JP3984357B2 - 遮光期間を設定する電子内視鏡光源装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電子内視鏡光源装置、特に遮光期間を設定して撮像素子に蓄積された全画素の信号を読み出す電子内視鏡で、この全画素読出しの対象となる画像信号の露光量を調整するための構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子内視鏡装置では、例えば固体撮像素子であるCCD(Charge Coupled Device)において、光電変換素子により画素単位で蓄積される電荷を読み出すことにより、画像信号(ビデオ信号)が形成される。そして、同時式の電子内視鏡装置では、上記CCDの上面に、画素単位で色フィルタが配置され、これによってカラー画像が得られる。
【0003】
図7には、上記の色フィルタの配列状態が示されており、図示されるように、CCD1の撮像面には、例えば偶数ラインにMg(マゼンタ)、Cy(シアン)の画素、奇数ラインにG(グリーン)、Ye(イエロー)の画素が配列される。このCCD1では、これらの色フィルタを介して画素単位の蓄積電荷(画素信号)が得られる。
【0004】
そして、従来の混合読出し方式によれば、CCD1の上下ラインの画素の蓄積電荷が加算混合されて読み出される。例えば、1回目の1/60秒の期間(垂直同期期間)内の露光で蓄積された電荷につき、図7の左側に示されるように、0ラインと1ラインの混合信号、2ラインと3ラインの混合信号、…というような奇数(Odd)フィールドのビデオ信号が読み出され、2回目の1/60秒の期間内の露光で蓄積された電荷につき、図7の右側に示されるように、1ラインと2ラインの混合信号、3ラインと4ラインの混合信号、…というような偶数(Even)フィールドのビデオ信号が読み出される。
【0005】
従って、上記CCD1の2ライン混合信号がフィールド画像の1ラインの信号となり、1/60秒の期間内の露光毎に、1ラインずらして読み出される奇数フィールド信号と偶数フィールド信号が交互に出力される。これらの奇数及び偶数のフィールド信号は、インターレース走査されて1フレームの画像となり、この画像がモニタ上に動画又は静止画として表示される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記同時式の電子内視鏡装置においては、上述したように、1フレーム画像を形成するための奇数フィールド信号と偶数フィールド信号との間に、1/60秒の時間のずれがあり、この間に内視鏡自体のブレや被観察体の動き等があると、特に静止画の画質(解像度、色ずれ等)が低下するという問題があった。
【0007】
そこで、本出願人は所定の遮光期間を設け、この遮光期間を利用して、直前の1回の露光で得られた全画素のデータを読み出す全画素読出し方式を採用することとしたが、この遮光期間を設定する遮光シャッタの駆動では、機械的(ギヤ等)な応答の遅れが生じる。即ち、データ読出しのための遮光期間では完全な遮光状態が必要となるので、遮光シャッタはその応答時間を考慮して上記遮光期間の少し手前で動作させており、この際の応答動作(完全な遮光に至るまでの動作)で直前の露光時の光量が低下する。しかも、絞り機構によって光源からの出射光量を調整している場合には、この絞りの開口状態によって遮光シャッタの応答時間が変り、不足する光量が変化するという問題がある。
【0008】
図8には、絞り機構の絞り部材と遮光期間を設定する遮光シャッタとの関係が示されている。例えば、光源からの光束(絞り開口)100を遮蔽できるように、絞り羽根3と遮光シャッタ4が配置され、一方の絞り羽根3は回転軸3Aを中心にして、他方の遮光シャッタ4は回転軸4Aを中心にして時計回転方向に回動、回転するように取り付けられる。そして、上記絞り羽根3は、ビデオ信号の輝度信号が一定となるように駆動され、例えば遠点では光量を増やし、近点では光量を少なくすることにより、良好な画像が得られるようになっている。また、遮光シャッタ4は例えば所定の回転速度で1回転させることにより、1/60秒の期間、光束100を完全に遮光する。
【0009】
しかし、このような構成では、絞り羽根3と遮光シャッタ4が同一の方向に回転するため、絞り羽根3の駆動位置によって遮光シャッタ4が実際の光束100Pを遮るタイミングが異なり、この光束100Pを完全遮光にするための応答時間が変化することになる。即ち、図8において、実際の光束100Pを完全に遮光するためには、上記絞り羽根3が全開のときは回転角θ1 、絞り羽根3が実線の位置にあるときは回転角θ2 、二点鎖線の位置にあるときは回転角θ3 を、遮光シャッタ4が移動することになり、この結果、応答時間が変る。
【0010】
図9には、上記光束100の光量(C)と応答時間の関係(縦軸に光量、横軸に時間をとる)が示されており、この図は、絞り羽根3が全開で、光束100の全てを遮光するときの応答時間ta1が2mS(sec)のときと、絞り羽根3が絞り開口2の半分を塞ぐ位置にあり、残りの半分の光束100を遮光するときの応答時間ta2が1mSのときを比較したものである。
【0011】
ここで、絞り全開で応答時間ta1が2mSとなる場合は、絞り全開時の単位時間当りの光量Cを4V、露光時間(tb)を1/60秒とすると、通常、CCD1で蓄積される電荷量は、
tb×C=1/60[mS]×4[V]≒66.67[mVS]
となる。一方、遮光期間を設ける場合の電荷量は、上記応答時間ta1での減衰線を直線とみなすと、
となるので、遮光期間を設けたときの光量は通常の光量の94%(6%の光量低下)となり、画像の輝度も6%低下する。
【0012】
一方、絞り半開時で応答時間ta2が1mSとなる場合は、このときの上記光量Cを2V、露光時間(tb)を1/60秒とすると、通常、CCD1で蓄積される電荷量は、
tb×C=1/60[mS]×2[V]≒33.33[mVS]
となり、遮光期間を設ける場合の電荷量は、
となるので、遮光期間を設けたときの光量は通常の光量の97%(3%の光量低下)となり、画像輝度も3%低下する。
【0013】
このように、応答時間ta1,ta2が相違すると、撮影光量の低下の割合が異なり、この光量低下は応答時間taが長い程大きくなることになり、この結果、画像の明るさが変化する。
【0014】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、遮光期間を設けて全画素を読み出す電子内視鏡で、絞り開口量が相違する場合でも遮光機構の応答時間が一定となるようにし、光量低下のバラツキをなくすことができる遮光期間を設定する電子内視鏡光源装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明に係る遮光期間を設定する電子内視鏡光源装置は、光源光束を通過させる方形開口を有する遮光マスクと、この遮光マスクの方形開口の上下又は左右の二辺に沿って絞り部材を移動させ、出射光量を調整する絞り駆動手段と、この絞り駆動手段の上記絞り部材の移動方向に対し直交する二辺に沿って移動するように遮光シャッタを配置し、この遮光シャッタにより上記光源光束を完全に遮断することにより、撮像素子に蓄積された全画素の信号を読み出すための所定の遮光期間を設定する遮光手段と、を含んでなることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、上記撮像素子に蓄積された画像信号を上下ライン間で混合して出力し、動画を形成する撮像素子出力時画素混合読出し方式と、1回の露光で上記撮像素子に蓄積された全画素の信号を上記遮光期間を利用して読み出し、静止画を形成する全画素読出し方式を備えた電子内視鏡に適用したことを特徴とする。
【0016】
上記の構成によれば、例えば開口が長方形等とされた遮光マスクが配置され、この遮光マスク開口の左右の二辺に沿って絞り部材が移動し、この左右辺に直交する上下の二辺に沿って遮光シャッタが移動することになり、絞り部材が何れの絞り位置に配置されていても、遮光シャッタが光源光束を遮断する時間、即ち遮光シャッタの応答時間はほぼ一定となる。この結果、この応答(応答遅れ)時間で生じる光量不足も一定となり、遮光期間を設定する直前の露光時での光量低下のバラツキが解消される。
【0017】
上記請求項2の構成によれば、上記の遮光期間を利用した全画素読出し方式で高画質の静止画が形成されることになる。この全画素読出し処理では、例えば所定(1番目とする)の1/60秒の期間(垂直同期期間)内での露光により蓄積された電荷について、2番目の期間(1/60秒)で撮像素子の奇数ラインが読み出され、3番目(次の露光時)の期間で残りの偶数ラインが読み出され、これらのデータは所定のメモリに記憶される。そして、この偶数ラインを読み出せるようにするために、上記2番目の期間が遮光期間として設定される。
【0018】
即ち、上記奇数ラインの蓄積電荷を読み出す2番目の期間に、従来のように次の露光の電荷が蓄積されると、残りの偶数ラインの読出しができない。そのため、上記2番目の期間を遮光期間として、3番目の期間で偶数ラインの蓄積電荷を読み出す。これにより、1回の露光で得られた撮像素子の全画素分の信号を読み出せることになる。
【0019】
次に、上記メモリに記憶された奇数ライン及び偶数ラインのビデオ信号は、位相合せがなされた後に、混合回路により、奇数ラインと偶数ラインとの間で画素混合処理が行われる。即ち、この画素混合処理は、結果としては撮像素子からの信号出力時に行われる撮像素子出力時画素混合読出し方式と同等の信号を形成するが、1回の露光で得られたデータに基づいて画素混合を行うという点で、上記の撮像素子出力時画素混合読出し方式と区別されるものとなる。
【0020】
一方、通常の動画表示時では、撮像素子出力時画素混合読出し方式が選択されており、従来と同様に撮像素子から出力される時に2つの水平ラインの画素が混合されて読み出される。従って、動画の場合は、経時的な撮像により、逆に被写体の動き等を忠実に再現した画像を得ることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1には、実施形態例の光源装置を適用した電子内視鏡装置の構成が示されており、この電子内視鏡装置はスコープ(電子内視鏡)10を、画像処理回路を有するプロセッサ装置や光源装置に接続する構成となる。このスコープ10には、その先端部に図7で説明したものと同様の色フィルタを備えたCCD12が設けられると共に、光源ランプ14の光を先端部まで導くためのライトガイド15が配設される。また、スコープ10の操作部には、静止画表示のためのフリーズスイッチ16が設けられる。
【0022】
上記CCD12には、これを駆動するためのCCD駆動回路18が接続され、この駆動回路18にはタイミングジュネレータ19、各種の制御をするマイコン(マイクロコンピュータ)20が接続され、このマイコン20には上記フリーズスイッチ16の動作信号が入力される。上記CCD駆動回路18は、マイコン20の制御に基づきタイミング信号を入力し、動画のためのCCD出力時画素混合読出し方式と、静止画のための全画素読出し方式の駆動制御をする。
【0023】
例えば、この全画素読出し方式の場合は、1回の露光でCCD12に蓄積された全画素分の蓄積データを、奇数ラインと偶数ラインに分け時間的にもずらして読み出すための2種類のパルスを上記CCD駆動回路18から供給し、これに基づいてCCD12から上記奇数ラインの信号と偶数ラインの信号を別々に順次読み出すための制御を行う。なお、CCD出力時画素混合読出し方式では1種類の読出しパルスを各ラインに与える。
【0024】
一方、上記ライトガイド15に光を供給する光源部では、上記光源ランプ14とライトガイド15の入射端との間に、出射光量を調整するための絞り板22、遮光マスク23及び遮光期間を設定する遮光シャッタ(板)24が配置される。上記の絞り板22には、モータ25及び絞り制御回路26が接続され、上記遮光シャッタ24にはモータ27及び遮光シャッタ制御回路28が接続される。なお、上記ランプ14はランプ駆動回路29によって点灯制御される。
【0025】
そして、上記絞り制御回路26は後述するDVP(39)で得られる輝度信号に基づいて絞り板22を駆動し、上記ランプ14の出射光量を調整する。また、上記遮光シャッタ制御回路28は、上記フリーズスイッチ16が押された後の所定のタイミングで遮光シャッタ24を駆動し、所定の1/60秒間の遮光期間につき光を完全に遮断する。
【0026】
図2には、上記絞り板22、遮光マスク23及び遮光シャッタ24の構成が示されている。図示されるように、遮光マスク23では長方形(正方形でもよい)の開口23Aが形成されており、この長方形開口23Aの左右辺に沿って上下移動可能に絞り板22が取り付けられ、この絞り板22はモータ25で上下に駆動される。また、上記開口23Aの上下辺に沿って左右移動可能に遮光シャッタ24が配置され、この遮光シャッタ24はモータ27で左右に駆動される。
【0027】
このようにして、遮光シャッタ24と絞り板22は、互いに直交する方向に移動することになり、開口23Aを上下動する絞り板22がどのような絞り位置にあったとしても、実際の光束101を完全に遮光する遮光シャッタ24は必ず開口23Aの左端から右端まで移動することになる。従って、遮光シャッタ24の応答時間も常に同一となる。
【0028】
図1において、上記CCD12の後段には、自動利得回路(AGC)等からなる増幅器31が設けられており、この増幅器31では、上記の遮光シャッタ24による遮光期間の設定で生じる光量不足分を増幅することもできる。この増幅器31には、A/D変換器32を介して全画素読出しのために上記奇数ラインの画像データを記憶する第1メモリ33、偶数ラインの画像データを記憶する第2メモリ34、上記第1メモリ33のデータをそのまま記憶し、読出しのタイミングを1/60秒だけ遅らせるための位相調整用の第3メモリ35、静止画用混合回路36が設けられる。
【0029】
即ち、CCD12で得られた全画素信号は、奇数ラインのデータと偶数ラインのデータに分けられた状態で、それぞれのメモリ33,34に一旦格納されるが、第1メモリ33の奇数ラインデータは1/60秒遅らせることにより、第2メモリ34に格納された偶数ラインデータと同一位相となる。これにより、両方の画像データが同時に読み出せることになり、次段の混合回路36では、第3メモリ35の奇数ラインの画素データと第2メモリ34の偶数ラインの画素データを加算混合(静止画用画素混合処理)することができる。従って、静止画の場合は、この混合回路36で従来の色差線順次混合読出し方式と同等の画素混合信号が形成される。
【0030】
図4には、上述したCCD12から混合回路36までの回路で処理される静止画データの内容が示されている。図(A)に示されるように、CCD12では、走査線数に対応して、0ラインからNラインまで水平ラインが設けられ、この水平ラインの画素データが転送ラインに転送して読み出される。そして、上記CCD12の奇数(ODD)ライン(1,3,5…ライン)のデータが図(B)の第1メモリ33(及び第3メモリ35)に格納され、偶数(EVEN)ライン(2,4,6…ライン)のデータが図(C)の第2メモリ34に格納される。
【0031】
これらメモリ35,34のデータは、上記混合回路36によって、図(B)と図(C)のライン同士で画素混合が行われ、図(D)に示されるように、0ライン+1ライン,2ライン+3ライン,4ライン+5ライン…の加算演算データが奇数(Odd)フィールドデータとして出力される。また、図(C)の読出しラインを下側に1ラインずらした状態で(図示C1 の位置から読み出す)、図(B)とライン同士で画素混合が行われ、図(E)に示されるように、1ライン+2ライン,3ライン+4ライン,5ライン+6ライン…の加算演算データが偶数(Even)フィールドデータとして出力される。
【0032】
図1において、上記混合回路36の後段には、動画と静止画を切り替える画像切替え回路38が設けられ、この画像切替え回路38では、そのa端子に動画形成のために上記A/D変換器32の出力がLラインを介して供給され、他方のb端子に上記混合回路36の出力が与えられており、上記フリーズスイッチ16が押された時、a端子からb端子へ切り替えられる。この画像切替え回路38には、DVP(デジタルビデオプロセッサ)39が接続されており、このDVP39では、ガンマ補正を含む各種の処理が行われ、例えば色差信号や輝度信号が形成される。このDVP39の後段には、奇数フィールド及び偶数フィールドのデータを記憶するメモリやD/A変換器等が設けられ、ビデオ信号はこのD/A変換器を介してモニタへ出力される。
【0033】
実施形態例は以上の構成からなり、その作用を図3及び図4を参照しながら説明する。図3(A)に示されるように、フィールドO(Odd)/E(Even)信号として、従来と同様に、1/60秒で1フィールド画像を形成するタイミング信号が用いられる。通常状態では動画処理、即ちCCD出力時画素混合読出し方式を実行するように設定されており、上記図1の遮光シャッタ24は光源光束を遮断しない位置に配置され、光源ランプ14からの光はライトガイド15を介して先端部から被観察体内へ照射される。
【0034】
この光照射により、先端部のCCD12では被観察体内からの像光に対応した電荷が蓄積される。この蓄積電荷は、CCD駆動回路18からの駆動パルスにより上下ライン間の画素が加算されて読み出され、従来と同様に、図7で説明した画素混合信号が出力される。そして、この動画信号は、A/D変換器32からスルーラインLを介して画像切替え回路38へ供給され、この画像切替え回路38のa端子を介してDVP39へ供給される。このDVP39から後の動作は従来と同様であり、奇数及び偶数フィールド信号に基づいて動画がモニタへ表示される。
【0035】
ここで、上記DVP39で得られた輝度信号はマイコン20に供給され、このマイコン20及び上記絞り制御回路26の制御により絞り板22が駆動され、これによって画像の輝度が一定に維持される。
【0036】
一方、図1のスコープ10のフリーズスイッチ16が押されると、マイコン20により、上記画像切替え回路38が端子b側へ切り替えられ、画素混合読出し方式から静止画のための全画素読出し方式に切り替えられる。そうすると、例えば図3(B)に示されるように、O/E信号の立上り時(t1 )の少し手前から約1/60秒間だけ、上記遮光シャッタ24が光束101を塞ぐことになり、その間、図3(C)のように、光源部からの出力光が遮断される。従って、全画素が読み出される画像データは、遮光期間より一つ前の1/60秒の期間の光出力LtによりCCD12で蓄積された電荷となる。
【0037】
即ち、図3(D)が図4(B)で示した奇数ラインの読出しパルスP1 、図3(E)が図4(C)で示した偶数ラインの読出しパルスP2 であり、図示のようにt2 時のパルスをなくした読出しパルスP1 及びt1 時のパルスをなくした読出しパルスP2 により、CCD12から奇数(ODD)ラインデータと偶数(EVEN)ラインデータが順に読み出される。従って、奇数ラインの読出しは、上記の遮光期間(t1 〜t2 )に行われ、偶数ラインの読出しは次の期間(t2 〜t3 )の間に行われる。
【0038】
そして、図3(G)には電子シャッタの動作が示されており、ここではパルスの立上り期間の蓄積電荷が掃き出され、立上りでない期間の蓄積電荷が読み出される。従って、上記の静止画データ(蓄積電荷)は、電荷が掃き出された後の、露光時間tbの露光g1 で得られたものであり、この全画素の電荷がCCD駆動回路18によって読み出される。なお、上記露光g1 後の遮光期間(t1 からt2 )では掃出しが省略される。
【0039】
ところで、上記の遮光期間では完全な遮光状態としてCCD12に不要な電荷が蓄積されないようにする必要があり、そのために応答時間を考慮した制御が行われる。即ち、図3(B)の遮光シャッタ制御パルスでは、上記遮光シャッタ24の駆動部(ギヤ等)の機械的な応答遅れ時間(応答時間)taを考慮して、その時間taだけ早く反転するパルスを形成する。そうして、この遮光シャッタ24が駆動されると、光源部から出射される光は、図3(C)又は図9でも示したように、応答時間taで二次曲線的に減衰し、その後完全な遮光状態へ移行する。従って、静止画のための光出力Ltでは、光量Laの損失分だけ光量不足となる。
【0040】
そして、図9で説明したように、従来では、絞り開口量によって上記の応答時間taが変化していたが、当該例では、遮光マスク23に長方形開口23Aを設けると共に、遮光シャッタ24を絞り板22の移動方向に直交する状態で移動させるので、図2から分かるように、絞り板22の位置に関係なく、遮光シャッタ24の応答時間taは同一となる。
【0041】
図5には、当該例の上記開口23Aを通過する光束101の光量(C)と応答時間の関係が示されており、ここで、例えば絞り板22が全開のときの不足光量La1、絞り板22がある程度駆動されたときの不足光量La3を比較すると、絞り板23により光量Cが変化したとしても、一定の応答時間により不足光量の全体の露光量に対する割合も一定となることが理解される。
【0042】
まず、上記絞り板22が全開のとき、単位時間当りの光量C=4V、応答時間ta=ta1=2mS(sec)、露光時間(tb)=1/60秒とすると、図9の場合と同様に、CCD12で蓄積される動画の電荷量は66.67[mVS]となり、遮光期間を設けた静止画の電荷量が約62.67[mVS]となる。従って、静止画の光量は動画の光量の94%で、不足光量La1は全体の6%となる。
【0043】
一方、絞り板22がある程度駆動されたとき、光量C=1V、応答時間ta=2mS、露光時間tb=1/60秒とすると、CCD1で蓄積される動画の電荷量は、
tb×C=1/60[mS]×1[V]≒16.67[mVS]
となり、遮光期間を設けた静止画の電荷量は、上記応答時間taの減衰線を直線とみなして、
となる。従って、この場合も静止画の光量は動画の光量の94%で、不足光量La3は全体の6%となり、絞り開口量の相違があっても、静止画の不足光量の割合は同一となる。
【0044】
この結果、遮光期間を設定する際に生じていた光量低下のバラツキが解消され、被観察体が遠点又は近点の何れにあっても、良好な明るさ(輝度)の静止画信号を得ることが可能となる。なお、上述したように、上記の6%の光量低下は、上記増幅器31等で補うことが可能である。
【0045】
そうして、このような光量制御でCCD12で得られた静止画信号について、その奇数ラインデータが図1の第1メモリ33へ書き込まれ、他方の偶数ラインデータが第2メモリ34へ書き込まれ、上記の第1メモリ33の奇数ラインデータは第3メモリ35で1/60秒遅れて、上記第2メモリ34の偶数ラインデータと位相が一致することになる。
【0046】
次に、上記のメモリ35,34に格納された各データは、混合回路36により画素混合され、この混合回路36からは、図4(D)に示した、0ライン+1ライン,2ライン+3ライン…の加算データが奇数(Odd)フィールドデータとして出力され、また図4(E)に示した、1ライン+2ライン,3ライン+4ライン…の加算データが偶数(Even)フィールドデータとして出力される。これらのフィールドデータに基づき、モニタには静止画が表示されるが、この静止画は、同一露光時に得られた全画素データで形成されるので、高画質となる。従って、1/60秒間に内視鏡自体のブレ、或いは被観察体に動きがあったとしても、その影響が小さい鮮明な静止画の観察が可能となる。
【0047】
図6には、絞り機構の他の例が示されている。この例は、従来の図8と同様に、円形の光束(開口)100を塞ぐように絞り羽根3が設けられたもので、この光束100を遮蔽する遮光シャッタ42を左右方向に移動可能に配置し、この遮光シャッタ42をモータ43で駆動する。この場合は、上記絞り羽根3が回転軸3Aを中心に回動して上下方向に移動し、この移動方向に対して、上記遮光シャッタ42がほぼ直交する形で左右移動することになる。
【0048】
このような構成によっても、極めて小さく絞られた状態のときを除き、遮光シャッタ42による応答時間をほぼ同一に維持することができ、この応答時間による不足光量の変化が抑制された安定した輝度の静止画を得ることが可能となる。
【0049】
上記例では、動画につきCCD12における出力時混合読み出し方式を採用して、逆に被写体の動き等を忠実に再現するようにしたが、この動画においてもブレのない鮮明な画像を追及する場合は、動画形成処理についても遮光期間を利用したた全画素読出し方式を採用することができる。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、方形開口を有する遮光マスクを配置し、例えば絞り部材を上下方向に移動させ、この絞り部材の移動方向に直交する左右方向に遮光シャッタを移動させて、光源光束を完全に遮断するようにしたので、絞り開口量が相違する場合でも遮光シャッタの応答時間は一定となり、光量低下のバラツキをなくすことが可能となる。従って、遮光期間を利用して全画素読み出す方式でも、撮像距離等に関係なく安定した明るさの画像が得られる。
【0051】
請求項2記載の発明によれば、明るさの安定した高画質の静止画が得られ、一方動画については動きを忠実に再現した滑らかな画像が形成できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態例に係る光源装置を適用した電子内視鏡装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】実施形態例の絞り部材、遮光板及び遮光シャッタの構成を示す図である。
【図3】実施形態例における静止画形成時の信号読出しの動作を示す波形図である。
【図4】図1のCCDから混合回路までの間で読み出される画像データを示す図である。
【図5】実施形態例での遮光シャッタの応答時間と不足光量の関係を示す図である。
【図6】実施形態例における絞り機構の他の例の構成を示す図である。
【図7】従来のCCDにおける色フィルタの構成及び画素混合読出しを説明する図である。
【図8】従来の光源装置における絞り羽根及び遮光シャッタの構成を示す図である。
【図9】図8の装置での遮光シャッタの応答時間と不足光量の関係を示す図である。
【符号の説明】
1,12 … CCD、
14 … 光源ランプ、
16 … フリーズスイッチ、
20 … マイコン(制御手段)、
22 … 絞り板、
23 … 遮光マスク、
24,42 … 遮光シャッタ
25,27,43 … モータ、
26 … 絞り制御回路、
28 … 遮光シャッタ制御回路、
31 … 増幅器、
38 … 混合回路。
Claims (2)
- 光源光束を通過させる方形開口を有する遮光マスクと、
この遮光マスクの方形開口の上下又は左右の二辺に沿って絞り部材を移動させ、出射光量を調整する絞り駆動手段と、
この絞り駆動手段の上記絞り部材の移動方向に対し直交する二辺に沿って移動するように遮光シャッタを配置し、この遮光シャッタにより上記光源光束を完全に遮断することにより、撮像素子に蓄積された全画素の信号を読み出すための所定の遮光期間を設定する遮光手段と、を含んでなる遮光期間を設定する電子内視鏡光源装置。 - 上記撮像素子に蓄積された画像信号を上下ライン間で混合して出力し、動画を形成する撮像素子出力時画素混合読出し方式と、1回の露光で上記撮像素子に蓄積された全画素の信号を上記遮光期間を利用して読み出し、静止画を形成する全画素読出し方式を備えた電子内視鏡に適用したことを特徴とする請求項1記載の遮光期間を設定する電子内視鏡光源装置。
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