JP3980126B2 - 接着剤および透明積層材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、接着力をコントロールする必要がある用途に好適に用いられる接着剤と、建築物の窓ガラスや自動車のフロントガラス、航空機の窓ガラスなどに好適に用いられる合わせガラスなどの透明積層材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、代表的な透明積層材である合わせガラス(ガラス複合体または積層安全ガラスともいう)は、建築物の窓ガラスや自動車のフロントガラス、航空機の窓ガラスなどに広く用いられている。このような合わせガラスは、可塑化されたポリビニルブチラール樹脂組成物などからなる中間膜を、一対の板ガラスの間に挟持して貼り合わせられている構成のものがよく知られている。
【0003】
上記の合わせガラスに、たとえば、外部から物体が衝突することによって衝撃が加えられるとする。この場合、上記板ガラスは破損するが、2枚の板ガラス間に挟持されている中間膜は容易に破損しない。この中間膜は、合わせガラスに加えられた衝撃を吸収することが可能であるため、外部から衝撃を与える物体が合わせガラスを貫通することを抑制することができる。
【0004】
また、上記板ガラスは、破損しても上記中間膜によって貼着された状態となる。それゆえ、破片が飛散することがなく、自動車などの輸送機関や建築物の内部に対して著しい被害を与えることがない。
【0005】
しかしながら、上記のような合わせガラスの安全性は、外部からの衝撃に対していまだ十分であるとはいえず、この安全性をより向上させることが社会的に要求されている。そこで、上記合わせガラスの安全性をより向上させるために、中間膜の性能を改善する方法が検討されている。
【0006】
上記の合わせガラスにおいては、板ガラスに対する中間膜の接着力が小さすぎると、外部からの衝撃によって板ガラスが該中間膜から剥がれて、破損・飛散する。一方、上記接着力が大きすぎると、板ガラスと中間膜とが同時に破損して、外部からの物体が合わせガラスを貫通することになる。
【0007】
特に、上記合わせガラスを自動車のフロントガラスに用いるような場合では、衝突事故の際に、運転者および乗客が、衝突の反動でフロントガラスへ衝突したときの衝撃を吸収したり、該フロントガラスを貫通して飛び出すことを防止したりする必要がある。また、建築物の窓ガラスに用いる場合では、外部から飛来する物体が、窓ガラスを貫通することを防止したり、窓ガラスの破損による建築物内部へのガラス破片の飛散を防止する必要がある。
【0008】
したがって、上記合わせガラスなどの透明積層材を形成する場合、板ガラスに対する中間膜の接着力は、該合わせガラスの構成や板ガラスの材質に応じて適宜コントロールする必要がある。すなわち、上記中間膜の接着力を適切にコントロールすることができれば、得られる合わせガラスといった透明積層材の品質を向上させることができる。そこで、従来より、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体や、ポリビニルブチラール樹脂などを用いて、上記中間膜の接着力をコントロールすることが検討されてきた。
【0009】
上記エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体を用いてなる中間膜としては、たとえば、特開昭60−86057号公報に開示された合わせガラス用中間膜があり、また、上記ポリビニルブチラール樹脂を用いてなる中間膜としては、たとえば、特開平8−143342号公報や特開平8−119687号公報に開示された合わせガラス用中間膜がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体やポリビニルブチラール樹脂などは、上記接着力のコントロールにおいて、次のような問題点を有している。
【0011】
まず、上記エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体の場合では、(メタ)アクリル化合物の重合速度を制御することが困難となっている。そのため、常に一定の物性を有する中間膜を提供することが困難であり、該中間膜の接着力をコントロールしにくくなっている。
【0012】
また、ポリビニルブチラール樹脂の場合では、従来から、該樹脂を用いた中間膜の接着力をコントロールするために、中間膜用の調整添加剤が種々検討されている。この調整添加剤としては、主に、カルボン酸の金属塩、特に、経時変化の小さい炭素数の少ないカルボン酸が用いられている。
【0013】
しかしながら、このカルボン酸金属塩からなる調整添加剤を中間膜に含有させると、耐湿性が低下するという問題点を招来する。すなわち、ポリビニルブチラール樹脂からなる中間膜の接着力をコントロールするために上記調整添加剤を用いると、該中間膜の吸湿性が高くなり、中間膜に白化を引き起こす。
【0014】
それゆえ、上記調整添加剤を加えた中間膜を用いて合わせガラスを製造したとすると、この合わせガラスを湿度の高い状態で放置した場合、合わせガラスの周辺部に白化が生じることになる。この合わせガラスでは透明性が重要であるため、この白化は、合わせガラスを使用不可能にすることになる。
【0015】
また、上記の白化の発生に伴い、合わせガラスの周辺部において、接着力の低下する部分が生じる。このような接着力の低下する部分の発生により、合わせガラスの周辺部において、上記中間膜から板ガラスが剥離するおそれがある。
【0016】
上記特開平8−119687号公報や特開平8−143342号公報に開示されている中間膜は、上述した耐湿性をある程度改善することは可能であるが、いまだ十分であるとはいいがたい。さらに、上記特開昭60−86057号公報に開示された中間膜は、ポリビニルブチラール樹脂を用いてはいないが、エチレン−(メタ)アクリル酸系またはそのエステルからなる共重合体を金属イオンで架橋しているため、耐湿性が低下している。
【0017】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、接着力をコントロールし易い接着性組成物および接着性膜と、耐湿性、耐候性、および透明性に優れ、かつ、高品質である合わせガラスとを提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本願発明者らは、上記従来の問題を解決すべく鋭意検討した結果、水酸基およびカルボニル基を含有し、ラクトン環を形成してなる特定の構造単位および/または上記のラクトン環が開環してなる特定の構造単位を有する重合体を含む接着性組成物が、pH応答性に優れ、pHによって該接着性組成物の接着力を容易にコントロールすることができるものであり、また、上記の構造単位を有する重合体を膜状に成形することで、接着力をコントロールする必要がある用途に好適な接着性膜を得られることを見い出した。
【0019】
また、本願発明者らは、合わせガラスなどの透明積層材を構成する中間膜が上記の構造単位を有する接着性膜であれば、pH応答性に優れ、pHによって該接着性膜の接着力を容易にコントロールすることができるとともに、透明性、耐湿性、および耐候性に優れた透明積層材を提供することができることを見い出して、本発明を完成させるに至った。
【0020】
すなわち、本発明の請求項1記載の接着剤は、上記の課題を解決するために、一般式(1)
【0021】
【化4】
Figure 0003980126
【0022】
(式中、R1 、R2 はそれぞれ独立して水素原子または有機残基を表し、R3は水素原子、1価金属イオン、2価金属イオン、アンモニウム基、または有機残基を表し、nは0、1または2の整数を表す)
で表される構造単位、および/または、一般式(2)
【0023】
【化5】
Figure 0003980126
【0024】
(式中、R4 は水素原子または有機残基を表し、R5 は水素原子、1価金属イオン、2価金属イオン、アンモニウム基、または有機残基を表し、mは0、1または2の整数を表す)
で表される構造単位を有する重合体を含有していることを特徴としている。
【0025】
本発明の請求項2記載の接着剤は、上記の課題を解決するために、上記重合体が、一般式(3)
【0026】
【化6】
Figure 0003980126
【0027】
(式中、R1 、R2 はそれぞれ独立して水素原子または有機残基を表す)
で表される構造単位を有する重合体であることを特徴としている。
【0028】
上記請求項1または2記載の構成によれば、上記一般式(1)で表される構造単位および/または一般式(2)で表される構造単位を有する重合体はpH応答性に優れ、pHの変化に伴って素早くラクトン環の開環または閉環が起こる。そのため、上記一般式(1)で表される構造単位および/または一般式(2)で表される構造単位を有する重合体を含む接着性組成物は、pH応答性に優れたものとなり、pHによって該接着剤の接着力を容易にコントロールすることができる。
【0029】
そして、特に、上記一般式(3)で表される構造単位を有する重合体は、pH応答性により一層優れているため、pHによって該接着剤の接着力をより一層容易にコントロールすることができる。
【0030】
また、上記重合体は、重合の制御が容易であるために常に一定の物性を実現できる。さらに、上記重合体は、従来の接着剤に用いられてきた重合体よりも優れた耐湿性、耐候性および耐酸性を有している。したがって、上記重合体を含む接着剤は、接着力のコントロールが必要な用途に対して好適に用いることができる。
【0031】
また、本発明の請求項3記載の接着剤は、上記の課題を解決するために、形態が膜状であることを特徴としている。
【0032】
上記請求項3記載の構成によれば、上記一般式(1)で表される構造単位と一般式(2)で表される構造単位とは、pHの変化に応じた可逆性を有している。
【0033】
つまり、上記接着性膜中に含まれる、一般式(1)で表される構造単位および/または一般式(2)で表される構造単位を有する重合体は、優れたpH応答性を有し、pHの変化に伴って素早くラクトン環の開環または閉環が起こる。
【0034】
このため、上記接着剤は、ラクトン環の開環または閉環によってその水溶性を適宜変化させることができ、この水溶性の変化に伴い、該接着剤の接着力を適宜コントロールすることができる。このように、上記一般式(1)で表される構造単位および/または一般式(2)で表される構造単位を有する接着剤は、接着力を適宜コントロールする必要のある用途に好適に用いることができ、さらに耐湿性および耐候性に優れているため、特に、合わせガラスなどの透明積層材の中間膜として好適に用いることができる。
【0035】
本発明の請求項4記載の透明積層材は、上記の課題を解決するために、一対の透明板の間に接着剤を挟持してなる透明積層材において、上記接着剤が、請求項1〜3の何れか1項に記載の接着剤であることを特徴としている。
【0036】
上記請求項4記載の構成によれば、上記透明積層材は、上記一般式(1)で表される構造単位および/または一般式(2)で表される構造単位を有する接着剤を用いているため、該接着剤の接着力をコントロールすることが容易である。そのため、該透明積層材を形成する透明板と上記接着剤とは、適切な接着力にて密着させることができる。
【0037】
それゆえ、上記接着剤を備えた合わせガラスなどの透明積層材は、優れた衝撃吸収性と耐貫通性とを実現することができる。さらに、上記接着剤を備える透明積層材は、優れた耐湿性、耐候性、および透明性を有している。したがって、上記透明積層材は、自動車のフロントガラスや建築物の窓ガラスなどとして好適に用いることができる。
【0038】
なお、衝撃吸収性とは、外部から物体などの飛来によって透明積層材に加えられる衝撃を吸収する性質であり、耐貫通性とは、衝撃を与える上記物体の貫通を阻止する性質である。
【0039】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0040】
本発明にかかる接着剤(以下、「接着性組成物」と記する場合がある)は、上記一般式(1)で表される構造単位および/または上記一般式(2)で表される構造単位を、その構成成分中に含んでいる。
【0041】
また、本発明にかかる形態が膜状である接着剤(以下、「接着性膜」と記する場合がある)は、たとえば、上記一般式(1)で表される構造単位および/または上記一般式(2)で表される構造単位を有する重合体を含む接着性組成物を成形することによって容易に得ることができる。
【0042】
さらに、本発明にかかる透明積層材は、たとえば、上記一般式(1)で表される構造単位および/または上記一般式(2)で表される構造単位を有する接着性膜を中間膜として用いることで容易に製造することができる。
【0043】
本発明にかかる接着性組成物においては、該接着性組成物に含まれる重合体における重合の制御を容易にして常に安定した物性を実現し、また、優れた耐湿性および耐候性を有するとともに、その接着力をコントロールすることが容易にできる接着性組成物を実現すべく、次の3つの重合体(i) ii 、または iii のうち、少なくとも一つを含んでなっている。
【0044】
まず、重合体(i)は、前記一般式(1)で表される構造単位を主鎖に含み、R1、R2 で示される置換基がそれぞれ独立して水素原子または有機残基で構成され、R3 で表される置換基が水素原子、1価金属イオン、2価金属イオン、アンモニウム基、または有機残基で構成され、nは0、1または2の整数を表している。
【0045】
次に、重合体 ii は、前記一般式(2)で表される構造単位を主鎖に含み、R4で示される置換基が水素原子または有機残基で構成され、R5 で示される置換基が水素原子、1価金属イオン、2価金属イオン、アンモニウム基、または有機残基で構成され、mは0、1または2の整数を表している。
【0046】
また、重合体 iii は、前記一般式(1)および前記一般式(2)で表される構造単位を主鎖に含み、R1 、R2 で示される置換基がそれぞれ独立して水素原子または有機残基で構成され、R3で表される置換基が水素原子、1価金属イオン、2価金属イオン、アンモニウム基、または有機残基で構成され、R4 で示される置換基が水素原子または有機残基で構成され、R5で示される置換基が水素原子、1価金属イオン、2価金属イオン、アンモニウム基、または有機残基で構成され、m、nは0、1または2の整数を表している重合体である。
【0047】
上記各重合体において、上記R1 、R2 、R3 で示される置換基のうち、有機残基としては、具体的には、たとえば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、ラウリル基、ステアリル基などの、炭素数1〜18の直鎖または分岐鎖を含むアルキル基;フェニル基、トルイル基、キシリル基、ナフタレン基、ベンジル基などの、炭素数6〜12の無置換あるいは置換アリール基;ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、6−ヒドロキシヘキシル基などの、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基;有機アミン基;などが挙げられる。ここで、有機アミン基とは、置換アミノ基を示し、具体的には、エチレンジアミン、N−アルキル置換ポリアミン、ポリエチレンポリアミン、アルカノールアミンなどの有機アミン類から、窒素原子に結合した水素原子が一つ脱離した基を示す。
【0048】
また、上記R3 、R5 で示される置換基のうち、1価金属イオンとしては、具体的には、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンなどが挙げられる。また、2価金属イオンとしては、具体的には、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、バリウムイオンなどが挙げられる。さらに、有機残基としては、たとえば、アルキル基、アリール基、ヒドロキシアルキル基、有機アミン基などが挙げられる。
【0049】
上記アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、ラウリル基、ステアリル基などの、炭素数1〜18の直鎖または分岐鎖を含むアルキル基などが挙げられる。アリール基としては、フェニル基、トルイル基、キシリル基、ナフタレン基、ベンジル基などの炭素数6〜12の無置換あるいは置換アリール基などが挙げられる。
ヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、6−ヒドロキシヘキシル基などの炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基などが挙げられる。有機アミン基としては、エチレンジアミン、N−アルキル置換ポリアミン、ポリエチレンポリアミン、アルカノールアミンなどの有機アミン類から、窒素原子に結合した水素原子が一つ脱離した基が挙げられる。
【0050】
そして、これらの重合体のなかでも、n、mで表される繰り返し単位が1である重合体が好ましく、nで表される繰り返し単位が1であり、かつR3 で表される置換基が水素原子である重合体、すなわち、前記一般式(3)で表される構造単位を有する重合体が、pHに対する応答感度に特に優れ、接着力のコントロールがよりし易くなることから好ましい。
【0051】
加えて、前記一般式(1)で示される構造単位においては、ラクトン環の員数は何ら限定されるものではないが、6員環であることが最も好ましい。
【0052】
また、前記重合体(i)または iii においては、前記一般式(1)で表される構造単位の含有量が、10重量%以上であることが好ましく、40重量%以上であることがより好ましい。同様に、前記重合体 ii においては、前記一般式(2)で表される構造単位が2つ隣接した構造が複数含まれており、この隣接構造によって、前記一般式(1)で表される構造単位であるラクトン環が、好ましくは10重量%以上、より好ましくは40重量%以上形成されるようになっていることが好ましい。
【0053】
このように、一般式(1)で表される構造単位が上記の範囲以上であれば、得られる重合体の接着力をコントロールし易くなるとともに、耐湿性や耐酸性を向上させることができる。
【0054】
本発明において、前記一般式(1)および/または一般式(2)で表される構造単位を有する成分の重合方法は、特に限定されるものではない。たとえば、ラジカル重合反応を用いる重合方法;イオン化放射線、電子線などの放射線や、紫外線を照射する重合方法;加熱による重合方法;など、従来公知の種々の方法を採用することができる。
【0055】
上記重合によって得られた重合体(i) ii 、または iii における重量平均分子量(Mw)は、特に限定されるものではないが、取り扱い性の点やpH応答性、すなわち、接着力をコントロールし易くする点から、500〜500,000の範囲内であることが好ましく、5,000〜300,000の範囲内であることがより好ましい。上記重合体の重量平均分子量が上記の範囲内であれば、被着材との間に、より一層顕著な接着力、耐湿性、および耐候性を示すとともに、取り扱い易いので有用である。
【0056】
なお、上記重合体(i) ii 、または iii における前記一般式(1)および一般式(2)で表される構造単位以外の構造単位は、特に限定されるものではない。
【0057】
本発明にかかる接着性組成物に含まれる重合体としては、前述したように、重合体(i) ii 、または iii があるが、これら重合体は、前記重合体 ii に含まれる、前記一般式(2)で表される構造単位を有するポリカルボン酸類から容易に得ることができる。このポリカルボン酸類としては、たとえば、一般式(4)
【0058】
【化7】
Figure 0003980126
【0059】
(式中、R4 、R6 はそれぞれ独立して水素原子または有機残基を表し、mは0、1または2の整数を表す)
で表される水酸基含有単量体を、単独で、あるいは、該水酸基含有単量体と共重合可能な単量体と(共)重合させた後、得られた(共)重合体(以下、ポリカルボン酸類前駆体)を、アルカリ性物質にて加水分解することにより容易に製造される。
【0060】
上記一般式(4)で表される水酸基含有単量体としては、具体的には、たとえば、α−(ヒドロキシメチル)アクリレート類、α−(ヒドロキシエチル)アクリレート類、α−(ヒドロキシブチル)アクリレート類、α−(1−ヒドロキシヘキシル)アクリレート類、α−(1−ヒドロキシベンジル)アクリレート類などが挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0061】
さらに、上記ポリカルボン酸類前駆体は、上記一般式(4)で表される水酸基含有単量体と、他の単量体とを重合させてなる共重合体であってもよい。上記の他の単量体としては、具体的には、(メタ)アクリル酸およびその塩、(メタ)アクリル酸エステル、無水マレイン酸およびその塩、マレイン酸エステル、フマル酸エステル、イタコン酸およびその塩、イタコン酸エステル、スチレン、酢酸ビニル、アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、アリルアルコール、エチレン、プロピレン、塩化ビニルなどが挙げられるが、特に限定されるものではなく、上記一般式(4)で表される水酸基含有単量体と重合可能な単量体であればよい。
【0062】
上記一般式(4)で表される水酸基含有単量体は、従来公知の方法、たとえば、相当するビニル化合物とアルデヒド系化合物とを、触媒として、三級アミン化合物および水の存在下で反応させる方法(特開平7−285906号公報)により、容易に得ることができる。この場合、上記一般式(4)において、R6 で示される置換基は、たとえばアルデヒド系化合物に由来する置換基であり、具体的には、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、有機アミン基、または複素環基を示す。また、R4で示される置換基のうち、有機残基としては、たとえば、前述した置換基が挙げられる。
【0063】
上記水酸基含有単量体をその他の単量体と共重合させる場合に用いられる、上記水酸基含有単量体に対するその他の単量体の添加量は、特に限定されるものではないが、上記水酸基含有単量体100重量部に対して、その他の単量体20重量部〜500重量部の範囲内で用いることが好ましく、50重量部〜300重量部の範囲内で用いることがさらに好ましく、100重量部〜200重量部の範囲内で用いることが特に好ましい。
【0064】
上記水酸基含有単量体を含む単量体成分の重合方法としては、たとえば、ラジカル重合開始剤などの重合開始剤を用いる重合方法;イオン化放射線、電子線などの放射線や、紫外線を照射する重合方法;加熱による重合方法;など、従来公知の種々の方法を採用することができる。
【0065】
上記単量体を重合させるための重合開始剤としては、たとえば、過酸化ベンゾイル、過酸化tert−ブチル、過酸化ラウロイルなどの過酸化物;アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物;過硫酸塩;などが挙げられる。また、上記の(共)重合反応において、用いられる重合開始剤の使用量や、重合反応の反応条件などは特に限定されるものではない。
【0066】
また、上記のアルカリ性物質としては、たとえば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、アンモニアあるいはその水溶液が用いられる。
【0067】
上述のようにして得られたポリカルボン酸類は、そのまま前記重合体 ii として用いることができる。また、前記重合体(i)または iii は、上記ポリカルボン酸類を酸で処理してラクトン環化させることにより容易に得ることができる。
【0068】
本発明において、上記一般式(1)で表される構造単位と一般式(2)で表される構造単位とは、pHによる可逆性を有し、酸性雰囲気下においてラクトン環化する一方、アルカリ性雰囲気下で該ラクトン環が開環する。
【0069】
つまり、本発明において、接着性組成物の原料として用いられる上記の重合体中に、一般式(1)で表される構造単位を導入するためには、一般式(2)で表される上記のポリカルボン酸類を酸で処理することにより、ラクトン環化させればよい。これによって、前記重合体(i)または iii を得ることができる。
【0070】
上記のポリカルボン酸類を酸で処理する方法としては、具体的には、上記のポリカルボン酸類に酸を添加、混合し、必要に応じて加熱すればよい。
【0071】
上記ラクトン環化処理に用いられる酸としては、具体的には、塩酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸などの鉱酸類;メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸などの有機酸;リンタングステン酸、リンモリブデン酸などのヘテロポリ酸類;などが挙げられる。上記の酸は一種類のみを用いてもよく、適宜二種類以上を用いてもよい。上記の酸のなかでも塩酸、硫酸が特に好ましい。
【0072】
上記の酸は、水や不活性有機溶媒に溶解させてなる溶液として用いてもよく、水や不活性有機溶媒に懸濁させてなる懸濁液として用いてもよく、また、そのまま固形物として用いてもよい。
【0073】
上記の酸をポリカルボン酸類に添加する際には、上記ポリカルボン酸類を水溶液(ポリカルボン酸塩水溶液)とし、該水溶液中に上記の酸を添加することが好ましい。上記の酸による処理は、均一、あるいは、水に不溶性の不活性有機溶媒を含む不均一系で実施してもよいが、均一水溶液系で用いることがより好ましい。また、上記の酸は、一括添加してもよく、逐次添加してもよい。なお、上記ポリカルボン酸類と酸との混合に要する時間は、特に限定されるものではない。
【0074】
上記ポリカルボン酸類に酸を添加してラクトン環化させる際の処理温度としては、0℃〜150℃の範囲内が好ましく、20℃〜80℃の範囲内がさらに好ましい。処理温度が0℃よりも低ければ、ラクトン環化反応の進行が遅くなり、ラクトン環含有重合体を効率的に得ることができなくなるおそれがある。また、処理温度が150℃よりも高ければ、副反応として、脱炭酸反応あるいはゲル化物の生成が起こり好ましくない。
【0075】
上記ポリカルボン酸類に対する酸の添加量としては、該ポリカルボン酸類を含む処理液が酸性を示す量であればよいが、好ましくは、上記処理液のpHが5以下、さらに好ましくは3以下、特に好ましくは2以下となるような量の酸を添加する。上記のポリカルボン酸類を含む処理液が酸性を示すように酸を添加することで、ポリカルボン酸類がラクトン環化し、上記一般式(1)で表される構造単位を有するラクトン環含有重合体、すなわち、前記重合体(i)または iii を得ることができる。
【0076】
前記重合体(i)または iii を得る場合に、上記ポリカルボン酸類が、特に、前記水酸基含有単量体の単独重合体を加水分解してなる重合体である場合には、上記ポリカルボン酸類を含む処理液のpHが3以下となるように酸を添加することが好ましい。前記水酸基含有単量体の単独重合体からなるポリカルボン酸類をpH3以下となるように酸で処理することにより、水不溶性のラクトン環含有重合体である前記(i)または iii の重合体を沈澱物として得ることができる。
【0077】
このように、上記の沈澱物を濾過し、この濾過物を乾燥させることによって、ラクトン環含有重合体である前記重合体(i)または iii を、分離生成物として容易に得ることができる。
【0078】
このような重合体(i) ii 、または iii は、優れたpH応答性を有している。まず、重合体(i)または iii は、前記一般式(1)で表されるラクトン環を含有しているため、pHが3以下の状態では、上記ラクトン環が維持されて水に不溶化する。これに対して、塩基性下においては、ラクトン環が開環して前記一般式(2)で表される構造単位が2つ連続した構造となって水に可溶となる。このような水に対する溶解性の変化に伴って接着力も変化する。
【0079】
つまり、ラクトン環の開環度が上昇することによって、上記重合体(i)または iii の水に対する可溶性が上昇し、これに伴って、該重合体(i)または iii の接着性は向上する。一方、ラクトン環の開環度が低下する、すなわち、ラクトン環が閉環して前記一般式(1)で表される構造単位が維持される度合いが大きいことによって、上記重合体(i)または iii の水に対する不溶性が上昇し、これに伴って、該重合体(i)または iii の接着性は低下する。
【0080】
このように、上記重合体(i)または iii の水に対する溶解性を適宜変化させることによって、該重合体(i)または iii の接着力を適宜コントロールすることが容易となる。さらに、上記ラクトン環は酸性条件下で維持されるため、得られる重合体は耐酸性を有していることにもなる。
【0081】
次に、前記重合体 ii は、前記一般式(2)で表される構造単位を有しているため、これをpH3以下の酸性条件下とすることで、上記構造単位が隣接している部分においては、前記一般式(1)で表される構造単位であるラクトン環が形成される。そのため、重合体 ii の水に対する溶解性が低下する。また、形成された上記ラクトン環は、塩基性下において開環するため、重合体 ii の水に対する溶解性は上昇する。
【0082】
したがって、前記重合体(i)または iii と同様に、重合体 ii も、ラクトン環の開環の度合いを変化させて水に対する溶解性を変化させることにより、該重合体の接着力をコントロールすることが可能となる。
【0083】
このように本発明にかかる接着性組成物には、前記重合体(i) ii 、または ii i のうち、少なくとも何れか1つが含まれている。これら重合体(i) ii 、または iii は、ラクトン環を含有するか、あるいは、ラクトン環を容易に形成できる構造単位を有しているため、上述したように接着力を容易にコントロールすることが可能である。さらに、上記重合体は、ラクトン環を形成している状態、すなわち、酸性の条件下で不溶性となった状態では耐湿性および耐酸性に優れている。
【0084】
また、上記各重合体は、ポリカルボン酸類から容易に得ることができる。また、このポリカルボン酸類は、前記一般式(4)で表される水酸基含有単量体を、単独で、あるいは、該水酸基含有単量体と共重合可能な単量体と共重合させた後、得られたポリカルボン酸類前駆体を、アルカリ性物質にて加水分解することにより、容易に製造される。
【0085】
このようにして得られたポリカルボン酸類は、重合が制御し易くなっており、得られる重合体のポリマー設計が行い易くなっているため、安定した物性を常に実現することができる。これに対して、従来、接着性組成物として用いられている、たとえば、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(2−HEMA)や2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)とエチレンとの共重合体では、単量体の重合速度を制御することが困難であり、そのために、常に一定の物性を有する重合体を提供することが困難となっている。
【0086】
また、上記従来の2−HEMAやHEAとエチレンとの共重合と比較して、前記一般式(4)で表される単量体は、長時間重合しても得られる重合体がゲル化しにくい。このため、得られる重合体の成形性が向上する。なお、上記のゲル化については、前記一般式(4)で表される単量体中に含まれる水酸基とカルボキシル基との密度によって適宜コントロールすることができる。
【0087】
本発明にかかる接着性組成物は、上述してきた前記重合体(i) ii 、または iii のうち、少なくとも何れか1つを含んでなっている。この接着性組成物が使用される形態は、何ら限定されるものではないが、膜状に成形して接着性膜として使用することが特に好ましい。上記接着性膜は十分な強度を有しているため、接着性組成物としての取り扱い性が向上する。
【0088】
本発明にかかる接着性組成物中には、上述してきた前記重合体(i) ii 、または iii 以外に各種添加剤が加えられていてもよい。上記添加剤としては、特に限定されるものではないが、具体的には、たとえば、可塑剤、酸化防止剤、紫外線遮断剤、熱線吸収剤、赤外線遮断性物質、顔料、染料などが挙げられる。また、これら各種添加剤は、従来公知のものが使用可能である。
【0089】
上記酸化防止剤としては、たとえば、t−ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(チバガイギー社製;商品名 イルガノックス1010)などのフェノール系化合物;アデカアーガス社製;商品名 Mark LA−57などのヒンダードアミン系のものが挙げられる。
【0090】
また、上記の熱線吸収剤としては、シアニン系色素、ピリリウム色素、スクワリウム色素、ジチールニッケル錯体色素、アゾ色素、ナフトキノン系色素、アントラキノン系色素、ナフタロシアニン系色素、ジイモニウム色素、フタロシアニン系色素、ナフタロシアニン系色素などの熱線吸収色素や、2価の銅イオンが結合したリン酸基を有するポリマーなどが挙げられる。
【0091】
また、赤外線遮断性物質としては、金属酸化物の微粒子を挙げることができ、この金属酸化物としては、酸化インジウム類、酸化スズ類、酸化亜鉛類、スズ酸カドミウムなどがある。
【0092】
また、上記顔料としては、プラスチック用として用いられているものであれば特に限定されるものではなく、たとえば、アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ペリレン系、ペリノン系、ジオキサジン系、アンスラキノ系、イソインドリノ系などの有機顔料や、酸化物、水酸化物、硫化物、クロム酸、硫酸鉛、炭酸塩、ケイ酸塩、リン酸塩、フェロシアン化物、炭素、金属粉などの無機顔料を挙げることができる。顔料の配合量は目的の色に合わせて適宜変化させることができる。
【0093】
上記酸化防止剤、紫外線遮断剤、熱線吸収剤、赤外線遮断性物質、顔料などの各種添加剤を添加するタイミングとしては、特に限定されるものではなく、上記の単量体を重合する際や、重合して得られた重合体を成形する際などが挙げられる。
【0094】
なお、上記各種添加剤を添加するタイミングが単量体を重合する際である場合、該添加剤が重合反応を阻害しないことが必要である。また、上記添加剤の添加量は、特に限定されるものではなく、添加剤の種類などに応じて、上記一般式(1)および/または一般式(2)で表される構造単位を有する重合体、すなわち、重合体(i) ii 、または iii が有する物性を阻害しない範囲内で用いればよい。
【0095】
本発明にかかる接着性組成物が有する接着力をより強化するために、シランカップリング剤やチタンカップリング剤などを用いてプライマー処理を施してもよい。このプライマー処理とは、接着性組成物と被着材との両者に親和性のある材料をプライマーとして使用することにより、該接着性組成物の接着性の向上・改善をはかる処理である。
【0096】
上記シランカップリング剤としては、たとえば、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−[ビス(β−ヒドロキシエチル)]アミノプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
【0097】
本発明にかかる接着性膜は、前記重合体(i) ii 、または iii のうちの少なくとも1つを含んでいればよい。それゆえ、本発明にかかる接着性膜は、上述した接着性組成物を膜状に成形することによって容易に得ることができる。この接着性膜を成形する方法としては、従来用いられているプラスチックの成形方法であるプレス成形、押し出し成形、射出成形、カレンダー成形などを用いることができる。あるいは、上記接着性組成物を溶剤に溶解し、この溶液を適当なコーターで塗布して塗膜を形成した後、乾燥させてシート状に成膜してもよい。
【0098】
上記接着性膜の膜厚としては、特に、合わせガラスなどの透明積層材の中間膜として用いる場合は、0.01mm〜5.00mmが好ましく、0.05mm〜3.00mmがより好ましく、0.10mm〜1.00mmが特に好ましい。上記接着性膜が上記範囲よりも薄い膜厚を有していると、該接着性膜を中間膜として用いて透明積層材を形成した場合、この透明積層材における耐貫通性や衝撃吸収性が低下するため好ましくない。また、上記接着性膜が、上記範囲よりも厚い膜厚を有していると、上記透明積層材の透明性が低下するとともにコスト上昇を招来するため好ましくない。
【0099】
なお、上記接着性膜の膜厚は、上記の範囲に限定されるものではなく、その用途に応じて適宜設定すればよい。また、上記接着性膜の用途も上記透明積層材の中間膜に限定されるものではなく、接着力のコントロールが必要な用途において、好適に用いることができる。
【0100】
上記一般式(1)で表される構造単位と一般式(2)で表される構造単位とは、pHの変化に応じた可逆性を有している。つまり、上記一般式(1)で表される構造単位および/または一般式(2)で表される構造単位を有する重合体は、優れたpH応答性を有し、pHの変化に伴って素早くラクトン環の開環または閉環が起こる。
【0101】
このため、上記一般式(1)で表される構造単位および/または一般式(2)で表される構造単位を有する重合体を含む接着性組成物を用いれば、pH応答性に優れ、pHによって接着力を容易にコントロールすることができる成形体を得ることができる。
【0102】
また、本発明にかかる接着性膜に、上記一般式(1)で表される構造単位および/または一般式(2)で表される構造単位を導入する他の方法としては、たとえば、前述したポリカルボン酸類前駆体を、アルカリ性物質にて加水分解する前に膜状に成形し、その後、得られた成形体をアルカリ処理する方法が挙げられる。上記のポリカルボン酸類前駆体を成形した後、アルカリ処理することで、接着性膜自体の強度を維持することができる。
【0103】
なお、上記ポリカルボン酸類前駆体の成形方法は、前述した成形方法と同様の方法を採用することができる。また、得られた成形体のアルカリ処理に用いられるアルカリ性物質は、ポリカルボン酸類の製造方法にて例示したアルカリ性物質と同様のアルカリ性物質を用いることができる。
【0104】
このようにして得られた上記の接着性膜は、一般式(1)で表される構造単位および/または一般式(2)で表される構造単位を有する重合体を、その構成成分として含み、該接着性膜の表面および内部に、上記一般式(1)で表される構造単位および/または一般式(2)で表される構造単位を有している。
【0105】
上記一般式(1)で表される構造単位と一般式(2)で表される構造単位とは、pHの変化に応じた可逆性を有し、pHの変化に伴って素早くラクトン環の開環または閉環が起こる。つまり、上記の接着性膜は、酸性雰囲気下では、ラクトン環を形成することで、水に難溶あるいは不溶となり、接着力が低下する。また、上記の接着性膜は、ラクトン環を形成していることで耐酸性、耐熱性にも優れている。
【0106】
上記の接着性膜をラクトン環化させる際の条件は、前述した酸処理と同様である。また、上記のラクトン環を開環させる際に用いられるアルカリ性物質としては、たとえば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、アンモニア、アミン類などが用いられる。上記のアルカリ性物質は一種類のみを用いてもよいし、適宜、二種類以上を混合して用いてもよい。上記のアルカリ性物質のなかでも、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが、応答速度の点で特に好ましい。
【0107】
このように、本発明の接着性膜は、pH応答性に優れ、pHによって接着力を容易にコントロールすることができる。したがって、たとえば、上記の接着性膜を中間膜として合わせガラスなどの製造に用いれば、中間膜の板ガラスへの接着を適切な接着力にて行うことが可能となり、合わせガラスの性能を向上させることができるとともに、その製造も簡素化することができる。
【0108】
本発明にかかる透明積層材は、図1に示すように、上記接着性膜のように、前記重合体(i) ii 、または iii のうちの少なくとも1つを含んでなる膜を中間膜1として用い、一対の透明板2・2の間に中間膜1を挟持してなっている。この中間膜1を挟持する透明板2・2としては、板ガラスが好ましい。すなわち、上記透明積層材は合わせガラスであることが好ましい。
【0109】
本発明にかかる透明積層材の製造方法としては、特に限定されるものではないが、たとえば、一対の透明板2・2として上記板ガラスを用いた場合では、この一対の板ガラスの間に上記接着性膜を挟持してサンドイッチ体を形成し、このサンドイッチ体を脱気処理した後、真空プレスにより予備圧着させ、さらに、所定温度・所定圧力のオートクレーブによって本圧着させる方法が挙げられる。
【0110】
ここで、上記中間膜1の透明板2・2への接着力が小さすぎると、外部からの物体の衝突などによる衝撃のために透明板2・2が中間膜1から剥がれて、破損・飛散する。一方、上記接着力が大きすぎると、上記衝撃のために透明板2・2と中間膜1とが同時に破損することになる。
【0111】
これに対して、本発明にかかる透明積層材は、接着力をコントロールし易い接着性膜を中間膜1として備えている。それゆえ、上記中間膜1を透明板2・2に対して適切な接着力にて密着させることができる。そのため、透明板2・2が中間膜1から剥離したりすることがなく、また、該中間膜1が透明板2・2と同時に破損したりすることがない。
【0112】
それゆえ、上記中間膜1は外部からの衝撃を吸収することができるとともに、外部からの物体が透明積層材を貫通することは抑制される。したがって、上記中間膜1を用いることにより、耐貫通性および衝撃吸収性に優れた高品質な透明積層材を得ることができる。
【0113】
さらに、上記中間膜1は、前記重合体(i) ii 、または iii のうちの少なくとも一つを含んでいる。そのため、該中間膜1は、前記一般式(1)で表される構造単位であるラクトン環を有することになり、耐湿性が高い。それゆえ、上記透明積層材を湿度の高い状態で放置しても、従来の合わせガラスとは異なり、周辺部分に白化が生じることがなく、また、この白化の発生に伴う周辺部における接着力の低下も生じない。それゆえ、上記透明積層材は、接着性、耐湿性および透明性に優れたものとなっている。
【0114】
また、上記重合体(i) ii 、または iii は、アクリレート系の単量体の重合体であるため、これら重合体のうちの少なくとも1つを含む上記中間膜1は、耐候性に優れている。そのため、上記透明積層材は、耐湿性に加えて耐候性にも優れたものとなっている。
【0115】
なお、本発明にかかる透明積層材は、上記透明板2・2が板ガラスである合わせガラスに限定されるものではなく、たとえば、上記中間膜1は、透明性樹脂からなる一対の透明板2・2に挟持されていてもよい。上記透明性樹脂としては、ポリカーボネートなど、上記中間膜1よりも剛性の高い材質であることが好ましい。これによって、非ガラス材からなる軽量かつ強固な透明積層材を得ることができる。
【0116】
以上のように、本発明にかかる接着性組成物は、前記一般式(1)および/または一般式(2)の構造単位を有している。そのため、pH応答性に優れ、ラクトン環の閉環反応/開環反応に基づいて接着力を強度を変化させることが可能となる。この接着力の強度の変化はpHの変化により可逆的に生じるため自在にコントロールが可能である。
【0117】
また、本発明にかかる接着性膜は、前記一般式(1)および/または一般式(2)の構造単位を有しているため、ラクトン環の閉環反応/開環反応に基づいて接着力をコントロールし易くなっている。したがって、上記の接着性組成物は、膜状に成形することによって、合わせガラスといった透明積層材の中間膜などに好適に用いることができる。
【0118】
さらに、本発明にかかる透明積層材は、前記一般式(1)および/または一般式(2)の構造単位を有する中間膜を備えている。そのため、耐水性、耐候性に優れており、さらに、中間膜と透明板とを適切な接着力によって密着できるため、従来よりも高品質な透明積層材を容易に製造することができる。
【0119】
【実施例】
以下、実施例および比較例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。なお、実施例および比較例に記載の「部」は、「重量部」を示し、「%」は、「重量%」を示す。
【0120】
また、本発明にかかる接着性組成物を成形してなる接着性膜を合わせガラスの中間膜として用いた場合の性能は、以下に示す方法により評価した。
【0121】
密着性は、上記合わせガラスに対する圧縮剪断試験に基づき評価した。◎は200kgf/cm2 以上を表し、○は150〜200kgf/cm2 以上を表す。
【0122】
可視光線透過率は、温度23℃、湿度50%の状態で、分光光度計において400mμから750mμまでの上記合わせガラスの透過率(%)を測定し、評価した。
【0123】
耐湿性は、JIS R3212「自動車用安全ガラス試験方法」に基づいて評価した。30cm四方の上記合わせガラスを、温度50±2℃、相対湿度95±4℃に保持された恒温恒湿槽内で2週間放置した後、該合わせガラスの周辺部に生じた中間膜の白化部の面積割合を耐湿性の指標とした。◎は変化なし、△は30〜50%白化、×は半分以上白化を表す。
【0124】
耐候性は、上記合わせガラスに紫外線を1000時間照射した後、該合わせガラスの外観を目視で観察し、評価した。◎は全く変化なし、○は若干の部分的変色有り、×は全面変色を表す。
【0125】
〔実施例1〕
水酸基含有単量体としてのα−ヒドロキシメチルアクリル酸メチル100部に対して、重合開始剤として、過酸化ラウロイルを1%の濃度となるように添加して単量体溶液を得た。この単量体溶液を60℃で3時間保持し、該単量体溶液を重合させた。得られた重合体100gに、可塑剤としてトリエチレングリコール−ジ(2−エチルブチレート)を40g添加し、径6インチのロールを用いて80℃にて5分間混練して本発明にかかる接着性組成物を得た。この接着性組成物を、150℃にて20分間プレス成形することによって、表面が平滑であり、かつ、厚さが約0.76mmである本発明にかかる接着性膜を得た。
【0126】
この接着性膜を、一辺の長さが30cmである正方形の一対のフロートガラスで挟持してサンドイッチ体を形成した。このサンドイッチ体を、真空度20Torr、温度90℃で20分間脱気処理し、さらに、この温度90℃を維持しながら真空プレスした。この真空プレスにより、上記接着性膜と上記一対のフロートガラスとを予備圧着させた。この予備圧着されたサンドイッチ体を圧力12kg/m2 、温度135℃のオートクレーブによって本圧着させ、本発明にかかる透明積層材としての合わせガラスを製造した。
【0127】
この合わせガラスが備える中間膜、すなわち、上記接着性膜の性能を、上述した方法により評価した。この結果を表1に示す。
【0128】
〔実施例2〕
実施例1において、水酸基含有単量体として、α−ヒドロキシメチルアクリル酸メチルの代わりに、α−ヒドロキシメチルアクリル酸−n−ブチル100部を用いた以外は、実施例1と同様の重合を行って、本発明にかかる接着性組成物を得た。この接着性組成物を実施例1と同様に成形して、接着性膜を得、さらに、この接着性膜を中間膜として用いて、実施例1と同様の方法にて合わせガラスを製造した。この合わせガラスが備える上記接着性膜の性能を上述した方法により評価した。この結果を表1に示す。
【0129】
〔実施例3〕
実施例1において、水酸基含有単量体として、α−ヒドロキシメチルアクリル酸メチルの代わりに、α−ヒドロキシメチルアクリル酸−2−エチルヘキシル100部を用いた以外は、実施例1と同様の重合を行った。その後、さらにアンモニア水20部を添加して該重合体の一部を加水分解した後、1%硫酸水溶液で処理し、ラクトン環を有する重合体を得た。この重合体を用いて実施例1と同様にして、本発明にかかる接着性組成物を得た。この接着性組成物を実施例1と同様に成形して、接着性膜を得、さらに、この接着性膜を中間膜として用いて、実施例1と同様の方法にて合わせガラスを製造した。この合わせガラスが備える上記接着性膜の性能を上述した方法により評価した。この結果を表1に示す。
【0130】
〔比較例1〕
実施例1において、α−ヒドロキシメチルアクリル酸メチルの代わりに、アクリル酸メチル100部を用いた以外は、実施例1と同様の重合を行って、本発明にかかる接着性組成物を得た。この接着性組成物を実施例1と同様に成形して、接着性膜を得、さらに、この接着性膜を中間膜として用いて、実施例1と同様の方法にて比較例としての合わせガラスを製造した。この合わせガラスが備える上記接着性膜の性能を上述した方法により評価した。この結果を表1に示す。
【0131】
〔比較例2〕
実施例1において、接着性膜、すなわち、中間膜としてポリビニルブチラール樹脂を用いた以外は、実施例1と同様の方法にて比較例としての合わせガラスを製造した。この合わせガラスが備える上記中間膜の性能を上述した方法により評価した。この結果を表1に示す。
【0132】
【表1】
Figure 0003980126
【0133】
表1の結果から明らかなように、本実施例の接着性組成物を用いてなる接着性膜は、合わせガラスの中間膜として用いた場合、フロートガラスに対する密着性が良好であり、また、可視光線透過率や耐湿性、耐候性に優れているものであった。したがって、本発明によれば、ガラスに対する密着性が良く、しかも、耐湿性や耐候性、さらには透明性に優れた合わせガラスを容易に製造することができる接着性組成物を提供することができる。
【0134】
【発明の効果】
本発明の請求項1記載の接着剤は、以上のように、一般式(1)
【0135】
【化8】
Figure 0003980126
【0136】
(式中、R1 、R2 はそれぞれ独立して水素原子または有機残基を表し、R3は水素原子、1価金属イオン、2価金属イオン、アンモニウム基、または有機残基を表し、nは0、1または2の整数を表す)
で表される構造単位、および/または、一般式(2)
【0137】
【化9】
Figure 0003980126
【0138】
(式中、R4 は水素原子または有機残基を表し、R5 は水素原子、1価金属イオン、2価金属イオン、アンモニウム基、または有機残基を表し、mは0、1または2の整数を表す)
で表される構造単位を有する重合体を含有している構成である。
【0139】
本発明の請求項2記載の接着剤は、以上のように、上記重合体が、一般式(3)
【0140】
【化10】
Figure 0003980126
【0141】
(式中、R1 、R2 はそれぞれ独立して水素原子または有機残基を表す)
で表される構造単位を有する重合体である構成である。
【0142】
それゆえ、上記構成の接着剤では、上記一般式(1)で表される構造単位および/または一般式(2)で表される構造単位を有する重合体を含んでいるため、pH応答性に優れ、pHの変化に伴って素早くラクトン環の開環または閉環が起こる。そのため、pHによって該接着剤の接着力を容易にコントロールすることができる。
【0143】
そして、特に、上記一般式(3)で表される構造単位を有する重合体は、pH応答性により一層優れているため、pHによって該接着剤の接着力をより一層容易にコントロールすることができる。
【0144】
また、上記重合体は、重合の制御が容易であるために常に一定の物性を実現できる。さらに、上記重合体は、従来の接着剤に用いられてきた重合体よりも優れた耐湿性、耐候性および耐酸性を有している。したがって、上記重合体を含む接着剤は、合わせガラスなどの透明積層材に対して好適に用いることができるという効果を奏する。
【0145】
また、本発明の請求項3記載の接着剤は、以上のように、膜である構成である。
【0146】
それゆえ、上記構成の接着剤は、上記一般式(1)で表される構造単位と一般式(2)で表される構造単位を有しているため、pHの変化に応じた可逆性を有している。つまり、pHの変化に伴って素早くラクトン環の開環または閉環が起こる。このため、上記接着剤は、ラクトン環の開環または閉環によってその水溶性を適宜変化させることができ、この水溶性の変化に伴い、該接着剤の接着力を適宜コントロールすることができる。したがって、上記接着剤は、接着力を適宜コントロールする必要のある用途に好適に用いることができ、さらに耐湿性および耐候性に優れているため、特に、合わせガラスなどの透明積層材の中間膜として好適に用いることができるという効果を奏する。
【0147】
本発明の請求項4記載の透明積層材は、以上のように、一対の透明板の間に接着剤を挟持してなる透明積層材において、上記接着剤が、請求項1〜3の何れか1項に記載の接着剤である構成である。
【0148】
それゆえ、上記構成の透明積層材は、上記一般式(1)で表される構造単位および/または一般式(2)で表される構造単位を有する接着剤を用いているため、該接着剤の接着力をコントロールすることが容易である。そのため、該透明積層材を形成する透明板と上記接着剤とは適切な接着力にて密着させることができる。したがって、上記接着剤を備えた透明積層材は、優れた衝撃吸収性と耐貫通性とを実現することができる。さらに、上記透明積層材は、優れた耐湿性、耐候性、および透明性を有している。したがって、上記透明積層材は、自動車のフロントガラスや建築物の窓ガラスなどとして好適に用いることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の一形態である透明積層材としての合わせガラスの構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 中間膜
2 透明板

Claims (4)

  1. 一般式(1)
    Figure 0003980126
    (式中、R1 、R2 はそれぞれ独立して水素原子または有機残基を表し、R3は水素原子、1価金属イオン、2価金属イオン、アンモニウム基、または有機残基を表し、nは0、1または2の整数を表す)
    で表される構造単位、および/または、一般式(2)
    Figure 0003980126
    (式中、R4 は水素原子または有機残基を表し、R5 は水素原子、1価金属イオン、2価金属イオン、アンモニウム基、または有機残基を表し、mは0、1または2の整数を表す)
    で表される構造単位を有する重合体を含有していることを特徴とする接着剤
  2. 上記重合体が、一般式(3)
    Figure 0003980126
    (式中、R1 、R2 はそれぞれ独立して水素原子または有機残基を表す)
    で表される構造単位を有する重合体であることを特徴とする請求項1記載の接着剤
  3. 形態が膜状であることを特徴とする請求項1または2に記載の接着剤。
  4. 一対の透明板の間に接着剤を挟持してなる透明積層材において、
    上記接着剤が、請求項1〜3の何れか1項に記載の接着剤であることを特徴とする透明積層材。
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