JP3975910B2 - 放熱体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、大電圧・大電流を制御する半導体装置に用いられる放熱体に係り、特に半導体チップ等の発熱体を搭載している被放熱体に伝わる熱を放散させるのに好適な放熱体に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置としてのパワーモジュールは、一般に、半導体チップがパワーモジュール用基板に搭載され、半導体チップの熱がパワーモジュール用基板に伝達されることから、パワーモジュール用基板に伝わる熱を放熱する必要がある。
このような被放熱体としてのパワーモジュール用基板は、セラミックス材料からなる絶縁基板(セラミックス基板)に金属薄板が直接積層され、この金属薄板に可塑性多孔質金属層を介し、ヒートシンクからなる放熱体が積層接着される(例えば、特許文献1参照)。可塑性多孔質金属層は、気孔率20〜50%のCuの多孔質焼結体であって、絶縁基板が、これに搭載されている半導体チップからの熱を受けたとき、その熱変形を吸収する応力緩和層をなす構成であり、これにより、絶縁基板及び放熱体の反りや割れを防止できて、放熱体が良好な放熱作用を果たすこともできるようになっている。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−335652号公報(第4−12頁、図1〜図5)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記従来では、被放熱体としてのパワーモジュール用基板に設けられた可塑性多孔質金属層が、絶縁基板や放熱体の熱変形を吸収するので、絶縁基板と放熱体との熱膨張係数が異なっても、絶縁基板,放熱体に反りや割れが起こるのを防止できるようにしているものの、絶縁基板と放熱体との間に可塑性多孔質金属層が介在しているので、その分だけ熱抵抗が上昇して熱伝導率が低下してしまい、そのため、放熱体の放熱効果が悪くなっていた。
【0005】
一般に、放熱体は、被放熱体との間で互いに熱膨張係数の異なる材質で構成する場合、両者の熱膨張係数の差による反りを防止するために、両者の熱膨張係数を合わせることが容易に考えられる。この場合、熱膨張係数の低い方(被放熱体)に合わせることになるが、そうすると、反りを低減できる反面、その分だけ熱伝導率が低下して放熱効果の低下をきたしてしまい、反り対策と良好な放熱効果との双方を兼ね備えたものの要請に応えることができない問題があった。
【0006】
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、被放熱体と間で熱膨張係数差があっても、これに拘わることなく反りを低減することができると共に、熱伝導率が低下することも抑制することができる放熱体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、この発明は以下の手段を提案している。
請求項1に係る発明は、被放熱体の熱を放熱させる放熱体であって、前記放熱体は、放熱体本体に該放熱体本体の熱膨張係数より低い材質からなる低熱膨張材を積層してなり、該低熱膨張材の厚さが、前記放熱体本体の厚さの0.05倍以上0.10倍以下で形成され、前記低熱膨張材の被放熱体と対応する領域に、放熱体側の熱膨張係数と被放熱体側の熱膨張係数との差に基づき、段差部が設けられていることを特徴とする。
【0008】
この発明に係る放熱体によれば、放熱体が、放熱体本体と低熱膨張材とを積層した構成となっているので、放熱体全体の熱膨張係数を確実に下げ、被放熱体と放熱体全体との熱膨張係数の差が可及的に小さくなる。このため、被放熱体と放熱体とをはんだ等によって接合した場合、放熱体に被放熱体に向かう反りが発生することを確実に抑制することになる。
【0010】
また、この発明に係る放熱体によれば、低熱膨張材の厚さが、放熱体本体の厚さの0.10倍以下で形成されているので、放熱体全体の熱膨張係数を確実に下げるとともに、放熱体全体の熱伝導率の低下を最小限に抑制することになる。これにより、被放熱体と放熱体とをはんだ等によって接合した場合、放熱体に被放熱体に向かう反りが発生することを抑制するとともに、放熱体に必要最小限の熱伝導率を備えさせることになる。
【0012】
さらに、この発明に係る放熱体によれば、低熱膨張材の厚さが、放熱体本体の厚さの0.05倍以上で形成されているので、放熱体全体の熱膨張係数に寄与する低熱膨張材の影響を最小限維持することになり、放熱体全体としての熱膨張係数を確実に下げ、被放熱体と放熱体全体との熱膨張係数の差が可及的に小さくなる。このため、被放熱体と放熱体とをはんだ等によって接合した場合、放熱体に被放熱体に向かう反りが発生することを確実に抑制することになる。
【0014】
また、この発明に係る放熱体によれば、低熱膨張材の被放熱体と対応する領域に、放熱体と被放熱体との熱膨張係数の差に基づいて段差部を設けたので、前記領域における放熱体と被放熱体との熱膨張係数の差を緩和することになる。これにより、被放熱体と放熱体とをはんだ等によって接合した場合、放熱体に被放熱体に向かう反りが発生することを確実に抑制することになる。
【0015】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の放熱体において、前記段差部は、放熱体において、被放熱体側の熱膨張係数が放熱体側の熱膨張係数より小さいとき、低熱膨張材の前記被放熱体と対応する領域を、被放熱体から遠ざかる方向に凹ませて形成する一方、被放熱体側の熱膨張係数より放熱体側の熱膨張係数が小さいとき、低熱膨張材の前記被放熱体と対応する領域を、被放熱体に近づく方向に***させて形成することを特徴とする。
【0016】
この発明に係る放熱体によれば、被放熱体側の熱膨張係数と放熱体側の熱膨張係数との差に応じて、低熱膨張材の段差部の積層方向に対する配設位置を変えるので、放熱体の被放熱体と対応する領域における熱膨張係数に与える低熱膨張材の影響を調整することができ、放熱体の熱膨張係数を見かけ上調整できる構成となっている。これにより、被放熱体と、この被放熱体と対応する領域における放熱体との熱膨張係数の差を確実に緩和することができ、被放熱体と放熱体とをはんだ等によって接合した場合、放熱体に被放熱体に向かう反りが発生することを確実に抑制することになる。
【0017】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の放熱体において、前記低熱膨張材には、これを貫通する孔が穿設されていることを特徴とする。
【0018】
この発明に係る放熱体によれば、低熱膨張材に設けられた孔に放熱体本体を充填し、低熱膨張材を放熱体本体に鋳ぐませる構成とすることができ、これにより、低熱膨張材の孔を介して被放熱体からの熱を確実に放熱体の積層方向に伝達し、この熱を外部に良好に放熱することになる。以上により、放熱体の熱膨張係数の低下と熱伝導率の低下抑制とを確実に実現することになる。
また、低熱膨張材に設けられた孔に放熱体本体を鋳ぐませる構成の他、前記孔に放熱体本体と同一材質の平板又は粉末材料を低熱膨張材の厚さ分だけ充填した後、この低熱膨張材の上下面に放熱体本体をろう材を介して積層接合させた構成としても前述と同様の作用を奏することになる。
【0019】
請求項4に係る発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の放熱体において、前記低熱膨張材は、リブを有していることを特徴とする。
【0020】
この発明に係る放熱体によれば、低熱膨張材がリブを有していると、放熱体全体としての剛性が上がり、強度を増大させることになるので、被放熱体と放熱体とをはんだ等によって接合した場合、放熱体に被放熱体に向かう反りが発生することを一層確実に抑制することになる。
【0021】
請求項5に係る発明は、請求項3又は4に記載の放熱体において、前記孔は、前記低熱膨張材において、被放熱体と対応する領域に設けられた断面積より、該対応領域の周辺領域に設けられた断面積を大きくさせていることを特徴とする。
【0022】
この発明に係る放熱体によれば、低熱膨張材において、被放熱体との対応領域に設けられた孔の断面積が、その対応領域の周辺領域に設けられた孔の断面積より小さくなっているので、放熱体の前記対応領域における曲げに対する剛性の低下を最小限に抑制することになる。これにより、被放熱体からの熱の影響で、前記対応領域が熱変形を受けて反りが発生することを抑制することになる一方、前記対応領域より周辺領域に設けられた孔の断面積が大きくなることで、放熱体本体間の熱伝導を一層良好にさせることになる。以上により、被放熱体と放熱体とをはんだ等によって接合した場合、放熱体に被放熱体に向かう反りが発生することを確実に抑制することになるとともに、放熱体の熱伝導を良好に行うことになる。
【0023】
請求項6に係る発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の放熱体において、前記低熱膨張材は、前記一方の面と他方の面とに亘る厚み方向と連絡し、かつ該厚み方向と交差方向で互いに連なる連絡開口部を有して設けられ、かつ該連絡開口部を介して放熱体本体に鋳ぐまれる構成としたことを特徴とする。
【0024】
この発明に係る放熱体によれば、放熱体に低熱膨張材が設けられているとともに、低熱膨張材に前記連絡開口部を設け、この連絡開口部を介して放熱体本体を充填し、低熱膨張材が放熱体本体に鋳ぐまれる構成としたので、放熱体全体としての熱膨張係数を確実に下げることになるとともに、熱伝導率の低下を確実に抑制することになる。従って、被放熱体と放熱体とをはんだ等によって接合した場合、放熱体に被放熱体に向かう反りが発生することを確実に抑制することができるとともに、放熱体自体の熱伝導率が低下することも抑制することができる。
【0025】
請求項7に係る発明は、請求項6記載の放熱体において、前記低熱膨張材は、帯状の単位板状体を同列位置で互いに組付けて前記連絡開口部を連続的に有する連鎖状体に形成し、該連鎖状体を同一平面上で複数列設けると共に、互いに隣接する列毎に前記連絡開口部の位置をずらして配設することを特徴とする。
【0026】
この発明に係る放熱体によれば、帯状の単位板状体を同列位置で互いに組付けて連絡開口部を連続的に有する連鎖状体に形成し、該連鎖状体を同一平面上で複数列設けるとともに、互いに隣接する列毎に前記連絡開口部の位置をずらして配設したので、一方の面と他方の面とに亘る厚み方向に互いに連なる連絡開口部を有する低熱膨張材を確実に形成できる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、この発明の実施の形態について説明する。図1はこの発明の第一実施形態に係る放熱体を適用したパワーモジュールを示す全体図である。
本第一実施形態のパワーモジュール10は、図1に示すように、被放熱体としてのパワーモジュール用基板11に放熱体16が接合して構成されている。
パワーモジュール用基板11は、例えばAlN,Al,Si,SiC等により所望の大きさに形成された絶縁基板であって、その上面に回路層12が,下面に金属層13が各々積層接合される。回路層12及び金属層13は、純Al,Al合金,Cu等により形成されている。以下、パワーモジュール用基板11を「絶縁基板11」と略称する。
【0028】
絶縁基板11の回路層12上にはんだ14によって半導体チップ30が搭載される一方、絶縁基板11の金属層13の下面にはんだ15によって、或いはろう付けや拡散接合等によって放熱体16が接合され、更に、この放熱体16が冷却シンク部31に取り付けられて使用され、該冷却シンク部31内の冷却水(或いは冷却空気)32により、放熱体16に伝達される熱が外部に放熱されることで、パワーモジュール10が構成されている。放熱体16は、冷却シンク部31に取付ねじ33によって密着した状態で取り付けられる。
【0029】
また、放熱体16の放熱体本体17に低熱膨張材18が、図示しないろう材を介して積層接合されている。放熱体本体17は、例えば純Al,Al合金,純Cu,又はCu合金等,好ましくは純度99.5%以上の純Alのような熱伝導性の良好な材質,いわゆる高熱伝導材によって形成されている。高熱伝導材としては、熱伝導率が例えば、100W/m・K以上,好ましくは150W/m・K以上のものである。
【0030】
一方、低熱膨張材18は平板とされ、放熱体本体17の熱膨張係数より低い熱膨張係数の材質からなっており、放熱体本体17に積層することで、放熱体16全体の熱膨張係数と絶縁基板11の熱膨張係数との差を可及的に近づけさせるためのものである。この低熱膨張剤18は、Fe―Ni系合金,例えばインバー合金からなり、熱膨張係数がおよそ2.0×10−6/℃以下である。
ここで、インバー合金とは、室温付近でほとんど熱膨張が生じない合金であって、Feが64.6mol%で、Niが35.4mol%の組成率となっている。但し、Fe中には、それ以外の不可避不純物が含まれたものもインバー合金と呼ばれている。
【0031】
このような材質からなる低熱膨張材18は、前述したように、放熱体本体17と17との間に図示しないろう材を介して積層接合されている。従って、放熱体16は二枚の放熱体本体17と一枚の低熱膨張材18との三層構造であって、絶縁基板11側と冷却シンク部31側とに放熱体本体17が配置された構成となっている。
【0032】
また、この低熱膨張材18の積層方向の厚さAは、放熱体本体17の積層方向の厚さBの0.05倍以上0.10倍以下で形成されている。これは、放熱体16自体に低熱膨張材18を設けると、それだけ熱伝導率が低下するため、この熱伝導率の低下を極力抑えるためであるとともに、この熱伝導率の低下を抑えるために、徒に低熱膨張材18の厚さAを薄くすると、放熱体16自体の熱膨張係数に寄与する低熱膨張材18の影響が小さくなり、放熱体16自体の熱膨張係数が放熱体本体17の熱膨張係数と略同一となることを回避するためである。
すなわち、低熱膨張材18の厚さAを放熱体本体の厚さBの0.05倍以上0.10倍以下とすることにより、低熱膨張材18による放熱体16自体の熱膨張係数の低下,すなわち放熱体16の反り発生抑制と、放熱体16自体の熱伝導率の低下抑制とを図る構成となっている。
【0033】
以上説明したように、本第一実施形態による放熱体16によれば、放熱体16が、放熱体本体17と低熱膨張材18とを互いに積層して形成されているので、放熱体16全体としての熱膨張係数を確実に下げることができ、絶縁基板11と放熱体16全体との熱膨張係数の差を可及的に小さくすることができる。
【0034】
このため、絶縁基板11と放熱体16とをはんだ15(若しくはろう付けや拡散接合等)によって接合した場合、放熱体16に絶縁基板11に向かう反りが発生することを確実に抑制することができる。これにより、放熱体16を冷却シンク部31に取り付けても、冷却シンク部31と放熱体16との間に間隙が発生することを防止することができ、放熱体16から冷却シンク部31への熱の伝導効率低下を抑制することができる。
【0035】
しかも、低熱膨張材18が金属であってかつ相応の熱伝導率を有しているので、絶縁基板11上の半導体チップ30からの発熱が、回路層12,絶縁基板11,金属層13,はんだ15,放熱体16及び冷却シンク部31を介して外部に良好に放熱されることになる。すなわち、パワーモジュール10全体としての熱伝導率が低下することを抑制することができ、パワーモジュール10全体としての温度上昇を抑制することができる。従って、絶縁基板11と放熱体16との熱膨張係数に差があっても、放熱体16の反り発生抑制効果を備えた,良好なパワーモジュール10を得ることができる。
【0036】
また、低熱膨張材18の積層方向の厚さAは、放熱体本体17の積層方向の厚さBの0.05倍以上0.10倍以下で形成されているため、放熱体16自体の熱伝導率を低下させることなく、熱膨張係数の低下を図ることができる。
すなわち、低熱膨張材18の厚さAを、放熱体本体17の厚さBの0.05倍以下で形成すると、放熱体16自体の熱伝導率の低下を抑制することはできるが、放熱体16自体の熱膨張係数に寄与する低熱膨張材18の影響が小さくなり、放熱体16自体の熱膨張係数が、高熱膨張材である放熱体本体17のものと略同一となる。また、低熱膨張材18の厚さAを、放熱体本体17の厚さBの0.10倍以上で形成すると、放熱体16自体の熱膨張係数の低下を図ることができるが、放熱体16自体の熱伝導率が低下することになる。以上により、前記厚さAと厚さBとを前記範囲に設定することにより、放熱体16の熱膨張係数の低下,すなわち放熱体16の反り発生抑制と、放熱体16の熱伝導率の低下抑制とを両立させた,良好なパワーモジュール10を得ることができる。
【0037】
次に、本発明の第二実施形態について説明するが、前述の第一実施形態と同様の部位には、同一符号を付し、その説明を省略する。
本第二実施形態による放熱体を適用したパワーモジュールにおいては、図2,図3に示すように、低熱膨張材18の絶縁基板11と対応する領域に、積層方向に***して又は凹んで形成された段差部20が設けられている。この段差部20は、放熱体16側の熱膨張係数が絶縁基板11側の熱膨張係数より大きい場合、段差部20は、図2に示すように、放熱体16内において、低熱膨張材18の絶縁基板11との対応領域を、冷却シンク部31に近づくように、つまり絶縁基板11側から遠ざかるように凹んで形成される。
【0038】
反対に、絶縁基板11側の熱膨張係数が放熱体16側の熱膨張係数より大きい場合、図3に示すように、放熱体16内において、低熱膨張材18の絶縁基板11と対応する領域が、冷却シンク部31から遠ざかるように、つまり、絶縁基板11側に近づくように***して形成される。
【0039】
すなわち、放熱体16内における低熱膨張材18の段差部20の位置は、絶縁基板11側の熱膨張係数α1と放熱体16側の熱膨張係数α2との大きさに基づいて決定され、例えばα1<α2のとき(図2)、t1(放熱体16の絶縁基板11との接合面から段差部20までの距離)>t2(放熱体16の冷却シンク部31との接合面から段差部20までの距離)となる一方、α1>α2のとき(図3)、t1<t2となる。このt1及びt2の寸法は、具体的には、α1及びα2の大きさの比率に基づいて適宜決定されることとなる。
なお、図2及び図3は、低熱膨張材18における段差部20の積層方向における配設位置が異なるだけであり、それ以外は同様に構成されている。
【0040】
以上説明したように、本第二実施形態による放熱体によれば、放熱体16に低熱膨張材18が設けられているので、基本的には前述した第一実施形態と同様の作用効果が得られる。
ところが、放熱体16側の熱膨張係数と、絶縁基板11側の熱膨張係数との差は、放熱体16に低熱膨張材18を配設し放熱体16の熱膨張係数を可及的に小さくしているにも拘わらず、必然的に差が生じてしまうことになる。
【0041】
しかし、本第二実施形態では、前述のように、放熱体16内の低熱膨張材18において、絶縁基板11と対応する領域に、絶縁基板11側の熱膨張係数α1と放熱体16側の熱膨張係数α2との大きさに基づき、絶縁基板11側と冷却シンク部31側とのいずれかに近づくよう段差部20が設けられているので、以下の作用が得られる。
【0042】
即ち、図2に示すように、絶縁基板11側の熱膨張係数α1が低熱膨張材18を有する放熱体16側の熱膨張係数α2より小さい場合、低熱膨張材18の段差部20が、絶縁基板11と対応する領域を、絶縁基板11から遠ざかる方向に凹んで形成されていると、放熱体16において、絶縁基板11が搭載されている面の反対側の面近傍における熱膨張係数が見かけ上、下がることになる。これにより、絶縁基板11側から放熱体16に亘った領域は、熱膨張係数が異なる3層に分けられた構成となる。すなわち、絶縁基板11側と、放熱体16において絶縁基板11が搭載されている面の反対側の面近傍との2層の低熱膨張層と、この低熱膨張層を除く放熱体16の1層の高熱膨張層とである。従って、前記高熱膨張層が、前記2層の低熱膨張層に挟まれた構成となり、前記低熱膨張層の熱膨張係数を、パワーモジュール10全体としての熱膨張係数に対して支配的とする構成を実現することができる。
【0043】
これにより、絶縁基板11側と放熱体16側とに熱膨張係数の差があっても、放熱体16に反りが発生することを抑制することができ、また、低熱膨張材18が金属であってかつ相応の熱伝導率を有していることから、絶縁基板11上の半導体チップ30からの発熱が、回路層12,絶縁基板11,金属層13,はんだ15,放熱体16及び冷却シンク部31を介して外部に良好に放熱されることになる。すなわち、パワーモジュール10全体としての熱伝導率が低下することを抑制することができ、パワーモジュール10全体としての温度上昇を抑制することができる。この結果、絶縁基板11と放熱体16との熱膨張係数に差があっても、放熱体16の温度上昇を抑制することができるため、放熱体16の反り発生抑制効果を備えた,良好なパワーモジュール10を得ることができる。
【0044】
一方、図3に示すように、放熱体16側の熱膨張係数α2が絶縁基板11側の熱膨張係数α1より小さい場合、低熱膨張材18の段差部20が、絶縁基板11との対応領域を絶縁基板11側に近づく方向に***して形成されていると、放熱体16において、絶縁基板11が搭載されている面の反対側の面近傍における熱膨張係数が見かけ上、上がることになる。これにより、絶縁基板11側から放熱体16側に亘った領域は、熱膨張係数が異なる3層に分けられた構成となる。すなわち、絶縁基板11側と、放熱体16において絶縁基板11が搭載されている面の反対側の面近傍との2層の高熱膨張層と、この高熱膨張層を除く放熱体16の1層の低熱膨張層とである。すなわち、前記低熱膨張層が、前記2層の高熱膨張層に挟まれた構成となり、前記高熱膨張層の熱膨張係数を、パワーモジュール10全体としての熱膨張係数に対して支配的とする構成を実現することができる。
【0045】
この結果、絶縁基板11と放熱体16との熱膨張係数の差に拘わることなく、放熱体16の反り発生抑制と熱伝導率の低下の抑制とを両立させた,良好なパワーモジュール10を得ることができる。
【0046】
次に、本発明の第三実施形態について説明するが、前述の第二実施形態と同様の部位には、同一符号を付し、その説明を省略する。
本第三実施形態による放熱体を適用したパワーモジュールにおいては、図4,図5に示すように、低熱膨張材18にこれを貫通する孔19が複数穿設され、この孔19を介して低熱膨張材18が放熱体本体17に鋳ぐまれた構成となっている。換言すれば、低熱膨張材18表裏面に放熱体本体17が積層して設けられ、これら放熱体本体17は、孔19を介して連通した構成となっている。この孔19は、放熱体16自体に低熱膨張材18を設けると、それだけ熱伝導率が低下するので、その熱伝導率が低下するのを極力抑えるようにするためのものである。また、孔19は、図5に示すように、低熱膨張材18において、絶縁基板11と対応する領域Aには孔19の穿設される数を少なくするとともに、前記対応領域Aの周辺領域Bには孔19の穿設される数を多くしている。
【0047】
つまり、低熱膨張材18において絶縁基板11との対応領域Aと、これを除く周辺領域Bとでは、孔19の断面積の分布が異なった構成となっている。これは、対応領域Aにおける放熱体16の曲げに対する剛性低下と、放熱体16全体の熱伝導率の低下とを最小限に抑制するためのものである。ここで、低熱膨張材18に穿設される孔19の数が徒らに増えると、低熱膨張材としての機能を果たし難くなることから、低熱膨張材18の表面積に対し、絶縁基板11,放熱体本体17及び低熱膨張材18の材質等に基づき、およそ20〜50%の割合の面積で孔19が形成されることが好ましい。なお、孔19は、本実施形態では丸孔をなしているが、その形状は任意である。また、図4は、図3に対応させて図示しており、冷却シンク部31が省略されている。
【0048】
以上説明したように、本第三実施形態による放熱体によれば、低熱膨張材18に段差部20が設けられているので、放熱体16側と絶縁基板11側との熱膨張係数差を見かけ上小さくすることができ、放熱体16の反り発生を抑制することができる。
これに加え、低熱膨張材18に孔19が設けられ、この孔19に放熱体本体17を充填し低熱膨張材18を放熱体本体17により鋳ぐるませた構成となっているので、絶縁基板11側の放熱体本体17から冷却シンク部31側の放熱体本体17への熱伝導を良好に行うことができ、これによって、放熱体16本来の放熱効果を的確に果たすことができる。
【0049】
しかも孔19は、図5に示すように、絶縁基板11との対応領域Aでは、その周辺領域Bより少ない個数で穿設され、孔19の断面積が周辺領域Bでのそれより少なくした構成となっているので、放熱体16の対応領域Aにおける曲げに対する剛性の低下を最小限に抑制することができる一方、周辺領域B内の孔19の断面積が対応領域Aより大きくなることで、放熱体16全体の熱伝導率の低下を最小限に抑制することができる。
【0050】
なお、本実施形態においては、低熱膨張材18に設けられた孔19に放熱体本体17を鋳ぐませた構成を示したが、孔19に放熱体本体17と同一材質の平板又は粉末材料を低熱膨張材18の厚さ分だけ充填した後、この低熱膨張材18の上下面に放熱体本体17をろう材を介して積層接合させた構成としてもよい。
【0051】
次に、本発明の第四実施形態について説明するが、前述の第一〜第三実施形態と同様の部位には、同一符号を付し、その説明を省略する。
本第四実施形態による放熱体を適用したパワーモジュールは、図6,図7に示すように、放熱体16に設けられた低熱膨張材18がリブ(符示せず)を有している。
リブは、低熱膨張材18に設けられる孔19を形成する際に、予め所定の厚みに形成された板材に図6に示す切り込み(18a、18b)を形成し、この切り込みを利用することで形成される。即ち、予め設けられた切り込みを上下方向に立上げたり,立下げたりして折り曲げることで、立上げ片18a及び立下げ片18bが共に形成され、これらからなるリブを有する低熱膨張材18が形成される。
そして、この低熱膨張材18が放熱体本体17と17との間に挟着され、この際、立ち上げ片18a,立ち下げ片18b及び孔19を有する低熱膨張材18全体が放熱体本体17に鋳ぐまれることで、放熱体16が形成される。
【0052】
以上説明したように、本第四実施形態による放熱体によれば、放熱体16が、放熱体本体17と孔19を備えた低熱膨張材18とを備え、放熱体本体17が孔19に充填され低熱膨張材18を鋳ぐるんだ構成をなしているので、基本的は前述した第三実施形態と同様の作用効果が得られる。
これに加え、低熱膨張材18が立上げ片18a及び立下げ片18bからなるリブを有しているので、放熱体16全体としての剛性が上がり、強度を増大させることができるので、これによっても、絶縁基板11の熱による反りをより一層抑えることができる。
【0053】
なお、低熱膨張材18が、本第四実施形態では、放熱体本体17間に積層されたり、また放熱体本体17間に挟着することで設けられた例を示したが、これに限らず、例えば、粉末冶金によって孔19付き板を焼成した後、これにリブを後付けして設けるようにしてもよく、又は、ダイカスト鋳造法によって形成することもでき、更には、熱間鍛造により高温処理される溶融鍛造法によって形成することもできる。それ以外として、以下に示すように放熱体16を構成することもできる。
【0054】
次に、本発明の第五実施形態について説明するが、前述の第一〜第四実施形態と同様の部位には、同一符号を付し、その説明を省略する。
本第五実施形態による放熱体を適用したパワーモジュールは、図8,図9に示すように、低熱膨張材18が、絶縁基板11側の放熱体本体17と接合される一方の面と、冷却シンク部31側の放熱体本体17と接合される他方の面とに亘る厚み方向に連絡すると共に、該厚み方向と交差方向で互いに連なる開口空間部40を有して設けられ、かつ該開口空間部40に放熱体本体17が充填されることで、図8に示すように、放熱体本体17に鋳ぐまれる構成となっている。
【0055】
具体的に述べると、低熱膨張材18は、図9に示すように、例えば二枚からなる帯状の単位板状体41,42を前記厚み方向に沿って組付けることで連絡開口部40を連続的に有する連鎖状体43が形成される。そして、これら連鎖状体43が同一平面上で複数列設けられると共に、連絡開口部40を互いに隣接する列毎に互い違いに配列して形成される。
【0056】
このように形成された低熱膨張材18は、放熱体16の形成時、放熱体本体17の材料が注入されると、その材料が連絡開口部40内に側方から充填される。そして、この低熱膨張材18は、側面から見たとき、図8に示すように、絶縁基板11側である上層の放熱体本体17と、冷却シンク部31側である下層の放熱体本体17との間に埋設されることになる。
【0057】
以上説明したように本第五実施形態によるパワーモジュールによれば、低熱膨張材18が前記厚み方向に沿って放熱体本体17に鋳ぐまれているので、放熱体16全体の熱膨張係数を下げることができ、また連絡開口部40により放熱体本体17が絶縁基板11からの熱を良好に受けると共に、その熱を冷却シンク部31に対して伝達させることができる。従って、放熱体16の反りを抑えつつ熱伝導が良好となり、基本的には前述した第一〜第四実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0058】
なお、前述の第一〜第五実施形態では、放熱体本体17に積層された低熱膨張材18として、Fe―Ni系合金を用いた例を示したが、他の低熱膨張材、例えば高炭素鋼(Fe−C)、42合金、モリブデン(Mo)、タングステン(W)等で構成しても、同様の作用効果が得られる。
また、放熱体16表面に冷却シンク部31を設けた構成を示したが、この構成に限らず、コルゲートフィンを設けた構成としてもよい。すなわち、放熱体16表面にろう材を介して接合された接合部と、接合部の一端に設けられ接合部と直交して立上がる立上がり部と、立上がり部の上端に設けられ接合部に平行且つ離間する方向に延びる平坦部と、平坦部の一端に設けられ平坦部に直交且つ放熱体16に向かって折返る折返し部とを備えた突出部を、放熱体16の沿面方向に沿って繰返し連続して設けた構成としてもよい。なお、この構成においては、立上がり部と平坦部と折返し部と放熱体16表面とが空間を形成することになる。
さらに、放熱体16がパワーモジュール用基板11に取付られた例を示したが、この基板11に限らず、他の発熱体や熱源に取付られる場合にも適用することができ、放熱を必要とする種々の被放熱体に用いられることで実用上有益となる。
さらにまた、放熱体16が取り付けられるパワーモジュール用基板11として、放熱体16側の面に金属層13が設けられた例を示したが、金属層13を設けず絶縁基板11をはんだ15を介して放熱体16に直接接合しても、同様の作用効果が得られる。
また、前述した第五実施形態に示す低熱膨張材18に替えて,いわゆるコルゲート,コルゲートルーバ, 厚さ方向にエキスパンドした断面矩形の連絡開口部40を有するエキスパンド構造,若しくは第五実施形態で示したいわゆる,ハニカム構造を一層設けたもの,又は前記各構成のうちの一つを複数積層させた構成としてもよい。
さらに、前記第一〜第四実施形態に示す平板により形成された低熱膨張材18に替えて、気孔率10%以上80%以下の,いわゆる低密度成型体としてもよい。例えば、圧紛体,グリーン体,又は発泡体,すなわちFe―Ni系合金の微細粒子が焼結されてなる中実の骨格間に、互いに連通する空隙が形成された三次元網目構造の多孔質焼結体でもよい。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、放熱体全体の熱膨張係数を確実に下げ、被放熱体と放熱体全体との熱膨張係数の差を可及的に小さくすることができる。このため、被放熱体と放熱体とをはんだ等によって接合した場合、放熱体に被放熱体に向かう反りが発生することを確実に抑制することができる。
【0060】
また、請求項1に係る発明によれば、放熱体全体の熱膨張係数を確実に下げるとともに、放熱体全体の熱伝導率の低下を最小限に抑制することができる。これにより、被放熱体と放熱体とをはんだ等によって接合した場合、放熱体に被放熱体に向かう反りが発生することを抑制することができるとともに、必要最小限の熱伝導率を有した放熱体を提供することができる。
【0061】
さらに、請求項1に係る発明によれば、放熱体全体の熱膨張係数に寄与する低熱膨張材の影響を必要最小限維持することになり、放熱体全体としての熱膨張係数を確実に下げ、被放熱体と放熱体全体との熱膨張係数の差を可及的に小さくすることができる。このため、被放熱体と放熱体とをはんだ等によって接合した場合、放熱体に被放熱体に向かう反りが発生することを確実に抑制することができる。
【0062】
また、請求項1に係る発明によれば、被放熱体とこの被放熱体と対応する領域における放熱体との熱膨張係数の差を確実に緩和することができる。これにより、被放熱体と放熱体とをはんだ等によって接合した場合、放熱体に被放熱体に向かう反りが発生することを確実に抑制することができる。
【0063】
請求項2に係る発明によれば、被放熱体と、この被放熱体と対応する領域における放熱体との熱膨張係数の差を緩和することができ、被放熱体と放熱体とをはんだ等によって接合した場合、放熱体に被放熱体に向かう反りが発生することを確実に抑制することができる。
【0064】
請求項3に係る発明によれば、低熱膨張材の上下面に各々放熱体本体を設け、低熱膨張材に設けられた孔に放熱体本体を充填し、低熱膨張材を放熱体本体で鋳ぐむ構成とすることができ、これにより、孔を介して放熱体の上下面に配設される放熱体本体同士を直接接する構成とすることができる。従って、被放熱体からの熱を確実に放熱体の積層方向に伝達し、この熱を外部に効率的に放熱することができる。以上により、放熱体の熱膨張係数の低下と熱伝導率の低下抑制とを確実に実現することができる。
【0065】
請求項4に係る発明によれば、低熱膨張材がリブを有しているので、放熱体全体としての剛性を上げ、強度を増大させることができるので、放熱体の被放熱体に向かう反り発生を確実に抑制することができる。
【0066】
請求項5に係る発明によれば、低熱膨張材において、被放熱体との対応領域に設けられた孔の断面積が、その対応領域の周辺領域に設けられた孔の断面積より少なくなっているので、放熱体の前記対応領域における曲げに対する剛性の低下を最小限に抑制することができる。これにより、被放熱体からの熱の影響で、前記対応領域が熱変形を受けて反りが発生することを抑制することができる一方、前記対応領域より周辺領域に設けられた孔の断面積が大きくなることで、放熱体の熱伝導率の低下を最小限に抑制することができる。
【0067】
請求項6に係る発明によれば、放熱体全体としての熱膨張係数を確実に下げることができるとともに、熱伝導率の低下を確実に抑制することができる。従って、被放熱体と放熱体とをはんだ等によって接合した場合、放熱体に被放熱体に向かう反りが発生することを確実に抑制することができるとともに、放熱体自体の熱伝導率が低下することを抑制することができる。
【0068】
請求項7に係る発明によれば、帯状の単位板状体を同列位置で互いに組付けて連絡開口部を連続的に有する連鎖状体に形成し、該連鎖状体を同一平面上で複数列設けるとともに、互いに隣接する列毎に前記連絡開口部の位置をずらして配設したので、一方の面と他方の面とに亘る厚み方向に互いに連なる連絡開口部を有する低熱膨張材を確実に形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第一実施形態に係る放熱体を適用したパワーモジュールを示す全体図である。
【図2】 この発明の第二実施形態に係る放熱体を適用したパワーモジュールを示す全体図であって、絶縁基板側の熱膨張係数が放熱体側の熱膨張係数より小さい場合を示す図である。
【図3】 この発明の第二実施形態に係る放熱体を適用したパワーモジュールを示す全体図であって、放熱体側の熱膨張係数が絶縁基板側の熱膨張係数より小さい場合を示す図である。
【図4】 この発明の第三実施形態に係る放熱体を適用したパワーモジュール示す全体図である。
【図5】 図4に示す低熱膨張材の平面図である。
【図6】 この発明の第四実施形態に係る放熱体を適用したパワーモジュールを示す全体図である。
【図7】 図6に示す低熱膨張材の平面図である。
【図8】 この発明の第五実施形態に係る放熱体の断面側面図である。
【図9】 図8に示す低熱膨張材の要部を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 パワーモジュール
11 パワーモジュール用基板(絶縁基板)
16 放熱体
17 放熱体本体(高熱伝導材)
18 低熱膨張材
18a 立ち上げ片(リブ)
18b 立ち下げ片(リブ)
19 孔
20 段差部
30 半導体チップ(チップ)
40 連絡開口部
41,42 単位板状体
43 連鎖状体
α1 絶縁基板側の熱膨張係数
α2 放熱体側の熱膨張係数
A 低熱膨張材の積層方向の厚さ
B 放熱体本体(高熱伝導材)の積層方向の厚さ

Claims (7)

  1. 被放熱体の熱を放熱させる放熱体であって、
    前記放熱体は、放熱体本体に該放熱体本体の熱膨張係数より低い材質からなる低熱膨張材を積層してなり、
    該低熱膨張材の厚さが、前記放熱体本体の厚さの0.05倍以上0.10倍以下で形成され、
    前記低熱膨張材の被放熱体と対応する領域に、放熱体側の熱膨張係数と被放熱体側の熱膨張係数との差に基づき、段差部が設けられていることを特徴とする放熱体。
  2. 請求項1に記載の放熱体において、
    前記段差部は、放熱体において、被放熱体側の熱膨張係数が放熱体側の熱膨張係数より小さいとき、低熱膨張材の前記被放熱体と対応する領域を、被放熱体から遠ざかる方向に凹ませて形成する一方、
    被放熱体側の熱膨張係数より放熱体側の熱膨張係数が小さいとき、低熱膨張材の前記被放熱体と対応する領域を、被放熱体に近づく方向に***させて形成することを特徴とする放熱体。
  3. 請求項1又は2に記載の放熱体において、
    前記低熱膨張材には、これを貫通する孔が穿設されていることを特徴とする放熱体。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の放熱体において、
    前記低熱膨張材は、リブを有していることを特徴とする放熱体。
  5. 請求項3又は4に記載の放熱体において、
    前記孔は、前記低熱膨張材において、被放熱体と対応する領域に設けられた断面積より、該対応領域の周辺領域に設けられた断面積を大きくさせていることを特徴とする放熱体。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の放熱体において、
    前記低熱膨張材は、前記一方の面と他方の面とに亘る厚み方向と連絡し、かつ該厚み方向と交差方向で互いに連なる連絡開口部を有して設けられ、かつ該連絡開口部を介して放熱体本体に鋳ぐまれる構成としたことを特徴とする放熱体。
  7. 請求項6記載の放熱体において、
    前記低熱膨張材は、帯状の単位板状体を同列位置で互いに組付けて前記連絡開口部を連続的に有する連鎖状体に形成し、該連鎖状体を同一平面上で複数列設けると共に、互いに隣接する列毎に前記連絡開口部の位置をずらして配設することを特徴とする放熱体。
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