JPH0382822A - ピッチ系炭素繊維の製造方法 - Google Patents

ピッチ系炭素繊維の製造方法

Info

Publication number
JPH0382822A
JPH0382822A JP21955389A JP21955389A JPH0382822A JP H0382822 A JPH0382822 A JP H0382822A JP 21955389 A JP21955389 A JP 21955389A JP 21955389 A JP21955389 A JP 21955389A JP H0382822 A JPH0382822 A JP H0382822A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pitch
component
fiber
producing
fiber bundle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP21955389A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaharu Yamamoto
雅晴 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tonen General Sekiyu KK
Original Assignee
Tonen Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tonen Corp filed Critical Tonen Corp
Priority to JP21955389A priority Critical patent/JPH0382822A/ja
Publication of JPH0382822A publication Critical patent/JPH0382822A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Inorganic Fibers (AREA)
  • Multicomponent Fibers (AREA)
  • Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産 土の1  里 本発明は、炭素繊維の製造方法に関するものであり、特
にピッチ繊維の前駆体としてピッチ系複合繊維を使用す
ることを特徴とするピッチ系炭素繊維の製造方法に関す
るものである。本明細書で炭素繊維とは、黒鉛繊維をも
含めて意味するものとする。
鎧迷J口え猪 現在、レーヨン系やPAN系の炭素繊維並びにピッチ系
炭素繊維は種々の技術分野にて広く使用されるに至り、
特に、石油系ピッチ、石炭系ビッヂなどの炭素質ピッチ
から製造されるピッチ系炭素繊維は、レーヨン系やPA
N系の炭素繊維に比較して炭化収率が高く、弾性率など
の物理的特性も優れており、更に、低コストにて製造し
得るという利点を有しているために近年注目を浴びてい
る。
現在、ピッチ系炭素繊維は、 (1)石油系ピッチ、石炭系ビッヂなどから炭素繊維に
適した炭素質ピッチを調製し、該炭素質ピッチを加熱溶
融して紡糸機にて紡糸し、集束、合糸してピッチ繊維束
を製造し、 (2)前記ピッチ繊維束を不融化炉で酸化性ガス雰囲気
下にて200〜350℃までに加熱して不融化し、 (3)引き続いて、該不融化された繊維束を予備炭化炉
で不活性ガス雰囲気下にて500〜1500℃まで加熱
して予備炭化し、 (4)次いで、予備炭化された繊維束を炭化炉で不活性
ガス雰囲気下にて1500〜2000℃まで加熱して炭
化して、更には3000℃まで加熱して黒鉛化すること
、 により製造されている。
が  しようとする しかしながら、一般に炭素質ビッヂは曳糸性に劣り、安
定紡糸範囲が極めて狭く、そのために、炭素質ビッヂを
加熱溶融して紡糸機にて連続して安定的に紡糸すること
は極めて困難である。特に、高強度、高弾性率の炭素繊
維を得るべく、5〜7μm程度の繊維(フィラメント)
径を有した炭素繊維を製造するためには、先ず炭素繊維
の前駆体としてのピッチ繊維を10 (t m以下の繊
維径にて紡糸する必要があり、実際上不可能か、極めて
困難であった。
又、予備炭化する前のピッチ繊維は極めて脆く、その取
扱いには多大の注意を払う必要がある。しかしながら、
多くの注意のもとにピッチ繊維の集束、合糸作業を行な
ったとしても、予備炭化前に行なわれるピッチ繊維の集
束、合糸作業時には繊維(フィラメント)が切断される
ことによる毛羽立ちが発生した。
上記問題を解決するために、石油系ピッチ、石炭系ピッ
チなどを種々に処理し、成分調製、無機異物の除去など
を行ない紡糸性に優れた炭素質ピッチを調製することが
提案されたが、煩雑な種々の処理工程を必要とし、生産
効率及び製造コストの面で問題があった。
又、ピッチ繊維用紡糸口金の構造、或いは冷却の均一化
のための紡糸機の構造などが種々に提案されているが、
特定の炭素質ピッチには効果があるとしても、様々な炭
素質ピッチを糸切れなく連続して安定に紡糸し得るもの
はない。
又、上述したように、例えピッチ繊維が紡糸されたとし
ても、予備炭化前のピッチ繊維自体が有する脆弱性に起
因した取り扱いの困難性は何ら改良されるものではなか
った。
本発明者は、上記諸点を解決するべく多くの研究実験を
行なった結果、炭素質ピッチを、溶融紡糸可能で且つ曳
糸性の良好な熱可塑性有機合成高分子化合物と複合紡糸
することにより、上記諸問題を解決し得ることを見出し
た。
本発明は斯る新規な知見に基づくものである。
従って、本発明の目的は、ピッチ繊維の前駆体としてピ
ッチ系複合繊維を使用することにより、種々の炭素質ピ
ッチを糸切れなく連続に、安定して紡糸することができ
、且つ、取扱い性に優れ、所望に応じて集束、合糸が容
易に行い得て、細径のピッチ系炭素繊維をも極めて効率
よく製造することのできるピッチ系炭素繊維の製造方法
を提供することである。
題を ゛するための 上記目的は本発明に係るピッチ系炭素繊維の製造方法に
て達成される。要約すれば本発明は、炭素繊維製造用炭
素質ピッチから成るA成分と、曳糸性の良好な熱可塑性
有機合成高分子化合物から成るB成分とにて形成される
ピッチ系複合繊維を紡糸し、必要に応じて、集束、合糸
してピッチ系複合繊維束を製造する工程、前記ピッチ系
複合繊維束を富酸素ガス雰囲気にて加熱し、前記B成分
を除去しピッチ繊維束を形成すると共に、該ピッチ繊維
束の不融化を行う工程、更に、該不融化繊維を焼成する
工程を有することを特徴とするピッチ系炭素繊維の製造
方法である。
つまり、本発明の特徴は、ピッチ系炭素繊維を製造する
に際して、ピッチ繊維の前駆体としてピッチ系複合繊維
を使用する点にある。
第1図を参照すると、本発明に使用される炭素繊維製造
用ピッチ系複合繊維の一実施例が示される。この実施例
にて、ピッチ系複合繊維IAは、炭素繊維製造用炭素質
ビッヂから成るA成分2、及び該A成分2の周囲に形成
された、曳糸性の良好な熱可塑性有機合成高分子化合物
から成るB成分4にて構成される。
第4図に、このような炭素繊維製造用ピッチ系複合繊維
1Aを製造するための紡糸口金の一実施例が概略図示さ
れる。本実施例で、紡糸口金100は、第1、第2及び
第30金プレート102.104及び106を有し、第
10金プレート102及び第20金プレート104は密
着して設けられるが、第30金プレート106は、第2
0金プレート104とは所定の距離離隔して配置され、
後で説明するように、B成分用材料の供給通路108を
形成する。
又、第1ロ金プレート102には、Alli分用材料の
供給孔110が形成され、又、第2紡糸ロ金プレート1
04には中空の紡糸ノズル11.2が前記A成分材料供
給孔110と整列して取イ」けられる。該紡糸ノズル1
12は、前記B成分材料供線通路108及び第30金プ
レート106を貫通して延在し、更に第3紡糸ロ金プレ
ート106における紡糸ノズル1.12の周囲には材料
供給通路108からのB成分材料のための環状ノズル1
14が形成される。
上記構成の紡糸口金100において、材料供給孔110
より紡糸ノズル112へどA成分のための材料を、即ち
炭素質ピッチを、又、材料供給通路108より環状ノズ
ル114にB成分のための材料を、即ち熱可塑性有機合
成高分子化合物を供給すると、第1図に図示するような
、本発明にて使用される、炭素繊維製造用炭素質ピッチ
をA成分2とし、該A成分2の周囲に、曳糸性を有する
熱可塑性有機合成高分子化合物にて形成されるB成分4
を有した炭素繊維製造用ピッチ系複合繊維IAが紡糸さ
れる。
第2図及び第3図には炭素繊維製造用ピッチ系複合繊維
の他の実施例が示される。
第2図は、B成分4内に多数の、通常6〜100のA成
分2が概略−様に分散配置された、所謂、多芯型の炭素
繊維製造用ピッチ系複合繊維IBを示す。
第5図に、このような多芯型炭素繊維製造用ピッチ系複
合繊維IBを製造するための紡糸口金100Aの一実施
例を示す。この実施例による紡糸口金100Aは第4図
にて説明した紡糸口金と同じ構造とされ、ただ紡糸ノズ
ル112及び環状ノズル114から成る紡糸用ノズルが
複数形成されている点、及び第30金プレー1− ]、
、 06に密着して第4の口金プレート1.16が設け
られ、該口金プレート116には、紡糸ノズルから紡出
された各複合繊維を集合するためのロート状の集合ノズ
ル部118が形成されている点において相違している。
第3図は、円形断面をした繊維内に扇形状にA成分2を
配列し、その周囲をB成分4で包囲し、全体を円形断面
となるようにした炭素繊維製造用ピッチ系複合繊維IC
を示す。
上記各実施例においては、ピッチ系複合繊維1は、炭素
繊維製造用炭素質ピッチから成るA成分2が、曳糸性を
有する熱可塑性有機合成高分子化合物から成るB成分4
にて包囲される構成とされたが、本発明に使用されるピ
ッチ系炭素繊維はこれに限定されるものではなく、第6
図〜第9図に図示されるような、A成分2がB成分4に
よって分割され、且つA成分2の一部が糸表面にn出し
ている、所謂、分割型のピッチ系複合繊維1(1”八〜
1° D)とすることができる。この実施例のピッチ系
複合繊維は、本発明においてはより好ましいピッチ系複
合繊維であると思われる。
第6図を参照すると、炭素繊維製造用ピッチ系分割型複
合繊維1°Aは、炭素繊維製造用炭素質ビッヂから成る
A成分2、及び該A成分2を分割する態様にて配置され
た、曳糸性の良好な熱可塑性有機合成高分子化合物から
成るB成分4にて構成される。このとき、本実施例によ
ればA成分の外周囲が全てB成分にて被覆されるような
ことはなく、一部は外部に、即ち、糸表面に露出するよ
うにされる。
第7図〜第9図には、炭素繊維製造用ビッヂ系分割型複
合繊維1゛の他の実施例が示される。
第7図及び第8図の実施例では、放射状に配置されたB
成分4にてA成分2が4分割或は8分割された複合繊維
1’B、1℃が提供される。
又、第9図の実施例では、糸の断面が長円形とされ、平
行に配置されたB成分4にてA成分2が4分割された複
合繊維1“Dが提供される。いずれの実施例においても
A成分2の一部は糸表面に露出する構成とされる。
第10図〜第13図に、このような分割型の炭素繊維製
造用ピッチ系複合繊維を製造するための、特に、第8図
に示した炭素繊維製造用ピッチ系分割型複合繊維1°C
を好適に紡糸し得る紡糸口金の一実施例が概略図示され
る。
本実施例で、紡糸口金200は、互に密着して設けられ
た第1及び第20金プレート201及び202を有し、
第20金プレー1−202には、第1及び第20金プレ
ート201.202の合せ面部に開口した開口部203
と、該開口部203に連通した紡糸孔204とが形成さ
れる。又、第20金プレート202には、第10図でX
−Xにみた図である第12図に図示されるように、前記
開口部203に連通ずる態様で、本実施例では、放射方
向に8つの連通溝205が形成される。
方、第10金201には、第10金プレートの開口部2
03に対応する位置にA成分供給通路206が形成され
、該供給通路206の底部には、第10図及び第10図
でY−Yにみた図である第11図に図示されるように、
紡糸孔開口部203に連通した連通孔207が中心部に
4個、外周部に8個均等間隔にて形成される。又、第1
1図にて理解されるように、第10金プレート201に
は、前記連通孔207とは交差せず、且つ前記連通溝2
05に対応して8つの連通溝208が形成される。該連
通溝208の中のいくつかの溝は、紡糸孔開口部203
を横断して形成され、本実施例ではX字状の形態にて4
つの溝208を連通ずることによって形成される。各連
通溝208には、第10金プレート201に形成された
B成分供給通路209が連通される。
上記構成の紡糸口金200において、材料供給孔206
よりA成分2のための材料を、即ち炭素質ピッチを、又
、材料供給通路209よりB成分4のための材料を、即
ち熱可塑性有機合成高分子化合物を供給すると、第13
図にて理解されるように、第8図に図示するような、炭
素繊維製造用炭素質ピッチから成るA成分2を、曳糸性
の良好な熱可塑性有機合成高分子化合物にて形成される
B成分4にて分割した炭素繊維製造用ピッチ系分割型複
合繊維1° Cが紡糸される。
上記種々の形態とし得る炭素繊維製造用ピッチ系複合繊
維において、A成分2の糸断面積に占る比率は50〜9
5%とされ、従って、B成分4け50〜5%とされる。
B成分4が5%未満では、曳糸性を有した熱可塑性有機
合成高分子化合物にて形成されるB成分の効果が十分に
発揮され得ず、紡糸性及び複合性が共に悪くなる。一方
、B成分4が50%を越えても、後で説明するように、
紡糸性及び複合性は良好であるが、該B成分4は、製品
としての炭素繊維の物性などに何ら寄与する成分ではな
く焼成に先立って除去されるものであるから、経済的理
由からできるだけ少ないのが望ましく、従って、B成分
が50%を越えると好ましくないと考えられる。
なお、第6図〜第9図に示した分割型のピッチ系複合繊
維1゛ (1°A〜1゛D)の場合には、A成分2の糸
断面積に占る比率は50〜90%とされ、従って、B成
分4は50〜10%とされるのがより好ましいであろう
B成分4としては、熱可塑性有機合成高分子化合物が使
用され、特にポリエチレンテレフタレ−1−、エチレン
テレフタレート成分が少なくとも60モル%以上である
共重合ポリエステル、ポリスチレン又はナイロン6、ナ
イロン66などのナイロンが好適に使用される。
又、A成分2としては従来炭素繊維製造用として使用さ
れている任意の炭素質ピッチ、つまり、石油系ピッチ、
石炭系ピッチなどの熱可塑性ビツヂが使用され得るが、
使用される炭素質ピッチの軟化点が320℃を越えると
、B成分4として使用される上記熱可塑性有機合成高分
子化合物の熱分解が激しくなり、紡糸不良を引き起こす
ので好ましくない。又、炭素質ピッチの軟化点が230
℃より低く、210°C程度にまで低下すると、B成分
4との溶融粘度バランスが不良となりA成分同志の合体
が起こり、複合性が悪くなり、好ましくない。
上述のようにして製造された炭素繊維製造用ピッチ系複
合繊維は、必要に応じて集束、合糸され所定数のフィラ
メトを有したピッチ系複合繊維束とされる。
本発明に従えば、前記ピッチ系複合繊維束は、温度18
0℃〜350℃、富酸素ガス雰囲気とされる加熱工程へ
と供される。該加熱処理にてビ・ンチ系複合繊維は、B
成分が除去され、A成分のみからなる、炭素繊維の前駆
体としてのピッチ繊維束が形成されると共に、該ピッチ
繊維束は不融化処理される。
このようにして得られた不融化繊維束は、引き続いて、
通常のピッチ系炭素繊維の製造方法に従って、即ち、 (イ)前記不融化された繊維束を予備炭化炉で不活性ガ
ース雰囲気下にて500〜1500℃まで加熱して予備
炭化し、 (ロ)次いで、予備炭化された繊維束を炭化炉で不活性
ガス雰囲気下にて1500〜2000℃まで加熱して炭
化して、更には3000℃まで加熱して黒鉛化すること
、 G により炭素繊維が製造される。
本発明に従えば、種々の炭素質ピッチを使用して糸切れ
なく連続して安定して紡糸することができ、しかも、5
〜7μmといった細径の炭素繊維(フィラメント)を容
易に製造することができる。
次に、本発明を実施例により更に詳しく説明する。
実施例1 光学的異方性相を約55%含有し、軟化点が232°C
である炭素質ピッチを前駆体ピッチとして使用した。こ
の前駆体ピッチを、有効容積200mg円筒型遠心分離
装置を用いて、温度370℃、遠心力を30000Gと
して光学的異方性相の多いピッチと光学的等方性相の多
いピッチとを連続的に分離し、それぞれ抜き出した。
得られた光学的異方性相を多く含むピッチは、光学的異
方性相を98%含み、軟化点265℃、キノリンネ溶分
は29.5%であった。この炭素質ビッヂをA成分の材
料として使用した。B成分の材料としては25℃、オル
ソクロロフェノール溶液における固有粘度が0.65の
ポリエチレンテレフタレートを使用した。
第10図〜第13図に図示するような構造の、吐出孔径
が0.30mm、吐出孔数が24個とされる分割型の紡
糸口金を使用し、紡糸口金部の温度を310℃に保持し
て、巻き取り速度800m/分で60分間紡糸した。紡
糸の間に糸切れもなく連続して安定した紡糸が行なわれ
た。
得られた各単糸(フィラメント)の径は約19μmであ
り、A成分の数は8個、各A成分の繊度は約0.38デ
ニールで、Δ成分同志の合流もなく、完全に独立した均
一な形態を有し、良好な複合状態を示した。又、A成分
/B成分の比率は、糸の断面積にて85/15であった
。更に、得られたピッチ系複合繊維束は毛羽もなく、取
扱い性も優れていた。
該ピッチ系複合繊維束は、糸に潤滑性と集束性を付与す
るために、25℃で40センチストークスの粘度のジメ
ヂルフェニルボリシロキサン(フェニル基含有量25モ
ル%)をオイリングローラで糸に対して約0.8%付与
した。
引き続き、このピッチ系複合繊維束を10本合糸した後
、炉入り口温度180 ℃1最高温度298℃の富酸素
ガス雰囲気(酸素/窒素=40/60)の連続不融化炉
に通糸速度1m/分にて連続的に導入した。温度180
℃から260℃までは6°C/分で昇温し、260℃で
3分間保持した後、最高温度298℃まで5℃/分で昇
温し、298℃で2分保持した。
この加熱処理により、ピッチ系複合繊維中のB成分が分
解され、ピッチ系繊維束が形成されると共に、該ピッチ
系繊維束は不融化された。
前記不融化した糸を、炉入り口温度300℃、最高温度
1500℃の窒素ガス雰囲気を有する連続炭化炉に通糸
速度1m/分にて連続的に通糸して炭化を行った。更に
、該炭化した糸をアルゴンガス雰囲気を有する連続黒鉛
化炉に入れ、2500″Cで15分間黒鉛化を行った。
このようにして得られた炭素繊維は、毛羽の発生が殆ど
なく、単糸(フィラメント)繊度が約0.32デニール
、引張弾性率は67t/mm” 、引張強度が320 
K、 g / m m ”であり、極めて優れた特性を
有する繊維であった。
実施例2 光学的異方性相を約55%含有し、軟化点が232°C
である炭素質ピッチを前駆体ピッチとして使用した。こ
の前駆体ピッチを、有効容積200m42円筒型遠心分
離装置を用いて、温度370℃、遠心力を30000G
として光学的異方性相の多いビッヂと光学的等方性相の
多いピッチとを連続的に分離し、それぞれ抜き出した。
得られた光学的異方性相を多く含むピッチは、光学的異
方性相を98%含み、軟化点265℃、キノリンネ溶分
は29.5%であった。この炭素質ピッチをA成分の材
料として使用した。B成分の材料としては30℃、トル
エン溶液における極限粘度が0.73のポリスチレンを
使用した。
第5図に図示するような構造の、1フィラメント当りの
紡糸ノズルの数が36個、吐出孔径が1、、Omm、吐
出孔数が30個とされる紡糸口金を使用し、紡糸口金部
の温度を310℃に保持して、巻き取り速度1000m
/分で60分間紡糸した。紡糸の間に糸切れもなく連続
して安定した紡糸が行なわれた。
紡糸したピッチ系複合繊維束(糸)には平滑剤、制電剤
、乳化剤からなるOil in Water型の油剤を
ローラ接触で付与した。付着量は糸に対して0.7重量
%であった。
得られた各単糸(フィラメント)の径は約41μmであ
り、A成分の数は30個、各A成分の直径は約6.2μ
mで、A成分同志の合流もなく、完全に独立した均一な
形態を有し、良好な複合状態を示した。又、A成分/B
成分の比率は、糸の断面積にて85/15であった。更
に、得られたピッチ系複合繊維束は毛羽もなく、取扱い
性も優れていた。
引き続き、このピッチ系複合繊維束を、ピッチ系複合繊
維束パッケージから解舒つつ、A成分を基準にして0.
02g/デニールの張力を掛け、炉入り口温度1.80
℃、最高温度298℃の富酸素ガス雰囲気(酸素/窒素
= 4.0 / 60 )の連続不融化炉に通糸速度1
m/分にて連続的に導入した。温度180℃から250
℃までは5℃/分で昇温し、250℃で3分間保持した
後、最高温度298℃まで5℃/分で昇温し、298°
Cで2分保持した。
この加熱処理により、ピッチ系複合繊維中のB成分が溶
解して除去され、ピッチ系繊維束が形成されると共に、
該ピッチ系繊維束は不融化された。
前記不融化した糸を、炉入り口温度300℃、最高温度
1500℃の窒素ガス雰囲気を有する連続炭化炉に通糸
速度1m/分にて連続的に通糸して炭化を行った。更に
、該炭化した糸をアルゴンガス雰囲気を有する連続黒鉛
化炉に入れ、2500℃で15分間黒鉛化を行った。
このようにして得られた炭素繊維は、毛羽の発生が殆ど
なく、単糸(フィラメント)直径が約5.0LLm、引
張弾性率は71t/mm2.引張強度が320 K g
 / m m 2であり、極めて優れた特性を有する繊
維であった。
艶監五匁1 以上の如くに、本発明によれば、ピッチ繊維の前駆体と
してピッチ系複合繊維を使用することにより、種々の炭
素質ピッチを糸切れなく連続に、安定して紡糸すること
ができ、且つ、取扱い性に優れ、所望に応じて集束、合
糸が容易に行い得て、細径の且つ高性能のピッチ系炭素
繊維を極めて効率よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図から第3図は、炭素繊維製造用ピッチ系複合繊維
の実施例の断面図である。 第4図及び第5図は、炭素繊維製造用ピッチ系複合繊維
を製造するための紡糸口金の構造を示す断面図である。 第6図から第9図は、炭素繊維製造用ピッチ系複合繊維
の他の実施例の断面図である。 第10図は、本発明に係る炭素繊維製造用ピッチ系分割
型複合繊維を製造するための紡糸口金の構造を示す断面
図である。 第11図は、第10図で線X−Xに取った平面図である
。 第12図は、第10図で41 Y −Yに取った平面図
である。 第13図は、第10図の紡糸口金における各材料の供給
態様を示す説明図である。 l、1° :炭素繊維製造用ピッチ系 複合繊維 2:A成分 4:B成分

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1)炭素繊維製造用炭素質ピッチから成るA成分と、曳
    糸性の良好な熱可塑性有機合成高分子化合物から成るB
    成分とにて形成されるピッチ系複合繊維を紡糸し、必要
    に応じて、集束、合糸してピッチ系複合繊維束を製造す
    る工程、前記ピッチ系複合繊維束を富酸素ガス雰囲気に
    て加熱し、前記B成分を除去しピッチ繊維束を形成する
    と共に、該ピッチ繊維束の不融化を行う工程、更に、該
    不融化繊維を焼成する工程を有することを特徴とするピ
    ッチ系炭素繊維の製造方法。 2)ピッチ系複合繊維におけるA成分の糸断面積に占る
    比率が50〜95%であり、B成分が50〜5%である
    請求項1記載のピッチ系炭素繊維の製造方法。 3)A成分を形成する炭素繊維製造用炭素質ピッチは軟
    化点が230℃〜320℃の熱可塑性ピッチであり、B
    成分を形成する熱可塑性有機合成高分子化合物はポリエ
    チレンテレフタレート、エチレンテレフタレート成分が
    少なくとも60モル%以上である共重合ポリエステル、
    ポリスチレン又はナイロンである請求項1記載のピッチ
    系炭素繊維の製造方法。 4)B成分の除去及びピッチ繊維束の不融化工程は18
    0℃〜350℃に加熱することにより行われる請求項1
    記載のピッチ系炭素繊維の製造方法。
JP21955389A 1989-08-25 1989-08-25 ピッチ系炭素繊維の製造方法 Pending JPH0382822A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21955389A JPH0382822A (ja) 1989-08-25 1989-08-25 ピッチ系炭素繊維の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21955389A JPH0382822A (ja) 1989-08-25 1989-08-25 ピッチ系炭素繊維の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0382822A true JPH0382822A (ja) 1991-04-08

Family

ID=16737311

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21955389A Pending JPH0382822A (ja) 1989-08-25 1989-08-25 ピッチ系炭素繊維の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0382822A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1550747A1 (en) * 2002-09-30 2005-07-06 Teijin Limited Process and composition for the production of carbon fiber and mats
EP1686208A1 (en) * 2003-11-10 2006-08-02 Teijin Limited Carbon fiber nonwoven fabric, and production method and use thereof
EP1724380A1 (en) * 2004-03-11 2006-11-22 Teijin Limited Carbon fiber

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1550747A1 (en) * 2002-09-30 2005-07-06 Teijin Limited Process and composition for the production of carbon fiber and mats
EP1550747A4 (en) * 2002-09-30 2006-05-31 Teijin Ltd PROCESS AND COMPOSITION FOR THE PRODUCTION OF CARBON FIBER AND MATS
EP1686208A1 (en) * 2003-11-10 2006-08-02 Teijin Limited Carbon fiber nonwoven fabric, and production method and use thereof
EP1686208A4 (en) * 2003-11-10 2009-06-24 Teijin Ltd NON-WOVEN CARBON FIBER TISSUE AND METHODS OF MAKING AND USING SAME
EP1724380A1 (en) * 2004-03-11 2006-11-22 Teijin Limited Carbon fiber
EP1724380A4 (en) * 2004-03-11 2009-06-03 Teijin Ltd CARBON FIBER
US7700064B2 (en) 2004-03-11 2010-04-20 Teijin Limited Carbon fiber

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3639953A (en) Method of producing carbon fibers
US6583075B1 (en) Dissociable multicomponent fibers containing a polyacrylonitrile polymer component
JPS639045B2 (ja)
JPH0390625A (ja) ピッチ系複合繊維布帛及びピッチ系炭素繊維布帛の製造法
JPS61167022A (ja) 炭素繊維の製法
JPH0382822A (ja) ピッチ系炭素繊維の製造方法
JPH0382821A (ja) ピッチ系炭素繊維の製造法
JPH0333222A (ja) 炭素繊維開繊ローラ
JPH0382824A (ja) 炭素繊維製造用ピッチ系分割型複合繊維
JPH0382823A (ja) 炭素繊維製造用ピッチ系複合繊維
US5407614A (en) Process of making pitch-based carbon fibers
JP2834779B2 (ja) ピッチ繊維の製造方法
JP2695355B2 (ja) 炭素繊維の製造方法
EP0428944B1 (en) Pitch based carbon fibers
JPH01282349A (ja) ピッチ系の炭素繊維の製造方法
JPS60126324A (ja) フィラメントの揃いの良い炭素繊維束を製造する方法
JP2837299B2 (ja) ピッチ系極細炭素繊維の製造方法
JPS62133123A (ja) 炭素繊維及び黒鉛繊維の製造方法
JPS59150115A (ja) 炭素繊維の製造方法
JPH0674528B2 (ja) 炭素繊維及び黒鉛繊維の製造方法
JPH0364525A (ja) ピッチ系炭素繊維の製法
JPH01229820A (ja) フィラメント数1000未満のピッチ系炭素繊維束及びその製造方法
JPH05295620A (ja) ピッチ系炭素繊維の製造方法
JPH0351317A (ja) ピッチ系炭素繊維の製造方法
JPH043453B2 (ja)