JP3984464B2 - 回転駆動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気動圧軸受手段を用いて回転体を支持する回転駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
動圧軸受を用いて回転体を支持する回転駆動装置が、特開2001−178074号公報に示されている。この回転駆動装置には、固定支持体と回転基体との間の軸受間隙に潤滑油などの液体を潤滑流体として介在させて回転基体を支持する動圧軸受手段が設けられている。潤滑流体として液体を用いる場合、この潤滑流体が漏出してコンタミネーションとなり、回転駆動装置外部を汚損してしまうことを防ぐために、潤滑流体が軸受間隙から流出しないようにラビリンスシールなどのシール手段を用いている。
【0003】
潤滑流体の漏出防止構造を不要にするために、潤滑流体として空気を軸受間隙に介在させる空気動圧軸受手段を用いることが考えられる。この種の従来の技術として、空気動圧軸受手段を用いる回転駆動装置が、たとえば特開平1−141220号公報に示されている。この回転駆動装置は、ポリゴンミラーやディスク等の回転体を回転駆動する装置であり、回転体を支持する回転軸をハウジングの支持筒部内に嵌入し、回転軸と支持筒部との間の軸受間隙に介在させた空気に回転軸に形成したスパイラルグルーブにより動圧を発生させ、回転軸を支持筒部に回転自在に支持している。この公報には、回転体を駆動するモータのロータとステータとの間に動圧軸受を形成する技術も記載されている。
【0004】
さらに他の従来の技術として、空気動圧軸受を用いる回転駆動装置が、たとえば特開平2−155452号公報に示されている。この回転駆動装置は、マグネットを含む磁極部とコイルを含む励磁部とが対向する部分を、対向面間の軸受間隙に介在される空気の動圧を発生させる空気動圧軸受手段として利用し、これによってロータを支持している。この場合、対向面の少なくとも一方を絶縁性樹脂のモールド体表面により構成する技術が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の回転駆動装置では、空気動圧軸受手段を用いることによって潤滑流体に液体を用いる場合の上述した不具合を解消することが可能であるが、空気動圧軸受の場合、空気の圧縮性が高いことから、軸受間隙を挟んで対向する対向面間の間隔を極端に狭くする必要がある。このため、この軸受間隙に埃などのコンタミネーションが侵入したり、水分が付着してしまうと、各対向面が損傷したり、または起動(回転)できなくなるなどの支障をきたすおそれがある。
【0006】
本発明の目的は、空気動圧軸受手段の軸受間隙にコンタミネーションの侵入を防止することができる回転駆動装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、固定支持体と回転基体との間の軸受間隙に介在させた空気の動圧によって回転基体を固定支持体に対して回転自在にラジアル方向及びスラスト方向を支持する動圧軸受手段と、固定支持体に一体的に設けられたステータおよび回転基体に一体的に設けられ該動圧軸受手段より半径方向外側でステータに対向する位置にロータマグネットが配置されたロータを含む回転駆動手段とを備え、ステータを複数のコイルを有すると共に少なくとも該コイルがモールド体により覆われている構成とし、ステータとロータとにより、モールド体の表面に関連して微小間隙を形成し、当該微小間隙に相対するモールド体表面とロータ側の面との一方もしくは両方に、当該微小間隙における空気に動圧を発生させる動圧発生用溝を形成することを特徴とする回転駆動装置である。
【0008】
本発明に従えば、固定支持体に対する回転基体の支持にラジアル方向、スラスト方向共に空気動圧軸受手段を用いており、液体動圧軸受を使用していないので、液体動圧軸受の場合のような潤滑流体の漏出防止構造が不要であり、また潤滑流体が装置外部の各部を汚損することが回避される。加えて、空気動圧軸受手段とは別に、ステータのモールド体表面とロータとによって形成された微小間隙の空気に動圧を発生させる手段を空気動圧軸受手段より半径方向外側に設けたので、この空気動圧を利用して動圧軸受手段のコンタミネーションに対する保護や、軸受動作のアシストが行える。
【0009】
請求項2記載の本発明は、ロータとステータとの間の微小間隙が、軸受間隙から装置外部に至る経路に位置し、微小間隙における動圧が軸受間隙と装置外部との間のシール手段を構成することを特徴とする。
【0010】
本発明に従えば、装置外部から軸受間隙に至る経路であるロータとステータとの間の微小間隙においてシール用動圧を発生させるため、軸受空間がシールされ、装置外部から侵入する塵、埃および水滴などの微粒子を含むコンタミネーションに対して、これが軸受間隙に侵入することを防ぐことができ、軸受間隙の損傷を防止し、ロータが起動しないロック状態等を未然に防止できる。
【0011】
請求項3記載の本発明は、ステータを、ステータコアの複数のティースにコイルを巻回したステータ本体と、このステータ本体の少なくとも各ティースおよび各コイルを覆うモールド体とから構成し、ロータの円筒状ロータマグネットがこのステータのティースに対して径方向に対向し、ステータとロータマグネットとの間に前記微小間隙が形成されていることを特徴とする。
【0012】
本発明に従えば、ステータとロータとの間の磁気駆動間隙が空気動圧を発生する微小間隙となり、前述同様、軸受間隙に対するシール手段を構成することができる。
【0013】
請求項4記載の本発明は、請求項3記載の回転駆動装置において、ステータのモールド体表面とこれに微小間隙を介して対向するロータマグネットとの一方もしくは両方に形成される動圧発生用溝が、当該微小間隙の空気を装置外部側に流動させるように作用することを特徴とする。
【0014】
本発明に従えば、装置外部から軸受間隙に至る経路に設けた微小間隙の空気動圧がその空気を装置外部側に流動させるように作用するので、装置外部から装置内部に侵入しようとするコンタミネーション等に対してこれを押し返すように機能し、確実なシール動作が行われることになる。
【0015】
請求項5記載の本発明は、ステータのモールド体表面がロータのロータマグネットを除く部分で微小間隙を介して軸方向に対向し、当該微小間隙に発生する動圧がロータに軸方向に作用することを特徴とする。
【0016】
本発明に従えば、ロータとステータとの間の微小間隙に発生する動圧をロータに対し軸方向に作用させることができるため、動圧軸受手段にて発生する軸方向の荷重支持圧を微小間隙の動圧でアシストすることが可能となる。特に微小間隙の動圧がロータに対する浮上力を発生する場合には、ロータ回転起動時の浮上力をアシストすることが実現し、低回転数でも回転基体を含むロータを浮上しやすくしてやることが可能となり、回転起動時の固定支持体と回転基体との接触時間を短縮することができると同時に、これらの接触による損傷、摩耗を小さく抑えることができる。
【0017】
請求項6記載の本発明は、ステータが、複数のコイルをロータの回転中心軸に直交する同一平面上に周方向に配列すると共にこれらコイルをモールド体により覆って構成され、ロータの円盤状ロータマグネットが、ステータに対し軸方向に対向していることを特徴とする。
【0018】
本発明に従えば、ステータとロータとが軸方向に対向しているタイプにおいても、動圧軸受手段とは別に微小間隙において空気動圧を発生させることが可能であり、前述と同様の作用効果が得られる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態を示すモータ1の断面図であり、回転軸線L1で左半分を省略したものを示す。回転駆動装置であるモータ1は、各種の電子機器に設けられ、その電子機器が備える回転対象物を回転駆動する。具体的な一例を挙げると、モータ1は記録装置に設けられ、記録媒体ディスクを回転駆動する。
【0020】
モータ1は、動圧軸受手段5および回転駆動手段11を含んで構成される。動圧軸受手段5は、固定支持体である固定筒体2と回転基体である回転軸体3とを有し、回転軸体3が固定筒体2内に収容されて両者間に一対のラジアル側軸受間隙4aおよびスラスト側軸受間隙4bが形成され、これに空気が介在されてその空気の動圧により回転軸体3がその軸線と一致するモータ1の回転軸線L1まわりに回転自在に支持される。回転駆動手段11は、固定筒体2に一体的に設けられたステータ7と回転軸体3に一体に設けられたロータ8とを有し、ステータ7とロータ8のロータマグネット28との相互磁気作用によってロータ7が回転軸線L1まわりに回転駆動される。
【0021】
モータ1は、筒部12が形成されるベースプレート13を有し、この筒部12の内周に固定筒体2が嵌まり込んで固定される。内部空間が軸線方向両方に開放した略円筒状の固定筒体2には、その下端開口を閉塞するようスラスト板14が固定され、これにより固定筒体2の内部空間は上方にのみ開口される。
【0022】
回転軸体3は、その上端部分の小径部24を除くほぼ全体が固定筒体2内に同軸となる状態で挿入され、固定筒体2の内周面と回転軸体3の外周面との間に、上下一対の円筒状ラジアル側軸受間隙4aが形成されている。この一対のラジアル側軸受間隙4aに相対する回転軸体3の下端部には、半径方向外方に突出するフランジ15が形成され、このフランジ15が、固定筒体2の軸線方向一端部に半径方向外方に凹むように形成された嵌合溝16に嵌まり込み、嵌合溝16とスラスト板14とによって囲まれた空間に配置される。回転軸体3はそのフランジ15の存在により固定筒体2に対して抜止めされる。フランジ15の下面とスラスト板14の上面との間にはスラスト側軸受間隙4bが形成される。
【0023】
固定筒体2のラジアル側軸受間隙4aに臨む内周部18および回転軸体3のラジアル側軸受間隙4aに臨む外周部19は、固定筒体2に対する回転軸体3の回転に伴なってラジアル側軸受間隙4aの空気に動圧を協働して発生させることができる形状に形成され、これにより一対のラジアル空気動圧軸受部が構成される。この動圧を発生させることができる形状は、たとえば固定筒体2の内周部18および回転軸体3の外周部19の少なくともいずれか一方に、ヘリングボーン状の溝あるいはスパイラル形状の溝などを形成することにより得られる。
【0024】
また、フランジ3のスラスト側軸受間隙4bに臨む下面およびこれに対向するスラスト板14のスラスト側軸受間隙4bに臨む上面は、固定軸体2に対する回転軸体3の回転に伴ってスラスト側軸受間隙4bの空気に動圧を協働して発生させることができる形状に形成され、これによりスラスト空気動圧軸受部が構成される。この動圧を発生させることができる形状は、上述と同様、フランジ3の下面およびスラスト板14の上面の少なくともいずれか一方に、ヘリングボーン状の溝あるいはスパイラル形状の溝などを形成することにより得られる。
【0025】
図2は、図1の切断面線S2−S2から見た断面図である。回転駆動手段11の一部を構成するステータ7は、ベースプレート13の筒部12に外嵌されて固定される。ステータ7は、ステータ本体20とこのステータ本体20の内周部を除くほぼ全体を覆ったモールド体21とを有する。ステータ本体20は、筒部12に外嵌して固定される環状基部22と、この環状基部22から半径方向外方に放射状に突出し周方向に等間隔に配列された複数のティース23からなるステータコアを有し、各ティース23にそれぞれステータコイル24が巻回されている。モールド体21の円筒状外周面の外径は、各ティース23の外周部外周面を僅かに覆う寸法つまり後述するロータマグネット28との間で相互磁気作用を行うに支障のない寸法に設定されている。
【0026】
駆動手段11のロータ8は、回転軸体3の固定筒体2から突出する小径部24に固着されたロータハブ27とロータハブ27の略円筒状周壁部29の内周面に装着された円筒状ロータマグネット28とを有する。ロータハブ27は、周壁部29が軸線方向一端部で端壁部30によって塞がれる有底短筒状に形成され、周壁部29の端壁部30との反対側の端部に径方向外方へ膨出した鍔部32が設けられ、図外の記録ディスクがその中心孔を周壁部29に嵌挿させた状態で鍔部32上に載置されて固定される。ロータマグネット28は、周方向に交互に異なる磁極を複数形成して構成されており、ロータハブ27の周壁部29の内側に接着剤等を用いて固定され、ステータ7の各ティース23の外周面に半径方向外方から対向している。
【0027】
ロータ8は、空気動圧軸受手段5およびステータ7をその上方および半径方向外方から覆う形態をとり、特にロータマグネット28がステータ7の外周面を形成するモールド体21の外周面と周方向全周にわたってラジアル微小間隙である駆動部間隙10を介して対向する。上述した動圧軸受手段5の各軸受間隙4a,4bは、ロータハブ27の端壁部30と固定筒体2との間の隙間を通りモールド体21とロータマグネット28との間の駆動部間隙10を経てモータ外の外部空間9に開放されている。
【0028】
図3は、ステータ7におけるモールド体21の外周面25の一部を展開して示したものであり、この外周面25には、ステータ7とロータマグネット28との相対回転時に駆動部間隙10の空気に動圧を発生させる動圧発生用溝36が形成されている。この動圧発生用溝36は互いに反対方向に傾斜した一対のスパイラル状溝を複数個周方向に等間隔に配列して構成され、ロータ8の回転時には、軸受間隙4a,4bと外部空間9とを連ねる空間の一部領域である軸受部間隙10の空気にモールド体21とロータマグネット28との対向面の軸方向中央部分が最も圧力が高くなるような動圧が発生し、軸受間隙4a,4bを外部空間9に対してシールする。
【0029】
駆動部間隙10の空気に動圧を発生させるための溝形状は、一対のスパイラル状溝36に限定されることはなく、ヘリングボーン状溝であってもよく、駆動部間隙10の空気を外部空間9側に移動させるスパイラル状溝やアンバランスなヘリングボーン状溝であってもよい。また溝に限らず凹所を形成してもよいし、テーパランドを形成して駆動部間隙10の間隔を回転方向に変化させるようにしてもよい。さらには、この種動圧発生用溝36は、モールド体21の外周面25のみに形成する場合に限らず、ロータマグネット28の内周面に設けることも可能である。例えばロータマグネット28の表面に非磁性かつ非導電性の塗布膜を形成し、この塗布膜を加工して溝形成するようにしてもよいし、ロータマグネット28の少なくとも内周面に表面塗布剤を付着させて凸部を設けることにより動圧発生用溝を形成することもできる。
【0030】
本実施の形態のモータ1によれば、ロータ8を回転支持する軸受手段として空気を介在させた動圧軸受手段5を用いているので、潤滑流体を用いた動圧軸受の場合のような潤滑流体の漏出防止構造が不要であり、また潤滑流体がモータ1の各部を汚損する心配がない。また、動圧軸受手段5で支持される回転軸体3の回転時に、動圧軸受手段5の軸受間隙4a,4bに連なり外部空間9に至る経路の間にある駆動部間隙10において、この駆動部間隙10の空気の圧力を高くして軸受間隙4a,4bと外部空間9との間を実質上封止することができるため、外部空間9から駆動部間隙10を介して軸受間隙4a,4bに塵、埃および水滴などの微粒子を含むコンタミネーションが侵入しようとしてもこれを確実に阻止することができる。
【0031】
なお、上記実施の形態では、駆動部間隙10における動圧を駆動部間隙10における軸方向中央部で圧力が高くなるように設定したが、これに限らず、駆動部間隙10の空気を外部空間9に押し出す方向の動圧を発生するようにしてもよく、外部空間9から軸受空間4a,4bへのコンタミネーションの侵入を確実に防止することが可能である。
【0032】
ここで、上記実施の形態におけるモータ1を横置き状態つまりモータ1の回転軸線L1がほぼ水平になった状態で使用する場合、ラジアル方向に重力がかかった状態となり、モータ停止時にはラジアル軸受間隙4aを形成する回転軸体3の外周面と固定筒体2の内周面との一部が接触することになるが、モータ回転時にステータ7とロータマグネット28との間の駆動部間隙10の空気に動圧を発生させることができるため、この動圧により重力に抗したラジアル方向の浮上力を得ることが可能となり、モータ起動時のラジアル方向の浮上力をアシストし、ラジアル軸受間隙4aにおける金属同士の接触時間を短縮でき、金属接触による損傷や摩耗を小さくできることになる。
【0033】
図4は、本発明の他の実施の形態を示すモータ1aの断面図である。本実施の形態のモータ1aは図1〜図3に示す実施の形態のモータ1と類似しており、異なる構成について説明し、同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0034】
図4に示すモータ1aでは、固定筒体2の内周面と回転軸体3の外周面とで形成する一対のラジアル側軸受間隙に4aにおいてこれに対向する一方もしくは両方の周面に動圧発生用溝を形成することにより一対のラジアル空気動圧軸受部が構成されると共に、固定筒体2の上端面とロータハブ27の端板30における内周部下面とで形成されたスラスト側軸受間隙4bにおいてこれに対向する一方もしくは両方の面に動圧発生用溝を形成することによりスラスト動圧軸受部が構成され、これらにより動圧軸受手段5が形成されている。回転軸体3の端部に設けられたフランジ15は抜け止めとして機能する。
【0035】
ベースプレート13の筒部12に外嵌固定されたステータ7は、ステータ本体20とこのステータ本体20の内周部を除くほぼ全体を覆った環状モールド体21aとを有し、この実施の形態では、モールド体21aがロータハブ27の端板30側に膨出するようその高さを高くして構成されており、モールド体21aの上面40と端板30の下面41との間にスラスト微小間隙10aが環状に形成されている。この微小間隙10aを形成するモールド体21aの上面40には、図5に示すような複数のスパイラル状溝を周方向に配列してなる動圧発生用溝43が形成されている。
【0036】
この動圧発生用溝43は、スラスト微小間隙10aの空気にロータ8の回転に伴なって、協働して動圧を発生させることができる形状であれば上記形状に限定されることはなく、たとえばスラスト微小間隙10aに対向するモールド体21aの上面40およびロータハブ27の端板30の下面41の少なくともいずれか一方に、渦巻き状の溝、変形方向外方になるにつれて周方向に傾斜する線状の溝、ヘリングボーン状の溝および環状溝などを形成するようにしてもよいし、また溝に限らず凹所を形成してもよいし、またテーパランド、スラスト微小間隙10aの対向面の少なくともいずれか一方が回転軸線L1に垂直な面に対して傾斜するようにして、微小間隙10aの軸線方向の間隔が周方向に変化するようにしてもよい。また突起を形成することによって動圧を発生させることができる形状にしてもよい。
【0037】
このような本実施の形態のモータ1aにおいては、ステータ7のコイルを励磁してロータ8を回転駆動させると、ロータ8を含む回転体のラジアル荷重が一対のラジアル動圧軸受により支持され、スラスト荷重がスラスト動圧軸受により支持される。この回転動作時、ステータ7のモールド体21aの上面40とロータハブ27の端板30の下面41との間のスラスト微小間隙10aにおいては、その空気に動圧発生用溝43の作用により動圧が発生し、圧力が高まる。このスラスト微小間隙10aは軸受間隙4a,4bからモータ外部へ至る経路の途中に存在することから、微小間隙4a,4bとモータ外部との間をシールし、外部からのコンタミネーションが微小間隙4a,4bに侵入することを確実に阻止することが可能となる。
【0038】
また、上記スラスト微小間隙10aに作用する動圧は、回転軸線L1を鉛直に配置して用いられるモータ1aにおいて、ロータ8をステータ7に対して浮上させる方向に動圧を発生させることができる。これによって、ロータ8に対する浮上力をアシストしてやることができ、モータ1aの起動時における低回転数でもロータ8が浮上し易くなり、換言すればスラスト軸受間隙4bにおける軸受面同士の接触時間を短縮することが可能で、金属接触による損傷、摩耗を極端に小さくすることができる。
【0039】
なお、本実施の形態において、図1〜図3のモータ1と同様に、ロータマグネット28とこれにラジアル方向に対向するステータ7のモールド体21aの外周面とで形成する駆動部間隙10において、その対向面の一方もしくは両方に動圧発生用溝10を形成して駆動部間隙10の空気に動圧を発生させる構成を併用してもよい。
【0040】
上述の各実施の形態は、本発明の例示に過ぎず、本発明の範囲内で構成を変更することができる。たとえば固定される軸に筒体が回転自在に外嵌され、この筒体を駆動手段によって回転駆動するモータに実施するようにしてもよい。
【0041】
また、上記では、ステータ7とロータマグネット28とがラジアル方向に対向するラジアルギャップ型モータに適用した場合の例であるが、これに限らず、ステータとロータマグネットとが軸方向に対向するアキシャルギャップタイプのモータにも本発明を適用することができる。すなわち、固定部材に対してロータをその中心部において空気動圧軸受手段により回転自在に支持し、ステータを、空気動圧軸受手段の周方向外側であってロータの回転中心軸に直交する同一平面上に周方向に配列された複数のコイルと、これらコイルを覆ったモールド体とにより構成し、ロータに設けた円盤状ロータマグネットをステータに軸方向に対向するよう配置する。そして、モールド体とロータマグネットとの対向面の少なくとも一方にこの対向面の間隙の空気に動圧を発生させる動圧発生用溝を形成する。こうすることにより、ロータを回転駆動した際に、空気動圧軸受手段の軸受間隙からモータ外部に至る経路の途中において動圧を発生させることが可能になり、外部からのコンタミネーションが軸受間隙に侵入することを防止できる。
【0042】
さらに、上記したアキシャルギャップ型モータにおいて、ロータの一部にモールドされたステータの外周面に微小間隙を介して対向する周壁を設け、この周壁内周面とステータの外周面との一方もしくは両方に動圧発生用溝を形成する構成を追加してもよい。
【0043】
このように、ラジアルギャップ型モータやアキシャルギャップ型モータにおいて、ステータをモールド成形した上で、このステータのモールド体表面とラジアル方向および/またはアキシャル方向に微小間隙を介してロータに対向させ、これら対向面の一方もしくは両方に動圧発生用溝を形成するようにしてもよい。
【0044】
なお、本発明は、上述したように、ラジアルギャップ型モータおよびアキシャルギャップ型モータにおいて実施することができるだけでなく、ラジアルギャップ型モータとアキシャルギャップ型モータとを併用した回転駆動装置、すなわちラジアルギャップ型モータにおけるステータおよびロータマグネットと、アキシャルギャップ型モータにおけるステータおよびロータマグネットとを有する回転駆動装置においても、同様に実施することができ、前記した作用効果を得ることができるものである。
【0045】
【発明の効果】
請求項1記載の本発明によれば、固定支持体に対する回転基体の支持にラジアル方向、スラスト方向共に空気動圧軸受手段を用いており、液体動圧軸受を使用していないので、液体動圧軸受の場合のような潤滑流体の漏出防止構造が不要であり、また潤滑流体が装置外部の各部を汚損することが回避される。加えて、空気動圧軸受手段とは別に、ステータのモールド体表面とロータとによって形成された微小間隙の空気に動圧を発生させる手段を空気動圧軸受手段より半径方向外側に設けたので、この空気動圧を利用して動圧軸受手段のコンタミネーションに対する保護や、軸受動作のアシストが行える。
【0046】
請求項2記載の本発明によれば、装置外部から軸受間隙に至る経路であるロータとステータとの間の微小間隙においてシール用動圧を発生させるため、軸受空間がシールされ、装置外部から侵入する塵、埃および水滴などの微粒子を含むコンタミネーションに対して、これが軸受間隙に侵入することを防ぐことができ、軸受間隙の損傷を防止し、ロータが起動しないロック状態等を未然に防止できる。
【0047】
請求項3記載の本発明によれば、ステータとロータとの間の磁気駆動間隙が空気動圧を発生する微小間隙となり、軸受間隙に対するシール手段を構成することができ、特に請求項4記載の場合、装置外部から軸受間隙に至る経路に設けた微小間隙の空気動圧がその空気を装置外部側に流動させるように作用するので、装置外部から装置内部に侵入しようとするコンタミネーション等に対してこれを押し返すように機能し、確実なシール動作を行わせることができる。
【0048】
請求項5記載の本発明によれば、ロータとステータとの間の微小間隙に発生する動圧をロータに対し軸方向に作用させることができるため、動圧軸受手段にて発生する軸方向の荷重支持圧を微小間隙の動圧でアシストすることが可能になり、特に微小間隙の動圧がロータに対する浮上力を発生する場合には、ロータ回転起動時の浮上力をアシストすることが実現し、低回転数でも回転基体を含むロータを浮上しやすくしてやることが可能となり、回転起動時の固定支持体と回転基体との接触時間を短縮することができると同時に、これらの接触による損傷、摩耗を小さく抑えることができる。
【0049】
請求項6記載の本発明によれば、ステータとロータとが軸方向に対向しているタイプにおいても、動圧軸受手段とは別に微小間隙において空気動圧を発生させることを可能とし、前述と同様の作用効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態のモータを示す断面図である。
【図2】図1の切断面線S2−S2から見た平面図である。
【図3】ステータのモールド体の外周面を展開した正面図である。
【図4】本発明の実施の他の形態のモータを示す断面図である。
【図5】ステータのモールド体の一部平面図である。
【符号の説明】
1,1a モータ
2 固定筒体
3 回転軸体
4a ラジアル軸受間隙
4b スラスト軸受間隙
5 空気動圧軸受手段
7 ステータ
8 ロータ
9 外部空間
10 駆動部間隙
10a 微小間隙
11 回転駆動手段
20 ステータ本体
21,21a モールド体
27 ロータハブ
28 ロータマグネット
36,43 動圧発生用溝

Claims (6)

  1. 固定支持体と回転基体との間の軸受間隙に介在させた空気の動圧によって回転基体を固定支持体に対して回転自在にラジアル方向及びスラスト方向を支持する動圧軸受手段と、固定支持体に一体的に設けられたステータおよび回転基体に一体的に設けられ該動圧軸受手段より半径方向外側で前記ステータに対向する位置にロータマグネットが配置されたロータを含む回転駆動手段とを備え、ステータは複数のコイルを有すると共に少なくとも該コイルがモールド体により覆われている構成であり、ステータとロータとは、前記モールド体の表面に関連して微小間隙を形成し、当該微小間隙に相対するモールド体表面とロータ側の面との一方もしくは両方に、当該微小間隙における空気に動圧を発生させる動圧発生用溝が形成されていることを特徴とする回転駆動装置。
  2. 前記微小間隙は、前記軸受間隙から装置外部に至る経路に位置し、前記微小間隙における動圧が前記軸受間隙と装置外部との間のシール手段を構成する請求項1記載の回転駆動装置。
  3. 前記ステータは、ステータコアの複数のティースにコイルを巻回したステータ本体と、このステータ本体の少なくとも各ティースおよび各コイルを覆うモールド体とからなり、ロータの円筒状ロータマグネットはこのステータのティースに対して径方向に対向し、前記微小間隙は、前記ステータとロータマグネットとの間に形成されている請求項1または2記載の回転駆動装置。
  4. 前記ステータのモールド体表面とこれに前記微小間隙を介して対向するロータマグネットとの一方もしくは両方に形成される動圧発生用溝は、当該微小間隙の空気を装置外部側に流動させるように作用する請求項3記載の回転駆動装置。
  5. 前記ステータのモールド体表面は前記ロータのロータマグネットを除く部分で前記微小間隙を介して軸方向に対向し、当該微小間隙に発生する動圧が前記ロータに軸方向に作用する請求項1または2記載の回転駆動装置。
  6. 前記ステータは、複数のコイルをロータの回転中心軸に直交する同一平面上に周方向に配列すると共にこれらコイルをモールド体により覆って構成され、ロータの円盤状ロータマグネットは、前記ステータに対し軸方向に対向している請求項1または2記載の回転駆動装置。
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