JP3974945B2 - チタンスパッタリングターゲット - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、チタンからなるスパッタリングターゲットに関する。更に詳しくは、半導体素子などの表面にチタン配線や窒化チタン膜を形成する際好適に用いられるスパッタリングターゲットに関する。
【0002】
【従来の技術】
集積回路(LSI)の高集積化に伴い、半導体素子の回路は極めて微細なものが要求されているが、そのような要求に応じて基板上に回路形成のための膜組成として、高融点金属及びその化合物、例えばチタン及びチタン化合物が使われている。
【0003】
これら回路形成のための膜は主に純チタンをターゲットとして用いたスパッタリング法により成膜されており、純チタン膜が必要な場合にはアルゴンなどの不活性ガスを用いて、またチタン化合物膜が必要な場合(例えば窒化チタン膜)にはアルゴンガスと高融点金属と反応する反応ガス(例えば窒素)を混入してスパッタリングが行われる。
【0004】
特開昭62−294175号には、ヨウ素法により基体上に直接析出させて純チタン金属板を得てこれをスパッタリングターゲットとして用いることが、又、特開平3−130339号公報には、粗チタン粒を選別し酸洗浄を施し、電子ビーム溶解法により純チタン材を得てこれを同じくターゲットとして用いることが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来のターゲットには、不純物が化合物の形態で結晶粒界部に多数存在している。この不純物は、一般に母材の純チタンとは各種物性(例えば、スパッタ率)が異なるため、これを用いたスパッタリングの際にターゲット材表面に残留し易く、スパッタリング時の異常放電の原因となっている。この異常放電により、ターゲット表面の一部が破裂するなどして膜上に付着し微粒子(パーティクル)となる。このパーティクルの発生は、特にLSI等の半導体素子の製造工程においては配線の短絡、断線等の欠陥をもたらすため大きな問題となっている。
【0006】
パーティクル発生の原因である介在不純物は、特開平3−130339号に開示されているようにチタンを電子ビーム溶解等の溶解法で得る場合には、主に溶解前のチタン粉末よりもたらされている。チタンの電子ビーム溶解の場合、原料に固溶している元素に対しての除去効果はあっても、酸化物、窒化物等の化合物の形態で存在しているものは一般に分解温度が高く、加えて溶融状態が短時間しか持続しないため、通常のチタンの溶解条件では完全に分解させることができず、一部残留することになる。
【0007】
また、特開昭62−294175号に開示されているようなチタンをヨウ素法で得る場合には、一般的に生成速度が極めて遅いので他の製造方法に比較して長時間の操業になり、雰囲気及び機器からの汚染が起こり易い。また一度取り込まれた不純物をその操業中に除去することはほとんど不可能であるためチタンの粒界部の介在不純物は、溶解品よりは少ないものの存在する。
【0008】
本発明は、この問題点、すなわちチタン結晶粒界部の不純物の存在を解決し、スパッタ法により成膜する際にパーティクルの少ない純チタン膜もしくはチタン化合物膜を容易に得ることのできるチタンスパッタリングターゲットを提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上述のような問題点を解決するために研究を重ねた結果、溶解法、ヨウ素法、粉末冶金法等により製造した純チタン材を特定の条件で熱処理するなどして、結晶粒界部に存在する介在不純物を減少させたチタンスパッタリングターゲットは、これを用いてスパッタ成膜を行うことにより、パーティクル発生の少ない純チタン膜又はチタン化合物膜を得ることができることを見出し本発明を完成した。
【0010】
次に本発明について、その製造方法と共に詳細に説明するが本発明はこれに限定されるものではない。
【0011】
本発明の製造に用いる原料として、市販の高純度チタン材(純度99.9%以上)を使用することができる。このチタン材の製造方法は、溶解法、粉末冶金法などのいずれでも良いが、一般に溶解法(電子ビーム溶解法、真空アーク溶解法等)によるものの方が不純物が少なくより適している。
【0012】
スパッタリング法による成膜工程においては、ターゲット材の不純物はそのまま得られる膜の不純物となるため、ターゲット材中の不可避不純物元素(鉄、ニッケル、クロム、ナトリウム、カリウム、ウラン、トリウム等)は、極力少ないものが好ましく、特にLSI等の半導体素子の形成に使用する場合には、鉄、ニッケル、クロムがそれぞれ15ppm以下、ナトリウム、カリウムがそれぞれ0.5ppm以下、ウラン、トリウムについてはそれぞれ1ppb以下のものであることが好ましい。
【0013】
このチタン材に対して、処理温度200〜1200℃、処理時間1〜100時間の熱処理を行う。処理雰囲気は、主な介在不純物の種類によって、高真空中、わずかな酸化雰囲気又はわずかな還元雰囲気より選択される。例えば、水素化物が主成分の場合には高真空中もしくは酸化雰囲気で熱処理を行い、酸化物が主成分の場合には還元雰囲気で熱処理を行う。この処理により、介在不純物(各種化合物)は十分に分解し、チタン母材中に固溶もしくは母材外に排出され、低減される。スパッタリング時のパーティクル発生には主に1μm以上の介在不純物が寄与しており、また、介在物の数が少なければ少ないほど異常放電は減少しパーティクルも少なくなるので、実際の効果を考えると、ターゲット組織中の結晶粒界部に存在する径1μm以上の介在物の存在密度が、ターゲット平面1cm2当たり100個以下であることが必要である。上記した介在物の存在密度の測定は、ターゲットの任意の表面を鏡面研磨後に粒界腐蝕を施して、SEM(走査電子顕微鏡)とEPMA(電子プローブマイクロアナリシス)を用いて、組織観察及び元素分析を行い、面積当たりの個数を実測することで実施できる。一般に、SEMを用いて観察した場合、問題とする介在物は絶縁性でそのままの状態ではチタンに固溶しないため、チャージアップや微細粒として観察される。この部分をEPMAなどで元素分析,定量分析を行ってその成分を判別することができる。
【0014】
また、この熱処理の前後に塑性加工を施して組織を調整することも可能である。
【0015】
このようにして得られた純チタン材を所定の形状に加工してスパッタリングターゲット材とする。
【0016】
【発明の効果】
本発明のチタンターゲット材を用いて、スパッタリング法により成膜して得た純チタン膜あるいはチタン化合物膜は、膜上のパーティクルが少なく、例えば半導体素子の製造工程においては歩留まりの向上、生産性の向上が期待できる。
【0017】
【実施例】
次に実施例で本発明を更に詳細に説明する。
実施例1
出発原料として、市販の高純度チタン板材(溶解品、純度99.999%、ただしガス成分を除く)を用いて、以下の条件で熱処理を行った。
【0018】
真空度 :1×10−4Pa以下
処理温度:1000℃
処理時間:10時間
処理後、チタン材を取り出し、これより所定の大きさの円盤を切り出して、洗浄した。このチタン材を高純度銅製の冷却板にロウ付けしてスパッタリングターゲットとした。
【0019】
この表面を研磨後腐蝕処理して、電子プローブマイクロアナリシス(EPMA)を用いて結晶粒界部に存在する不純物を観察し元素分析を行って純チタン以外のものを計数した。この結果、結晶粒界部の1μm以上の介在不純物(主として金属酸化物)は1cm2当たり49個であった。
こうして得られた純チタンターゲットを用いて、以下の条件で実際に成膜した。
【0020】
スパッタ方式:DCマグネトロン
電流密度 :2mA/cm2
放電ガス圧 :0.5Pa
使用基板 :φ6インチシリコンウェハー
膜厚 :2000A
得られた純チタン膜上の3μm以上のパーティクルは11個であった。尚パーティクルの測定は、チタン膜を成膜したシリコン基板にハロゲンランプ(150W)を用いて光をあてて、パーティクルの反射光を目視により計数した(以下の例も同じ)。
比較例1
出発原料として、実施例1同様の高純度チタン材を用いて、熱処理を行わずにそのまま所定の寸法の円盤を切り出し実施例1同様にスパッタリングターゲットとした。
【0021】
実施例1同様にEPMAにより分析した結果、結晶粒界部の1μm以上の介在不純物(主として金属酸化物)は1cm2当たり167個であった。
【0022】
また、実施例1と同様の条件でスパッタ成膜した結果、得られた純チタン膜上の3μm以上のパーティクルは34個であった。
比較例2
出発原料として、ヨウ素法により作製した高純度チタン材を用いて、熱処理を行わずにそのまま所定の寸法の円盤を切り出し実施例1同様にスパッタリングターゲットとした。
【0023】
実施例1同様にEPMAにより分析した結果、結晶粒界部の1μm以上の介在不純物(主として金属酸化物)は、1cm2当たり106個であった。
また、実施例1と同様の条件でスパッタ成膜した結果、得られた純チタン膜上の3μm以上のパーティクルは22個であった。
Claims (2)
- ターゲットを構成するチタンの純度がガス成分を除き99.999%以上であり、かつ、その結晶粒界部に存在する1μm以上の介在物が、ターゲット平面1cm2当たり100個以下であることを特徴とするチタンスパッタリングターゲット。
- チタンの結晶粒界部に存在する介在物が、チタン又は鉄,ニッケル、クロム、アルミニウム、ケイ素、タングステン、モリブデンの金属成分の酸化物、窒化物、炭化物、硫化物、水素化物のうちの1種以上の組み合わせによる複合化合物である請求項1記載のチタンスパッタリングターゲット。
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