JP3984955B2 - 突合ストッパを含むシリンダヘッドガスケット - Google Patents

Description

本発明は、ガスケットに関する。より詳細には、本発明は、突合ストッパを含むシリンダヘッドガスケットに関する。特に本発明は、少なくとも一方にリブを有する少なくとも２つの金属薄板を含む多層シリンダヘッドガスケットに適用される。

図１に示す実施形態によれば、シリンダヘッドガスケット10は、燃焼室の開口部に対応する少なくとも１つの開口部14を備えている２つの金属薄板12を含んでおり、この２つの金属薄板の少なくとも一方、好ましくは双方が、開口部の縁部から離れて各開口部の周囲に設けられているリブ16を有し、このリブは、ガスケットの内側に向かって変形されている。

補足すると、ガスケット10は、２つの外側金属薄板12の間でリブ16に対向して配置されている中間支持金属薄板18と、環状の楔の形状をなすストッパ20とを含んでおり、ストッパの内径が開口部の内径にほぼ対応し、ストッパの外径がリブの外径に対応し、それによってストッパが支持金属薄板の延伸部分に突き合わせ配置されている。

ストッパ20の厚みＸ１は、支持金属薄板の厚みＸ２よりも厚く、リブが押しつぶされるのを制限する手段、すなわち第１の気密障壁を構成するとともに、少なくとも１つの外側金属薄板12をアーチ形にして、動作時にこの外側金属薄板の振動を制限することを可能としている。

従来技術によれば、支持金属薄板の少なくとも一部が、常にリブの間に配置されている。金属薄板は、圧延により製造される製品であり、厚み及び寸法公差の精度が低い。一方で、シリンダヘッドガスケットの良好な動作を確保するために、リブが介在部材と接するとき、リブの間隔を高精度で制御することが重要である。

通常、ストッパは、支持金属薄板により横方向に固定され、外側金属薄板により垂直方向に固定されるが、リブを備えた外側金属薄板12が可撓性であるために、支持金属薄板18と一方の外側金属薄板12の間でストッパ20がゆるんで滑動することがあり、したがってストッパと支持金属薄板の間を剛接合することが必要である。

このように、一般に、ストッパ20と支持金属薄板18の間の結合は、溶接、貼り合わせ又は同等の手段により実施される。本出願人名義の仏国特許出願第00.12669号明細書は、前記ストッパを半径方向に拡張してその支持金属薄板に固定する方法を提案している。

従って、本発明は、突合ストッパを含み、ストッパと支持金属薄板が剛接合されることなく、しかしながらストッパを完全に所定の位置に保持するすることができる新規なシリンダヘッドガスケットを提供することを課題としている。

上記課題は、本発明において、燃焼室に対応する少なくとも１つの開口部を備えている少なくとも２つのいわゆる外側金属薄板であって、少なくとも１つの外側金属薄板が、開口部の縁部から距離ｄのところに設けられているとともに開口部を取り囲む円形のリブを有する少なくとも２つのいわゆる外側金属薄板と、外側金属薄板の間に配置されている支持金属薄板であって、外側金属薄板の開口部より大きな直径の開口部を有し、それによって環状の楔の形状をなすストッパが配置される空間が画定され、ストッパの内径が開口部に対応し、ストッパの外径が支持金属薄板の開口部に実質上適合され、突き合わせて配置されるように構成されている支持金属薄板とからなり、支持金属薄板の接触面が、対向するストッパの接触面よりも大きいことを特徴とするシリンダヘッドガスケットにより解決される。

好適な実施形態によれば、こうした接触面の大きさの差が、支持金属薄板の端部を可塑的に変形することにより得られ、この端部が、切り込みを有し、わずかに交互に折り曲げられている舌片を形成することが好ましい。

本発明の他の特徴及び長所は、添付図面に関連して例示することのみを目的とし、本発明による装置を解説する以下の説明から明らかになる。

各図に示すシリンダヘッドガスケット110は、エンジンブロックの燃焼室に対応する少なくとも１つの開口部114を備えた少なくとも２つの外側金属薄板112を含み、外側金属薄板112の少なくとも一方、好ましくは双方が、開口部114の縁部から距離ｄのところに設けられているとともに開口部114を取り囲む円形のリブ116を有し、１つ又は複数のリブが、ガスケットの内側に向かって変形されている。

周知のように、外側金属薄板112の間に中間支持金属薄板118が配置されている。支持金属薄板118は、外側金属薄板112の開口部114と同心で、開口部114より大きな直径の開口部を含み、それによって環状の楔の形状をなすストッパ120が配置される空間が画定される。ストッパの内径は、開口部114の内径に対応し、ストッパの外径は、支持金属薄板の開口部に実質上適合されている。

このストッパは、支持金属薄板118の厚みＸ２よりも厚みのある厚みＸ１を有する少なくとも１つの領域122を含み、リブが押しつぶされるのを制限する手段、すなわち第１の気密障壁を構成するとともに、少なくとも１つの外側金属薄板112をアーチ形にして、動作時にこの外側金属薄板の振動を制限することを可能としている。

場合に応じて、ストッパ120の外径をリブ116の外径より小さくしてリブ116の間に支持金属薄板118を配置することができ、あるいは図３、４Ａ、４Ｂに示すように、リブ116の外径より大きくして、図３に示すように、ストッパの厚みＸ１より薄い厚みの領域124をリブ116の間に配置することができる。

後者の変形実施形態は、ストッパの直径が完璧に決められるので比較的高い精度でリブ116の間に部品が配置され、図２に示すように、開口部114の間にはストッパ120だけが配置されるので、開口部114の間の気筒間の距離を一層縮めることができるという利点を有する。もちろん、変形実施形態であるいわゆる広幅ストッパを、中間支持金属薄板への、他のあらゆる固定手段又は取り付け手段とともに検討することも可能である。

ストッパ120は、本出願人名義の仏国特許出願第01.06129号明細書に記載されているように金属系材料又は繊維材料から形成される。

別の特徴によれば、ストッパは、周方向に沿って変化する輪郭を有することができる。そのため、その厚みを可変とすることができ、局部的な締め付け応力にもかかわらず一定の接触圧を得ることができる。

本発明によれば、支持金属薄板118の接触面が、向かい合ったストッパ120の接触面よりも大きく、ストッパが保持される。

図３、４Ａ、４Ｂに示す実施形態によれば、接触面の大きさの差が、支持金属薄板118の端部126を可塑的に変形することによって得られ、これによって接触面が増大する。このため、場合によっては従来技術と同じ支持金属薄板の所定の厚みから、加工により接触面を増大させることができ、接触面は、最も高い変形位置と最も低い変形位置との差に対応する仮想の厚みを有する。

第一の変形実施形態によれば、端部126が起伏を有する。

図３、４Ａ、４Ｂに示す別の変形実施形態によれば、端部126が、舌片128を形成するように切り込みを有し、舌片は、わずかに上に折り曲げられるものと、わずかに下に折り曲げられるものが、交互に存在していることが好ましい。

本発明の構成によれば、外側金属薄板が互いに離隔するとき、支持金属薄板と外側金属薄板の間でストッパが滑らないようにすることができる可塑的なストップ部材がもたらされる。先に述べたように、このストップ部材は、スタンピングによって、又は切り込みと折り曲げによって構成可能であり、支持金属薄板の仮想の厚みをストッパの厚みより厚くすることができる。このストップ部材は、場合によって、ガスケットの組立時に圧縮可能であるので、可塑性があるといえる。

本発明の別の変形実施形態によれば、支持金属薄板118の可塑性を強調するように輪郭形成した２つの金属薄板から、支持金属薄板118を構成することが可能である。

もちろん、本発明は、上記の図示及び説明した実施形態に制限されるものではなく、その反対に、特に、ストッパの輪郭、使用材料、積層金属薄板からそれぞれ構成可能な金属薄板の製造、ならびにリブの輪郭及び位置に関して、あらゆる変形実施形態を含む。

従来技術によるシリンダヘッドガスケットの横断面図である。 多気筒シリンダヘッドガスケットの平面図である。 図２に示すシリンダヘッドガスケットの横断面図である。 本発明によるシリンダヘッドガスケットが、休止状態にあるところを示す横断面図である。 本発明によるシリンダヘッドガスケットの横断面図であり、外側金属薄板の可撓性を示す図である。

Claims (5)

1. 燃焼室に対応する少なくとも一つの開口部（114）を備えている少なくとも２つのいわゆる外側金属薄板であって、少なくとも１つの外側金属薄板が、前記開口部（114）の縁部から離れて設けられているとともに前記開口部（114）を取り囲む円形のリブ（116）を有する少なくとも２つのいわゆる外側金属薄板（112）と、前記外側金属薄板（112）の間に配置されている支持金属薄板（118）であって、前記外側金属薄板の開口部（114）より大きな直径の開口部を有し、それによって環状の楔の形状をなすストッパ（120）の配置される空間が画定され、前記ストッパの内径が、前記外側金属薄板の開口部（114）の内径に対応し、前記ストッパの外径が、前記支持金属薄板の開口部に実質上適合され、突合せて配置されるように構成されている支持金属薄板（118）とからなり、前記支持金属薄板（118）の接触面が、対向するストッパ（120）の接触面より大きく、前記接触面の大きさの差が、前記支持金属薄板（118）の端部（126）を可塑的に変形することによってもたらされていることを特徴とするシリンダヘッドガスケット。
2. 前記端部（126）の可塑的な変形がスタンピングにより得られることを特徴とする請求項１記載のシリンダヘッドガスケット。
3. 前記端部（126）が、切り込みを有し、好適にはわずかに交互に折り曲げられている舌片（128）を形成されていることを特徴とする請求項１又は２に記載のシリンダヘッドガスケット。
4. 前記ストッパ（120）の外径が、前記リブ（116）の外径より大きいことを特徴とする請求項１から３のいずれか１項に記載のシリンダヘッドガスケット。
5. 前記リブ（116）に対向して配置されているストッパの少なくとも一部の厚みが、当該ストッパの他の部分の厚みよりも薄いことを特徴とする請求項１から４のいずれか１項に記載のシリンダヘッドガスケット。

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