】
また、クリーニング前のノズルの検査によって検出された非動作ノズルの数が第2の閾値未満である場合は、第1のクリーニング動作と第2のクリーニング動作とを含む、複数のクリーニング動作を有する第1のクリーニングシーケンスを開始し、クリーニング前のノズルの検査によって検出された非動作ノズルの数が第2の閾値以上である場合は、第1のクリーニングシーケンスのうち、第2のクリーニング動作以降のクリーニング動作を含む第2のクリーニングシーケンスを実行することが好ましい。ここで、第1のクリーニング動作は、ノズルの目詰まりを解消させる能力が比較的低く、かつ、クリーニングシーケンスにおいて比較的前に実行されるクリーニング動作である。そして、第2のクリーニング動作は、ノズルの目詰まりを解消させる能力が比較的高く、かつ、クリーニングシーケンスにおいて比較的後に実行されるクリーニング動作である。
【0023】
このような態様とすれば、非動作ノズルの数が多い場合に、目詰まりを解消させる能力が比較的低い第1のクリーニング動作をとばして、第2のクリーニング動作を行い、効率的にクリーニングを行うことができる。
【0024】
なお、第1のクリーニングシーケンスにおいて、各クリーニング動作は、前回のクリーニング動作によってもノズルの目詰まりが解消しないときに実行されることが好ましい。このようにすれば、無駄なクリーニング動作を行うことなく、効率的にノズルの目詰まりを解消することができる。
【0027】
複数のノズルが、それぞれ1以上のノズルを含む複数のノズルセットに区分されており、クリーニング機構が、ノズルセットごとに各クリーニング動作を実行可能である場合には、ノズルセットごとに実行するクリーニングシーケンスを決定することが好ましい。このような態様とすれば、ノズルの目詰まりの状況に応じて各ノズルセットごとに適切なクリーニングを実施することができる。
【0028】
なお、本発明は、以下に示すような種々の態様で実現することが可能である。(1)印刷装置の制御方法、印刷方法。
(2)印刷制御装置、印刷装置。
(3)上記の装置や方法を実現するためのコンピュータプログラム。
(4)上記の装置や方法を実現するためのコンピュータプログラムを記録した記録媒体。
(5)上記の装置や方法を実現するためのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下では、本発明の実施の形態を次のように分けて順次説明する。
A.装置の構成:
B.ドット抜け検査部の構成と原理:
C.クリーニング機構の構成と動作:
D.ノズルのクリーニングを実行する場合と目詰まりの有無:
E.第1実施例の処理手順:
F.第2実施例の処理手順:
G.第3実施例の処理手順:
H.第4実施例の処理手順:
I.第5実施例:
J.第6実施例:
K.第7実施例:
L.その他:
【0030】
A.装置の構成:
図1は、本発明の一実施例としてのカラーインクジェットプリンタ20の主要な構成を示す概略斜視図である。このプリンタ20は、用紙スタッカ22と、図示しないステップモータで駆動される紙送りローラ24と、プラテン板26と、キャリッジ28と、ステップモータ30と、ステップモータ30によって駆動される牽引ベルト32と、キャリッジ28のためのガイドレール34とを備えている。キャリッジ28には、多数のノズルを備えた印刷ヘッド36が搭載されている。
【0031】
図1の右端におけるキャリッジ28の待機位置には第1のドット抜け検査部40と、第2のドット抜け検査部42とが設けられている。第1のドット抜け検査部40は、発光素子40aと受光素子40bとを備えており、これらの素子40a,40bを利用してインク滴の飛行状態を調べることによってドット抜けを検査する。第2のドット抜け検査部42は、その表面に設けられた振動板がインク滴で振動するか否かを調べることによってドット抜けを検査する。各ドット抜け検査部による検査の詳細な内容については後述する。
【0032】
印刷用紙Pは、用紙スタッカ22から紙送りローラ24によって巻き取られて、プラテン板26の表面上を副走査方向へ送られる。キャリッジ28は、ステップモータ30により駆動される牽引ベルト32に牽引されて、ガイドレール34に沿って主走査方向に移動する。主走査方向は、副走査方向に垂直である。
【0033】
図2は、プリンタ20を含むコンピュータシステムの全体構成を示す説明図である。このコンピュータシステムは、プリンタ20と、プリンタ20が接続されているホストコンピュータ100と、ホストコンピュータ100に接続されている液晶ディスプレイ(表示装置)110と、同じくホストコンピュータ100に接続されているキーボード(入力装置)120と、マウス(入力装置)130を備えている。
【0034】
図3は、プリンタ20の操作パネル70を示す正面図である。この操作パネル70は、図2に示されるように、プリンタ20の正面右下に設けられており、クリーニング指示を入力するクリーニング指示入力部としてのクリーニング指示ボタン72と、プリンタの状態を表示する情報提示部としての液晶窓73と、電源スイッチ74と、電源が入っているときに点灯する電源ランプ75と、給紙を行う場合、排紙を行う場合に操作する給紙/排紙スイッチ76と、用紙に異常がある場合に点灯する用紙チェックランプ79と、カートリッジ内にインクが無くなった場合に点灯するインクエンドランプ77、78を備えている。なお、インクエンドランプ77はカラーインクがなくなった場合に点灯し、インクエンドランプ78は黒色インクがなくなった場合に点灯する。
【0035】
クリーニング指示ボタン72は、ユーザが自分の意思でノズルクリーニングを行いたい場合に操作される。このクリーニング指示ボタン72が押された場合には、後述するようなクリーニング機構200によるノズルのクリーニング動作が行われる。
【0036】
ユーザが自分の意思でノズルクリーニングを行いたい場合には、上記のようなプリンタ20側のクリーニング指示ボタン72により指示をする態様以外にも、液晶ディスプレイ110の画面表示に応じて、キーボード120、マウス130により、ホストコンピュータ100上のプリンタドライバを経由してプリンタ20にクリーニングを指示する態様も選択できる。
【0037】
図4は、プリンタ20の電気的な構成を示すブロック図である。プリンタ20は、ホストコンピュータ100から供給された信号を受信する受信バッファメモリ50と、印刷データを格納するイメージバッファ52と、プリンタ20全体の動作を制御するシステムコントローラ54と、メインメモリ56と、タイマ58とを備えている。
【0038】
システムコントローラ54には、キャリッジモータ30を駆動する主走査駆動ドライバ61と、紙送りモータ31(図1において省略。)を駆動する副走査駆動ドライバ62と、2つのドット抜け検査部40,42をそれぞれ駆動する検査部ドライバ63,64と、印刷ヘッド36を駆動するヘッド駆動ドライバ66と、液晶窓73を駆動する情報提示部ドライバ68と、が接続されている。
また、システムコントローラ54には、前述したクリーニング指示ボタン72も接続されている。
【0039】
なお、操作パネル70の電源スイッチ74、電源ランプ75、給紙/排紙スイッチ76、用紙チェックランプ79、インクエンドランプ78、77などは、図4においては省略されている。
また、紙送りモータ31は、クリーニング機構200(後述する)を動作させるモータとしても使用されている。
【0040】
ホストコンピュータ100のプリンタドライバ(図示せず)は、ユーザの指定した印刷モード(高速印刷モード、高画質印刷モード等)に基づいて、印刷動作を規定する各種のパラメータ値を決定する。このプリンタドライバは、さらに、これらのパラメータ値に基づいて、その印刷モードで印刷を行うための印刷データを生成して、プリンタ20に転送する。転送された印刷データは、一旦、受信バッファメモリ50に蓄えられる。プリンタ20内では、システムコントローラ54が、受信バッファメモリ50から印刷データの中から必要な情報を読取り、これに基づいて、各ドライバに対して制御信号を送る。
【0041】
イメージバッファ52には、受信バッファメモリ50で受信された印刷データを色成分毎に分解して得られた複数の色成分の印刷データが格納される。ヘッド駆動ドライバ66は、システムコントローラ54からの制御信号に従って、イメージバッファ52から各色成分の印刷データを読出し、これに応じて印刷ヘッド36に設けられた各色のノズルアレイを駆動する。
【0042】
B.ドット抜け検査部の構成と原理:
図5は、第1のドット抜け検査部40の構成と、その検査方法(飛行滴検査法)の原理を示す説明図である。図5は、印刷ヘッド36を下面側から見た図であり、印刷ヘッド36の6色分のノズルアレイと、第1のドット抜け検査部40を構成する発光素子40aおよび受光素子40bが描かれている。
【0043】
印刷ヘッド36の下面には、ブラックインクを吐出するためのブラックインクノズル群KD と、濃シアンインクを吐出するための濃シアンインクノズル群CD と、淡シアンインクを吐出するための淡シアンインクノズル群CL と、濃マゼンタインクを吐出するための濃マゼンタインクノズル群MD と、淡マゼンタインクを吐出するための淡マゼンタインクノズル群ML と、イエローインクを吐出するためのイエローインクノズル群YD とが形成されている。
【0044】
なお、各ノズル群を示す符号における最初のアルファベットの大文字はインク色を意味しており、また、添え字の「D 」は濃度が比較的高いインクであることを、添え字の「L 」は濃度が比較的低いインクであることを、それぞれ意味している。なお、イエローインクノズル群YD の添え字「D 」は、このノズル群から吐出されるイエローインクが、濃シアンインクおよび濃マゼンタインクとほぼ等量ずつ混合されたときにグレー色となることを意味している。また、ブラックインクノズル群KD の添え字「D 」は、これらから吐出されるブラックインクがグレー色では無く、濃度100%の黒色であることを意味している。
【0045】
各ノズル群の複数のノズルは副走査方向SSに沿ってそれぞれ整列している。印刷時には、キャリッジ28(図1)とともに印刷ヘッド36が主走査方向MSに移動しつつ、各ノズルからインク滴が吐出される。
【0046】
発光素子40aは、外径が約1mm以下の光束Lを射出するレーザである。このレーザ光Lは、副走査方向SSに平行に射出され、受光素子40bで受光される。ドット抜け検査の際には、まず、図5のように、1色分(例えば濃イエローYD )のノズル群が、レーザ光Lの光路の上方に来るような位置に印刷ヘッド36を位置決めする。この状態において、ヘッド駆動ドライバ66(図4)を用いて濃イエローYD のノズルを1つずつ、かつ、所定の駆動期間ずつ順番に駆動して、各ノズルからインク滴を順次吐出させる。吐出されたインク滴は、途中でレーザ光Lの光路を遮るので、受光素子40bにおける受光が一時的に中断される。従って、あるノズルから正常にインク滴が吐出されていれば、レーザ光Lが受光素子40bで一時的に遮光されるので、そのノズルに目詰まりが無いと判断することができる。また、あるノズルの駆動期間内にレーザ光Lが全く遮光されないときには、そのノズルは目詰まりしていると判断することができる。なお、1滴のインクでは、レーザ光Lが遮断されたか否かを十分確実に検出できない可能性があるので、1つのノズルについて数滴ずつ吐出するようにすることが好ましい。
【0047】
1色分のすべてのノズルに関して目詰まりの検査がすむと、印刷ヘッド36を主走査方向に少し移動させて、次の色(図5の例では淡マゼンタML )のノズルの検査を実行する。
【0048】
この飛行滴検査法では、飛行中のインク滴を検出することによって各ノズルの目詰まりの有無(すなわちドット抜けの有無)を検査するので、比較的短時間で検査が終了するという利点がある。
【0049】
図6は、第1のドット抜け検査部40の他の構成を示す説明図である。図6では、レーザ光Lの進行方向が副走査方向SSからやや傾いた方向になるように、発光素子40aと受光素子40bの向きが調整されている。このレーザ光Lの進行方向は、1つのノズルから吐出されたインク滴をレーザ光Lで検出しようとするときに、このレーザ光Lが、他のノズルから吐出されるインク滴によって遮光されることがないように設定されている。換言すれば、レーザ光Lの光路が、複数のノズルからのインク滴の行路と干渉することが無いように設定されている。
【0050】
このように、レーザ光Lを副走査方向SSから傾いた斜めの方向に向けて射出するようにすれば、印刷ヘッド36をゆっくりと主走査方向に移動させつつ、各ノズルを1つずつ順番に駆動してインク滴を吐出させることによって、各ノズルの目詰まりを検査することが可能である。このようにすると、仮にいくつかのノズルから吐出されるインク滴が規定の位置や方向から多少それたときにも、そのノズルの目詰まりを検査することが可能であるという利点もある。
【0051】
図7は、第2のドット抜け検査部42の構成と、その検査方法(振動板検査法)の原理を示す説明図である。図7は、印刷ヘッド36の1つのノズルnの近傍の断面図であり、第2のドット抜け検査部42を構成する振動板42aとマイクロフォン42bも描かれている。
【0052】
各ノズルnに設けられたピエゾ素子PEは、ノズルnまでインクを導くインク通路80に接する位置に設置されている。ピエゾ素子Pに電圧を印加するとピエゾ素子PEが伸張し、インク通路80の一側壁を変形させる。この結果、インク通路80の体積がピエゾ素子PEの伸張に応じて収縮し、インク滴Ipがノズルnの先端から高速に吐出される。
【0053】
ノズルnから吐出されたインク滴Ipが振動板42aに到達すると、振動板42aが振動する。マイクロフォン42bは、この振動板42aの振動を電気信号に変換する。従って、マイクロフォン42bからの出力信号(振動音信号)を検出すれば、インク滴Ipが振動板42aに到達したか否か(すなわちノズルの目詰まりの有無)を知ることができる。
【0054】
なお、このような振動板42aとマイクロフォン42bのセットは、1色分の複数のノズルの個数分と同じ数だけ副走査方向に沿って配列しておくことが好ましい。こうすれば、1色分のすべてのノズルについて、目詰まりの有無を同時に検査することが可能である。但し、隣接するノズルからインク滴Ipを同時に吐出すると、隣接する振動板42a同士が干渉してしまい、誤検出する可能性がある。このような誤検出を防止するためには、同時に検査の対象となるノズルを数個おきに設定することが好ましい。
【0055】
なお、図1には2つのドット抜け検査部40,42が示されているが、1つのプリンタには1つのドット抜け検査部が設けられていればよい。
【0056】
C.クリーニング機構の構成と動作:
図8は、クリーニング機構200の構成を示す概念図である。クリーニング機構200は、ヘッドキャップ210と、ホース220と、ポンプローラ230とを備えている。このクリーニング機構200は、図1の第1の検査部40の近傍の所定のクリーニング位置(インク吸引位置)に設けられているが、図1では図示を省略している。
【0057】
ヘッドキャップ210の箱体212の上面には、ゴム枠214が設けられている。クリーニング時に印刷ヘッド36が主走査方向の所定のクリーニング位置に移動すると、ヘッドキャップ210が上昇して印刷ヘッド36の下面にゴム枠214が密着する。この結果、印刷ヘッド36の下面とヘッドキャップ210とによって閉空間が形成される。
【0058】
ポンプローラ230は、その周縁部の近傍に2つの小ローラ232,234を有している。これらの2つの小ローラ232,234の周囲には、ホース220が巻回されている。紙送りモータ31(図4)に駆動されてポンプローラ230が矢印A方向に回転すると、小ローラ232,234によってホース220内の空気が押され、これによってヘッドキャップ210内の閉空間が排気される。この結果、印刷ヘッド36の各ノズルからインクが吸引され、ホース220を介して図示しない廃インク排出部に排出される。また、ノズル先端に存在するインクが排出されると、インクカートリッジ側から新しいインクがノズルに供給される。
【0059】
このように各ノズルからインクを吸引することによってノズルのクリーニングを行うと、クリーニング機構の構造やシーケンスを工夫して十分に対策がとられてはいるが、このクリーニングが原因となってノズルが目詰まりを起こすことがある。これは、以下のような種々の現象に起因するものと考えられる。第1の現象は、インクの吸引を行った後に、ヘッドキャップ210を印刷ヘッド36から分離する際に気圧変化が生じ、この結果、ヘッドキャップ210側からノズル内に気泡が入り込んでしまう現象である。第2の現象は、クリーニング前に印刷ヘッド36のインク通路80(図7)内に存在していた気泡が、インクの吸引によってノズル先端付近に移動してしまう現象である。このような現象が起こると、クリーニング前には目詰まりしていなかったノズルが、クリーニングによって目詰まりを起こす場合がある。
【0060】
D.ノズルのクリーニングを実行しようとする場合と目詰まりの有無:
ノズルのクリーニングは、以下に示すような種々の場合に実行される。
(1)ユーザの操作によるマニュアルクリーニング。
(2)プリンタの長期間不使用後の自動クリーニング(タイマークリーニング)。
(3)インクカートリッジ交換後の初期インク充填時の自動クリーニング。
(4)プリンタの電源投入時のクリーニング。
【0061】
上記(2)のタイマークリーニングは、インクの吐出が一定期間以上行われなかったときに、プリンタが自動的に実行するクリーニングである。また、上記(3)のクリーニングは、プリンタのインクカートリッジが交換された際に、インクをカートリッジから各ノズルに導くために行われるクリーニングである。
【0062】
ここで、一般にこれらのノズルのクリーニングは、上述した現象が発生すると、かえってノズルが目詰まりを起こすことがある。したがって、不要なクリーニングは行わないことが好ましい。一方、上記(3)の「インクカートリッジ交換後の初期インク充填時の自動クリーニング」は、インクカートリッジ交換後には吸引によってカートリッジからインク通路80(図7)を経由してノズルまでインクを誘導する必要があるため、インクカートリッジ交換後には必ず行う必要がある。
【0063】
そこで、本実施例においては、上記(3)のクリーニング(吸引)を除く(1)、(2)および(4)のクリーニングの前に、ノズルの目詰まり検査をプリンタが自動的に実行して、各ノズルの動作状態を確認するようにしている。
【0064】
なお、ノズルのクリーニング方法としては、ノズルからのインクの吸引を行わない方法も考えられる。しかし、ノズルからのインクの吸引を行わないクリーニング方法では、クリーニングによってノズルの目詰まりが発生する可能性は低いと考えられる。従って、特にノズルからのインクの吸引を含むクリーニングについて、クリーニングに先立ってノズルの検査をし、非動作ノズルの数に応じてクリーニングを行わないようにすれば、ドット抜けによる画質劣化を低減する効果が大きい。
【0065】
本明細書において、狭義の「クリーニング」とは、ノズルからインクを外部に吸引する動作を意味する。また、広義の「クリーニング」とは、ノズルからのインクの吸引を行わない方法も含む種々のクリーニングを意味している。本発明は、広義のクリーニングが行われる場合に適用可能であるが、上述したように、狭義のクリーニングが行われる場合に最も効果が大きい。
【0066】
なお、本明細書では、クリーニングが開始される誘因となる事象を「クリーニング誘因事象」と呼ぶ。上記(1)〜(3)の場合は、ユーザの操作と、プリンタの長時間不使用(インクの長時間不吐出)と、インクカートリッジの交換と、がそれぞれクリーニング誘因事象に相当する。
【0067】
これらのクリーニング誘因事象は、必ずしもノズルに目詰まりを起こしていることを意味していない。例えば、上記(1)のクリーニングは、ユーザが確実にノズルの目詰まり防止するために念のために行う場合がある。本発明は、このように、必ずしもノズルに目詰まりを起こしているとは限らないときに発生するクリーニング誘因事象に応じてクリーニング機構200がクリーニングを実行しようとするときに、そのクリーニングの前にドット抜け検査部によるノズル検査を自動的に実行するところに特徴がある。
【0068】
こうすることにより、そのクリーニングを行う前の状態でノズルの目詰まりが発生しているか否か、すなわち、クリーニングの必要があるか否かを知ることができる。また、ノズルの目詰まりが発生していない場合には、後述するように、クリーニングを実行しないという選択をすることによって、(クリーニングによって)新たにノズルの目詰まりが発生するのを防止することが可能である。
【0069】
E.第1実施例の処理手順:
図9は、第1実施例における印刷処理手順を示すフローチャートである。プリンタの電源が投入されると、プリンタ20がステップS1〜S10の各ステップを状況に応じて自動的に実行する。
【0070】
ステップS1では、所定の事象によってタイマ58(図4)による経過時間の計測が開始される。
そして、ステップS2において、印刷指示がなかった場合には、引き続いてステップS5において、タイマ58が計測した経過時間が所定のしきい値TCLを超えたか否かが判断され、超えていない場合には、ステップS2に返る。
すなわち、定常状態においてはプリンタ20は、ステップS2,S5間の流れで印刷指示を待ち続ける。ステップS2において印刷指示があった場合は、ステップS3において印刷が行われて、ステップS4においてタイマ58が計測した経過時間がクリアされ、ステップS1にもどりタイマ58による時間計測が再び開始される。
【0071】
なお、ステップS4においてタイマ58が計測した経過時間をクリアした後に、ステップS1でタイマをスタートするタイミングは、プリンタ20が印刷を終えて乾燥防止のために印刷ヘッド36にヘッドキャップ210が密着されるタイミングとすることができる。
【0072】
ステップS2,S5間の流れで印刷指示を待ち続けた結果、ステップS5において、タイマ58が計測した経過時間が所定のしきい値TCLを超えているとされた場合は、ステップS6において検査が行われる。検査の方法は、「B.ドット抜け検査部の構成と原理」において述べたとおりである。
【0073】
ステップS7において非動作ノズル(すなわち目詰まりしているノズル)がないと判断された場合には、ステップS8においてタイマ58が計測した経過時間がクリアされ、ステップS1にもどり再びタイマ58による時間計測が開始される。すなわち、特許請求の範囲にいう「第1の閾値」は、第1実施例では1であり、非動作ノズルの数が1未満である場合には、クリーニングが中止される。なお、この第1の閾値は画質に与える影響が十分に小さい数であれば、1以外の数とすることもできる。
【0074】
ステップS7において非動作ノズルがあると判断された場合には、ステップS9においてノズルのクリーニングが実行される。クリーニングの方法は、「C.クリーニング機構の構成と動作」において述べたとおりである。その後、ステップS10においてタイマ58が計測した経過時間がクリアされ、ステップS1にもどり再びタイマ58による時間計測が開始される。
【0075】
なお、ステップS6のドット抜け検査においては、特に断らない限り、第1のドット抜け検査部40を用いることとするが、この代わりに第2のドット抜け検査部42を用いることも可能である。また、クリーニングを行おうとするまでの時間のしきい値TCLは、推定されるノズルが目詰まりをおこすまでの時間などに基づいて適切に定めることができる。
【0076】
このように、本実施例では、ホストコンピュータ100からの印刷指示を待っている待機状態において時間の経過を測定しており、所定の時間が経過した場合には自動的にクリーニングを行おうとする。そして、クリーニングの前にノズルの目詰まりの検査を行い、非動作ノズルが検出された場合にはクリーニングを行う。このため、印刷(すなわちインクの吐出)が長期にわたって行われなかったときにも、ノズルが目詰まりを起こすことがない。
【0077】
また、目詰まりの検査において非動作ノズルが検出されなかった場合には、クリーニングを行わずに、タイマをクリアして待機状態に戻る。このため、非動作ノズルがない状態からノズルのクリーニングを行うことによって、新たに非動作ノズルを発生させてしまうのを防止することができる。
【0078】
したがって、本実施例によれば、印刷が長期にわたって行われなかったときにも、常にノズルの状態は良好に保たれ、印刷装置が長期間放置されている間も、ノズルはすぐに印刷を行うことができる状態に保たれる。
【0079】
なお、本実施例においては、タイマによる(クリーニングに先立つ)ノズルの検査は、ステップS3における直前の印刷か、ステップS9における直前のノズルのクリーニングか、ステップS7,S8における直前のノズルのクリーニングの中止、からTCLだけ時間が経過したことにより行われるが、他の誘引によって行うこととすることもできる。すなわち、(クリーニングに先立つ)ノズルの検査は、特定の事象から一定時間以上経過したことにより行うものとすることができる。
【0080】
F.第2実施例の処理手順:
図10は、第2実施例における印刷処理手順を示すフローチャートである。この手順は、前述した図9の手順の、ステップS8の後にステップS12を追加し、ステップS4の後にステップS11を、ステップS10の後にステップS13を、それぞれ追加したものである。
【0081】
第2実施例では、ステップS6,S7のクリーニング前のノズル検査において、非動作ノズルが検出されずクリーニングが行われなかったときに、ステップS8においてタイマをクリアするだけでなく、ステップS12において経過時間のしきい値TCLを短く変更する。このため、非動作ノズルが検出されずクリーニングが行われなかった場合には、次にクリーニングを行おうとするまで(すなわち、ステップS6でクリーニング前のノズル検査を行うまで)の時間が短縮される。
【0082】
当該印刷装置においては、ノズルの目詰まりが発生する可能性は時間の経過とともに高くなると推定される。したがって、印刷から所定時間経過後のノズルの検査の結果非動作ノズルがなく、クリーニングが中止された場合には、この後、目詰まりノズルが発生するまでの時間(期待値)は比較的短いと推定される。よって、印刷の後に、最初の検査の結果クリーニングを中止した後、さきの場合と同じ時間(TCLの初期値)がさらに経過したときについては、すでに目詰まりが発生しその後経過していると推定される時間(期待値)が、最初の検査の場合の期待値よりも長くなっている。
【0083】
しかし、本実施例においては、上記のようにクリーニング中止後は経過時間のしきい値TCLを短縮しているため、クリーニング中止後に目詰まりが発生した場合にも発生から早期に目詰まりを解消することができる。そしてその結果、時間経過による目詰まりの悪化を防止することができる。
【0084】
ここで、TCLの短縮の方法としては、下限値を定めた上で一定時間づつTCLを減らしていく方法や、同じく下限値を定めた上で、1よりも小さい一定数をTCLに掛けていく方法などがある。
【0085】
一方、ステップS12において経過時間のしきい値TCLが短縮された後、ステップS1,S2を経てステップS3において印刷が実行された場合には、ステップS11において、一方、ステップS1〜S7を経てステップS9においてクリーニングが実行された場合には、S13において、それぞれしきい値TCLが初期値に戻される。このため、いったん印刷やクリーニングが実行された後には、次にクリーニングを行おうとするまでの時間は、当初に適切に設定されたしきい値(TCLの初期値)で定められる。よって、短縮されたTCLに基づいて不必要なクリーニング前検査が頻繁に行われる、ということがなくなる。
【0086】
なお、この第2実施例では、検査の結果非動作ノズルが発見されず、クリーニングが中止された場合に、経過時間のしきい値TCLを短縮することとしているが、それだけでなく、別途インクカートリッジ交換後の経過時間を計測しておき、インクカートリッジ交換後の経過時間に応じて上記しきい値TCLを短縮することとしてもよい。インクカートリッジ交換後時間が経過すると、インクが劣化し、目詰まりが発生しやすくなると推定されるところ、上記のようにすることで、インクカートリッジ交換後時間が経過した場合にも、発生から早期に目詰まりを解消することができ、その結果、詰まりの悪化を防止することができる。
【0087】
G.第3実施例の処理手順:
図11は、第3実施例における印刷処理手順を示すフローチャートである。この手順は、前述した図9の手順のステップS6の後に、ステップS7〜S10に換えて、ステップS21〜S27を設けたものである。
【0088】
第3実施例では、クリーニング前のノズル検査(ステップS6)後のクリーニングを行うか否かの判断を、非動作ノズル数がしきい値NCL以上であるか否かによって行っている(ステップS21)。即ち、ステップS21において、非動作ノズル数がしきい値NCL以上であった場合には、(後述するように、クリーニング回数が上限MBRでないという条件の下で)ステップS24を経由してステップS25においてクリーニングが行われる。そしてクリーニングが行われた後、ステップS26においてクリーニング回数が加算され、ステップS6に戻ってノズルの検査が行われる。
【0089】
ステップS26から戻ったステップS6において、非動作ノズル数がしきい値NCL未満であった場合には、ステップS21においてクリーニング回数がクリアされ、ステップS23においてタイマがクリアされて、ステップS1に戻る。
ステップS26から戻ったステップS6において、非動作ノズル数がしきい値NCL以上であった場合には、ステップS24においてクリーニング回数がしきい値MBRであるか否かが判断される。クリーニング回数がしきい値MBRでない場合(すなわち、MBR未満である場合)は、再びステップS25においてクリーニングが行われ、ステップS26を経てステップS6に戻る。
【0090】
ステップS24においてクリーニング回数がしきい値MBRである場合(すなわち、クリーニングがMBR回繰り返された場合)は、ステップS27において不具合の表示を行い処理を終了する。この不具合の表示は、図3に示すように、プリンタ20の液晶窓73において行われるものである。すなわち、かかる場合には,クリーニングによってノズルの状態を良好に保つことができないため、プリンタ20は、その旨を液晶窓73に提示した状態でユーザによる処置を待つものである。なお、この不具合の表示は、点滅させることとして、ユーザの注意を促すことができるようにしてもよい。
【0091】
第3実施例では、クリーニングが行われた後に再びノズルの検査を行い、非動作ノズルが一定数以上ある場合には、クリーニングを繰り返すこととしている。すなわち、クリーニングの結果を確認し、常に非動作ノズルが一定数未満となるように状態を管理している。このため、印刷(すなわちインクの吐出)が一定期間以上行われなかったときにも、常にノズルの状態は良好に保たれ、印刷装置が長期間放置されている間も、ノズルはすぐに印刷を行うことができる状態に保たれる。
【0092】
また第3実施例では、クリーニングを繰り返しても非動作ノズルが一定数未満とならない場合は、クリーニングを中止し、不具合の表示をしてユーザによる処置を待つこととしている。このため、状態が改善されないにもかかわらず無駄なクリーニングを繰り返してインクを浪費する、ということがない。また、ユーザは次に印刷を行う場合には、不具合の表示を見て、適切な対応を行うことができる。
【0093】
なお、第3実施例では、クリーニングを行うか否かの判断を、非動作ノズル数が一定数未満であるか否か、すなわち、非動作ノズル数がしきい値NCL以上であるか否か、によって行うものとしたが、非動作ノズル数のしきい値NCLは、「1」としてもよい。NCLを「1」とする場合には、第1実施例(図9)の場合と同様に、非動作ノズルがあるか否かでクリーニングの実行/不実行が判定される。また、非動作ノズルが存在してもある程度までであればそれを他のノズルで肩代わりできる場合や、ある程度であれば非動作ノズルの存在を許容できる場合などには、NCL(しきい値である「一定数」)を「2」以上の値とすることができる。NCLを、例えば5個といった、比較的大きめの値としておけば、クリーニングによって容易に非動作ノズルの数をNCL以下とすることができるため、クリーニングが頻繁に行われることがなくなり、インクの節約にもなる。
【0094】
また、クリーニングによってかえってノズルの目詰まりが発生する可能性が比較的大きい場合には、非動作ノズルの数をNCL以下としようとしてクリーニングをすることにより逆に非動作ノズルの数を増加させてしまうおそれがある。そして、クリーニングを繰り返した結果、不具合表示をして処理を終了してしまうというおそれもある。しかし、クリーニングによって目詰まりが発生させる可能性が比較的大きい場合には、NCLを比較的大きめの値としておけば、上記のような事態となることはなく、システムを安定なものとすることができる。
【0095】
更に、第3実施例では、クリーニングを繰り返しても非動作ノズルが一定数未満とならない場合は、不具合の表示をして処理を中止することとしたが、不具合の表示をしながらその後も一定時間経過ごとに検査を行うこととし、非動作ノズル数が増えた場合にクリーニングを行うようにすることもできる。このような態様とすれば、その後の非動作ノズルの増加を防ぐことができる。なお、この態様においては、所定回数クリーニングを繰り返しても非動作ノズルを減らすことができない場合は、クリーニングの繰り返しを中止して、更にそこからの非動作ノズルの増加を監視するものである。
【0096】
H.第4実施例の処理手順:
図12は、第4実施例における印刷処理手順を示すフローチャートである。前述した第1〜第3実施例が、印刷装置において長期間印刷が行われない場合のノズルの自動クリーニングの際に、クリーニングに先立ってノズル検査を行うものであるのに対して、第4実施例は、ユーザが自らクリーニング指示を出した場合に、クリーニングに先立ってノズル検査を行うものである。
【0097】
なお、本実施例においては、ユーザによるクリーニング指示は、プリンタ20のクリーニング指示ボタン72(図3,4)を操作することにより行われるものとするが、それ以外にも、プリンタ20が接続されているホストコンピュータ100のキーボード(入力装置)120、マウス(入力装置)130など(図2)を操作することにより行われるものとすることもできる。
【0098】
図12において、ステップS31で、ユーザによってクリーニング指示が出されると、プリンタ20は自動的にステップS32においてノズルの検査を行う。ノズルの検査の内容は第1〜第3実施例の場合と同様である。ステップS33において非動作ノズルがあると判断された場合には、ステップS36においてユーザの指示どおりクリーニングが行われる。
【0099】
一方、ステップS33において非動作ノズルがないと判断された場合には、液晶窓73(図3,4)において、「メヅマリハ アリマセン」等その旨が表示される。そしてステップS35において、一定時間ユーザによるクリーニング指示を待ち、再びクリーニング指示ボタン72(図3,4)を通じてユーザによる指示が出された場合には、クリーニングが行われる。また、一定時間待ってもユーザによるクリーニング指示が出されなかった場合や、クリーニング指示が出されずにホストコンピュータ100から印刷指示がされた場合などには、そのままクリーニングを行わずに処理を終了する。
【0100】
第4実施例においては、ユーザがクリーニング指示を出した場合にも、クリーニングに先立ってノズルの検査を行い、非動作ノズルがない場合にはクリーニング指示の再確認を求めるものである。
このため、ユーザが表示に基づいてノズルのクリーニングをしないこととすれば、非動作ノズルがない状態からノズルのクリーニングを行うことによって、新たに非動作ノズルを発生させてしまうのを防止することができる。
【0101】
なお、本実施例では、クリーニング指示の再確認のための情報を出力する方法については、印刷装置自体が液晶窓を備えており、その液晶窓を通じてクリーニング指示の再確認のための情報を表示するものであるとしたが、液晶窓に代えて警告ランプを備えるものとしてもよい。すなわち、ユーザにクリーニング指示の再確認を要求することができる手段を、本発明の印刷装置において使用することができる。
【0102】
このように印刷装置自体が液晶窓や警告ランプを備えている態様とすれば、ユーザが印刷装置側からクリーニング指示を出した場合に、印刷装置の前にいるユーザに直接検査の結果を伝えることができる。また、ホストコンピュータの電源を入れていない状態でユーザが印刷装置側からクリーニング指示を出した場合にも、ホストコンピュータの電源を入れることなく検査の結果を表示することができる。
【0103】
また、本実施例のように、印刷装置自体が液晶窓を備えている態様とすれば、検査の結果などに応じてさまざまな情報を提示することができる。そして、液晶窓はさまざまな情報を提示できることから、他の情報を提示する出力装置と兼用することができる。
【0104】
一方、印刷装置が警告ランプを備えている態様とすれば、装置の構造を簡単なものとすることができる。また、警告ランプは、点灯/消灯の二値、または、ひとつの警告ランプが複数種類の色で点灯する場合にも、表示が数種類で単純であるため、(さまざまな情報が提示される液晶などに比べて)直接的にユーザの注意を喚起することができる。
【0105】
そして、ユーザにクリーニング指示の再確認を要求することができる手段としては、アンプ、スピーカなどで音声によって指示の再確認を要求するものとすることもできる。かかる態様とすれば、クリーニング指示後ユーザが任意の方向を向いていても、ユーザが音声の届く範囲にいる限り、指示の再確認要求を伝えることができる。
【0106】
また、クリーニング指示の再確認のための情報を出力する態様として、印刷装置が接続されているホストコンピュータに印刷装置がクリーニング指示の再確認のための情報を出力し、そのホストコンピュータに接続されている表示手段(例えば液晶ディスプレイ、CRTディスプレイなど)にホストコンピュータを経由してそのクリーニング指示の再確認のための情報を表示するものとすることもできる。
【0107】
例えば、ユーザによるクリーニング指示が、ホストコンピュータ100のキーボード120や、マウス130など(図2)を通じて行われるものである場合には、上記「非動作ノズルがない旨の表示」は、図2に示すように、ホストコンピュータ100の表示装置110において行うものとすることができる。かかる場合には、ユーザはその表示に基づいてキーボード120、マウス130などの入力装置を操作し、クリーニングの実行/不実行を選択することができる。
【0108】
このように、検査結果に応じた情報の入出力をホストコンピュータを通じて行う態様とすれば、検査結果に応じて、また手続のいろいろな局面で、よりさまざまな情報を提示することができる。また、ユーザ側からも、印刷装置に対してさまざまな指示を行うことができる。さらに、印刷装置側の表示手段を省略することもでき、印刷装置を単純かつ安価なものとすることができる。
【0109】
また、本実施例においては、クリーニング指示が出されると、すべての指示に対応して検査部がノズルの検査を行い、非動作ノズルが一定数未満の場合はクリーニング指示の再確認を要求するものとしたが、最初からユーザの意思を優先し、検査部によるノズルの検査、およびクリーニング指示の再確認の要求、をさせない強制モードのクリーニング指示を別途設けることとしてもよい。かかる強制モードによれば、ユーザはプリンタの操作に煩わされることなくクリーニングを実行することができる。
【0110】
I.第5実施例:
(1)装置の構成:
図13は、本発明の一実施例としてのカラーインクジェットプリンタ20aの主要な構成を示す概略斜視図である。このプリンタ20aは、廃インク受け46と、中継タンク82と、ノズルワイパー機構600を備えている。一方、第2のドット抜け検査部42は備えていない。また、クリーニング機構200aの構成が図8のクリーニング機構200とは異なる。他の点は上記各実施例のプリンタ20と同様である。なお、図13においては、クリーニング機構200aはヘッドキャップ210aのみ示し、他の構成は省略している。
【0111】
図14は、プリンタ20aの電気的な構成を示すブロック図である。プリンタ20aは、ノズルワイパー機構600のリンク機構602を制御するクリーニングリンクドライバ69を備えている。一方、第2のドット抜け検査部42を駆動する検査部ドライバ64は備えていない。他の点は、図4に示す構成と同様である。
【0112】
図13に示す廃インク受け46は、ドット抜け検査の際にノズルから吐出されるインク滴を受ける容器である。この廃インク受け46の底部には、インク滴のはね防止のためのフェルトが敷かれている。
【0113】
中継タンク82は、インクを収容するインクタンク(図示せず)からインクを供給され、そのインクを貯留し、印刷ヘッド36の各ノズルに供給するタンクである。中継タンク82は、チューブ82aによって印刷ヘッド36と接続されている。この中継タンク82によって、印刷ヘッド36が主走査方向に運動することによって生じる各ノズル内のインクの圧力の変化が軽減され、安定した品質で印刷を行うことが可能となる。
【0114】
図15は、クリーニング機構200aの構成を示す概念図である。クリーニング機構200aは、ヘッドキャップ210aと、ホース220a,220b,220cと、ポンプローラ230a,230b,230cとを備えている。なお、図15においては、ホース220aと220cは途中までしか示されておらず、ポンプローラ230aと230cは、図示を省略されている。ヘッドキャップ210aは、図15に示すように、その内部空間が三つの吸引室Va,Vb,Vcに分かれている。そして、ヘッドキャップ210aが上昇し、印刷ヘッド36の下面に密着すると、吸引室Vaはノズル列KDとCD (図5参照)を覆う閉空間を形成し、吸引室Vbはノズル列CLとMD を覆う閉空間を形成し、吸引室Vcはノズル列MLとYD を覆う閉空間を形成する。
【0115】
また、ヘッドキャップ210aの吸引室Va,Vb,Vcには、それぞれホース220a,220b,220cが接続されている。ポンプローラ230aとホース220a、ポンプローラ230bとホース220b、およびポンプローラ230cとホース220cの構成および作用は、図8に示したポンプローラ230とホース220の構成および作用と同じである。これらの構成により、ノズル列KDとCD からなるノズルセットと、ノズル列CLとMDからなるノズルセットと、ノズル列MLとYDからなるノズルセットとは、三者がそれぞれ独立にインクを吸引される。また、ホース220a,220b,220cの前後には、ピンチ241,242が設けられている。ピンチ241,242は、図15に双方向矢印で示すように開閉可能に設けられている。そして、ピンチ241,242は、ホース220a,220b,220cを前後から挟むことで、ポンプローラ230a,230b,230cによる吸引力がヘッドキャップ210aの吸引室Va,Vb,Vcに及ばないようにすることができる。
【0116】
図13の右端におけるクリーニング機構200aと第1の検査部40との間の位置には、ノズルワイパー機構600が設けられている。ノズルワイパー機構600は、ワイパーブレード603とワイパー保持部604とを備えたワイパーヘッド部601と、ワイパーヘッド部601を副走査方向に動かすリンク機構602(図示せず)とを備えている。ワイパーヘッド部601は、定常状態においては、ガイドレール34の真下から紙送り方向下流の位置に待避しており、印刷ヘッドのワイピングを行う場合にはガイドレール34の真下に送り出される。このワイパーヘッド部601の待避及び進出は、いずれもリンク機構602によって行われる。
【0117】
ワイパーヘッド部601は、ワイパーブレード603と、ワイパーブレード603を支えるワイパー保持部604と、を備える。ワイパーブレード603は、フェルト層とゴム層とが張り合わされた板状の弾性体である。ワイパーヘッド部601は、図13に示すように、ワイパーブレード603の長手方向が副走査方向に平行となるように配されている。また、このワイパーヘッド部601は、ワイパーブレード603のフェルト層の側がプラテン板26側に向くような姿勢で配されている。このワイパーヘッド部601が、リンク機構602によってガイドレール34の真下に送り出され、ワイパーヘッド部601上方に印刷ヘッド36が位置した場合には、ワイパーブレード603の先端が印刷ヘッド36下面に設けられたノズルユニットに触れることとなる。
【0118】
図16は、ノズル群CLとMDとをワイパーブレード603で拭う際の印刷ヘッド36の動作を示す説明図である。ホストコンピュータ100からヘッドクリーニングの指示が出されると、システムコントローラ54は、主走査駆動ドライバ61に指示を出してステップモータ30を動かし、ノズルワイパー機構600上の所定の位置にキャリッジ28を配する。その時点では、ワイパーヘッド部601は待避位置にある(図13参照)。その後、システムコントローラ54は、クリーニングリンクドライバ69およびリンク機構602を介してワイパーヘッド部601を待避位置からガイドレール34の真下に送り出す。その結果、各ノズルユニットとワイパーブレード603の関係は図16(a)のようになる。
【0119】
そして、システムコントローラ54は、主走査駆動ドライバ61に指示を出してステップモータ30を動かし、図16(b),(c)に示すように、ノズル群CLとMDとがワイパーブレード603を挟んで主走査方向に往復動するように、印刷ヘッド36を動かす。その際、ワイパーブレード603が左右のノズル群KD、CDおよびMLとYDにかからないように、所定の振幅で往復動させる。印刷ヘッド36がワイパーヘッド部601上を通過する際には、ワイパーブレード603の先端が印刷ヘッド36のノズル群CLとMDに接するため、ノズル群CLとMDは、ノズルの開口部をワイパーブレード603によって拭われ、ゴミなどを除去されることとなる。これらの動作が終わった後、システムコントローラ54は、印刷ヘッド36を停止させ、その後、ワイパーヘッド部601をガイドレール34の真下から待避位置に待避させる(図13参照)。
【0120】
なお、ここでは、ノズル群CLとMDとをワイピングする場合を例にとって説明したが、ノズルワイパー機構600は、印刷ヘッド36上の任意のノズル群を選択的に拭うことができる。すなわち、ワイパーブレード603に対して主走査方向のいずれか一方の側に対象ノズル群が位置するように印刷ヘッド36を配し、ワイパーブレード603を挟んで反対側の所定の位置との間で、印刷ヘッド36を往復動させればよい。その際、ワイパーブレード603が対象ノズル群以外のノズル群に接しないように、印刷ヘッド36の振幅を定めることが望ましい。
【0121】
(2)クリーニングシーケンス:
図17は、第5実施例における印刷処理手順を示すフローチャートである。第5実施例の印刷処理手順は、図9に示す第1実施例におけるステップS9のクリーニングに代えてステップS100のクリーニングシーケンスの選択と実行を行う。すなわち、第5実施例の印刷処理手順においては、ステップS100で複数のクリーニング動作を含むクリーニングシーケンスが実行される。他の点は図9に示す印刷処理手順と同様である。
【0122】
図18は、第5実施例の印刷処理手順におけるクリーニングのシーケンスを示すフローチャートである。図17のステップS7において非動作ノズルが検出されると、システムコントローラは、図18のステップS101でクリーニング対象を特定する。すなわち、非動作ノズルが検出されたノズル群をクリーニング対象とする。なお、第5実施例では、この判定の際には、前述のノズルセットの単位でクリーニング対象とするか否か、すなわち、クリーニングを中止するか否かを判断する。なお、ノズルセットは、ノズル群KDとCDからなる第1のノズルセット 、ノズル群CLとMD からなる第2のノズルセット、ノズル群MLとYD からなる第3のノズルセットである。これらのノズルセットは、クリーニング機構200aとノズルワイパー機構600が、個別に各クリーニング動作を実行できる単位のノズルの集合である。第5実施例では、クリーニング機構200aが、ノズル列KDとCD 、ノズル列CLとMD 、ノズル列MLとYD の単位でインクの吸引を行うため、ノズルセットを上記のように定めている。しかし、インクの吸引、ノズルのワイピングなどの個々のクリーニング動作を、ノズル列単位などのより小さい数のノズルの単位で独立に行うことができる場合には、それらの単位でノズルセットを定めることができる。
【0123】
ステップS101でクリーニング対象となるノズルセットを特定した後、システムコントローラ54は、ステップS102で、非動作ノズルの数がN1より少ないか否かを判定する。このN1が、特許請求の範囲にいう「第2の閾値」に相当する。第5実施例では各ノズルセットに含まれるノズルの数は同一である。このため、ステップS102で、非動作ノズルの数がN1より少ないか否かを判定することは、実質的には、各ノズルセットについて非動作ノズルの割合が所定の閾値未満であるか否かを判定していることとなる。各ノズルセットに含まれるノズルの数が異なる場合には、判定の際の閾値を「各ノズルセットの全体のノズルに対する非動作ノズルの割合」で定めることとしてもよい。そのような場合には、各ノズルセットごとに、「その閾値(割合)に全ノズル数をかけた値」と「実際の非動作ノズル数」とを比較して、判定を行うこととなる。
【0124】
非動作ノズルの数がN1未満である場合には、システムコントローラ54は、ステップS103で第1のクリーニングシーケンスを実行する。一方、非動作ノズルの数がN1以上である場合には、ステップS104で第2のクリーニングシーケンスを実行する。
【0125】
図19は、第1のクリーニングシーケンスを示すフローチャートである。ステップS103の第1のクリーニングシーケンス(図18参照)では、まず、ステップS201でクリーニング機構200aによるインクの吸引を行う。なお、ここで駆動されるポンプローラは、図18のステップS101で対象とされたノズルセットに対応するポンプローラのみである。以降、ポンプローラを駆動するステップS203,S205およびS207において同様である。このステップS201におけるインクの吸引が、特許請求の範囲にいう「第1のクリーニング動作」に相当する。その後、ステップS202で、第1のドット抜け検査部40を使用して非動作ノズルが存在するか否かの判定を行う。非動作ノズルが存在しない場合、すなわち、ノズルの目詰まりが解消された場合は、図17のステップS10に移行してタイマをクリアする。非動作ノズルが存在する場合には、ステップS203に移行する。
【0126】
ステップS203では、システムコントローラ54は、ピンチ241,242(図15参照)を閉じた状態で所定の時間だけポンプローラ230a,230b,230cを駆動する。この段階では、吸引力はヘッドキャップ210aの吸引室Va,Vb,Vcに伝わっていない。その後、ピンチ241,242を解放して、ポンプローラ230a,230b,230cによる吸引力を吸引室Va,Vb,Vcに伝える。ピンチ241,242の解放によってヘッドキャップ210aの吸引室Va,Vb,Vcに吸引力が急激に伝わるので、このステップS203におけるインクの吸引(ピンチングクリーニング)は、ステップS201におけるインクの吸引に比べて、ノズルの目詰まりを解消させる能力が高い。このステップS203におけるインクの吸引(ピンチングクリーニング)が、特許請求の範囲にいう「第2のクリーニング動作」に相当する。
【0127】
その後、図19に示すステップS204では、ステップS202と同様に非動作ノズルの有無を判断し、非動作ノズルが存在しない場合、すなわち目詰まりが解消した場合は、図17のステップS10に移行してタイマをクリアする。非動作ノズルが存在する場合には、ステップS205に移行する。ステップS205では、ピンチングクリーニングとノズルのワイピングを行う。ステップS205のピンチングクリーニングの内容は、ステップS203におけるピンチングクリーニングの内容と同様である。ノズルのワイピングは、ノズルワイパー機構600を使用してノズルのワイピングを行うものである。なお、ステップS205では、図18のステップS101で対象とされたノズルセットのノズル群についてのみ、選択的にワイピングを行う。ステップS205のクリーニング動作では、ピンチ241,242による急激なインクの吸引に加えてワイピングをも行っているので、ステップS203におけるインクの吸引に比べて、ノズルの目詰まりを解消させる能力が高い。その後、ステップS206では、ステップS202,S204と同様に非動作ノズルの有無を判断し、非動作ノズルが存在しない場合、すなわちノズルの目詰まりが解消した場合は、図17のステップS10に移行してタイマをクリアする。非動作ノズルが存在する場合には、ステップS207に移行する。
【0128】
ステップS207では、クリーニング機構200aを使用してノズルからのインクの吸引を行う。その際、ステップS201よりも長時間、インクの吸引を行って、中継タンク82(図13参照)内の各インクをすべて吸引し、入れ替える。ステップS207では長時間の吸引を行うため、ステップS207におけるクリーニング動作は、ステップS201,S203におけるインクの吸引や、ステップS205におけるワイピングに比べて、ノズルの目詰まりを解消させる能力が高い。
【0129】
その後、ステップS208では、ステップS202,S204、S206と同様に非動作ノズルの有無を判断し、非動作ノズルが存在しない場合、すなわちノズルの目詰まりが解消した場合は、図17のステップS10に移行してタイマをクリアする。非動作ノズルが存在する場合には、ステップS209に移行する。ステップS209では、液晶窓73(図3参照)で不具合の表示を行い、処理を終了する。
【0130】
図20は、第2のクリーニングシーケンス(図18参照)を示すフローチャートである。第2のクリーニングシーケンスは、第1のクリーニングシーケンスのステップS201,S202の手続き(図19参照)を含まない。そして、最初からステップS203のクリーニング動作を行うものである。第2のクリーニングシーケンスのステップS203以降の各手続きの内容は、第1のクリーニングシーケンスのステップS203以降の各手続きと同様である。よって、図18のステップS102において非動作ノズル数がN1以上であると判定された場合は、ステップS201,S202の手続き(図19参照)をとばしてステップS203,S205などのクリーニングシーケンスの各手続きが行われることとなる。
【0131】
(3)第5実施例の効果:
第5実施例では、各ノズルセットごとにクリーニング動作を実行可能であり、ステップS101で対象となるノズルセットを選択している。そして、非動作ノズルが存在しないノズルセットについては、クリーニングを行わない。このため、ノズルの吸引によってインクが無駄に消費されることがない。
【0132】
また、第5実施例では、ノズルのクリーニングは、複数のクリーニング動作を含むシーケンスで実現されている。そして、各クリーニング動作の合間にはノズルの検査を行い、非動作ノズルがなくなった時点でクリーニングを終了することとしている。よって、不要なクリーニングを行って時間を消費し、インクを消費してしまうことがない。
【0133】
さらに、ノズルの目詰まりが解消する可能性が高いクリーニング動作をより後で行うこととしているため、シーケンスがすすむにつれて目詰まりが解消する可能性が高くなる。さらに、S207などのよりインクを多量に消費するクリーニング動作をシーケンスの後に配置しているため、最初から不必要に強力なクリーニングを行って、無駄にインクを消費することがない。
【0134】
検査の結果、目詰まりしているノズルが多数であった場合は、ステップS201のようなインク吸引のみでは全てのノズルの目詰まりが解消する可能性が低い。第5実施例では、非動作ノズルの数が一定数以上である場合は、第2のクリーニングシーケンスにおいて、ステップS201のクリーニング動作を行わずに、ステップS203以降のよりノズルの目詰まりを解消させる能力が高いクリーニング動作を実施する。よって、全ての目詰まりが解消する可能性が低いクリーニングを行ってインクを消費することがない。なお、第5実施例では、第2のクリーニングシーケンスは、第1のクリーニングシーケンスの一つ目のクリーニング動作(ステップS201)を省略したものであった。しかし、省略するクリーニング動作は一つに限られるわけではなく、複数のクリーニング動作をとばして、ステップS205、S207などのより後のクリーニング動作からシーケンスを実施することとしてもよい。
【0135】
J.第6実施例:
(1)クリーニングシーケンス:
図21は、第6実施例の印刷処理手順におけるクリーニングのシーケンスを示すフローチャートである。第6実施例では、図17に示す第5実施例の手続きのうち、ステップS100のクリーニングシーケンスの内容が第5実施例とは異なる。他の点は第5実施例の手続きと同様である。第6実施例では、ステップS101でクリーニング対象となるノズルセットを特定した後、システムコントローラ54が、ステップS300で、非動作ノズルの中にブラックノズルがあるか否かを判定する。ブラックノズルが存在する場合には、ステップS104を実行する。ブラックノズルが存在しない場合には、ステップS102で非動作ノズルの数がN1より少ないか否かを判定する。以降のステップS102〜S104の手続きは第5実施例と同様である。
【0136】
(2)第6実施例の効果:
ブラックインクは、他の色のインクに比べてノズルの目詰まりが解消しにくい。よって、第1のクリーニングシーケンスのステップS201のようなインク吸引(図19参照)のみでは目詰まりが解消する可能性が低い。第6実施例では、非動作ノズルの中にブラックノズルが存在する場合には、第2のクリーニングシーケンスを行うこととしている。すなわち、ステップS201のクリーニング動作を行わずに、ステップS203以降のクリーニング動作を実施する(図20参照)。よって、目詰まりが解消する可能性が低いクリーニングを行ってインクを消費することがない。なお、ノズル群KDが特許請求の範囲にいう「第2のノズル群」に相当し、他のノズル群が特許請求の範囲にいう「第1のノズル群」に相当する。
【0137】
また、第6実施例では、非動作ノズルが第2のノズル群のノズルを含む場合には、第2のクリーニングシーケンスを実行することとして、第1のクリーニングシーケンスの一つ目のクリーニング動作(ステップS201)をとばして二つ目のクリーニング動作であるステップS203のクリーニング動作からクリーニングシーケンスを行うこととした。しかし、省略するクリーニング動作は一つに限られるわけではなく、複数のクリーニング動作をとばして、ステップS205、S207などのより後のクリーニング動作から実施することとしてもよい。
【0138】
(3)第6実施例の変形例:
図22は、ノズルセットごとにクリーニングシーケンスを定める態様におけるメインメモリ内のデータを示すブロック図である。第5実施例および第6実施例では、クリーニングを実行するか否かのみノズルセットごとに判断したが、クリーニングシーケンスの内容についてもノズルセットごとに決定することとしてもよい。そのような場合には、ステップS101において各ノズルセットごとに実施するクリーニング動作を定め、図22に示すように、各ステップにおいてクリーニング動作の対象となるノズルセットをメインメモリ56内に記憶する。そして、システムコントローラ54は、各ステップにおいて図22のデータを参照しながら各クリーニング動作を行う。
【0139】
図22においては、各ノズルセットは、×がついているクリーニング動作は実施されず、シーケンス中で最初に○がついているクリーニング動作から実施される。たとえば、第1のノズルセットについては、図19におけるステップS203からクリーニング動作が実施される。また、第2のノズルセットについては、図19におけるステップS201からクリーニング動作が実施される。そして、第3のノズルセットについては、ステップS203からクリーニング動作が実施される。なお、各クリーニング動作の合間に実施される非動作ノズルの有無の判定(図19におけるステップS202,S204,S206)において、非動作ノズルがなくなったことが判明した場合には、それ以降のクリーニング動作は(図22において○がついているものであっても)実施されない。このような態様とすれば、各クリーニングセットの状況に応じて適切なクリーニングシーケンスを実施することができる。
【0140】
また、ノズルの目詰まりが解消したか否かの判定(図19におけるステップS202,S204,S206)も、各クリーニングセット単位で行うことが好ましい。そのような態様とすれば、非動作ノズルが存在しないノズルセットに対して不要なクリーニング動作を行うことがない。
【0141】
K.第7実施例:
(1)クリーニングシーケンス:
図23は、第7実施例の印刷処理手順におけるクリーニングのシーケンスを示すフローチャートである。第7実施例では、電源スイッチ74(図3参照)が操作され、プリンタ20bに電源が投入されたときにドット抜け検査およびノズルのクリーニングを行う。ドット抜け検査、非動作ノズルの判定、クリーニングについては、第1実施例における各手続きと同様である。
【0142】
図24は、第7実施例のプリンタ20bの電気的な構成を示すブロック図である。第7実施例のプリンタ20bは、タイマ58(図4参照)を備えていない。一方で、システムコントローラ54は、電源回路59から電源投入の信号を受け取ることができる。なお、電源回路59は第7実施例のプリンタ20bにのみ備えられるものではなく、他の実施例のプリンタにも備えられている。ただし、図4および図14においては図示を省略している。
【0143】
図23に示すように、第7実施例では、ステップS401でプリンタ20bの電源が投入されると、システムコントローラ54が、ステップS402でドット抜け検査を行う。ドット抜け検査の手続きは、第1実施例のステップS6と同様である。ここで、「電源が投入される」とは、印刷装置の主電源が投入される場合である。この電源の投入は、ユーザによるスイッチの操作によって行われてもよいし、コンピュータから制御信号を受け取って行われてもよい。
【0144】
そしてステップS403で非動作ノズルの有無を判断する。非動作ノズルがないと判断された場合は、手続きを終了する。非動作ノズルがあると判断された場合には、ステップS404でノズルのクリーニングを行う。クリーニングの手続きは、第1実施例のステップS9と同様である。その後、手続きを終了する。プリンタ20bは、図23に示す手続きを終了すると、待機状態となり、印刷指示を待つ。
【0145】
(2)第7実施例の効果:
第7実施例のプリンタ20bでは、電源投入時に、ノズルの検査を伴うクリーニングを行っている。印刷装置の電源は印刷を行う際に投入されるので、第7実施例のプリンタ20bにおいては、印刷に先立ってノズルの検査を伴うクリーニングが行われることとなる。このため、印刷においてドット抜けが生じる可能性を少ない。そして、比較的目詰まりを起こしにくいインクを使用しているプリンタや、頻繁に使用され、長期間不使用とはならないプリンタにおいては、このように電源投入時にノズルの検査を伴うクリーニングを行うことで、十分にノズルの目詰まりを防止することができる。さらに、第7実施例のような態様においては、タイマ回路を設けないことで、装置を簡略化、低価格化および小型化することができる。
【0146】
なお、第7実施例ではプリンタの電源が投入されたときに、検査およびクリーニングを行うこととしたが、印刷装置の制御回路の全部または一部のみ電源が入っている、いわゆる待機状態から、印刷可能な状態に移行した場合に、ノズルの検査およびクリーニングを行うこととしてもよい。また、第7実施例のプリンタ20bは、図24のように、タイマを備えないこととしたが、タイマを備えることとして、第1から第6実施例に示したようなタイマークリーニングも並行して行うこととしてもよい。また、第5実施例のように、ノズルセットの単位でクリーニングの判定及びクリーニングを行うこととしてもよい。
【0147】
L.その他:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0148】
(1)上記実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。
【0149】
(2)本発明は、一般にインク滴を吐出するタイプの印刷装置に適用可能であり、カラーインクジェットプリンタ以外の種々の印刷装置に適用可能である。例えば、インクジェット方式のファクシミリ装置やコピー装置にも適用可能である。
【0150】
(3)印刷媒体には、ドット抜けが目立ち易いものと、目立ち難いものとがある。例えば、インクジェット印刷専用の印刷用紙はドット抜けが目立ち易く、普通のコピー用紙はドット抜けが目立ち難い。そこで、「主としてドット抜けが目立ち易い印刷媒体を使用するモード」と、「主としてドット抜けが目立ち難い印刷媒体を使用するモード」とを設けておき、「主としてドット抜けが目立ち難い印刷媒体を使用するモード」においては、待機状態において、所定数のノズルが目詰まりするまでクリーニングを行わないようにしてもよい。こうすれば、クリーニングにより新たに非動作ノズルを発生させる可能性を低くすることできる。
【0151】
(4)印刷される画像の種類にも、ドット抜けが目立ち易いものと、目立ち難いものとがある。例えば、写真画像はドット抜けが目立ち易いが、文字のみを含むテキスト画像や、グラフなどの図形と文字とで構成されたグラフィック画像などはドット抜けが目立ち難い。なお、テキスト画像やグラフィック画像などのように、写真画像を含まない印刷画像を、本明細書では「非写真画像」と呼ぶ。
【0152】
そこで、「写真画像を印刷するモード」と「非写真画像を印刷するモード」とを設けておき、「非写真画像を印刷するモード」においては、待機状態において、所定数のノズルが目詰まりするまでクリーニングを行わないようにしてもよい。こうすれば、クリーニングにより新たに非動作ノズルを発生させる可能性を低くすることできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としてのカラーインクジェットプリンタ20の主要な構成を示す概略斜視図。
【図2】プリンタ20を含むコンピュータシステムの全体構成を示す説明図。
【図3】プリンタ20の操作パネルを示す正面図。
【図4】プリンタ20の電気的な構成を示すブロック図。
【図5】第1のドット抜け検査部40の構成と、その検査方法(飛行滴検査法)の原理とを示す説明図。
【図6】第1のドット抜け検査部40の他の構成を示す説明図。
【図7】第2のドット抜け検査部42の構成と、その検査方法(振動板検査法)の原理とを示す説明図。
【図8】クリーニング機構200の構成を示す概念図。
【図9】第1実施例の処理手順を示すフローチャート。
【図10】第2実施例の処理手順を示すフローチャート。
【図11】第3実施例の処理手順を示すフローチャート。
【図12】第4実施例の処理手順を示すフローチャート。
【図13】カラーインクジェットプリンタ20aの主要な構成を示す概略斜視図。
【図14】プリンタ20aの電気的な構成を示すブロック図。
【図15】クリーニング機構200aの構成を示す概念図。
【図16】ノズル群CLとMDとをワイパーブレード603で拭う際の印刷ヘッド36の動作を示す説明図。
【図17】第5実施例における印刷処理手順を示すフローチャート。
【図18】第5実施例の印刷処理手順におけるクリーニングのシーケンスを示すフローチャート。
【図19】第1のクリーニングシーケンスを示すフローチャート。
【図20】第2のクリーニングシーケンスを示すフローチャート。
【図21】第6実施例の印刷処理手順におけるクリーニングのシーケンスを示すフローチャート。
【図22】ノズルセットごとにクリーニングシーケンスを定める態様におけるメインメモリ内のデータを示すブロック図。
【図23】第7実施例の印刷処理手順におけるクリーニングのシーケンスを示すフローチャート。
【図24】第7実施例のプリンタ20bの電気的な構成を示すブロック図。
【符号の説明】
20…カラーインクジェットプリンタ
20a…カラーインクジェットプリンタ
22…用紙スタッカ
24…紙送りローラ
26…プラテン板
28…キャリッジ
30…キャリッジモータ
31…紙送りモータ
32…牽引ベルト
34…ガイドレール
36…印刷ヘッド
40…第1のドット抜け検査部
40a…発光素子
40b…受光素子
42…第2のドット抜け検査部
42a…振動板
42b…マイクロフォン
50…受信バッファメモリ
52…イメージバッファ
54…システムコントローラ
56…メインメモリ
57…タイマ
58…クリーニング指示入力部
61…主走査駆動ドライバ
62…副走査駆動ドライバ
63〜65…検査部ドライバ
66…ヘッド駆動ドライバ
68…情報提示部ドライバ
69…クリーニングリンクドライバ
70…操作パネル
72…クリーニング指示ボタン(クリーニング指示入力部)
73…液晶窓(情報表示部)
74…電源スイッチ
75…電源ランプ
76…給紙/排紙スイッチ
77…カラーインクエンドランプ
78…黒インクエンドランプ
79…用紙チェックランプ
80…インク通路
82…中継タンク
82a…チューブ
100…ホストコンピュータ
110…表示装置
120…キーボード(入力装置)
130…マウス(入力装置)
200…クリーニング機構
210…ヘッドキャップ
210a…ヘッドキャップ
212…箱体
212a…箱体
214…ゴム枠
214a…ゴム枠
220…ホース
220a〜c…ホース
230…ポンプローラ
230b…ポンプローラ
232,234…小ローラ
232b,234b…小ローラ
241,242…ピンチ
600…ノズルワイパー機構
601…ワイパーヘッド部
602…リンク機構
603…ワイパーブレード
604…ワイパー保持部

Claims (9)

  1. インク滴を吐出するための複数のノズルを有する印刷ヘッドと、前記複数のノズルのクリーニングを行うクリーニング機構と、前記複数のノズルのそれぞれがインク滴を吐出できるか否かを検査するための検査部と、を備えた印刷装置の制御方法であって、
    インク滴を吐出できない非動作ノズルが前記検査部によって一定数以上検出されること以外の所定の誘因に応じて前記クリーニング機構がクリーニングを実行しようとするときには、当該クリーニングの前に前記検査部によるノズルの検査を自動的に実行する方法であり、
    前記クリーニングは、1以上のクリーニング動作を含むクリーニングシーケンスであり、
    前記方法は、
    (a)前記クリーニング前のノズルの検査によって検出された非動作ノズルの数が所定の閾値未満である場合に、
    前記ノズルの目詰まりを解消させる能力が比較的低く、かつ、前記クリーニングシーケンスにおいて比較的前に実行される第1のクリーニング動作と、
    前記ノズルの目詰まりを解消させる能力が比較的高く、かつ、前記クリーニングシーケンスにおいて比較的後に実行される第2のクリーニング動作と、
    を含む、複数のクリーニング動作を有する第1のクリーニングシーケンスを開始する工程と、
    (b)前記クリーニング前のノズルの検査によって検出された非動作ノズルの数が前記所定の閾値以上である場合に、
    前記第1のクリーニングシーケンスのうち、前記第2のクリーニング動作以降のクリーニング動作を含む第2のクリーニングシーケンスを実行する工程と、
    を含む印刷装置の制御方法。
  2. 請求項1記載の印刷装置の制御方法であって、
    前記第1のクリーニングシーケンスにおいて、前記各クリーニング動作は、前回のクリーニング動作によっても前記ノズルの目詰まりが解消しないときに実行される、印刷装置の制御方法。
  3. 請求項1記載の印刷装置の制御方法であって、
    前記複数のノズルは、それぞれ1以上のノズルを含む複数のノズルセットに区分されており、
    前記クリーニング機構は、前記ノズルセットごとに前記各クリーニング動作を実行可能であり、
    前記印刷装置の制御方法は、
    前記ノズルセットごとに実行する前記クリーニングシーケンスを決定する工程を含む、印刷装置の制御方法。
  4. 複数のノズルからインク滴を吐出することによって印刷を行う印刷装置であって、
    前記複数のノズルを有する印刷ヘッドと、
    前記複数のノズルのクリーニングを行うクリーニング機構と、
    前記複数のノズルからのインク滴の吐出の有無を検査することによって、各ノズルが、インク滴を吐出できる動作ノズルとインク滴を吐出できない非動作ノズルとのうちのいずれであるかを決定する検査部と、
    前記印刷ヘッドと前記記録媒体の少なくとも一方を駆動して主走査を行う主走査駆動部と、
    前記主走査の最中に前記ノズル列を駆動してドットの記録を行わせるヘッド駆動部と、
    前記主走査が終わる度に前記印刷ヘッドと前記記録媒体の少なくとも一方を駆動して副走査を行う副走査駆動部と、
    前記各部を制御するための制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    非動作ノズルが前記検査部によって一定数以上検出されること、以外の所定の誘因に応じて前記クリーニング機構によるクリーニングを実行しようとするときには、当該クリーニングの前に前記検査部によるノズルの検査を自動的に実行させ、
    前記クリーニングは、1以上のクリーニング動作を含むクリーニングシーケンスであり、
    前記制御部は、
    前記クリーニング前のノズルの検査によって検出された非動作ノズルの数が所定の閾値未満である場合は、
    前記ノズルの目詰まりを解消させる能力が比較的低く、かつ、前記クリーニングシーケンスにおいて比較的前に実行される第1のクリーニング動作と、前記ノズルの目詰まりを解消させる能力が比較的高く、かつ、前記クリーニングシーケンスにおいて比較的後に実行される第2のクリーニング動作と、を含む、複数のクリーニング動作を有する第1のクリーニングシーケンスを開始し、
    前記クリーニング前のノズルの検査によって検出された非動作ノズルの数が前記所定の閾値以上である場合は、
    前記第1のクリーニングシーケンスのうち、前記第2のクリーニング動作以降のクリーニング動作を含む第2のクリーニングシーケンスを実行する、印刷装置。
  5. 請求項4記載の印刷装置であって、
    前記制御部は、
    前記第1のクリーニングシーケンスにおいて、前記各クリーニング動作を、前回のクリーニング動作によっても前記ノズルの目詰まりが解消しないときに実行する、印刷装置。
  6. 請求項4記載の印刷装置であって、
    前記複数のノズルは、それぞれ1以上のノズルを含む複数のノズルセットに区分されており、
    前記クリーニング機構は、前記ノズルセットごとに前記各クリーニング動作を実行可能であり、
    前記制御部は、前記ノズルセットごとに実行する前記クリーニングシーケンスを決定する、印刷装置。
  7. インク滴を吐出するための複数のノズルを有する印刷ヘッドと、前記複数のノズルのクリーニングを行うクリーニング機構と、前記複数のノズルのそれぞれがインク滴を吐出できるか否かを検査するための検査部と、を有する印刷装置を備えたコンピュータに、印刷を実行させるためのコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
    インク滴を吐出できない非動作ノズルが前記検査部によって一定数以上検出されること、以外の所定の誘因に応じて前記クリーニング機構がクリーニングを実行しようとするときには、当該クリーニングの前に前記検査部によるノズルの検査を自動的に実行する機能をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、
    前記クリーニングは、1以上のクリーニング動作を含むクリーニングシーケンスであり、
    前記コンピュータプログラムは、
    前記クリーニング前のノズルの検査によって検出された非動作ノズルの数が所定の閾値未満である場合に、
    前記ノズルの目詰まりを解消させる能力が比較的低く、かつ、前記クリーニングシーケンスにおいて比較的前に実行される第1のクリーニング動作と、前記ノズルの目詰まりを解消させる能力が比較的高く、かつ、前記クリーニングシーケンスにおいて比較的後に実行される第2のクリーニング動作と、を含む、複数のクリーニング動作を有する第1のクリーニングシーケンスを開始する機能と、
    前記クリーニング前のノズルの検査によって検出された非動作ノズルの数が前記所定の閾値以上である場合に、
    前記第1のクリーニングシーケンスのうち、前記第2のクリーニング動作以降のクリーニング動作を含む第2のクリーニングシーケンスを実行する機能と、
    をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラムである、記録媒体。
  8. 請求項7記載の記録媒体であって、
    前記第1のクリーニングシーケンスにおいて、前記各クリーニング動作は、前回のクリーニング動作によっても前記ノズルの目詰まりが解消しないときに実行される、記録媒体。
  9. 請求項7記載の記録媒体であって、
    前記複数のノズルは、それぞれ1以上のノズルを含む複数のノズルセットに区分されており、
    前記クリーニング機構は、前記ノズルセットごとに前記各クリーニング動作を実行可能であり、
    前記コンピュータプログラムは、前記ノズルセットごとに実行する前記クリーニングシーケンスを決定する機能をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラムである、記録媒体。
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