JP3987222B2 - 基板熱処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウエハ、液晶表示装置用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、光ディスク用基板等の基板(以下「基板」という)に対して熱処理を施す基板熱処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
枚葉式の基板熱処理装置として、複数のランプからの光照射によって基板を加熱処理する装置(ランプアニール装置)が知られている。これら複数のランプは複数のゾーンに区分されており、ゾーンごとに各ランプに対する加熱指令値を与えるようになっている。また、このような装置は基板上に膜を形成するために多く使用されるが、その際には膜厚の均一性を確保することが重要である。従来装置においては、基板に熱処理を施して得られた膜の厚さを膜厚測定器で測定し、その膜厚測定結果に応じてランプへの加熱指令値を調節して以後の基板の熱処理を改善するという手順が採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来装置は、後追い的に加熱指令値を是正するものであるため、基板の温度分布をリアルタイムで調整することができない。このため、加熱指令値を最終的に決定するまでに多くの作業を必要とするだけでなく、熱処理の内容が変更になるごとに上記の手順を繰り返して加熱指令値を再設定しなければならないという問題も生じさせる。
【0004】
また、このような従来装置では各ゾーンの加熱指令値を互いに独立に定めており、そのためにゾーン間の相互干渉が考慮されておらず、基板の温度分布をより精細に調節することが困難であるという問題が存在する。
【0005】
そして、このような問題は膜形成処理だけでなく、基板の加熱処理一般において生じる問題である。
【0006】
そこで、本発明は前記問題点に鑑み、基板の温度分布をより精細にかつリアルタイムで調節することにより、基板における加熱処理の均一性を十分に確保することができる基板熱処理装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の基板処理装置は、基板の熱処理を行う装置であって、複数のゾーンに区分されて配設された複数のランプによって基板を加熱する加熱手段と、前記複数のゾーンのそれぞれに対応する基板上の複数の代表測定点における温度を測定する複数の温度測定手段と、前記複数のランプのうちの少なくとも一部のランプについての加熱指令値を生成する加熱指令値生成手段と、を備え、前記複数のゾーンは、主ゾーンと従ゾーンとを有し、前記複数の温度測定手段は、前記主ゾーンに対応する基板上の代表測定点における温度を測定する主測定手段と、前記従ゾーンに対応する基板上の代表測定点における温度を測定する従測定手段とを有し、前記加熱指令値生成手段は、前記主ゾーンの基準出力指令値を前記主測定手段の測定結果に基づいて算出し、前記主測定手段による測定結果と前記従測定手段による測定結果との偏差を求め、当該偏差に対して前記主ゾーンに対応する代表測定点と前記従ゾーンに属する各ランプとの位置関係に応じて決定される係数を乗じた値を修正値として求め、前記主ゾーンの基準出力指令値と前記修正値とを合成することによって、前記従ゾーンに含まれる各ランプの前記加熱指令値を決定する、ことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の装置は、請求項1の装置において、前記主ゾーンに対応する代表測定点と前記従ゾーンに属する各ランプとの位置関係に応じて決定される係数が、前記主ゾーンに対応する代表測定点と前記従ゾーンに対応する代表測定点との間の温度分布を補間することによって決定された値であることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の装置は、請求項2の装置において、前記加熱指令値生成手段は、前記主ゾーンに属する各ランプと前記従ゾーンに属する各ランプとについて算出されたそれぞれの加熱指令値の総和と、前記主ゾーンに属する各ランプへの加熱指令値に前記複数のランプのランプ総数を乗じた積に相当する値との比に応じて、前記主ゾーンに属する各ランプと前記従ゾーンに属する各ランプとについてそれぞれ算出された加熱指令値を修正する手段、を有することを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の装置は、基板の熱処理を行う装置であって、複数のゾーンに区分されて配設された複数のランプによって基板を加熱する加熱手段と、前記複数のゾーンのそれぞれに対応する基板上の複数の代表測定点における温度を測定する複数の温度測定手段と、前記複数のランプのうちの少なくとも一部のランプについての加熱指令値を生成する加熱指令値生成手段と、を備え、前記加熱指令値生成手段は、前記複数のゾーンのそれぞれにおける各ランプの基準出力指令値を前記複数のゾーンのそれぞれに対応する前記温度測定手段の測定結果に基づいて算出する手段と、互いに隣接する第1と第2のゾーンのそれぞれの基準出力指令値の偏差に対して、前記第2のゾーンに対応する代表測定点と前記第1のゾーン内の各ランプとの位置関係に応じて決定される各係数を乗じた値を修正値として求め、前記第1のゾーンの基準出力指令値と前記修正値とを合成することによって、前記第1のゾーンに含まれる各ランプの加熱指令値を決定する手段と、を有することを特徴とする。
請求項5に記載の装置は、請求項4の装置において、前記第2のゾーンに対応する代表測定点と前記第1のゾーン内の各ランプとの位置関係に応じて決定される各係数が、前記第1のゾーンに対応する代表測定点と前記第2のゾーンに対応する代表測定点との間の温度分布を補間することによって決定された値であることを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の装置は、基板に熱処理を行う装置であって、複数のゾーンに区分されて配設された複数のランプによって基板を加熱する加熱手段と、前記複数のゾーンのそれぞれに対応する基板上の複数の代表測定点における温度を測定する複数の温度測定手段と、前記複数のランプのうちの少なくとも一部のランプについての加熱指令値を生成する加熱指令値生成手段と、を備え、前記複数のランプには、重複してM個のゾーン(Mは2以上の整数)に属するように区分された特定ランプが含まれており、前記加熱指令値生成手段は、前記複M個のゾーンのそれぞれにおける各ランプの基準出力指令値を前記M個のゾーンのそれぞれに対応する前記温度測定手段の測定結果に基づいて算出する手段と、前記M個のゾーンのそれぞれに対応する代表測定点と前記特定ランプとの位置関係に応じて決定される重み付け係数を用いて、前記M個のゾーンのそれぞれにおける前記基準出力指令値を加重合成し、それによって前記特定ランプの加熱指令値を決定する手段と、を有することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
<A.第1実施形態>
<A1.装置>
図1は、本実施形態に係る基板熱処理装置1の概要構成を示す縦断面図である。この基板熱処理装置1は、半導体ウエハなどの基板Wに対するランプアニール装置であり、基板の温度を高速に昇降させるRTP(Rapid Thermal Processing)に用いられ得る。基板熱処理装置1は、基板Wを収容するチャンバ10と、基板Wを支持する基板支持部20と、基板Wを加熱する基板加熱部30と、基板Wの温度を測定する温度測定部40と、基板加熱部30に対する加熱指令値を生成して出力する加熱指令値生成部50とを備えている。
【0015】
チャンバ10には、水路12および水路14が設けられている。水路12、14に冷却水を流すことによって、基板加熱部30の加熱によるチャンバ10の温度上昇を抑制している。
【0016】
基板支持部20は、基板Wを支持する支持リング22と、支持リング22を支える支持柱24とを有する。支持柱24は、その下部にモータ、ギア機構、マグネットなどを有する回転駆動機構26を有しており、軸AX1を中心に回転することができる。基板支持部20によって支持される基板Wは、以下に説明する熱処理中において、軸AX1を中心に回転する。また、基板Wの大きさに応じた支持リング22を設けることによって、複数の大きさの基板を支持することができる。
【0017】
基板加熱部30は、光を出射する複数のランプ32を備えており、この実施形態ではこれら複数のランプ32のそれぞれは直線型のランプである。複数のランプ32は、複数のゾーンに区分されて基板に対向する位置にほぼ等間隔に配置されており、それらからの光の照射によって基板Wが加熱される。図1においては、21個のランプ32が配置されており、7つのゾーンZ1〜Z7にそれぞれ3つのランプが属する場合が示されている。なお、各ゾーンの数および各ゾーンに属するランプの数は任意に設定することが可能である。
【0018】
また、温度測定部40は複数の温度計42を備えており、これらの複数の温度計42は基板の下方において固定されて、基板Wの所定位置(後述する代表測定点)における温度を測定する。これらの複数の温度計42としては、放射温度計などが用いられ得る。これらの複数の温度計42は、後述する図2などにおいては4個の温度計421〜424として表現されている。
【0019】
図2(a)、(b)は、基板熱処理装置1において基板支持部20に支持される基板Wの下方部分の状態を2つの例について表す図である。図2(a)の例では、複数の温度計421〜424のそれぞれは、互いに異なる半径を有する同心円上の位置における基板温度を測定できるように直線状に配置されている。また、図2(b)の例では、複数の温度計421〜424のそれぞれは、互いに異なる半径を有する同心円上の位置における基板温度を測定できるように2次元的に分散して配置されている。これら2つの例はいずれも採用可能である。
【0020】
図3は、各ゾーンZ1〜Z7とそれらに対応する温度計421〜424の温度測定位置とを模式的に示す図である。この図3においては、各ゾーンZ1〜Z7に含まれている3つのランプ32をそれぞれ丸で表現している。この実施形態における複数の温度計421〜424は図2(b)に示すような位置に配置されているが、図3の模式図においては、対応する温度計が各ゾーンの下方において直線的に配置されるように、すなわち図2(a)に対応するように図示されている。これは、基板Wの回転によって、基板Wの温度分布は回転軸AX1を中心に回転対称(点対称)になると考えられることに基づく。すなわち、基板Wの温度は回転中心からの距離(つまり半径)のみによって一義的に決定されるものと仮定して、回転方向の角度を無視してその固有の半径に対応する位置に直線上に配置されるように表現したものである。
【0021】
温度計421〜424によるそれぞれの温度測定位置はこの発明における「代表測定点」に相当する。すなわち、厳密にはそれぞれのゾーンの中でもある程度の温度分布があるが、それは実質的に無視できるものとして各ゾーンの中の所定位置の温度をそのゾーンの代表温度として測定するため、これらの温度計421〜424によって温度測定される各ゾーンZ1〜Z7内の所定箇所を「代表測定点」と呼ぶ。
【0022】
中央のゾーンZ1の下方には、温度計421が配置されている。温度計421は、ゾーンZ1のランプ32が最も影響を及ぼす位置の基板温度を測定することができる。同様に、温度計422は、ゾーンZ2のランプ32により特に大きく影響を受ける位置の基板温度を測定する。温度計423および424についても同様である。
【0023】
また、中央のゾーンZ1に関してゾーンZ2〜Z4と対称的な位置にあるゾーンZ5〜Z7の各ランプ32の加熱指令値の決定にあたっては、上記の温度分布の回転対称性に基づいて、温度計422〜424の温度測定結果を用いることができる。
【0024】
なお、上記の温度測定部40における基板Wの温度測定を経時的に行うことにより、単位時間あたりの温度変化、すなわち、温度変化率をも算出することが可能である。
【0025】
図4は、ランプの配列の他の例を表す図である。この図4の例では直線型のランプの平行配列を、上下に互いに直交するように配置している。なお、図1は、図4における上下の配列の一方のみが存在する場合に相当する。上述したように、基板Wは基板支持部20(図1)の回転に伴って回転するため、基板Wの温度分布は回転軸AX1を中心としてほぼ点対称な分布になる。したがって、これらのゾーンに含まれるランプ32の加熱指令値の決定にあたっても、この回転対称性を利用して、対応する位置に設けられている別の温度計の温度測定結果を用いることができる。以下では図1〜図3のように1方向にランプ32を配列した状況での加熱制御について説明するが、この図4のように2方向に配列した場合への拡張については変形例として後に説明する。
【0026】
後述する図5の加熱指令値生成部50は、温度測定部40による温度測定結果に基づいて基板加熱部30(図1)の複数のランプ32に対する加熱指令値を生成して、それらの加熱指令値を複数のランプ32にそれぞれ出力する。これによって、基板温度や基板温度変化率などの被制御量を目標値に追従させるように最適な制御を行う。また、加熱指令値生成部50は、基板温度の面内分布を均一にするため、各ランプに固有の加熱指令値をリアルタイムに変更して制御する。
【0027】
以下では、上記の基板熱処理装置1において行われる制御について説明する。
【0028】
<A2.制御概要>
図5はこの装置1の制御部100の概略構成を示すブロック図である。制御部100は、既述した温度測定部40と加熱指令値生成部50と温度特性記憶部60と目標値生成部70とを有している。
【0029】
目標値生成部70は、基板温度および基板温度変化率の各時刻における目標値を表す曲線、つまり、目標温度曲線(図6)および目標温度変化率曲線(図7)を実際の制御を行う前に生成する。ただし図6では、横軸が時間tを表し、縦軸が目標温度Tを表しており、目標温度の経時変化を表すグラフとなっている。また、図7は、図6の目標温度を達成するための目標温度変化率Vの経時変化を表している。
【0030】
そして、加熱指令値生成部50は、これらの被制御量を目標値に追従させるように、基板加熱部30の各ランプ32に対する加熱指令値を生成して、それらの加熱指令値を各ランプ32に出力する。この際、加熱指令値生成部50は、温度測定部40においてリアルタイムに測定される基板温度などの被制御量の実測値、および温度特性記憶部60において記憶されている特性モデル(すなわち、ランプ32のそれぞれへの加熱用の電力供給量の大きさが基板温度や基板温度変化率に及ぼす影響をモデル化した曲線)を考慮して、加熱指令値を求める。
【0031】
また、加熱指令値生成部50は、基板温度の面内分布を均一にするため、各ランプ32に固有の加熱指令値をリアルタイムに変更して制御する。そのため、各ゾーンにZ1〜Z7に属する各ランプ32の加熱指令値は、まずゾーン毎に基準出力指令値が決定された後、その基準出力指令値に修正が加えられて決定される。
【0032】
本実施形態においては、基板の温度分布を調整する基本的な概念として、マスタースレーブ方式を採用する。マスタースレーブ方式の制御則は、マスター(主)制御則とスレーブ(従)制御則とを有する。
【0033】
図8は、本方式(マスタースレーブ方式)による温度分布制御系の模式的な機能ブロック図を表す。図8は、説明のため図を簡単化している。図8においてはゾーンは3つのみしか示されていないが、図1におけるゾーンの一部が示されていると考えることができる。たとえば、互いに隣接ないしは連続するゾーンZa、Zb、Zcは、それぞれ図1のゾーンZ1、Z2、Z5に対応し、温度計42a、42bは、それぞれ温度計421、422に対応する。あるいは、ゾーンZb、Zcは、それぞれ、Z3、Z6と対応するものと考えることもできる。
【0034】
このマスタースレーブ方式の制御則によれば、次のようにして各ランプに対する加熱指令値を求めることができる。ここでは3つのゾーンZa、Zb、Zcの関係について例示するが、他のゾーンについても同様である。
【0035】
(a)まず、「マスターゾーン」に対応する代表測定点Paにおける温度が温度計42aによって測定され、その温度測定結果に基づいて、「マスターゾーン」に含まれる各ランプの基準出力指令値が加熱指令値生成部50によってマスター制御則を用いて決定される。すなわち、温度計42aによる代表測定点Paでの温度測定結果を利用するフィードバック制御系の補償器C(後述の図8)によって、ゾーンZaに属する各ランプa1〜a3の基準出力指令値YCを求める。このゾーンZaのように、そのゾーンに属する各ランプの基準出力指令値がマスター制御則によって決定されるようにあらかじめ選択されたゾーンが「マスター(主)ゾーン」である。マスターゾーンZaに属する各ランプa1〜a3への加熱指令値は、この基準出力指令値YCに応じた値になる。
【0036】
(b)そして、「スレーブゾーン」に対応する代表測定点Pbにおける温度が温度計42bによって測定され、その温度測定結果と、温度計42aによる代表測定点Paにおける温度測定結果とを用いて、「スレーブゾーン」に含まれる各ランプb1〜b3の加熱指令値が加熱指令値生成部50によってスレーブ制御則を用いて決定される。
【0037】
すなわち、まず、マスターゾーンZaに対応する代表測定点Paにおける温度計42aでの温度測定結果と、スレーブゾーン(たとえばZb)に対応する代表測定点Pbにおける温度計42bによる温度測定結果との偏差Eを求める。
【0038】
つぎに、マスターゾーンZaについての基準出力指令値YCに対して、上記偏差Eを所定の係数k1〜k3で加算合成することにより、スレーブゾーンZbに含まれる各ランプb1〜b3の加熱指令値を決定する。このように、図8に示される複数(9つ)のランプのうち少なくともスレーブゾーンZbに含まれる各ランプb1〜b3の加熱指令値は、各ランプb1〜b3が属するゾーンZbに対応する代表測定点Pbおよび隣接するマスターゾーンZaに対応する代表測定点Paの2つの代表測定点での温度測定結果を考慮した所定の加熱制御規則に基づいて生成される。また、この加算合成に使用される係数k1〜k3は各ランプb1〜b3に固有の値であり、スレーブゾーンZbに属する各ランプb1〜b3と、マスターゾーンZaに対応する代表測定点Paとの相対的位置関係に応じて決定される。これらの係数k1〜k3は、基板Wにおける空間的な温度分布傾向を反映させる値となっている。このゾーンZbのように、マスター制御則に対して相対的に加熱指令値を求めるゾーンが「スレーブゾーン」であり、図8の例ではゾーンZb、Zcがこれに相当する。
【0039】
図1の全体配置で言えば、たとえば基板Wの中心に対向するゾーンZ1をマスターゾーンとし、他のゾーンZ2〜Z7をスレーブゾーンとすることができるが、マスターゾーンを複数設定し、それらの周辺のゾーンをそれら各マスターゾーンに従属するスレーブゾーンとしてもよい。
【0040】
以上が、本実施形態における制御の概要である。これらについて、以下で詳述する。
【0041】
<A3.マスターゾーンの基準出力指令値の決定>
まず、マスター制御則によってマスターゾーンZaに含まれるランプa1〜a3の基準出力指令値を求める。この基準出力指令値は、様々な方法で求めることができるが、以下では一例を示す。
【0042】
マスターゾーンZaに属するランプa1〜a3の出力は、それぞれに対応する基板W上の特定位置の温度特性に特に大きな影響を与える。これらの温度特性は、温度測定部42によって測定される。この測定結果に基づいて、フィードバック制御系を構成することによって、リアルタイムで基板Wの温度の制御を行うことができる。
【0043】
加熱指令値がマスターゾーンZaの各ランプa1〜a3に出力されることによって、被制御量である基板温度などがそれぞれ目標値に追従するような制御が行われる。加熱指令値生成部50は、第1の制御規則および第2の制御規則の両制御則を含むマスター制御則を用いて、マスターゾーンZaのランプa1〜a3の加熱指令値を求める。図9は、マスターゾーンZaの制御ブロック図を表す。
【0044】
<第1制御規則>
まず、第1の制御規則の概略について説明する。第1の制御規則は、フィードフォワード(以下、「FF」とも略記する)制御則ないしはオープンループ制御則に相当する。図9においては、FF補償器C1として示される部分に相当する。フィードフォワード補償を行うため、ランプの加熱指令値に対する基板Wの温度特性に関するモデルを構築する。具体的には、ランプ32の加熱指令値に対する基板温度および基板温度変化率の特性を試料基板に関して事前に測定しておく。つまり、種々の加熱指令値を複数のランプ32に出力したときの、基板温度および基板温度変化率の値をデータとして収集しておく。そして、これらのデータを温度特性記憶部60に保存しておき、データベースとして利用するのである。なお、これらのデータ収集は、実際の処理条件にできるだけ近い状態で行われることが好ましい。
【0045】
図10は、基板温度に関する特性モデルを表し、ランプa1〜a3の加熱指令値と基板Wの温度との関係を表す図である。横軸は、ランプa1〜a3の加熱指令値を表しており、縦軸は、所定時間経過後の基板Wの到達温度を表している。また、図11は、基板昇温速度に関する特性モデルを表し、ランプa1〜a3の加熱指令値と基板Wの温度変化率(昇温速度)との関係を表す図である。横軸はランプの加熱指令値を表しており、縦軸は所定温度からの昇温速度を表している。これらの図は、所定の物理量に関する特性を「モデル」として表現したものであると考えることができる。なお、横軸のランプa1〜a3の加熱指令値は、正規化された値になっている。
【0046】
これらの図で示される温度特性を利用して、所望の目標値になるようにランプa1〜a3の加熱指令値を決定する。図10および図11に表される特性モデルは、加熱指令値を変数として、その変数に対応する所定の物理量(温度など)を関数値とすることにより求められたが、今度は、所定の物理量を変数とするその逆関数を求めることに相当する。つまり、特性モデルに基づいて、所定の物理量に対応する加熱指令値を決定する。そして、この加熱指令値を第1加熱指令値YAとする。モデル化誤差および外乱が存在しない場合には、この第1加熱指令値YAのみによって所望の目標温度および目標温度変化率が達成され得る。
【0047】
たとえば、目標温度T1(図10参照)を1000℃とする場合について考える。図10より、温度維持段階における基板の目標温度を1000(℃)に到達させるためには、0.36という値が導かれる。この値は、規格化された値であり、たとえば、規格値1が50(kw)に相当する場合には、規格値0.36には加熱指令値18(kw)が対応する。したがって、この場合、FF制御則による第1加熱出力値YAとして18(kw)が出力される。
【0048】
<第2制御規則>
つぎに、第2の制御規則の概略について説明する。第2の制御規則は、フィードバック(以下、「FB」とも略記する)制御則ないしはクローズドループ制御則に相当する。図9においては、FB補償器C2として示される部分に相当する。フィードバック補償を行うことによって、基板温度などの被制御量について目標値と実測値とが合致していない場合にあっても、被制御量を目標値に追従させることができる。ここでは、所定の物理量の目標値に対応する加熱指令値と実測値に対応する加熱指令値との偏差を第2加熱指令値YBとする。このように、フィードバック補償による加熱指令値は、上記の特性モデルを利用して決定される。
【0049】
たとえば、実測値が900(℃)である場合には、図10から規格値0.3が導かれ、加熱指令値は15(kw)となる。この場合、目標温度に対応する加熱指令値の18(kw)と実測温度に対応する加熱指令値の15(kw)との偏差YB0である3(kw)が第2加熱指令値YBとなる。
【0050】
ここで、加熱指令値の決定は、通常のPID調節器を有するフィードバック制御系のように目標値と実測値との誤差にPID動作の各係数パラメータを掛けて出力を決定するのではないことに注意すべきである。PIDパラメータを決定する必要がないため、それらのパラメータ決定のための複雑な調整は不要になる。なお、図9においては、FF補償器C1およびFB補償器C2が点線で特性モデル62と接続されている。これは、これらの補償器C1、C2における加熱指令値の決定は、特性モデル62を利用して行われることを示している。
【0051】
また、第2加熱指令値YBの決定にあたっては、後述するように、ファジィ推論を用いた修正などによって、さらに修正された値を第2加熱指令値YBとすることもできる。
【0052】
そして、以下の数1のようにこの第2加熱指令値YBと第1加熱指令値YAとを加算合成したものを加熱指令値YCとし、この加熱指令値に基づいて制御することによって、基板温度を目標温度に追従させる。
【0053】
【数1】
YC=YA+YB
上記のように、第1の制御規則(FF制御則)と、第2の制御規則(FB制御則)との両方を用いて制御系を構成して、マスターゾーンZaの基準出力指令値YCを求める。
【0054】
<A4.スレーブゾーンの各ランプの加熱指令値の決定>
つぎに、図8および図12を参照しながら、スレーブゾーンZbに含まれる各ランプb1〜b3の加熱指令値を決定する。なお、既述したようにスレーブゾーンはゾーンZbだけではなく、他のスレーブゾーンについても同様の制御となる。
【0055】
図12は、スレーブゾーンZbに含まれる各ランプb1〜b3の加熱指令値の求め方を表す概念図である。図12(a)は、各ゾーンZa〜Zcと温度計42a、42b、42cとの位置関係を示し、図12(b)は、代表測定点Pa、Pbにおける温度測定結果Ta、Tbと目標温度との関係を示し、図12(c)は、各ランプa1〜a3,b1〜b3、c1〜c3に対する加熱出力値を表している。
【0056】
具体的には、まず、温度計42aによる基板温度の測定結果Taと、温度計42bによる基板温度の測定結果Tbとの偏差E(=Ta−Tb)を求める。
【0057】
そして、スレーブゾーンZbに含まれる各ランプb1〜b3の加熱指令値を、上記偏差Eに基づいて決定する。この決定は、係数k1〜k3を利用して行われる。既述したように、この係数k1〜k3はスレーブゾーンZbに属する各ランプb1〜b3に固有の値であり、これらの各ランプb1〜b3と、マスターゾーンZaに対応する代表測定点Paとの相対的位置関係に応じて決定される。
【0058】
まず、図8に示すように、偏差Eに係数k1〜k3をそれぞれ個別に乗じた値を修正値として求める。この修正値をマスターゾーンZaの基準出力指令値YCとそれぞれ加算合成することによって、スレーブゾーンZbに含まれる各ランプb1〜b3の加熱指令値が求められる。図12に示すように、ランプb1に対しては、(YC+k1×E)が加熱指令値として算出される。同様にして、ランプb2に対しては(YC+k2×E)が、ランプb3に対しては(YC+k3×E)がそれぞれ加熱指令値として算出される。
【0059】
ここで、係数k1〜k3は、図12(a)の破線で示される仮想的な温度分布を反映させる値であって、温度計42aによる代表測定点Paと温度計42bによる代表測定点Pbとの間の2点間の温度分布を補間するような値として決定することができる。たとえば、2点間の温度変化を図12(a)の破線で示すような曲線状の分布として補間することもできるし、直線状に分布するものとして補間することもできる。
【0060】
このような補間によって温度分布を推定し、マスターゾーンZaに対応する代表測定点Paの位置からのランプb1〜b3の相対的位置関係に応じて、基板WにおけるマスターゾーンZaとスレーブゾーンZbとの温度分布を均一にするような、スレーブゾーンZbの各ランプb1〜b3の加熱指令値を求めることができる。他のスレーブゾーンについても同様である。
【0061】
たとえば、スレーブゾーンZbの各ランプb1〜b3のそれぞれの位置では、マスターゾーンZaに対応する代表測定点Paから遠いほど、マスターゾーンZaに対応する代表測定点Paでの温度測定結果からの偏差が大きくなると仮定することができ、この場合、係数k1〜k3の値の大きさとして、k1>k2>k3の大小関係を満たす値を設定しておくことができる。これらの係数k1〜k3を、実際の温度偏差Eに依存させることもできるが、空間的な温度分布についての一般的な傾向のみに依存させることもできる。制御の簡易性や高速性を重視するならば後者の方式を採用することが好ましく、その場合にはこれらの係数k1〜k3は各スレーブゾーンZb内の各ランプb1〜b3とマスターゾーンZaに対応する代表測定点Paとの相対的位置関係のみに依存する値として、その値を固定値とすることができる。このときには、これらの係数k1〜k3の値は、実際の制御動作に先立って決定しておき、加熱指令値生成部50内のメモリに記憶させておく。
【0062】
このように、温度変化傾向を反映する係数k1〜k3を用いて、スレーブゾーンZb内の各ランプb1〜b3の加熱指令値を求めることができる。
【0063】
<A5.印加電力の補償>
ところで、上記方法は、基準となるマスターゾーンZaに含まれる各ランプa1〜a3の基準出力指令値YCを基準値とし、その基準値YCに対してスレーブゾーンZbに含まれる各ランプb1〜b3の加熱指令値を変更するものである。この場合、スレーブゾーンZbに含まれるランプb1〜b3の加熱によっても、マスターゾーンZaに対応する基板W上の代表測定点Paの温度が影響を受けることがある。たとえば、上記の方法によって算出された加熱指令値について、マスターゾーンZaのランプa1〜a3の加熱指令値よりもスレーブゾーンZbのランプb1〜b3の加熱指令値の方が大きい場合には、マスターゾーンZaに対応する基板W上の代表測定点Paにおいて、目標値以上に温度が高くなることがある。これは、スレーブゾーンZbのランプb1〜b3によってもマスターゾーンZaの下方の基板上の各点が加熱されており、その加熱による温度上昇が温度定点Paにおける温度測定結果として現れることに基づく。
【0064】
そこで、次のような方法によって各ランプの加熱指令値を補償することが好ましい。ここでは、上記方法によって得られる全ランプの加熱指令値の総和(すなわち、マスターゾーンZaに属する各ランプとスレーブゾーンに属する各ランプとについてそれぞれ算出された加熱指令値の総和)と、マスターゾーンZaの基準出力指令値YCを全ランプに共通に与えた仮想的な場合の出力指令値の総和(それぞれのランプへの加熱指令値にランプ総数を乗じた積に相当する値)とを比較し、その両者の比に応じて、マスターゾーンZaに属する各ランプとスレーブゾーンに属する各ランプとについてそれぞれ算出された加熱指令値を修正することにより、各加熱指令値を補償する方法について説明する。たとえば、スレーブゾーンの加熱指令値がマスターゾーンの加熱指令値よりも大きい場合には、複数のランプの合計出力を全体的に抑制することによって、代表測定点Paにおける基板の温度上昇を防止するものである。
【0065】
そのため、まず、上記方法によって求められるすべてのランプLiの加熱指令値Yi(i=1,2,…,N)の総和Yを、以下の数2によって求める。ここでNはランプの総数であり、この総和Yは、マスターゾーンおよびスレーブゾーンのいずれに属しているかを問わず、全てのランプについての総和であって、ランプLPiはi番目のランプを表している。図1の場合にはN=3×7=21であり、21個のランプ32がランプLPi(i=1,2,…,21)に相当する。なお、すべてのランプLi(i=1,2,…,N)を以下ではランプ{Li}と標記する。
【0066】
【数2】
Y=ΣYi
なお、数2において、Σはi(i=1,2,…,N)についての和を意味する。
【0067】
さらに、数3で示すように、マスターゾーンの基準出力指令値YCにランプの総数であるNを乗じた値を仮想的な基準出力総和量Y’として求める。
【0068】
【数3】
Y’=YC×N
そして、次の数4を満足するような係数ksを求める。
【0069】
【数4】
Y’=ks×Y
係数ksは、値YとY’との相互間の関係を表すファクタである。換言すれば、全ランプの加熱指令値の総和Yと基準出力総和量Y’との比率を係数ksによって評価する。
【0070】
そして、マスタースレーブ方式によって求めた各ランプ{Li}への加熱指令値に係数ksを乗じた値を、各ランプ{Li}の新たな加熱指令値として求め、その新たな各ランプ{Li}の加熱指令値を最終的な加熱指令値として各ランプ{Li}に出力する。これにより、スレーブゾーンのランプの出力がマスターゾーンに対応する代表測定点Paの温度に及ぼす影響を緩和することができる。
【0071】
<B.第2実施形態>
第2実施形態の基板熱処理装置は、図5の加熱指令値生成部50で行われる処理内容が第1実施形態に係る基板熱処理装置とは異なり、その他については、第1実施形態の基板熱処理装置と同様である。
【0072】
既述したように、第1実施形態はマスタースレーブ方式を採用して基板の温度分布を調整するように制御を行うものである。一方、第2実施形態においては、第1実施形態とは別の温度分布調整方式、すなわち、ゾーン毎に固有の基準出力指令値を生成する方式を採用する。
【0073】
図13は、第2実施形態の制御方式の概略概念図である。この図においても隣接ないしは連続する複数のゾーンを代表的に表現する記号としてZa、Zbを使用しているが、この第2実施形態ではマスターゾーン、スレーブゾーンの区別はない。したがって、ゾーンZa、Zbは互いに対等である。
【0074】
まず、ゾーンZaに対する基準出力指令値YCa、およびゾーンZbに対する基準出力指令値YCbが、補償器Ca、Cbによってそれぞれ生成される。各基準出力指令値YCa、YCbは、第1実施形態におけるマスターゾーンの各ランプの基準出力指令値と同様にして求めることができる。
【0075】
つぎに、それぞれのゾーンZa、Zbにおいて、各ランプa1〜a3,b1〜b3に対する加熱指令値を求める。図14は、各ゾーンZa、Zbに含まれる各ランプの加熱指令値の求め方を表す概念図であり、第1実施形態の図12に対応する図である。なお、ランプについては図示を省略している。以下では図14を参照して、ゾーンZbに含まれるランプb1〜b3の加熱指令値を求める場合について説明するが、他のゾーンについても同様である。
【0076】
基準出力指令値YCa、YCbが得られた後、ゾーンZb(以下「第1ゾーン」)の基準出力指令値YCbと、この第1ゾーンZbに隣接する参照ゾーンZa(「第2ゾーン」)の基準出力指令値YCaとの偏差Eab=(YCa−YCb)が算出され、この偏差Eabに対して、各ランプb1〜b3の所定の係数k1b〜k3b(図13参照)を乗じることによって求められる値を修正値として算出する。これらの修正値を第1ゾーンZbの基準出力指令値YCbに加算合成した値を最終的な加熱指令値Yとして求める。たとえば、第1ランプb1の加熱指令値Yは、次の数5で求められる。
【0077】
【数5】
Y=YCb+k1b×(YCa−YCb)
上記係数k1b〜k3bは、当該ゾーンZbに属する各ランプb1〜b3と代表測定点Pa、Pbとの相対的位置関係に応じて決定され得る。これらの係数k1b〜k3bは、代表測定点Pbにおける温度測定結果に各ランプb1〜b3が与える影響を考慮して定められる値である。このようにして基板W上の温度分布に応じた修正を施した後の値をランプb1〜b3への加熱指令値とする。このように、複数のランプのうち少なくともゾーンZbに含まれる各ランプb1〜b3への加熱指令値は、各ランプb1〜b3が属するゾーンZbに対応する代表測定点Pbおよび隣接するゾーンZaに対応する代表測定点Paの2つの代表測定点での温度測定結果を考慮した所定の加熱制御規則に基づいて生成される。
【0078】
また、同様にして、ランプa1〜a3などの加熱指令値も求めることができる。このようにしてN個のすべてのランプについてそれぞれの加熱指令値を求めることにより、基板W上の温度分布を均一化することができる。
【0079】
<C.第3実施形態>
第3実施形態は、同一のランプが異なるM個のゾーン(Mは2以上の整数)に属する場合に本発明を適用した例である。
【0080】
図15は、第3実施形態の制御方式の概略概念図である。複数のランプL1〜L11は、複数のゾーンZa、Zb、Zcに区分されて基板Wに対向する位置にほぼ等間隔で配置されている。図15においては、各ゾーンZa、Zb、Zcにそれぞれ5つのランプが属し、かつ中央のゾーンZaのうちの一方端部側の2つの特定ランプL4、L5がそれに隣接するゾーンZbにも属し、またこの中央のゾーンZaのうちの他方端部側の2つ特定ランプL7,L8がそれに隣接するゾーンZcにも属する場合が示されている。この例の場合、各特定ランプL4,L5,L7、L8のそれぞれは2つずつのゾーンに重複して含まれているため、M=2である。また、図16は、各ゾーンに含まれる各ランプの加熱指令値の求め方を表す概念図であり、第2実施形態の図14に対応する図である。以下、これらの図15および図16を参照する。
【0081】
この第3実施形態においても、第2実施形態と同様、まず、各ゾーンZa、Zb、Zc毎の基準出力指令値を求める。この基準出力指令値は、各ゾーン毎に固有の制御則によって求められる。たとえば上記第2実施形態の方法を、この基準出力指令値を求めるために利用することができる。すなわち、ランプL1〜L5に対しては、温度計42bの測定結果に基づいて補償器Cbによって基準出力指令値YCbが求められる。また、ランプL4〜L8に対しては、温度計42aの温度測定結果に基づいて補償器Caによって基準出力指令値YCaが求められる。
【0082】
このようにして得られた基準出力指令値のうち、それぞれがひとつのゾーンにのみ属するランプL1,L2,L3,L6、L9、L10、L11の基準出力指令値については、第2実施形態と同様の方法でそれぞれの最終的な加熱指令値が求められる。
【0083】
一方、それぞれが2個のゾーンに重複して属している特定ランプL4、L5、L7、L8については、当該ゾーンが属するM個のゾーンのそれぞれで得られた基準出力指令値を所定の重み付けで加算合成する。たとえば、ゾーンZaおよびZbの両方に属している特定ランプL4に対する加熱指令値Y4は、両ゾーンZa、Zbの基準出力指令値YCaおよびYCbを重み付け係数ka4、kb4を使用して以下の数6のように加重合成(具体的には加重加算合成)することにより算出することができる。
【0084】
【数6】
Y4=ka4×YCa+kb4×YCb
好ましくは、これらの係数ka4、kb4を、
【0085】
【数7】
ka4+kb4=1
のように規格化しておく。
【0086】
特定ランプL4における重み付け係数ka4、kb4の具体的な値は、その特定ランプL4が属する2個のゾーンZa、Zbのそれぞれに対応する代表測定点Pa、Pbと、当該ランプL4との相対的位置関係に基づいてあらかじめ決定しておく。たとえば、図15の例においてランプL1〜L11が等間隔ΔDで配列している場合、特定ランプL4は、一方のゾーンZbにおいては代表測定点Pbに対して(1×ΔD)だけ離れており、他方のゾーンZaにおいては代表測定点Paに対して(2×ΔD)だけ離れている。したがって、特定ランプL4は一方のゾーンZbにおける基準出力指令値YCbと他方のゾーンZaにおける基準出力指令値YCaとを、距離比1:2の逆比に相当する2:1の比率で重み付けして加算合成することにより、ランプL4の加熱指令値が求めれば、それぞれのゾーンZa、Zbでの温度測定結果を適度に合成することができる。したがって、この場合の係数ka4、kb4は、規格化した値としてka4=2/3、kb4=1/3のように定めておく。
【0087】
同様に、ゾーンZaおよびZbの両方に属している特定ランプL5に対する加熱指令値も、両ゾーンの基準出力指令値YCaおよびYCbを係数ka5=1/3、kb5=1/3を使用して加算合成することにより算出することができる。
【0088】
一般に、M個のゾーンZj(j=1〜M)に属する特定ランプLdについては、それらのM個のゾーンZjに対応する各代表測定点Pjまでの距離をDdjとしたとき、
【0089】
【数8】
kjd=Ddj/ΣDdm
(ただし、この数8において、Σは重複して属するM個のゾーンにわたっての、mについての和)
のように係数kjdを定めればよく、そのようにして定めておいた係数kjdを使用して、特定ランプLdに対する加熱指令値Ydを、
【0090】
【数9】
Yd=Σkjd×YCj
(ただし、この数9において、Σは重複して属するM個のゾーンにわたっての、jについての和)
のように得ることができる。ここで、YCjはゾーンZjについての基準出力指令値であり、ゾーンZjに対応する代表測定点Pjでの温度測定結果を反映した値である。このように、複数のランプのうち少なくともこの特定ランプLdについての加熱指令値は、特定ランプLdが属するM個のゾーンに対応するM個の代表測定点Pj(j=1〜M)での温度測定結果を考慮した所定の加熱制御規則に基づいて生成される。
【0091】
<D.その他の変形例>
<D1.基準出力指令値について〜その1>
上記実施形態における各基準出力指令値の求め方は、上記方法に限定されない。たとえば、既述したように、フィードバック補償器C2による第2加熱指令値YBを求める際に、ファジィ推論を用いることも可能である。
【0092】
ここでは、上記で求めた第2加熱指令値YBに対して、ファジィ推論に基づく修正係数αを用いてさらに修正を加えた値を新たな第2加熱指令値YBとして求める場合について詳述する。これにより、さらに高精度の制御を行うことが可能になる。なお、以下においては、説明のため、上記実施形態で求めた第2加熱指令値YBを値YB0に置き換えて表す。
【0093】
値YB0に対して、ファジィ推論に基づく修正係数αを乗じた値を加算した値をYB1とする。このとき値YB1は、次の数10または数11で表される。
【0094】
【数10】
YB1=YB0+α×YB0
【0095】
【数11】
YB1=β×YB0,ただし、β=1+α
ここで、ファジィ推論に基づくこの修正係数αの求め方について説明する。
【0096】
例として、偏差e1と偏差e2とを前件部に取り入れたファジィルールを用いて昇温段階における制御を行う場合を説明する。ここで、偏差e1は、目標温度に対応する出力指令値と実測温度に対応する出力指令値との偏差であり、偏差e2は、目標昇温速度に対応する出力指令値と実測昇温速度に対応する出力指令値との偏差である。また、これらの出力指令値は、図10および図11に表される「特性モデル」に基づいて求めることができる。なお、昇温段階とは、ランプの加熱により基板の温度を所定の温度までに上昇させる段階をいい、図6および図7においては時刻t0から時刻t10までに対応する。
【0097】
ファジィルールとして、次の3つのルールを用いる。
【0098】
(ルール1):e1が正、かつ、e2が正で大きいとき、出力を増やす。
【0099】
(ルール2):e1が約0、かつ、e2も約0のとき、出力を維持する。
【0100】
(ルール3):e1が正、かつ、e2が負で大きいとき、出力を減らす。
【0101】
ここで、e1、およびe2の値は正規化されているが、実際には適宜の値を表すようにスケーリングすることができる。
【0102】
図17(a)は、ルール1の前件部および後件部のメンバーシップ関数を表す。図17(a)において、左側の2つのグラフは前件部のメンバーシップ関数を表し、右側のグラフは後件部のメンバーシップ関数を表す。同様に、図17(b)および図17(c)は、それぞれ、ルール2およびルール3の前件部および後件部のメンバーシップ関数を表す。
【0103】
これらの図を用いて、「max−min重心法」でファジィ演算を行う場合について説明する。ここでは、ある時刻における偏差e1および偏差e2がそれぞれ、e1=0.4、e2=−0.2である場合を想定する。
【0104】
まず、ルール1に基づく前件部の度合を決定する。e1=0.4のときメンバーシップ関数a11より度合は+0.8となる。また、e2=−0.2のときメンバーシップ関数a12より度合は0となる。したがって、小さい方の値をとって、「度合」の合成結果は、ゼロとなる。
【0105】
つぎに、ルール2に基づく前件部の度合を決定する。e1=0.4のときメンバーシップ関数a21より度合は+0.2となる。また、e2=−0.2のときメンバーシップ関数a22より度合は0.6となる。したがって、小さい方の値をとって、「度合」の合成結果は、0.2となる。
【0106】
そして、ルール3に基づく前件部の度合を決定する。e1=0.4のときメンバーシップ関数a31より度合は+0.8となる。また、e2=−0.2のときメンバーシップ関数a32より度合は0.4となる。したがって、小さい方の値をとって、「度合」の合成結果は、0.4となる。
【0107】
つぎに、各ルールの後件部のメンバーシップ関数を、各ルールにおける「度合」の合成結果の値を表す直線で切断して形成される台形部分の面積を重ね合わせる。重ね合わせられた図形の重心を各ルールに対する重み付けを考慮して求める。なお、たとえば、この重み付けにおける重みwは各ルールに対して次のように設定することができる。
【0108】
▲1▼ルール1については:w=0.5
▲2▼ルール2については:w=1.0
▲3▼ルール3については:w=0.5
図18は、各ルールに基づく台形部分の図形を重ね合わせて合成図形の重心を求めることによって、後件部の結果を得ることについて説明した図である。ルール2に対応する台形D2とルール3に対応する台形D3との図形の重心を重み付けを考慮して求める。この場合には、−0.25が結果として得られる。この値が修正係数αとなる。したがって、この修正係数αを用いれば、上述の数10に基づいて値YB1が算出される。
【0109】
以上のようにしてファジィ推論に基づく修正を加えて求めた値YB1を新たな第2加熱指令値YBとすることができる。この新たな第2加熱指令値YBに対して、数1で表される加熱指令値YCを求め、この値YCを基準出力指令値としてして求めることができる。この基準出力指令値に基づいて制御することによって、オーバーシュートの抑制などの効果が得られる。
【0110】
<D2.基準出力指令値について〜その2>
あるいは、ファジィ推論に基づく修正を加えて求められた値YB1に対して、さらに修正を加えた値を新たな第2加熱指令値YBとすることにより、基準出力指令値を求めることもできる。たとえば、各時刻における値YB1の値を時間に関して合算した蓄積値YB2を算出して、さらに値YB1に加算した値を第2加熱指令値YBとすることができる。値YB2は次式で表される。
【0111】
【数12】
YB2=ΣYB1(t)
なお、ここではΣは時間に関する総和を意味し、時刻t0から現在時刻までの各時刻tにおけるYB1(t)を合算することによりYB2を求めるものである。また、ここでは、値YB1が時間tの関数であることを強調して示すためYB1(t)と明記するが、時間の関数であることを明記していない他の値、たとえば、YA、YB、YC、YB0、YB2も同様に時間の関数である。
【0112】
この値YB2は、フィードバック制御のPID動作におけるI(積分)動作に相当するものである。値YB2を値YB1に加えることによって、オフセットの発生を防止して追従性能を向上させることができる。この場合新たな第2加熱指令値YBは、次式で表される。
【0113】
【数13】
YB=YB1+YB2
上記の数1に基づいて、この新たな第2加熱指令値YBに対して加熱指令値YCを基準出力指令値として求め、値YCに基づいて加熱制御を行うことによって、目標温度および目標昇温速度にさらに高精度に追従する制御を実現することができる。
【0114】
<D3.その他>
また、上記実施形態においては、基板Wの回転によって基板Wの面内温度分布がほぼ回転対称になることを利用しているが、本発明はこれに限定されず、基板が回転しない場合においても適用可能である。その場合、各ゾーンに対応する適当な位置にさらに多くの複数の温度計を配置すればよい。
【0115】
図4のようにランプ32の配列が2方向となっている場合には、たとえば図19のように、マトリクス状のゾーンZx-y(x、y=1,2、…、n:nは2以上の整数)を定義することができる。このときランプ32のそれぞれは列方向または行方向の複数のゾーンにわたって伸びている。また、図19中の黒丸がそれぞれのゾーンZxyに対応する代表測定点を示す。この場合において基板が回転しないような装置構成においては、たとえばランプ32aについてはゾーンZ1-1、Z2-1、Z3-1での温度測定結果によって算出される基準出力指令値を比較的大きなウエイトで含み、ゾーンZ1-2、Z2-2、Z3-2での温度測定結果によって算出される基準出力指令値を中程度のウエイトで含み、さらにゾーンZ1-3、Z2-3、Z3-3での温度測定結果によって算出される基準出力指令値を比較的小さなウエイトで含むように、それらの基準出力指令値を加算合成ないしは加重平均すればよい。
【0116】
また、基板を回転させるような場合には、特定の1方向のみ(たとえばランプの行方向配列)についてのみゾーン分割を行い、そのような帯状のゾーンの配列についてこの発明を適用して、他方向のランプ配列についてはあらかじめ定めておいた加熱指令値を与えるようにしてもよい。
【0117】
この発明においては、複数のランプのうち少なくとも一部のランプの加熱指令値に関して、そのランプが属するゾーンに対応する代表測定点を含む2以上の代表測定点での温度測定結果が考慮されればよいが、ランプ数が少ない場合あるいは代表測定点が少ない場合には、全ての代表測定点における温度測定結果が考慮されてもよく、また、その際には各ランプと全ての代表測定点との相対的位置関係を考慮することもできる。
【0118】
【発明の効果】
以上のように、請求項1ないし請求項6に記載の基板熱処理装置によれば、複数のランプのうちの少なくとも一部のランプについての加熱指令値を、ランプが属するゾーンに対応する代表測定点を含む2以上の代表測定点での温度測定結果に応じて生成する。したがって、ランプの加熱指令値は、基板上の2以上の代表測定点の測定結果を反映して細かく調整されたものとなり、基板上の温度分布を細かく制御することができる。
【0119】
特に請求項1ないし請求項3の発明では、基板の形状や加熱手段の配置の特性などに応じて適当な代表ゾーンを主ゾーンとするとともに、その主ゾーンとの位置関係に基づいて他のゾーンでの温度制御を行うことなるため、その主ゾーンでの加熱制御規則を調整すれば他のゾーンでの温度制御がそれに応じて調整され、加熱の均一性が確保されるという特質がある。
【0120】
また、請求項3の発明では特に、主ゾーンに対して相対的に従ゾーンのランプへの加熱指令値が定まったとき、それら従ゾーンのランプからの熱が主ゾーンの基板領域に及んでしまうような熱干渉の影響を防止可能である。
【0121】
さらに請求項6の発明では、特定のランプが複数のゾーン(M個のゾーン)に属するようにゾーン分けをした場合においても、そのような配置関係を考慮した制御を行っているため、基板の加熱の均一性を十分に確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る熱処理装置1の概要構成を示す縦断面図である。
【図2】熱処理装置1における基板支持部20の下方部分を表す図である。
【図3】各ゾーンZ1〜Z4とそれらに対応する温度計421〜424の測定位置とを模式的に示す図である。
【図4】ランプの2方向配列を表す図である。
【図5】制御部100の概要図を表す図である。
【図6】目標温度曲線を表す図である。
【図7】目標温度変化率曲線を表す図である。
【図8】マスタースレーブ方式による温度分布制御系の模式的な機能ブロック図を表す図である。
【図9】マスターゾーンの制御ブロック図を表す図である。
【図10】基板温度に関する特性モデルを表す図である。
【図11】基板温度変化率(昇温速度)に関する特性モデルを表す図である。
【図12】各ランプの加熱指令値の求め方を表す概念図である。
【図13】第2実施形態の制御方式を表す概略概念図である。
【図14】各ランプの加熱指令値の求め方を表す概念図である。
【図15】第3実施形態の制御方式を表す概略概念図である。
【図16】各ランプの加熱指令値の求め方を表す概念図である。
【図17】各ファジィルールの前件部および後件部のメンバーシップ関数を表す図である。
【図18】各ファジィルールの組合せによる、後件部の合成結果について説明する図である。
【図19】図4のランプ配列の場合のゾーン分けの例を示す図である。
【符号の説明】
1 基板熱処理装置
10 チャンバ
20 基板支持部
30 基板加熱部
40 温度測定部
421〜424,42a,42b 温度計
50 加熱指令値生成部
60 温度特性記憶部
70 目標値生成部
100 制御部
W 基板
t 時間
T 温度
V 昇温速度
E 温度偏差
Za,Zb,Zc ゾーン
b1,b2,b3 ランプ
Claims (6)
- 基板に熱処理を行う装置であって、
複数のゾーンに区分されて配設された複数のランプによって基板を加熱する加熱手段と、
前記複数のゾーンのそれぞれに対応する基板上の複数の代表測定点における温度を測定する複数の温度測定手段と、
前記複数のランプのうちの少なくとも一部のランプについての加熱指令値を生成する加熱指令値生成手段と、
を備え、
前記複数のゾーンは、主ゾーンと従ゾーンとを有し、
前記複数の温度測定手段は、前記主ゾーンに対応する基板上の代表測定点における温度を測定する主測定手段と、前記従ゾーンに対応する基板上の代表測定点における温度を測定する従測定手段とを有し、
前記加熱指令値生成手段は、前記主ゾーンの基準出力指令値を前記主測定手段の測定結果に基づいて算出し、前記主測定手段による測定結果と前記従測定手段による測定結果との偏差を求め、当該偏差に対して前記主ゾーンに対応する代表測定点と前記従ゾーンに属する各ランプとの位置関係に応じて決定される係数を乗じた値を修正値として求め、前記主ゾーンの基準出力指令値と前記修正値とを合成することによって、前記従ゾーンに含まれる各ランプの前記加熱指令値を決定する、
ことを特徴とする基板熱処理装置。 - 請求項1の装置において、
前記主ゾーンに対応する代表測定点と前記従ゾーンに属する各ランプとの位置関係に応じて決定される係数が、前記主ゾーンに対応する代表測定点と前記従ゾーンに対応する代表測定点との間の温度分布を補間することによって決定された値であることを特徴とする基板熱処理装置。 - 請求項1または請求項2の装置において、
前記加熱指令値生成手段は、
前記主ゾーンに属する各ランプと前記従ゾーンに属する各ランプとについて算出されたそれぞれの加熱指令値の総和と、前記主ゾーンに属する各ランプへの加熱指令値に前記複数のランプのランプ総数を乗じた積に相当する値との比に応じて、前記主ゾーンに属する各ランプと前記従ゾーンに属する各ランプとについてそれぞれ算出された加熱指令値を修正する手段、
を有することを特徴とする基板熱処理装置。 - 基板に熱処理を行う装置であって、
複数のゾーンに区分されて配設された複数のランプによって基板を加熱する加熱手段と、
前記複数のゾーンのそれぞれに対応する基板上の複数の代表測定点における温度を測定する複数の温度測定手段と、
前記複数のランプのうちの少なくとも一部のランプについての加熱指令値を生成する加熱指令値生成手段と、
を備え、
前記加熱指令値生成手段は、
前記複数のゾーンのそれぞれにおける各ランプの基準出力指令値を前記複数のゾーンのそれぞれに対応する前記温度測定手段の測定結果に基づいて算出する手段と、
互いに隣接する第1と第2のゾーンのそれぞれの基準出力指令値の偏差に対して、前記第2のゾーンに対応する代表測定点と前記第1のゾーン内の各ランプとの位置関係に応 じて決定される各係数を乗じた値を修正値として求め、前記第1のゾーンの基準出力指令値と前記修正値とを合成することによって、前記第1のゾーンに含まれる各ランプの加熱指令値を決定する手段と、
を有することを特徴とする基板熱処理装置。 - 請求項4の装置において、
前記第2のゾーンに対応する代表測定点と前記第1のゾーン内の各ランプとの位置関係に応じて決定される各係数が、前記第1のゾーンに対応する代表測定点と前記第2のゾーンに対応する代表測定点との間の温度分布を補間することによって決定された値であることを特徴とする基板熱処理装置。 - 基板に熱処理を行う装置であって、
複数のゾーンに区分されて配設された複数のランプによって基板を加熱する加熱手段と、
前記複数のゾーンのそれぞれに対応する基板上の複数の代表測定点における温度を測定する複数の温度測定手段と、
前記複数のランプのうちの少なくとも一部のランプについての加熱指令値を生成する加熱指令値生成手段と、
を備え、
前記複数のランプには、重複してM個のゾーン(Mは2以上の整数)に属するように区分された特定ランプが含まれており、
前記加熱指令値生成手段は、
前記M個のゾーンのそれぞれにおける各ランプの基準出力指令値を前記M個のゾーンのそれぞれに対応する前記温度測定手段の測定結果に基づいて算出する手段と、
前記M個のゾーンのそれぞれに対応する代表測定点と前記特定ランプとの位置関係に応じて決定される重み付け係数を用いて、前記M個のゾーンのそれぞれにおける前記基準出力指令値を加重合成し、それによって前記特定ランプの加熱指令値を決定する手段と、
を有することを特徴とする基板熱処理装置。
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