JP3982211B2 - プリンタにおける紙送り誤差の補正 - Google Patents

プリンタにおける紙送り誤差の補正 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、印刷ヘッドを主走査方向に移動させつつ印刷媒体上にインクドットを記録することによって印刷を行う技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータの出力装置としては、インクをヘッドから吐出するインクジェットプリンタやレーザプリンタが普及している。特に、近年では、カラーインクを用いたカラープリンタも広く利用されている。
【0003】
また、インクジェットプリンタ用の各種の印刷媒体が市販されている。異なる印刷媒体では、インクの発色性が異なるので、得られる画質にも大きな差異がある。また、印刷媒体の種類は、印刷媒体の副走査送り(以下、「紙送り」と呼ぶ)の精度にも影響を与える。例えば、表面が滑り易い印刷媒体と、表面が滑り難い印刷媒体では、同じ送り動作を行っても、実際の送り量がかなり異なる場合がある。また、紙送りの精度は、プリンタ毎にかなりばらつく傾向がある。
【0004】
紙送り精度の良否は、画質に大きな影響がある。しかし、いわゆるインターレース記録モードによって印刷を行うプリンタでは、紙送り量を適切に設定することによって、紙送り誤差による画質低下をある程度抑制することが可能である。ここで、「インターレース記録モード」とは、副走査方向のドットピッチ(すなわち主走査ラインピッチ)の2倍以上のノズルピッチで配列されたノズルを有する印刷ヘッドを用いて行う印刷方法を意味している。このような印刷ヘッドを用いる場合には、1回の主走査によって記録できる主走査ライン(ラスタライン)同士の間にはギャップが生じる。そして、このギャップを無くするために、ギャップに含まれる主走査ラインの数に等しい回数の主走査がさらに必要となる。このようなインターレース記録モードでは、種々の送り量を採用することが可能であることが知られている。そこで、従来は、インターレース記録モードにおける紙送り量を適切に選択することによって、紙送り精度のばらつきによる画質の影響を小さく抑えていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような理由から、インターレース記録モードのプリンタでは、紙送り誤差を直接補正することは、あまり考慮されていなかった。しかし、近年におけるプリンタの高画質の進展に伴って、インターレース記録モードで印刷を行うプリンタにおいても、紙送り誤差を適切に補正することによって、画質をさらに向上させたいという要望が生じてきた。このような要望は、インターレース記録モードだけを用いるプリンタのみでなく、非インターレース記録モードを用いるプリンタに関しても同様に高まってきている。
【0006】
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、プリンタの紙送り誤差を補正して画質を向上させることが可能な技術を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上記目的を達成するために、本発明の方法は、印刷ヘッドを主走査方向に移動させつつ印刷媒体上にインクドットを記録することによって印刷を行う印刷装置における印刷媒体の副走査送り量の補正方法であって、
(a)インクデューティを、印刷媒体のインクの滲み易さに応じて異なる値に設定する工程と、
(b)前記印刷媒体の副走査送り量の補正値を決定するためのテストパターンとして、異なる補正値を用いてそれぞれ印刷される複数のカラーパッチを含むテストパターンを、1種類のインクを用いて100%未満の前記インクデューティで印刷する工程と、
(c)印刷を行う際に、前記テストパターンの印刷結果に応じて設定された補正値に従って副走査送り量を補正する工程と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
この方法によれば、1種類のインクを用いて100%未満のインクデューティでカラーパッチを印刷するので、紙送り誤差に起因する画像劣化を発見しやすいカラーパッチを印刷することができる。この結果、適切な補正値でプリンタの副走査送り誤差を補正して画質を向上させることが可能である。
また、一般に、インクデューティが過度に大きくなるとインクが滲み易くなり、逆に過度に低くなると紙送り誤差に起因する画質劣化を発見しにくくなる傾向にある。従って、印刷媒体のインクの滲み易さに応じてインクデューティを異なる値に設定するようにすれば、各種類の印刷媒体に適したテストパターンを印刷することが可能である。
【0011】
なお、前記複数のカラーパッチは、ブラックインクによって再現されたグレーパッチであるとしてもよい。また、前記グレーパッチのインクデューティは、約70%から約90%までの範囲の値であるとしてもよい。
【0012】
この構成によれば、紙送り誤差の適切な補正値を決定し易いテストパターンを印刷することが可能である。
【0013】
なお、前記複数のカラーパッチは、一枚の印刷媒体上において副走査方向に沿って配列されていることが好ましい。
【0014】
こうすれば、1枚の印刷媒体上に多くのカラーパッチを印刷できるので、印刷媒体を節約することができる。
【0015】
前記印刷ヘッドは、複数のカラーノズル群が副走査方向に沿って所定の順序で配列されたカラーノズル列と、前記カラーノズル列に並列に配置されたブラックノズル列とを有していてもよい。このとき、前記複数のカラーパッチは、前記ブラックノズル列に含まれる複数のブラックノズルのうちの一部のみを用いて印刷されることが好ましい。
【0016】
この構成によれば、カラーパッチの間のギャップを比較的小さくすることができるので、1枚の印刷媒体上により多くのカラーパッチを印刷することが可能である。
【0017】
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、副走査送り量(紙送り量)の補正方法および装置、副走査送りの制御方法および装置、副走査送り量の補正を考慮した印刷方法および装置、副走査送り量の補正を考慮して印刷装置を制御するための印刷制御装置および方法、それらの方法や装置を実現するコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、等の種々の形態で実現することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.装置の全体構成:
B.紙送り補正の内容:
C.テストパターンの印刷方法と紙送り補正値の決定方法の詳細:
D.変形例:
【0019】
A.装置の全体構成:
図1は、本発明の一実施例として印刷システムの構成を示すブロック図である。この印刷システムは、コンピュータ90と、カラーインクジェットプリンタ20と、を備えている。なお、プリンタ20とコンピュータ90とを含む印刷システムは、広義の「印刷装置」と呼ぶことができる。
【0020】
コンピュータ90では、所定のオペレーティングシステムの下で、アプリケーションプログラム95が動作している。オペレーティングシステムには、ビデオドライバ91やプリンタドライバ96が組み込まれており、アプリケーションプログラム95からは、これらのドライバを介して、プリンタ20に転送するための印刷データPDが出力される。画像のレタッチなどを行うアプリケーションプログラム95は、処理対象の画像に対して所望の処理を行い、また、ビデオドライバ91を介してCRT21に画像を表示している。
【0021】
アプリケーションプログラム95が印刷命令を発すると、コンピュータ90のプリンタドライバ96が、画像データをアプリケーションプログラム95から受け取り、これをプリンタ20に供給する印刷データPDに変換する。プリンタドライバ96の内部には、解像度変換モジュール97と、色変換モジュール98と、ハーフトーンモジュール99と、ラスタライザ100と、ユーザインターフェース表示モジュール101と、テストパターン供給モジュール102と、色変換ルックアップテーブルLUTと、が備えられている。
【0022】
解像度変換モジュール97は、アプリケーションプログラム95で形成されたカラー画像データの解像度を、印刷解像度に変換する役割を果たす。こうして解像度変換された画像データは、まだRGBの3つの色成分からなる画像情報である。色変換モジュール98は、色変換ルックアップテーブルLUTを参照しつつ、各画素ごとに、RGB画像データを、プリンタ20が利用可能な複数のインク色の多階調データに変換する。
【0023】
色変換された多階調データは、例えば256階調の階調値を有している。ハーフトーンモジュール99は、いわゆるハーフトーン処理を実行してハーフトーン画像データを生成する。このハーフトーン画像データは、ラスタライザ100によりプリンタ20に転送すべきデータ順に並べ替えられ、最終的な印刷データPDとして出力される。なお、印刷データPDは、各主走査時のドットの形成状態を示すラスタデータと、副走査送り量を示すデータと、を含んでいる。
【0024】
ユーザインターフェース表示モジュール101は、印刷に関係する種々のユーザインターフェースウィンドウを表示する機能と、それらのウィンドウ内におけるユーザの入力を受け取る機能とを有している。
【0025】
テストパターン供給モジュール102は、副走査送り量(「紙送り量」とも呼ぶ)の補正値を決定するために使用されるテストパターン印刷信号TPSをハードディスク92から読み出して、プリンタ20に供給する機能を有している。また、テストパターン印刷信号TPSが圧縮データとして格納されている場合には、その圧縮データを伸張する機能を有している。
【0026】
なお、プリンタドライバ96は、印刷データPDやテストパターン印刷信号 TPSをプリンタ20に供給する機能を実現するためのプログラムに相当する。プリンタドライバ96の機能を実現するためのプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された形態で供給される。このような記録媒体としては、フレキシブルディスクやCD−ROM、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)および外部記憶装置等の、コンピュータが読み取り可能な種々の媒体を利用できる。また、このようなコンピュータプログラムを、インターネットを介してコンピュータ90にダウンロードすることも可能である。
【0027】
プリンタドライバ96を備えたコンピュータ90は、印刷データPDやテストパターン印刷信号TPSをプリンタ20に供給して印刷を行わせる印刷制御装置として機能する。
【0028】
図2は、カラーインクジェットプリンタ20の主要な構成を示す概略斜視図である。このプリンタ20は、用紙スタッカ22と、図示しないステップモータで駆動される紙送りローラ24と、プラテン26と、キャリッジ28と、キャリッジモータ30と、キャリッジモータ30によって駆動される牽引ベルト32と、キャリッジ28のためのガイドレール34とを備えている。キャリッジ28には、多数のノズルを備えた印刷ヘッド36が搭載されている。
【0029】
印刷用紙Pは、用紙スタッカ22から紙送りローラ24によって巻き取られてプラテン26の表面上を副走査方向へ送られる。キャリッジ28は、キャリッジモータ30により駆動される牽引ベルト32に牽引されて、ガイドレール34に沿って主走査方向に移動する。主走査方向は、副走査方向に垂直である。
【0030】
図3は、インクジェットプリンタ20の電気的な構成を示すブロック図である。このプリンタ20は、コンピュータ90から供給された信号を受信する受信バッファメモリ50と、印刷データを格納するイメージバッファ52と、プリンタ20全体の動作を制御するシステムコントローラ54と、メインメモリ56と、EEPROM58とを備えている。システムコントローラ54は、さらに、キャリッジモータ30を駆動する主走査駆動回路61と、紙送りモータ31を駆動する副走査駆動回路62と、印刷ヘッド36を駆動するヘッド駆動回路63とが接続されている。
【0031】
主走査駆動回路61と、キャリッジモータ30と、牽引ベルト32(図2)と、ガイドレール34は、主走査駆動機構を構成している。また、副走査駆動回路62と、紙送りモータ31と、紙送りローラ24(図2)は、副走査駆動機構(または「送り機構」と呼ぶ)を構成している。
【0032】
コンピュータ90から転送された印刷データは、一旦、受信バッファメモリ50に蓄えられる。プリンタ20内では、システムコントローラ54が、受信バッファメモリ50から印刷データの中から必要な情報を読取り、これに基づいて、各駆動回路61,62,63に対して制御信号を送る。
【0033】
イメージバッファ52には、受信バッファメモリ50で受信された複数の色成分の印刷データが格納される。ヘッド駆動回路63は、システムコントローラ54からの制御信号に従って、イメージバッファ52から各色成分の印刷データを読出し、これに応じて印刷ヘッド36に設けられた各色のノズルアレイを駆動する。
【0034】
図4は、副走査駆動機構の構成を示す斜視図である。紙送りモータ31の動力は、ギアトレイン40を介して紙送りローラ24と排紙ローラ42とに伝達される。紙送りローラ24には従動ローラ25が設けられており、排紙ローラ42にもその従動ローラとしてのギザローラ44が設けられている。印刷用紙Pは、これらのローラによって挟持された状態で送られて、プラテン26上を移動する。
【0035】
紙送りローラ24の軸には、符号板46aとフォトセンサ46bとで構成されるロータリエンコーダ46が設けられている。紙送り量(副走査送り量)は、このロータリエンコーダ46からのパルス信号に応じて決定される。
【0036】
図5は、印刷ヘッド36の下面におけるノズル配列を示す説明図である。この印刷ヘッド36は、副走査方向SSに沿った一直線上にそれぞれ配列されたブラックノズル列とカラーノズル列とを有している。本明細書においては、「ノズル列」を「ノズル群」とも呼ぶ。
【0037】
ブラックノズル列(白丸で示す)は、180個のノズル#1〜#180を有している。これらのノズル#1〜#180は、副走査方向に沿って一定のノズルピッチk・Dで配置されている。ここで、Dは副走査方向SSのドットピッチであり、kは整数である。副走査方向のドットピッチDは、副走査方向の印刷解像度に依存した値であり、主走査ライン(ラスタライン)のピッチと等しい。以下では、ノズルピッチk・Dを表す整数kを、単に「ノズルピッチk」と呼ぶ。ノズルピッチkの単位は[ドット]であり、これは副走査方向のドットピッチを意味している。
【0038】
図5の例では、ノズルピッチk・Dは180dpiに相当する値である。副走査方向の印刷解像度(すなわちドットピッチD)が360dpiのときには、ノズルピッチkは2ドットである。また、副走査方向の印刷解像度が720dpiのときには、ノズルピッチkは4ドットである。なお、ノズルピッチkは、1以上の任意の整数を取り得る。
【0039】
カラーノズル列は、イエロー用ノズル群Y(白三角で示す)と、マゼンタ用ノズル群M(白四角で示す)と、シアン用ノズル群C(白菱形で示す)とを含んでいる。なお、この明細書では、有彩色インク用のノズル群を「有彩色ノズル群」とも呼ぶ。各有彩色ノズル群は、60個のノズル#1〜#60を有している。また、有彩色ノズル群のノズルピッチは、ブラックノズル列のノズルピッチkと同じである。有彩色ノズル群のノズルは、ブラックノズル列のノズルと同じ副走査位置に配置されている。
【0040】
本明細書においては、図5の印刷ヘッドのように、複数の有彩色ノズル群が副走査方向に沿って順に配列されているカラーノズル列と、これに平行なブラックノズル列とを含む印刷ヘッドを「縦配列ヘッド」と呼ぶ。これに対して、複数色分のノズル群がほぼ同一の副走査位置に存在し、それらが主走査方向に沿って順に並んでいるような印刷ヘッドを、「横配列ヘッド」と呼ぶ。なお、横配列ヘッドにおいても、各ノズル群を構成する複数のノズルは副走査方向に沿って配列されている。なお、以下に説明する実施例では、図5に示す縦配列ヘッドを用いている。
【0041】
印刷時には、キャリッジ28(図2)とともに印刷ヘッド36が主走査方向に一定速度で移動している間に、各ノズルからインク滴が吐出される。但し、印刷方式によっては、すべてのノズルが常に使用されるとは限らず、一部のノズルのみが使用される場合もある。
【0042】
通常の白黒印刷の際には、180個のブラックノズルがほとんどすべて使用される。一方、カラー印刷の際には、CMYの各色について60個のノズルがそれぞれ使用されるとともに、ブラックノズルも60個使用される。カラー印刷の際に使用される60個のブラックノズルは、例えばシアンの60個のノズルと同じ副走査位置に配置されているノズル#121〜#180である。
【0043】
B.紙送り補正の概略:
以下に説明するように、紙送り誤差はプリンタ20の出荷前に補正され、また、出荷後にユーザが補正することができる。
【0044】
図6は、プリンタ20の出荷前における紙送り補正の手順を示すフローチャートである。ステップS1では、プリンタ20で使用が予定されている印刷用紙(印刷媒体)の種類を順次選択する。印刷用紙の種類としては、例えば、普通紙や、光沢フィルム、写真用紙、ロールタイプ写真用紙などがある。ステップS2では、印刷解像度が選択される。本実施例では、印刷解像度として、360×360dpiの低解像度と、720×720dpiの高解像度の2つの印刷解像度を利用可能である。なお、本明細書において、印刷解像度は、(主走査方向解像度)×(副走査方向解像度)と表記される。
【0045】
ステップS3では、選択された印刷用紙をプリンタ20にセットして、所定のテストパターンを印刷する。図7は、テストパターンの例を示している。このテストパターンでは、A4サイズの1枚の印刷用紙Pの上に、紙送り補正値δの異なる9つのカラーパッチが、副走査方向(図7では上下方向)に沿って配列されている。各カラーパッチの高さ(2×LB)と、カラーパッチ間のギャップGの値は、1枚の印刷用紙P上にすべてのカラーパッチが収まるように設定されている。これらの値(2×LB,G)については更に後述する。
【0046】
各カラーパッチの横に印刷されているパッチ番号は、紙送り補正値δに予め関連づけられている。但し、紙送り補正値δは便宜上描かれているだけであり、実際には印刷されない。各カラーパッチは、一様な濃度のグレー領域を、ブラックインクのみを用いて再現したグレーパッチである。
【0047】
各グレーパッチの上半分と下半分の相対位置は、紙送り補正値δに応じて調整されている。この結果、各グレーパッチには、プリンタ20の紙送り誤差と補正値δとの関係に応じて、主走査方向に平行な黒スジや白スジが現れる。図7のテストパターンは、プリンタ20に紙送り誤差が無い場合に印刷されるものに相当する。このとき、パッチ番号5(補正値δ=0)のグレーパッチには黒スジや白スジが無く、この補正状態が最適であることが観察できる。なお、紙送り誤差が発生すると、他のパッチの補正状態が最適となる。
【0048】
図8は、グレーパッチの2種類のドット記録方法を示す説明図である。図8において、矩形の格子は画素を示しており、斜線でハッチングされた丸はインクドットを示している。図8(A)に示す第1の方法では、ドットサイズがベタサイズ(100%サイズ)であり、ドット記録率が80%である。ここで、「ベタサイズ」とは、すべての画素にそのドットを記録したときに、ベタ領域(インクで隙間無く塗りつぶされた画像領域)を形成できるドットサイズを意味している。一般に、ベタサイズは、印刷解像度毎に予め決定されている。「ドット記録率」とは、ドットが記録されている画素の割合を意味している。
【0049】
図8(A)のドット記録方法においてドット記録率を80%に設定している理由は、図7の各グレーパッチにおける黒スジや白スジを検出し易いようにするためである。すなわち、ドット記録率を過度に高い値(例えば100%)に設定すると、インクの滲みが発生しやすいので、黒スジや白スジを観察し難くなる可能性がある。一方、ドット記録率を過度に低い値(例えば60%)にすると、インクドットがまばらになりすぎて、やはり黒スジや白スジを観察し難くなる可能性がある。これに対して、ドット記録率を約80%に設定すれば、インクの滲みが少なく、また、ドットがかなり稠密に配置されるので、黒スジや、白スジを発見し易い。なお、普通紙を用いる場合のグレーパッチのドット記録率としては、100%未満であればよいが、約70%〜約90%の範囲の値が好ましく、約75%〜約85%の値が更に好ましく、約80%が最も好ましい。
【0050】
図8(B)に示す第1の方法では、ドットサイズがベタサイズの80%であり、ドット記録率は100%である。このドット記録方法によっても、図8(A)の方法と同様に、黒スジや白スジを発見し易いグレーパッチを記録することができる。
【0051】
なお、本明細書において、ドットサイズ(ベタサイズを100%としたときの面積%)とドット記録率との積を「インクデューティ」と呼ぶ。図8(A),(B)の2つの方法では、いずれもインクデューティが80%である。普通紙を用いる場合に、テストパターンのグレーパッチのインクデューティとしては、100%未満であればよいが、約70%〜約90%の範囲の値が好ましく、約75%〜約85%の値が更に好ましく、約80%が最も好ましい。なお、グレーパッチのインクデューティの値は、印刷媒体の種類(表面の材質の違い)に応じて異なる値に設定することが好ましい。
【0052】
テストパターンとしては、図7に示したもの以外の種々のパターンを使用可能であり、例えば他の種類のカラーパッチや、罫線パターンなどを用いることも可能である。特に、カラーパッチとしては、グレーパッチに限らず、他のインクを用いたカラーパッチを使用することができる。なお、本明細書において、「カラーパッチ」とは、ほぼ一様な色に再現された画像領域を意味している。カラーパッチを用いる際には、黒スジや白スジを検出し易くするために、1種類のインクのみを用いてカラーパッチを印刷することが好ましい。なお、テストパターンの印刷方法の詳細については、後述する。
【0053】
このプリンタ20における紙送り誤差の主な要因は、紙送りローラ24(図4)の製造誤差である。この製造誤差は、外径の誤差と、表面粗さの誤差とを含んでいる。例えば、紙送りローラ24の外径が設計値よりも大きいと送り誤差がプラスになり、小さいとマイナスになる。本実施例では、このような紙送りローラ24の製造誤差に起因する紙送り誤差の補正を、出荷前に各プリンタ毎に実施している。従って、紙送りローラ24の許容誤差をやや大きく設定しても、実際の印刷時における紙送り誤差がほとんどゼロにすることが可能である。また、紙送りローラ24の製造誤差に対する許容値を緩和するのに伴って紙送りローラ24の歩留まりが高くなるので、プリンタ20のコストが低下するという利点もある。
【0054】
図6のステップS4では、印刷された複数のカラーパッチの中から、最も画質の高いカラーパッチを選択し、そのパッチ番号をプリンタ20のEEPROM58(図3)内に設定する。図7の例では、黒スジや白スジの無い中央のカラーパッチのパッチ番号(=5)がEEPROM58に格納される。なお、出荷前の検査によって設定された紙送りの補正値を「基準補正値」と呼ぶ。
【0055】
ステップS5では、プリンタ20で使用が予定されているすべての印刷用紙と、すべての印刷解像度との組合せに関してステップS1〜S4が終了したか否かが判断され、終了していなければステップS1に戻る。ここで、「プリンタ20で使用が予定されているすべての印刷用紙」とは、プリンタドライバ96(図1)のプロパティウィンドウでユーザが選択できる用紙の種類を意味する。「すべての印刷解像度」も同様である。こうして、印刷用紙と印刷解像度のすべての組合せに関して紙送りの基準補正値が設定される。
【0056】
図9は、ユーザによる紙送り補正の手順を示すフローチャートである。ステップS11,S12ではユーザが印刷用紙の種類と印刷解像度を選択し、ステップS13ではテストパターンの印刷指令を入力することによってテストパターンを印刷させる。図10は、ユーザにテストパターンの印刷指示を許容するユーザインターフェースウィンドウW1の例を示す説明図である。このウィンドウW1は、プリンタプロパティ内のユーティリティ用ウィンドウであり、紙送り調整用テストパターンの印刷指示を入力するためのボタンB1が設けられている。ユーザがボタンB1をクリックすると、テストパターン供給モジュール102(図1)が、ハードディスク92からテストパターン印刷信号TPSを読み出してプリンタ20に供給し、プリンタ20がこれに従ってテストパターンを印刷する。このテストパターンは、出荷前の紙送り補正で用いられてテストパターン(図7)と同じものでもよく、あるいは、これとは違うテストパターンでもよい。本実施例では、ユーザによる紙送り補正においても、図7に示したテストパターンを用いる。
【0057】
図8のステップS14では、印刷された複数のカラーパッチの中から、最も画質の高いカラーパッチを選択し、そのパッチ番号を設定する。図11は、好ましいパッチ番号の設定をユーザに許容するユーザインターフェースウィンドウW2の例を示す説明図である。このウィンドウW2は、テストパターンが印刷されたときに、ユーザインターフェース表示モジュール101(図1)によって自動的に表示される。このウィンドウW2には、好ましいパッチ番号を選択するための複数のボタンB11〜B19が設けられている。ユーザがこれらのボタンB11〜B19のいずれかをクリックすると、好ましいパッチ番号がプリンタ20のEEPROM58(図3)内に設定される。なお、パッチ番号は、図6のステップS4で設定された基準補正値に置き換わるものとしてEEPROM58に登録されてもよく、あるいは、基準補正値をさらに補正する値としてEEPROM58に登録されてもよい。また、ユーザによる送り補正値を示すパッチ番号は、EEPROM58でなく、プリンタドライバ96に登録されるようにしてもよい。
【0058】
図9のステップS15では、ユーザの指示に応じて実際の印刷が実行される。このとき、ステップS14で設定された紙送りの補正値に従って紙送りモータ31(図3)の動作が制御される。
【0059】
このように、本実施例では、ブラックインクのみを用い、インクデューティが約80%のグレーパッチをテストパターンとして印刷するので、プリンタ20の紙送り誤差に起因する黒スジや白スジを発見し易いという利点がある。また、1枚の印刷用紙Pの上にすべてのグレーパッチが副走査方向に沿って順に配置されているので、テストパターンの印刷のために何枚もの印刷用紙Pを使用しないで済むという利点がある。
【0060】
C.テストパターンの印刷方法と紙送り補正値の決定方法の詳細:
図12は、図6のステップS3および図9のステップS13においてテストパターンを印刷する際に使用する紙送りの例を示している。この紙送りは、360×360dpiの低解像度印刷モード用のものである。図5でも説明したように、ノズルピッチk・Dは180dpiなので、副走査方向の印刷解像度が360dpiのときには、ノズルピッチを規定する整数kは2である。
【0061】
図12には、パス1〜パス4の4つのパスにおける印刷ヘッド36の副走査方向の位置がそれぞれ示されている。ここで、「パス」とは、1回の主走査を意味している。なお、図12では、図示の便宜上、印刷ヘッド36のノズル数が少なく描かれており、ブラックノズルの数が9個であり、1色分の有彩色ノズルの数が3個であるとしている。また、黒く塗りつぶされた図形は、テストパターンの印刷に使用されるノズルを示しており、白い図形は使用されないノズルを示している。本実施例では、ブラックインクのみを用いてグレーパッチを再現するので、有彩色ノズルは使用されず、9個のブラックノズルのうちの3個のノズル#7〜#9のみが使用される。なお、一部のブラックノズル#7〜#9のみを使用する理由は、グレーパッチの高さ(副走査方向の幅)を低くして、1枚の印刷用紙Pの上に多数のグレーパッチを印刷できるようにするためである。
【0062】
図12の例では、ノズルピッチkは2ドットなので、1回のパスで記録されるラスタライン(主走査ライン)の間には1ライン分の隙間がある。パス1の後の紙送り量F1は、1ドットである。従って、パス2では、パス1で記録されなかった隙間のラインが記録される。図12の右端には、パス1〜2で記録されるラスタライン位置が示されている。これから理解できるように、パス1〜2では、ブラックインクで6本の連続したラインが記録される。ここで、パス1〜2においてブラックインクで記録された6本のラインを「ブラックバンドBB」と呼ぶ。このブラックバンドBBは、ノズルピッチkが1ドットで配列された6個のノズルを有する仮想的な密ノズル列36aを用いて1回のパスで印刷されるラスタラインと同じである。換言すれば、パス1〜2は、図12の右端に示すような密ノズル列36aを用いた1回のパスと等価である。この密ノズル列36aの高さLB(「バンド幅」と呼ぶ)は、(使用ノズル個数N)×(ノズルピッチk)で定義される。図12の例では、バンド幅LBは、1色分の有彩色ノズル群の高さLc1に等しく設定されている。
【0063】
パス2の後の紙送り量F2は5ドットであり、この紙送りによって、使用されるブラックノズルの中の上端のノズルが、パス1の終了時にブラックドットが記録されていない領域の最上端に位置決めされる。このような記録方法は、図12の右端に示した仮想的な密ノズル列を用いて、1回のパスのたびにバンド幅LBずつ紙送りする記録方法とほぼ等価であることが理解できる。そこで、図12のような紙送りを、「疑似バンド送り」と呼ぶ。パス2の後の送り量F2は、バンド幅LBから、その前の送り量F1(=1ドット)を引いた値に等しい。従って、2回分の送り量F1〜F2の合計ΣFiは、バンド幅LBに等しくなる。
【0064】
パス1〜2では、図7に示した1個のグレーパッチの上半分が印刷され、パス3〜4では、そのグレーパッチの下半分が印刷される。従って、図7の各グレーパッチの副走査方向の高さは、バンド幅LBの約2倍である。なお、各カラーパッチを印刷する際には、2回目のパスの後の送り量F2の値が、紙送り補正値δに応じて調整される。すなわち、各カラーパッチは、互いに異なる紙送り誤差を模擬している。
【0065】
図13は、720×720dpiの高解像度印刷モード用の紙送りの例を示している。このとき、ノズルピッチを規定する整数kは4になるので、パス1〜4の4回のパスによってラスタラインを隙間無く記録できる。図13の右端には、パス1〜4で記録されるラスタラインを1回のパスで記録できる密ノズル列36bを示している。この密ノズル列36bの高さLBも、1色分の有彩色ノズル群の高さLc1に等しい。
【0066】
図12,図13の例では、説明の便宜上、使用するノズル数を3としているが、実際には使用するノズル数は数十個以上である。図14は、2つの印刷モードにおける実際の紙送り量の例を示している。このような実際の紙送り量は、プリンタドライバ96に予め設定されている。図14(A)は、低解像度印刷モードのテストパターンに使用される紙送りの例である。このモードでは、ノズルピッチkは2ドットであり、使用ノズル数Nは60個である。また、1回目の送り量F1が1ドットであり、2回目の送り量F2が119ドットである。これらの2回分の送り量F1〜F2の合計は、バンド幅N×k(=120)に等しい。図12は、この紙送りを簡略化して描いたものである。
【0067】
図14(B)は、高解像度印刷モードにおける紙送り量の例を示している。このモードでは、3回の送り量F1〜F3が1ドットであり、4回目の送り量F4が117ドットである。これらの4回分の送り量F1〜F4の合計は、バンド幅N×k(=120)に等しい。図13は、この紙送りを簡略化して描いたものである。
【0068】
図12および図13に示したような疑似バンド送りを利用してテストパターンを印刷すると、紙送り誤差によって各カラーバンドの境界にバンディングが発生し易いので、紙送り誤差を検出し易いという特徴がある。ここで、「バンディング」とは、主走査方向に沿った筋状の画像劣化部分を意味する。例えば、図7の上方の4つテストパターンでは上半分と下半分の境界に濃いバンディング(黒スジ)が発生しており、下方の4つのテストパターンでは薄いバンディング(白スジ)が発生している。白スジは、紙送りが不足している場合に発生し、黒スジは紙送りが過大である場合に発生する。なお、バンディングの検出は、肉眼で行ってもよく、あるいは、テストパターンを撮像して画像処理することによって自動的に行ってもよい。
【0069】
このように、ノズルピッチkが2以上である印刷ヘッド36を用い、疑似バンド送りでテストパターン(カラーパッチ)を印刷すると、紙送り誤差を容易に検出することができるという利点がある。特に、本実施例では、インクデューティが約80%に設定されているので、紙送り誤差がさらに検出しやすくなっている。
【0070】
本実施例において、1種類のインク(ブラックインク)のみを用いてテストパターンを印刷している理由の1つは、カラーパッチ間のギャップG(図7)を小さくして、1枚の印刷用紙Pの上に多数のカラーパッチを印刷できるようにするためである。図15と図16は、ブラックインクのみを用いてグレーパッチを印刷する方法と、コンポジットブラックを用いてグレーパッチを印刷する方法とを比較して示したものである。ここで、「コンポジットブラック」とは、CMYの3色のインクを用いて再現される無彩色を意味している。
【0071】
図15には、図12に示した仮想的な密ノズル列36aを用いて2つのグレーパッチGP1,GP2を印刷する様子が示されている。1つの密ノズル列36aを用いた1回のパスによってグレーパッチGP1の上半分が印刷され、次の1回のパスによって下半分が印刷される。なお、密ノズル列36aの1回のパスは、図12に示した印刷ヘッド36の2回のパス(例えばパス1とパス2)に相当する。
【0072】
密ノズル列36aのパス1とパス2の位置の差ΔL1は、バンド幅LBに等しく設定される。但し、厳密には、この位置の差ΔL1は、バンド幅LBと、グレーパッチGP1の紙送り補正値δ(図7)とを加算した値に等しい。2番目のグレーパッチGP2も、同様に、密ノズル列36aのパス3とパス4によって印刷される。
【0073】
2つのグレーパッチGP1,GP2のギャップG1は、パス2とパス3における密ノズル列36aの位置の差ΔL2から、バンド幅LBを減算した値に等しい。この位置の差ΔL2の値は、任意に設定できるので、ギャップG1も任意に設定可能である。
【0074】
一方、図16に示すように、コンポジットブラックを用いてグレーパッチを印刷する場合には、2つのグレーパッチGP3,GP4のギャップG2には以下のような制約が存在する。コンポジットブラックでグレーパッチを印刷する場合には、密ノズル列36aを用いて3回のパスを行うことによって、グレーパッチの上半分におけるCMYの3色のインクドットを形成する。図16の例では、パス1〜パス3によってグレーパッチGP3の上半分が記録され、パス2〜4によってその下半分が記録される。
【0075】
次のグレーパッチGP4の印刷は、パス4から開始することができる。このときのギャップG2はバンド幅LBに等しい。ところで、いわゆるバックフィード(逆方向の紙送り)を行わないとすれば、このギャップG2=LBが、グレーパッチ間の最小のギャップである。バックフィードを行うと、ギア機構のバックラッシュなどによる送り誤差が発生するので、通常の印刷ではバックフィードを行わない。従って、コンポジットブラックでグレーパッチを印刷する場合には、グレーパッチ間のギャップG2をバンド幅LB以下にするのは困難である。従って、グレーパッチ間のギャップを小さくするという意味からは、コンポジットブラックを用いるよりも単色ブラックを用いることが好ましい。
【0076】
なお、テストパターンの印刷の際には、図7でも説明したように、1枚の印刷用紙P上になるべく多くのカラーパッチを配置することによって紙資源を節約することが好ましい。このためには、カラーパッチ間のギャップをなるべく小さく設定したい。この意味では、コンポジットブラックのように複数種類のインクを用いずに、1種類のインクのみ(例えばブラックインクのみ)を用いてテストパターンを印刷することが好ましい。但し、印刷ヘッドとして、図5に示したような縦配列ヘッドでなく、横配列ヘッド(各色のノズル群が主走査方向に沿って順に並んでいるヘッド)である場合には、図16で説明したようなギャップの制約が無い。従って、この場合には、複数種類のインクでテストパターンを印刷するようにしてもよい。
【0077】
テストパターンを表すテストパターン印刷信号TPSは、プリンタドライバ96(図1)に登録されており、コンピュータ90のハードディスク92内にプリンタドライバ96用のファイルとして格納されている。このテストパターン印刷信号TPSは、プリンタドライバ96からプリンタ20に送信される印刷データPD(ラスタデータ+紙送り量)と同じ形式を有している。但し、このテストパターン印刷信号TPSは、データ圧縮された形式で格納されていることが好ましい。ユーザがテストパターンの印刷を指示すると、このテストパターン印刷信号TPSがテストパターン供給モジュール102によって呼び出され、必要に応じて伸長されてプリンタ20に転送される。このように、本実施例では、テストパターン印刷信号TPSが、そのままプリンタ20に転送できる形式でプリンタドライバ96に登録されているので、テストパターンの印刷を短時間で行うことができるという利点がある。この利点は、特に、図7に示したカラーパッチのように、2次元的な広がりのあるテストパターンを用いるときに顕著である。
【0078】
また、本実施例では、テストパターン印刷信号TPSがプリンタドライバ96のファイルとして格納されているので、プリンタドライバ96の仕様が変更されたときに、プリンタドライバ96と一緒にテストパターン印刷信号TPSを同時にバージョンアップすることができるという利点がある。従って、プリンタドライバ96で実際に使用される紙送り量に適したテストパターンを、紙送り量の補正に使用することが可能である。
【0079】
ところで、通常のプリンタ20では、複数種類の紙送り量を利用することが可能である。そこで、本実施例では、各紙送り量に対して補正値δが決定される。図17(A)は、紙送り量Fと補正値δとの関係を示している。ここで、送り量Fの単位は[ドット]であり、補正値δの単位は[パルス]である。図17(B)は、補正値δの単位を示している。ここでは、紙送り機構のロータリエンコーダ46(図4)のA相とB相の信号の1周期が1440dpiに相当するものと仮定している。そこで、本実施例では、エンコーダ46のA相とB相の信号の1周期(1440dpi)に相当する距離を、補正値δの単位[パルス]として使用している。
【0080】
なお、通常のエンコーダでは、A相とB相の信号は1/4周期だけ位相がずれているので、1周期(1440dpi)の1/4の単位で位置を指令することが可能である。従って、エンコーダ46のA相とB相の信号の1周期(1440dpi)の1/4周期に相当する距離を、補正値δの単位[パルス]として使用するようにしてもよい。また、エンコーダの出力信号の1周期の1/2を補正値δの単位として採用してもよい。さらに、紙送りモータ31としてステップモータを利用する場合には、1ステップパルスを補正値δの単位として用いることができる。
【0081】
送り量の補正値の予測は、例えば、図17(A)に示すような曲線G1や、原点を通る直線G2のような特性曲線(予測曲線)の形状を予め設定しておくことによって行うことが可能である。一般には、所定の予測曲線に従って、代表的な送り量以外の送り量の補正値を予測するようにすればよい。ここで、「予測曲線」とは、直線も含む広い意味を有している。
【0082】
図17に示した補正値δは、プリンタ20内の不揮発性メモリ(EEPROM58)や、プリンタドライバ96(具体的にはコンピュータ90のハードディスク)内に登録される。そして、実際の印刷時には、紙送り量Fをその補正値δで補正した値が、指令値としてシステムコントローラ54から副走査駆動回路62に与えられる。
【0083】
以上のように、本実施例では、テストパターンの印刷結果に応じて決定された補正値δを用いて紙送り量を補正するので、紙送り誤差の少ない高画質な印刷を行うことが可能である。特に、1種類のインク(ブラックインク)のみを用いて、インクデューティが約80%のカラーパッチをテストパターンとして印刷しているので、紙送り誤差によるバンディングを検出しやすく、この結果、紙送り誤差の適切な補正値を容易に決定することが可能である。
【0084】
E.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0085】
E1.変形例1:
上記実施例では、カラーインクジェットプリンタについて説明したが、本発明は、モノクロプリンタにも適用可能であり、また、インクジェット方式以外のプリンタにも適用可能である。本発明は、一般に、印刷媒体上に画像の記録を行う印刷装置に適用可能であり、例えばファクシミリ装置やコピー機にも適用することが可能である。
【0086】
E2.変形例2:
上記実施例では、一般に、ノズルピッチkが2ドット以上である印刷ヘッドを用いてインターレース記録モードの印刷を行う場合を説明したが、本発明は密ヘッド(ノズルピッチkが1ドットである印刷ヘッド)を用いて印刷を行う場合にも適用可能である。
【0087】
E3.変形例3:
上記実施例では、図5に示したように、ブラックノズル列とカラーノズル列との2列構成を有する縦配列ヘッドを用いた場合について説明したが、本発明は、各色のノズル列がすべて同一の副走査方向位置にあり、主走査方向に沿って順次並んでいるような横配列ヘッドにも適用可能である。
【0088】
E4.変形例4:
また、上記実施例では、1種類のテストパターンによって補正値を決定していたが、複数種類のテストパターンを用いて補正値を決定するようにしてもよい。例えば、粗調整用の第1のテストパターンを用いて粗い補正値を決定し、細調整用の第2のテストパターンを用いて最終的な細かな補正値を決定するようにしてもよい。例えば、粗い補正値を10ステップ間隔とし、細かな補正値を1ステップ間隔とすることができる。このように、複数段階の調整を行えば、細かな補正値を効率良く決定することが可能である。
【0089】
E5.変形例5:
上記実施例では、テストパターンのカラーパッチとして、ブラックインクのみで再現されたグレーパッチを用いていたが、これ以外のカラーパッチを用いることも可能である。例えば、シアンインクやマゼンタインクで再現される単色のカラーパッチを用いることも可能である。
【0090】
E6.変形例6:
上記実施例では、テストパターンを人間が観察することによって補正値を決定していたが、この代わりに、テストパターンの画質を機械的に測定する画質測定部を用いて副走査送り誤差の画質への影響を実測し、その実測結果に応じて補正部が副走査送りを補正するようにしてもよい。このようにすれば、人手による作業を必要とすることなく、副走査送り誤差を適切に補正することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例として印刷システムの構成を示すブロック図。
【図2】カラーインクジェットプリンタ20の主要な構成を示す概略斜視図。
【図3】プリンタ20の電気的な構成を示すブロック図。
【図4】副走査駆動機構の構成を示す斜視図。
【図5】印刷ヘッド36の下面におけるノズル配列を示す説明図。
【図6】プリンタの出荷前における紙送り補正の手順を示すフローチャート。
【図7】テストパターンの例を示す説明図。
【図8】グレーパッチの2種類のドット記録方法を示す説明図。
【図9】ユーザによる紙送り補正の手順を示すフローチャート。
【図10】ユーザにテストパターンの印刷指示を許容するユーザインターフェースウィンドウW1の例を示す説明図。
【図11】パッチ番号の設定をユーザに許容するユーザインターフェースウィンドウW2の例を示す説明図。
【図12】テストパターンを印刷する際に使用する紙送りの第1の例を示す説明図。
【図13】テストパターンを印刷する際に使用する紙送りの第2の例を示す説明図。
【図14】実際の紙送りを示す説明図。
【図15】ブラックインクのみを用いてグレーパッチを印刷する方法を示す説明図。
【図16】コンポジットブラックを用いてグレーパッチを印刷する方法を示す説明図。
【図17】紙送り量Fと補正値δとの関係を示す説明図。
【符号の説明】
20…カラーインクジェットプリンタ
21…CRT
22…用紙スタッカ
24…紙送りローラ
25…従動ローラ
26…プラテン
28…キャリッジ
30…キャリッジモータ
31…紙送りモータ
32…牽引ベルト
34…ガイドレール
36…印刷ヘッド
36a,36b…仮想的な密ノズル列
40…ギアトレイン
42…排紙ローラ
44…ギザローラ
46…ロータリエンコーダ
46a…符号板
46b…フォトセンサ
50…受信バッファメモリ
52…イメージバッファ
54…システムコントローラ
54a…紙送り制御部
56…メインメモリ
58…EEPROM
61…主走査駆動回路
62…副走査駆動回路
63…ヘッド駆動回路
90…コンピュータ
91…ビデオドライバ
92…ハードディスク
95…アプリケーションプログラム
96…プリンタドライバ
97…解像度変換モジュール
98…色変換モジュール
99…ハーフトーンモジュール
100…ラスタライザ
101…ユーザインターフェース表示モジュール
102…テストパターン供給モジュール

Claims (6)

  1. 印刷ヘッドを主走査方向に移動させつつ印刷媒体上にインクドットを記録することによって印刷を行う印刷装置における印刷媒体の副走査送り量の補正方法であって、
    (a)インクデューティを、印刷媒体のインクの滲み易さに応じて異なる値に設定する工程と、
    (b)前記印刷媒体の副走査送り量の補正値を決定するためのテストパターンとして、異なる補正値を用いてそれぞれ印刷される複数のカラーパッチを含むテストパターンを、1種類のインクを用いて100%未満の前記インクデューティで印刷する工程と、
    (c)印刷を行う際に、前記テストパターンの印刷結果に応じて設定された補正値に従って副走査送り量を補正する工程と、
    を備えることを特徴とする補正方法。
  2. 請求項1記載の補正方法であって、
    前記複数のカラーパッチは、ブラックインクによって再現されたグレーパッチである、補正方法。
  3. 請求項2記載の補正方法であって、
    前記グレーパッチのインクデューティは、70%から90%までの範囲の値である、補正方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の補正方法であって、
    前記複数のカラーパッチは、一枚の印刷媒体上において副走査方向に沿って配列されている、補正方法。
  5. 請求項4記載の補正方法であって、
    前記印刷ヘッドは、複数のカラーノズル群が副走査方向に沿って所定の順序で配列されたカラーノズル列と、前記カラーノズル列に並列に配置されたブラックノズル列とを有しており、
    前記複数のカラーパッチは、前記ブラックノズル列に含まれる複数のブラックノズルのうちの一部のみを用いて印刷される、補正方法。
  6. 印刷ヘッドを主走査方向に移動させつつ印刷媒体上にインクドットを記録することによって印刷を行う印刷装置を含むコンピュータに、印刷媒体の副走査送り量の補正を行わせるためのコンピュータプログラムであって、
    (a)インクデューティを、印刷媒体のインクの滲み易さに応じて異なる値に設定する工程と、
    (b)前記印刷媒体の副走査送り量の補正値を決定するためのテストパターンとして、異なる補正値を用いてそれぞれ印刷される複数のカラーパッチを含むテストパターンを、1種類のインクを用いて100%未満の前記インクデューティで印刷する工程と、
    (c)印刷を行う際に、前記テストパターンの印刷結果に応じて設定された補正値に従って副走査送り量を補正する工程と、
    を前記コンピュータに実現させるプログラムを備える、
    ことを特徴とするコンピュータプログラム。
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