以下、本発明の実施の形態を図面に従って詳細に説明する。
次に本発明の好適な実施の形態について説明する。以下の説明において、プロセスカートリッジBの短手方向とは、プロセスカートリッジBを装置本体14へ着脱する方向であり、記録媒体の搬送方向と一致している。またプロセスカートリッジBの長手方向とは、プロセスカートリッジBを装置本体14へ着脱する方向と交差する方向(略直交する方向)であり、記録媒体の表面と平行であり、且つ、記録媒体の搬送方向と交差(略直交)する方向である。又、プロセスカートリッジに関し左右とは記録媒体の搬送方向に従って記録媒体を上から見て右又は左である。
図1は本発明の実施の形態を適用した電子写真画像形成装置(レーザービームプリンタ)の構成説明図、図2はその外観斜視図である。また図3〜図8は本発明の実施の形態を適用したプロセスカートリッジに関する図面である。図3はプロセスカートリッジの側断面図、図4はその外観の概略を図示した外観斜視図、図5はその右側面図、図6はその左側面図、図7はそれを上方(上面)から見た斜視図、図8はプロセスカートリッジを裏返して上方から見た斜視図である。また以下の説明において、プロセスカートリッジBの上面とは、プロセスカートリッジBを装置本体14へ装着した状態で上方に位置する面であり、下面とは下方に位置する面である。
(電子写真画像形成装置A及びプロセスカートリッジB)
まず、図1及び図2を用いて、本発明の実施の形態を適用する電子写真画像形成装置としてのレーザービームプリンタAについて説明する。また図3にプロセスカートリッジBの側断面図を示す。
このレーザービームプリンタAは、図1に示すように、電子写真画像形成プロセスによって記録媒体(例えば、記録紙、OHPシート、布等)に画像を形成するものである。そしてドラム形状の電子写真感光体(以下、感光体ドラムと称す)にトナー像を形成する。詳しくは、帯電手段によって感光体ドラムに帯電を行い、次いでこの感光体ドラムに光学手段から画像情報に応じたレーザ光を照射して前記感光体ドラムに画像情報に応じた潜像を形成する。そしてこの潜像を現像手段によって現像してトナー像を形成する。そして前記トナー像の形成と同期して、給紙カセット3aにセットした記録媒体2をピックアップローラ3b、搬送ローラ対3c,3d及びレジストローラ対3eで反転搬送する。次いで、プロセスカートリッジBの有する前記感光体ドラム7に形成したトナー像を転写手段としての転写ローラ4に電圧を印加することによって記録媒体2に転写する。その後トナー像の転写を受けた記録媒体2を搬送ガイド3fで定着手段5へと搬送する。この定着手段5は駆動ローラ5c及びヒータ5aを内蔵する定着ローラ5bを有する。そして通過する記録媒体2に熱及び圧力を印加して転写されたトナー像を定着する。そしてこの記録媒体2を排出ローラ対3g,3h,3iで搬送し、反転経路3jを通して排出トレイ6へと排出する。この排出トレイ6は画像形成装置Aの装置本体14の上面に設けられている。なお、揺動可能なフラッパ3kを動作させ、排出ローラ対3mによって反転経路3jを介することなく記録媒体2を排出することもできる。本実施の形態においては、前記ピックアップローラ3b、搬送ローラ対3c,3d、レジストローラ対3e、搬送ガイド3f、排出ローラ対3g,3h,3i及び排出ローラ対3mによって搬送手段3を構成している。
一方、前記プロセスカートリッジBは、図3乃至図8に示すように、感光層7e(図11参照)を有する感光体ドラム7を回転し、その表面を帯電手段である帯電ローラ8への電圧印加によって一様に帯電する。次いで光学系1からの画像情報に応じたレーザービーム光を露光開口部1eを介して感光体ドラム7へ照射して潜像を形成する。そしてこの潜像をトナーを用いて現像手段9によって現像する。すなわち、帯電ローラ8は感光体ドラム7に接触して設けられており、感光体ドラム7に帯電を行う。なおこの帯電ローラ8は、感光体ドラム7に従動回転する。また、現像手段9は、感光体ドラム7の現像領域へトナーを供給して、感光体ドラム7に形成された潜像を現像する。なお光学系1は、レーザーダイオード1a、ポリゴンミラー1b、レンズ1c、反射ミラー1dを有している。
ここで、前記現像手段9は、トナー容器11A内のトナーをトナー送り部材9bの回転によって、現像ローラ9cへ送り出す。そして、固定磁石を内蔵した現像ローラ9cを回転させると共に、現像ブレード9dによって摩擦帯電電荷を付与したトナー層を現像ローラ9cの表面に形成し、そのトナーを感光体ドラム7の現像領域へ供給する。そして、そのトナーを前記潜像に応じて感光体ドラム7へ転移させることによってトナー像を形成して可視像化する。ここで現像ブレード9dは、現像ローラ9cの周面のトナー量を規定すると共に摩擦帯電電荷を付与するものである。またこの現像ローラ9cの近傍には現像室内のトナーを循環させるトナー撹拌部材9eを回動可能に取り付けている。
そして転写ローラ4に前記トナー像と逆極性の電圧を印加して、感光体ドラム7に形成されたトナー像を記録媒体2に転写した後に、クリーニング手段10によって感光体ドラム7上の残留トナーを除去する。ここでクリーニング手段10は、感光体ドラム7に当接して設けられた弾性クリーニングブレード10aによって感光体ドラム7に残留したトナーを掻き落として廃トナー溜め10bへ集める。
なお、プロセスカートリッジBは、トナーを収納するトナー容器(トナー収納部)11Aを有するトナー枠体11と現像ローラ9c等の現像手段9を保持する現像枠体12とを結合する。そしてこれに感光体ドラム7、クリーニングブレード10a等のクリーニング手段10及び、帯電ローラ8を取付けたクリーニング枠体13を結合して構成している。そしてこのプロセスカートリッジBは、操作者によって画像形成装置本体14に着脱可能である。
このプロセスカートリッジBには画像情報に応じた光を感光体ドラム7へ照射するための露光開口部1e及び感光体ドラム7を記録媒体2に対向するための転写開口部13nが設けてある。詳しくは、露光開口部1eはクリーニング枠体13に設けられており、また、転写開口部13nは現像枠体12とクリーニング枠体13との間に構成される。
次に本実施の形態に係るプロセスカートリッジBのハウジングの構成について説明する。
本実施の形態で示すプロセスカートリッジBは、トナー枠体11と現像枠体12とを結合し、これにクリーニング枠体13を回動可能に結合して構成したハウジング内に前記感光体ドラム7、帯電ローラ8、現像手段9及びクリーニング手段10等を収納してカートリッジ化したものである。そして、このプロセスカートリッジBを画像形成装置本体14に設けたカートリッジ装着手段に対して取り外し可能に装着する。
(プロセスカートリッジBのハウジングの構成)
本実施の形態に係るプロセスカートリッジBは、前述したようにトナー枠体11と現像枠体12及びクリーニング枠体13を結合してハウジングを構成しているが、次にその構成について説明する。
図3及び図20に示すように、トナー枠体11にはトナー送り部材9bを回動可能に取り付けてある。また現像枠体12には現像ローラ9c及び現像ブレード9dを取り付け、更に前記現像ローラ9cの近傍には現像室内のトナーを循環させる撹拌部材9eを回動可能に取り付けてある。また、現像枠体12には図3及び図19に示すように現像ローラ9cの長手方向と対向して、前記現像ローラ9cと略平行にアンテナ棒9hが取り付けられている。そして前記トナー枠体11と現像枠体12を溶着(本実施の形態では超音波溶着)して一体的な第二枠体としての現像ユニットD(図13参照)を構成している。
なおプロセスカートリッジBを画像形成装置本体14から取り外したときに感光体ドラム7を覆い、これを長時間光に晒されるあるいは異物との接触等から保護するドラムシャッタ部材18をトナー現像ユニットに取り付けている。
このドラムシャッタ部材18は図6に示すように図3に示した転写開口部13nを開閉するシャッタカバー18aとシャッターカバー18aを支持するリンク18b,18cを備えている。このシャッタカバー18aの長手方向の両端部で記録媒体2の搬送方向の上流側で、図4、図5に示すように現像ホルダ40の穴40gに右側のリンク18cの一端が枢着され、図6、図7に示すように左側のリンク18cの一端はトナー枠体11の下方枠体11bに設けたボス11hに枢着されている。両側のリンク18cの他端はシャッターカバー18aのプロセスカートリッジBの装着方向に関し上流側に枢着されている。このリンク18cは金属線材であり、シャッターカバー18aに枢着した部分はプロセスカートリッジBの両側間でつながっていて左右のリンク18cは一体である。また、リンク18bはシャッタカバー18aの片側のみに設けられ、リンク18cを枢着した位置とは記録媒体2の搬送方向の下流側の端においてシャッタカバー18aに一端が枢着され、他端は現像枠体12に設けたダボ12dに枢着されている。このリンク18bは合成樹脂である。
リンク18b,18cは長さを異にしており、シャッタカバー18a、トナー枠体11と現像枠体12を併せた枠体を夫々リンクとする四節連鎖機構をなしている。両側のリンク18cに設けた側方へ突出する突出部18c1は画像形成装置14のカートリッジ装着スペースSの傍に設けた固設部材(不図示)と当接し、プロセスカートリッジBの移動により、ドラムシャッタ部材18を作動して、シャッターカバー18aを開くようになっている。
このシャッターカバー18a、リンク18b,18cからなるドラムシャッタ部材18は、ダボ12dに挿入され一端がリンク18bに係止され、他端が現像枠体12に係止された不図示のねじりコイルばねでシャッターカバー18aが転写開口部13nを覆うように付勢されている。
また、図3及び図12に示すようにクリーニング枠体13には感光体ドラム7、帯電ローラ8及びクリーニング手段10の各部材を取り付けて第一枠体としてのクリーニングユニットC(図12参照)を構成している。
そして、上記現像ユニットDと上記クリーニングユニットCを丸いピンの結合部材22によって互いに回動可能に結合することによってプロセスカートリッジBを構成する。即ち、図13に示すように、現像枠体12の長手方向(現像ローラ9cの軸線方向)両側に形成したアーム部19の先端には現像ローラ9cに平行に丸い形状の回動穴20が設けてある(図13参照)。一方、クリーニング枠体13の長手方向両側2箇所には前記アーム部19を進入するための凹部21が設けてある(図12参照)。この凹部21に前記アーム部19を挿入し、結合部材22をクリーニング枠体13の取付穴13eに圧入し、且つアーム部19端の回動穴20に嵌入して更に内側の穴13eに圧入して取り付けることにより、現像ユニットDとクリーニングユニットCは結合部材22を中心に回動可能に結合される。このときアーム部19の根本に立設した図示されないダボに挿入して取り付けた圧縮コイルばね22aがクリーニング枠体13の凹部21の上壁に当りこの圧縮コイルばね22aによって現像枠体12を下方へ付勢することにより、現像ローラ9cを感光体ドラム7へ確実に押し付ける。なおクリーニング枠体13の凹部21の上壁は現像ユニットDとクリーニングユニットCを組付ける際に上記圧縮コイルばね22aが非圧縮状態から圧縮を次第に強めるように傾斜が付されている。従って、図13に示すように現像ローラ9cの長手方向両端に現像ローラ9cよりも大径のスペーサコロ9iを取り付けることにより、このコロ9iが感光体ドラム7に押し付けられ、感光体ドラム7と現像ローラ9cとが一定間隔(約300μm程度)をもって対向する。したがって、現像ユニットDとクリーニングユニットCは結合部材22を中心にして互いに回動可能であり、そこで、圧縮コイルばね22aの弾性力によって、感光体ドラム7の周面と、現像ローラ9cの周面の位置関係を保持することができる。
このようにアーム部19の根本側において現像枠体12に圧縮コイルばね22aを取り付けてあるため、アーム部19根本以外へ圧縮コイルばね22aの加圧力が及ばず、現像枠体12へ取り付けた部材をばね座とするように、ばね座回りを特に強化しなくても、アーム部19根本側は強度、剛性の大きい部分であるため、精度の維持に効果がある。
なお、このクリーニング枠体13と現像枠体12の結合構成については後に更に詳述する。
(プロセスカートリッジBのガイド手段の構成)
次に、プロセスカートリッジBを装置本体14に着脱する際のガイド手段について説明する。なおこのガイド手段については、図9、図10に示している。なお、図9はプロセスカートリッジBを装置本体Aに装着する方向(矢印X)に見た場合(現像ユニットD側から見た場合)の左側の斜視図である。図10はその右側の斜視図である。
さて、上記クリーニング枠体13の両外側面には、図4、図5、図6、図7に示すように、プロセスカートリッジBを装置本体14に着脱するときのガイドとなるガイド手段が設けられている。該ガイド手段は位置決め用ガイド部材としての円筒形ガイド13aR,13aLと、着脱時の姿勢保持手段たるガイド部材としての回り止めガイド13bR,13bLとにより構成されている。
図5に示すように前記円筒形ガイド13aRは中空の円筒状部材であり、回り止めガイド13bRは前記円筒形ガイド13aRと一体成形であり、円筒形ガイド13aRの円周から一体でほぼ放射方向へ突出している。円筒形ガイド13aRには取付フランジ13aR1が一体に設けられている。このように円筒形ガイド13aR、回り止めガイド13bR、取付フランジ13aR1を有する右側ガイド部材13Rは取付フランジ13aR1の小ネジ用穴を挿通して小ネジ13aR2をクリーニング枠体13にねじ込み固定されている。クリーニング枠体13に固定された右側ガイド部材13Rの回り止めガイド13bRは現像枠体12に固定された後述の現像ホルダ40の側方へ延出するように現像枠体12の側面側に配設されている。
図6に示すようにクリーニング枠体13の穴13k1(図11参照)にドラム軸7aの拡径部7a2が嵌合している。そしてクリーニング枠体13の側面に突出する位置決めピン13cに嵌合して回転止めされ、小ねじ13dでクリーニング枠体13に固定された平板状のフランジ29に外方(図6の紙面に直交して手前方向)へ向って円筒形ガイド13aLが突設されている。このフランジ29の内部側には感光体ドラム7に嵌入した平歯ギア7nを回転自在に支持する固定の前記ドラム軸7aを備えている(図11参照)。前記円筒形ガイド13aLとこのドラム軸7aは同軸である。このフランジ29と、円筒形ガイド13aLと、ドラム軸7aは一体または一体的に金属材料例えば鉄材で作られる。
図6に示すように、円筒形ガイド13aLから少し離れて円筒形ガイド13aLのほぼ放射方向に細長い回り止めガイド13bLがクリーニング枠体13の側方へ突出するようにクリーニング枠体13に一体に成形されている。この回り止めガイド13bLがフランジ29と干渉する部分はフランジ29が切り欠かれてこの回り止めガイド13bLの側方への突出高さは頂面が円筒形ガイド13aLの頂面とほぼ一致する程度である。この回り止めガイド13bLは現像枠体12に固定した現像ローラ軸受箱9vの側方へ延出されている。このように左側ガイド部材13Lは金属製の円筒形ガイド13aLと合成樹脂製の回り止めガイド13bLが分れて別部材で設けられている。
次にクリーニングユニットCの上面13iに設けられた規制当接部13jについて説明する。ここで上面とは、プロセスカートリッジBを画像形成装置本体14に装着した際に、上方に位置する面である。
本実施の形態では、図4〜図7に示すようにクリーニングユニットCの上面13iであって、プロセスカートリッジ装着方向に対して直交する方向の右側端13p及び左側端13qに各々規制当接部13jを設けている。この規制当接部13jは、プロセスカートリッジBを画像形成装置本体14に装着した際に、プロセスカートリッジBの位置を規定するものである。すなわち、プロセスカートリッジBを装置画像形成本体14に装着した際に、画像形成装置本体14に設けられた固設部材25(図9、図10、図30参照)に前記規制当接部13jが当接して、プロセスカートリッジBは円筒形ガイド13aR,13aLを中心とする回動位置が規定される。
次に画像形成装置本体14側のガイド手段について述べる。画像形成装置本体14の開閉部材35を支点35aを中心に図1において反時計回りに回動すると、画像形成装置本体14の上部が開放され、プロセスカートリッジBの装着部が図9、図10のように見える。この開閉部材35を開けた開口部から画像形成装置本体14の左右両側の内壁のプロセスカートリッジBの着脱方向から見て左側に図9、右側に図10に示すようにガイド部材16R,16Lが夫々設けられている。
図に示すようにガイド部材16R,16Lには夫々プロセスカートリッジBの挿入方向の矢印Xから見て前下りになるように斜設したガイド部16a,16cと、このガイド部16a,16cに夫々つながりプロセスカートリッジBの円筒形ガイド13aR,13aLが丁度嵌入する半円形の位置決め溝16b,16dを備えている。この位置決め溝16b,16dは周壁が円筒形をしている。この位置決め溝16b,16dの中心はプロセスカートリッジBを装置本体14に装着時プロセスカートリッジBの円筒形ガイド13aR,13aLの中心と一致し従ってまた、感光体ドラム7の中心線とも一致する。
ガイド部16a,16cの幅は、プロセスカートリッジBの着脱方向から見て円筒形ガイド13aR,13aLが遊嵌する幅を有する。円筒形ガイド13aR,13aLの直径よりも夫々せまい幅をもつ回り止めガイド13bR,13bLは当然ゆるく嵌まり込むが円筒形ガイド13aR,13aL、回り止めガイド13bR,13bLはガイド部16a,16cにより回動を制約され、プロセスカートリッジBは一定範囲の姿勢を保って装着される。そしてプロセスカートリッジBが画像形成装置本体14へ装着された状態においては、プロセスカートリッジBの円筒形ガイド13aR,13aLが夫々ガイド部材13R,13Lの位置決め溝16b,16dに嵌合すると共にプロセスカートリッジBのクリーニング枠体13先端左右の規制当接部13jが装置本体14の固設部材25に当接するようになっている。
上述したプロセスカートリッジBは円筒形ガイド13aR,13aLの中心を結ぶ中心線を水平に保つと現像ユニットD側がクリーニングユニットC側よりも大きな一次モーメントを生ずるような重量配分になっている。
プロセスカートリッジBの画像形成装置本体14への装着には、トナー枠体11の凹部17側及び下側の夫々のリブ11cを片手でつかみ、円筒形ガイド13aR,13aLを夫々画像形成装置本体14のカートリッジ装着部のガイド部16a,16cへ挿入し、続いて挿入方向から見てプロセスカートリッジBを前下りにして回り止めガイド13bR,13bLを画像形成装置本体14のガイド部16a,16cへ挿入する。プロセスカートリッジBの円筒形ガイド13aR,13aL、回り止めガイド13bR,13bLは画像形成装置本体14のガイド部16a,16cに沿って奥側へ進み、プロセスカートリッジBの円筒形ガイド13aR,13aLが画像形成装置本体14の位置決め溝16b,16dに達すると、この円筒形ガイド13aR,13aLは位置決め溝16b,16dの位置へプロセスカートリッジBの重力で着座する。これによって、位置決め溝16b,16dに対してプロセスカートリッジBの円筒形ガイド13aR,13aLは正確に位置が定まる。そして円筒形ガイド13aR,13aLの中心を結ぶ中心線は、感光体ドラム7の中心線であるから、感光体ドラム7は画像形成装置本体14に概略に位置が定まる。尚、最終的にはカップリングが結合した状態で感光体ドラムは装置本体14に対する位置が決まる。
この状態では、画像形成装置本体14の固設部材25とプロセスカートリッジBの規制当接部13jはわずかに隙間がある。ここでプロセスカートリッジBを持っている手を離すと、プロセスカートリッジBはその円筒形ガイド13aR,13aLを中心にして現像ユニットD側が下り、クリーニングユニットC側が上昇し、プロセスカートリッジBの規制当接部13jは画像形成装置本体14の固設部材25に当接し、プロセスカートリッジBは画像形成装置本体14に対して正確に装着される。その後、開閉部材35を図1において支点35aを中心に時計回りに回動して閉める。
プロセスカートリッジBを装置本体14から取り外すのは、上記と逆で、装置本体14の開閉部材35を開いてプロセスカートリッジBの把手部をなす前述の上下のリブ11cに手を掛け持ち上げるようにすると、プロセスカートリッジBの円筒形ガイド13aR,13aLが装置本体14の位置決め溝16b,16dを中心に回動し、プロセスカートリッジBの規制当接部13jが装置本体14の固定部材25から離れる。プロセスカートリッジBを更に引くと上記円筒形ガイド13aR,13aLが上記位置決め溝16b,16dから脱出して装置本体14に固定したガイド部材16R,16Lのガイド部16a,16cへ移動し、そのまま、プロセスカートリッジBを引き上げるとプロセスカートリッジBの円筒形ガイド13aR,13aL、回り止めガイド13bR,13bLは装置本体14のガイド部16a,16c中を移動して上昇し、これによって、プロセスカートリッジBの姿勢を規制されて、プロセスカートリッジBは装置本体14の他の部分に当ることなく装置本体14外へ取り出される。
なお、図12に示すとおり、平歯ギア7nは感光体ドラム7の軸方向ではす歯のドラムギア7bと反対側の端部に設けられている。この平歯ギア7nは、プロセスカートリッジBが装置本体14に装着された際に、装置本体14に設けられた転写ローラ4と同軸のギア(図示せず)と噛合して、転写ローラ4を回転させる駆動力をプロセスカートリッジBから伝達する。
(トナー枠体)
図3、図5、図7、図16、図20、図21を用いてトナー枠体について詳細に説明する。図20はトナーシールを溶着する前の斜視図、図21はトナーを充填後の斜視図である。
図3に示すようにトナー枠体11は上方枠体11a及び下方枠体11bの2部品によって構成されている。この上方枠体11aは図1に示すように画像形成装置本本体14の光学系1の右方の空間を占めるように上方へ向って膨出しており、画像形成装置Aを大きくすることなく、プロセスカートリッジBのトナー量を増加するようにしている。図3、図4、図7に示すように上方枠体11aの長手方向中央に外側から凹部17が設けられており、把手の機能を有している。そこで操作者は、手でもって上方枠体11aの凹部17と下方枠体11bの下側を把んで持つ。なお、凹部17の片側及び下方枠体11bの下側に設けた長手方向のリブ11cはプロセスカートリッジBを持つ場合の滑り止めとなっている。そして、図3に示すようにこの上方枠体11aのフランジ11a1を下方枠体11bの回り縁付のフランジ11b1に嵌合し溶着面Uで合わせて、超音波溶着により溶着リブを溶かすことにより両枠体11a,11bを一体化している。ただし結合方法としては、超音波溶着に限定されずに、例えば熱溶着、強制振動、あるいは接着等で行なっても良い。両枠体11a,11bを超音波溶着する際に上述のフランジ11b1で両枠体11a,11bを支持するほか、開口部11iの外側上方にフランジ11b1とほぼ同一平面上に段部11mを設けてある。この段部11mを設けるための構成は後述する。
なお、両枠体11a,11bを結合するのに先立って、下方枠体11bの内部にトナー送り部材9bを組み込む。さらに、図16に示すようにトナー送り部材9bの端部に係止するようにカップリング部材11eをトナー枠体11の側板の穴11e1から組み込む。前記穴11e1は、下方枠体11bの長手方向一側端に設けられている。そしてこの穴11e1と同じ側にトナーを充填するためのほほ直角三角形のトナー充填口11dが設けられている。このトナー充填口11dの縁は上下トナー枠体11a,11bの合せ目近くに沿う直角側の一辺と、この一辺に直角な上下方向の一辺、及び下方枠体11bの下側に沿う斜辺を有する。このためトナー充填口11dは最大限の大きさを採用することができている。そこで穴11e1とトナー充填口11dは並んで設けられている。更に、図20に示すようにトナー枠体11の長手方向には、トナー枠体11から現像枠体12へトナーを送るためのトナー枠体11の開口部11iが設けられており、この開口部11iをふさぐようにシール(後述)を溶着する。その後、トナー充填口11dからトナーを充填し、トナー充填口11dを図21で示すようにトナーキャップ11fでふさいでトナーユニットJとして完成する。トナーキャップ11fはポリエチレン、ポリプロピレン等の材質で形成されており、トナー枠体11に設けられたトナー充填口11dに圧入または接着されて抜け止めされる。更にトナーユニットJは後述する現像枠体12と超音波溶着し、現像ユニットDとなる。ただし結合方法としては、超音波溶着に限定されずに、接着、あるいは弾性力を用いてスナップフィット等で行なってもよい。
また、図3に示すように、トナー枠体11の下方枠体11bの斜面Kはトナーが消費されると自然に落下する傾斜角度θ、即ち、装置本体14を水平にした状態で装置本体14に装着されたプロセスカートリッジBの有する斜面Kと水平線Zとのなす角度θが約65°程度が好適である。また、下方枠体11bはトナー送り部材9bの回転領域を逃げるように下方に凹形部11gを有している。トナー送り部材9bの回転直径は37mm程度である。凹形部11gは斜面Kの延長線より約0mm〜10mm位凹であれば良い。これはもし凹形部11gが斜面Kより上方にあるとすると、斜面K上方より自然落下してきたトナーが凹形部11gと斜面Kの間のトナーが現像枠体12内に送られなくなり、トナーが残ってしまう場合が予想されるが、本実施の形態では確実にトナーをトナー枠体11から現像枠体12へ送り出すことができる。
なおトナー送り部材9bは直径2mm程度の棒状の鉄系の材質が用いられ、クランク形状となっており、図20に片側を図示するように夫々に設けたジャーナル9b1の一方をトナー枠体11の開口部11i内に面する部分の穴11rに枢着すると共に他方をカップリング部材11eに固定してある(結合部は図20では見えない)。
以上のようにトナー枠体11の底面にトナー送り部材9bの逃げとして凹形部11gを設けることにより、コスト上昇することなく安定したトナー送り性能が得られる。
図3、図20、図22に示すようにトナー枠体11の現像枠体12との接合部には、トナー枠体11から現像枠体12へトナーを送り出す開口部11iが設けられている。この開口部11iの周囲には凹面11kが設けられている。この凹面11kの上下のフランジ11j,11j1の長手方向にじかに両縁側には条溝11nが平行して設けられている。なお、この凹面11kの上方のフランジ11jは門形をしており、下方のフランジ11j1は、凹面11kに対して交叉方向である。図22に示すようにこの条溝11nの底11n2は凹面11kよりも外方(現像枠体12側)へ突出した位置にある。なお、図39に略画で示すように開口部11iのフランジ11jは額縁状として一平面となるようにしてもよい。
図19に示すように現像枠体12のトナー枠体11との対向面は一平面12uであり、この平面12uの上下および長手両側にはこの平面12uよりも後退した位置にこの平面12uに平行なフランジ12eが額縁状に閉じた形に設けられ、このフランジ12eの縁に長手方向に沿ってトナー枠体11の条溝11nに嵌合する突条12vが設けられている。この突条12vの頂面には超音波溶着する際の三角突条12v1が設けられている(図22参照)。そこで夫々部品を仕組まれた後のトナー枠体11と現像枠体12は、このトナー枠体11の条溝11nと現像枠体12の突条11vを嵌合しその長手方向に沿って超音波溶着されるようになっている(詳細は後述する)。
図21に示すようにトナー枠体11の開口部11iを塞ぐように、凹面11kに長手方向に裂け易いカバーフィルム51が貼り付けられている。このカバーフィルム51は、凹面11kにおいて、前記開口部11iの4辺の縁に沿ってトナー枠体11に貼り付けられている。このカバーフィルム51には開口部11iを開封するために、カバーフィルム51を引き裂くためのテアテープ52が溶着されている。そしてこのテアテープ52は、開口部11iの長手方向一端52bで折り返されて、現像枠体12のトナー枠体11と対向する平面の長手方向の端部に貼り付けられた、例えばフエルトのような弾性シール材54(図19参照)とトナー枠体11間を通って外部へ引き出され、テアテープ52の外部へ引き出された端部52aは手掛けとなる把手部材11tを取り付けてある(図6、図20、図21参照)。この把手部材11tはトナー枠体11と一体成形されており、トナー枠体11とつながる部分を特に薄くして切り離せるようにしてあり、テアテープ52の端部をこの把手部材11tに貼り付けてある。なお該シール材54表面の内部寄りには、摩擦係数の小さい合成樹脂フィルム状のテープ55が貼り付けられている。またさらに、この弾性シール材54を貼り付けた位置と長手方向の反対側の端部において平面12eには、弾性シール材56が貼り付けられている(図19)。
上述した、弾性シール材54,56は、フランジ12e長手方向両端において短手方向の全幅においてフランジ12eに貼り付けてある。そして弾性シール材54,56は凹面11kの長手方向の両端部のフランジ11jに一致し、且つそのフランジ11jの短手方向の全幅にわたり、さらに突条12vとオーバーラップしている。
またさらに、トナー枠体11と現像枠体12を結合する際に、両枠体11,12の位置合わせを容易にするために、トナー枠体11のフランジ11jには、現像枠体12に設けた円筒形ダボ12w1、角形ダボ12w2と嵌合する丸穴11r、角穴11qが設けられている。ここで丸穴11rはダボ12w1と密に嵌合し、角穴11qはダボ12w2と短手方向は密に、長手方向はラフに係合する。
トナー枠体11と現像枠体12を結合する際には、トナー枠体11、現像枠体12は夫々を仕組品として独立に組立る。その後に、現像枠体12の位置決め用の円筒形ダボ12w1、角形ダボ12w2をトナー枠体11の位置決め用の丸穴11r、角穴11qに嵌入する。また、トナー枠体11の条溝11nに現像枠体12の突条12vを夫々嵌め込む。そして、トナー枠体11と現像枠体12を互いに圧接すると、シール材54,56はトナー枠体11の長手方向両端部のフランジ11jに接して圧縮され、現像枠体12の平面12uの長手方向両側で短手方向に一体成形で設けたスペーサの役をする突条12zがトナー枠体11のフランジ11jに接近する。ここで、テアテープ52の通過を許すように、前記突条12zは、テアテープ52の幅方向(短手方向)の両側にのみ設けられている。
上記状態でトナー枠体11と現像枠体12を圧して突条12vと条溝11n間に超音波振動を加え、摩擦熱によって前記三角突条12v1を溶かして条溝11nの底と溶着する。これによって、トナー枠体11の条溝11nの縁11n1、現像枠体12のスペーサ用の突条12zは夫々相手部材と密着状態となり、トナー枠体11の凹面11kと対向する現像枠体12の対向平面12u間には周縁が密着された空間ができる。この空間に前記カバーフィルム51、テアテープ52が納まる。
また、トナー枠体11に収納されたトナーを現像枠体12へ送り出すためには、プロセスカートリッジBの外部へ突出しているテアテープ52の端部52a(図6)の把手部材11tの根本側をトナー枠体11から、切り離すか、引きちぎった後に把手部材11tを操作者が手で引くことにより、カバーフィルム51が引き裂かれて、トナー枠体11の開口部11iが開封され、トナーをトナー枠体11から現像枠体12へ送り出し可能となる。そして、弾性シール材54,56は平たい帯状の六立方形のまま、トナー枠体11のフランジ11jの長手方向の両端部で厚さのみ小さくなるように変形しているのでシール性がよい。
このようにトナー枠体11と現像枠体12の対向面が構成されているので、カバーフィルム51を引き裂く力をテアテープ52に加えると、テアテープ52を両枠体11,12間から円滑に引き出せる。
またさらにトナー枠体11と現像枠体12を超音波溶着する際に、摩擦熱が生じてこの摩擦熱によって三角突条12v1を溶融する。この摩擦熱により、トナー枠体11及び現像枠体12には熱応力が生じて熱変形するおそれがある。しかしながら本実施の形態によれば、トナー枠体11の条溝11nと現像枠体12の突条12vが長手方向の略全範囲にわたって嵌合しており、両枠体11,12の結合状態において、溶着部周辺が強化されており、熱応力による熱変形が生じ難い。
トナー枠体11、現像枠体12を形成する材質としては、プラスチック例えばポリスチレン、ABS樹脂アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体、ポリカーボネイト、ポリエチレン、ポリプロピレン等である。
ここで図3には本実施の形態に用いられるトナー枠体11の側断面図が示されている。図3は、トナー枠体11が現像枠体12と結合す結合面JPを大略鉛直方向に配置して示してある。
本実施の形態に用いるトナー枠体11について更に詳細に説明する。トナー容器11Aに収納している一成分トナーを開口部11i方向へ効率よく落下させるために、2つの斜面K,Lを有している。この斜面K,Lはともに、トナー枠体11の長手方向全幅に設けられている。斜面Lは、開口部11iの上方に配置されており、また、斜面Kは開口部11iの奥側(トナー枠体11の短手方向)に配置されている。また斜面Lは上方枠体11aに形成されており、斜面Kは下方枠体11bによって構成される。そして斜面Lは装置本体14にプロセスカートリッジBを装着状態において鉛直方向又は鉛直方向よりも面が下向きである。また、斜面Kは、トナー枠体11と現像枠体12の結合面JPに直交する線mに対する角度θ3が約20度〜40度である。言い換えれば、本実施の形態では上方枠体11aに下方枠体11bを結合するにあたって、下方枠体11bを前記設置角度でもって設置できるように上方枠体11aの形状を規定している。そこで本実施の形態によれば、トナーを収容しているトナー容器11Aは、効率よくトナーを開口部11i方向へ供給することができる。
次に、現像枠体について、更に詳細に説明する。
(現像枠体)
現像枠体12について図3、図14、図15、図16、図17、図18を用いて説明する。図14は現像枠体12に各部品を組み込む状態で示した斜視図、図15は現像枠体12に現像部駆動伝達ユニットDGを組み込む状態を示す斜視図、図16は該駆動伝達ユニットDGが取り付けられていない状態で現像ユニットを示す側面図、図17は現像部駆動伝達ユニットDGを内部側から見る側面図、図18は軸受箱の内部を示す斜視図である。
現像枠体12には、前述のように現像ローラ9c、現像ブレード9d、トナー攪拌部材9e及びトナー残量を検出するためのアンテナ棒9hが組み込まれる。
現像ブレード9dは、図14に示すように厚さ1〜2mm程度の板金9d1にウレタンゴム9d2がホットメルト、両面接着テープ等で固定されたもので、ウレタンゴム9d2が現像ローラ9cの母線に接することによって現像ローラ9c周面上のトナー量を規制する。現像枠体12に設けられたブレード取り付け部としてのブレード突当て平面12iの長手方向の両端部には、ダボ12i1(エル)、角形突起12i3及びねじ用穴12i2が設けられている。そこで、板金9d1に設けられた穴9d3、切り込み9d5を前記夫々ダボ12i1、突起12i3に嵌合する。その後、板金9d1に設けられたねじ穴9d4を挿通して小ねじ9d6を前記ねじ用穴12i2にねじ込み、板金9d1を平面12iに固定する。なお、現像枠体12には、板金9d1の上方長手方向に沿って、トナーの外部への漏れを防ぐため、モルトプレーン等の弾性シール部材12sを貼り付けている。更に、この弾性シール部材12sの両端から続いて現像ローラ9cに沿う円弧面12jまで、弾性シール部材12s1が貼り付けられている。また更に、下あご部12hには現像ローラ9cの母線に接する薄片の弾性シール部材12s2が貼り付けられている。
ここで、現像ブレード9dの板金9d1の一端は略90°に曲げられ曲げ部9d1aとなっている。
次に、現像ローラユニットGについて図14、図18を用いて説明する。現像ローラユニットGは、(1)現像ローラ9c、(2)現像ローラ9c周面と感光体ドラム7周面間の距離を一定にするためのスペーサコロ9i、なおこのスペーサコロ9iは合成樹脂製の電気絶縁材製であって、感光体ドラム7のアルミニウムAl(エル)製の円筒部と現像ローラ9cのアルミニウムAl(エル)製の円筒部がリークしないように現像ローラ9cの両端部に被せるスリーブキャップを兼ねている。(3)現像ローラ9cを回転自在に支持し現像枠体12に位置決めするための現像ローラ軸受9j(図14に特に拡大して図示)(4)感光体ドラム7に設けられたはす歯のドラムギア7bから駆動を受けて、現像ローラ9cを回転させるための現像ローラギア9k(はす歯ギア)、(5)現像ローラ9c端部に一端が嵌合している現像コイルバネ接点9l(エル)(図18参照)、及び、(6)現像ローラ9c内部に設けられ、トナーを現像ローラ9c周面上に付着させるためのマグネット9gでユニット化されている。なお、図14では軸受箱9vを現像ローラユニットGに対して既に取り付けてあるが、現像ローラユニットGは現像枠体12の側板12A,12Bにわたされた後軸受箱9vを現像枠体12に取り付ける際に軸受箱9vと結合されるものある。
この現像ローラユニットGは、図14に示すように現像ローラ9cの一端には金属フランジ9pが嵌合固定され、このフランジ9pは外方へ向って現像ローラギア取付軸部9p1が突出し、この現像ローラギア取付軸部9p1は円筒部に二面幅部を有し、この二面幅部付の円筒部に嵌合して回り止めされて合成樹脂製の現像ローラギア9kが嵌合している。現像ローラギア9kははす歯ギアであって回転時、軸方向の推力は現像ローラ9cの中央部へ向うようにねじれている(図38参照)。このフランジ9p中を通ってマグネット9gのDカットされた欠円形軸9g1が外部へ突出している。この欠円形軸9g1の一方は後述の駆動伝達ユニットDGの現像ホルダ40に嵌合し、非回転で支持される。前述した現像ローラ軸受9jには内側へ突出する回り止め突起9j5を有する丸穴が設けられ、この丸穴にC形の軸受9j4が丁度嵌合し、この軸受9j4に回転自在に前記フランジ9pが嵌合している。現像ローラ軸受9jは現像枠体12のスリット12fに嵌め込まれ、現像ホルダ40の突起40fを現像枠体12の穴12g及び現像ローラ軸受9jの穴9j1に挿入し、現像ホルダ40を現像枠体12に固定することにより保持される。上記軸受9j4はつば付きであり、つば部のみC形をしているが、軸方向すべての断面がC形であっても差し支えない。上記現像ローラ軸受9jの軸受9j1の嵌入する穴は、段付穴であり、上記回り止め突起9j5は軸受9j4のつばが嵌入する大径部に設けられている。この軸受9j及び後述の軸受9fはポリアセタール、ポリアミド等である。
中空円筒形の現像ローラ9cを挿通しているマグネット9gの両端部は現像ローラ9cから両端に突出し他端の欠円形軸9g1は図18に示す現像ローラ軸受箱9vに設けた図の上側にあり見えないD形の支持穴9v3に嵌合する。現像ローラ9cの端部内周には絶縁部材よりなる中空のジャーナル9wが嵌入固定され、このジャーナル9wと一体の縮径円筒部9w1は現像ローラ9cと導通のとれた現像コイルばね接点9l(エル)とマグネット9g間を絶縁している。つば付の軸受9fは合成樹脂の絶縁体であって前記マグネット支持穴9v3と同心の軸受嵌合穴9v4に嵌合する。この軸受嵌合穴9v4に設けたキー溝9v5には軸受9fに一体に設けたキー部9f1が嵌合することにより軸受9fは回り止めされる。
上述の軸受嵌合穴9v4は底があり、この底には中抜きの円板状の現像バイアス接点121の内部側端部がある。現像ローラ軸受箱9vに現像ローラ9cを組付けるとこの現像バイアス接点121に金属の現像コイルばね接点9l(エル)が縮められて圧接する。前記現像バイアス接点121は円板状部の外径から折曲し、軸受嵌合穴9v4の軸方向の凹部9v6に嵌合して軸受9fの外側をとおる導出部121aと、第1の導出部121aに続いて軸受嵌合穴9v4の端部の切り欠き9v7に嵌まり込んで折曲された第2の導出部121b、第2の導出部121bから折曲した第3の導出部121c、第3の導出部121cから現像ローラ9cから見て半径方向の外側へ折曲した第4の導出部121d、第4の導出部121dから同じ向きに折曲した外部接点部121eを有する。このような現像バイアス接点121を支持するため、現像ローラ軸受箱9vには長手方向内部側へ向って支持部9v8が突出し、この支持部9v8は第3、第4の導出部121c、121d及び外部接点部121eに接する。また、第2の導出部121bには現像ローラ軸受箱9vの裏側で長手方向内部側へ突出するダボ9v9に圧入される止め穴121fを有する。この現像バイアス接点121の外部接点部121eはプロセスカートリッジBを装置本体14へ装着した際、後述の装置本体14側の現像バイアス接点部材125と接触するものである。これにより現像ローラ9cへ現像バイアスが印加される。
現像ローラ軸受箱9vに設けられた2個の円筒形突部9v1と図19に示す現像枠体12の長手方向一側端に設けられた穴部12mに嵌合し、現像ローラ軸受箱9vを現像枠体12に対して位置決めする。また現像ローラ軸受箱9vのねじ穴9v2を挿通して不図示の小ねじを現像枠体12のめねじ12cにねじ込み、現像ローラ軸受箱9vを現像枠体12に対して固定する。
このように本実施の形態においては、現像ローラ9cを現像枠体12に取り付けるあたって、まず現像ローラユニットGを組立てる。そして組立てた現像ローラユニットGを現像枠体12に取り付ける。
なお現像ローラユニットGの組立ては、次の工程で行われる。まず、フランジ9pを組み込んだ現像ローラ9c中にマグネット9gを挿通させ現像ローラ9cの一端にジャーナル9w、現像コイルばね接点9l(エル)を取り付け、両端夫々にスペーサコロ9iを取り付け、更にその外側に現像ローラ軸受9jを夫々取り付ける。次いで現像ローラ9cの一端の現像ローラギア取付軸部9p1に現像ローラギア9kを取り付ける。そして、現像ローラ9cの現像ローラギア9kが取り付けられた両端には、先端がDカットされたマグネット9gの欠円形軸9g1を突出させている。このようにして、現像ローラユニットGを構成している。
次に、トナー残量を検知するためのアンテナ棒9hについて説明する。図14、図19に示すように、アンテナ棒9hは、その一端がクランク状に曲げられている。この一端の接点部9h1(トナー残量検出接点122)は装置本体14に取り付けられている後述のトナー検出接点部材126に接触して、電気的に接続する。このアンテナ棒9hを現像枠体12に取り付けるにはまず、アンテナ棒9hの先端を現像枠体12の側板12Bに設けられた貫通穴12bを貫通させて内部に挿入する。そして、現像枠体12の反対側の側面に設けられた不図示の穴に前記先端を支持させる。このようにアンテナ棒9hは貫通穴12bと前記不図示の穴により位置決めして支持される。また前記貫通穴12bにはトナーの侵入を防ぐため、シール部材(図示せず)(例えば合成樹脂リングまたはフエルトあるいはスポンジ等)が挿入されている。
なお、クランク状の接点部9h1のアーム部分は現像ローラ軸受箱9vが現像枠体12に取り付けられると、現像ローラ軸受箱9vがアンテナ棒9hの移動を阻止し、アンテナ棒9hが外方へは脱出しない位置にある。
ここで、前記アンテナ棒9hの先端を挿入する側の現像枠体12の側板12Aはトナー枠体11と現像枠体12を結合した際に、トナー枠体11の側面側に延出してトナー下方枠体11bに設けられたトナーキャップ11fと対向してトナーキャップ11fを一部覆う。また側板12Aには、図16に示すように穴12xが設けられており、この穴12xには、トナー送り部材9bに駆動力を伝達するためのトナー送りギア9sの軸継手部9s1(図15)が挿通する。このトナー送りギア9sは、トナー送り部材9bの端部に係合しトナー枠体11に回転自在に支持されているカップリング部材11e(図16、図20参照)と連結して、トナー送り部材9bに駆動力を伝達する軸継手部9s1を一体に備えている。
図19に示すように現像枠体12にはアンテナ棒9hと平行し、トナー攪拌部材9eが回転自在に支持されている。このトナー攪拌部材9eはクランク状で一方のジャーナルが側板12Bの軸受穴(不図示)に嵌合し、他方のジャーナルは図16に示す側板12Aに回転自在に支持される軸部を一体に有するトナー攪拌ギア9mに嵌入すると共に、クランクアームを該軸部の切り欠きに引っ掛けて、攪拌ギア9mの回転をトナー攪拌部材9eに伝えるようにしてある。
次に、現像ユニットDへの駆動力の伝達について説明する。
図15に示すように、Dカットされたマグネット9gの欠円形軸9g1に現像ホルダ40の支持穴40aが嵌入し非回転に支持される。現像ホルダ40を現像枠体12に取り付けると、現像ローラギア9kは歯車列GTのギア9qと噛合い、トナー攪拌ギア9mは小ギア9s2と噛合う。これによってトナー送りギア9s及びトナー攪拌ギア9mは現像ローラギア9kより駆動力の伝達を受けられるようになる。
ギア9qからトナー送りギア9sまでのギアは総てアイドラギアである。現像ローラギア9kに噛合うギア9qとこのギア9qと一体の小ギア9q1は現像ホルダ40と一体のダボ40bに回転自在に支持されている。小ギア9q1と噛合う大ギア9rとこのギア9rと一体の小ギア9r1は現像ホルダ40と一体のダボ40cに回転自在に支持されている。小ギア9r1はトナー送りギア9sと噛合っている。トナー送りギア9sは現像ホルダ40に一体に設けたダボ40dに回転自在に支持されている。トナー送りギア9sは軸継手部9s1を有する。トナー送りギア9sには小ギア9s2が噛合っている。小ギア9s2は現像ホルダ40に一体に設けたダボ40eに回転自在に支持されている。上記ダボ40b,40c,40d,40eは直径約5〜6mm程度であり、ギア列GTの各ギアを支持する。
以上の構成を取ることにより、同一の部材(本実施の形態では現像ホルダ40)によってギア列を構成するギアの支持を行うことができる。従って、組立に関し、現像ホルダ40に歯車列GTを部分組立ができ、組立工程を分散し、簡単化できる。即ち、現像枠体12へはアンテナ棒9h、トナー撹拌部材9eを組み付けた上、現像ローラユニットGを現像部駆動伝達ユニットDG、歯車箱9vを夫々現像枠体12へ組み付けるのと同時に組立て現像ユニットDを完成する。
また、図19において、12pは開口部であって、現像枠体12の長手方向に沿って設けられている。そしてこの開口部12pは、トナー枠体11と現像枠体12とを結合した状態で、トナー枠体11の有する開口部11iと対向する。そしてトナー枠体11に収容されているトナーを、現像ローラ9cへ供給可能とする。また、この開口部12pの長手方向全幅に沿って前記攪拌部材9e及びアンテナ棒9hが取り付けられている。
またこの現像枠体12を形成する材質としては、前述したトナー枠体11の材質と同様である。
(電気接点の構成)
次に、前記プロセスカートリッジBを画像形成装置本体14に装着したときに、両者を電気的に接続するための接点の接続と配置について図8、図9、図11、図23、図30を用いて説明する。
プロセスカートリッジBには、図8に示すように、複数の電気接点が設けてある。尚、感光体ドラム7に滞留する電荷を装置本体14へ逃がすためのドラムアース接点119を備えたドラムアース機構については後述する。即ち、(1)帯電ローラ8へ装置本体14から帯電バイアスを印加するために、帯電ローラ軸8aと電気的に接続した導電性帯電バイアス接点120、(2)現像ローラ9cに装置本体14から現像バイアスを印加するために、現像ローラ9cと電気的に接続した導電性現像バイアス接点121、(3)トナー残量を検出するめたに、アンテナ棒9hと電気的に接続した導電性トナー残量検出接点122、の4個の接点がカートリッジ枠体側面と底面から露出するように設けてある。そして前記4個の接点119〜122は、ドラムアース接点119を除いてプロセスカートリッジBの装着方向から見て全てカートリッジ枠体の左側の側面及び底面に、各接点間が電気的にリークしない距離を隔てて設けられている。なお、アース接点119及び帯電バイアス接点120はクリーニングユニットCに設けられており、また、現像バイアス接点121及びトナー残量検出接点122は現像枠体12に設けられている。また、前記トナー残量検出接点122は、プロセスカートリッジBが装置本体14に装着されたことを装置本体14に検出させるための、プロセスカートリッジ有無検出接点を兼ねる。
帯電バイアス接点120、現像バイアス接点121は厚さが約0.1mm〜0.3mm程度の導電性の金属板(例えば、ステンレススチール、燐青銅)をプロセスカートリッジ内部から張り巡らせている。そして、帯電バイアス接点120はクリーニングユニットCの反駆動側底面から露出し、現像バイアス接点121及びトナー残量検出接点122は現像ユニットDの反駆動側底面から露出するように設けられている。
更に詳細に説明する。
前述した通り、本実施の形態においては、図11に示すように感光体ドラム7の軸線方向一側端にはす歯のドラムギア7bを設けている。このドラムギア7bは、現像ローラギア9kと噛合して、現像ローラ9cを回転させる。なおこのドラムギア7bは、回転する際にスラスト力(図11に示す矢印d方向)を生じて、長手方向に遊びを有してクリーニング枠体13に設けらている感光体ドラム7をドラムギア7bが設けられている側へ付勢し、そして、ドラムギア7bの側端7b1がクリーニング枠体13に固定した軸受38内側端面38bに突き当たる。これによって、感光体ドラム7はプロセスカートリッジBの内部において、軸線方向の位置が規定される。ドラム軸7aは、感光層7eを被覆されているドラム筒7d(本実施の形態ではアルミニウム製)の中心に進入する。
また、前記帯電バイアス接点120は、クリーニング枠体13の帯電ローラ8を支持している部分の近傍に設けられている(図8参照)。そして前記帯電バイアス接点120は、図23に示すように前記帯電ローラ軸8aと接触している複合ばね8bを介して前記帯電ローラ8の軸8aと電気的に接続している。この複合ばね8bはクリーニング枠体13に設けたほぼ帯電ローラ8と感光体ドラム7の中心を結ぶ線上のガイド溝13gに滑合している帯電ローラ軸受8cと該ガイド溝13gの一方端にあるばね座120b間に縮設された複合ばね8bの圧縮コイルばね部8b1のばね座側座巻部から帯電ローラ軸8aに圧接する内部接点8b2を有している。前記帯電バイアス接点120は図23に示すように外部露出部120aからクリーニング枠体13内に入り、帯電ローラ8の一端側の帯電ローラ軸8aの移動方向に対して横切るように折曲してばね座120bを終端としている。
次に、現像バイアス接点121及びトナー残量検出接点122について説明する。これら両接点121,122は、クリーニング枠体13の一側端13kと同じ側に設けられている現像ユニットDの底面に設けられている。そして前記現像バイアス接点121の第3の導出部、即ち外部接点部121eは、平歯ギア7nを間にして帯電バイアス接点120とは反対側に配設されている。そして既に述べたように前記現像バイアス接点121は、前記現像ローラ9cの側端と導通している現像コイルバネ接点9l(エル)を介して前記現像ローラ9cと電気的に接続している(図18参照)。
図38はドラムギア7b、現像ローラギア9kに生ずるスラストと現像バイアス接点121の関係を摸式的に示す。既に述べたように駆動により感光体ドラム7は図38において矢印d方向に移動し、ドラムギア7b側の端面が、図38には図示されない軸受38端面(図32参照)と接触して回転し、感光体ドラム7の長手方向位置は一定する。一方ドラムギア7bに噛合う現像ローラギア9kは矢印dと反対の矢印e方向にスラストを受け、現像バイアス接点121を押圧している現像コイルばね接点9l(エル)を押圧し、現像ローラ9cと現像ローラ軸受9jとの間に働いている現像コイルばね接点9lによる矢印f方向の押圧力を軽減させる。これによって現像コイルばね接点9lと現像バイアス接点121との接触を確実とし、現像ローラ9c端面と現像ローラ軸受9j端面間の摩擦抵抗を軽減し、現像ローラ9cの回転を円滑にする。
また、図8に示すトナー残量検出接点122は、カートリッジ装着方向(図9矢印X方向)に対して前記現像バイアス接点121の上流側に現像枠体12から露出して設けられている。そして、図19に示すようにトナー残量検出接点122は、前記現像ローラ9cのトナー枠体11側において、現像枠体12に前記現像ローラ9cの長手方向に沿って設けられた導電性材料、例えば金属線のアンテナ棒9hの一部となっている。前述した通り、前記アンテナ棒9hは、現像ローラ9cの長手方向全長にわたって現像ローラ9cと一定距離を隔てた位置に設けられている。プロセスカートリッジBを装置本体14に装着すると装置本体14側のトナー検出接点部材126と接触する。そして、このアンテナ棒9hと現像ローラ9cとの間の静電容量は両者間に存在するトナー量によって変化する。そこで、この静電容量の変化を電位差変化として、装置本体14のトナー検出接点部材126と電気的につながっている制御部(図示せず)によって検出することにより、トナー残量を検出するものである。
ここで前記トナー残量とは、現像ローラ9cとアンテナ棒9hの間に存在するトナー量が、所定の静電容量を生ずるトナー量である。これによって、トナー容器11A内のトナー残量が、所定の量となったことを検出できる。そこで、装置本体14に設けた前記制御部によって、前記トナー残量検出接点122を介して静電容量が第一の所定の値になったことを検出し、トナー容器11A内のトナー残量が所定の量となったことを判別する。装置本体14は、静電容量が前記第一の所定の値となったことを検出すると、プロセスカートリッジBの交換報知を行う(例えば、ランプの点滅、ブザーによる音の発生)。また、前記制御部は、前記静電容量が前記第一の所定の値よりも小さい第二の所定の値を検出することによって、プロセスカートリッジBが装置本体14に装着されたことを検出する。また、前記制御部は、プロセスカートリッジBが装着されたことを検出しなければ、装置本体14の画像形成動作を開始させない。即ち、装置本体14の画像形成動作を開始させない。
なおプロセスカートリッジ未装着の報知を行っても良い(例えば、ランプの点滅等)。
次に、前記プロセスカートリッジBに設けた接点と、装置本体14に設けた接点部材との接続について説明する。
さて、画像形成装置Aのカートリッジ装着スペースSの一方側の内側面には、図9に示すように、前記プロセスカートリッジBを装着したときに、前記各接点120〜122に接続し得る3個の接点部材(帯電バイアス接点120と電気的に接続する帯電接点部材124、現像バイアス接点121と電気的に接続する現像バイアス接点部材125、トナー残量検出接点122と電気的に接続するトナー検出接点部材126)が設けてある。
図9に示す通り、また、現像バイアス接点部材125、トナー検出接点部材126、帯電接点部材124はガイド部16aの下方でガイド部16a外でガイド部16aの傍のカートリッジ装着スペースSの片側の壁面下に上方にむけて弾性的に設けられている。
ここで、各接点とガイドとの位置関係について説明する。
まずプロセスカートリッジBをほぼ水平にした状態の図6において、垂直方向において、最下位にトナー残量検出接点122、その上方に現像バイアス接点121、その上方に帯電バイアス接点120、その上方にほぼ同じ高さに回り止めガイド13bL及び円筒形ガイド13aLが配置されている。また、カートリッジ装着方向(矢印X方向)において、最も上流にトナー残量検出接点122、その下流に回り止めガイド13bL及び現像バイアス接点121、次いでその下流に円筒形ガイド13aLそしてその下流に帯電バイアス接点120が配置されている。このように配置することによって、帯電バイアス接点120は帯電ローラ8に近付ける、現像バイアス接点121は現像ローラ9cに近付ける、トナー残量検出接点122はアンテナ棒9hに近付ける。このようにすることによってプロセスカートリッジB側及び画像形成装置本体14の夫々の電極の徘回しをなくし接点間距離を短縮できる。
ここで、各接点の接点部材との接触部のサイズは次の通りである。まず、帯電バイアス接点120は、たて及び横ともに約10.0mm、現像バイアス接点121は、たて約6.5mm、横約7.5mm、トナー残量検出接点122は直径2mmで横長さ約18.0mmである。なお前述帯電バイアス接点120、現像バイアス接点121は矩形である。ここで上記接点の縦とはプロセスカートリッジBの装着方向Xに従う方向であり、横方向とは方向Xに直角水平方向である。
トナー残量検出接点部材126はガイド部16a下方でこのガイド部16aの傍に設けられ導電性板ばね部材である。また他の接点部材124,125は、ガイド部16aの下方でこのガイド16aの傍に設けられ、夫々図30に示す圧縮コイルばね129によってホルダ127から上方に向かって突出して取り付けられている。これを帯電接点部材124を例にとって説明する。図30の一部に拡大して示すように、帯電接点部材124をホルダ127内に脱落不能且つ上方へ突出可能に取り付ける。そして、このホルダ127を装置本体14に取り付けた電気基板128に固定し、各接点部材と配線パターンとを導電性の圧縮バネ129によって電気的に接続している。
プロセスカートリッジBを画像形成装置Aに挿入して、ガイド部16aによってガイドして装着する際に、所定の装着位置へ至る前にあっては各接点部材124〜126は夫々ばね力で突出状態にある。このとき、各接点部材にプロセスカートリッジの各接点120〜122は接触していない。更にプロセスカートリッジBの挿入が進むと、各接点部材124〜126にプロセスカートリッジBの各接点120〜122が接触し、更にわずかに進んでプロセスカートリッジBの円筒形ガイド13aLが位置決め溝16bに嵌入することにより各接点120〜122が夫々各接点部材124〜126をこれらの弾力に抗して後退させ夫々接触圧力を高める。
このように本実施の形態においては、前述ガイド部材16によってプロセスカートリッジBをガイドして、所定の装着位置に装着すると、前記各接点は各前記接点部材と確実に接続する。
即ち、帯電バイアス接点120と帯電接点部材124が電気的に接続して、帯電ローラ8に高電圧(AC電圧とDC電圧の重畳)が印加される。また現像バイアス接点121と現像バイアス接点部材125が電気的に接続して、現像ローラ9cに高電圧が印加される。また更に、トナー残量検出接点122とトナー検出接点部材126が電気的に接続して、この接点122と現像ローラ9c間の静電容量に応じた情報が装置本体14に伝達される。
また更に前述実施の形態のように、プロセスカートリッジBの各接点をカートリッジ枠体の一方側に配置したので、画像形成装置本体14及びプロセスカートリッジBに対する機械機構部材と電気配線関係部材とをカートリッジ装着スペースS、プロセスカートリッジBの両側に夫々分割配置でき、組立工数を節減でき、また保守点検が容易となる。
前記プロセスカートリッジBを画像形成装置本体14に装着すると、後述するように、前記開閉部材35の閉じ動作に連動してプロセスカートリッジ側カップリング装置と本体側カップリングとが結合し、感光体ドラム7等は装置本体14から駆動を受けて回転可能となる。
或は、前述実施の形態の通り各接点を配置することにより、各接点のカートリッジ内での電極の徘回しを短縮することができる。
(カップリング及び駆動構成)
次に画像形成装置本体14からプロセスカートリッジBへ駆動力を伝達する駆動力伝達機構であるカップリング手段の構成について説明する。
図11は感光体ドラム7をプロセスカートリッジBに取り付けた状態を示すカップリング部の縦断面図である。
さて、図11に示すように、プロセスカートリッジBに取り付けられた感光体ドラム7の長手方向一方端部にはカートリッジ側カップリング手段が設けてある。このカップリング手段は、感光体ドラム7の一方端部に固着したカップリング部材であるドラムフランジ36にカップリング凸軸37(円柱形状の軸部)を設けたものであり、前記凸軸37の先端面に凸部(連結突起)37aが形成してある。なお、凸部37aの端面は凸軸37の端面と平行である。また、この凸軸37は軸受38に嵌合して、ドラム回転軸として機能する。そして、本実施の形態では、ドラムフランジ36とカップリング凸軸37及び凸部37aは一体に設けてある。そして、ドラムフランジ36にはプロセスカートリッジB内部の現像ローラ9cに駆動力を伝達するため、ギア部としてはす歯のドラムギア7bが一体に設けてある。従って、図11に示す通り、前記ドラムフランジ36は嵌合部36b、ドラムギア7b、凸軸37及び凸部37aを有する一体成型品であって、駆動力を伝達する機能を有する動力伝達部材である。
そして、前記凸部37aの形状は、ねじれた多角柱であって、詳しくは断面がほぼ正三角の柱で軸方向に次第に回転方向にわずかにねじれた形状である。また、前記凸部37aと嵌合する凹部(連結穴)39aは、断面が多角形で軸方向に次第に回転方向にわずかにねじれた穴である。この凸部37aと凹部39aはねじれのピッチがほぼ同一であり、同一方向にねじれている。なお、前記凹部39aは、断面が略三角形である。そして、この凹部39aは、装置本体14に設けられたギア43と一体のカップリング凹軸39bに設けられている。このカップリング凹軸39bは装置本体14に後述のように回転自在及び軸方向移動自在に設けられている。そこで、本実施の形態の構成においては、プロセスカートリッジBが装置本体14に装着されて、凸部37aと装置本体14に設けられた凹部39aとが嵌合して、凹部39aの回転力が凸部37aに伝達される際に、略正三角柱の凸部37aの各稜線と凹部39aの内面とが等しく当接するため互いに軸芯が合致する。このため、カップリング凸部37aの外接円の直径はカップリング凹部39aの内接円よりも大きく、且つ、カップリング凹部39aの外接円よりも小さく製作されている。更に、そのねじれ形状によって凹部39aが凸部37aを引き寄せる方向に力が作用して、凸部端面37a1が凹部39aの底39a1と当接する。そこで、このカップリング部とドラムギア7bに生ずるスラストは矢印d方向の同方向に働くから、前記凸部37aと一体的となっている感光体ドラム7は、画像形成装置本体14内で軸方向の位置及びラジアル方向の位置が安定して決まる。
なお、本実施の形態において、感光体ドラム7の側からみて、感光体ドラム7の回転方向に対して、前記凸部37aのねじれ方向は凸部37aの根元から先端に向って反対方向、また、凹部39aのねじれ方向は凹部39aの入口から内部へ向って反対方向、また、ドラムフランジ36のドラムギア7bのねじれ方向は前記凸部37aのねじれ方向と反対方向である。
ここで、前記凸軸37及び凸部37aは、前記ドラムフランジ36が感光体ドラム7の一端部に取り付けられた際に、感光体ドラム7の軸心と同軸上に位置するようにドラムフランジ36に設けられている。なお、36bは嵌合部であって、ドラムフランジ36を感光体ドラム7に取り付ける際に、ドラム筒7dの内面に嵌合する部分である。このドラムフランジ36は感光体ドラム7に”かしめ”或は”接着”等によって取り付けられる。また、ドラム筒7dの周囲には、感光層7eが被覆されている。
なお、既に述べたように、この感光体ドラム7の他端側には、平歯ギア7nが固定されている。
また、前記ドラムフランジ36、平歯ギア7nの材質としては、ポリアセタール(polyacetal)、ポリカーボネイト(polycarbonate)、ポリアミド(polyamide)、及び、ポリブチレンテレフタレート(polybutylenetelephthalate)等の樹脂材料を用いている。但し、他の材質を適宜選択して用いても構わない。
また、プロセスカートリッジBのカップリング凸軸37の凸部37aの回りには、凸軸37と同心円の円筒形の凸部38a(円筒形ガイド13aR)がクリーニング枠体13に固定した軸受38に一体に設けられている(図12参照)。この凸部38aによって、プロセスカートリッジBを着脱する際等にカップリング凸軸37の凸部37aは保護され、外力による傷や変形等から守られる。そこで、この凸部37aが損傷することによってカップリング駆動時のガタつきや振動を防止することができる。
更に、この軸受38はプロセスカートリッジBを画像形成装置本体14に着脱する際のガイド部材を兼ねることも可能である。即ち、プロセスカートリッジBを画像形成装置本体14に装着する際には、軸受38の凸部38aと本体側ガイド部16cとが当接して、前記凸部38aはプロセスカートリッジBを装着位置に装着する際の位置決めガイド13aRとして機能し、プロセスカートリッジBの装置本体14への着脱を容易にする。また、プロセスカートリッジBが装着位置に装着された際には、前記凸部38aはガイド部16cに設けられた位置決め溝16dに支持される。
また、更に感光体ドラム7及びドラムフランジ36、カップリング凸軸37との間には図11に示すような関係がある。即ち、感光体ドラム7の外径=H、ドラムギア7bの歯元円径=E、感光体ドラム7の軸受け径(軸部カップリング凸軸37の外径、軸受38の内径)=F、カップリング凸部37aの外接円径=M、感光体ドラム7のドラムフランジ36との嵌合部径(ドラム内径)=Nとしたとき、H>F≧M及びE>Nの関係がある。
前記H>Fによってドラム筒7dを軸承するよりも軸受け部での摺動負荷トルクを低減でき、F≧Mの関係によりフランジ部を成形する際には通常図中矢印P方向に成形型の型割を行うが、アンダーカット部がなくなるため型構成を簡略化できる。
更にはE>Nの関係により、ギア部の型形状がプロセスカートリッジBの装着方向から見て左側の型上に設けられるため、右側の型を簡素化し、型の耐久性を向上させるなどの効果がある。
一方、画像形成装置本体14には、本体カップリング手段が設けてある。この本体カップリング手段は、プロセスカートリッジBを挿入したときの感光体ドラム回転軸線と一致する位置にカップリング凹軸39b(円柱形状)が配設してある(図11、図25参照)。このカップリング凹軸39bは図11に示すように、モータ61の駆動力を感光体ドラム7へと伝える駆動回転体である大ギア43と一体になった駆動軸である。(そして、この凹軸39bは、大ギア43の回転中心であって、大ギア43の側端から突出して設けられている(図25、図26参照))。本実施の形態では、前記大ギア43とカップリング凹軸39bは、一体成型で形成してある。
前記装置本体14側の大ギア43は、はす歯ギアであって、このはす歯ギアはモータ61の軸61aに固定して又は一体に設けられたはす歯の小ギア62と噛合っており、小ギア62から駆動力が伝達されたときに、凹軸39bを凸軸37方向へ移動させる推力を発生させるようなねじれ方向と傾斜角の歯を有している。これにより、画像形成に際してモータ61を駆動すると、前記推力によって凹軸39bが凸軸37方向へ移動して凹部39aと凸部37aとが係合する。前記凹部39aは、前記凹軸39bの先端であって前記凹軸39bの回転中心に設けられている。
なお、この実施の形態ではモータ軸61aに設けた小ギア62から大ギア43へ直接駆動力を伝達しているが、ギア列を用いて減速及び駆動伝達を行う、或はベルトとプーリ、摩擦ローラ対、タイミングベルトとプーリなどを用いてもよい。
次に、開閉部材35の閉鎖動作に連動して凹部39aと凸部37aを嵌合させる構成について図24、図27乃至図29を参照して説明する。
図29に示すように装置本体14に設けられた側板66と大ギア43を間にして側板67が固設されており、これらの側板66,67に大ギア43の中心に一体に設けたカップリング凹軸39bが回転自在に支持されている。大ギア43と側板66間には、外カム63と内カム64が密に間挿されている。内カム64は側板66に固定されていて、外カム63はカップリング凹軸39bに回転自在に嵌合している。外カム63と内カム64の軸方向の対向面はカム面であり、このカム面はカップリング凹軸39bを中心とする互いに接するねじ面となっている。大ギア43と側板67との間に圧縮コイルばね68が圧縮してカップリング凹軸39bに挿入されている。
図27に示すように外カム63の外周から半径方向にアーム63aが設けられ、このアーム63aの先端と、開閉部材35の支点35aから、開閉部材35を閉めた状態で図27において左斜め下方へ向って半径方向の開閉部材35の開放側の端とは反対側の端の位置をピン65aで、一つのリンク65の一端に結合してある。リンク65の他端はピン65bでアーム63aの先端と結合している。
図28は図27を右方向からみた図であり、開閉部材35が閉じているときはリンク65、外カム63等は図示の位置にあり、カップリング凸部37a及び凹部39aが噛み合って大ギア43の駆動力が感光体ドラム7へ駆動伝達可能の状態にある。そして、開閉部材35を開くとピン65aは支点35aを中心に回動して上昇し、リンク65を介してアーム63aが引き上げられ外カム63が回転し、外カム63と内カム64との対向カム面が摺動して大ギア43が感光体ドラム7より離れる方向へ移動する。その際、大ギア43が外カム63に押されて、側板67と大ギア43との間に取り付けられた圧縮コイルばね68を押しつつ移動し、図29に示すようにカップリング凹部39aがカップリング凸部37aから離れて、カップリングが解除されプロセスカートリッジBが着脱可能な状態になる。
逆に開閉部材35を閉じると、開閉部材35とリンク65を結合しているピン65aは支点35aを中心に回転して下り、リンク65は下方へ移動してアーム63aを押し下げ、外カム63が逆に回転し、ばね68に押されることにより、図29から大ギア43が左行して図28の位置に到達し大ギア43が再び図28の位置にセットされカップリング凹部39aがカップリング凸部37aに嵌合し、駆動伝達可能な状態に戻る。このような構成をとることにより、プロセスカートリッジBを開閉部材35の開閉に応じて着脱および駆動可能な状態にすることが可能になる。尚、開閉部材35を閉じることによって外カム63が逆に回転し大ギア43が図29から左行して、カップリング凹軸39bとカップリング凸軸37の端面が当たってカップリング凸部37aとカップリング凹部39aが噛合わなくて(第一の回転方向相対位置)も後述のように画像形成装置Aの始動後すぐ噛合う(相対回転不能な第二の回転方向位置)。
このように、本実施の形態ではプロセスカートリッジBを装置本体14に着脱する際には、開閉部材35を開放する。そして、この開閉部材35の開閉に連動して、カップリング凹部39aが水平方向(矢印j方向)に移動する。そこで、プロセスカートリッジBを装置本体14に着脱する際には、プロセスカートリッジBと装置本体14のカップリング(37a,39a)は連結することはない。また、連結してはいない。従って装置本体14に対するプロセスカートリッジBの着脱を円滑に行うことができる。また、本実施の形態ではカップリング凹部39aが圧縮コイルばね68によって大ギア43が押されることにより、プロセスカートリッジBの方向へ押圧されている。そこで、カップリング凸部37aと凹部39aとが噛み合う際に、カップリング凸部37aと凹部39aがぶつかってうまく噛み合わなかったとしても、プロセスカートリッジBを装置本体14へ装着後初めてモータ61が回転し、これによってカップリング凹部39aが回転することによって両者は瞬時に噛み合う。
次に前記カップリング手段の係合部である凸部37aと凹部39aの形状について説明する。
なお、装置本体14に設けたカップリング凹軸39bは、前述したように軸方向には移動可能であるが、半径方向(ラジアル方向)には移動しないように取り付けられている。一方、プロセスカートリッジBは長手方向及びカートリッジ装着方向のX方向(図9参照)に移動可能に装置本体14に装着されている。なお長手方向には、プロセスカートリッジBをカートリッジ装着スペースSに設けてあるガイド部材16R,16L間でわずかの移動を許すようになっている。
即ち、プロセスカートリッジBを装置本体14に装着するとクリーニング枠体13の長手方向他端側に取り付けたフランジ29に形成した円筒形ガイド13aL(図6、図7、図9参照)の部分が装置本体14の位置決め溝16b(図9参照)に入り込んで隙間なく嵌合して位置決めされ、感光体ドラム7に固定した平歯ギア7nが転写ローラ4に駆動力を伝達するギア(図示せず)と噛合する。一方、感光体ドラム7の長手方向一端側(駆動側)は、クリーニング枠体13に設けた円筒形ガイド13aRが装置本体14に設けた位置決め溝16dに支持される。
この円筒形ガイド13aRが装置本体14の位置決め溝16dに支持されることにより、ドラム軸7aと凹軸39bの回転軸心が同芯度φ2.00mm以内に支持され、カップリング結合過程における第1の調芯作用が完了する。
そして、開閉部材35が閉じられることによって、カップリング凹部39aが水平に移動して凸部37aに入り込む(図28参照)。
次いで、駆動側(カップリング側)は次のように位置決め及び駆動伝達がなされる。
先ず、装置本体14の駆動モータ61が回転すると、カップリング凹軸39bがカップリング凸軸37方向(図11の矢印dと反対方向)に移動し、カップリング凸部37aと凹部39aの位相があった時点(本実施の形態では凸部37aと凹部39aが略正三角形であるために、120°毎に両者の位相が合う)で両者が係合し、装置本体14からプロセスカートリッジBに回転力が伝達される(図29に示す状態から図28に示す状態となる)。
このカップリング係合に際し、カップリング凸部37aが凹部39aに入り込むときは、両者の略正三角形のサイズに差があり、即ちカップリング凹部39aの断面が略正三角形の穴がカップリング凸部37aの略正三角形よりも大きいから、隙間を有した状態でスムーズに入り込む。
本実施例では、要求されるねじれ剛性から、凸部三角形の内接円径の下限値をφ8.0mmとし、これをφ8.5mm凹部三角形の内接円径をφ9.5mm隙間を0.5mmとした。
一方隙間の小さい一組のカップリングを嵌合させるためには、嵌合前に、これらの同芯度を維持する必要がある。
そこで本実施例では、隙間0.5mmに対して嵌合に導くために必要な同芯度φ1.0mmを維持するために、前記円筒形の軸受凸部38の突出量を前記カップリング凸部37aの突出量より大きくし、軸受凸部38aの内部に設けられた3以上の複数の突起形状ガイド13aR4により凹軸39aの外径部をガイドすることにより凸部37と凹軸39aのカップリング嵌合前の同芯度をφ1.0mm以下に維持し、カップリングの嵌合過程を安定化させる(第2の調芯作用)。
そして、画像形成時にカップリング凸部37aが凹部39aに入り込んだ状態でカップリング凹軸39bが回転すると、カップリング凹部39aの内面と凸部37aの略正三角形柱の3点の稜線とが当接して駆動力が伝達される。そしてこの時、共に正多角形のカップリング凹部39aの内面と凸部37aの稜線とが等しく当接するように、カップリング凸軸37が凹軸39bの中心と一致するように瞬時に移動する。
以上のような構成により、モータ61の駆動時にはカップリング凸軸37及び凹軸39bが自動的に調芯が行われる。さらに、感光体ドラム7に駆動力が伝わることによりプロセスカートリッジBに回転力が生まれ、この回転力によりプロセスカートリッジBのクリーニング枠体13の上面に設けられた規制当接部13j(図4、図5、図6、図7、図30参照)が画像形成装置本体14に固設された固設部材25(図9、図10、図30参照)への当接力を強め、画像形成装置本体14に対するプロセスカートリッジBの位置がきまる。
また、非駆動時(非画像形成時)には、カップリング凸部37aと凹部39aとの半径方向には隙間を設けられるので、カップリング同士の係脱が容易になる。また、駆動時には前述のカップリング係合部分での当接力が安定するので、この部分でのガタつきや振動を押さえることができる。
なお、本実施の形態ではカップリング凸部及び凹部の形状を略正三角形としたが、略正多角形形状であれば同様の効果が得られることはいうまでもない。また、略正多角形形状であれば位置決めをより一層正確に行うことができるが、これに限定されずに引き寄せて噛み合うことのできる形状であれば、例えば多角形形状等であってもよい。更に、又大きなリードを持つおねじをカップリング凸部に採用すると共にこのおねじにねじ込まれるめねじをカップリング凹部としてもよい。この場合において三重の三角ねじの変形例が上述のカップリング凸部と凹部に相当する。
更に、カップリング凸部と凹部を比較すると、形状的に凸部は傷つきやすく、強度的にも凹部に劣る。このため、本実施の形態においては、交換可能なプロセスカートリッジBにカップリング凸部を設け、より高耐久性が要求される画像形成装置本体14にカップリング凹部を設けてある。
図33は右側ガイド部材13Rとクリーニング枠体13の取り付け関係を詳細に示す斜視図、図34は右側ガイド部材13Rをクリーニング枠体13へ取り付けた状態の縦断面図、図35はクリーニング枠体13の右側面の一部を示す図である。図35は右側ガイド部材13Rと一体に形成した軸受38の取り付け部のアウトラインを示す側面図である。
軸受38を一体とした右側ガイド部材13R(38)を摸式的に示した図11のクリーニング枠体13への取り付け、及びユニット化された感光体ドラム7のクリーニング枠体13への取り付けについて具体的に説明する。
右側ガイド部材13Rの背面には図33、図34に示すように円筒形ガイド13aRと同心で小直径の軸受38が一体に設けられている。この軸受38は円筒形ガイド38aRの軸方向(長手方向)中間部の円板部材13aR3で円筒形である軸受38の端部につながっている。そして軸受38と円筒形ガイド13aRのクリーニング枠体13側との間にはクリーニング枠体13の内部側より見て円形の溝38aR4が形成されている。
クリーニング枠体13の側面には図33、図35に示すように欠円筒形の軸受取付穴13hが設けられ、欠円部13h1は軸受取付穴13hの直径よりも小さな対向間隔を有し、この間隔はカップリング突軸37の直径よりも大きい。また、カップリング突軸37は軸受38に嵌合するので軸受取付穴13hとは間隔があいている。クリーニング枠体13の側面に一体に形成して設けた位置決めピン13h2はガイド部材13Rのフランジ13aR1に密に嵌合するようになっている。これによって、ユニット化された感光体ドラム7を軸方向(長手方向)に交叉方向からクリーニング枠体13へ取り付け可能となると共に長手方向から右側ガイド部材13Rをクリーニング枠体13へ取り付ける際に右側ガイド部材13Rのクリーニング枠体13への関係位置が正確に定まる。
ユニット化された感光体ドラム7をクリーニング枠体13へ取り付けるには、図33に示すように感光体ドラム7を長手方向に交叉方向に移動し、ドラムギア7bをクリーニング枠体13内にあるようにしてカップリング凸軸37を欠円部13h1を通過させて軸受取付穴13hに挿入する。この状態で図11に示す左側ガイド13aLと一体のドラム軸7aをクリーニング枠体13の側端13kを貫通して、該ドラム軸7aを平歯ギア7nに嵌合し、このガイド13aLのフランジ29を挿通して小ねじ13dをクリーニング枠体13にねじ込み、このガイド13aLをクリーニング枠体13に固定して感光体ドラム7の一端側を支持する。
次に右側ガイド部材13Rと一体の軸受38の外周を軸受取付穴13hに嵌入すると共に軸受38の内周をカップリング凸軸37に嵌合し、クリーニング枠体13の位置決めピン13h2を右側ガイド部材13Rのフランジ13aR1の穴に嵌め込み、該フランジ13aR1を挿通して小ねじ13aR2をクリーニング枠体13にねじ込み右側ガイド部材13Rをクリーニング枠体13に固定する。
これによって、感光体ドラム7が正確且つ強固にクリーニング枠体13に固定される。感光体ドラム7を長手方向に対して交叉方向からクリーニング枠体13に取り付けるため、感光体ドラム7を長手方向にやりくりする必要がなく、クリーニング枠体13の長手方向の寸法を小さくできる。このため画像形成装置本体14も小さくできる。そして、左側の円筒形ガイド13aLは大きなフランジ29をクリーニング枠体13に当接固定し、このフランジ29と一体のドラム軸7aをクリーニング枠体13に密に嵌合していると共に右側の円筒形ガイド13aRは感光体ドラム7を支持する軸受38と同心で一体であり、この軸受38をクリーニング枠体13の軸受取付穴13hに嵌合してあるため、感光体ドラム7は記録媒体2の搬送法方向に対して正確に直交するように配設できる。
そして左側の円筒形ガイド13aLは大面積のフランジ29及びこのフランジ29に突設したドラム軸7aが一体の金属製のため、ドラム軸7aの位置が正確であり、耐摩耗性が向上する。そして円筒形ガイド13aLはプロセスカートリッジBをくり返し画像形成装置本体14に着脱しても損耗することがない。そして、電気接点関係でのべたように感光体ドラム7のアースを容易に取ることができる。右側の円筒形ガイド13aLは軸受38よりも大径として、軸受38と円筒形ガイド13aRを円板部材13aR3で結合し、円筒形ガイド13aRはフランジ13aR1と結合してあるので、円筒形ガイド13aR、軸受38は互いに補強、補剛される。そして、右側円筒形ガイド13aRは大径であるため、合成樹脂製でありながら、プロセスカートリッジBの画像形成装置本体14へのくり返しの着脱に対して耐久力がある。
図36、37は右側ガイド部材13Rと一体の軸受38のクリーニング枠体13への他の取付方法を示す縦断面展開図である。
なお、図は特に感光体ドラム7の軸受38を要部として略図で表示してある。
図36に示すように軸受取付穴13hの外部側の縁には周方向にリブ13h3を有し、このリブ13h3の外周は円筒の一部となっている。本例においては、このリブ13h3の外周に右側円筒形ガイド13aRの円板部材13aR3を越えてフランジ13aR1に到る部分の円周を密に嵌合してある。そして、軸受38の軸受取付部13hと軸受38外周は遊嵌してある。このようにした場合は、軸受取付部13hが欠円部13h1で不連続のため、欠円部13h1が開こうとするのを防止すると共に補強できる効果がある。
また上記と同一の目的で、図34に示すようにリブ13h3の外周に複数の拘束ボス13h4を設けてもよい。
この拘束ボス13h4は成形金型製作時に例えば外接円径はIT公差9級、枠体の取付穴13hの内径部との同芯度0.01mm以内に管理されている。
ドラム軸受38のクリーニング枠体13への取付時にはクリーニング枠体13の取付穴13hと軸受38の外径部が嵌合しつつ、この外径部と対向するドラム軸38の内周面13aR5が前記クリーニング枠体13側の拘束ボス13h4を拘束して嵌合されるため欠円部13h1の開きによる軸受組立て時の芯ずれを防止することができる。
(クリーニング枠体(ドラム枠体ともいう)と現像枠体との結合構成)
既に述べたように帯電ローラ8及びクリーニング手段10を組み込んだクリーニング枠体13と現像手段9を組み込んだ現像枠体12は結合される。ここで一般的にはこの結合部は電子写真感光体ドラム7を組み込んだドラム枠体13と現像手段9を組み込んだ現像枠体12との結合が少なくともプロセスカートリッジBの態様として必要とされる。
このようなドラム枠体13と現像枠体12の結合構成の要旨を図12、図13、図32を参照して述べると以下のとおりである。なお、以下にのべる右側、左側とは上側から記録媒体2を搬送方向に従って見た場合を言うものである。
電子写真画像形成装置本体14に着脱可能なプロセスカートリッジにおいて、電子写真感光体体ドラム7と、前記電子写真感光体ドラム7に形成された潜像を現像するための現像手段9と、前記現像手段9を支持する現像枠体12と、前記電子写真感光体ドラム7を支持するドラム枠体13と、前記トナー収納部を有するトナー枠体11と、前記現像手段9の長手方向の一端側と他端側であって、前記現像手段9よりも上方の前記現像枠体12部分にその一端を取り付けられ、また、その他端は前記ドラム枠体13と当接する圧縮コイルばね22aと、前記現像手段9の長手方向の一端側と他端側の前記現像枠体12部分に前記現像手段9の長手方向と交差する方向へ突出して設けられた第一の突出部(右側のアーム部19)と、第二の突出部(左側のアーム部19)と、前記第一の突出部に(右側のアーム部19)に設けられた第一の開口(右側の穴20)と、前記第二の突出部(左側のアーム部19)に設けられた第二の開口(左側の穴20)と、前記ドラム枠体13の長手方向一端側であって、前記電子写真感光体ドラム7よりも上方の前記ドラム枠体13部分に設けられた、前記第一の突出部(右側のアーム部19)と係合する第一の係合部(右側の凹部21)と、前記ドラム枠体13の長手方向の他端側であって、前記電子写真感光体ドラム7よりも上方の前記ドラム枠体13部分に設けられた、前記第二の突出部(左側のアーム部19)と係合する第二の係合部(左側の凹部21)と、前記第一の係合部(右側の凹部21)に設けられた第三の開口(右側の図12に示す穴13e)と、前記第二の係合部(左側の凹部21)に設けられた第四の開口(左側の図12に示す穴13e)と、前記ドラム枠体13と現像枠体12とを結合するために、前記第一の突出部(右側のアーム部19)と前記第一の係合部(右側の凹部21)とを係合した状態で、前記第一の開口(右側の穴20)と第三の開口(右側の穴13e)とを貫通する第一の貫通部材(右側の図12に示す結合部材22)と、前記ドラム枠体13と現像枠体12とを結合するために、前記第二の突出部(右側のアーム部19)と前記第二の係合部(左側の凹部21)とを係合した状態で、前記第二の開口(左側の穴20)と第四の開口(左側の穴13e)とを貫通する第二の貫通部材(左側の図12に示す結合部材22)と、を有するプロセスカートリッジBである。
このような構成における現像枠体12とドラム枠体13の組立方法は次のとおりである。現像枠体12とドラム枠体13の前記第一の突出部(右側のアーム部19)と前記第一の係合部(右側の凹部21)とを係合する第一の係合工程と前記第二の突出部(左側のアーム部19)と前記第二の係合部(左側の凹部21)とを係合する第二の係合工程と前記ドラム枠体13と現像枠体12とを結合するために、前記第一の突出部(右側のアーム部19)と前記第一の係合部(右側の凹部21)とを係合した状態で、前記第一の突出部(右側のアーム部19)に設けられた第一の開口(右側の穴20)と、前記第一の係合部(右側の凹部21)に設けられた第三の開口(右側の穴13e)とに第一の貫通部材(右側の結合部材22)を貫通させる第一の貫通工程と、現像枠体12と前記ドラム枠体13とを結合するために、前記第二の突出部(左側のアーム部19)と前記第二の係合部(左側の凹部21)とを係合した状態で、前記第二の突出部(左側のアーム部19)に設けられた第二の開口(左側の穴20)と、前記第二の係合部(左側の凹部21)に設けられた第四の開口(左側の穴20)とに第二の貫通部材(左側の結合部材22)を貫通させる第二の貫通工程と、で現像枠体12とドラム枠体13は一体のカートリッジ化されたプロセスカートリッジBとなる。
上述のように現像枠体12とドラム枠体13を互いに係合し、これら両者に結合部材22を貫通させるだけで組立てられ、又、分解も、結合部材22を抜いて現像枠体13とドラム枠体13を引き離すだけであり、組立分解がきわめて容易に行われ得るものである。
前記において、現像手段9は現像ローラ9cを備えており、前記第一の突出部と第一の係合部とを係合する第一の係合工程と、前記第二の突出部と前記第二の係合部とを係合する第二の係合工程は、同時的に行われ、
(1)電子写真感光体体ドラム7と現像ローラ9cとほぼ平行にし、
(2)電子写真感光体ドラム7の周囲に沿って現像ローラ9cを移動し、
(3)現像ローラ9cの移動に伴って現像枠体12が回動し、
(4)現像枠体12の回動によって前記第一、第二の突出部(両側のアーム部19)が夫々前記第一、第二の係合部(両側の凹部21)に進入し、
(5)前記第一、第二の突出部(両側のアーム部19)が前記第一、第二の係合部(両側の凹部21)と夫々係合する。
ようにすると、感光体ドラム7の両端周面にスペーサコロ9iが接した状態で現像ローラ9cを感光体ドラム7を中心に回動して、アーム部19を凹部21へ接近できるため、アーム部19と凹部21が係合する個所が一定し、従って又、前記現像枠体12のアーム部19に設けた穴20とドラム枠体13の凹部21の両側に設けた穴13eを合せることを容易にするようにアーム部19と凹部21の形状を定めることができる。
上述において既に述べたようにトナー枠体11と現像枠体12を結合した現像ユニットDと、クリーニング枠体13と帯電ローラ8を組み込んだクリーニングユニットCを結合する態様が一般的である。
このように現像枠体12とドラム枠体13を係合した際には第一、第二の突出部の開口(穴20)と第一、第二の係合部の開口(穴13e)は貫通部材(係合部材22)を貫通できるようにほぼ一致するようにしてある。
図32に示すように、アーム部19の先端19aは穴20を中心とする円弧形をしており、凹部21の底21aは穴13eを中心とする円弧形をしている。アーム部19先端19aの円弧の半径は、凹部21の底の円弧部21aの半径よりもわずかに小さい。このわずかに小さい程度は、凹部21の底21aにアーム部19の先端19aを突き当てた際に、結合部材22をドラム枠体(クリーニング枠体)13の穴13eを挿通してアーム部19の穴20に端部が面取りされた結合部材22が容易に挿入できる程度であり、結合部材22が挿入されると、アーム部19の先端19aと凹部21の底21a間には円弧形に隙間gができ、アーム部19は結合部材22により回動自在に支持されるものである。なお、説明のため、この隙間gは誇張して示してあるが、隙間gは結合部材22の端部又は穴20の面取り寸法よりも小さいものである。
図32に示すように現像枠体12とドラム枠体13とはアーム部19の穴20が軌跡RL1又はRL2もしくは軌跡RL1,RL2の間の軌跡等の何れかを画いて組立てが行われる。この際、凹部21の上壁の内面20aは圧縮コイルばね22aが次第に連続して圧縮されるように、連続して傾斜させてある。即ち、組立時に圧縮コイルばね22aの現像枠体12への取付部と対向する上述の凹部21の上壁の内面20aとの距離は次第に小さくなるように形状を定めてある。本例では組立途上で圧縮コイルばね22aの上側の座巻部は上記内面20aの傾斜部20a1に接し、現像枠体12とドラム枠体13が結合した組立完了状態では圧縮コイルばね22aは傾斜部20a1に続くばね座部20a2に接する。この圧縮コイルばね22aとばね座部20a2とは直角に交叉している。
このように構成してあるため、現像枠体12とドラム枠体13を組立てる際に、圧縮コイルばね22aを特に別途圧縮して挿入する必要がなく、簡単に組立てられ自動的にスペーサコロ9iと感光体ドラム7が圧接する。
なお、上述の軌跡RL1は感光体ドラム7を中心とする円弧であり、軌跡RL2は傾斜部20a1との距離が図の右方から左方に行くに従って次第に小さくなるおおよその直線である。
図31に示すように、上記圧縮コイルばね22aは現像枠体12に保持されている。図31は現像枠体12のアーム部19の根本付近のプロセスカートリッジBの装着方向Xに従う縦断面図である。現像枠体12上には上方へ向ってばね保持部12tが設けてある。このばね保持部12tは根本側に少くとも圧縮コイルばね22aの座巻部内周が圧入される円筒形のばね固定部12kと、この固定部12kより縮径し圧縮コイルばね22a中を途中まで挿通するガイド部12nを備えている。上記ばね固定部12kの高さは最小限圧縮コイルばね22aの座巻部の1巻以上必要であるが、これ以上2巻位が望ましい。
図12に示すようにドラム枠体13の外壁13sと外壁13sの内部側に間をおいて仕切り壁13tを設けてこの間を凹部21としている。
図12に示される凹部21の長手方向の内矩はドラムギア7bを備え配設した側と同じ側の右側の凹部21を構成する外壁13sと仕切壁13tの対向壁面は各々長手方向に対して直交しており、この対向壁面間に現像枠体12の現像ローラギア9kの配設してある側と同じ側の右側のアーム部19が密に嵌入するようになっている。一方、平歯ギア7nの配設してある側と同じ側の左側のクリーニング枠体13の凹部21とこの凹部21に挿入される現像枠体12のアーム部19は長手方向に関し遊嵌するようになっている。
従って、現像枠体12とクリーニング枠体13の長手方向の位置合せが正確に行われる。なんとなれば、長手方向の一端側の凹部21の対向壁面間の寸法は出し易く、又、アーム部19の幅も寸法が出し易いからである。そして現像枠体12とクリーニング枠体13の温度上昇によって熱変形による長手方向の寸法差が生じても、寸法の短かい凹部21の対向壁間とアーム部19のこの対向壁間に嵌入する部分は共に寸法が小さいため、熱変形差は極めて小さいからであり、仮に現像枠体12とクリーニング枠体13の熱変形による長手方向全長の寸法変化に差があったとしても、平歯ギア7n側の凹部21とこの凹部21に嵌入するアーム部19は長手方向に関し遊嵌しているので熱応力による変形により、現像枠体12とクリーニング枠体13間に応力を生じない。
(ドラムアース機構)
次に、感光体ドラム7に滞留する電荷を装置本体14へ逃がすためのドラムアース機構について説明する。
この実施の形態は駆動側において感光体ドラム7の接地を行うものである。
図11に示すように感光体ドラム7はドラム筒7dの長手方向において、駆動側とは反対側の一端にドラムフランジ34が嵌入固定されている。このドラムフランジ34はクリーニング枠体13に固設されたドラム軸7aに回転自在に支持されている。尚、本例のドラム軸7aの材質としては金属に限らず絶縁性の合成樹脂でもよい。
また、ドラム筒(円筒部材)7dの他端側に嵌入固定されているドラムフランジ36の中心穴をとおり、軸方向に移動自在に導電性の部材119が嵌入している。この導電性部材119は金属製の棒状である。そしてその一方端はドラムフランジ36の内側端面36cに接するよう設けたアース部材であるアース板118の穴に嵌入してかしめ119aにより固定されている(第一の接触部)。このアース板118は端部に突起118aを有し、この突起118aは先端がやや駆動側を向いていてドラム筒7dの内面7d1に弾力でくい込んでいる(第二の接触部)。尚、アース板118は金属製であって、弾性力を有している。そこで前記導電性部材119は、前記アース板118の弾性力によってその長手方向に移動自在である。
図41は図40におけるアース接点を拡大して詳細を示す縦断面図であり、図42はアース板118の正面図である。アース板118は図42に示すように二面幅をもつ円板状で円弧部分に溝118bを平行に設けている。そしてこの溝118b間の突起118aを根本でやや寝かせるように折曲している。なお36dはドラムフランジ36の内側端面36cに突設したダボであって、このダボ36dにアース板118に設けた穴118dが嵌入して、アース板118のドラムフランジ36に対する回り止めとなっている。また、突起118aとかしめ119aのための穴との間に切り抜き穴118cを設けて、切り抜き穴118c回りの変形量を増大させ、かしめ119a付近でアース板118が折曲しないようにしてある。
また導電性部材119の他方端のアース接点119bは、カップリング凸軸37の先端に設けた凸部37aの端面37a1よりも奥側にある。このアース接点119bが凸部端面17a1よりも奥側に位置していることにより、プロセスカートリッジBを装置本体14へ着脱する際、および、装置本体14から取り外したプロセスカートリッジBを取り扱う際にアース接点119bが保護される。
上述のようになっているため、アース接点119bを外側から軸方向へ押すと、アース板118は突起118aで両端を支持された状態で中央部がドラム筒7d内へ向かって撓み、アース接点119bは軸方向へ変位可能となっている。
図43に示すように、アース接点119bは凸部37a(カップリング凸軸37)の軸線と同軸線上に位置している。
図11に示すように、装置本体14に設けられたカップリング凹軸39bの中心には本体アース接点部材123が嵌入固定されている。本体アース接点部材123の一方端は、プロセスカートリッジBに設けられたアース接点119bと接触可能な本体アース接点123bである。また、他方端の摺動端子123aは装置本体14に設けられた鉄板製の側板67に小ねじ116で固定された板ばね117の先端部に圧接されている。本体アース接点123bは凹部39aの底面39a1よりも突出しており、保守点検を容易としてある。上記板ばね117は導電性の材質であり、ばね鋼、ステンレス、燐青銅板、ベリリウム、青銅板等で作られている。
上記導電性部材119は例えば燐青銅、ステンレス鋼、メッキされた鉄材等が用いられる。また、アース接点部材123としては導電性部材119と同材質を用いることができる。尚、板ばね117がばね鋼の場合には、摺動端子123aは耐摩耗性の観点から燐青銅、ベリリウム青銅が好ましい。
装置本体14にプロセスカートリッジBを装着した状態で操作者が開閉部材35を閉めると、装置本体に設けたカップリング凹軸39bは凸部37aに向かって移動して凹部39aが凸部37aに嵌合する。または、カップリング凹軸39bの回転始めに凹部39aが凸部37aに嵌合する。そして、突部端面37a1と凹部底面39a1が当接する前に、プロセスカートリッジBに設けられたアース接点119bと装置本体14に設けられたアース接点123bが接触する。更にカップリング凹軸39bを凸軸37の方向へ付勢する圧縮コイルばね68(図28参照)のばね力でアース板118のばね力に抗してカップリング凹軸39b、アース接点部材123は前進し、カップリング凹部39aの底面39a1と凸部37aの端部37a1が接触する。かかるカップリング凹軸39bの前進に伴う摺動端子123aの移動に対して、板ばね117はばね力でもって摺動端子123aに圧接追従する。
そしてカップリング凹軸39bが回転を始めると、カップリング凹軸39bは前進端が規定されているから、凹部39aは凸部37aを引き込む方向へ推力を発生させる。これによって、凸部端部37a1と凹部端面39a1の当接は確実となり、安定したカップリング結合となる。このカップリング凹軸39bの回転と共に本体アース接点部材123が回転し、摺動端子123aは板ばね117と摺動する。この摺動速度は遅く、摺動することにより、良好な接触状態が保たれる。
したがって、感光体ドラム7に滞留する電荷を、導電部材119、アース接点部材123、板ばね117を通過させて、側板67に逃がすことができる。
また開閉部材35を開くと、カップリング凹軸39bは凸部37aから離れる方向へ移動し、先ず、凸部37aの端部37a1と凹部39aの底面39a1が離れる。続いて導電部材119がアース板118の復元により、わずかの間移動し、プロセスカートリッジBに設けられたアース接点119bが装置本体14に設けられたアース接点123bに追従し、その後前記アース接点119b,123bは離れる。このカップリング凹軸39bの後退と共に、アース接点部材123が摺動端子123aを撓ませ乍ら後退する。そして、凸部37aから凹部39aが退いて嵌合が解かれることにより、プロセスカートリッジBは装置本体14から取り外すことが可能となる。
前述した実施例はプロセスカートリッジBに凸部37aを有するカップリング凸軸37を備え、装置本体14に該凸部37aに嵌合可能な凹部39aを設けたカップリング凹軸39bを配設したものである。次に説明する実施例は、これを逆にして、図44、図45、図46に示すようにカップリング凸軸37の端面37bの中心に凹部37cを設け、駆動側カップリング軸39b(もはや凹部は存在しないのでカップリング凹軸を改め駆動側カップリング軸とし同一符号を用いる)の先端中心に凸部39cを設けた。
上述の凹部37cは軸直角断面が略三角形のねじれた穴であり、凸部39cはねじれた多角柱であり、略正三角柱をねじった形状である。そして凹部37cは凸部39cより大きく、凸部39cが凹部37cに嵌入した際、凸部39cの各稜線が夫々凹部37cの内面に接する大きさとなている。
そして凸部39cの端面39c1中心には、装置本体14側のアース接点123bが露出しており、凹部37cの底面37c1にはプロセスカートリッジB側アース端子119bが露出している。アース接点119b,123bは図44に示すように夫々導電部材119、アース接点部材123の端部に設けたものである。尚、その他の説明は、図40〜図43等について説明したものを援用する。
(カップリング手段とアースの関係)
上述カップリング手段は、断面多角形のねじれた穴の凹部と係合する同角数を有するねじれた多角柱の凸部(突起)を嵌合して駆動力を伝達するようにしたので、感光体ドラム7を軸方向へ駆動側が引き込む。そこで感光体ドラム7またはプロセスカートリッジBの長手方向の位置を安定して決定するのに効果がある。
一方アース接点119b,123bを圧接するには、カップリング凹軸39b(駆動側カップリング軸)を軸方向に押す板ばね117を用いるので、推力を発生しないカップリング手段を採用できる。
このようなカップリング手段としては、凸部37aを多角柱(例えば略正三角柱)の突起(ねじれていない)とし、凹部39aを断面多角形(例えば略三角形)の真直な穴(ねじれていない)とし、この突起と穴を嵌合するようにしてもよい。こうすると調心作用は生じるが推力は生じない。しかし、アース接点119b,123bを圧接可能である。また、これに対して図45に示すように、突起と穴の関係を反対にしたものにおいて、凹部37cを断面多角形(例えば略三角形)の真直な穴、凸部39cを多角柱(例えば略三角柱)の突起としても同様に調心作用があり推力は生じない。しかしアース接点119b,123bを圧接可能である。
上述では、何れかカップリング手段の駆動側部材、被動側部材を共に軸方向にねじれた形状か、または軸方向にねじれていない形状としている。しかし、装置本体14に対するプロセスカートリッジBの装着時の態様、プロセスカートリッジBに対する感光体ドラム7の取り付け方によっては、同一の装置本体14に対して、異なる仕様のプロセスカートリッジBを着脱可能である。
即ち、装置本体14が断面多角形のねじれた穴を有する凹部39aを備えているとする。ここでプロセスカートリッジBが装置本体14に対して長手方向に位置決めされる場合(例えばカートリッジ枠体と装置本体14のカートリッジ装着部の長手方向の片側にばね部材が縮設されたような場合で、感光体ドラム7をクリーニング枠体13に対して軸方向に移動しないように取り付けた場合)、カップリング凸軸37先端の凸部37aは凹部39aに嵌合する真直の多角柱によることも可能である。
装置本体14がねじれた多角柱の突起(凸部)を有する場合に、プロセスカートリッジB側にこの突起に嵌合する断面多角形のまっすぐな穴とすることも同様に可能である。
次に、感光体ドラム7をクリーニング枠体13に支持する他の支持構成の場合のアース機構について説明する。図47に示すように、感光体ドラム7の両端部にはドラムフランジ34,36が固定されており、ドラムフランジ36には軸継手のカップリング凸軸37及び凸部37aが設けられている。そして、この凸軸37の内部には、鉄材の貫通軸24の端部24aが軸受38とオーバーラップするように回転自在に嵌合されている。また、貫通軸24は反対側のドラムフランジ34にも回転自在に嵌合している。ドラム筒7dと貫通軸24を導通するアース板118がドラムフランジ34に固定されている。また、クリーニング枠体13に固定され支持された軸受38がカップリング凸軸17を回転自在に支持している。さらに、貫通軸24の反軸継手側端部24bをクリーニング枠体13の円筒形ガイド13aLに圧入支持されるなどして固定される。これにより、感光体ドラム7はクリーニング枠体13に支持される。そして貫通軸24の端部24aの先端は縮径して凸部37aの中心を貫通している。そこでこの貫通軸24の先端がアース接点119bとなって、装置本体14に設けられたアース接点123bと圧接する。
カップリング凸部37aと凹部39aが係合した状態でモータ61が回転すると、カップリング凸軸37は回転する。そしてカップリング凸軸37及びこれと一体のドラムフランジ36は、静止している貫通軸24上で回転する。そしてドラムフランジ36は、ドラムフランジ36と一体的なドラム筒7d、ドラムフランジ34と共に回転する。また、ドラムフランジ34は貫通軸24上で回転し、アース接点119b,123bは摺動する。
なお、アース板118は一端がドラム筒7dに圧接し、他端が貫通軸24の外周に圧接しているので、感光体ドラム7の回転により、アース板118と貫通軸24は摺動する。
次に、他の感光体ドラム支持構成における他のアース機構の実施の形態を図48を参照して説明する。感光体ドラム7の両端部にはドラムフランジ36,34が固定されており、ドラムフランジ36には軸継手部材のカップリング凸軸37及び凸部37aが一体に設けられている。そして、このカップリング凸軸37の内部には鉄材の貫通軸26の端部26aが軸受38とオーバーラップするように圧入嵌合されている。また、貫通軸26は反対側のドラムフランジ34にも嵌合している。また、クリーニング枠体13に固定され支持され軸受38がカップリング凸軸37を回転自在に支持している。さらに貫通軸26の反軸継手側端部26bをクリーニング枠体13に設けた円筒形ガイド13aL内に嵌入支持される軸受28に回転自在に支持される。これにより、感光体ドラム7はクリーニング枠体13に支持される。
また、アース板118は貫通軸26及びドラム筒7dに夫々突起でくい込むようにして固定されている(ドラム筒7dにくい込む突起については41、図42参照、貫通軸26にくい込む突起については同様の形状である。
次に、感光体ドラム支持構成における更にアース機構の他の実施の形態を図49を参照して説明する。感光体ドラム7の両端には、ドラムフランジ34,36が固定されている。そして、軸端部にカップリング凸部37aを備えた貫通軸27が、ドラムフランジ34,36の一方に圧入等により固定されている。また、貫通軸27の端部の拡径軸部27aはクリーニング枠体13に支持された軸受38に回転自在に嵌合している。さらに、貫通軸27の他端27cはクリーニング枠体13に固定支持される軸受28に回転自在に嵌合している。以上により、感光体ドラム7はクリーニング枠体13に支持される。
上述において、貫通軸27とドラム筒7dを導通させるように、夫々貫通軸27、ドラム筒7dにくい込む突起(図41、図42参照、貫通軸27にくい込む突起もドラム筒7dにくい込む突起と同様である)を備えたばね鋼のアース板118を備えている。貫通軸27は鉄材または導電性樹脂である。
凸部37aと装置本体14に設けられた凹部39aが嵌合すると、凸部端面37a1(アース接点119b)が本体アース接点123と圧接する。
尚、上述した説明において、凹部39a、即ち、穴(突起)のねじれ方向は穴の入口から奥に向かってギアの回転方向と逆方向にねじ込んで行く方向である。
また穴(突起)のねじれ量は、軸線長さ1mmに対して回転方向で1°〜15°の割り合いである。
本実施の形態では、穴の深さは約4mmであって、約30°ねじれている。
尚、前述実施例ではカップリング部材としてねじれた穴とねじれた多角柱の例を示したが、カップリング部材の形状としては例えばねじれた穴とねじれない多角柱であっても構わない。この場合には、前記多角柱としての例えばねじれていない三角柱が前記ねじれた穴と嵌合して、前記穴が回転をすると前記三角柱はその根本の部分でもって前記穴の内面と接触し、穴に対する位置が定まる。この根本の部分は他の部分と比較して強度が強いので突起としての三角柱は変形することがない。また、三角柱の角部付近及び/又は穴の内面が僅かに局所的に変形して前記角部付近が穴の内面にくい込む。したがって、前記凹部と穴の結合がより強固になる。また、ねじれていない多角柱は成形が容易である。
カップリングの調心効果により、アース接点部の摺動部の回転中心が本体のカップリング中心にあるアース接点部と合致することにより、接点部の摺動距離が最小となり摺動速度も最小となり接点寿命、接点安定化が図られる。また、カートリッジ側の接点面が外部に露出していないため、手等が触れて、接点不良が生ずることを防止できる。
図50及び図51はアース機構の他の実施の形態を示す。
装置本体14に設けられたアース接点部材123はカップリング凹軸39bの中心をゆるく挿通しており、非回転である。そして、後端が板ばね117とかしめて固定されている。他の点は図44と同様である。
また、図51に他の実施例を示す。
装置本体14に設けられたアース接点部材123はカップリング凹軸39bに固定されている。そして、アース接点部材123の後端と、装置本体14の側板67に固定されたカップリング凹軸39bを支持する軸受116との間には、圧縮コイルばね117が非回転で取り付けられている。そこで、圧縮コイルばね117とアース接点部材123が摺動する。この実施の形態においても、アース接点119b,123bが当接して、感光体ドラム7のアースが行われる。
上述アースの各実施の形態は、ドラムフランジ36の中心にアース接点119bを設けた。即ち、ドラムフランジ36の軸線と同軸線上にアース接点119bを設けた。この導電部材119はなくすことができる。即ち、ドラムフランジ36は中心部は中実として装置本体のアース接点部材123と接触させる。そしてドラムフランジ36自身を導電性部材とする。このドラムフランジ36として採用される材質は、例えば、導電性フイラー入りポリアセタール、導電性フイラー入りポリフェニレンサルフォン、導電性フイラー入りポリアミド等が適当であり、これによって凸軸中心部の構造が簡略となり組立工数が少なくてよい。尚、導電性フイラーとしては例えば、カーボンフイラー、金属粉、及び金属コートガラス繊維等である。
図52に他の実施の形態を示す。
本実施の形態は、カップリング部品(ドラムフランジ36)を2色成形したものである。即ち、本実施の形態においては、凸部37a及び凸部37aと連接する連接部分36d(図で点を付した部分)を前述した導電性材質で成形する。また、ギア7b(はす歯ギア)の部分は、耐摩耗性の高い材質(例えば、ボリアセタール、ポリカーボネイト等)で成形する。尚、36eは嵌合部であって、ドラム筒7dに嵌合する部分である。この実施の形態によれば、感光体ドラム7の電荷を、連接部分36d及び凸部37aを通過させて、装置本体14へ逃がすことができる。
図53はカップリング凸部の他の実施の形態である。凸軸37の端面に、凸軸37と同軸線上に支持軸37a5を設ける。そしてこの支持軸37a5からアーム37a4を放射状に突出させてその先端に球状当接部37a3を設けたものである。そして、球状当接部37a3が凹部39aの内面と接触して結合して、駆動力の伝達が行われる。そして、支持軸37a5の先端にアース接点119bを露出させる。
図54は、図53に示したアーム37a4を三角板にしたものである。本実施の形態においても、凸軸37と同軸線上にアース接点119bを配置した。
{プロセスカートリッジのアースの他の実施の形態)
この実施の形態は導電部材119をカップリング部品(ドラムフランジ)36に固設する。以下、詳細に説明する。
先ず、装置本体14側について述べる。図55に示すように、装置本体14に設けられたアース接点部材123は、図50と同様に、カップリング凹軸39bの中心を緩く挿通しており、非回転である。そして、その後端が板ばね117とかしめ117aによって固定されている。装置本体14側の他の構成は図44と同様である。
本体アース接点123bは、凹部39aの底面39a1よりも突出しており、保守点検を容易としてある。上記板ばね117は導電性の材質であり、ばね鋼、ステンレス、燐青銅板、ベリリウム青銅板等で作られている。
導電部材119は例えば燐青銅、ステンレス鋼、メッキされた鋼材等が用いられ、アース接点部材123としては導電部材119と同材質を用いることができるが、アース接点部材123と導電部材119の材質の組合せは、互いに異なることが好ましい。
図55に示すように、感光体ドラム7はドラム筒7dの駆動側とは反対側にドラムフランジ34が嵌入固定されている。そしてこのドラムフランジ34はクリーニング枠体13に固設されたドラム軸7aに回転自在に支持されている。尚、本例のドラム軸7aは接地に用いないため、材質としては金属に限らず絶縁性の合成樹脂でもよい。
感光体ドラム7のドラム筒7dの駆動側にはドラムフランジ36の嵌合部36dが嵌入し、図56aに示すように嵌合部36dに設けた凹部36fに向かってドラム筒7dの端部をかしめKによってドラム筒7dとドラムフランジ36を固定してある。ドラムフランジ36にはカップリング凸部37a側から円筒形の穴34a、この穴34aから段部でもって縮径した穴34b、この縮径した穴34bから著しく拡径したぬすみ穴34cとつらなる中心穴34が設けられている。
駆動側に固定されたドラムフランジ36の中心穴34をとおり、軸方向に移動しないように導電部材119が圧入により嵌入している。この導電部材119は穴34bに小径部119dが圧入され、また、大径部119cは穴34aに対し、隙間を持って嵌合する段付の棒状である。尚、小径部119d端はドラムフランジ36の内側端面36cに接するよう設けたアース板118に嵌入して固定されている。このアース板118は端部に突起118aを有し、この突起118aは先端が駆動側を向いていてドラム筒7dの内面7d1に弾力でくい込んでいる。
図56aは図55におけるアース接点を拡大して詳細を示す縦断面図である。図57はアース板118の正面図である。アース板118は図57に示すように円板状で直径をわたる両側の円弧部分に溝118bを平行に入れ、この溝118b間の突起118aは駆動側へ向って折曲した先端118a1を有している。そして、先端118a1は山形の突起を2つ有し、この突起がドラム筒7dの内面7d1にくい込んでいる。尚、36dはドラムフランジ36の内側端面36cに突設したダボであって、アース板118が嵌入しアース板118のドラムフランジ36に対する回り止めである。またダボ36dの先端は、半溶融して拡径してドラムフランジ36とアース板118が固定されている。拡径したダボ36dはアース接点119を組付時にドラムフランジ36からアース板118を離れないようにしている。
アース接点119の他方端のアース端子119bは、カップリング凸軸37の先端に設けた凸部37a1よりも退いた位置にある。このアース端子119bが凸部端面17a1よりも退いていることにより、プロセスカートリッジBを装置本体14へ着脱の際、及び装置本体14から取り外したプロセスカートリッジBの取り扱いの際にアース端子119bが保護される。
図43に示すようにアース端子119bは凸部37aの端面37a1の軸心をとおる軸方向に現われる。
次に、アース板118とドラムフランジ36の内側端面36c側の形状との関係について述べる。図56aに示すように、ドラムフランジ36の内側端面36cには、直径方向に溝36gが設けてある。この溝36gはアース板118の突起118aと位置が一致しており、突起118aの折曲した先端118a1がドラム筒7dの内面7d1にくい込むのを妨げないようになっている。アース板118は突起118aを除いて円板状である。この円板の直径はドラム筒7dの内径よりもわずかに小さいが、突起118aはこの円板より外方へ突出している。導電部材119が嵌入するアース板118の中心の穴118dは、図59に示すようにH形をしている。そして、H字の左右を結ぶ線の対向縁118d1は図58に示すように反駆動側へ向って斜めに曲げられている。尚、この対向縁118d1間の距離はアース接点119の小径部119dの直径よりも小さい。
次にアース板118の突起118a、ダボ36hの嵌入する穴118c、アース接点止め穴118dの位置関係について述べる。突起118a、ダボ用穴118cは夫々アース板118の中心を通る線イ、ロ上において夫々がこの中心から等しい距離に設けられている。
線イとロは交叉しており、本例ではθが約30度である。そしてアース接点止め穴118dは対向縁118d1が線ロに直交しアース板118の中心を通る線ハ上にあり、アース板118の中心から対向縁118d1までの距離は等しい。
ここで、ドラムフランジ36のダボ36hにアース板118のダボ用穴118cを嵌入して、アース板118をドラムフランジ36の内側端面36cに接してダボ36dを加熱して頭部を半溶融して図56aに示すように半球形として拡径する。ここで自然冷却するとこれによりドラムフランジ36とアース板118は固定される。そして、導電部材119を図56aに示すように、図示矢印Y方向に向ってドラムフランジ36の中心穴34に挿入する。まず、ドラムフランジ36の小径の穴34bに導電部材119の小径部119dが圧入される。そして次に、導電部材119の小径部119dがアース板118の中心のアース接点止め穴118dに、対向縁118d1を押し拡げ嵌入する。更に、ドラムフランジ36の中心穴34の段部に導電部材119の大径部119cが接して、導電部材119のドラムフランジ36に対する軸方向の位置が定まる。そしてアース接点119bは、カップリング突部37aの端面37a1よりも所定の深さだけ中心穴34内へ退いた位置となる。
このようにカップリング部品として、ドラムフランジ36、アース板118、導電部材119をユニット化する。そして、ドラムフランジ36の嵌合部36dとドラム筒7dを嵌合し、ドラム筒7d端部をドラムフランジ36の凹部36fへ向かってかしめKにより固定する。尚、図56aに示したカップリング部品Cの斜視図を、図56b,56cに示す。
この実施の形態におけるカートリッジアース接点119bと本体アース接点123bの接離は次のとおりである。図55の状態において本体ギア43が駆動されると、感光体ドラム7が回転する。そして、ドラムギア7bを有するドラムフランジ36は、導電部材119(アース接点119b)と共に回転する。ドラムギア7bははす歯ギアであるため、図55において、d方向への推力を受ける。又、既に述べたように、カップリング凸部37aとカップリング凹部39aは互いに軸方向へ引き合い、カップリング凹部39aの底面39a1とカップリング凸部37aの端面37a1は圧接する。既に述べたように、カップリング凹部39aは装置本体14の開閉部材35を閉じることにより前進した一定位置にあるので、感光体ドラム7の画像形成時の軸方向位置は一定する。
上述したように、板ばね117がアース接点部材123をばね力でプロセスカートリッジBのアース接点119を軸方向に矢印dと反対方向に押圧するが、この板ばね117のばね力は、カップリング凸部37aをカップリング凹部39aへ向かって引き込む推力、ドラムギア7bの推力の何れよりも弱く設定してあるので板ばね117のばね力が感光体ドラム7の軸方向の位置決めを害することはない。
アース接点部材123は板ばね117に固定されて板ばね117のばね力でアース接点119に押圧されている。そこで、導電部材119のアース接点119bとアース接点部材123の接点123bは圧接し、摺動する。
プロセスカートリッジBを装置本体14から取り外す際は、カップリング凹軸39bは大ギア43と共にカップリング凸部37aから後退する。このカップリング凹軸39bの後退の始めにおいては、アース接点部材123は板ばね117のばね力によりプロセスカートリッジBのアース接点119bに圧接している。そしてカップリング凹軸39bの後端が板ばね117に接した後は、カップリング凹軸39bの後退により、板ばね117は図55において左方へばね力に抗して変形させられる。そしてアース接点部材123は後退し、アース接点119bと本体アース接点123bは離れ、アース接点部材123は後退する。ついで、カップリング凸部37aからカップリング凹部39aが軸方向に抜ける。更に、軸受38のカップリング凸部37aを取り囲んで円筒形の凸部38aから軸方向に離れた位置にきて一定位置で停止する。このように動作は、例えば図27から図29を用いて示した開閉部材35とカップリング凹軸39bの連動装置により行われる。
上記のようにカップリング凹軸39bが後退した状態でプロセスカートリッジBの着脱操作が行なわれる。プロセスカートリッジBを装置本体14に装着後に開閉部材35を閉めるとカップリング凹軸35bはアース接点部材123を従えて前進し、カップリング凹部39aをカップリング凸部37aに嵌合する。そしてカップリング凹部39aがカップリング凸部37aへの嵌合を深めると、本体アース接点123bがカートリッジアース接点119bと接する。そしてアース接点部材123は板ばね117で押された状態で、導電部材119によって前進を止められる。そして、更なるカップリング凹軸39bの前進により、カップリング凹部39aの底面39a1はカップリング凸部37aの端面37a1に接する。
上記において、導電部材119、アース接点部材123は既に述べた材質が用いられる。尚、この実施の形態では、導電部材119にアース板118の中心のアース接点止め穴118dの対向縁118dがくい込むため、アース板118の材質としては導電部材119よりも硬度が高い材質、例えば、ばね鋼、メッキされたばね鋼等が望ましい。
この実施の形態によれば、導電部材119はドラムフランジ36に固定され従って、導電部材119はアース板118のアース接点止め穴118dに差し込み、抜け止めとするだけで取り付けることができる。仮に、アース接点119のドラムフランジ36の中心穴34への圧入が弛くても、導電部材119はドラムフランジ36から抜けることがない。なお、ドラムフランジ36の中心穴34は導電部材119の段部が突き当たる段部を有するため、導電部材119のドラムフランジ36の軸方向に対する位置決めが正確に行なわれる。
アース板118はドラムフランジ36の内側端面36cに接してダボ36dにより固定されていて、駆動側に向って傾いた突起118aがドラム筒7dの内面7d1にくい込んでいる。従って、ドラムフランジ36がドラム筒7dから抜け出すことを防止することができる。また、ドラム筒7dがドラムフランジ36に対して回転するのが防止される。そして、ドラム筒7d端部がドラムフランジ36の凹部36fに向かってかしめられているので、ドラムフランジ36はドラム筒7dに対して強固に固定される。
尚、導電部材119をドラムフランジ36に固定した実施の形態において、カップリング凹軸39bの中心穴を例えば角形として、この中心穴に嵌入するアース接点部材123を上記角穴に丁度嵌合して軸方向移動自在にとする。そして、板ばね117とアース接点部材の後端を接点123aとして、板ばね117とアース接点部材123を摺動させるようにしてもよい。この場合には、カップリング凹軸39bが後退する際にアース接点部材123を後退させるため、図60に示すようにカップリング凹軸39bと板ばね117間の位置においてアース接点部材123にカップリング凹軸39bが後退する際に接するつば123cを設ける。
上記各実施の形態では、アース接点部材123をアース接点119bへ向かって付勢するために板ばね117を用いているが、図63に示す通り、圧縮コイルばね130を用いてもよい。本実施の形態では、アース接点部材123の従動と固定側板131との間に圧縮コイルばね130を取り付けている。そこで、アース接点部材123は、コイルばね130の弾性力によって、カートリッジアース接点119bに押圧する。尚、132はネジであって、固定側板131を本体側板67に取り付けている。尚、図25、図26、図28及び図29には圧縮コイルばね130を用いた実施形態を示したが、勿論他の実施形態であっても良い。
尚、前述した各実施形態は、適宜組合せて実施しても良い。例えば、図56及び図57に示した実施形態を例えば図11あるいは図61に示した実施形態と組合せて実施しても良い。また、同様に例えば図53及び図54に示した実施形態を例えば図11あるいは図61に示した実施形態と組合せて実施しても良い。また、例えば図50に示した実施形態を例えば図55、図60あるいは図61と組合せて実施しても良い。また、図52に示した実施形態は、凸部を例に挙げて説明したが、勿論凹部であっても良い。そして、図52に示した実施形態も、例えば、図11、図55、図60及び図61に示す装置本体と組合せて実施することができる。
以上に説明したとおり、前述した実施形態によれば、
画像形成装置本体からのプロセスカートリッジへの動力伝達が、画像形成装置本体とプロセスカートリッジの何れか一方に穴を設け、他方にこの穴に嵌合する突起を設けた。そのうえで、穴の内部と突起に、穴と突起が嵌合した際に接続されるアース接点を設けたことにより、電子写真感光体ドラム端部の回転部分でアースを取ることが可能である。
またこのアース接点は弾性力を有するので確実な接続が可能となる。
上記における穴と突起をねじれた形状とすることにより、アース接点の接続を一層に助勢し接続を安定したものとする。
前記穴及び突起の断面は略三角形とすることにより自動調心作用がある。また、穴と突起をゆるい嵌合とすることができるので係脱が容易である。
前述した実施の形態で示したプロセスカートリッジBは単色画像を形成する場合を例示したが、本発明に係るプロセスカートリッジは現像手段を複数設け、複数色の画像(例えば2色画像、3色画像あるいはフルカラー等)を形成するカートリッジにも好適に適用することができる。
また、電子写真感光体としては、前記感光体ドラム7に限定されることなく、例えば次のものが含まれる。先ず感光体としては光導電体が用いられ、光導電体としては例えばアモルファスシリコン、アモルファスセレン、酸化亜鉛、酸化チタン及び有機光導電体(OPC)等が含まれる。また前記感光体を搭載する形状としては、例えばドラム状またはベルト状のものが用いられており、例えばドラムタイプの感光体にあっては、アミル合金等のシリンダ上に光導電体を蒸着或いは塗工等を行ったものである。
また現像方法としても、公知の2成分磁気ブラシ現像法、カスケード現像法、タッチダウン現像法、クラウド現像法等の種々の現像法を用いることが可能である。
また帯電手段の構成も、前述した実施の形態では所謂接触帯電方法を用いたが、他の構成として従来から用いられているタングステンワイヤーの三方周囲にアルミ等の金属シールドを施し、前記タングステンワイヤーに高電圧を印加することによって生じた正または負のイオンを感光体ドラムの表面に移動させ、該ドラムの表面を一様に帯電する構成を用いても良いことは当然である。