JP3971963B2 - 指掌紋採取における輝度頻度分布基準値の自動設定方法及びそれを用いた指掌紋採取装置 - Google Patents

指掌紋採取における輝度頻度分布基準値の自動設定方法及びそれを用いた指掌紋採取装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、指掌紋採取画像の自動濃度調整における輝度頻度分布基準値を自動的に設定する方法及びそれを用いた指掌紋採取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図8に従来の指掌紋採取装置の構成をブロック図で示す。光源4から照射される光がプリズム1の光学面2で全反射して撮像手段であるCCDカメラ5に入射するように、光源4、プリズム1、CCDカメラ5が配置されている。したがってプリズム1に採取対象となる指または掌が置かれていない場合、光源から照射された光はプリズム1の光学面2で全反射されCCDカメラ5に入射する。一方、プリズム1の光学面2に例えば指3が置かれると、指紋の隆線部分は光学面2に接触し、指紋の谷部分は光学面2に接触しない。そして光学面2に接触する隆線部分については、光の散乱が生じるために部分反射光がCCDカメラ5に入射し、光学面2に接触しない谷部分については光の散乱を生じずに全反射光がCCDカメラ5に入射することになり、これにより濃淡を生じて指紋像が得られる。
【0003】
このような指掌紋採取装置において、指紋や掌紋の画像を採取すると、入射光量が多すぎる場合は採取した指掌紋画像で隆線部分が薄くなる。一方、入射光量が不足の場合は採取した指掌紋画像で谷部分や背景が濃くなり、汚れなどが写ってしまう。つまりCCDカメラ5への入射光量を適切にすることが良好な指掌紋画像を一定して得る上で重要になる。しかるに光源4は経年変化や周囲温度の変化により光量が変化する。このため、一定した良好な指掌紋画像を得られるようにするには光源4の光量に応じた調整が必要となる。
【0004】
指掌紋画像の濃度調整に関しては例えば特開平8−272953号公報に、手動によりそれを調整する方法が開示されている。特開平8−272953号公報の「指掌紋押捺装置」は、入力操作部からの濃度を上げるか下げるかの濃度調整入力毎に、多値画像信号を画素対応に画素値が閾値を超えている場合のみ、その画素値に対して所定値を加算または減算する処理を最適な濃度になるまで手動による濃度調整入力で繰り返し行なうものである。
【0005】
上記のように従来の指掌紋採取装置には、CCDカメラへの入射光量を適切にすることが重要であるのに、光源の光量が経年変化や周囲温度の変化により変化し、これにより採取した指掌紋画像の濃度が採取時ごとに異なってしまうという問題があった。また特開平8−272953号公報の「指掌紋押捺装置」おけるように、手動で指掌紋画像の濃度調整を行なう手法はあったものの、この手動濃度調整手法には、指掌紋の採取ごとに必要となる濃度調整に時間がかかることから採取時間が長くなってしまうという問題があり、また調整の基準が調整する人の視覚の個人差により変わってしまい、良好な指掌紋画像を一定して得ることが容易でないといった問題があった。
【0006】
このような問題を解決するために、経年変化や周囲温度により光源の光量が変化した場合でも一定した良好な指掌紋画像を容易に得ることを可能とする指掌紋採取画像自動濃度調整方法が特願2002−095485号として提案されている。その自動濃度調整方法の概略は以下の通りである。すなわち、プリズムの光学面に採取対象の指や掌が置かれていない状態で撮像を行ない、これで得られた画像について、輝度状態を求め、この輝度状態を予め設定してある基準輝度状態と比較し、その結果に基づいてCCDカメラの露光時間を制御することで指掌紋画像の濃度を最適化するようにしているものである。そして露光時間制御のパラメータとなる輝度状態としては、例えば画像中の指定領域における平均輝度と指定範囲の輝度を有する画素の合計画素数による輝度頻度分布が組み合わせて用いられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記特願2002−095485号における自動濃度調整方法では、所定の条件を満たす指掌紋について複数のサンプル画像を撮影し、この複数のサンプル画像から指掌紋の隆線部分と谷部分のコントラストが最大となる画像を目視判定により抽出し、この抽出した画像の輝度状態に基づいて基準輝度状態を定めるものとしている。つまりサンプル画像におけるコントラストを目視により判定し、この目視判定を基に基準輝度状態を定めるものである。このため目視判定の個人差による影響を受けることになり、基準輝度状態の精度に問題を残している。特に、輝度頻度分布基準値については、目視判定によるばらつきが濃度調整の良否に無視できない影響を及ぼす。また指掌紋を採取する範囲を変える場合には輝度頻度分布基準値を設定し直す必要があるが、それについて上記のような処理をその都度行なうのは負担が大きいという問題もある。
【0008】
このような事情を背景になされたのが本発明であり、輝度頻度分布基準値を自動的に設定するための方法及びそれを用いた指掌紋採取装置の提供にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的のために本発明では、光源と、この光源から照射される照明光を全反射可能に形成された光学面と、この光学面を前記光源で照明されている側の面について撮像する撮像手段を有し、前記光学面に前記光源で照明されている側の反対側から指掌紋の採取対象となる指または掌が置かれることで生じる前記光学面での反射光量の変化として与えられる指掌紋像を前記撮像手段で撮像するようになっている指掌紋採取装置に関して、前記光学面に指掌紋採取対象の指や掌が置かれていない状態で撮像を行ない、これで得られた画像について、指定範囲の輝度を有する画素の合計画素数である輝度頻度分布を求め、この輝度頻度分布を所定の輝度頻度分布基準値と比較し、その結果に基づいて前記撮像手段の露光時間を制御することで指掌紋画像の濃度を最適化できるようにされてなる指掌紋採取画像自動濃度調整方法における前記所定の輝度頻度分布基準値を自動的に設定する方法として、順次値を増大させるようにして仮の輝度頻度分布基準値S(I)(I:1〜n)を設定した前記自動濃度調整方法で濃度調整しながら指掌紋像を撮像して複数の指掌紋画像M(I)を得る処理、前記指掌紋画像M(I)それぞれについて、平均輝度を求めて予め設定の平均輝度基準値と比較する処理、及び前記指掌紋画像M(I)それぞれについて、指掌紋像部分における輝度頻度のピークの前後一定範囲に含まれる輝度を有する画素の合計数であるピーク前後一定範囲画素数P(I)を求める処理を前記平均輝度が前記平均輝度基準値よりも小さくなるまで繰り返し、それからピーク前後一定範囲画素数P(I)から最大のピーク前後一定範囲画素数P(x)を抽出し、この最大のピーク前後一定範囲画素数P(x)に対応する仮の輝度頻度分布基準値S(x)を前記所定の輝度頻度分布基準値として自動的に設定するようにされてなる輝度頻度分布基準値の自動設定方法を提供する。
【0010】
また本発明では上記目的のために、上記のごとき輝度頻度分布基準値の自動設定方法を用いた指掌紋採取装置として、光学面に指掌紋採取対象の指や掌が置かれていない状態で撮像した画像について輝度頻度分布を求める手段と、前記輝度頻度分布を所定の輝度頻度分布基準値と比較する手段と、前記手段による比較結果に基づいて前記撮像手段の露光時間を制御する手段と、前記所定の輝度頻度分布基準値を自動的に設定する手段とを備えてなる指掌紋採取装置を提供する。
【0011】
【発明の実施形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1に、一実施形態による指掌紋採取装置の構成をブロック図で示す。本発明による指掌紋採取装置は、光学系と処理系から構成されている。光学系は、光源4、プリズム1、及び電子的な撮像手段であるCCDカメラ5からなり、そのCCDカメラ5には電子シャッター6が設けられている。一方、処理系は、CCDカメラ5から出力されるアナログ画像データをデジタル画像データに変換するA/D変換器7、A/D変換器7から出力されるデジタル画像データから採取画像の輝度を検出する輝度検出回路11、A/D変換器7から出力されるデジタル画像データを記憶するメモリ9、電子シャッター6の露光時間(シャッタースピード)を制御する露光時間制御回路12、メモリ9へのデジタル画像データの書込みを制御する書込み制御回路10、メモリ9に格納の画像データを出力する映像出力回路19、映像出力回路19で出力された画像を表示するディスプレイ20、及び所定の各種処理を行なう処理手段であるCPU8からなる。
【0012】
そのCPU8においては、自動濃度調整に関する処理として、輝度検出回路11から出力される輝度データから輝度の頻度分布を作成し、指定範囲の輝度を有する画素の合計画素数を算出する頻度分布算出(輝度頻度分布算出)13、輝度検出回路11から出力される輝度データから画像中の指定領域について平均輝度を求める平均輝度検出14、平均輝度検出14で求めた平均輝度とあらかじめ設定されている平均輝度基準値16とを比較する平均輝度比較15、平均輝度比較15の出力と頻度分布算出13の出力、及びあらかじめ設定されている頻度分布基準値(輝度頻度分布基準値)18とから頻度分布の比較を行なう頻度分布比較17の各処理がなされる。また自動濃度調整で用いられる頻度分布基準値の自動設定に関する処理として、輝度頻度ピーク検出(ピーク輝度検出)21、ピーク前後一定範囲画素数算出(ピーク輝度範囲画素数算出)22、自動設定開始23、輝度頻度分布基準値設定24の各処理がなされる。頻度分布基準値の自動設定に関してはこの他にも、平均輝度についての処理を必要とするが、それは上記の平均輝度検出14や平均輝度比較15を利用してなされる。
【0013】
以下では、頻度分布基準値の自動設定とその前提となる指掌紋採取画像の自動濃度調整処理について説明する。まず自動濃度調整処理の概略について説明する。自動濃度調整のためにはプリズム1の光学面2に採取対象物がない状態での撮像を行なう。そしてこの撮像におけるCCDカメラ5からのアナログデータをA/D変換器7でデジタルデータに変換し、このデジタルデータから輝度検出回路11で輝度データを検出する。CPU8では、この輝度検出回路11からの出力を受けて、画像中の指定領域について平均輝度を求める平均輝度検出14と指定範囲の輝度を有する画素の合計画素数を求める頻度分布算出13を行なうとともに、その結果を平均輝度基準値16及び頻度分布基準値18と比較する平均輝度比較15と頻度分布比較17を行ない、そしてその結果に基づいて、画像中の指定領域における平均輝度が平均輝度基準値16以上で、かつ指定範囲の輝度の合計画素数が頻度分布基準値18と一致するようにCCDカメラ5の露光時間を制御する。
【0014】
すなわち光学面2に採取対象の指や掌が置かれていない状態で撮像を行ない、これで得られた画像について、所定の基準による輝度状態を求め、この輝度状態を予め設定してある基準輝度状態と比較し、その結果に基づいて電子シャッター6の露光時間を制御することで指掌紋画像の濃度を最適化するようにしているものである。そして露光時間制御のパラメータとなる輝度状態として、本実施形態では画像中の指定領域における平均輝度と指定範囲の輝度を有する画素の合計画素数による輝度頻度分布を組み合わせて用いているものである。
【0015】
次に、自動濃度調整処理の詳細について説明する。本実施形態では、撮影画像の1画素の輝度データを8ビットのデータとして扱い、輝度は10進数の0〜255の数値データとして表現し、最も暗い値が0で、最も明るい値が255としている。
【0016】
図2は、指紋や掌紋を採取可能な状態においてプリズム1の光学面2に採取対象物がない状態で撮影した画像における輝度頻度分布の例を示す。この例では画像が全面で明るいために輝度200以上に集中して、輝度分布のピークが輝度255となっている。
【0017】
図3は、プリズム1の光学面2に採取対象物がない状態で撮影した画像における輝度頻度分布を示しており、画像が全体的に「a:やや暗いとき」、「b:暗いとき」及び「c:明るいとき」の3段階についての例を示す。「明るいとき」は、輝度分布のピークが輝度255(最も明るい)となり、平均輝度が255に近い値となる。「やや暗いとき」及び「暗いとき」は、輝度分布のピークが輝度0側に移動し、平均輝度も低い値となる。この例における「やや暗いとき」及び「暗いとき」は、撮影した画像の背景が暗くなり、指紋や掌紋の濃度のコントラストが悪化するため実用範囲ではない。
【0018】
図4は、指紋や掌紋を採取した際にコントラストの良い画像が得られる条件、つまり平均輝度が240以上であるような条件においてプリズム1の光学面2に採取対象物がない状態で撮影した画像について、「d0:明るいとき」、「d1:やや明るいとき」、「d2:やや暗いとき」、「d3:暗いとき」の4段階の輝度頻度分布の例を示す。「d0:明るいとき」は、輝度255の値が多くなり、輝度240〜254までの分布は少なく、「d1:やや明るいとき」、「d2:やや暗いとき」、「d3:暗いとき」と暗くなるに従い、輝度240〜254までの分布が多くなる。このように、平均輝度が240以上である条件においても、微妙な明るさの変化があり、それが輝度240〜254の範囲での輝度頻度分布の変化として反映される。
【0019】
自動濃度調整は、以上のような分析を前提にして、プリズム1の光学面2に採取対象物がない状態で撮影した画像の指定領域における平均輝度と、指定範囲、例えば輝度240〜254の範囲の輝度を有する画素の合計画素数である輝度頻度分布をパラメータとして、CCDカメラ5の露光時間を制御することで行なう。本実施形態では、平均輝度基準値16は「240」とする。一方、頻度分布基準値18は後述のようにして自動的に設定される。
【0020】
図5に自動濃度調整における一連の処理手順を示す。図5のステップ101及びステップ102において、プリズム1の光学面2に採取対象物がない状態で画像を採取し、図1の平均輝度検出14により平均輝度を求め、また頻度分布算出13により指定範囲の輝度240〜254を有する画素の合計画素数Σ(240−254)を算出する。次いで、ステップ103において、平均輝度検出14で求めた平均輝度が平均輝度基準値「240」より大きいか否かを判定する。その結果が否定的であった場合には、画像が「暗すぎる」と判断して、ステップ104に進む。ステップ104においは下記式により露光時間の設定条件を求める。(露光時間設定値)=現在の(露光時間設定値)+(255−平均輝度)× syoklow
syoklow:「暗すぎる」場合の露光時間変更幅の規定定数
それからこれで求まった条件による露光時間の設定を行ない(ステップ113)、その露光時間条件で再度ステップ101〜ステップ103の処理を行なう。この一連の処理は、ステップ103の結果が肯定的になるまで繰り返して行なう。ここまでは、平均輝度に基づく調整であり、この調整に続いて輝度頻度分布に基づく調整を行なう。
【0021】
ステップ103における結果が肯定的であった場合、あるいは上記のような平均輝度に基づく調整によりステップ103における結果が肯定的になった場合には、ステップ105、107,109,111において、指定範囲の輝度240〜254を有する画素の合計画素数Σ(240−254)と、「目標Σ」、「閾値大」、「閾値小」による計算式の数値を比較して、平均輝度比較15、頻度分布比較17、露光時間制御回路12の各処理により露光時間設定値を決定する。ここで、「目標Σ」は頻度分布基準値18の中心値であり、「閾値大」及び「閾値小」は「目標Σ」からの差の大きさを判定する判定値であり、「目標Σ」、「閾値大」及び「閾値小」は何れも複数台の装置の事前検証により求めるものとする。
【0022】
ステップ105においては、輝度240〜254の合計画素数値が(目標Σ)−(閾値大)=Aより小さいか否かを判定し、肯定的な場合には、輝度が「明るい」と判断してステップ106において、平均輝度比較15、頻度分布比較17、露光時間制御回路12により露光時間設定値を下記式により設定する。ここで、「輝度240〜254の合計画素数値」は、指定範囲の輝度についての輝度頻度分布に関するものであり、面積的なものを表しており、したがってそれが小さいほど最高輝度255の画素数が増加する、つまり明るいことを意味することになる。
(露光時間設定値)=現在の(露光時間設定値)−(t1)
(t1):「明るい」場合の露光時間変更幅定数
【0023】
ステップ105において否定的であった場合にはステップ107において、輝度240〜254の合計画素数値が(目標Σ)−(閾値小)=Bより小さいか否かを判定し、肯定的な場合には、輝度が「やや明るい」と判断してステップ108において、平均輝度比較15、頻度分布比較17、露光時間制御回路12により(露光時間設定値)を下記式により設定する。
(露光時間設定値)=現在の(露光時間設定値)−(t2)
(t2):「やや明るい」場合の露光時間変更幅定数
【0024】
ステップ107において否定的であった場合にはステップ109において、輝度240〜254の合計画素数値が(目標Σ)+(閾値大)=Cより大きいか否かを判定し、肯定的な場合には、輝度が「暗い」と判断してステップ110において、平均輝度比較15、頻度分布比較17、露光時間制御回路12により(露光時間設定値)を下記式により設定する。
(露光時間設定値)=現在の(露光時間設定値)+(t3)
(t3):「暗い」場合の露光時間変更幅定数
【0025】
ステップ109において否定的であった場合にはステップ111において、輝度240〜254の合計画素数値が(目標Σ)+(閾値小)=Dより多いか否かを判定し、肯定的であった場合には、輝度が「やや暗い」と判断してステップ112において、平均輝度比較15、頻度分布比較17、露光時間制御回路12により(露光時間設定値)を下記式により設定する。
(露光時間設定値)=現在の(露光時間設定値)+(t4)
(t4):「やや暗い」場合の露光時間変更幅定数
平均輝度が基準値240以上であり、輝度240〜254の合計画素数値が(目標Σ)−(閾値小)=Bより大きく、(目標Σ)+(閾値小)=Dより小さい場合は、適正値と判断し露光時間は変更せず前回値を維持する。
【0026】
以上の処理による自動濃度調整を指掌紋採取装置の電源投入から採取開始までの間と、指掌紋採取装置が待機状態のときに、一定周期で実行することにより、指掌紋採取装置の光源4における周囲温度や経年変化による光量の変化、あるいはCCDカメラ5の感度の変化があっても、これらに影響されることなく、一定の濃度の指掌紋画像を安定的に得ることが可能となる。
【0027】
次に、頻度分布基準値の自動設定処理について説明する。図6は、頻度分布基準値18を仮に変えながら、各仮の頻度分布基準値の基で、プリズム1上の光学面2に指掌紋採取対象の指または掌を置いて撮影した画像における輝度頻度分布の例を示す。この例では仮の頻度分布基準値として3つの異なる値が用いられており、「c0:明るいとき」、「c1:やや明るいとき」、「c2:やや暗いとき」の3画像となっている。
【0028】
例えば「c1:やや明るいとき」に対して仮の輝度頻度分布基準値を小さくすると「c0:明るいとき」の画像となる。この画像では、最も明るい輝度255の画素数が増え採取画像の背景が明るくなり、指掌紋像部分つまり指掌紋像を与える暗い画素の輝度頻度のピーク(図中の左側部分における輝度頻度分布曲線のピーク)は輝度255の方向に移動し、そのピークの前後一定範囲における合計画素数が増大する。言い換えれば、指掌紋像部分に関する輝度頻度分布曲線が緩やかになり、指掌紋像部分のコントラストが減少する。
【0029】
逆に、仮の輝度頻度分布基準値を「c1:やや明るいとき」に対して大きくすると「c2:やや暗いとき」の画像となる。この画像では、最も明るい輝度255の画素数が減り背景が暗くなり、指掌紋像部分の輝度頻度のピークは輝度0の方向に移動し、そのピークの前後一定範囲の合計画素数は減少する。言い換えれば、指掌紋像部分に関する輝度頻度分布曲線がより鋭くなり、指掌紋像部分のコントラストが増大する。
【0030】
頻度分布基準値の自動設定方法は、以上のような分析を基にして構成されている。図7に頻度分布基準値の自動設定についての一連の処理手順を示す。ステップ201においてI=1とし、ステップ202で仮の頻度分布基準値S(1)の値(初期値)を設定する。図の例では初期値として「0」を設定するようにしてあるが、実際の頻度分布基準値として設定される値のおおよそのレベルが、例えば1000〜2000の間とかあるいは10000程度とか、予めわかっている場合には、それを基に初期値を設定するようにしてもよい。これらステップ201と202における各処理は図1における輝度頻度分布基準値設定24に含まれ機能によりなされる。仮の頻度分布基準値S(1)を設定したら、ステップ203でプリズム1の光学面2に指や掌が置かれた状態での撮像を行ない、指掌紋画像M(1)を採取する。それからステップ204でこの画像について平均輝度検出14(図1)により平均輝度を算出する。なお指掌紋画像の採取にあたっては上で説明した自動濃度調整手法による濃度調整が仮の頻度分布基準値S(1)の下でなされる。
【0031】
ステップ205においては、この算出した平均輝度を頻度分布基準値自動設定のための平均輝度基準値(指掌紋像を含んでいる画像の平均輝度基準値)と比較する。この処理は図1の平均輝度比較15でなされる。図7の例では平均輝度基準値として「120」を用いている。これは、自動濃度調整における指掌紋像を含んでいない画像についての平均輝度基準値に対して半分の値であり、一般的にはこの程度の値が適切である。算出した平均輝度が平均輝度基準値(120)以上の場合には、ステップ206において、指掌紋画像M(I)について指掌紋像部分に関する輝度頻度のピークを検出する処理である輝度頻度ピーク検出21(図1)と、この輝度頻度ピーク検出21で検出された輝度頻度ピークの前後一定範囲に含まれる画素の合計数を求める処理であるピーク前後一定範囲画素数算出22(図1)を行ない、ピーク前後一定範囲画素数(ピーク輝度画素数)P(I)を求める。図の例ではピーク前後の一定範囲として±5を用いているが、これはこの程度の範囲で適宜に選択することができる。ステップ207においてはピーク前後一定範囲画素数P(I)を記憶する。
【0032】
それからステップ208においてIを一つ繰り上げ、ステップ209において仮の頻度分布基準値S(I)よりも大きな次の仮の頻度分布基準値S(I+1)を設定してステップ203からの処理を繰り返す。この繰り返しは、ステップ205において平均輝度が平均輝度基準値(120)より小さくなるまでなされる。すなわち、上で説明した自動濃度調整方法から理解できるように、仮の頻度分布基準値S(I)の値を順次増大させるのに応じて指掌紋画像M(I)の平均輝度が小さくなるので、適切な平均輝度基準値を設定しておき、この平均輝度基準値を満足させる範囲の仮の頻度分布基準値S(I)(I:1〜n)を求めようとするのが上記の繰り返し処理である。なお図の例では仮の頻度分布基準値S(I)の増大単位として100という値を用いているが、これは適宜に変更してもよい。
【0033】
この繰り返しによりn個の指掌紋画像M(I)が得られ、このn個の指掌紋画像M(I)のそれぞれについてピーク前後一定範囲画素数P(I)が求まるので、ステップ210においてこのn個のピーク前後一定範囲画素数P(I)から最大であるピーク前後一定範囲画素数P(x)を抽出する。そしてステップ211においてこのピーク前後一定範囲画素数P(x)に対応する仮の輝度頻度分布基準値S(x)を自動濃度調整における輝度頻度分布基準値18として設定して終了する。これらステップ210と211における各処理は図1における輝度頻度分布基準値設定24に含まれ機能によりなされる。ここで、ピーク前後一定範囲画素数P(x)を有する画像M(x)は、図6に基づいた上での説明から判るように、指掌紋像の隆線部分と谷部分のコントラストが最も大きい画像である。したがって、指掌紋採取装置の自動濃度調整に最適な頻度分布基準値、つまり指掌紋像の隆線部分と谷部分のコントラストが最も大きくなる照明条件を与える頻度分布基準値を自動的に設定することができる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、輝度頻度分布を制御パラメータとする自動濃度調整で用いられる輝度頻度分布基準値を自動的に設定することができる。この結果、サンプル画像におけるコントラストを目視により判定し、これに基づいて輝度頻度分布基準値を設定する場合に比べて、輝度頻度分布基準値の安定性と精度を高めることが可能となり、また採取エリアの変化などに伴う輝度頻度分布基準値の更新に際しての操作負担を大幅に軽減することも可能となり、これにより自動濃度調整機能のより一層の向上に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による指掌紋採取装置の構成を示すブロック図である。
【図2】自動濃度調整の基準となる頻度分布の例を示す図である。
【図3】背景画像が暗い場合と明るい場合の頻度分布の例を示す図である。
【図4】明るさによる頻度分布の違いの例を示す図である。
【図5】自動濃度調整における一連の処理手順を示す図である。
【図6】それぞれ異ならせた仮の頻度分布基準値で採取した各指掌紋画像における輝度頻度分布の例を示す図である。
【図7】頻度分布基準値自動設定における一連の処理手順を示す図である。
【図8】従来の指掌紋採取装置のシステム構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 プリズム
2 光学面
3 指
4 光源
5 CCDカメラ(撮像手段)
6 電子シャッター
8 CPU(各種処理のための処理手段)
12 露光時間制御回路

Claims (2)

  1. 光源と、この光源から照射される照明光を全反射可能に形成された光学面と、この光学面を前記光源で照明されている側の面について撮像する撮像手段を有し、前記光学面に前記光源で照明されている側の反対側から指掌紋の採取対象となる指または掌が置かれることで生じる前記光学面での反射光量の変化として与えられる指掌紋像を前記撮像手段で撮像するようになっている指掌紋採取装置に関して、前記光学面に指掌紋採取対象の指や掌が置かれていない状態で撮像を行ない、これで得られた画像について、指定範囲の輝度を有する画素の合計画素数である輝度頻度分布を求め、この輝度頻度分布を所定の輝度頻度分布基準値と比較し、その結果に基づいて前記撮像手段の露光時間を制御することで指掌紋画像の濃度を最適化できるようにされてなる指掌紋採取画像自動濃度調整方法における前記所定の輝度頻度分布基準値を自動的に設定する方法であって、
    順次値を増大させるようにして仮の輝度頻度分布基準値S(I)(I:1〜n)を設定した前記自動濃度調整方法で濃度調整しながら指掌紋像を撮像して複数の指掌紋画像M(I)を得る処理、前記指掌紋画像M(I)それぞれについて、平均輝度を求めて予め設定の平均輝度基準値と比較する処理、及び前記指掌紋画像M(I)それぞれについて、指掌紋像部分における輝度頻度のピークの前後一定範囲に含まれる輝度を有する画素の合計数であるピーク前後一定範囲画素数P(I)を求める処理を前記平均輝度が前記平均輝度基準値よりも小さくなるまで繰り返し、それからピーク前後一定範囲画素数P(I)から最大のピーク前後一定範囲画素数P(x)を抽出し、この最大のピーク前後一定範囲画素数P(x)に対応する仮の輝度頻度分布基準値S(x)を前記所定の輝度頻度分布基準値として自動的に設定するようにされてなる輝度頻度分布基準値の自動設定方法。
  2. 請求項1に記載の輝度頻度分布基準値の自動設定方法を用いた指掌紋採取装置であって、
    光学面に指掌紋採取対象の指や掌が置かれていない状態で撮像した画像について輝度頻度分布を求める手段と、前記輝度頻度分布を所定の輝度頻度分布基準値と比較する手段と、前記手段による比較結果に基づいて前記撮像手段の露光時間を制御する手段と、前記所定の輝度頻度分布基準値を自動的に設定する手段とを備えてなる指掌紋採取装置。
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