JP3985513B2 - 回転式圧縮機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、揺動ピストンがブッシュを介してシリンダに揺動自在に支持されている回転式圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、冷凍装置等に適用される回転式圧縮機には、例えば特開平11−93874号公報に開示されているように、揺動ピストンを備えたいわゆるスイング型圧縮機がある。
【0003】
このようなスイング型圧縮機は、例えば高圧の冷媒で満たされているドーム型のケーシングを有しており、このケーシング内にシリンダが配設されている。シリンダは、上下方向に延びる円筒状のシリンダ部と、該シリンダ部の上部開口を閉塞するフロントヘッドと、シリンダ部の下部開口を閉塞するリヤヘッドとから構成されている。シリンダ室には、ブレードが一体形成された円筒状の揺動ピストンが収納されている。
【0004】
この揺動ピストンは、ブレードが断面略半円形状の一対のブッシュ(吐出側ブッシュ及び吸入側ブッシュ)に挟まれた状態で、該ブッシュとともに断面円形状のブッシュ孔に挿入されることによって、ブッシュ孔の軸心回りに揺動自在に支持されている。さらに、ブレードは、その長さ方向(揺動ピストンの径方向)にブッシュに対して進退自在に支持されている。こうして、シリンダ室は、揺動ピストンとブレードとにより、低圧の冷媒が吸入される吸入室と、吸入された冷媒を圧縮する圧縮室とに区画されている。
【0005】
一方、上記揺動ピストンは、偏心軸に摺動自在に嵌め込まれていて、この偏心軸の駆動回転により、シリンダ部の内周壁面に沿って自転することなく公転する。このことにより、上記スイング圧縮機は、吸入した冷媒を圧縮して吐出するように構成されている。
【0006】
そして、例えば図11に示すように、シリンダ部には、ブレード(128b)の収縮時に該ブレード(128b)の先端を収容するためのブッシュ背部室(150)が、ブッシュ孔(121b)の軸方向に沿って延びるように形成されている。ブッシュ背部室(150)は、ブッシュ孔(121b)よりもシリンダ部の径方向外側に設けられており、ブッシュ背部室(150)とシリンダ室(125)とは、ブッシュ孔(121b)を介して連通している。そして、これらシリンダ室(125)とブッシュ背部室(150)との連通状態は、吐出側ブッシュ(151)、吸入側ブッシュ(152)及びブレード(128b)がブッシュ孔(121b)に挿入されることにより遮断されている。
【0007】
このとき、ブッシュ背部室(150)内の圧力は、ケーシング内の圧力、つまり圧縮機の吐出圧と同じであり、揺動ピストンの揺動に拘わらず一定の大きさである。一方、吸入室(125a)内の圧力は、吸入される低圧の冷媒の圧力であって一定である。従って、吸入側ブッシュ(152)は、ケーシング内の圧力と吸入室(125a)内の圧力との差圧による一定の荷重(A)を受ける。さらに、吸入側ブッシュ(152)は、ブレード(128b)から、圧縮室(125b)内の圧力と吸入室(125a)内の圧力との差圧に応じた変動荷重(B)を受けている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図12に示すように、圧縮室内の圧力は、駆動軸の軸角度が大きくなるに連れて増減する(換言すれば、揺動ピストンの揺動に伴って増減する)ため、ブッシュ背部室と圧縮室との差圧が大きく変動する。特に、圧縮室からケーシング内へ冷媒が吐出するときに、圧縮室内の圧力は、実際には、吐出圧力よりも大きくなる。従って、吐出側ブッシュは、ブッシュ背部室と圧縮室との間で負荷方向が周期的に変動する変動荷重(C)を受けることとなる。
【0009】
すなわち、上記従来の回転式圧縮機では、吐出側のブッシュが揺動ピストンの揺動に伴って変動荷重を受けるため、その吐出側ブッシュが激しく振動し、吐出側ブッシュと、ブッシュ孔の内周壁面との接触部分が摩耗したり、焼き付きが発生するという問題がある。
【0010】
ところで、従来より上記スイング圧縮機を有する冷凍装置においては、クロロジフルオロメタン(R−22)等の冷媒が利用されていたが、オゾン層破壊等の環境上の問題があった。そこで、環境上の問題が少ない二酸化炭素を冷媒として利用することが広く知られている。この二酸化炭素を冷媒として適用すると、その吸入圧力と吐出圧力との差圧が大きくなるため、吐出側ブッシュの振動がより一層大きくなり、上記問題は特に顕著なものとなる。
【0011】
本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、揺動ピストンがブッシュを介して揺動する回転圧縮機について、その構造に改良を加えることにより、ブッシュと、該ブッシュが挿入されるブッシュ孔の内周壁面との接触部分における摩耗や、焼き付きを未然に防止しようとすることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、この発明では、吐出側ブッシュを、ブッシュ孔の内周壁面及び揺動ピストンのブレードの何れか一方へ向かって押圧するための押圧手段を設けると共に、押圧手段が吐出側ブッシュとブレード又はブッシュ孔内周面との間の隙間と、ケ ーシング内部とを連通する連通路を有するようにした。
【0013】
具体的に、第1の発明では、ケーシング( 10 )の内部に、圧縮機構( 20 )と、該圧縮機構( 20 )を駆動する圧縮機モータ( 30 )とを備え、上記圧縮機構( 20 )は、上記ケーシング(10)内に設けられたシリンダ(19)と、上記シリンダ(19)のシリンダ室(25)に収納され、ブレード(28b)が一体形成された揺動ピストン(28)とを備え、上記揺動ピストン(28)のブレード(28b)がブッシュ(51,52)を介してシリンダ(19)のブッシュ孔(21b)に挿入された回転式圧縮機が対象である。そして、上記ブッシュ(51,52)は吸入側のブッシュ(52)と、吐出側のブッシュ(51)とからなり、上記吐出側ブッシュ(51)を上記ブッシュ孔(21b)の内周面へ向かって押圧するための押圧手段(55,56,…)を備え、上記押圧手段( 55,56, …)は、上記吐出側ブッシュ( 51 )及び上記ブレード( 28b )の間の隙間と、上記ケーシング( 10 )の内部における上記圧縮機構( 20 )及び上記圧縮機モータ( 30 )の外側とを連通する連通路( 55,56, …)を有している。
【0014】
ところで、ブッシュ孔(21b)のシリンダ(19)の径方向外側には、ブレード(28b)の収縮時に該ブレード(28b)の先端を収容するためのブッシュ背部室(50)が一般に形成されており、このブッシュ背部室(50)内の圧力は、ケーシング(10)内の圧力と同じであり、且つ揺動ピストン(28)の揺動に拘わらず一定の大きさである。
【0015】
これに対して、シリンダ室(25)内で揺動ピストン(28)等により区画形成されている圧縮室(25b)内の圧力は、揺動ピストン(28)の揺動に伴って増減するため、ブッシュ背部室(50)と圧縮室(25b)との差圧が大きく変動する。従って、吐出側ブッシュ(51)は、上記両室(50,25b)間で周期的に変動する変動荷重を受けることとなる。
【0016】
このとき、上記本発明によると、ケーシング( 10 )の内部における圧縮機構( 20 )及び圧縮機モータ( 30 )の外側に存在している高圧流体が、連通路( 55,56, …)を介して、吐出側ブッシュ( 51 )及びブレード( 28b )の間の隙間に供給される。その結果、吐出側ブッシュ(51)は、押圧手段(55,56,…)によりブッシュ孔(21b)の内周面へ向かって押し付けられる。このことにより、吐出側ブッシュ(51)の外壁面とブッシュ孔(21b)内周壁面との間の摩擦力が大きくなって、上記差圧による吐出側ブッシュ(51)の振動が防止される。従って、吐出側ブッシュ(51)と、ブッシュ孔(21b)の内周壁面との接触部分における摩耗や焼き付きが効果的に抑制される。
【0017】
第2の発明では、上記第1の発明において、
上記押圧手段(61)は、揺動ピストン(28)のブレード(28b)に対向するように吐出側ブッシュ(51)に形成され、ケーシング(10)内の高圧の流体が供給される溝部(61)を有している。
【0018】
上記の発明によると、ブレード(28b)に対向するように形成された吐出側ブッシュ(51)の溝部(61)へ、ケーシング(10)内における圧縮機(1)の吐出圧力と略同じ程度の高圧の流体として、冷媒や潤滑油等が供給される。そして、この溝部(61)内に供給された高圧流体により、吐出側ブッシュ(51)はブッシュ孔(21b)内周面へ向かって確実に押圧される。
【0019】
第3の発明では、上記第1の発明において、上記押圧手段(62)は、吐出側ブッシュ(51)に対向するように揺動ピストン(28)のブレード(28b)に形成され、ケーシング(10)内の高圧の流体が供給される溝部(62)を有している。
【0020】
上記の発明によると、吐出側ブッシュ(51)に対向するように形成されたブレード(28b)の溝部(62)へ、上記第2の発明と同様に、ケーシング(10)内における高圧の流体である冷媒や潤滑油が供給される。そして、この溝部(62)に供給された高圧の流体によって、吐出側ブッシュ(51)は、ブッシュ孔(21b)内周面に向かって効果的に押圧される。
【0021】
第4の発明では、ケーシング( 10 )の内部に、圧縮機構( 20 )と、該圧縮機構( 20 )を駆動する圧縮機モータ( 30 )とを備え、上記圧縮機構( 20 )は、上記ケーシング(10)内に設けられたシリンダ(19)と、上記シリンダ(19)のシリンダ室(25)に収納され、ブレード(28b)が一体形成された揺動ピストン(28)とを備え、上記揺動ピストン(28)のブレード(28b)がブッシュ(51,52)を介してシリンダ(19)のブッシュ孔(21b)に挿入された回転式圧縮機が対象である。そして、上記ブッシュ(51,52)は吸入側のブッシュ(52)と、吐出側のブッシュ(51)とからなり、上記吐出側ブッシュ(51)を上記揺動ピストン(28)のブレード(28b)へ向かって押圧するための押圧手段(55,56,…)を備え、上記押圧手段( 55,56, …)は、上記吐出側ブッシュ( 51 )及び上記ブッシュ孔( 21b )の内周面の間の隙間と、上記ケーシング( 10 )の内部における上記圧縮機構( 20 )及び上記圧縮機モータ( 30 )の外側とを連通する連通路( 55,56, …)を有している。
【0022】
ところで、この第4の発明においても、上記第1の発明と同様に、吐出側ブッシュ(51)は、ブッシュ背部室(50)と圧縮室(25b)との間で変動する圧力を受ける。これに対し、この発明によると、ケーシング( 10 )の内部における圧縮機構( 20 )及び圧縮機モータ( 30 )の外側に存在している高圧流体が、連通路( 55,56, …)を介して、吐出側ブッシュ( 51 )及びブッシュ孔( 21b )の内周面の間の隙間に供給される。その結果、吐出側ブッシュ(51)は、押圧手段(55,56,…)によりブレード(28b)へ向かって押し付けられる。このことにより、吐出側ブッシュ(51)の外壁面とブレード(28b)側壁との間の摩擦力が大きくなるため、ブッシュ背部室(50)と圧縮室(25b)との間の差圧による吐出側ブッシュ(51)の振動が抑制される。
【0023】
また、吐出側ブッシュ(51)外壁面とブッシュ孔(21b)内周面との間の摩擦力が小さくなるので、仮にその吐出側ブッシュ(51)外壁面とブッシュ孔(21b)内周面とが摺接するとしても、その摺接によるブッシュ孔(21b)内周面の摩耗や焼き付きは効果的に抑制される。
【0024】
第5の発明では、上記第4の発明において、上記押圧手段(63)は、ブッシュ孔(21b)の内周面に対向するように吐出側ブッシュ(51)に形成され、ケーシング(10)内の高圧の流体が供給される溝部(63)を有している。
【0025】
上記の発明によると、ブッシュ孔(21b)の内周面に対向するように形成された吐出側ブッシュ(51)の溝部(63)へ、ケーシング(10)内における圧縮機(1)の吐出圧力と略同じ程度の高圧の流体として、冷媒や潤滑油等が供給される。そして、この溝部(63)内に供給された高圧流体により、吐出側ブッシュ(51)は揺動ピストン(28)のブレード(28b)へ向かって確実に押圧される。
【0026】
第6の発明では、上記第4の発明において、上記押圧手段(64)は、吐出側ブッシュ(51)に対向するようにブッシュ孔(21b)の内周面に形成され、ケーシング(10)内の高圧の流体が供給される溝部(64)を有している。
【0027】
上記の発明によると、吐出側ブッシュ(51)に対向するように形成されたブッシュ孔(21b)内周面の溝部(64)へ、上記第6の発明と同様に、ケーシング(10)内における高圧の流体である冷媒や潤滑油が供給される。そして、この溝部(64)に供給された高圧の流体によって、吐出側ブッシュ(51)は、ブレード(28b)へ向かって効果的に押し付けられる。
【0028】
第7の発明では、上記第1又は4の発明において、上記シリンダ(19)は、上下方向に延びる円筒状のシリンダ部(21)と、該シリンダ部(21)の上部開口を閉塞するフロントヘッド(22)と、シリンダ部(21)の下部開口を閉塞するリヤヘッド(23)とから構成されており、上記連通路( 56 )は、上記フロントヘッド(22)及びリヤヘッド(23)の少なくとも一方に形成されている。
【0029】
この発明により、ケーシング(10)内の高圧流体は、フロントヘッド(22)及びリヤヘッド(23)の少なくとも一方に設けられた連通路(55,56,…)を流通して、溝部(61,62,…)内へ供給される。
【0030】
第8の発明では、上記第1又は4の発明において、上記シリンダ(19)は、上下方向に延びる円筒状のシリンダ部(21)と、該シリンダ部(21)の上部開口を閉塞するフロントヘッド(22)と、シリンダ部(21)の下部開口を閉塞するリヤヘッド(23)とから構成されており、上記連通路( 57,58 )は、上記シリンダ部(21)に形成されている。
【0031】
この発明によると、ケーシング(10)内の高圧流体は、シリンダ部(21)に設けられた連通路(57,58)を流通して、溝部(63,64)内へ供給される。
【0032】
第9の発明では、上記第1〜8の何れか1つの発明において、上記ブッシュ(51,52)の硬度はHv700以上且つHv900以下である一方、ブッシュ孔(21b)の内周壁面の硬度はHv500以上且つHv700以下である。
【0033】
また、第10の発明では、上記第1〜8の何れか1つの発明において、上記ブッシュ(51,52)の硬度はHv500以上且つHv700以下である一方、ブッシュ孔(21b)の内周壁面の硬度はHv700以上且つHv900以下である。
【0034】
ところで、高硬度材と低硬度材との硬度差が大きい程、低硬度材の摩耗量は増加する傾向にある。これに対して、上記第11及び12の発明のように、ブッシュ(51,52)及びブッシュ孔(21b)の内周壁面の硬度をそれぞれ上記の所定範囲に規定することにより、ブッシュ(51,52)とブッシュ孔(21b)との硬度差が小さくなるので、仮にブッシュ(51,52)とブッシュ孔(21b)とが摺接したとしても、該ブッシュ(51,52)及びブッシュ孔(21b)の内周壁面の摩耗量が効果的に低減される。
【0035】
第11の発明では、上記第9又は10の発明において、上記ブッシュ孔(21b)の内周壁面は、窒化処理、浸炭処理及び高周波焼き入れ処理の何れか1つの表面改質処理が施されている。このことにより、ブッシュ孔(21b)の内周壁面の表面硬度を向上させて、ブッシュ(51,52)及びブッシュ孔(21b)の内周壁面の硬度が適切に設定される。
【0036】
第12の発明では、上記第11の発明において、上記ブッシュ孔(21b)の内周壁面は、表面改質処理後に、0.1mm以上且つ0.5mm以下の取り代の仕上研磨加工が施されている。
【0037】
ところで、上記第11の発明における表面改質処理は高温条件下で行われるため、ブッシュ孔(21b)の寸法精度が低下する虞れがある。これに対して、この発明によると、0.1mm以上且つ0.5mm以下の取り代の仕上研磨加工が施されるので、高精度な寸法のブッシュ孔(21b)が得られる。
【0038】
第13の発明では、上記第1〜12の何れか1つの発明において、圧縮する流体は二酸化炭素である。
【0039】
ところで、圧縮する流体が二酸化炭素である場合には、吸入側と吐出側との差圧が大きくなり、ブレード(28b)やブッシュ(51,52)に加わる負荷も大きくなる。この場合においても、その差圧に起因する吐出側ブッシュ(51)の振動が抑制され、ブッシュ孔(21b)の内周壁面の摩耗や焼き付きが効果的に抑制される。
【0040】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
以下、本発明の実施形態1を図面に基づいて詳細に説明する。
【0041】
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る回転式圧縮機(1)は、いわゆるスイング型の圧縮機である。この回転式圧縮機(1)は、ドーム型のケーシング(10)内に、圧縮機構(20)と圧縮機モータ(30)とが収納され、全密閉型に構成されている。上記回転式圧縮機(1)は、例えば、二酸化炭素(CO2)を冷媒(流体)とする空気調和装置の冷媒回路中に設けられ、冷媒である二酸化炭素を圧縮するように構成されている。
【0042】
ケーシング(10)は、円筒状の胴部(11)と、この胴部(11)の上下にそれぞれ設けられた鏡板(12,13)とによって構成されている。胴部(11)には、下方寄りの所定の位置に、この胴部(11)を貫通する吸入管(14)が設けられている。一方、上部の鏡板(12)には、ケーシング(10)の内外を連通する吐出管(15)と、図示しない外部電源に接続されて圧縮機モータ(30)に電力を供給するターミナル(16)とが設けられている。
【0043】
圧縮機構(20)は、シリンダ(19)と、このシリンダ(19)のシリンダ室(25)に収納され、後述のブレード(28b)が一体形成された揺動ピストン(28)とを備えていて、ケーシング(10)内の下部側に配置されている。シリンダ(19)は、上下方向に延びる円筒状のシリンダ部(21)と、このシリンダ部(21)の上部開口を閉塞するフロントヘッド(22)と、シリンダ部(21)の下部開口を閉塞するリヤヘッド(23)とから構成されている。そして、シリンダ部(21)の内周面と、フロントヘッド(22)の下端面と、リヤヘッド(23)の上端面との間に、円柱状のシリンダ室(25)が区画形成されている。
【0044】
圧縮機モータ(30)は、ステータ(31)とロータ(32)とを備えている。ステータ(31)は、圧縮機構(20)の上方でケーシング(10)の胴部(11)に固定されている。
【0045】
ロータ(32)には駆動軸(33)が連結されている。駆動軸(33)は、シリンダ室(25)を上下方向に貫通している。フロントヘッド(22)とリヤヘッド(23)には、駆動軸(33)を支持するための軸受部(22a,23a)がそれぞれ形成されている。そして、ロータ(32)と共に駆動軸(33)が回転する。また、駆動軸(33)には、その軸方向に縦貫する給油路(図示省略)が設けられている。さらに、駆動軸(33)の下端部には、油ポンプ(36)が設けられている。そして、この油ポンプ(36)によって、ケーシング(10)内の底部に貯留されている潤滑油を、上記給油路内を流通させて圧縮機構(20)へ供給するように構成されている。
【0046】
駆動軸(33)は、運転中の撓みによるフロントヘッド(22)及びリヤヘッド(23)にそれぞれ設けられている軸受との接触を最小限に抑制する目的で、可能な限り剛性が高いS45C等の炭素鋼で形成することが望ましい。また、コストを低減させるために、鍛造によって製造することが望ましい。
【0047】
そして、駆動軸(33)には、シリンダ室(25)の中に位置する部分に偏心軸(33a)が形成されている。偏心軸(33a)は、駆動軸(33)よりも大径に形成され、駆動軸(33)の軸心から所定量偏心している。そして、偏心軸(33a)は、圧縮機構(20)の揺動ピストン(28)に摺動自在に嵌め込まれている。
【0048】
揺動ピストン(28)は、円環状の本体部(28a)と、本体部(28a)の外周面の1箇所から径方向外側に突出して延びるブレード(28b)とが一体的に形成されている。揺動ピストン(28)は、本体部(28a)の外周面が、シリンダ部(21)の内周面と一点で接触するように形成されている。尚、揺動ピストン(28)のブレード(28b)と本体部(28a)とは、一体形成するか、又は別部材を一体的に固着して構成されている。
【0049】
シリンダ部(21)には、駆動軸(33)の軸方向に延びる断面円形状のブッシュ孔(21b)が貫通形成されている。ブッシュ孔(21b)は、シリンダ部(21)の内周面側に形成され、且つ周方向の一部分がシリンダ室(25)と連通するように形成されている。ブッシュ孔(21b)の内部には、断面が略半円形状の一対のブッシュ(51,52)が挿入されている。ブッシュ(51,52)は、シリンダ室(25)内の吐出側に配設される吐出側ブッシュ(51)と、シリンダ室(25)内の吸入側に配設される吸入側ブッシュ(52)とから構成されている。そして、揺動ピストン(28)のブレード(28b)は、ブッシュ(51,52)を介してシリンダ(19)のブッシュ孔(21b)に挿入されている。
【0050】
両ブッシュ(51,52)は、フラットな面同士が対向するように配置されている。そして、この両ブッシュ(51,52)の対向面の間のスペースがブレード溝(29)として形成されている。ブレード溝(29)には、揺動ピストン(28)のブレード(28b)が挿入されている。ブッシュ(51,52)は、ブレード溝(29)にブレード(28b)を挟んだ状態で、ブレード(28b)がブレード溝(29)を進退するように構成されている。同時に、ブッシュ(51,52)は、ブレード(28b)と一体的にブッシュ孔(21b)の中で揺動するように構成されている。
【0051】
そして、駆動軸(33)が回転すると、揺動ピストン(28)はブレード溝(29)内を進退するブレード(28b)の一点(ブッシュ孔(21b)の軸心に対応した一点)を軸心として揺動する。この揺動により、揺動ピストン(28)とシリンダ部(21)の内周面との接触点が図2中の時計周り方向へ移動する。したがって、上記揺動ピストン(28)は自転しない。
【0052】
また、ブレード(28b)は、シリンダ室(25)を吸入室(25a)と圧縮室(25b)に区画している。そして、シリンダ部(21)には吸入口(41)が形成されている。吸入口(41)は、シリンダ部(21)をその径方向に貫通しており、一端が吸入室(25a)内に臨むように開口している。一方、吸入口(41)の他端には吸入管(14)の端部が接続されている。
【0053】
一方、フロントヘッド(22)には吐出口(42)が駆動軸(33)の軸方向に貫通形成されている。また、シリンダ部(21)の内周面には、吐出口(42)と同じく駆動軸(33)の軸方向に延びる溝状の吐出路(43)が、吐出口(42)に連続するように形成されている。
【0054】
尚、フロントヘッド(22)の上面には、切り欠き凹部(45)が形成されている。この切り欠き凹部(45)は、ほぼ長円形状に形成され、吐出口(42)を開閉する吐出弁(46)が設けられている。
【0055】
そして、図2に示すように、シリンダ部(21)には、ブレード(28b)の収縮時に該ブレード(28b)の先端を収容するためのブッシュ背部室(50)が、ブッシュ孔(21b)の軸方向に沿って延びるように形成されている。ブッシュ背部室(50)は、ブッシュ孔(21b)よりもシリンダ部(21)の径方向外側に設けられ、且つブッシュ孔(21b)に連通するように形成されている。
【0056】
こうして、シリンダ室(25)、ブッシュ孔(21b)及びブッシュ背部室(50)は、この順番にシリンダ部(21)の径方向に並んで設けられており、シリンダ室(25)とブッシュ背部室(50)とは、ブッシュ孔(21b)を介して連通している。そして、これらシリンダ室(25)とブッシュ背部室(50)との連通状態は、ブッシュ孔(21b)にブッシュ(51,52)及びブレード(28b)が挿入されることにより遮断されている。また、ブッシュ背部室(50)は、ケーシング(10)内に連通しており、その内部の圧力は、ケーシング(10)内の圧力(つまり、圧縮機(1)の吐出圧力)に等しくなっている。
【0057】
そして、本発明の特徴として、回転式圧縮機(1)は、吐出側ブッシュ(51)をブッシュ孔(21b)の内周面へ向かって押圧するための押圧手段(55,61)を備えている。
【0058】
押圧手段(55,61)は、吐出側ブッシュ(51)に形成された溝部(61)と、この溝部(61)内とケーシング(10)内とを連通する連通路(55)とを有している。
【0059】
図3に示すように、溝部(61)は、揺動ピストン(28)のブレード(28b)に対向するように、吐出側ブッシュ(51)の表面に形成されている。そして、溝部(61)は、その吐出側ブッシュ(51)がブッシュ孔(21b)に挿入された状態で、ブッシュ孔(21b)の軸方向に延びるように形成されている。
【0060】
一方、連通路(55)は、フロントヘッド(22)及びリヤヘッド(23)の少なくとも一方に設けられており、この実施形態では、図4に示すように、リヤヘッド(23)を駆動軸(33)の軸心方向に貫通するように設けられている。また、この連通路(55)は、ケーシング(10)内に臨む側の径がシリンダ室(25)内に臨む側よりも大きくなっており、断面段差状に形成されている。このようにして、ケーシング(10)の下部に貯留されている高圧の潤滑油を溝部(61)内へ供給するようにしている。
【0061】
そして、ブッシュ(51,52)の硬度はHv700以上且つHv900以下であるようにしている。一方、シリンダ(19)はSCM等の鋼からなり、ブッシュ孔(21b)の内周壁面は、窒化処理、浸炭処理及び高周波焼き入れ処理の何れか1つの表面改質処理が施されており、その硬度がHv500以上且つHv700以下となるようにしている。シリンダ(19)は、コストを低減させる観点から、鍛造により製造することが望ましい。
【0062】
また、ブッシュ孔(21b)の内周壁面は、上記表面改質処理後に、0.1mm以上且つ0.5mm以下の取り代の仕上研磨加工が施されている。
【0063】
<圧縮動作>
次に、上述した回転式圧縮機(1)の運転動作について説明する。
【0064】
先ず、圧縮機モータ(30)のロータ(32)が回転すると、該ロータ(32)の回転が駆動軸(33)を介して圧縮機構(20)の揺動ピストン(28)に伝達される。これによって、圧縮機構(20)が所定の圧縮動作を行う。
【0065】
具体的に、図2において、吸入口(41)のすぐ右側でシリンダ部(21)の内周と揺動ピストン(28)の外周とが接触する状態から説明する。
【0066】
この状態でシリンダ室(25)の吸入室(25a)の容積が最小となる。揺動ピストン(28)が右回りに公転すると、吸入室(25a)の容積が拡大し、該吸入室(25a)に低圧の冷媒(ガス)が吸入口(41)を介して吸入される。
【0067】
そして、シリンダ部(21)の内周と揺動ピストン(28)の外周との接触位置が吸入口(41)に達して、冷媒の吸入が終了すると、冷媒が圧縮される圧縮室(25b)が形成される。上記揺動ピストン(28)が公転するに従って圧縮室(25b)の容積が減少し、圧縮室(25b)の冷媒が圧縮される。該圧縮室(25b)の圧力が所定値となると、圧縮室(25b)の高圧冷媒によって吐出弁(46)が開き、高圧冷媒が圧縮室(25b)からケーシング(10)の内部に吐出される。この動作が繰り返される。
【0068】
上記運転中において、揺動ピストン(28)のブレード(28b)はブッシュ(51,52)に対して往復直線運動の摺動を行う。また、上記ブッシュ孔(21b)において、ブッシュ(51,52)はシリンダ部(21)に対して往復回転運動の摺動を行う。
【0069】
このとき、圧縮室(25b)内の圧力は、揺動ピストン(28)の揺動に伴って増減する。さらに、圧縮室(25b)内の圧力は、圧縮冷媒の吐出直前にケーシング(10)内の吐出圧力よりも大きくなる。すなわち、ブッシュ背部室(50)と圧縮室(25b)との差圧が大きく変動する。そのため、吐出側ブッシュ(51)は、上記両室(50,25b)間で負荷方向が周期的に変動する変動荷重を受けることとなる。
【0070】
また、ケーシング(10)内の底部に貯留されている潤滑油は、ケーシング(10)内部の高い圧力を受けており、連通路(55)を介して吐出側ブッシュ(51)の溝部(61)へ供給される。
【0071】
以上説明したように、この実施形態によると、吐出側ブッシュ(51)は、溝部(61)に供給される圧縮機(1)の吐出圧力と略同じ程度の高圧の潤滑油(流体)によって、ブッシュ孔(21b)の内周面へ向かって押し付けられる。このことにより、吐出側ブッシュ(51)の外壁面とブッシュ孔(21b)内周壁面との間の摩擦力が大きくして、上記変動荷重による吐出側ブッシュ(51)の振動を防止することができる。従って、圧縮する冷媒が、吸入側と吐出側との差圧が大きくなる二酸化炭素等であっても、ブッシュ孔(21b)の内周壁面の摩耗や焼き付きを効果的に抑制することができる。
【0072】
ところで、高硬度材と低硬度材との硬度差が大きい程、低硬度材の摩耗量は増加する傾向にある。これに対して、本実施形態のように、ブッシュ(51,52)の硬度をHv700以上且つHv900以下とする一方、ブッシュ孔(21b)の内周壁面の硬度をHv500以上且つHv700以下とすることによりブッシュ(51,52)とブッシュ孔(21b)との硬度差が小さくなるので、仮にブッシュ(51,52)とブッシュ孔(21b)とが摺接したとしても、ブッシュ孔(21b)の内周壁面の摩耗量を効果的に低減することが可能となる。
【0073】
また、ブッシュ孔(21b)の内周壁面が、窒化処理等の表面改質処理が施されているので、ブッシュ孔(21b)の内周壁面の表面硬度を向上させて、その硬度を適切に設定することができる。さらに、その表面改質処理の後、0.1mm以上且つ0.5mm以下の取り代の仕上研磨加工が施されるので、高精度な寸法のブッシュ孔(21b)が得られる。
【0074】
(実施形態2)
図6は、本実施形態2を示しており(尚、図1〜図4と同じ部分については、同じ符号を付してその詳細な説明は省略する)、上記実施形態1において吐出側ブッシュを押圧するための押圧手段(55,61)を変更するようにしたものである。
【0075】
すなわち、押圧手段(55,62)は、吐出側ブッシュ(51)に対向するように揺動ピストン(28)のブレード(28b)に形成され、ケーシング(10)内の高圧の流体が供給される溝部(62)である。
【0076】
そして、溝部(62)は、揺動ピストン(28)の本体部(28a)の軸方向に沿って延びるように形成されている。また、上記実施形態1と同様の連通路(55)がリヤヘッド(23)に形成されており、この連通路(55)は溝部(62)内に連通するように構成されている。
【0077】
このようにすることによっても、ブレード(28b)の溝部(62)へ、ケーシング(10)内における高圧の流体である冷媒や潤滑油が供給される。そして、この溝部(62)に供給された高圧の流体によって、吐出側ブッシュ(51)を、ブッシュ孔(21b)内周面に向かって効果的に押圧させることができる。
【0078】
(実施形態3)
図7は、本発明の実施形態3を示しており、上記実施形態1及び2のものでは、吐出側ブッシュ(51)を、ブッシュ孔(21b)の内周面へ向かって押圧していたのに対して、揺動ピストン(28)のブレード(28b)へ向かって押圧するようにしたものである。
【0079】
すなわち、この実施形態3に係る回転式圧縮機は、吐出側ブッシュ(51)を揺動ピストン(28)のブレード(28b)へ向かって押圧するための押圧手段(55,63)を備えている。
【0080】
この押圧手段は、ブッシュ孔(21b)の内周面に対向するように吐出側ブッシュ(51)の表面に形成された溝部(63)と、上記各実施形態と同様にリヤヘッド(23)に形成された連通路(55)とを有している。溝部(63)は、吐出側ブッシュ(51)がブッシュ孔(21b)に挿入された状態で、ブッシュ孔(21b)の軸方向に延びるように形成されている。そして、連通路(55)はケーシング(10)内部と溝部(63)とを連通しており、この溝部(63)内へケーシング(10)内の高圧の流体を供給するようにしている。
【0081】
そのとき、吐出側ブッシュ(51)は、溝部(63)内に供給された高圧流体によりブレード(28b)へ向かって押し付けられる。このことにより、吐出側ブッシュ(51)の外壁面とブレード(28b)側壁との間の摩擦力が大きくなるため、ブッシュ背部室(50)と圧縮室(25b)との間で変動する変動荷重による吐出側ブッシュ(51)の振動を抑制することができる。その結果、ブッシュ孔(21b)の内周壁面の摩耗や焼き付きを抑制することが可能となる。
【0082】
また、吐出側ブッシュ(51)外壁面とブッシュ孔(21b)内周面との間の摩擦力が小さくなるので、仮にその吐出側ブッシュ(51)外壁面とブッシュ孔(21b)内周面とが摺接するとしても、その摺接によるブッシュ孔(21b)内周面の摩耗や焼き付きを効果的に低減させることができる。
【0083】
(実施形態4)
図8は、本発明の実施形態4を示し、上記実施形態3において吐出側ブッシュを押圧するための押圧手段(55,63)を変更するようにしたものである。
【0084】
すなわち、押圧手段(55,64)は、吐出側ブッシュ(51)に対向するようにブッシュ孔(21b)の内周面に形成され、ケーシング(10)内の高圧の流体が供給される溝部(64)である。
【0085】
そして、溝部(64)は、揺動ピストン(28)の本体部(28a)の軸方向に沿って延びるように形成されている。また、上記各実施形態と同様の連通路(55)がリヤヘッド(23)に形成されており、この連通路(55)は溝部(64)内に連通するように構成されている。
【0086】
このようにしても、ブレード(28b)の溝部(64)へ、ケーシング(10)内における高圧の流体である冷媒や潤滑油が供給される。そして、この溝部(64)に供給された高圧の流体によって、吐出側ブッシュ(51)を、ブレード(28b)へ向かって効果的に押圧させることができる。
【0087】
尚、上記各実施形態では、溝部(61)に高圧の流体を供給するための連通路(55)をリヤヘッド(23)に形成するようにしたが、図5に示すように、フロントヘッド(22)に連通路(56)を形成するようにしてもよい。すなわち、この場合、連通路(56)は、上記連通路(55)と同様の形状を有しており、上下反転した形状とすればよい。このことによっても、溝部(61)内へケーシング(10)内の冷媒等の高圧の流体を供給し、吐出側ブッシュ(51)を効果的に押圧することができる。
【0088】
(実施形態5)
図9は、本発明の実施形態5を示しており、上記実施形態3及び4において、各溝部(63,64)内へケーシング(10)内の高圧流体を供給する目的で、連通路(55,56)をリヤヘッド(23)やフロントヘッド(22)に設けるようにしたのに対し、シリンダ部(21)に設けるようにしたものである。
【0089】
すなわち、押圧手段(57)は、シリンダ部(21)に設けられた連通路(57)を有している。同図に示すように、連通路(57)は、一端がブッシュ孔(21b)内に臨むように該ブッシュ孔(21b)内周壁面に開口される一方、他端がケーシング(10)内部を臨むように、シリンダ部(21)の外周壁面に開口されている。
【0090】
このようにして、ブッシュ孔(21b)の内周面に対向するように吐出側ブッシュ(51)の表面に形成された溝部(63)又は、吐出側ブッシュ(51)に対向するようにブッシュ孔(21b)の内周面に形成された溝部(64)は、連通路(57)を介してケーシング(10)の内部とそれぞれ連通するように構成されている。
【0091】
尚、この実施形態5では、シリンダ部(21)に形成された連通路(57)は、ブッシュ孔(21b)内部と、ケーシング(10)内とを直接連通するようにしたが、図10に示すように、ブッシュ孔(21b)内部と、ブッシュ背部室(50)とを連通する連通路(58)をシリンダ部(21)に設けるようにしてもよい。このようにしても、ブッシュ背部室(50)はケーシング(10)と連通状態にあるため、連通路(58)によって、上記各溝部(63,64)へ高圧流体を供給することが可能となる。
【0092】
(実施形態6)
この実施形態6は、上記各実施形態では、押圧手段(61,62,…)として溝部(61,62,…)を設けるようにしたのに対して、そのような溝部(61,62,…)を設けないようにしたものである。
【0093】
すなわち、押圧手段(55,56)は、ケーシング(10)内の高圧の流体を吐出側ブッシュ(51)とブレード(28b)との間の隙間に供給するための流体供給通路(55,56)を有している。流体供給通路(55,56)は、上記各実施形態で示した連通路(55,56)と同様のものである。
【0094】
このようにすることで、ケーシング(10)内の高圧流体が吐出側ブッシュ(51)とブレード(28b)との間の隙間へ供給されるため、吐出側ブッシュ(51)をブッシュ孔(21b)内周面に向かって押し付けることができる。また、簡単な構成で吐出側ブッシュ(51)を押圧することができる。しかしながら、吐出側ブッシュ(51)を確実に押圧する観点から、上記各実施形態のように溝部(61,62,…)を設けることが望ましい。
【0095】
尚、流体供給通路(55,56,57,58)を、ケーシング(10)内の高圧の流体を吐出側ブッシュ(51)とブッシュ孔(21b)の内周面との間の隙間に供給するためのものとしてもよい。すなわち、流体供給通路(55,56,57,58)は、上記各実施形態で示した連通路(55,56,57,58)と同様のものである。このとき、ケーシング(10)内の高圧流体が吐出側ブッシュ(51)とブッシュ孔(21b)の内周面との間の隙間へ供給されるため、吐出側ブッシュ(51)をブレード(28b)に向かって押し付けることができる。
【0096】
また、上記各実施形態では、ブッシュ(51,52)の硬度を、Hv700以上且つHv900以下とする一方、ブッシュ孔(21b)の内周壁面の硬度を、Hv500以上且つHv700以下として、ブッシュ(51,52)の硬度をブッシュ孔(21b)の内周壁面よりも大きくするようにしたが、その硬度の大小関係を逆転して、ブッシュ(51,52)の硬度を、Hv500以上且つHv700以下とする一方、ブッシュ孔(21b)の内周壁面の硬度を、Hv700以上且つHv900以下としてもよい。こうしても、ブッシュ(51,52)とブッシュ孔(21b)との硬度差が比較的小さくなるので、ブッシュ(51,52)の摩耗を効果的に抑制することができる。
【0097】
そして、押圧手段は、吐出側ブッシュをブッシュ孔内周壁面又はブレードへ押し付けるものであればよく、上記溝部、連通路及び流体供給通路に限定されるものではない。
【0098】
また、上記各実施形態では、溝部(61,62,…)を、ブッシュ(51,52)、ブレード(21b)及びシリンダ部(21)の何れか1つの吐出側にのみ設けるようにしたが、本発明はこれに限定されるものではない。つまり、それぞれの吸入側にも同時に設けるようにしてもよい。このことで、吐出側と吸入側とを区別する必要がないので、圧縮機構の組立時における失敗を未然に防止することができる。
【0099】
【発明の効果】
以上説明したように、第1の発明によると、連通路を有し、吐出側ブッシュをブッシュ孔の内周面へ向かって押圧するための押圧手段を設けたために、吐出側ブッシュの外壁面とブッシュ孔内周壁面との間の摩擦力が大きくなって、吐出側ブッシュの振動を防止することができる。その結果、ブッシュ孔の内周壁面の吐出側ブッシュに対する摩耗や焼き付きを効果的に抑制することができる。
【0100】
第2の発明によると、押圧手段が、揺動ピストンのブレードに対向するように吐出側ブッシュに形成され、ケーシング内の高圧の流体が供給される溝部を有する。また、第3の発明によると、押圧手段が、吐出側ブッシュに対向するように揺動ピストンのブレードに形成され、ケーシング内の高圧の流体が供給される溝部を有する。これらの発明によって、溝部内に供給された高圧流体により、吐出側ブッシュをブッシュ孔内周面へ向かって確実に押圧することが可能となる。
【0101】
第4の発明によると、回転式圧縮機について、連通路を有し、吐出側ブッシュを揺動ピストンのブレードへ向かって押圧するための押圧手段を備えることにより、吐出側ブッシュの外壁面とブレード側壁との間の摩擦力が大きくなって、吐出側ブッシュの振動を防止することができる。一方、吐出側ブッシュ外壁面とブッシュ孔内周面との間の摩擦力を小さくすることができる。したがって、仮にその吐出側ブッシュ外壁面とブッシュ孔内周面とが摺接したとしても、その摺接によるブッシュ孔内周面の摩耗や焼き付きを効果的に抑制することができる。
【0102】
第5の発明によると、押圧手段が、ブッシュ孔の内周面に対向するように吐出側ブッシュに形成され、ケーシング内の高圧の流体が供給される溝部を有する。また、第6の発明によると、押圧手段は、吐出側ブッシュに対向するようにブッシュ孔の内周面に形成され、ケーシング内の高圧の流体が供給される溝部を有する。これらの発明によって、溝部内に供給された高圧流体により、吐出側ブッシュを揺動ピストンのブレードへ向かって確実に押圧することが可能となる。
【0103】
第9の発明によると、ブッシュの硬度をHv700以上且つHv900以下とする一方、ブッシュ孔の内周壁面の硬度をHv500以上且つHv700以下とする。また、第10の発明によると、ブッシュの硬度をHv500以上且つHv700以下とする一方、ブッシュ孔の内周壁面の硬度をHv700以上且つHv900以下とする。これらの発明により、ブッシュとブッシュ孔内壁面との硬度差が小さくなるので、仮にブッシュとブッシュ孔とが摺接したとしても、ブッシュ及びブッシュ孔の摩耗量を効果的に低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1を示す回転式圧縮機の縦断面図である。
【図2】 実施形態1の回転式圧縮機における圧縮機構の縦断面図である。
【図3】 実施形態1におけるシリンダ部のブッシュ孔近傍を拡大して示す平面図である。
【図4】 実施形態1におけるシリンダを拡大して示す縦断面図である。
【図5】 その他の実施形態を示す図4相当図である。
【図6】 本発明の実施形態2を示す図3相当図である。
【図7】 本発明の実施形態3を示す図3相当図である。
【図8】 本発明の実施形態4を示す図3相当図である。
【図9】 本発明の実施形態5のシリンダ部の一部を拡大して示す平面図である。
【図10】 その他の実施形態を示す図9相当図である。
【図11】 各ブッシュに加わる荷重を示す説明図である。
【図12】 揺動ピストンの軸角度と、圧縮室内の圧力との関係を示すグラフ図である。
【符号の説明】
(1) 回転式圧縮機
(10) ケーシング
(19) シリンダ
(21b) ブッシュ孔
(22) フロントヘッド
(23) リヤヘッド
(25) シリンダ室
(28) 揺動ピストン
(28b) ブレード
(51) 吐出側ブッシュ
(52) 吸入側ブッシュ
(55,56,57,58) 連通路(流体供給通路、押圧手段)
(61,62,63,64) 溝部(押圧手段)
Claims (13)
- ケーシング( 10 )の内部に、圧縮機構( 20 )と、該圧縮機構( 20 )を駆動する圧縮機モータ( 30 )とを備え、
上記圧縮機構( 20 )は、上記ケーシング(10)内に設けられたシリンダ(19)と、上記シリンダ(19)のシリンダ室(25)に収納され、ブレード(28b)が一体形成された揺動ピストン(28)とを備え、
上記揺動ピストン(28)のブレード(28b)がブッシュ(51,52)を介してシリンダ(19)のブッシュ孔(21b)に挿入された回転式圧縮機であって、
上記ブッシュ(51,52)は吸入側のブッシュ(52)と、吐出側のブッシュ(51)とからなり、
上記吐出側ブッシュ(51)を上記ブッシュ孔(21b)の内周面へ向かって押圧するための押圧手段(55,56,…)を備え、
上記押圧手段( 55,56, …)は、上記吐出側ブッシュ( 51 )及び上記ブレード( 28b )の間の隙間と、上記ケーシング( 10 )の内部における上記圧縮機構( 20 )及び上記圧縮機モータ( 30 )の外側とを連通する連通路( 55,56, …)を有していることを特徴とする回転式圧縮機。 - 請求項1において、
上記押圧手段(61)は、揺動ピストン(28)のブレード(28b)に対向するように吐出側ブッシュ(51)に形成され、ケーシング(10)内の高圧の流体が供給される溝部(61)を有していることを特徴とする回転式圧縮機。 - 請求項1において、
上記押圧手段(62)は、吐出側ブッシュ(51)に対向するように揺動ピストン(28)のブレード(28b)に形成され、ケーシング(10)内の高圧の流体が供給される溝部(62)を有していることを特徴とする回転式圧縮機。 - ケーシング( 10 )の内部に、圧縮機構( 20 )と、該圧縮機構( 20 )を駆動する圧縮機モータ( 30 )とを備え、
上記圧縮機構( 20 )は、上記ケーシング(10)内に設けられたシリンダ(19)と、上記シリンダ(19)のシリンダ室(25)に収納され、ブレード(28b)が一体形成された揺動ピストン(28)とを備え、
上記揺動ピストン(28)のブレード(28b)がブッシュ(51,52)を介してシリンダ(19)のブッシュ孔(21b)に挿入された回転式圧縮機であって、
上記ブッシュ(51,52)は吸入側のブッシュ(52)と、吐出側のブッシュ(51)とからなり、
上記吐出側ブッシュ(51)を上記揺動ピストン(28)のブレード(28b)へ向かって押圧するための押圧手段(55,56,…)を備え、
上記押圧手段( 55,56, …)は、上記吐出側ブッシュ( 51 )及び上記ブッシュ孔( 21b )の内周面の間の隙間と、上記ケーシング( 10 )の内部における上記圧縮機構( 20 )及び上記圧縮機モータ( 30 )の外側とを連通する連通路( 55,56, …)を有していることを特徴とする回転式圧縮機。 - 請求項4において、
上記押圧手段(63)は、ブッシュ孔(21b)の内周面に対向するように吐出側ブッシュ(51)に形成され、ケーシング(10)内の高圧の流体が供給される溝部(63)を有していることを特徴とする回転式圧縮機。 - 請求項4において、
上記押圧手段(64)は、吐出側ブッシュ(51)に対向するようにブッシュ孔(21b)の内周面に形成され、ケーシング(10)内の高圧の流体が供給される溝部(64)を有していることを特徴とする回転式圧縮機。 - 請求項1又は4において、
上記シリンダ(19)は、上下方向に延びる円筒状のシリンダ部(21)と、該シリンダ部(21)の上部開口を閉塞するフロントヘッド(22)と、シリンダ部(21)の下部開口を閉塞するリヤヘッド(23)とから構成されており、
上記連通路( 56 )は、上記フロントヘッド(22)及びリヤヘッド(23)の少なくとも一方に形成されていることを特徴とする回転式圧縮機。 - 請求項1又は4において、
上記シリンダ(19)は、上下方向に延びる円筒状のシリンダ部(21)と、該シリンダ部(21)の上部開口を閉塞するフロントヘッド(22)と、シリンダ部(21)の下部開口を閉塞するリヤヘッド(23)とから構成されており、
上記連通路( 57,58 )は、上記シリンダ部(21)に形成されていることを特徴とする回転式圧縮機。 - 請求項1〜8の何れか1つにおいて、
上記ブッシュ(51,52)の硬度はHv700以上且つHv900以下である一方、ブッシュ孔(21b)の内周壁面の硬度はHv500以上且つHv700以下であることを特徴とする回転式圧縮機。 - 請求項1〜8の何れか1つにおいて、
上記ブッシュ(51,52)の硬度はHv500以上且つHv700以下である一方、ブッシュ孔(21b)の内周壁面の硬度はHv700以上且つHv900以下であることを特徴とする回転式圧縮機。 - 請求項9又は10において、
上記ブッシュ孔(21b)の内周壁面は、窒化処理、浸炭処理及び高周波焼き入れ処理の何れか1つの表面改質処理が施されていることを特徴とする回転式圧縮機。 - 請求項11において、
上記ブッシュ孔(21b)の内周壁面は、表面改質処理後に、0.1mm以上且つ0.5mm以下の取り代の仕上研磨加工が施されていることを特徴とする回転式圧縮機。 - 請求項1〜12の何れか1つにおいて、
圧縮する流体は二酸化炭素であることを特徴とする回転式圧縮機。
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