JP3980296B2 - 洗浄物の乾燥方法及び乾燥装置 - Google Patents

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Description

【0001】
本発明は、洗浄物の乾燥方法及び乾燥装置に関し、特に半導体ウエハ等の基板の洗浄、すすぎ、及び乾燥に適した洗浄物の乾燥方法及び乾燥装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、微細化したウエハ等の洗浄物の精密基板洗浄後の乾燥としては、トレンチに入り込んだ水分の除去が重要な要素であり、有機溶剤ベ一パー(蒸気)を用いた乾燥装置が使用されている。この有機溶剤ペーパーを用いた乾燥装置としては、図5に示す装置が知られている。
【0003】
乾燥装置101は、図5に示すように、上部が開口して断面略コ字状の箱状からなる乾燥槽102と、この乾燥槽102の底面102aに装着された加熱装置(ヒータ)103と、乾燥槽102の上部に設けられた冷却コイル104と、冷却コイル104の下部に設けられた溶液溜まり部105と、乾燥槽102内に配置され洗浄物であるウエハ106を載置するウエハ載置台107と、ウエハ載置台107の下部に配された溶液受部108とからなる。
【0004】
乾燥装置101は、乾燥槽102内に注入された有機溶剤109をヒータ103により沸点まで加熱上昇させて上層に有機溶剤ベーパーを生成し、そのベーパー中に水等で洗浄、すすぎが行われたウエハ106を乾燥槽102内に挿入配置する。乾燥槽102内に挿入配置されたウエハ106は、ウエハ106の表面で有機溶剤の凝縮が起こり、ウエハ106の表面に付着していた水分は、より蒸発しやすい有機溶剤で置換されて乾燥が進行する。有機溶剤ベーパー中のウエハ106は、次第にベーパー温度(沸点)に達してミスト雰囲気外に取り出されることによって、付着された溶剤成分はその低い蒸発潜熱のため急速に蒸発して乾燥が終了する。
【0005】
また、乾燥槽102の上部に配置されている冷却コイル104によって加熱されてベーパーとなった有機溶剤は、凝縮されて溶液溜まり部105に滴下して回収再利用が可能である。また、同様に、ウエハ106から滴下した水分を含む溶液も溶液受部108での回収が行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の乾燥装置101は、有機溶剤をヒータ103により加熱するので火気に十分な注意が必要であり、また、加熱冷却を行うのでエネルギーの消費が大きい。また、ヒータ103によって加熱させてベーパー層を形成するまでの時間がかかり、蒸発による有機溶剤の消耗量が多く、また、洗浄物がミスト層に触れると、べーパー(気相)の熱が洗浄物に奪われて急激な相変化(気体-→液体)が起こりベーパー層が減少して洗浄物が大気に曝露され、汚染、乾燥不良等が起こりやすくなる。
【0007】
また、従来の乾燥装置101では、例えば、シリコンウエハなどの基板を装置内に搬入する際に、装置内に大気が混入してN2などの不活性ガスを乾燥前に充填しても完全に大気中の酸素を置換することは困難であり、しかも基板表面が純水でぬれた状態から完全に乾燥が終了するまで、基板の表面に酸素が接触することを完全に防止することは難しい。その結果、基板表面と酸素の接触により基板表面が酸化されて基板表面にウォーターマークや自然酸化膜が形成されて、半導体デバイスのコンタクト抵抗の劣化を招くおそれがある。
【0008】
本発明は、基板表面と酸素の接触により基板表面が酸化されて基板表面にウォーターマークや自然酸化膜が形成されて、半導体デバイスのコンタクト抵抗の劣化を招くおそれがなく、しかも短時間で洗浄物の乾燥を行うことが可能で、洗浄物の汚染のおそれがなく、エネルギー損失などのない洗浄物の乾燥方法及び乾燥装置の提供を目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明による洗浄物の乾燥方法は、薬液が供給されていない槽内に洗浄物を搬送手段により支持台上に搬送する工程と、前記槽内に薬液を供給して前記洗浄物を薬液中に浸漬してエッチング処理を行うエッチング処理工程と、前記エッチング処理工程完了後に純水(DIW)を前記槽内に供給して前記薬液を徐々に純水(DIW)に置換してリンスするリンス処理工程と、前記リンス処理工程終了後に前記純水(DIW)に代えて還元性添加純水を用いて前記洗浄物をリンスするリンス処理工程と、前記槽内の純水(DIW)に洗浄物が浸漬された状態で前記槽内に有機溶剤ミストを供給して有機溶剤ミストの雰囲気を形成すると共に前記純水(DIW)の液面に有機溶剤ミストで生成された十分な厚さの層を形成する工程と、前記槽内に不活性ガスを供給して密閉空間内に不活性ガス雰囲気を形成する工程と、前記洗浄物の表面上の還元性添加純水が前記有機溶剤ミストで生成された層で有機溶剤に置換された後、不活性ガスを供給して前記有機溶剤を気化し乾燥する工程とを有するものである。
【0010】
また、本発明による洗浄物の乾燥方法の前記還元性添加純水に添加されるガスは、水素である。
【0011】
また、本発明による洗浄物の乾燥方法の前記薬液は、DHF(HF/H2O)(希釈フッ酸)である。
【0012】
また、本発明による洗浄物の乾燥方法の前記エッチング処理工程は、前記洗浄物を一定時間若しくは予め設定した時間薬液中に浸漬するものである。
【0013】
また、本発明による洗浄物の乾燥装置は、薬液が供給されていない槽内に洗浄物を支持台上に搬送する搬送手段と、前記槽内に薬液を供給して前記洗浄物を薬液中に浸漬してエッチング処理を行い、前記エッチング処理完了後に純水(DIW)を前記槽内に供給して前記薬液を徐々に純水(DIW)に置換してリンス処理し、前記リンス処理終了後に前記純水(DIW)に代えて還元性添加純水を用いて前記洗浄物をリンス処理し、前記槽内の純水(DIW)に洗浄物が浸漬された状態で前記槽内に有機溶剤ミストを供給して有機溶剤ミストの雰囲気を形成すると共に前記純水(DIW)の液面に有機溶剤ミストで生成された十分な厚さの層を形成し、前記槽内に不活性ガスを供給して密閉空間内に不活性ガス雰囲気を形成し、前記洗浄物の表面上の還元性添加純水が前記有機溶剤ミストで生成された層で有機溶剤に置換された後、不活性ガスを供給して前記有機溶剤を気化し乾燥するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して、本発明による洗浄物の乾燥方法及び乾燥装置の実施の形態について説明する。図1は、本発明による実施の形態である乾燥装置の構成を示す図である。
【0015】
図1に示すように、乾燥装置10は、純水槽20と、純水槽20と接続される給排システム30とを有する。
【0016】
純水槽20は、液供給弁21から純水(DIW)を供給し、純水槽20内の純水が一定量に達すると、それ以上は排水弁22bの経路を経由してオーバーフローする。したがって、純水槽20内の上部には気相部23が形成されている。この気相部23には、窒素ガス供給口24、外気に連通する排気弁25が設けられており、また、有機溶剤、すなわち、本実施の形態ではIPA(Iso−propyl alcohol)の有機溶剤ミストを形成して先端から放射するスプレー式ノズル26(以下、ノズルと称する)が設けられている。また、純水槽20の上部には、洗浄物の出し入れを行うための完全密閉型の開閉蓋27が設けられ、これによって密閉空間が形成される。また、純水槽20の内部には、半導体ウエハ等の基板からなる洗浄物50を複数支持することが可能な支持台28が備えられており、支持台28は、通常、半導体ウエハであれば、例えば、直径が8インチのウエハを100枚載置可能であるが、径又は枚数は適宜選定可能である。
【0017】
また、純水槽20内の下部中央には、排水弁22aが設けられており、この排水弁22aを経由して排水される。そして、純水槽20内には、更に液面センサー29が設けられている。この液面センサー29は、液面の下降速度が2〜4mm/sec前後で下降し、この液面の下降速度を1mm/sec前後に切り替えるためのセンサーである。なお、液供給弁21の給液の速度並びに排水弁22a,22bの制御は、弁の開閉をコンピュータなどからなる制御手段(図示せず)により制御する構成となっている。
【0018】
次に、純水槽20と接続される給排システム30について説明する。給排システム30は、(1)窒素ガス供給口24に窒素ガス(N)を供給する経路、(2)ノズル26にIPAの有機溶剤ミストを供給する経路、(3)純水槽20から排水する経路とを有する。
【0019】
(1)まず、窒素ガス供給口24に窒素ガス(N)を供給する経路は、窒素ガス(N)を加温するためのヒータ41,温度制御のための温調器42,弁43、フィルタ44とからなる。弁43は、図示せぬ制御手段によって開閉制御可能となっており、弁43の開閉によって窒素ガス供給口24から窒素ガス(N)が純水槽20内に適宜供給される。
【0020】
(2)次に、ノズル26にIPAの有機溶剤ミストを供給する経路は、IPAを貯留するIPAタンク45、このIPAタンク45、ポンプ46、フィルタ47、弁48とでIPAを循環する回路が構成される。そして、弁49が開状態で弁48が閉状態の場合には、IPAは循環されず、IPAタンク45から供給される常温のIPAがフィルタ47,51を通してノズル26に供給される。そして、同時に、ノズル26には、フィルタ52を介して常温の窒素ガス(N)が供給されるようになっている。したがって、ノズル26からは、IPAの有機溶剤ミストが放射される。なお、弁49が閉状態で、弁48が開状態の場合には、IPAタンク45にIPAが循環されるようになっており、また、弁48,弁49の開閉制御は、図示せぬ制御手段により制御されるようになっている。
【0021】
また、IPAタンク45には、IPA供給路から常時必要な量のIPAが供給されると共に、窒素ガス(N)が供給される。この窒素ガス(N)は、安全性を担保するためのものである。
【0022】
(3)また、純水槽20から排水する経路は、(a)オーバーフロー用の排水弁22b、(b)排水用の排水弁22a、ポンプ53の経路(DRAIN)と、(c)排気経路(EXH)とからなる。なお、液供給弁21及び排水弁22aを液供給排出手段と称する。
【0023】
しかして、本発明による乾燥方法及び乾燥装置は、次のような点に特徴を有するものである。すなわち、純水(DIW)によるリンス処理工程終了後の乾燥工程において、 純水(DIW)に代えて、還元性を示す水素添加純水を用いてリンス処理するものである。すなわち、シリコンウエハなどの基板を乾燥する際に気層空間や純水中に極微量含まれる酸素によって基板表面が酸化されてウォーターマークや自然酸化膜が生成されるが、水素ガスを純水中に飽和近くまで溶解させてあるため、水素添加純水は還元性を示し、その結果、酸化の抑制作用を有する。
【0024】
つまり、純水中に含まれる溶存酸素がウォーターマークや自然酸化膜の生成原因である場合(シリコンウエハが純水中に浸漬している場合)、水素添加純水は還元性を示して基板表面の酸化を抑制する。特に、DHF(HF/H2O)(希釈フッ酸)等のエッチング液の処理後のリンス・乾燥工程に用いると、水素添加純水自信は還元性を示してシリコンウエハの基板表面の酸化抑制作用があると同時に、水素添加純水中に水素原子を通常の純水と比較して非常に多く持っており、シリコンウエハの基板表面が水素でターミネート、すなわちSiHの形態となり、水素終端と呼ばれる安定な表面状態を形成することが可能となる。
【0025】
また、シリコンウエハが気層空間に露出している場合、気層、液層、基板表面の3つの界面が共存する場所の気層側近傍には、極微量の水素添加純水の極小水滴又は極薄い水膜として基板表面に存在するが、この水滴や水膜には水素が飽和近くまで溶存されているため、気層空間中に極わずか存在する酸素分子はこの中にはとけ込めない。また、水素ガスを含んだ水滴や水膜が蒸発する際には基板表面には還元性のある水素ガス分子と水分子で基板表面近傍を覆うので、酸素原子はシリコンウエハ表面を直接アタックすることが出来ない。その結果、基板表面の局部的酸化が防止できる。したがって、基板表面にウォーターマークや自然酸化膜成長抑制が可能で半導体デバイスのコンタクト抵抗に代表される特性の向上を図ることができる。
【0026】
また、基板表面や水素添加純水から揮発してくる水素ガス濃度は、水素添加純水に含まれる溶存水素ガス濃度も数PPM以下と非常に薄いので気層空間に充満しているN2やアルゴン等に代表される不活性ガス又はIPAなどの親水性ガスとN2やアルゴン等に代表される不活性ガスの混合ガス中には、極微量の水素しか混合しないので、安全性にも全く影響を及ぼさない。
【0027】
以上のような構成からなる本発明による実施の形態である洗浄物の乾燥装置を用いた乾燥方法について以下に説明する。
【0028】
まず、図1に示す乾燥装置10を始動する前に乾燥のための準備を行う。すなわち、有機溶剤(IPA)がIPA供給路からIPAタンク45内に所定量供給される。次に、純水槽20の蓋27を開けて洗浄若しくはすすぎ(リンス)が完了したウエハなどの洗浄物50を図示せぬ搬送手段により支持台28に収納して載置支持させる。なお、蓋27は、洗浄物50が純水槽20内にロード若しくはアンロードされるときには、自動若しくは手動により開閉可能な構成である。
【0029】
次に、本発明による乾燥方法について、図2乃至図4を参照して説明する。図2は、本発明による乾燥方法の工程を示すフローチャート、図3(a)乃至(e)は、DHF洗浄の工程を示す図、図4(f)乃至(j)は、本発明による乾燥方法の乾燥工程を説明する図である。
【0030】
図2及び図3(a)に示すように、図1に示す純水槽20内に洗浄物である半導体ウエハ等の洗浄物50を搬送して支持台28上に収納載置する(ステップS1)。
【0031】
次に、洗浄処理工程(ステップS2)は、図3(b)に示すように、液供給排出手段としての液供給弁21から予め調合されたDHF(HF/H2O)(希釈フッ酸)を純水槽20内に十分な量を供給して洗浄処理する。この場合の純水槽20は、薬液槽としての作用をなす槽となっているが、純水槽としての呼称を使用している。したがって、単に槽とも称する。
【0032】
槽としての純水槽20内へのDHF(HF/H2O)(希釈フッ酸)の供給が完了すると、図3(c)に示すように、ウエハなどの洗浄物50がDHFに浸漬されてエッチング処理が行われる。この浸漬処理、すなわち洗浄処理は、例えば一定時間行われる。なお、本実施の形態では、DHF(HF/H2O)(希釈フッ酸)によるエッチング処理を洗浄処理の名称で説明している。
【0033】
図3(c)のエッチング処理が完了すると、図3(d)に示すように、液供給排出手段としての液供給弁21から常温の純水(DIW)を一定量以上の量まで供給してオーバーフローさせ、純水槽20内のDHFを徐々に純水(DIW)に置換してリンスする(図2に示すステップS3)。
【0034】
以上のように、図3(a)乃至(d)に示す洗浄処理工程及びすすぎ水(常温)供給によるリンス処理工程が完了する。
【0035】
更に、本発明による実施の形態による乾燥方法及び乾燥装置は、図3(d)で示す純水(DIW)によるリンス処理工程終了後の乾燥工程において、図3(e)に示すように、 純水(DIW)に代えて、還元性を示す水素添加純水を用いるものである(ステップS4)。すなわち、シリコンウエハなどの基板を乾燥する際に気層空間や純水中に極微量含まれる酸素によって基板表面が酸化されてウォーターマークや自然酸化膜が生成されるが、水素ガスを純水中に飽和近くまで溶解させてあるため、水素添加純水は還元性を示し、その結果、酸化の抑制作用を有する。つまり、純水中に含まれる溶存酸素がウォーターマークや自然酸化膜の生成原因である場合(シリコンウエハが純水中に浸漬している場合)、水素添加純水は還元性を示して基板表面の酸化を抑制する。特に、図3(c)で示すDHF(HF/H2O)(希釈フッ酸)等のエッチング液の処理後のリンス・乾燥工程に用いると、水素添加純水自信は還元性を示してシリコンウエハの基板表面の酸化抑制作用があると同時に、水素添加純水中に水素原子を通常の純水と比較して非常に多く持っており、シリコンウエハの基板表面が水素でターミネート、すなわちSiHの形態となり、水素終端と呼ばれる安定な表面状態を形成することが可能となる。
【0036】
次に、図2及び図4(f)に示すように、弁49を開けてIPAタンク45から常温の有機溶剤(IPA)がノズル26に供給されて有機溶剤ミストが純水槽20内に供給されると同時にフィルタ52を介して常温の窒素ガス(N)もノズル26に供給される。常温の有機溶剤(IPA)と常温の窒素ガス(N)によってノズル26から有機溶剤ミストが形成される。それによって、有機溶剤ミストの雰囲気が形成されて、純水(DIW)の液面に有機溶剤ミストで生成される層、すなわち、IPA層の液膜が形成される(ステップS5)。
【0037】
次に、図2及び図4(g)に示すように、有機溶剤ミストの雰囲気下にある純水槽20内への有機溶剤ミストの供給を停止(図2のステップS6のA1)すると同時にヒータ41を作動させず、温調器42、弁43、フィルタ44から供給される常温の不活性ガスである窒素ガス(N)を窒素ガス供給口24から純水槽20内に供給して純水(DIW)の液面上に十分な厚さのIPA層を形成すると共に窒素ガス(N)の雰囲気を形成する(図2のステップS6のA2)。そして、排気弁25を作動して常温の不活性ガスである窒素ガス(N)雰囲気にする。この排気弁25による排気は、ステップS8の工程が終了するまで行われている。
【0038】
なお、本発明による実施の形態によれば、有機溶剤ミストの発生は、スプレー式によるものであるが、これに限らず、超音波を発生して生成するものや超音波シャワー式の装置などを用いて噴霧して生成するものであってもよい。また、本実施の形態による有機溶剤ミストのミスト粒径は、100μm以下のものがよく、また、有機溶剤ミストの供給の停止と窒素ガス(N2)の供給は、同時制御ではなく、有機溶剤ミストの供給の停止の後、一定時間おいてから窒素ガス(N2)の供給を行うようにしてもよい。
【0039】
次に、図2及び図4(h)に示すように、液供給排出手段としての排水弁22a及びポンプ53を作動して純水槽20内の純水(DIW)をハイスピードで排出すると同時に窒素ガス(N2)の供給をし続けて純水(DIW)の液面上に形成されたIPA層の液膜を均一に保持しながら純水(DIW)を排出する(図2に示すステップS7)。なお、本実施の形態によれば、ポンプ53を制御することによって図示せぬコントローラ側でハイ(high)スピード及びロウ(low)スピードの切り替えができるようになっている。
【0040】
また、図2に示すステップS7によるハイスピード排水が所定時間行われて図4(i)に示すような状態となると、液面センサ29が液面を検知してロースピードの排水工程に切り替わり、完全に排出する。なお、これらの排水工程中も窒素ガス供給口24から常温の不活性ガスである窒素ガス(N2)が供給されることによって純水槽20内を不活性ガス雰囲気に保ち、ウエハ、例えばシリコン(Si)表面の再酸化の防止を図ることが可能である。
【0041】
次に、図2及び図4(j)に示すように、ヒータ41を作動させて窒素ガス供給口24から加温された不活性ガスである窒素ガス(N2)を純水槽20内に供給してウエハの表面上の有機溶剤(IPA)を急速に気化させて乾燥する(図2に示すステップS8)。以上のような工程が完了すると、図1に示す純水槽20内の洗浄物である半導体ウエハ等の洗浄物50が支持台28上から搬出される(ステップS9)。
【0042】
以上のように、本発明による乾燥装置を備えた洗浄乾燥装置の実施の形態によれば、純水槽20で構成された1槽式の洗浄乾燥装置である。このような構成からなる1槽式の洗浄乾燥装置は、省スペース化を図ることができる。
【0043】
また、本発明による乾燥装置を備えた洗浄乾燥装置は、キャリアガスとしての窒素ガス(N2)と純水(DIW)との間に十分な厚さのIPA層が形成されるから、純水(DIW)が排水される状態であってもIPA層による液膜が形成されるためマランゴニ力が発生せず、パーティクルの転写がおきないという効果を有する。
【0044】
また、本発明による乾燥方法では、不活性ガスである窒素ガス(N2)は、常温のガスを使用する(図2のステップS6)。常温の雰囲気を維持するためである。しかして、有機溶剤(IPA)を気化させて乾燥する不活性ガスである窒素ガス(N2)は、加温したものを使用する(図2のステップS8)。急速な乾燥を行うことができるからである。この加温する温度は、実験例によれば20℃〜100℃の範囲がよい。しかし、加温せずに常温のものも洗浄物によって使用してもよい。また、不活性ガスとして窒素ガス(N2)を用いているが、その他のガスとしては、アルゴンガスを用いてもよい。また、本発明によれば、酸化膜及びパターン付きウエハからのパーティクルの付着を抑制し、かつシリコン(Si)表面の再酸化を防止することが可能である。
【0045】
また、本発明による乾燥装置を備えた洗浄乾燥装置は、1槽式に限らず、2槽式、3槽式の洗浄乾燥装置としても構成することが可能である。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、純水(DIW)によるリンス処理工程終了後の乾燥工程において、 純水(DIW)に代えて、還元性を示す水素添加純水を用いるものであるから酸化の抑制作用を有する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施の形態である乾燥装置の一部断面を含む図である。
【図2】本発明による乾燥方法の工程を示すフローチャートである。
【図3】(a)乃至(e)は、DHF洗浄の工程を示す図である。
【図4】(f)乃至(j)は、本発明による乾燥方法の乾燥工程を説明する図である。
【図5】従来の乾燥装置を示す図である。
【符号の説明】
10 乾燥装置
20 純水槽
21 液供給弁
22a,22b 排水弁
23 気相部
24 窒素ガス供給口
25 排気弁
26 ノズル
27 開閉蓋
28 支持台
29 液面センサ
30 給排システム
41 ヒータ
42 温調器
43 弁
44 フィルタ
45 IPAタンク
46 ポンプ
47 フィルタ
48,49 弁
50 洗浄物
51,52 フィルタ
53 ポンプ

Claims (5)

  1. 薬液が供給されていない槽内に洗浄物を搬送手段により支持台上に搬送する工程と、
    前記槽内に薬液を供給して前記洗浄物を薬液中に浸漬してエッチング処理を行うエッチング処理工程と、
    前記エッチング処理工程完了後に純水(DIW)を前記槽内に供給して前記薬液を徐々に純水(DIW)に置換してリンスするリンス処理工程と、
    前記リンス処理工程終了後に前記純水(DIW)に代えて還元性添加純水を用いて前記洗浄物をリンスするリンス処理工程と、
    前記槽内の純水(DIW)に洗浄物が浸漬された状態で前記槽内に有機溶剤ミストを供給して有機溶剤ミストの雰囲気を形成すると共に前記純水(DIW)の液面に有機溶剤ミストで生成された十分な厚さの層を形成する工程と、
    前記槽内に不活性ガスを供給して密閉空間内に不活性ガス雰囲気を形成する工程と、
    前記洗浄物の表面上の還元性添加純水が前記有機溶剤ミストで生成された層で有機溶剤に置換された後、不活性ガスを供給して前記有機溶剤を気化し乾燥する工程とを有すること
    を特徴とする洗浄物の乾燥方法。
  2. 前記還元性添加純水に添加されるガスは、水素であることを特徴とする請求項1に記載の洗浄物の乾燥方法。
  3. 前記薬液は、DHF(HF/H2O)(希釈フッ酸)であることを特徴とする請求項1に記載の洗浄物の乾燥方法。
  4. 前記エッチング処理工程は、前記洗浄物を一定時間若しくは予め設定した時間薬液中に浸漬することを特徴とする請求項1に記載の洗浄物の乾燥方法。
  5. 薬液が供給されていない槽内に洗浄物を支持台上に搬送する搬送手段と、前記槽内に薬液を供給して前記洗浄物を薬液中に浸漬してエッチング処理を行い、前記エッチング処理完了後に純水(DIW)を前記槽内に供給して前記薬液を徐々に純水(DIW)に置換してリンス処理し、前記リンス処理終了後に前記純水(DIW)に代えて還元性添加純水を用いて前記洗浄物をリンス処理し、前記槽内の純水(DIW)に洗浄物が浸漬された状態で前記槽内に有機溶剤ミストを供給して有機溶剤ミストの雰囲気を形成すると共に前記純水(DIW)の液面に有機溶剤ミストで生成された十分な厚さの層を形成し、前記槽内に不活性ガスを供給して密閉空間内に不活性ガス雰囲気を形成し、前記洗浄物の表面上の還元性添加純水が前記有機溶剤ミストで生成された層で有機溶剤に置換された後、不活性ガスを供給して前記有機溶剤を気化し乾燥すること
    を特徴とする洗浄物の乾燥装置。
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