JP3977040B2 - 燃料ポンプ用インペラーの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料ポンプ用インペラーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、かかる燃料ポンプ用インペラーは、例えば特開2000−64989号公報に開示されている。
【0003】
この種の燃料ポンプ用インペラーの正面図を図9に示す。このインペラー13は、合成樹脂製で表裏両面を有する略円板状に形成されており、略中央部には、図示しない燃料ポンプの回転軸が嵌合される軸孔14が設けられており、この軸孔14は、円弧部14aと直線部14bとを有している。
【0004】
また、図9および図10に示すように、インペラー13の側周壁部近傍には、該インペラー13の外周方向に沿って、通路16が複数個設けられている。そして、各通路16内には、互いに略V字状をなすように一体的に形成された羽根板17a、17bからなる回転翼17がそれぞれ配置されている(図10参照)。
【0005】
図10および図11(図10の一部拡大図)に示すように、これら羽根板17a、17bは、各通路16内における略中央部においてインペラー13の径方向に沿って僅かに突出したリブ部18と一体的に形成されている。
【0006】
また、軸孔14の近傍には、この軸孔14を囲繞してかつ互いに略等間隔で離間した表裏両面を貫通する複数個の小貫通孔19が設けられている。通路16、羽根板17a、17bおよび小貫通孔19は、溶融樹脂からインペラー13を成形する際に同時に形成される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来のインペラー13にあっては、樹脂成形時および表裏両面の切削あるいは研削加工時において、図9〜図11に示すように、辺部、角部あるいは型合わせ部にバリ20a〜20cが発生していた。
【0008】
これらのバリ20a〜20cは、ブラシがけ等の手作業にて除去するようにしていたが、このバリ取り作業に多大な時間を要してしまうという問題があった。
【0009】
また、上記バリ取り作業によって、バリ取り部位の辺部、角部あるいは型合わせ部、すなわち交差部の曲率半径が大となってしまう、という問題があった。
【0010】
本発明は、上記した問題を解決するためになされたもので、燃料ポンプ用インペラーに発生したバリを極力小とし、かつ、交差部の曲率半径を極力小とすることができる燃料ポンプ用インペラーの製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本発明は、略円板状に形成され、表裏両面を有する合成樹脂製の燃料ポンプ用インペラーにおいて、前記インペラーを回転動作させる回転軸を通すための軸孔と、
前記軸孔の近傍に形成され、表裏両面を貫通する貫通孔と、
前記インペラーの外周に形成され、内部に羽根板が配置される複数の通路と、を有し、
前記軸孔、前記貫通孔および前記複数の通路におけるバリによる突起寸法を0.05mm以下とし、かつ、各交差部の曲率半径を0.05以下とすることを特徴とする。
【0012】
すなわち、本発明に係る燃料ポンプ用インペラーは、バリによる突起がほとんどなく、かつ、交差部のエッジが立って構成されている。このため、例えば、軸孔に回転軸を確実に精度よく嵌合することが可能となる。また、燃料ポンプにおいて、燃料が貫通孔を介して円滑に通過するので、インペラーの表裏の圧力バランスを適正な範囲に保つことができる。
【0013】
また、燃料がポンプ作用をなす通路内に形成された羽根板を円滑に通過することが可能となる。したがって、羽根溝の形状を適宜選定することにより、ポンプ効率の向上を図ることが可能となる。
【0014】
また、複数の通路内に配置される羽根板は、互いに略V字状をなすように形成されることが好ましい。これにより、略V字状の羽根板は、例えば、その中央部が型合わせ面になっており、かつ、奥まった部位となっているにもかかわらず、その中央部にバリによる突起がほとんどなく、しかも、交差部のエッジが立って構成される。このため、通路内に配置される略V字状の羽根板によって発生する高効率の渦流の生成を阻害することがなく、しかも、羽根板の形状通りにポンプ効率の性能を引き出すことが可能となる。
【0015】
また、当該燃料ポンプ用インペラーの構成材料は、ポリフェニレンサルファイド(PPS)であることが好ましい。PPSは低コストであり、また、成形性を良好として成形サイクルを短くすることができるからである。
【0016】
また、本発明は、略円板状に形成され、表裏両面を有する合成樹脂製の燃料ポンプ用インペラーであって、該インペラーを回転動作させる回転軸を通すための軸孔と、前記軸孔の近傍に形成され、表裏両面を貫通する貫通孔と、前記インペラーの外周に形成され、内部に羽根板が配置される複数の通路と、を有し、前記複数の通路内に配置される前記羽根板が、互いに略V字状をなすように形成されてなる燃料ポンプ用インペラーの製造方法において、成形装置にて成形品を成形する第1工程と、成形品を切削あるい研削加工して成形加工品とする第2工程と、噴射ノズルから第1の液体を第2の液体中に噴射することに伴って前記第2の液体中にキャビテーションを発生させ、該キャビテーションによって前記第2の液体中に浸漬された前記成形加工品に対してバリ取り加工を施す第3工程と、を有し、前記第1の液体として、脱気された液体を使用することを特徴とする。
【0017】
脱気手段にて予め脱気された液体をキャビテーション発生用液として噴射した場合には、高いキャビテーション効果を得ることが可能となる。これは、例えば水道水のように溶存気体量が多いと、キャビテーションで発生する気泡径が大きくなるが、キャビテーション気泡破壊時、それら大きなキャビテーション気泡同士がクッション作用を生じてしまい、破壊時における衝撃力を弱めてしまう。しかしながら、脱気手段にて予め脱気された液体は、著しく溶存気体量が低いので、上記クッション作用が極力防止される。このため、キャビテーション気泡破壊時における衝撃力が弱まることなく、最大限に発揮されるので、高いキャビテーション効果を得ることが可能となる。結局、成形加工品から異物やバリを効率よく除去することができ、したがって、バリによる突起がほとんどなく、かつ、エッジが立った良好なインペラーを容易に製造することができる。
【0018】
この製造方法においては、第2の液体を予め脱気することが好ましい。この場合、上記した効果が一層顕著となるからである。なお、第2の液体を脱気する脱気手段は、第1の液体を脱気する脱気手段と同一であってもよいし、別個のものであってもよい。
【0019】
第1の液体および第2の液体は、脱気された水であることが好ましい。水を使用することにより、作業環境を安全なものとすることができるからである。
【0020】
また、噴射ノズルとして、内周壁部と先端壁部とが互いに略90°の角度をなす筒状部材であり、前記先端壁部に設けられた噴射口がオリフィス状であるものを使用することが好ましい。このような噴射ノズルでは、噴射口において縮流が発生する。これにより、縮流部内噴流の周りに、従来の収縮ノズルでは得ることができない大きい剪断応力が生じ、噴流内部から強いキャビテーションの発生が始まる。このため、従来の収縮ノズルより大きな壊食効果を得ることが可能となり、異物の洗浄除去・バリ取り加工がより効率的に営まれ、その結果、形状が一層良好な燃料ポンプ用インペラーを得ることができる。
【0021】
さらに、前記噴射ノズルは、前記噴射口を囲繞する突端部を有し、かつ該噴射口に連通する吐出口が該突端部に設けられているものであることが好ましく、前記吐出口がテーパ状に拡開したテーパ部を有するものであることがより好ましい。このような構成とすることにより、キャビテーションの発生がさらに促進されるので、形状が一層良好な燃料ポンプ用インペラーを得ることができるからである。
【0022】
また、本発明は、略円板状に形成され、表裏両面を有する合成樹脂製の燃料ポンプ用インペラーであって、該インペラーを回転動作させる回転軸を通すための軸孔と、前記軸孔の近傍に形成され、表裏両面を貫通する貫通孔と、前記インペラーの外周に形成され、内部に羽根板が配置される複数の通路と、を有し、前記複数の通路内に配置される前記羽根板が、互いに略V字状をなすように形成されてなる燃料ポンプ用インペラーの製造方法において、成形装置にて成形品を成形する第1工程と、成形品を切削あるいは研削加工して成形加工品とする第2工程と、噴射ノズルから第1の液体を第2の液体中に噴射することに伴って前記第2の液体中にキャビテーションを発生させ、該キャビテーションによって前記第2の液体中に浸漬された前記成形加工品に対してバリ取り加工を施す第3工程と、を有し、前記噴射ノズルとして、内周壁部と先端壁部とが互いに略90°の角度をなす筒状部材であり、先端壁部に設けられた噴射口がオリフィス状であるものを使用することを特徴とする。
【0023】
要するに、この場合、脱気された液を使用しない場合であっても形状が良好な燃料ポンプ用インペラーを得ることができる。
【0024】
なお、上記した理由から、噴射ノズルとしては、前記噴射口を囲繞する突端部を有し、かつ該噴射口に連通する吐出口が該突端部に設けられているものであることが好ましく、前記吐出口がテーパ状に拡開したテーパ部を有するものであることがより好ましい。
【0025】
いずれの製造方法においても、ポリフェニレンサルファイド(PPS)を原材料として前記成形品を作製することが好ましい。上記したように、PPSは成形性に富むので、成形品を短時間で作製することができ、結局、燃料ポンプ用インペラーを効率よく製造することができるからである。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るインペラーおよびその製造方法につき好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。なお、図9〜図11に示される構成要素については同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0027】
本実施の形態に係るインペラーの一部切欠斜視図を図1に示すとともに、その要部拡大図を図2に示す。このインペラー26は、バリ20a〜20cを有していないという点を除いて、図9〜図11に示されるインペラー13と同様に構成されている。
【0028】
すなわち、本実施の形態に係るインペラー26は、軸孔14や通路16、羽根板17a、17b、リブ部18および小貫通孔19が設計形状と略同等の形状で設けられている。具体的には、これらの部位におけるバリによる突起寸法は、0.05mm以下となっており、バリ突起が極力小となっている。
【0029】
また、軸孔14を例に説明すると、図2Aに拡大して示すように、円弧部14aと直線部14bとの交差部の曲率半径Rは、0.05以下となっている。また、図2AのA−A線断面図を図2Bに示すが、円弧部14aとインペラー26の表裏面とは、各々互いに略直交して交差しており、これら各交差部における各曲率半径Rは、0.05以下となっている。同様に、インペラー26における通路16、羽根板17a、17b、リブ部18および小貫通孔19における上述したような各交差部における各曲率半径Rも0.05以下となっている。
【0030】
換言すれば、本実施の形態に係るインペラー26は、バリによる突起がほとんどなく、交差部のエッジが立っている。このようなインペラー26は、以下のような利点を有する。すなわち、まず、図示しない燃料ポンプの回転軸が軸孔14に精度よく嵌合することが可能となる。
【0031】
また、燃料ポンプにおいて、燃料が小貫通孔19を介して円滑に通過するので、インペラー26の表裏の圧力バランスを適正な範囲に保つことができる。
【0032】
さらに、燃料がポンプ作用をなす通路16内に形成された羽根板17a、17bを円滑に通過することが可能となる。従って、羽根溝の形状を適宜選定することにより、ポンプ効率の向上を図ることが可能となる。
【0033】
また、インペラー26は、その成形時において、インペラー26の厚さ方向における中央位置、すなわち、羽根板17a、17bの交差部、羽根板17a、17bとリブ部18との交差部、およびリブ部18の中央位置(リブ部18の上下の交差部)において型合わせ面となっており、この型合わせ面においてバリ20b2(図11参照)は発生するが、このような部位におけるバリによる突起寸法も0.05mm以下となっており、かつ、このような交差部の曲率半径Rも0.05以下となっている。
【0034】
このように、通路16内に配置される略V字状の羽根板17a、17bの中央部のような奥まった部位で複雑な形状をしていたとしても、バリによる突起がなく、かつ、エッジが立って構成される。従って、上記略V字状の羽根板17a、17bによって発生する高効率の渦流の生成を阻害することがなく、しかも、羽根板17a、17bの形状通りにポンプ効率の性能を引き出すことが可能となる。
【0035】
なお、インペラー26の構成材料は特に限定されるものではないが、後述するように、成形性が良好であるので短時間で成形品を作製することが可能であるということから、ポリフェニレンサルファイド(PPS)であることが好ましい。
【0036】
次に、このインペラー26の製造方法につき、そのフローチャートである図3を参照して説明する。図3に示すように、この製造方法は、成形装置にて成形品を成形する第1工程S1と、成形品を切削あるいは研削加工して成形加工品とする第2工程S2と、噴射ノズルから第1の液体を第2の液体中に噴射することに伴って前記第2の液体中にキャビテーションを発生させ、該キャビテーションによって前記第2の液体中に浸漬された前記成形加工品に対してバリ取り加工を施す第3工程S3とを有する。
【0037】
まず、第1工程S1において、羽根板17aの形状に対応する形状のキャビティを有する第1金型と、羽根板17bの形状に対応する形状のキャビティを有する第2金型とを備える金型装置にて、前記第1金型および前記第2金型とを閉じた状態とし、これにより形成されたキャビティ内に溶融樹脂を導入する。この溶融樹脂を冷却固化することにより、インペラー26に対応する形状の成形品が得られる。
【0038】
この際、溶融樹脂としては、PPSが溶融されたものを使用することが好ましい。PPSは、ナイロン樹脂やフェノ−ル樹脂等に比して成形性に富むので、成形品を作製するために要する時間が短くなり、また、材料コストも低いので、結局、インペラー26を効率よく低コストで製造することができるからである。
【0039】
次いで、第2工程S2において、成形品の表裏両面を切削あるいは研削加工して成形加工品とし、次いで、第3工程S3において、成形加工品の表面に付着したバリの切り屑、工作油等の異物を洗浄除去するとともに成形加工品に残存したバリを除去する。
【0040】
ここで、異物の洗浄除去およびバリの除去を遂行するために使用されるキャビテーション発生装置の概略全体構成を図4に示す。このキャビテーション発生装置30は、インペラー26の成形加工品26aを浸漬するための浸漬液L1を貯留する貯留槽32と、キャビテーション発生用液L2を噴射する噴射ノズル34と、この噴射ノズル34から噴射されるキャビテーション発生用液L2を予め脱気する真空ポンプ36と、該真空ポンプ36によって脱気されたキャビテーション発生用液L2を貯留する供給槽38と、該供給槽38から噴射ノズル34へキャビテーション発生用液L2を送液するための第1送液ポンプ40とを備える。なお、本実施の形態では、浸漬液L1およびキャビテーション発生用液L2として、水道水が水処理装置42で処理されることにより得られた純水が使用される。
【0041】
以下、このキャビテーション発生装置30の構成につき、水道水が供給される上流側から順に説明する。
【0042】
まず、水道水を供給する供水管44は、水処理装置42に連結されている。該水処理装置42は、水道水中に溶解した塩素分等を除去して純水とする機能を有する。すなわち、水処理装置42は、いわゆる浄水作用を営むものであり、具体的な構成としては、活性炭や中空糸膜、あるいは逆浸透膜を有するもの等が例示される。なお、この供水管44には、バルブ46が介装されている。
【0043】
水処理装置42は、供水管44に管継手を介して連結された送液管48によって脱気モジュール50に連結されている。水処理装置42にて生成した純水は、この脱気モジュール50内で脱気が施される。
【0044】
図5に示すように、この場合、脱気モジュール50は略円筒状の容器52を有し、前記送液管48は、この容器52の下端部に連結されている。また、容器52の上端部には、該容器52と供給槽38とを橋架する送液管54が連結されている。さらに、容器52の側壁部には継手用管部56が突出形成されており、該継手用管部56には、容器52の内室58に連通する連通孔60が形成されている。そして、この継手用管部56には、排気管62を介して前記真空ポンプ36が連結されている(図4参照)。後述するように、純水中に溶解した気体は、この真空ポンプ36によって純水から分離される。
【0045】
前記内室58には、円柱形状の中空糸膜64が収容されている(図5参照)。この中空糸膜64の長手方向には複数個の細孔が設けられており、送液管48を介して内室58に導入された純水は、この細孔を通過した後、送液管54を介して容器52から排出される。このように純水が流通する間、純水中に溶解した気体は、前記真空ポンプ36によって中空糸膜64の直径方向に吸引され、排気管62を介して排出される。なお、細孔を流通する純水は、中空糸膜64の直径方向に沿って透過することはできない。したがって、気体とともに純水が同伴されて排出されることはない。
【0046】
送液管54は、脱気モジュール50によって脱気された純水(以下、脱気純水という)を供給槽38および貯留槽32に個別に供給できるように分岐されている。すなわち、送液管54は分岐管66、68を有し、これら分岐管66、68には、バルブ70、72がそれぞれ設置されている。
【0047】
供給槽38は、脱気純水を一時的に貯留するための槽である。分岐管66を介して供給槽38に供給された脱気純水は、第1送液ポンプ40によって該供給槽38から噴射ノズル34へと送液され、後述するように、該噴射ノズル34からキャビテーション発生用液L2として噴出される。なお、脱気純水は、供給槽38内に浸漬された第1フィルタ74を有する送液管76を介して第1送液ポンプ40に送液される。
【0048】
貯留槽32は、第1水平部78と、該第1水平部78から傾斜した傾斜部80と、第1水平部78よりも深い位置に設けられた第2水平部82とをその底部に有し、このうち、第2水平部82の下方には、貯留槽32と第2送液ポンプ84とを橋架するとともに第2フィルタ86が介装された送液管88が連結されている。また、第1水平部78には、成形加工品26aを固定するためのクランプ台90が配置されている。
【0049】
以上の構成において、供給槽38および貯留槽32には、液面検知器92、94と温調器96、98がそれぞれ設置されている。また、供給槽38と貯留槽32には連通管100が橋架されており、該連通管100にはバルブ102が介装されている。液面検知器92、94、バルブ70、72、102および温調器96、98は、図示しない制御部に電気的に接続されている。成形加工品26aがPPSから構成されている場合、供給槽38および貯留槽32に貯留された脱気純水は、温調器96、98によって、例えば、50〜60℃の範囲内に保持される。
【0050】
また、供給槽38および貯留槽32に貯留された脱気純水の液面には、それぞれ、この液面を全面に亘って覆うように、プラスチックの球体からなる浮遊部材104が複数個浮遊している。この浮遊部材104により、脱気純水は、大気から遮断された状態で供給槽38および貯留槽32に貯留されている。
【0051】
ここで、噴射ノズル34の先端部は、貯留槽32に供給・貯留された浸漬液L1(脱気純水)内に挿入されており、かつ成形加工品26aに向けられている。したがって、キャビテーション発生用液L2は、浸漬液L1内で成形加工品26aに指向して噴射ノズル34から噴射される。
【0052】
噴射ノズル34の先端部の概略断面構成図を図6に示す。この噴射ノズル34は、液路105が設けられた筒状部材106と、該筒状部材106の先端部に嵌着された吐出用突端部材108とを有する。すなわち、筒状部材106の先端壁部に設けられた噴射口110から排出されたキャビテーション発生用液L2は、浸漬液L1内で開口した吐出用突端部材108の吐出口112を介して浸漬液L1内に噴射される。
【0053】
図6から諒解されるように、液路105の直径は略一定である。また、噴射口110も直径が略一定となるように設けられている。このため、筒状部材106においては、内周壁部と先端壁部とが互いに略90°の角度をなしている。すなわち、この噴射ノズル34においては、噴射口110がオリフィス状に設けられており、液路105から噴射口110にかけて、従来技術で本出願人提案の噴射ノズル(以後、この噴射ノズルを収縮ノズルという)のように絞られた部分は設けられていない。
【0054】
また、吐出用突端部材108の一端部には円柱状孔部113が設けられており、該吐出用突端部材108は、この円柱状孔部113に筒状部材106の先端部が嵌合されることによって筒状部材106に嵌着されている。なお、筒状部材106と吐出用突端部材108とは、例えば図示しないねじによって互いに連結されている。
【0055】
該吐出用突端部材108の他端部に設けられた吐出口112は、小径孔部114と、該小径孔部114に連通するとともにテーパ状に拡径したテーパ状孔部116とを有する。このうち、小径孔部114は、その中心部が噴射口110の中心部と略合致する位置に設けられている。
【0056】
小径孔部114の直径Dは、噴射口110の直径dの3倍以内に設定することが好ましい。また、テーパ状孔部116のなす角度θは、30°〜70°の範囲内に設定することが好ましい。なお、吐出用突端部材108の構成材料としては、焼入れ処理が施された金属や超硬合金、セラミックス等、耐摩耗性が良好なものが好適である。
【0057】
前記第2フィルタ86(図4参照)は、図7に示すように、その略中央部に流路118が設けられ、外周部に流路119が設けられた濾過膜120を有し、貯留槽32の第2水平部82から排出されて流路119に矢印Y1方向から導入された脱気純水は、該濾過膜120の直径内方向に指向して通過し、流路118を矢印X1方向に通過する。このようにして濾過膜120を通過した脱気純水は、第2送液ポンプ84によって送液管48(図4参照)に戻され、脱気モジュール50によって再び脱気された後、キャビテーション発生用液L2または浸漬液L1として循環再利用される。
【0058】
第2送液ポンプ84に連結された送液管48から分岐された分岐管122は、第2フィルタ86の逆洗を行うための逆洗水を送液する管である。すなわち、逆洗水は、図7に示すように、濾過膜120の流路118を矢印X2方向に導入され、該濾過膜120の直径外方向(矢印Y2方向)を指向して通過する際に異物等を濾過膜120の外周壁面から分離した後、該異物とともに矢印Y2方向に流通して流路119の出口(図示せず)から排出される。
【0059】
このキャビテーション発生装置30による成形加工品26aに対する異物の洗浄除去およびバリ取り加工は、以下のように遂行される。すなわち、まず、バルブ46が開放されることに伴って水道水の流通が開始される。この水道水は、水処理装置42にて塩素分等が除去されることにより、純水となる。純水を使用することにより、ウォーターマークといわれる加工跡がインペラー26に残留することを回避することができる。
【0060】
得られた純水は、次に、脱気モジュール50(図5参照)を構成する容器52の内室58に導入され、該内室58に収容された中空糸膜64の細孔を通過する。その間、純水中の溶解した気体は、真空ポンプ36の吸引作用下に中空糸膜64の直径外方向へと吸引され、その結果、中空糸膜64の外周壁部から排出された後、容器52の継手用管部56および排気管62を介して該容器52の外部へと導出される。なお、上記したように、純水が中空糸膜64の直径方向に沿って透過することはない。すなわち、純水が真空ポンプ36の吸引作用下に容器52の外部に排出されることはない。
【0061】
以上のようにして、純水中の気体が分離除去される。換言すれば、純水に対して脱気が営まれ、これにより脱気純水が得られる。この時点で脱気純水に残留した溶存気体量は、例えば1.5ppm程度と極めて微量である。
【0062】
脱気純水は、バルブ70、72が開放されることに伴い、送液管54および分岐管66、68を介して供給槽38および貯留槽32に供給される。この際には、バルブ102が開放されていてもよい。そして、液面検知器92、94が「液面上限」の信号を前記制御部にそれぞれ発することに伴ってバルブ70、72が閉止されることにより、供給槽38または貯留槽32への脱気純水の供給が停止される。
【0063】
供給槽38および貯留槽32に貯留された脱気純水の液面には、浮遊部材104がそれぞれ浮遊している。これら浮遊部材104が存在することにより、脱気純水が大気に露呈することが回避される。このため、脱気純水中に大気からの気体が溶解することを抑制することができ、結局、脱気純水を、溶存気体量が著しく低い状態に維持することができる。
【0064】
供給槽38に貯留された脱気純水は、第1送液ポンプ40を介して噴射ノズル34に送液される。この場合、第1送液ポンプ40の吐出圧力は、例えば、30〜200kgf/cm2(2.9〜19.6MPa)に設定すればよい。なお、脱気純水中に異物が混入している場合には、該異物は第1フィルタ74によって除去される。
【0065】
噴射ノズル34に送液された脱気純水は、該噴射ノズル34を介して、キャビテーション発生用液L2として供給槽38に貯留された脱気純水(浸漬液L1)中に噴射される。すなわち、脱気純水は、噴射ノズル34を構成する筒状部材106の液路105を流通した後、該筒状部材106に設けられた噴射口110から排出され、さらに、吐出用突端部材108の吐出口112を介して、クランプ台90に固定された状態で浸漬液L1中に浸漬された成形加工品26aに指向して噴射される。この際の噴流と浸漬液L1との摩擦によって、キャビテーションCAが多数発生する。このキャビテーションCAが成形加工品26aに衝突した際に破壊されることに伴って生じる壊食力により、成形加工品26aから切り屑や工作油(異物)が洗浄除去されるとともに、バリが除去される。
【0066】
ここで、本実施の形態では、上記したように、溶存気体量が著しく低い脱気純水をキャビテーション発生用液L2および浸漬液L1として使用している。このため、高いキャビテーション効果を得ることが可能となる。
【0067】
これは、例えば水道水のように溶存気体量が多いと、キャビテーションで発生する気泡径が大きくなるが、キャビテーション気泡破壊時、それら大きなキャビテーション気泡同士がクッション作用を生じてしまい、破壊時における衝撃力を弱めてしまう。しかしながら、真空ポンプ36にて予め脱気されたキャビテーション発生用液L2は、著しく溶存気体量が低いので、上記クッション作用が極力防止される。このため、キャビテーション気泡破壊時における衝撃力が弱まることなく、最大限に発揮されるので、高いキャビテーション効果を得ることが可能となる。したがって、このときに生じる壊食力が著しく大きくなるので、異物やバリを効率よく除去することができる。
【0068】
しかも、この場合、上記したように、このキャビテーションCAは壊食力が著しく大きいので、例えば成形加工品26aの通路16内であっても、通路16内に存在するバリが確実に除去される。勿論、キャビテーションCAが成形加工品26aに衝突する位置を調整することによって、成形加工品26aの軸孔14や小貫通孔19に存在するバリを除去することも可能である。
【0069】
上記した噴射の際、図8に示すように、筒状部材106の噴射口110が液路105に対してオリフィス状に急激に絞られているため、該噴射口110において、脱気純水の縮流COが発生する。このようにして縮流COが発生することにより、縮流CO部内噴流の周りに、従来の収縮ノズルでは得ることができない大きい剪断応力が生じ、噴流内部から強いキャビテーションCAの発生が始まる。このため、従来の収縮ノズルより大きな壊食効果を得ることが可能となる。したがって、成形加工品26aから切り屑や工作油(異物)およびバリを一層確実に除去することができる。なお、キャビテーション発生用液L2の吐出圧力が2.9〜19.6MPaに設定されているので、該キャビテーション発生用液L2の噴流が成形加工品26aに衝突した場合であっても、成形加工品26aが損傷することはない。
【0070】
噴射口110を通過したキャビテーション発生用液L2(脱気純水)は、吐出用突端部材108の小径孔部114に至る。この小径孔部114が存在することにより、テーパ状孔部116の中心軸と噴射口110の中心軸が位置ずれしている場合であっても、キャビテーション発生用液L2は、テーパ状孔部116の略中心軸近傍から噴射される。
【0071】
この際、テーパ状孔部116内では、噴流周りに強い渦流Vが生じる。このため、キャビテーションCAの発生が更に促進されるので、成形加工品26aから切り屑や工作油(異物)およびバリをさらに一層確実に除去することができる。
【0072】
また、キャビテーション発生用液L2および浸漬液L1は、温調器96、98によって、50〜60℃の範囲内に保持されている。この温度範囲においては、切り屑や工作油(異物)およびバリを成形加工品26aから離脱させ易い。すなわち、異物およびバリの除去効率が向上する。
【0073】
以上のようにして、図1に示すように、軸孔14や通路16、小貫通孔19にバリ20a〜20c(図9〜図11参照)がほとんど存在せず、かつ、エッジが立った良好なインペラー26が得られるに至る。
【0074】
このように、本実施の形態に係る製造方法によれば、キャビテーション発生用液L2および浸漬液L1として脱気純水を使用することによって成形加工品26aから異物やバリを効率よくかつ確実に除去することができるので、形状が良好なインペラー26を得ることができる。
【0075】
噴射ノズル34から噴射されたキャビテーション発生用液L2の大部分は、浸漬液L1として貯留槽32に貯留される。
【0076】
上記のようにして成形加工品26aから除去された異物やバリは、第2送液ポンプ84の吸引作用下に貯留槽32の第2水平部82に収集される。すなわち、傾斜部80と第2水平部82は、異物やバリを捕捉するトラップ部である。このようにして異物やバリをトラップ部にて捕捉することにより、該異物やバリが浸漬液L1内で泳動した後に再び成形加工品26aに付着することを回避することができる。
【0077】
これら異物やバリは、第2フィルタ86にて浸漬液L1から濾過分離される。すなわち、バリや異物を含んだ浸漬液L1は、第2フィルタ86において、図7に示す濾過膜120の流路118に対して矢印Y1方向から導入される。そして、バリや異物が濾過膜120の外周壁面で堰き止められる一方で、浸漬液L1のみが矢印X1方向に指向して進行して該濾過膜120を浸透・通過する。
【0078】
濾過膜120を通過した浸漬液L1は、第2送液ポンプ84によって送液管48(図4参照)に戻され、脱気モジュール50によって再び脱気された後、キャビテーション発生用液L2または浸漬液L1として循環再利用される。
【0079】
以上の循環過程は、前記制御部がプログラムに基づいて制御信号を発することにより、自動的に遂行される。そして、所定の時間が経過した後、制御部が「運転停止」の信号を発することに伴って噴射ノズル34からのキャビテーション発生用液L2の噴射が停止される。
【0080】
なお、上記した循環過程において、供給槽38または貯留槽32における脱気純水の液面が所定の位置よりも低下した場合には、液面検知器92または液面検知器94が「液面下限」の信号を制御部に発する。この信号を受けた制御部がバルブ70と、バルブ72またはバルブ102とを開放する制御信号を発することにより、所定の液面となるまで新たな脱気純水が供給される。
【0081】
上記した循環過程を繰り返し行うことによって第1フィルタ74が目詰まりを起こした場合には、浮遊部材104をかきわけて第1フィルタ74を取り出し、該第1フィルタ74を洗浄ないし交換すればよい。このように、浮遊部材104として球体形状のものを採用しているので、第1フィルタ74の洗浄ないし交換等のメンテナンス作業を行う際には浮遊部材104が自由に移動することができるようになっている。すなわち、メンテナンス作業が煩雑・困難になるような事態を招くことがない。
【0082】
第2フィルタ86が目詰まりを起こした場合には、該第2フィルタ86に対して逆洗を施せばよい。すなわち、分岐管122を介して、濾過膜120(図7参照)の内周壁部から矢印Y2方向に指向して逆洗水を導入する。この逆洗水は、流路119に進入する際、濾過膜120の外周壁面に付着した異物等を機械的に分離した後、該異物を同伴して矢印Y2方向に流通し、流路119の出口(図示せず)から排出される。
【0083】
また、キャビテーション発生用液L2の噴流によって噴射ノズル34の吐出用突端部材108が摩耗した場合には、この吐出用突端部材108を新たなものに交換すればよい。このように、吐出用突端部材108を交換可能としたことにより、噴射ノズル34を筒状部材106ごと交換することが不要となる。したがって、噴射ノズル34に要するコストを低減することができる。
【0084】
さらに、浸漬液L1およびキャビテーション発生用液L2として水を使用することができるので、環境への負荷が著しく低減される。また、作業環境も安全である。しかも、砥粒を使用しないので、砥粒を除去する等の煩雑な工程が必要となることもないという利点もある。
【0085】
なお、上記した実施の形態においては、噴射ノズルとして、筒状部材106と吐出用突端部材108とが別部材である噴射ノズル34を例示したが、筒状部と該筒状部から突出形成された突端部とが同一部材からなる噴射ノズルであってもよいことはいうまでもない。
【0086】
また、噴射口110がオリフィス状に急激に絞られた噴射ノズル34を使用してキャビテーションを発生させる場合、該噴射口110から噴射する液体は、脱気されたものである必要は特にない。
【0087】
勿論、噴射口がオリフィス状に急激に絞られた噴射ノズルを使用し、かつ、この噴射ノズルを介して、脱気手段によって予め脱気された液体を噴射するようにしてもよい。さらに、上記した実施の形態においては、浸漬液L1およびキャビテーション発生用液L2として純水を用いるようにしたが、水を用いるようにしても勿論構わない。
【0088】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、バリによる突起がほとんどなく、かつ、交差部のエッジが立って構成される良好な燃料ポンプ用インペラーとすることができる。
【0089】
また、本発明に係る燃料ポンプ用インペラーの製造方法によれば、脱気手段によって予め脱気された液体を噴射するか、または、噴射口がオリフィス状に急激に絞られた噴射ノズルを使用してキャビテーションを発生させるようにしている。このため、キャビテーションを効率よく発生させることができるので、成形加工品に付着した切り屑や工作油等の異物を効率よく洗浄除去することができるとともに、該成形加工品のバリを確実に除去することができる。結局、清浄でかつバリによる突起がほとんどなく、かつ、交差部のエッジが立って構成される良好な燃料ポンプ用インペラーを得ることができるという効果が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る燃料ポンプ用インペラーの一部切欠斜視図である。
【図2】図2Aは図1の要部拡大図である。図2Bは図2AのA−A線上の断面図である。
【図3】本実施の形態に係る燃料ポンプ用インペラーの製造方法のフローチャートである。
【図4】成形加工品に対する洗浄・バリ取り加工を施すためのキャビテーション発生装置の概略全体構成図である。
【図5】図4のキャビテーション発生装置を構成する脱気モジュールの一部切欠斜視図である。
【図6】図4のキャビテーション発生装置を構成する噴射ノズルの先端部の概略断面構成図である。
【図7】図4のキャビテーション発生装置を構成する第2フィルタの概略断面構成図である。
【図8】図6の噴射ノズルからキャビテーション発生用液が噴射されている状態を示す概略断面構成図である。
【図9】燃料ポンプを構成するインペラーの正面図である。
【図10】図9のインペラーの一部切欠斜視図である。
【図11】図10の要部拡大図である。
【符号の説明】
13、26…インペラー 14…軸孔
17…回転翼 17a、17b…羽根板
18…リブ部 19…小貫通孔
20a〜20c…バリ 26a…成形加工品
30…キャビテーション発生装置 32…貯留槽
34…噴射ノズル 36…真空ポンプ(脱気手段)
38…供給槽 40、84…送液ポンプ(送液機構)
42…水処理装置 50…脱気モジュール
52…容器 58…内室
62…排気管 64…中空糸膜
70、72、102…バルブ 74、86…フィルタ
80…傾斜部 82…第2水平部
90…クランプ台 92、94…液面検知器
96、98…温調器 100…連通管
104…浮遊部材 105…液路
106…筒状部材 108…吐出用突端部材
110…噴射口 112…吐出口
113…円柱状孔部 114…小径孔部
116…テーパ状孔部 120…濾過膜
L1…浸漬液 L2…キャビテーション発生用液
CA…キャビテーション CO…縮流
V…渦流

Claims (5)

  1. 略円板状に形成され、表裏両面を有する合成樹脂製の燃料ポンプ用インペラーであって、
    該インペラーを回転動作させる回転軸を通すための軸孔と、
    前記軸孔の近傍に形成され、表裏両面を貫通する貫通孔と、
    前記インペラーの外周に形成され、内部に羽根板が配置される複数の通路と、
    を有し、
    前記複数の通路内に配置される前記羽根板が、互いに略V字状をなすように形成されてなる燃料ポンプ用インペラーの製造方法において、
    成形装置にて前記燃料ポンプ用インペラーに対応する形状の成形品を成形する第1工程と、
    前記成形品を切削あるいは研削加工して成形加工品とする第2工程と、
    噴射ノズルから第1の液体を第2の液体中に噴射することに伴って前記第2の液体中にキャビテーションを発生させ、該キャビテーションによって前記第2の液体中に浸漬された前記成形加工品に対してバリ取り加工を施す第3工程と、
    を有し、
    前記第3工程では、前記複数の通路内に配置される前記略V字状の羽根板の中央部のような奥まった部位で発生したバリが極力小となり、かつ、各交差部の曲率半径が極力小となるように前記バリ取り加工を施し、
    前記噴射ノズルは、内周壁部と先端壁部とが互いに略90°の角度をなし、かつ前記先端壁部にオリフィス状の噴射口が設けられた筒状部材と、前記噴射口を囲繞する突端部とを有し、
    前記突端部には、前記噴射口に連通し、かつテーパ状に拡開したテーパ部を有する吐出口が設けられていることを特徴とする燃料ポンプ用インペラーの製造方法。
  2. 請求項1記載の製造方法において、前記第1の液体として、脱気された液体を使用することを特徴とする燃料ポンプ用インペラーの製造方法。
  3. 請求項記載の製造方法において、前記第2の液体を予め脱気することを特徴とする燃料ポンプ用インペラーの製造方法。
  4. 請求項2または3記載の製造方法において、前記第1の液体および前記第2の液体は、脱気された水であることを特徴とする燃料ポンプ用インペラーの製造方法。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の製造方法において、ポリフェニレンサルファイドを原材料として前記成形品を作製することを特徴とする燃料ポンプ用インペラーの製造方法。
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