JP3971437B2 - 炭素繊維およびマットの製造のための方法 - Google Patents

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Description

本発明は炭素繊維およびマットの製造のための方法と組成物に関する。さらに詳しくは、繊維径が非常に小さい例えば0.001〜5μmの炭素繊維およびマットの製造方法およびその製造に用いられる組成物に関する。
炭素繊維は高強度、高弾性率、高導電性、軽量等の優れた特性を有していることから、高性能複合材料のフィラーとして使用されている。その用途としては従来からの機械的強度向上を目的とした補強用フィラーに留まらず、炭素材料に備わった高導電性を生かし電磁波シールド材、静電防止材用の導電性樹脂フィラーとして、あるいは樹脂への静電塗料のためのフィラーとしての用途が期待されてきている。また炭素材料としての化学的安定性、熱的安定性と微細構造との特徴を生かし、フラットディスプレー等の電界電子放出材料としての用途が期待されている。
従来、炭素繊維はポリアクリロニトリル、ピッチ、セルロース等の繊維状の炭素前駆物質を1,000℃以上の温度で熱処理して炭化することにより製造されている。この方法により形成された炭素繊維は一般に繊維径5〜20μmの連続した繊維であり、それ以上繊維径の小さい炭素繊維の製造は実質上不可能である。
また1980年後半より気相法での炭素繊維(Vapor Grown Carbon Fiber;以下VGCFと略す)の研究がなされ、現在工業的に製造されるに至っている。具体的な製造法として、特許文献1には、ベンゼン等の有機化合物を原料とし、触媒としてフェロセン等の有機遷移金属化合物をキャリアーガスとともに高温の反応炉に導入し、基盤上に生成させる方法、特許文献2には浮遊状態でVGCFを生成させる方法そして特許文献3には反応炉壁に成長させる方法が開示されている。VGCFは繊維径が細く連続していないことから従来の炭素繊維とは物理的に異なっており、数百nmの繊維径、数十μmの繊維長を有する。極細炭素繊維はより高い熱伝導性や電気伝導性を有しており腐蝕を受けにくいことから従来からの炭素繊維とは機能的にも異なっており、広範囲な用途において大きな将来性を期待されている。
また、特許文献4には、フェノール樹脂とポリエチレンの複合繊維から極細炭素繊維を製造する方法が記載されている。該方法では気相法と比べ比較的安価に極細炭素繊維を製造できる可能性があるものの、フェノール樹脂は湿式でかつ長時間の安定化が必要であり、また配向を形成しにくく、且つ難黒鉛化性化合物であるため得られる極細炭素繊維の強度、弾性率の発現は期待できない等の問題点があった。
特開昭60−27700号公報 特開昭60−54998号公報 特許第2778434号公報 特開2001−73226号公報
本発明の目的は炭素繊維の製造法を提供することにある。
本発明の他の目的は、極細炭素繊維例えば繊維径0.001〜5μmの極細炭素繊維を効率的に且つ安価に製造する方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、分岐構造が少なく且つ高強度で高弾性率の炭素繊維を効率的に且つ安価に製造する方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、上記の如き炭素繊維からなる炭素繊維マット特に極細炭素繊維からなるマットを効率的に且つ安価に製造する方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、本発明の上記製造法に好適に用いられる炭素繊維製造用組成物を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、本発明の製造法により得られた炭素繊維の特に好適な用途を提供することにある。
本発明のさらに他の目的および利点は、以下の説明から明らかになろう。
本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第1に、
(1)熱可塑性樹脂100重量部並びにピッチポリカルボジイミド、ポリイミド、ポリベンゾアゾールおよびアラミドよりなる群から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性炭素前駆体1〜150重量部からなる混合物を紡糸もしくは製膜して前駆体繊維もしくはフィルムを形成し、
(2)前駆体繊維もしくはフィルムを、酸素および/またはハロゲンガスを含むガスと接触させる安定化処理に付して該前駆体繊維もしくはフィルム中の熱可塑性炭素前駆体を安定化して安定化前駆体繊維もしくはフィルムを形成し、
(3)安定化前駆体繊維もしくはフィルムから熱可塑性樹脂を除去して繊維状炭素前駆体を形成し、そして
(4)繊維状炭素前駆体を炭素化もしくは黒鉛化して炭素繊維を形成する、
ことを特徴とする炭素繊維の製造法によって達成される。
本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第2に、
(1)熱可塑性樹脂100重量部並びにピッチ、ポリアクリロニトリル、ポリカルボジイミド、ポリイミド、ポリベンゾアゾールおよびアラミドよりなる群から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性炭素前駆体1〜150重量部からなる混合物を溶融押出しにより製膜して前駆体フィルムを形成し、
(2)前駆体フィルムを安定化処理に付して該前駆体フィルム中の熱可塑性炭素前駆体を安定化して安定化前駆体フィルムを形成し、
(3)安定化前駆体フィルムを複数枚重ね合せて安定化前駆体重畳フィルムを形成し、
(4)安定化前駆体重畳フィルムから熱可塑性樹脂を除去して繊維状炭素前駆体マットを形成し、そして
(5)繊維状炭素前駆体マットを炭素化もしくは黒鉛化して炭素繊維マットを形成する、
ことを特徴とする炭素繊維マットの製造法によって達成される。
本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第3に、本発明の製造法により得られた炭素繊維の電池用電極へあるいは樹脂と配合して使用するためへの使用が提供される。
上記の方法を実施することで、分岐構造が少なくかつ高強度・高弾性率の炭素繊維を製造することができる。
上記方法により、例えば繊維径0.001μm〜5μmの極細炭素繊維が得られる。フェノール樹脂とポリエチレンの複合繊維から得られる極細炭素繊維は、フェノール樹脂が非晶であるため、得られる極細炭素繊維も非晶となり強度、弾性率ともにいずれも低いものであった。ところが、本方法で得られる炭素繊維は、繊維軸方向に分子鎖が極度に配向しており、フェノール樹脂とポリエチレンの複合繊維から得られる極細炭素繊維に比べ高強度、高弾性率となる。また、気相法で得られる炭素繊維に比べ分岐構造が少ないため、従来よりも少量の添加でポリマー等の補強を行うことができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について説明する。まず、炭素繊維の製造法について説明する。
工程(1)において、熱可塑性樹脂100重量部と熱可塑性炭素前駆体1〜150重量部からなる混合物を紡糸もしくは製膜して前駆体繊維もしくはフィルムを形成する。
熱可塑性樹脂としては、工程(2)で製造される安定化前駆体繊維もしくはフィルムから工程(3)で容易に除去されうるという点から、TGA測定による空気下500℃での重量減少率が90%以上、空気下1,000℃での重量減少率が97%以上である熱可塑性樹脂が好ましく使用される。また、熱可塑性樹脂は熱可塑性炭素前駆体と容易に溶融混練および溶融紡糸できるという点から、結晶性であるときにはその結晶融点が100℃以上400℃以下であり、非晶性であるときにはそのガラス転移温度が100℃以上250℃以下であるのが好ましい。
結晶性樹脂の結晶融点が400℃を超える場合、溶融混練を400℃以上で実施する必要があり、樹脂の分解を引惹し易く好ましくない。また、非晶性樹脂のガラス転移温度が250℃を超える場合、溶融混練時の樹脂の粘度が非常に高いためにハンドリングが困難となり好ましくない。また、別の観点から、熱可塑性樹脂は、酸素、ハロゲンガス等のガス透過性が高いことが好ましい。このため、本発明に用いられる熱可塑性樹脂は、好ましくは陽電子消滅法で評価した20℃における自由体積の直径が0.50nm以上である。陽電子消滅法で評価した20℃における自由体積の直径が0.50nm未満であると、酸素、ハロゲンガス等のガス透過性が低下し、前駆体繊維もしくはフィルムに含まれる炭素前駆体を安定化処理し安定化前駆体繊維もしくはフィルムを製造する工程(2)における時間が非常に長くなり、生産効率を著しく低下させるため好ましくない。陽電子消滅法で評価した20℃における自由体積直径のより好ましい範囲は0.52nm以上、さらには0.55nm以上である。自由体積の直径の上限は特に限定されないが、大きいほど好ましい。自由体積の直径は、範囲で表すと、好ましくは0.5〜1nm、より好ましくは0.5〜2nmである。
また、熱可塑性樹脂は、熱可塑性炭素前駆体との表面張力差が15mN/m以内であることが好ましい。工程(1)における混合物は熱可塑性樹脂と炭素前駆体とのブレンドにより形成される。このため、炭素前駆体との表面張力差が15mN/mより大きいと、熱可塑性樹脂中における炭素前駆体の分散性が低下するだけでなく、非常に凝集しやすいといった問題を生じ易くなる。熱可塑性樹脂と炭素前駆体との表面張力差は、さらに好ましくは10mN/m以内、特に好ましくは5mN/m以内である。
上記のような特徴を有する具体的な熱可塑性樹脂としては、例えば下記式(I):
Figure 0003971437
ここで、R、R、RおよびRは、互に独立に、水素原子、炭素数1〜15のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基または炭素数7〜12のアラルキル基であり、nは20以上、好ましくは20〜100,000の数である、
で表されるポリマーが挙げられる。
上記式(I)で表される熱可塑性樹脂としては、例えばポリエチレン、アモルファスポリオレフィン、4−メチルペンテン−1のホモポリマー、4−メチルペンテン−1と他のオレフィンとのコポリマー、例えばポリ−4−メチルペンテン−1にビニル系モノマーが共重合したポリマーなどを挙げることができる。また、ポリエチレンとしては、高圧法低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどのエチレンの単独重合体またはエチレンとα−オレフィンとの共重合体;エチレン・酢酸ビニル共重合体などのエチレンと他のビニル系単量体との共重合体等が挙げられる。エチレンと共重合されるα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどが挙げられる。他のビニル系単量体としては、例えば、酢酸ビニルの如きビニルエステル;(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチルの如き(メタ)アクリル酸およびそのアルキルエステルなどが挙げられる。
本発明に用いられる熱可塑性炭素前駆体は、ピッチ、ポリアクリロニトリル、ポリカルボジイミド、ポリイミド、ポリベンゾアゾール、およびアラミドである。これらは1,000℃以上の高温化で炭素化、黒鉛化されやすい。これらの中でピッチ、ポリアクリロニトリル、ポリカルボジイミドが好ましく、ピッチがさらに好ましい。またピッチの中でも一般的に高強度、高弾性率の期待されるメソフェーズピッチが好ましい。
ピッチとは石炭や石油の蒸留残渣もしくは原料として得られる縮合多環芳香族炭化水素の混合物であり、通常無定形で光学的に等方性を示す(これを一般的に等方性ピッチという)。また一定の性状の等方性ピッチを不活性ガス雰囲気下で350〜500℃に加熱すると、様々な経路を通って最終的には光学的に異方性を示す、ネマチック相のピッチ液晶を含むメソフェーズピッチに転換されうる。またメソフェーズピッチはベンゼン、ナフタレン等の芳香族炭化水素を原料として製造することができる。メソフェーズピッチはその特性より異方性ピッチもしくは液晶ピッチと呼ばれることもある。メソフェーズピッチとしては、安定化や炭素化もしくは黒鉛化のしやすさから、ナフタレン等の芳香族炭化水素を原料としたメソフェーズピッチが好ましい。上記熱可塑性炭素前駆体は、単独であるいは2種以上一緒に用いることができる。
熱可塑性炭素前駆体は、熱可塑性樹脂100重量部に対し1〜150重量部、好ましくは5〜100重量部で使用される。炭素前駆体の使用量が150重量部以上であると所望の分散径を有する前駆体繊維もしくはフィルムが得られず、1重量部以下であると目的とする極細炭素繊維を安価に製造することができない等の問題が生じるため好ましくない。
熱可塑性樹脂と炭素前駆体有機化合物(A)の混合物を製造する方法としては、溶融状態における混練が好ましい。特に、溶融混練時の熱可塑性樹脂の溶融粘度(ηM)と熱可塑性炭素前駆体の溶融粘度(η)の比(η/η)が0.5〜50の範囲で溶融混練することが好ましい。(η/η)の値が0.5未満であっても、50より大きくても、熱可塑性樹脂中における熱可塑性炭素前駆体の分散性は良好とならず好ましくない。(η/η)値のより好ましい範囲は0.7〜5である。熱可塑性樹脂と熱可塑性炭素前駆体の溶融混練には公知の混練装置、例えば一軸押出機、二軸押出機、ミキシングロール、バンバリーミキサー等を用いることができる。これらの中で熱可塑性炭素前駆体を熱可塑性樹脂に良好にミクロ分散させるという目的から、同方向二軸押出機が好ましく使用される。溶融混練温度は、例えば100℃〜400℃である。溶融混練温度が100℃未満の場合、熱可塑性炭素前駆体が溶融状態にならず、熱可塑性樹脂へのミクロ分散が困難であるため好ましくない。一方、400℃を超える場合、熱可塑性樹脂と熱可塑性炭素前駆体の分解が進行するためいずれも好ましくない。溶融混練温度のより好ましい範囲は150℃〜350℃である。また、溶融混練の時間としては0.5〜20分、好ましくは1〜15分である。溶融混練の時間が0.5分未満の場合、熱可塑性炭素前駆体のミクロ分散が困難であるため好ましくない。一方、20分を超える場合、極細炭素繊維の生産性が著しく低下し好ましくない。熱可塑性樹脂と熱可塑性炭素前駆体との溶融混練は、酸素ガス含有量10%未満の雰囲気下で行うことが好ましい。本発明で使用される熱可塑性炭素前駆体は酸素と反応することで溶融混練時に変性不融化してしまい、熱可塑性樹脂中へのミクロ分散を阻害することがある。このため、不活性ガスを流通させながら溶融混練を行い、できるだけ酸素ガス含有量を低下させることが好ましい。より好ましい溶融混練時の酸素ガス含有量は5%未満、さらには1%未満である。
熱可塑性樹脂と熱可塑性炭素前駆体との上記混合物は、該熱可塑性樹脂と熱可塑性炭素前駆体との相溶化剤を含有することができる。相溶化剤は好ましくは上記溶融混練時に加えられる。
かかる相溶化剤としては、例えば下記式(1):
Figure 0003971437
を満足する重合体セグメント(e1)と下記式(2):
Figure 0003971437
を満足する重合体セグメント(e2)の共重合体(E)並びに下記式(3)および(4):
Figure 0003971437
を満足するホモポリマー(F)よりなる群から選ばれるポリマーが好ましく用いられる。
上記相溶化剤を用いると、熱可塑性樹脂中における熱可塑性炭素前駆体の分散粒子径が小さくなりかつ粒子径分布も狭くなるため、最終的に得られる炭素繊維は従来よりも極細となり繊維径分布も狭くなる。
また、そのため熱可塑性樹脂に対する炭素前駆体の含有量を次第に増やしていっても、両者がすぐに接触、融着してしまうことを避けることができる。
上記共重合体(E)についての上記式(1)は重合体セグメント(e1)の表面張力に対する熱可塑性炭素前駆体の表面張力の比を表している。つまり、重合体セグメント(e1)と炭素前駆体の界面エネルギーのパラメーターを示す。この比が0.7より小さくても1.3より大きくても、重合体セグメント(e1)と炭素前駆体の界面張力が高くなり2相間の界面接着性は良好とならない。重合体セグメント(e1)の表面張力に対する炭素前駆体の表面張力の比のより好ましい範囲は0.75〜1.25、さらには0.8〜1.2である。重合体セグメント(e1)は上記式(1)式を満たすものであれば特に限定されないが、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンの如きポリオレフィン系ホモポリマーもしくはコポリマー、ポリメタクリレート、ポリメチルメタクリレートの如きポリアクリレート系ホモポリマーもしくはコポリマー等が好ましく使用しうる。また、アクリロニトリル−スチレンコポリマー、アクリロニトリル−ブチレン−スチレンコポリマーのようなスチレンコポリマーを用いてもよい。これらのうち、スチレンのホモポリマーおよびコポリマーが好ましい。
また、共重合体(E)についての上記式(2)は重合体セグメント(e2)の表面張力に対する熱可塑性樹脂の表面張力の比を表している。つまり、重合体セグメント(e2)と熱可塑性樹脂の界面エネルギーのパラメーターを示す。この比が0.7より小さくても1.3より大きくても、重合体セグメント(e2)と熱可塑性樹脂の界面張力が高くなり2相間の界面接着性は良好とならない。重合体セグメント(e2)の表面張力に対する熱可塑性樹脂の表面張力の比のより好ましい範囲は0.75〜1.25、さらには0.8〜1.2である。重合体セグメント(e2)は上記(2)式を満たすものであれば特に限定されないが、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンの如きポリオレフィン系ホモポリマーまたはコポリマー、ポリメタクリレート、ポリメチルメタクリレートの如きポリアクリレート系ホモポリマーもしくはコポリマー等が好ましく使用しうる。また、アクリロニトリル−スチレンコポリマー、アクリロニトリル−ブチレン−スチレンコポリマーのようなコポリマーを用いてもよい。これらのうち、エチレンのホモポリマーおよびコポリマーが好ましい。
上記共重合体(E)はグラフト共重合体またはブロック共重合体であることができる。重合体セグメント(e1)および(e2)の共重合組成比は、重合体セグメント(e1)が10〜90重量%、重合体セグメント(e2)が90〜10重量%の範囲のものが好ましく使用される。このような2つの異なる重合体セグメントの共重合体としては、例えばポリエチレンとポリスチレンの共重合体、ポリプロピレンとポリスチレンの共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体とポリスチレンの共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体とポリスチレンの共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体とポリスチレンの共重合体、ポリエチレンとポリメチルメタクリレートとの共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体とポリメチルメタクリレートの共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体とポリメチルメタクリレートの共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体とポリメチルメタクリレートの共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体とポリエチレンの共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体とポリプロピレンとの共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体とエチレン−グリシジルメタクリレート共重合体との共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体とエチレン−エチルアクリレート共重合体との共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体とエチレン−酢酸ビニル共重合体との共重合体などを挙げることができる。
さらに、上記ホモポリマー(F)についての上記式(3)は、上記式(1)における重合体セグメント(e1)をホモポリマー(F)に置き換えて同様に理解でき、また上記式(4)は上記式(2)における重合体セグメント(e2)をホモポリマー(F)に置き換えて同様に理解することができる。ホモポリマー(F)としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンの如きポリオレフィン系ホモポリマーおよびポリメタクリレート、ポリメチルメタクリレートの如きポリアクリレート系ホモポリマーを挙げることができる。
上記の如き相溶化剤の使用量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して、好ましくは0.001〜40重量部、より好ましくは0.001〜20重量部である。
工程(1)において用いられる、上記の如くして形成された混合物中では、炭素前駆体の熱可塑性樹脂中への分散径は、好ましくは0.01〜50μmである。混合物中で炭素前駆体は島相を形成し、球状あるいは楕円状となる。ここで言う、分散径とは混合物中で炭素前駆体の球形の直径または楕円体の長軸径を意味する。
炭素前駆体の熱可塑性樹脂中への分散径が0.01〜50μmの範囲を外れると、高性能複合材料用としての炭素繊維フィラーを製造することが困難となり好ましくない。炭素前駆体の分散径のより好ましい範囲は0.01〜30μmである。また、熱可塑性樹脂と炭素前駆体からなる混合物を、300℃で3分保持した後においても、炭素前駆体の熱可塑性樹脂中への分散径は0.01〜50μmであるのが好ましい。熱可塑性樹脂と炭素前駆体の溶融混練で得た混合物を、溶融状態で保持しておくと時間と共に炭素前駆体が凝集するようになる。炭素前駆体の凝集により、分散径が50μmを超えると、高性能複合材料用としての炭素繊維フィラーを製造することが困難となるため好ましくない。炭素前駆体の凝集速度の程度は、使用する熱可塑性樹脂と炭素前駆体の種類により変動するが、より好ましくは300℃で5分、さらに好ましくは300℃で10分以上0.01〜50μmの分散径を維持していることが好ましい。
工程(1)では、上記混合物を、紡糸して前駆体繊維を形成するかまたは製膜して前駆体フィルムを形成する。
前駆体繊維を形成する方法としては、溶融混練で得た混合物を紡糸口金より溶融紡糸する方法を例示することができる。溶融紡糸する際の紡糸温度としては、例えば100〜400℃、好ましくは150℃〜400℃、より好ましくは180℃〜350℃である。紡糸引取り速度としては10m/分〜2,000m/分が好ましい。上記範囲を逸脱すると所望の混合物からなる繊維状成型体(前駆体繊維)が得られないため好ましくない。混合物を溶融混練し、その後紡糸口金より溶融紡糸する際、溶融混練した後溶融状態のままで配管内を送液し紡糸口金より溶融紡糸することが好ましく、溶融混練から紡糸口金吐出までの移送時間は10分以内であることが好ましい。
前駆体繊維の断面形状は円形あるいは異形であることができ、その太さは円形に換算した相当直径が1〜100μmであるのが好ましい。
前駆体フィルムの形成方法としては、例えば2枚の板に混合物を挟んでおき、片方の板を回転させることでせん断が付与されたフィルムを作成する方法、圧縮プレス機により混合物に急激に応力を加えてせん断が付与されたフィルムを作成する方法、回転ローラーによりせん断が付与されたフィルムを作成する方法などを挙げることができる。せん断は、例えば1〜100,000S−1の範囲にある。また、前駆体フィルムの形成は、混合物をスリットから溶融押出しして行うこともできる。溶融押出し温度は好ましくは100〜400℃である。
また、溶融状態または軟化状態にある繊維状またはフィルム状の成型体を延伸することで、炭素前駆体が伸長された前駆体繊維あるいは前駆体フィルムを製造してもよい。これらの処理は、好ましくは150℃〜400℃、より好ましくは180℃〜350℃で行われる。
前駆体フィルムの厚みは1〜500μmが好ましい。厚みが500μmより厚い場合、前駆体フィルムを酸素および/または沃素ガスを含むガスと接触させて安定化前駆体フィルムを得る次工程(2)において、ガス浸透性が著しく低下するため、結果として安定化前駆体フィルムを得るのに長時間を要し好ましくない。また、1μm未満であると前駆体フィルムのハンドリングが難しいため好ましくない。
さて、本発明によれば、工程(1)に関して上記の如く、熱可塑性樹脂100重量部並びにピッチポリカルボジイミド、ポリイミド、ポリベンゾアゾールおよびアラミドよりなる群から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性炭素前駆体1〜150重量部からなる繊維状炭素製造用組成物が提供される。
上記組成物は、前記式(1)を満足する重合体セグメント(e1)と前記式(2)を満足する重合体セグメント(e2)の共重合体(E)並びに前記式(3)と(4)を満足するホモポリマー(F)の1種または2種以上を0.001〜20重量部をさらに含有することができる。
これらの組成物は、前記熱可塑性樹脂100重量部および熱可塑性炭素前駆体1〜150重量部から実質的になるか、あるいはそれらと前記共重合体(E)および/またはホモポリマー(F)0.001〜20重量部から実質的になることができる。
また、これらの組成物は、好ましくは、
(i)熱可塑性樹脂のマトリックス中に熱可塑性炭素前駆体が粒状に分散されており、そして分散された熱可塑性炭素前駆体の平均相当粒径が0.01〜50μmの範囲にあり、あるいは
(ii)300℃で3分間保持した後において、分散された熱可塑性炭素前駆体の平均相当粒径が0.01〜50μmの範囲にあり、あるいは
(iii)シェアレート1,000S−1において熱可塑性樹脂の溶融粘度が熱可塑性炭素前駆体の溶融粘度の0.5〜30倍となるような温度で熱可塑性樹脂と熱可塑性炭素前駆体を混合して調製されている。
次に、本発明の工程(2)では、前駆体繊維もしくはフィルムを安定化処理に付して該前駆体繊維もしくはフィルム中の熱可塑性炭素前駆体を安定化して安定化前駆体繊維もしくはフィルムを形成する。
熱可塑性炭素前駆体の安定化は炭素化もしくは黒鉛化された極細炭素繊維を得るために必要な工程であり、これを実施せずに熱可塑性樹脂および共重合体の除去を行った場合、熱可塑性炭素前駆体が熱分解したり融着したりするなどの問題が生じる。安定化処理に使用するガス成分としては上記熱可塑性樹脂への浸透性および熱可塑性炭素前駆体への吸着性の点から、また熱可塑性炭素前駆体を低温で速やかに不融化させうるという点から酸素および/またはハロゲンガスを含む混合ガスが用いられる。ハロゲンガスとしては、フッ素ガス、塩素ガス、臭素ガス、沃素ガスを挙げることができる。これらの中でも臭素ガス、沃素ガスが特に好ましい。ガス気流下での不融化の具体的な方法としては、好ましくは50〜350℃、より好ましくは80〜300℃で、5時間以下、好ましくは2時間以下、所望のガス雰囲気中で処理する。また上記不融化により前駆体繊維もしくはフィルム中に含まれる熱可塑性炭素前駆体の軟化点は著しく上昇するが、所望の極細炭素繊維を得るという目的から軟化点が400℃以上であるのが好ましく、500℃以上であるのがさらに好ましい。
次に、本発明の工程(3)では、安定化前駆体繊維もしくはフィルムから熱可塑性樹脂を除去して繊維状炭素前駆体を形成する。熱可塑性樹脂の除去は熱分解もしくは溶媒による溶解により達成され、いずれの方法を取るかは使用する熱可塑性樹脂により決まる。熱分解には、使用される熱可塑性樹脂によって異なるが、ガス雰囲気中で400〜600℃、より好ましくは500〜600℃の温度が用いられる。ガス雰囲気は、例えばアルゴン、窒素の如き不活性ガスあるいは酸素を含有する酸化性ガス雰囲気であってもよい。また溶媒による溶解には、使用される熱可塑性樹脂によって異なり、より溶解性の高い溶媒が使用される。例えばポリカーボネートにおいては塩化メチレンやテトラヒドロフランが好ましく、ポリエチレンにおいてはデカリンやトルエンが好ましい。
最後に、本発明の工程(4)では、繊維状炭素前駆体を炭素化もしくは黒鉛化して炭素繊維を形成する。繊維状炭素前駆体の炭素化もしくは黒鉛化は、それ自体公知の方法で行うことができる。例えば繊維状炭素前駆体を不活性ガス雰囲気下で高温処理に付して炭素化もしくは黒鉛化する。使用される不活性ガスとしては窒素、アルゴン等が挙げられ、温度は、好ましくは500℃〜3,500℃、より好ましくは700℃〜3,000℃、特に好ましくは800℃〜3,000℃である。なお、炭素化もしくは黒鉛化する際の、酸素濃度は20ppm以下、さらには10ppm以下が好ましい。得られる極細炭素繊維の繊維径は、好ましくは0.001μm〜5μmであり、より好ましくは0.001μm〜1μmである。
本発明によればさらに、上記本発明方法をさらに発展させて独立した炭素繊維ではなく、炭素繊維の集合体としての炭素繊維マットの製造法が提供される。
すなわち、本発明の炭素繊維マットの製造法は、
(1)熱可塑性樹脂100重量部並びにピッチ、ポリアクリロニトリル、ポリカルボジイミド、ポリイミド、ポリベンゾアゾールおよびアラミドよりなる群から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性炭素前駆体1〜150重量部からなる混合物を溶融押出しにより製膜して前駆体フィルムを形成し、
(2)前駆体フィルムを安定化処理に付して該前駆体フィルム中の熱可塑性炭素前駆体を安定化して安定化前駆体フィルムを形成し、
(3)安定化前駆体フィルムを複数枚重ね合せて安定化前駆体重畳フィルムを形成し、
(4)安定化前駆体重畳フィルムから熱可塑性樹脂を除去して繊維状炭素前駆体マットを形成し、そして
(5)繊維状炭素前駆体マットを炭素化もしくは黒鉛化して炭素繊維マットを形成する、
ことからなる。
上記工程(1)は炭素繊維の製造法の工程(1)における前駆体フィルムの製造法と同じである。
工程(2)は、炭素繊維の製造法の工程(2)における安定化前駆体フィルムの製造法と同じである。
工程(3)は、工程(2)で得られた安定化前駆体フィルムを複数枚例えば2〜1,000枚重ね合せて安定化前駆体重畳フィルムを形成する。
工程(4)は安定化重畳フィルムから熱可塑性樹脂を除去して繊維状炭素前駆体マットを形成する。この工程(4)は炭素繊維の製造法の工程(3)と同様にして熱可塑性樹脂を除去して実施することができる。
工程(5)は繊維状炭素前駆体マットを炭素化もしくは黒鉛化して炭素繊維マットを形成する。この工程(5)の炭素化および黒鉛化は炭素繊維の製造法の工程(4)と同様にして実施することができる。
本発明の上記方法によれば、極細の炭素繊維からなる炭素繊維マットが極めて容易に製造できる。このような炭素繊維マットは例えば高機能フィルター、電池用電極材として非常に有用である。
以下に本発明の実施例を述べる。なお、以下に記載される内容により本発明が限定されるものではない。
熱可塑性樹脂中の熱可塑性炭素前駆体の分散粒子径および前駆体繊維の繊維径は、走査電子顕微鏡S−2400(日立製作所)にて測定した。得られた炭素繊維の強度、弾性率はテンシロンRTC−1225A(A&D/オリエンテック)にて測定を実施した。また、重合体セグメント(e1)、重合体セグメント(e2)、熱可塑性炭素前駆体および熱可塑性樹脂の表面張力は、JISK6768に規定されている“プラスチック―フィルムおよびシート―ぬれ張力試験方法”に使用する試薬を用い評価した。熱可塑性樹脂の自由体積の直径は、陽電子線源として22Na2CO3を用い、陽電子寿命スペクトルの長寿命成分から、ポアサイズを与える球体モデル式(Chem.Phys.63,51(1981))を用いることで評価した。また、熱可塑性樹脂の融点またはガラス転移温度は、DSC2920(TA Instruments製)を用い、10℃/分の昇温速度にて測定した。
軟化点は微量融点測定装置にて測定した。また、溶融混練時のせん断速度における熱可塑性樹脂の溶融粘度(η)と熱可塑性炭素前駆体の溶融粘度(η)は、溶融粘度のせん断速度依存性(図3)より評価した。なお、溶融混練時のせん断速度(SR)は下記式(3)を用いることで評価した。
(SR)=[2π・D/(n/60)]/C------- (3)
ここで、Dはスクリュウ外径(m)、nはスクリュウ回転数(rpm)、Cはクリアランス(m)を示す。
実施例1
熱可塑性樹脂として高密度ポリエチレン(住友化学社製)100重量部と熱可塑性炭素前駆体としてメソフェーズピッチAR−HP(三菱ガス化学社製)11.1部、およびモディパーA1100(日本油脂製:低密度ポリエチレン70wt%とポリスチレン30wt%のグラフト共重合体)0.56部を同方向二軸押出機(日本製鋼所TEX−30、バレル温度290℃、窒素気流下)で溶融混練して樹脂混合物を作成した。溶融混練時の樹脂混合物に生じるせん断速度(SR)は628s−1であった。このせん断速度における熱可塑性樹脂の溶融粘度(η)と熱可塑性炭素前駆体の溶融粘度(η)の比(η/η)は1.2であった。この条件で得られた熱可塑性炭素前駆体の熱可塑性樹脂中への分散径は0.05〜2μmであった(図1参照)。なお、走査型電子顕微鏡でAR−HPの粒子径分布を評価したところ、1μm未満の粒子径が90%以上を占めた(図2参照)。また、樹脂組成物を300℃で10分保持したが、熱可塑性炭素前駆体の凝集は認められず、分散径は0.05〜2μmであった。なお、高密度ポリエチレン(住友化学社製)、低密度ポリエチレン(住友化学社製)、メソフェーズピッチ、およびポリスチレンの表面張力はそれぞれ、31、31、22、24mN/mであり、(重合体セグメント(e1)の表面張力/熱可塑性炭素前駆体の表面張力)値は1.1、(重合体セグメント(e2)の表面張力/熱可塑性樹脂の表面張力)値は1.0であった。
上記樹脂混合物を300℃で紡糸口金より紡糸し、前駆体繊維(複合繊維)を作成した。この複合繊維の繊維径は20μmであり、断面におけるメソフェーズピッチの分散径はすべて2μm以下であった。次に、この複合繊維100重量部とヨウ素5重量部を耐圧ガラス容器に入れ100℃で10時間保持して安定化前駆体繊維を得た。この安定化前駆体繊維を徐々に500℃まで昇温し、高密度ポリエチレンおよびモディパーA1100の除去を行った。その後窒素雰囲気中で1,500℃まで昇温して30分保持し、炭素化を行った。得られた極細炭素繊維の繊維径は0.01μm〜2μmの範囲にあり、分岐構造はほとんど認められなかった。繊維径1μmの極細炭素繊維について強度、弾性率を測定したところ、引っ張り強度は2,500MPa、引っ張り弾性率は300GPaであった。
実施例2
熱可塑性樹脂として高密度ポリエチレン(住友化学社製)100重量部と熱可塑性炭素前駆体としてメソフェーズピッチAR−HP(三菱ガス化学社製)66.7部、およびモディパーA1100(日本油脂製:低密度ポリエチレン70wt%とポリスチレン30wt%のグラフト共重合体)0.56部を同方向二軸押出機(日本製鋼所TEX−30、バレル温度290℃、窒素気流下)で溶融混練して樹脂混合物を作成した。溶融混練時の樹脂混合物に生じるせん断速度(SR)は628s−1であった。このせん断速度における熱可塑性樹脂の溶融粘度(η)と熱可塑性炭素前駆体の溶融粘度(η)の比(η/η)は1.2であった。この条件で得られた熱可塑性炭素前駆体の熱可塑性樹脂中への分散径は0.05〜2μmであった。なお、走査型電子顕微鏡でAR−HPの粒子径分布を評価したところ、1μm未満の粒子径が90%以上を占めた。また、樹脂混合物を300℃で10分保持したが、熱可塑性炭素前駆体の凝集は認められず、分散径は0.05〜2μmであった。なお、高密度ポリエチレン(住友化学社製)、低密度ポリエチレン(住友化学社製)、メソフェーズピッチ、およびポリスチレンの表面張力はそれぞれ、31、31、22、24mN/mであり、(重合体セグメント(e1)の表面張力/熱可塑性炭素前駆体の表面張力)値は1.1、(重合体セグメント(e2)の表面張力/熱可塑性樹脂の表面張力)値は1.0であった。
上記樹脂混合物を300℃で紡糸口金より紡糸し、前駆体繊維(複合繊維)を作成した。この複合繊維の繊維径は20μmであり、断面におけるメソフェーズピッチの分散径はすべて2μm以下であった。次に、複合繊維100重量部とヨウ素5重量部を耐圧ガラス容器に入れ100℃で10時間保持して安定化前駆体繊維を得た。安定化前駆体繊維を徐々に500℃まで昇温し、高密度ポリエチレンおよびモディパーA1100の除去を行った。その後窒素雰囲気中で1,500℃まで昇温、30分保持し、炭素化を行った。得られた極細炭素繊維の繊維径は0.01μm〜2μmの範囲にあり、分岐構造はほとんど認められなかった。繊維径1μmの極細炭素繊維について強度、弾性率を測定したところ、引っ張り強度は2,500MPa、引っ張り弾性率は300GPaであった。
実施例3
熱可塑性樹脂としてポリ−4−メチルペンテン−1(TPX:グレードRT-18[三井化学社製])100重量部と熱可塑性炭素前駆体としてメソフェーズピッチAR−HP(三菱ガス化学社製)11.1部を同方向二軸押出機(日本製鋼所TEX−30、バレル温度290℃、窒素気流下)で溶融混練して樹脂混合物を作成した。この条件で得られた熱可塑性炭素前駆体の熱可塑性樹脂中への分散径は0.05〜2μmであった。また、樹脂混合物を300℃で3分保持したが、熱可塑性炭素前駆体の凝集は認められず、分散径は0.05〜2μmであった。なお、ポリ−4−メチルペンテン−1、メソフェーズピッチの表面張力はそれぞれ、24、22mN/mであった。なお、陽電子消滅法で評価したポリ−4−メチルペンテン−1の自由体積の平均直径は0.64nm、DSCで評価した結晶融点は238℃であった。
上記樹脂混合物を300℃で紡糸口金より紡糸し、前駆体繊維(複合繊維)を作成した。この複合繊維の繊維径は20μmであり、断面におけるメソフェーズピッチの分散径はすべて2μm以下であった。次に、この複合繊維100重量部とヨウ素10重量部を耐圧ガラス容器に入れ190℃で2時間保持して安定化前駆体繊維を得た。安定化前駆体繊維を徐々に500℃まで昇温し、ポリ−4−メチルペンテン−1の除去を行った。その後窒素雰囲気中で1,500℃まで昇温、30分保持し、炭素化を行った。得られた極細炭素繊維の繊維径は0.01μm〜2μmの範囲にあり、分岐構造はほとんど認められなかった。繊維径1μmの極細炭素繊維について強度、弾性率を測定したところ、引っ張り強度は2,500MPa、引っ張り弾性率は300GPaであった。
実施例4
熱可塑性樹脂として高密度ポリエチレン(住友化学社製)100重量部と熱可塑性炭素前駆体としてメソフェーズピッチAR−HP(三菱ガス化学社製)11.1部を二軸押出機(日本製鋼所TEX−30、L/D=42、バレル温度290℃、窒素気流下)で溶融混練して樹脂混合物を作成した。熱可塑性炭素前駆体の熱可塑性樹脂中への分散径は0.1〜10μmであった。また、樹脂混合物を300℃で10分保持したが、熱可塑性炭素前駆体の凝集は認められず、分散径は0.1〜10μmであった。上記樹脂混合物を、加熱せん断流動観察装置(ジャパンハイテック(株)製CSS−450A)を用いて、300℃に加熱された石英板に挟み750s−1のせん断を1分間付与した後、室温まで急冷して厚さ60μmのフィルムを作成した。フィルムに含まれる熱可塑性炭素前駆体の観察を、上記装置を用いて行なったところ、繊維径0.01〜5μm、繊維長1〜20μmの繊維を生成していることが確認された。次に、このフィルム100重量部とヨウ素5重量部を耐圧ガラス容器に入れ100℃で10時間保持して安定化前駆体フィルムを得た。この安定化前駆体フィルムを徐々に500℃まで昇温して、高密度ポリエチレンの除去を行った。その後窒素雰囲気中で1,500℃まで昇温して30分保持し、AR−HPの炭素化を行った。得られた極細炭素繊維の繊維径は0.01μm〜5μmの範囲にあり、分岐構造はほとんど認められなかった。
実施例5
熱可塑性樹脂として高密度ポリエチレン(住友化学社製)100重量部と熱可塑性炭素前駆体としてメソフェーズピッチAR−HP(三菱ガス化学社製)11.1部を二軸押出機(日本製鋼所TEX−30、L/D=42、バレル温度290℃、窒素気流下)で溶融混練して樹脂混合物を作成した。熱可塑性炭素前駆体の熱可塑性樹脂中への分散径は0.1〜10μmであった。また、樹脂混合物を300℃で10分保持したが、熱可塑性炭素前駆体の凝集は認められず、分散径は0.1〜10μmであった。また、300℃、シェアレート1,000s−1における熱可塑性樹脂の溶融粘度はメソフェーズピッチAR−HPの10倍であった。
上述の樹脂混合物を300℃で紡糸口金より紡糸し、前駆体繊維(複合繊維)を作成した。この複合繊維の繊維径は20μmであり、断面におけるAR−HPの分散径はすべて10μm以下であった。次に、この複合繊維100重量部とヨウ素5重量部を耐圧ガラス容器に入れ100℃で10時間保持して安定化前駆体繊維を得た。安定化前駆体繊維を徐々に500℃まで昇温し、高密度ポリエチレンの除去を行った。その後窒素雰囲気中で1,500℃まで昇温、30分保持し、AR−HPの炭素化を行った。得られた極細炭素繊維の繊維径は0.01μm〜5μmの範囲にあり、分岐構造はほとんど認められなかった。繊維径1μmの極細炭素繊維について強度、弾性率を測定したところ、引っ張り強度は2,500MPa、引っ張り弾性率は300GPaであった。
実施例6
熱可塑性樹脂として高密度ポリエチレン(住友化学社製)100重量部と熱可塑性炭素前駆体としてメソフェーズピッチAR−HP(三菱ガス化学社製)10重量部を二軸押出機(日本製鋼所TEX−30、L/D=42、バレル温度290℃、窒素気流下)にて溶融混練し、溶融状態のままギアポンプで送液し紡糸口金より紡糸し前駆体繊維を得た。前駆体繊維の繊維径は20μmであり、断面におけるAR−HPの分散径はすべて10μm以下であった。
この前駆体繊維100重量部と沃素5重量部を耐圧ガラス容器に入れ、100℃、10時間保持した。得られた安定化前駆体繊維に含まれる高密度ポリエチレンを熱トルエンにより溶媒除去し、AR−HPの軟化点を調べたところ500℃以上であった。
この安定化前駆体繊維を徐々に500℃まで昇温し、高密度ポリエチレンの除去を行った。その後窒素雰囲気中で1,500℃まで昇温し30分保持し、AR−HPの炭素化を行った。得られた極細炭素繊維の繊維径は0.01μm〜5μmの範囲であり、本発明の目的とする炭素繊維を得る事ができた。繊維径1μmの極細炭素繊維について強度、弾性率を測定した。結果を表1に示す。
比較例1
熱可塑性炭素前駆体としてフェノール樹脂100重量部を用い、これと高密度ポリエチレン100重量部を二軸押出機にて溶融混練し、溶融状態のままでギアポンプで送液し紡糸口金より紡糸し前駆体繊維を得た。得られた前駆体繊維を塩酸−ホルムアルデヒド水溶液(塩酸18wt%、ホルムアルデヒド10wt%)中に浸漬し安定化前駆体繊維を得た。次に窒素気流中、600℃、10分の条件で炭素化し、ポリエチレンを除去しフェノール系極細炭素繊維を得た。繊維径1μmの極細炭素繊維について強度、弾性率を測定した。結果を表1に示す。
比較例2
AR−HPのみを、実施例6における前駆体繊維を得る紡糸法と同様の方法で紡糸し、AR−HPのみの繊維を得た。
これを実施例6と同様の条件にて安定化および黒鉛化を行い、繊維径15μmの炭素繊維を得た。結果を表1に示す。
Figure 0003971437
実施例1の樹脂組成物(PE/ピッチ/モディパーA1100)のSEM写真である(10,000倍)。 実施例1の樹脂組成物(PE/ピッチ/モディパーA1100)のピッチ分散粒子径の分布である。 PEとピッチの溶融粘度のせん断速度依存性を表す。

Claims (21)

  1. (1)熱可塑性樹脂100重量部並びにピッチポリカルボジイミド、ポリイミド、ポリベンゾアゾールおよびアラミドよりなる群から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性炭素前駆体1〜150重量部からなる混合物を紡糸もしくは製膜して前駆体繊維もしくはフィルムを形成し、
    (2)前駆体繊維もしくはフィルムを、酸素および/またはハロゲンガスを含むガスと接触させる安定化処理に付して該前駆体繊維もしくはフィルム中の熱可塑性炭素前駆体を安定化して安定化前駆体繊維もしくはフィルムを形成し、
    (3)安定化前駆体繊維もしくはフィルムから熱可塑性樹脂を除去して繊維状炭素前駆体を形成し、そして
    (4)繊維状炭素前駆体を炭素化もしくは黒鉛化して炭素繊維を形成する、
    ことを特徴とする炭素繊維の製造法。
  2. 熱可塑性樹脂が陽電子消滅法により測定した20℃における自由体積の直径が0.5nm以上のものである請求項1に記載の方法。
  3. 熱可塑性樹脂が下記式(I)
    Figure 0003971437
    ここで、R、R、RおよびRは、互に独立に、水素原子、炭素数1〜15のアルキル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基または炭素数7〜12のアラルキル基であり、nは20以上の数である、
    で表される請求項1に記載の方法。
  4. 熱可塑性樹脂が4−メチルペンテン−1のホモポリマーおよびコポリマー並びにエチレンのホモポリマーおよびコポリマーよりなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の方法。
  5. 熱可塑性炭素前駆体のピッチがメソフェーズピッチである請求項1に記載の方法。
  6. 熱可塑性樹脂の表面張力と熱可塑性炭素前駆体の表面張力の差が15mN/m以下である請求項1に記載の方法。
  7. 前駆体繊維もしくはフィルムの断面における熱可塑性炭素前駆体の平均相当直径が0.01〜50μmの範囲にある請求項1に記載の方法。
  8. 工程(1)における混合物が、下記式(1)および(2):
    Figure 0003971437
    を満足する重合体セグメント(e1)および下記式(2):
    Figure 0003971437
    を満足する重合体セグメント(e2)の共重合体(E)並びに下記式(3)および(4):
    Figure 0003971437
    を満足するホモポリマー(F)よりなる群から選ばれるポリマーを0.001〜20重量部でさらに含有する請求項1に記載の方法。
  9. 重合体セグメント(e1)がスチレンのホモポリマーまたはコポリマーである請求項8に記載の方法。
  10. 重合体セグメント(e2)がエチレンのホモポリマーまたはコポリマーである請求項8に記載の方法。
  11. 共重合体(E)がグラフト共重合体またはブロック共重合体である請求項8に記載の方法。
  12. 工程(1)の紡糸および製膜を溶融押出しにより行う請求項1に記載の方法。
  13. 溶融押出しを100〜400℃の範囲の温度で行う請求項12に記載の方法。
  14. 製膜を1〜100,000S−1の範囲の剪断を付与して行う請求項12に記載の方法。
  15. 工程(1)において、相当直径1〜100μmの前駆体繊維または厚み0.1〜500μmの前駆体フィルムを形成する請求項1に記載の方法。
  16. 工程(1)と工程(2)の間で、前駆体繊維もしくはフィルムを延伸する請求項1に記載の方法。
  17. 工程(3)における熱可塑性樹脂の除去を、400〜600℃の範囲の温度で、熱可塑性樹脂を熱分解させてガス化せしめて行う請求項1に記載の方法。
  18. 工程(4)における炭素化もしくは黒鉛化を、不活性雰囲気下、700〜3,000℃の範囲の温度で行う請求項1に記載の方法。
  19. (1)熱可塑性樹脂100重量部並びにピッチ、ポリアクリロニトリル、ポリカルボジイミド、ポリイミド、ポリベンゾアゾールおよびアラミドよりなる群から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性炭素前駆体1〜150重量部からなる混合物を溶融押出しにより製膜して前駆体フィルムを形成し、
    (2)前駆体フィルムを安定化処理に付して該前駆体フィルム中の熱可塑性炭素前駆体を安定化して安定化前駆体フィルムを形成し、
    (3)安定化前駆体フィルムを複数枚重ね合せて安定化前駆体重畳フィルムを形成し、
    (4)安定化前駆体重畳フィルムから熱可塑性樹脂を除去して繊維状炭素前駆体マットを形成し、そして
    (5)繊維状炭素前駆体マットを炭素化もしくは黒鉛化して炭素繊維マットを形成する、
    ことを特徴とする炭素繊維マットの製造法。
  20. 請求項1の製造法により得られた炭素繊維の電池用電極への使用。
  21. 請求項1の製造法により得られた炭素繊維の樹脂と配合して使用するための用途。
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