JP3982791B2 - 高圧処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高圧な処理流体を用いる高圧処理装置に関し、より特定的には、半導体基板、液晶表示装置用ガラス基板の如きFPD(FlatPanel Display)用基板、フォトマスク用ガラス基板及び光ディスク用基板など(以下、単に「基板」と称する)に、高圧な処理流体を供給することによって当該基板の高圧処理、例えば基板に付着した汚染物質の除去処理等を行う高圧処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子部品等が形成された基板の洗浄における脱フロン化の流れに伴い、超臨界二酸化炭素のような低粘度の高圧状態の処理流体を剥離液又はリンス液として使用することが注目されている。
【0003】
また、近年の半導体デバイスの縮小化(シュリンク)によって、さらにデバイスの設計ルール(テクノロジーノード)がより微細化しており、その勢いはさらに加速されている。このような半導体デバイスにおいては、構造上非常に微細な溝(トレンチ)や穴(ホール)の洗浄が必要である。前者はキャパシタ(コンデンサの容量部分)や横配線(平面的な配線)、後者は縦配線(三次元的な配線、横配線と横配線との接続、トランジスタのゲート電極への接続)等である。
【0004】
このような微細な構造では、その幅と深さの比、いわゆるアスペクト比(縦横比)が非常に大きくなってきており、幅が狭く深い溝や径が小さく深い穴が形成されている。この幅や径がサブミクロンになっていて、そのアスペクト比も10を超えるようなものが出現している。このような微細構造をドライエッチング等で半導体基板上に製造した後には、上部の平坦部分のみならず、溝や穴の側壁やその底にレジスト残骸や、ドライエッチングで変質したレジスト、底の金属とレジストの化合物、酸化した金属等の汚染が残っている。
【0005】
これらの汚染は、従来、溶液系の薬液によって洗浄されていた。しかし、このような微細な構造では、薬液の侵入及び純水による置換がスムーズにいかず、洗浄不良が生じるようになってきている。また、エッチングされた絶縁物が配線による電気信号の遅延を防止するために、低誘電率の材料(いわゆるLow−k材)を使用しなくてはならなくなり、薬液によってその特性である低誘電率が悪化すると言う問題が発生している。その他、配線用の金属が露出している場合は、金属を溶解する薬液が使用できない等の制限も生じている。
【0006】
このような、半導体デバイスの微細構造の洗浄に、その特性から超臨界流体が注目されている。超臨界流体は、溶液系の薬液のように低誘電率の絶縁物に浸透しても残留しないため、その特性を変化させることがない。従って、半導体デバイスの微細構造の洗浄に非常に適していると言え、多いに注目されている。
【0007】
超臨界流体とは、図4に示すように、臨界圧力Pc以上かつ臨界温度Tc以上(同図網掛け部分)で得られる物質の状態をいう。この超臨界流体は、液体と気体の中間的性質を有するため、精密な洗浄に適しているといえる。すなわち、超臨界流体は、液体に近い密度を持ち溶解性が高いため、有機成分の洗浄に有効であり、気体のように拡散性が優れるため、短時間に均一な洗浄が可能であり、気体のように粘度が低いため、微細な部分の洗浄に適しているのである。
【0008】
この超臨界流体に変化させる物質には、二酸化炭素、水、亜酸化窒素、アンモニア、エタノール等が用いられる。主に二酸化炭素は、臨界圧力Pcが7.4MPa、臨界温度Tcが約31℃であり、比較的簡単に超臨界状態が得られること、及び無毒であることから、多く用いられている。
【0009】
そして、上記超臨界流体を用いて基板の洗浄処理を行う装置としては、図5に示す構成が考えられる。図5に示す高圧処理装置は、液体の二酸化炭素が封入されたボンベ21と、凝縮器22と、昇圧手段23と、加熱器24と、混合器30と、基板洗浄槽25と、循環用ポンプ26と、減圧器27と、分離回収槽28と、バルブV1〜V5とで構成される。
【0010】
以下、この構成による高圧処理装置の洗浄動作を簡単に説明する。
まず、被洗浄物である基板が、基板洗浄槽25内に設置されて密閉される。基板が設置されると、以下の洗浄処理が開始される。最初にボンベ21の液体二酸化炭素が、凝縮器22へ供給されて液体のまま貯留される。液体二酸化炭素は、昇圧手段23において臨界圧力Pc以上の圧力まで昇圧され、さらに加熱器24において臨界温度Tc以上の温度まで加熱されて超臨界二酸化炭素となり、混合器30へ送られる。混合器30は、バルブV5を介して供給される所定の助剤Aと超臨界二酸化炭素とを混合し、基板洗浄槽25へ送出する。
【0011】
ここで助剤について説明する。
二酸化炭素流体は、ヘキサン程度の溶解力を有しているため、基板表面の水分や油脂分等の除去は容易に行えるが、レジストやエッチングポリマー等の高分子汚染物質に対する溶解力は不十分であるので、二酸化炭素単独でこれらの汚染物質を剥離・除去することは難しい。このため、二酸化炭素にさらに薬液(助剤)を添加して、高分子汚染物質を剥離・除去できるように、助剤が用いられるのである。
【0012】
基板洗浄槽25では、超臨界二酸化炭素と基板とを接触させることで洗浄が行われる。この基板洗浄は、バルブV1,V2の閉栓、バルブV3,V4の開栓及び循環用ポンプ26の動作のONによって、助剤Aが混合された超臨界二酸化炭素を所定の期間だけ循環させて行われる。この基板の循環洗浄は、洗浄に要する時間を短縮することを目的として行われる。
【0013】
基板洗浄後の汚染物質(洗浄によって基板から超臨界二酸化炭素に溶解もしくは分散した有機物、無機物、金属、パーティクル、水等)が溶解もしくは分散した助剤Aが混合された超臨界二酸化炭素は、減圧器27において最終的な減圧がなされて気化された後、分離回収槽28において気体の二酸化炭素と助剤Aと汚染物質とに分離される。分離された助剤A及び汚染物質は排出され、気体の二酸化炭素は、回収されて凝縮器22で再利用される。以上の洗浄処理が所定の時間繰り返された、基板洗浄が完了する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
一方、上述した従来の高圧処理装置では、超臨界流体及び助剤を循環させて基板を洗浄しているので、混合させた助剤が洗浄時間の経過に伴って徐々に活性がなくなっていく(失活する)、すなわち、超臨界流体中の助剤濃度が低下していく。このような理由から、混合器30では、失活分を考慮した量の助剤が混合される。
【0015】
しかしながら、従来の高圧処理装置では、循環洗浄処理過程においてどの程度助剤が失活するのかを厳密に把握することができない。従って、通常では標準値や経験値等に基づいて、超臨界流体に混合させる助剤の量(超臨界流体中の助剤濃度)を決定している。このため、助剤の量が多すぎて無駄に助剤を消費するという問題や、助剤の量が少なすぎて基板洗浄が不十分であるという問題が生じていた。
【0016】
また、従来の高圧処理装置では、基板洗浄処理の完了時点を正確に把握することができない。このため、基板洗浄が十分に行われるように、洗浄時間を長めに取る必要があり、処理プロセスのスループットを悪化させる原因となっていた。
【0017】
このような問題は、超臨界流体を用いた洗浄方式に限らず、高圧処理流体である亜臨界流体や、例えばアンモニアによる高圧ガスを用い、密閉処理槽内で基板を現像、洗浄、乾燥等の高圧処理する場合にも同様である。
【0018】
なお、亜臨界流体とは、一般的に図4において、臨界点手前の領域にある高圧状態の液体を言う。この領域の流体は、超臨界流体とは、区別される場合があるが、密度等の物理的性質は連続的に変化するため、物理的な境界は存在しなく、亜臨界流体として使用される場合もある。亜臨界あるいは広義には臨界点近傍の超臨界領域に存在するものは高密度液化ガスとも称する。
【0019】
それ故に、本発明の目的は、循環処理過程における処理流体中の薬液濃度を把握すると共に基板処理の完了時点を正確に把握し、薬液濃度を最適に制御することにより、基板処理性能の安定化及びスループットの向上を図った高圧処理装置を提供することである。
【0022】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
の発明は、超臨界流体を用いて基板を処理する装置であって、
所定の超臨界流体を供給する超臨界流体供給部と、
供給された超臨界流体に、所定の薬液を混合させる混合部と、
薬液が混合された超臨界流体を用い、当該流体を所定の期間循環させて処理槽内に設置された基板を処理する基板処理部と、
循環させている薬液が混合された超臨界流体中の薬液濃度を検出する濃度検出部と、
超臨界流体中の薬液濃度が常に所定値となるように、濃度検出部で検出された薬液濃度に基づいて、混合部へ供給される薬液の量を制御する濃度制御部とを備え
濃度制御部は、濃度検出部によって検出された薬液濃度が安定したとき、基板処理部における基板処理が完了したものと判断することを特徴とする。
【0023】
上記のように、第の発明によれば、循環処理過程における超臨界流体中の薬液の濃度を検出し、濃度が常に一定となるように薬液の供給を制御する。これにより、過剰供給や供給不足がなく、常に一定濃度の薬液で基板を処理することができる。従って、薬液の無駄な消費もなく、かつ、循環処理による薬液の経時的な失活に伴う洗浄能力低下がなくなり、基板処理性能の安定化を図ることができる。また、第1の発明によれば、基板処理の完了時点を正確に判断することができるので、処理不足の発生を防ぐために長時間処理を行う必要がなくなり、処理プロセスのスループットを向上させることが可能となる。
【0026】
の発明は、第1の発明に従属する発明であって、
濃度検出部に、薬液によって光が吸収又は散乱される特性を利用した光学的な濃度検出方式を用いることを特徴とする。
【0027】
の発明は、第の発明に従属する発明であって、
濃度検出部は、薬液の特性に応じた異なる2つ以上の光波長を用いて、2種類以上の薬液の濃度を同時に検出することを特徴とする。
【0028】
上記のように、第2及び第3の発明によれば、薬液が持つ光学的特性を上手く利用することで、流体中の1つ又は2つ以上の薬液濃度を正確かつ容易に検出することができる
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る高圧処理装置の構成を示すブロック図である。図1において、本実施形態の係る高圧処理装置は、ボンベ1と、凝縮器2と、昇圧手段3と、加熱器4と、混合器10と、濃度検出器11と、濃度制御器12と、基板洗浄槽5と、循環用ポンプ6と、減圧器7と、分離回収槽8と、バルブV1〜V7とで構成される。
【0030】
まず、本実施形態の高圧処理装置の各構成を説明する。
ボンベ1には、基板の洗浄に用いられる液化状の二酸化炭素が封入されている。凝縮器2は、分離回収槽8から供給される気体の二酸化炭素を冷却して液化させる。昇圧手段3は、凝縮器2で液化された液体二酸化炭素を、臨界圧力Pc以上の所定の圧力まで昇圧させる。加熱器4は、昇圧手段3で昇圧された液体二酸化炭素を、臨界温度Tc以上の所定の温度まで加熱する。これにより、液体の二酸化炭素が超臨界流体へ変化する(図4を参照)。この超臨界二酸化炭素が、本発明に適用可能な高圧状態の処理流体の1つに相当する。
【0031】
混合器10へは、濃度制御器12の制御に従って、バルブV5〜V7を介して3種類の薬液が供給される。本発明の高圧処理装置においては、半導体基板に付着したレジストやエッチングポリマー等の高分子汚染物質も除去させるため、二酸化炭素の高圧流体だけでは洗浄力が不十分である点を考慮して、薬液を添加した処理流体にて洗浄処理を行う。この添加する薬液を助剤と称するが、助剤としては、洗浄成分に塩基性化合物を用いることが好ましい。この塩基性化合物は、レジストを多用される高分子物質を加水分解する作用があり、洗浄効果が高いためである。塩基性化合物の具体例としては、第四級アンモニア水酸化物、第四級アンモニアフッ化物、アルキルアミン、アルカノールアミン、ヒドロキシルアミン(NH2OH)及びフッ化アンモニウム(NH2F)よりなる群から選択される1種以上の化合物が挙げられる。洗浄成分は、高圧流体に対し、0.05〜8質量%含まれていることが好ましい。
【0032】
上記塩基性化合物等の洗浄成分が高圧流体に非相溶である場合には、この洗浄成分を二酸化炭素に溶解もしくは均一分散させる助剤となり得る相溶化剤を薬液として用いることが好ましい。この相溶化剤としては、洗浄成分を高圧流体と相溶化させることができれば特に限定されないが、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類や、ジメチルスルホキシド等のアルキルスルホキシドが、好ましいものとして挙げられる。相溶化剤は、洗浄工程では、高圧流体の10〜50質量%の範囲で適宜選択すればよい。
【0033】
すなわち、バルブV5を介して所定の助剤Aが、バルブV6を介して所定の助剤Bが、バルブV7を介して所定の相溶化剤がそれぞれ供給される。本実施例では、2種類の助剤A、Bを用い場合を説明するが、助剤の種類や数は、対象基板や洗浄目的等に基づいて自由に設定することができる。混合器10は、供給される助剤A、B及び相溶化剤と、生成された超臨界二酸化炭素とを混合し、基板洗浄槽5へ送出する。
【0034】
濃度検出器11は、超臨界流体中の助剤A、Bの濃度をそれぞれ検出する。濃度制御器12は、濃度検出器11から与えられる検出結果に基づいて、バルブV5、V6の開閉を制御する。
【0035】
処理槽としての基板洗浄槽5では、生成され助剤A、Bと相溶化剤とが混合された超臨界二酸化炭素を用いて基板が洗浄される。
【0036】
減圧器7は、基板洗浄槽5において洗浄処理が終わった助剤A、B及び相溶化剤が混合された超臨界二酸化炭素を減圧する。そのことによって、超臨界二酸化炭素が気化される。分離回収槽8では、減圧器7で気化された二酸化炭素と、薬液(助剤A、B及び相溶化剤)と汚染物質とが分離されると共に、気体の二酸化炭素が再び凝縮器2へ供給される。
【0037】
バルブV1、V2は、洗浄処理の循環経路と処理流体の供給/回収経路とを分離させるために用いられるバルブである。バルブV1は、昇圧手段3の二次側と加熱器4の一次側とを接続する配管上に設けられる。バルブV2は、基板洗浄槽5の二次側と減圧器7の一次側とを接続する配管上に設けられる。
【0038】
バルブV3、V4は、洗浄処理の循環経路を形成するために用いられるバルブである。バルブV3は、循環用ポンプ6の排出口と加熱器4の一次側とを接続する配管上に設けられる。バルブV4は、基板洗浄槽5の二次側と循環用ポンプ6の吸入口とを接続する配管上に設けられる。
【0039】
バルブV5は、助剤Aを混合器10へ供給するために用いられるバルブであり、助剤Aが貯蔵されたタンク(図示せず)と混合器10とを接続する配管上に設けられる。バルブV6は、助剤Bを混合器10へ供給するために用いられるバルブであり、助剤Bが貯蔵されたタンク(図示せず)と混合器10とを接続する配管上に設けられる。バルブV7は、相溶化剤を混合器10へ供給するために用いられるバルブであり、相溶化剤が貯蔵されたタンク(図示せず)と混合器10とを接続する配管上に設けられる。
【0040】
ここで、ボンベ1や基板洗浄槽5に至る配管系が本発明の流体の供給部に相当する。また、基板洗浄槽5より下流で減圧器7や分離回収槽8を含む配管系が基板洗浄後の超臨界流体を回収して再利用させる流体の回収部として機能する。そして、基板洗浄槽5が基板処理部を構成する。
【0041】
次に、この構成による本実施形態に係る高圧処理装置で行われる基板の洗浄動作を、図2をさらに参照して説明する。図2は、本実施形態の高圧処理装置で行われる助剤濃度制御方法の手順を示すフローチャートである。
なお、本実施形態では、高圧流体として二酸化炭素を用いた場合を説明するが、その他、亜酸化窒素、アルコール、エタノール、水等の超臨界流体の状態へ変化できる物質であってもよい。また、本実施形態の基板洗浄槽に用いられる基板洗浄方式は、複数の基板を同時に洗浄するバッチ方式又は枚葉方式のいずれであってもよい。
【0042】
まず、被洗浄物である基板が基板洗浄槽5内に設置される。基板が設置されると、バルブV1,V2が開栓、バルブV3〜V7が閉栓された、以下の洗浄処理が開始される。
【0043】
最初に、二酸化炭素はボンベ1内に5〜6MPaの圧力で液体として貯留されており、この液体二酸化炭素が凝縮器2へ供給されて液体として貯蔵される。液体二酸化炭素は、昇圧手段3において臨界圧力Pc以上の圧力まで昇圧され、さらに加熱器4において臨界温度Tc以上の所定の温度まで加熱されて超臨界流体となり、混合器10へ順次送られる。ここで、所定の圧力及び温度は、洗浄対象である基板の種類や所望する洗浄性能に基づいて、自由に設定することが可能である。
【0044】
初期状態として、濃度制御器12は、超臨界二酸化炭素中の濃度がそれぞれ所定の値となるように、バルブV5、V6の開閉を制御して助剤A、Bを混合器10へ供給させる(ステップS21)。混合器10は、供給される助剤A、Bと超臨界二酸化炭素とを混合し、助剤A、Bが所定の濃度だけ混合された超臨界二酸化炭素を、濃度検出器11を通して基板洗浄槽5へ送出する。
【0045】
この時、バルブV7も開閉を制御され、相溶化剤も同時に混合器10へ供給される。この相溶化剤の供給量は、予め設定された所定量とされる。これは、本実施例において相溶化剤は、助剤A、Bを超臨界二酸化炭素へ分散させるのに作用させ、基板洗浄期間に濃度が変動しない、もしくは変動しても基板の洗浄力を左右させない薬液として、選択されるためである。
【0046】
超臨界二酸化炭素の供給/回収経路(昇圧手段3の二次側から減圧器7の一次側までの間)が助剤A、B及び相溶化剤が混合された超臨界二酸化炭素で満たされると、バルブV1、V2の閉栓、バルブV3、V4の開栓及び循環用ポンプ6の動作ONによって、助剤A、B及び相溶化剤が混合された超臨界二酸化炭素を所定の期間だけ循環させて基板の洗浄が行われる。基板洗浄槽5では、この高圧状態の超臨界二酸化炭素によって基板の洗浄が行われる。
【0047】
助剤A、B及び相溶化剤が混合された超臨界二酸化炭素を循環させて基板の洗浄を行うと、助剤A、Bが使用されて超臨界二酸化炭素中の濃度が徐々に低下してくる。そこで、本発明では、濃度検出器11が超臨界二酸化炭素中の助剤A、Bの濃度をそれぞれ検出し、検出結果を濃度制御器12へ逐次伝えることを行う(ステップS22)。
【0048】
そして、濃度制御器12は、濃度検出器11で検出された濃度に従って(ステップS23〜S25)、超臨界二酸化炭素中の助剤A、Bの濃度を常に所定の値に保てるように、バルブV5、V6の開閉を個別に制御して助剤A、Bを混合器10へ追加供給させる(ステップS26〜S28)。
【0049】
ここで、濃度検出器11で検出された助剤A、B共に濃度が安定した(濃度が低下せず、所定の値を保つようになった)場合、濃度制御器12は、基板洗浄が完了したと判断して助剤A、Bの供給を停止する(ステップS29)。このように、本発明では、助剤A、Bの濃度変化を検出して、濃度不変を基板洗浄完了の指標とする。
【0050】
そして、上記判断に従って基板洗浄の完了が確認されると、バルブV2が開栓されて助剤A、Bが混合された超臨界二酸化炭素の回収/再利用が行われる。汚染物質が溶解もしくは分散した助剤A、Bと相溶化剤とが混合された超臨界二酸化炭素は、減圧器7において減圧されて気化された後、分離回収槽8において気体の二酸化炭素ガスと、薬液(助剤A、B及び相溶化剤)と汚染物質とに分離される。分離された薬液(助剤A、B及び相溶化剤)及び汚染物質は排出され、二酸化炭素ガスは、回収されて凝縮器2で再利用される。
【0051】
汚染物質は固体として析出し、薬液の中に混入して分離されることもある。分離された汚染物質を含む助剤や相溶化剤からなる液体(又は固体)成分は、排出され、気体の二酸化炭素は、回収されて凝縮器2で再利用される。例えば、この減圧器7は、超臨界二酸化炭素を約80℃以上に維持し、圧力を15MPaから6MPaに減圧することで気体の二酸化炭素とする。
【0052】
次に、超臨界二酸化炭素中の助剤A、Bの濃度を検出する濃度検出器11の具体的な構成の一例を、図3を用いて説明する。図3は、光の吸収又は散乱(ラマン散乱)を利用した光学式の濃度検出器11である。
【0053】
光源31の光は、レンズ32によって集光され、配管中を流れる助剤A、Bが混合された超臨界二酸化炭素を通過して、光検出部33へ放射される。ここで、放射される光のうち、特定波長aの光成分は助剤Aによって吸収され、また特定波長bの光成分は助剤Bによって吸収される。従って、光検出部33では、特定波長a、bの光成分については、超臨界二酸化炭素中の助剤A、Bに吸収されなかった分だけが検出されることとなる。
【0054】
この助剤によって吸収される光量は、助剤濃度の大小に伴って増減する。そこで、増幅演算部34は、光検出部33で検出された光を必要に応じて増幅した後、特定波長aの光成分の量及び特定波長bの光成分の量に基づいて助剤A、Bの濃度をそれぞれ算出し、濃度制御器12をこの算出結果に従って制御するための濃度信号を出力する。このように、図3の濃度検出器11では、助剤Aが吸収する光波長と、助剤Bが吸収する光波長とが異なることを有効に利用することで、助剤毎の濃度検出を可能としている。
【0055】
なお、光検出部33で散乱光を検出するようにし、散乱光のスペクトル強度によって各助剤の濃度検出を行うようにしてもよい。
【0056】
以上のように、本発明の一実施形態に係る高圧処理装置によれば、循環洗浄処理過程における超臨界流体中の助剤の濃度を検出し、濃度が常に一定となるように助剤の供給を制御する。これにより、過剰供給や供給不足がなく、常に一定濃度の助剤で基板を洗浄することができる。従って、助剤の無駄な消費もなく、かつ、循環洗浄による助剤の経時的な失活に伴う洗浄能力低下がなくなり、基板洗浄性能の安定化を図ることができる。また、基板洗浄処理の完了時点を正確に判断することができるので、洗浄不足の発生を防ぐために長時間洗浄を行う必要がなくなり、処理プロセスのスループットを向上させることが可能となる。
【0057】
なお、本発明は、上述した実施例及び変形例に限定されるものではなく、以下のように他の形態でも実施することができる。
【0058】
(1)上記実施形態では、超臨界二酸化炭素中の助剤濃度を検出して、超臨界流体中の助剤濃度が常に一定値に保たれるように、供給バルブの開閉を逐次制御する場合を説明した。しかし、最初に予め十分な濃度で助剤を超臨界二酸化炭素中に混合させておき、濃度変化による助剤の追加供給を行うことなく、助剤濃度が低下しなくなったか否か(濃度が飽和したか)によって基板洗浄処理の完了時点だけを判断してもよい。
【0059】
(2)また、相溶化剤として基板洗浄期間に濃度が変動する薬液を選択するのであれば、超臨界二酸化炭素中の相溶化剤濃度を検出して、超臨界流体中の相溶化剤濃度が常に一定値に保たれるように制御してもよい。
【0060】
(3)また、上記実施形態において基板洗浄槽5の下流側に減圧器7を配置して、超臨界流体を気化した後、分離回収槽8に送出する構成としているが、分離回収槽8において減圧した後、気液分離するよう構成してもよい。
【0061】
(4)また、上記実施形態において、処理流体は基板洗浄槽5に超臨界流体として供給されるが、基板洗浄槽5に供給される所定の高圧状態とは1MPa以上であればよく、好ましくは、高密度、高溶解性、低粘度、高拡散性の性質が認められる流体である。よって、亜臨界流体や高圧ガスを用いて実施できることは言うまでもない。さらに、洗浄処理は5MPa以上に昇圧される処理流体を供給すれば好適に実施できる。そして、5〜30MPaで行うことが好ましく、より好ましくは7.1〜20MPa下でこれらの処理を行うことである。
【0062】
(5)また、上記高圧処理装置は、基板洗浄について説明したが、基板乾燥や基板現像に用いられるものであってもよい。すなわち、基板洗浄槽5にリンス洗浄(水洗)後の基板を搬入設置する。この基板洗浄槽5内で基板に付着した水分を超臨界又は亜臨界状態にある高圧状態の処理流体中に溶解し除去する。この後、処理流体は上記実施形態と同様に回収され再利用される。なお、乾燥や現像のために本発明の高圧処理装置を用いる場合は、乾燥又は現像すべきレジストの性質に応じて、キシレン、メチルイソブチルケトン、第四級アンモニウム化合物、フッ素系ポリマー等を薬液とすればよい。
【0063】
その他、特許請求の範囲に記載された技術的事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る高圧処理装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る高圧処理装置で行われる助剤濃度制御方法の手順を示すフローチャートである。
【図3】図1の濃度検出器11の具体的な構成例を説明する図である。
【図4】超臨界流体を説明する図である。
【図5】超臨界流体を用いて基板洗浄を行う従来装置の構成の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1,21…ボンベ
2,22…凝縮器
3,23…昇圧手段
4,24…加熱器
5,25…基板洗浄槽
6,26…循環用ポンプ
7,27…減圧器
8,28…分離回収槽
10,30…混合器
11…濃度検出器
12…濃度制御器
31…光源
32…レンズ
33…光検出部
34…増幅演算部
V1〜V7…バルブ

Claims (3)

  1. 超臨界流体を用いて基板を処理する装置であって、
    所定の超臨界流体を供給する超臨界流体供給部と、
    供給された前記超臨界流体に、所定の薬液を混合させる混合部と、
    前記薬液が混合された超臨界流体を用い、当該流体を所定の期間循環させて処理槽内に設置された基板を処理する基板処理部と、
    循環させている前記薬液が混合された超臨界流体中の薬液濃度を検出する濃度検出部と、
    前記超臨界流体中の薬液濃度が常に所定値となるように、前記濃度検出部で検出された前記薬液濃度に基づいて、前記混合部へ供給される前記薬液の量を制御する濃度制御部とを備え、
    前記濃度制御部は、前記濃度検出部によって検出された前記薬液濃度が安定したとき、前記基板処理部における基板処理が完了したものと判断することを特徴とする、高圧処理装置。
  2. 前記濃度検出部に、前記薬液によって光が吸収又は散乱される特性を利用した光学的な濃度検出方式を用いることを特徴とする、請求項1に記載の高圧処理装置。
  3. 前記濃度検出部は、前記薬液の特性に応じた異なる2つ以上の光波長を用いて、2種類以上の前記薬液の濃度を同時に検出することを特徴とする、請求項2に記載の高圧処理装置。
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