JP4506340B2 - 内燃機関のピストンクランク機構におけるロアリンク - Google Patents

内燃機関のピストンクランク機構におけるロアリンク Download PDF

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Description

この発明は、レシプロ式内燃機関のピストンクランク機構、特に複リンク式のピストンクランク機構におけるロアリンクに関する。
レシプロ式内燃機関のピストンピンとクランクピンとの間を複リンク式のピストンクランク機構で連結した従来技術として、本出願人が先に提案した特許文献1等が公知となっている。これは、ピストンのピストンピンに連結されるアッパリンクと、このアッパリンクとクランクシャフトのクランクピンとを連結するロアリンクと、一端が機関本体側に揺動可能に支持され、かつ他端が上記ロアリンクに連結されるコントロールリンクと、を備えている。そして、上記アッパリンクと上記ロアリンクとは、アッパピンを介して互いに回転可能に連結され、上記コントロールリンクと上記ロアリンクとは、コントロールピンを介して互いに回転可能に連結されている。
このような複リンク式のピストンクランク機構におけるロアリンクは、ピストンが受けた燃焼圧力をアッパリンクを介してアッパピンより受け取り、コントロールピンを支点とする一種の”てこ”のような動作でクランクピンに力を伝達する。従って、ロアリンクは、アッパピン、コントロールピンおよびクランクピンを、それぞれ回転可能に保持しつつ、各ピンから入力を受けた際にもこれらの位置関係を保つだけの強度・剛性が必要である。
一方、ロアリンクは、クランクシャフトに対する組み立て性を確保する必要があるので、上記特許文献1においては、クランクピン軸受部の中心を通る分割面に沿って、2つの半割部つまりロアリンクアッパとロアリンクロアとに分割構成し、両者を複数のボルトにて互いに締結するようにしている。特に、複数のボルトを下方つまりロアリンクロア側から挿入し、ロアリンクアッパ側の雌ねじに螺合させるようにしている。
特開2004−124776号公報
本発明のロアリンクは、上記クランクピンが嵌合する略中央のクランクピン軸受部と、上記アッパピンを保持する一端部のアッパピン用ピンボス部と、上記コントロールピンを保持する他端部のコントロールピン用ピンボス部と、を備えるとともに、上記クランクピン軸受部の中心を通る分割面に沿って、上記アッパピン用ピンボス部を含むロアリンクアッパと、上記コントロールピン用ピンボス部を含むロアリンクロアと、に分割構成され、かつ上記クランクピン軸受部の両側に配置した少なくとも2つのボルト締結部によって上記ロアリンクアッパと上記ロアリンクロアとが締結されている。
そして、上記ボルト締結部のうち上記コントロールピン用ピンボス部側のボルト締結部は、上記ロアリンクアッパと上記ロアリンクロアとを貫通したボルトおよびナットから構成され、上記ロアリンクロア側に位置するボルトもしくはナットを回転することで締結されている一方、上記ボルト締結部のうち上記アッパピン用ピンボス部側のボルト締結部は、上記ロアリンクロアを貫通し、上記ロアリンクアッパに形成された雌ねじに螺合するボルトを回転することで締結されている
さらに、一般に、ロアリンクは剛性向上を目的として浸炭処理が行われるが、その際に、雌ねじ部分には、過度の硬度向上を防止すべく浸炭膜が生じないように防炭処理をする必要があり、コストが嵩む問題が生じる。
この発明は、ピストンにピストンピンを介して一端が連結されたアッパリンクと、このアッパリンクの他端にアッパピンを介して連結され、かつクランクシャフトのクランクピンに連結されたロアリンクと、一端が機関本体側に揺動可能に支持され、かつ他端が上記ロアリンクにコントロールピンを介して連結されたコントロールリンクと、を備えてなる内燃機関のピストンクランク機構を前提としており、そのロアリンクを改良したものである。
本発明のロアリンクは、上記クランクピンが嵌合する略中央のクランクピン軸受部と、上記アッパピンを保持する一端部のアッパピン用ピンボス部と、上記コントロールピンを保持する他端部のコントロールピン用ピンボス部と、を備えるとともに、上記クランクピン軸受部の中心を通る分割面に沿って、上記アッパピン用ピンボス部を含むロアリンクアッパと、上記コントロールピン用ピンボス部を含むロアリンクロアと、に分割構成され、かつ上記クランクピン軸受部の両側に配置した少なくとも2つのボルト締結部によって上記ロアリンクアッパと上記ロアリンクロアとが締結されている。そして、上記ボルト締結部の少なくとも1つは、上記ロアリンクアッパと上記ロアリンクロアとを貫通したボルトおよびナットから構成され、上記ロアリンクロア側に位置するボルトもしくはナットを回転することで締結されている。
このようにボルトがロアリンクアッパとロアリンクロアとを貫通する構成では、ロアリンク自体に雌ねじが形成されないため、応力集中の問題が生じない。そして、内燃機関の組立の際には、ボルトもしくはナットをロアリンクロア側から締付作業できるので、作業性に優れたものとなる。
一つの態様では、上記ロアリンクロア側にナットが配置され、該ナットの回転により締結されている。この場合、ロアリンクアッパ側から挿入したボルトによってロアリンクアッパとロアリンクロアとの位置決めがなされるので、ノックピンのような位置決めが不要となり、作業効率が向上する。また、ロアリンクアッパ側にボルト頭部が、ロアリンクロア側にナットが、それぞれ位置するので、ロアリンクの重心位置をクランクピン中心に近付けるような設計が容易となる。
また一つの態様では、上記ロアリンクアッパ側にナットが配置され、上記ロアリンクロア側から挿入したボルトの回転により締結されている。この場合も、ロアリンクアッパ側にナットが、ロアリンクロア側にボルト頭部が、それぞれ位置するので、ロアリンクの重心位置をクランクピン中心に近付けるような設計が容易となる。
この場合、上記ロアリンクアッパ側に上記ナットの回り止め部が設けられていることが望ましい。上記回り止め部としては、例えば、上記ロアリンクアッパと一体に形成されたリブを用いることができる。また、このリブ等からなる上記回り止め部は、応力分散のために、少なくとも2点で上記ナットと当接することが望ましい。
また、ボルトの締付の際に、該ボルトとナットとが容易に同心状態となるように、上記ナットを上記ロアリンクアッパの所定位置に位置決めする位置決め部が上記ロアリンクアッパに設けられていることが望ましい。
上記位置決め部として、例えば上記ロアリンクアッパに上記ナットを挟む一対のリブを設けることができる。このリブは、上記ナットの回り止め部としても機能させることができる。
また、上記ロアリンクアッパ側に上記ナットの脱落防止機構が設けられていることが望ましい。
上記の回り止め部および位置決め部となる上記の一対のリブを上記の脱落防止機構として構成することができ、この場合、上記の一対のリブの間に上記ナットが圧入されるように、それぞれの寸法が設定されている。つまり、一対のリブの間にナットを圧入することで、ナットが所定位置に固定保持され、かつボルト締付時にナットの回り止めがなされる。
上記ナットとしては、上記クランクピンの軸方向に沿った方向の寸法が、これと直交する方向の寸法よりも小さい異形のナットを用いることができる。つまり、ロアリンクは、主にクランクピン軸方向と直交する面に沿って荷重を受け、クランクピン軸方向に沿った応力は非常に小さいので、ナットのクランクピン軸方向の寸法は小さくとも、十分な剛性を確保し得る。
上記ナットと上記ロアリンクアッパとは、それぞれに適した異なる材質とすることができ、例えば、ロアリンクアッパおよびロアリンクロアのみに浸炭処理を行うことが可能である。
本発明の一つの態様では、上記コントロールピン用ピンボス部は、コントロールピン両端部を支持する二股状をなしており、上記ロアリンクロアは、上記コントロールピン用ピンボス部と上記クランクピン軸受部との間に、上記クランクピンの軸方向に沿った肉厚が、上記コントロールピン用ピンボス部の軸方向の全長よりも小さな部位を備えている。これにより、コントロールピン用ピンボス部から作用する荷重が、クランクピンの軸方向中央部に主に加わる。従って、クランクピン軸受部の軸方向中央部で最も高くなる油膜圧力によって効果的に荷重が支持される。
本発明のピストンクランク機構は、上記コントロールリンクの機関本体側の揺動支点位置を変化させることにより、内燃機関の可変圧縮比機構として構成することができる。
この発明によれば、ロアリンク自体に雌ねじが形成されないため、雌ねじ部分での応力集中による耐久性低下の問題を回避することができるとともに、ロアリンクの重心位置をクランクピン中心に近付けるような設計が容易となり、振動騒音の点で有利となる。
以下、この発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。始めに、この発明のロアリンクが用いられるピストンクランク機構の概略を説明する。
図1は、この複リンク式ピストンクランク機構を可変圧縮比機構として構成した構成例を示す構成説明図である。この機構は、ロアリンク4とアッパリンク5とコントロールリンク10とを主体とした複リンク式ピストンクランク機構を備えている。
クランクシャフト1は、複数のジャーナル部2とクランクピン3とを備えており、シリンダブロック18の主軸受に、ジャーナル部2が回転自在に支持されている。上記クランクピン3は、ジャーナル部2から所定量偏心しており、ここにロアリンク4が回転自在に連結されている。カウンタウェイト15は、ジャーナル部2とクランクピン3とを接続するクランクウェブ16からクランクピン3とは反対側へ延びている。
上記ロアリンク4は、後述するように2部材に分割可能に構成されているとともに、略中央のクランクピン軸受部に上記クランクピン3が嵌合している。
アッパリンク5は、下端側がアッパピン6によりロアリンク4の一端に回動可能に連結され、上端側がピストンピン7によりピストン8に回動可能に連結されている。上記ピストン8は、燃焼圧力を受け、シリンダブロック18のシリンダ19内を往復動する。
ロアリンク4の運動を拘束するコントロールリンク10は、上端側がコントロールピン11によりロアリンク4の他端に回動可能に連結され、下端側が制御軸12を介して機関本体の一部となるシリンダブロック18の下部に回動可能に連結されている。詳しくは、制御軸12は、回転可能に機関本体に支持されているとともに、その回転中心から偏心している偏心カム部12aを有し、この偏心カム部12aに上記コントロールリンク10下端部が回転可能に嵌合している。
上記制御軸12は、図示せぬエンジンコントロールユニットからの制御信号に基づいて作動する図示せぬ圧縮比制御アクチュエータによって回動位置が制御される。
上記のような複リンク式ピストンクランク機構を用いた可変圧縮比機構においては、上記制御軸12が圧縮比制御アクチュエータによって回動されると、偏心カム部12aの中心位置、特に、機関本体に対する相対位置が変化する。これにより、コントロールリンク10の下端の揺動支持位置が変化する。そして、上記コントロールリンク10の揺動支持位置が変化すると、ピストン8の行程が変化し、ピストン上死点(TDC)におけるピストン8の位置が高くなったり低くなったりする。これにより、機関圧縮比を変えることが可能となる。
次に、上記ロアリンク4の一実施例を図2および図3に基づいて説明する。図2は、ロアリンク4を斜め上方から見た斜視図、図3は、クランクピン3と直交する面に沿った断面図である。
ロアリンク4は、上記クランクピン3が嵌合する略中央のクランクピン軸受部21と、上記アッパピン6を保持する一端部のアッパピン用ピンボス部22と、上記コントロールピン11を保持する他端部のコントロールピン用ピンボス部23と、を備えている。そして、クランクピン3への組み立て性のために、上記クランクピン軸受部21の中心を通る分割面24に沿って、上記アッパピン用ピンボス部22を含むロアリンクアッパ31と、上記コントロールピン用ピンボス部23を含むロアリンクロア32と、に分割構成され、両者が、クランクピン軸受部21の両側にそれぞれ配置された2本のボルト33,34によって一体に締結されている。上記シリンダ19が上下方向に配置されているとすると、クランクケース内で上記ロアリンクアッパ31が上側に、上記ロアリンクロア32が下側に、それぞれ位置し、上記ボルト33,34は、いずれもクランクケースの下側から締め付けられる形となる。なお、35は位置決め用のロケートピンである。
上記アッパピン用ピンボス部22のピン孔22aには、アッパピン6が回転可能に保持される。ここに組み合わされるアッパリンク5は、下端のアッパピン軸受周辺が二股状に形成されており、二股の内側に、ロアリンク4側のアッパピン用ピンボス部22が回転可能に組み合わされる。
これに対し、コントロールピン11が回転可能に挿入されるピン孔23aを備えたコントロールピン用ピンボス部23は、二股状に構成されており、この二股の内側に、コントロールリンク10一端のピンボス部が回転可能に組み合わされる。
2本のボルト33,34の中で、アッパピン用ピンボス部22側に位置するボルト33は、ロアリンクロア32のボルト挿入孔36を貫通し、かつ先端部が、ロアリンクアッパ31に形成された雌ねじ部37に螺合している。これに対し、コントロールピン用ピンボス部23側に位置するボルト34は、所謂通しボルトとして、ロアリンクロア32のボルト挿入孔38およびロアリンクアッパ31のボルト挿入孔39の双方を貫通し、かつロアリンクアッパ31の上面に配置されたナット40に螺合している。
上記ナット40は、図4および図5に詳示するように、クランクピン3軸方向に向かう一対の平面41を有し、かつこの平面41に沿った方向に細長くなった異形ナットからなる。つまり、図5に示すように、クランクピン3の軸方向に沿った方向の寸法L2が、これと直交する方向の寸法L1よりも小さい。また、上記の一対の平面41は、厳密には互いに完全な平行ではなく、徐々に先細りとなるような緩いテーパ面をなしている。
このようなナット40に対し、該ナット40が配置される上記ロアリンクアッパ31の上面には、図2,図4に示すように、ナット40を両側から挟み込む一対のリブ45が形成されている。この一対のリブ45の互いに対向する内側面45aは、個々に平面をなすとともに、上記ナット40の一対の平面41に対応した緩いテーパ面をなしている。また、上記の一対のリブ45は、上記ロアリンクアッパ31の一部として一体に形成されたものであって、ロアリンクアッパ31の前後の端面に沿ってそれぞれ上方に延びているとともに、クランクピン軸受部21の上方部分において、互いにV字形をなすように、2つのリブ45が接続されている。換言すれば、上記ロアリンクアッパ31の上面に、上記ナット40を収容する略V字形の凹部46(図4参照)が形成され、その両側の壁がリブ45となっている。この凹部46は、上述した内側面45aの緩いテーパ面によって徐々に先細りとなっているが、その幅の広い側となる一端は側方に開放されており、ここから、図6に矢印aで示す方向に沿って、ナット40を挿入することが可能である。
ここで、図4に示すように、ナット40の一対の平面41の間の寸法、特に、ねじ孔40a中心を通るクランクピン3軸方向に沿った寸法L2’は、一対のリブ45の内側面45aの間の寸法、特にボルト挿入孔39の中心を通るクランクピン3軸方向に沿った寸法L3よりも僅かに大きい。従って、上記の矢印aに沿って凹部46内に挿入されたナット40は、緩いテーパ面をなす平面41が同様のテーパ面をなすリブ45の内側面45aに密に合致し、さらにねじ孔40aとボルト挿入孔39とが同心となる位置まで押し込むことによって、軽く圧入された状態となる。これにより、所定位置まで押し込まれたナット40は、ロアリンクアッパ31の凹部46内に確実に固定保持され、脱落することがない。
ピストンクランク機構の組立の際には、このようにロアリンクアッパ31に取り付けられたナット40に対し、図6に示すように、ボルト34が下方から挿入され、クランクケース下面側からボルト34を回転することによって、締付作業が行われる。他方のボルト33も同方向から締付作業が行われる。このとき、上記ナット40は、ボルト挿入孔39と合致した所定位置に固定保持されているので、ボルト34との位置合わせ等の作業が不要である。そして、締付作業の間、上記リブ45が両側からナット40の回り止めを行うので、極めて容易に締付作業を行うことができる。
上記実施例の構成では、上記リブ45は、クランクピン3の軸方向と直交する平面に沿って延びているので、この平面に沿ってロアリンク4に作用する荷重に対し、ロアリンク4の剛性向上に寄与する。また、上記ナット40は、上述のように、クランクピン3の軸方向の寸法L2が小さなものとなっているが、ロアリンク4においては、このクランクピン3の軸方向には、荷重が殆ど作用せず、小さな寸法L2でもって十分な剛性の確保が可能である。このような異形のナットとすることで、ナット40の十分な剛性を確保しつつ、ロアリンク4全体のクランクピン3軸方向の寸法の増大を回避でき、かつ回り止め部ならびに脱落防止となる平面41とリブ45との接触面の長さをより大きく確保することができる。
図3の断面図には、矢印F1,F2,F3でもって、爆発燃焼時に、クランクピン3、アッパピン6、コントロールピン11からそれぞれロアリンク4に入力される力の方向を示している。図示するように、クランクピン3とコントロールピン11とから入力される反対方向の力F1,F3によって、ロアリンクアッパ31とロアリンクロア32とは、特にボルト34側の領域において互いに引き離されようとし、ボルト34に引張方向の大きな軸力が生じる。上記実施例では、このような引張方向の大きな応力を受けるロアリンクアッパ31のコントロールピン11側の部分に、雌ねじが形成されていないため、応力集中による耐久性低下を回避することができる。なお、反対側のボルト33の領域では、爆発燃焼時の大きな荷重がロアリンクアッパ31とロアリンクロア32とを互いに押し付ける方向に作用するので、相対的に、雌ねじ部分での応力集中の問題は小さい。
また、上記実施例のロアリンク4においては、上記コントロールピン用ピンボス部23が二股状をなし、そのコントロールピン11軸方向の全長が比較的大きなものとなっているが、ロアリンクロア32のクランクピン軸受部21との間の部分は、クランクピン3軸方向に沿った肉厚が、上記コントロールピン用ピンボス部23の軸方向の全長よりも小さなものとなっている。つまり、図7に、アッパピン用ピンボス部22とクランクピン軸受部21とコントロールピン用ピンボス部23との三者を通る模式的な断面を示すように、コントロールピン用ピンボス部23の全長L5に比較して、中間部32aの肉厚L6は小さく、この結果、コントロールピン11両端部からアッパピン用ピンボス部23に加わった荷重F4が、中間部32aを介してクランクピン軸受部21の軸方向中央部に荷重F5となって伝達される。従って、潤滑油膜が欠損しやすいクランクピン軸受部21の軸方向両端部での荷重が小さくなり、油膜圧力が高い軸方向中央部で荷重F5を確実に支承することができる。
ロアリンクが用いられるピストンクランク機構の例を示す構成説明図。 本発明に係るロアリンクの一実施例を示す斜視図。 同ロアリンクの断面図。 リブとナットとの寸法関係を示す斜視図。 ナットの拡大斜視図。 このロアリンクの組立方法を示す説明図。 クランクピン軸受部等を通る模式的な断面を示す断面図。
符号の説明
4…ロアリンク
21…クランクピン軸受部
22…アッパピン用ピンボス部
23…コントロールピン用ピンボス部
31…ロアリンクアッパ
32…ロアリンクロア
33,34…ボルト
40…ナット
45…リブ

Claims (14)

  1. ピストンにピストンピンを介して一端が連結されたアッパリンクと、このアッパリンクの他端にアッパピンを介して連結され、かつクランクシャフトのクランクピンに連結されたロアリンクと、一端が機関本体側に揺動可能に支持され、かつ他端が上記ロアリンクにコントロールピンを介して連結されたコントロールリンクと、を備えてなる内燃機関のピストンクランク機構において、
    上記ロアリンクは、上記クランクピンが嵌合する略中央のクランクピン軸受部と、上記アッパピンを保持する一端部のアッパピン用ピンボス部と、上記コントロールピンを保持する他端部のコントロールピン用ピンボス部と、を備えるとともに、上記クランクピン軸受部の中心を通る分割面に沿って、上記アッパピン用ピンボス部を含むロアリンクアッパと、上記コントロールピン用ピンボス部を含むロアリンクロアと、に分割構成され、かつ上記クランクピン軸受部の両側に配置した少なくとも2つのボルト締結部によって上記ロアリンクアッパと上記ロアリンクロアとが締結されており、
    上記ボルト締結部のうち上記コントロールピン用ピンボス部側のボルト締結部は、上記ロアリンクアッパと上記ロアリンクロアとを貫通したボルトおよびナットから構成され、上記ロアリンクロア側に位置するボルトもしくはナットを回転することで締結されている一方、上記ボルト締結部のうち上記アッパピン用ピンボス部側のボルト締結部は、上記ロアリンクロアを貫通し、上記ロアリンクアッパに形成された雌ねじに螺合するボルトを回転することで締結されている
    ことを特徴とする内燃機関のピストンクランク機構におけるロアリンク。
  2. 上記ロアリンクロア側にナットが配置され、該ナットの回転により締結されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のピストンクランク機構におけるロアリンク。
  3. 上記ロアリンクアッパ側にナットが配置され、上記ロアリンクロア側から挿入したボルトの回転により締結されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のピストンクランク機構におけるロアリンク。
  4. 上記ロアリンクアッパ側に上記ナットの回り止め部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関のピストンクランク機構におけるロアリンク。
  5. 上記回り止め部が上記ロアリンクアッパと一体に形成されたリブからなることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関のピストンクランク機構におけるロアリンク。
  6. 上記回り止め部は、少なくとも2点で上記ナットと当接することを特徴とする請求項4または5に記載の内燃機関のピストンクランク機構におけるロアリンク。
  7. 上記ナットを上記ロアリンクアッパの所定位置に位置決めする位置決め部が上記ロアリンクアッパに設けられていることを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載の内燃機関のピストンクランク機構におけるロアリンク。
  8. 上記位置決め部として上記ロアリンクアッパに上記ナットを挟む一対のリブが形成されており、このリブが、上記ナットの回り止め部としても機能することを特徴とする請求項7に記載の内燃機関のピストンクランク機構におけるロアリンク。
  9. 上記ロアリンクアッパ側に上記ナットの脱落防止機構が設けられていることを特徴とする請求項3〜8のいずれかに記載の内燃機関のピストンクランク機構におけるロアリンク。
  10. 上記の一対のリブの間に上記ナットが圧入されるように、それぞれの寸法が設定されていることを特徴とする請求項8に記載の内燃機関のピストンクランク機構におけるロアリンク。
  11. 上記ナットは、上記クランクピンの軸方向に沿った方向の寸法が、これと直交する方向の寸法よりも小さい異形のナットであることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の内燃機関のピストンクランク機構におけるロアリンク。
  12. 上記ナットと上記ロアリンクアッパとが異なる材質であることを特徴とする請求項3〜11のいずれかに記載の内燃機関のピストンクランク機構におけるロアリンク。
  13. 上記コントロールピン用ピンボス部は、コントロールピン両端部を支持する二股状をなし、上記ロアリンクロアは、上記コントロールピン用ピンボス部と上記クランクピン軸受部との間に、上記クランクピンの軸方向に沿った肉厚が、上記コントロールピン用ピンボス部の軸方向の全長よりも小さな部位を備えることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の内燃機関のピストンクランク機構におけるロアリンク。
  14. 上記コントロールリンクの機関本体側の揺動支点位置を変化させることにより上記ピストンクランク機構が可変圧縮比機構を構成することを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の内燃機関のピストンクランク機構におけるロアリンク。
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