JP3970157B2 - 使い捨てショーツ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、使い捨てショーツに関する。本発明の使い捨てショーツは、一般に終日着用した後に廃棄されるものであり、例えば長期の旅行中や入院中に特に好適に使用される。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
使い捨てのショーツとして、マルチ方向に伸縮性のある不織布をパンツ状に成形したものが知られている(特許文献1参照)。このショーツの構成材料である不織布としては、ポリウレタンエラストマーを原料とするスパンボンド不織布が用いられている。しかし、この不織布は肌に密着するような不快な感触を呈し、肌触りが良好と言えない。また、厚さ方向のクッション性に欠け、風合いが良好と言えない。従って、装着感が良好でないばかりでなく、肌荒れの原因ともなる。
【0003】
【特許文献1】
実開平2−3719号公報
【0004】
従って、本発明は、肌触りが良好で、クッション感があり、肌荒れの起こりにくい使い捨てショーツを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、繊維シートから形成された使い捨てショーツであって、
前記繊維シートは、肌対向面側に位置する内層繊維シート及び外面側に位置する外層繊維シートを含み、該内層繊維シートと該外層繊維シートとが多数の接合部において部分的に接合されて構成されており、
前記ショーツの肌対向面における少なくともレッグ開口部の周辺領域に、前記接合部間に位置する前記内層繊維シートによって形成された多数の凸部を有しており、
前記凸部が形成された領域は、前記接合部が疎に形成されている第1の領域となっており、該第1の領域以外の領域が、前記接合部が密に形成されている第2の領域となっており、該第1の領域においては、該第1の領域の面積に対する該接合部の面積の総和の割合が3〜50%になっており、
前記凸部が設けられている領域は、前記内層繊維シート及び前記外層繊維シートの作用によって伸縮性を有しており、また摩擦係数が0.1〜0.7になっており、
少なくとも前記外層繊維シートが耐水性を有している使い捨てショーツを提供することにより前記目的を達成したものである。
【0006】
また本発明は、繊維シートから形成された使い捨てショーツ型吸収性物品であって、
前記繊維シートは、肌対向面側に位置する内層繊維シート及び外面側に位置する外層繊維シートを含み、該内層繊維シートと該外層繊維シートとが多数の接合部において部分的に接合されて構成されており、
前記吸収性物品の肌対向面における股下部に、液保持性の吸収体、該吸収体を被覆する液透過性の表面シート及び該吸収体と該内層繊維シートとの間に位置する液不透過性の防漏シートが配されており、また
前記吸収性物品の肌対向面における少なくともレッグ開口部の周辺領域に、前記接合部間に位置する前記内層繊維シートによって形成された多数の凸部を有しており、
前記凸部が形成された領域は、前記接合部が疎に形成されている第1の領域となっており、該第1の領域以外の領域が、前記接合部が密に形成されている第2の領域となっており、該第1の領域においては、該第1の領域の面積に対する該接合部の面積の総和の割合が3〜50%になっており、
前記凸部が設けられている領域は、前記内層繊維シート及び前記外層繊維シートの作用によって伸縮性を有しており、また摩擦係数が0.1〜0.7になっており、
少なくとも前記外層繊維シートが耐水性を有している使い捨てショーツ型吸収性物品を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には、本発明の使い捨てショーツの一実施形態の斜視図が示されており、図2には、図1に示すショーツを展開した状態を肌対向面側から視た平面図が示されている。また、図3には図2におけるII−II線断面図が示されている。
【0008】
図1に示す本実施形態のショーツ1は、前身頃2、後身頃3、及び前身頃2と後見頃3との間に位置する股下部4を有している。ショーツ1は、図2に示す展開状態において、長手方向の中央部が内方にくびれた略砂時計形をしている。そして、前身頃2の左右両側縁部がそれぞれ、後見頃3の左右両側縁部と接合固定されることでショーツ形をなしている。ショーツ1は、そのまま着用されてもよく、或いは生理用ナプキン等の吸収性物品が取り付けられる生理用ショーツとして用いられてもよい。本実施形態のショーツ1は一般に、終日着用された後に廃棄される使い捨てのものであり、洗濯されて再使用されるものではない。
【0009】
本実施形態のショーツ1は、図3に示すように、その全域が2枚の繊維シートから構成されている。この2枚の繊維シートは、肌対向面側に位置する内層繊維シート5と、ショーツ1の外面側に位置する外層繊維シート6である。両繊維シートはほぼ同形をしている。両繊維シートはそれぞれ不織布や繊維ウエブなどの柔軟で肌触りの良い素材から構成されている。また図3に示すように両繊維シートはその全域において、多数の接合部7において部分的に接合されて一体化している。
【0010】
一体化された両繊維シート(以下、このシートを複合シートという)においては、接合部7が疎に形成されている第1の領域と、接合部7が極めて密に形成されている第2の領域との2つの領域がある。図2に示すように、第1の領域11は、レッグ開口部の周辺領域であり、レッグ開口部の湾曲形状に沿った所定幅の円弧形状となっている。更にウエスト開口部の周辺領域にも第1の領域11が形成されている。第2の領域12は、複合シートにおける第1の領域11以外の領域である。
【0011】
第2の領域12においては、極めて密に形成された接合部7によって両繊維シートが接合一体化しているので、第2の領域12の表面を巨視的にみると、両繊維シートがその全面で連続的に接合している場合と同程度に、ほぼ平坦な状態になっている。勿論、第2の領域12を微視的にみると、接合部7よりも接合部7間の部位の方が突出した状態になっているが、両者の差異は第一の領域のように大きなものではなく、外層繊維シートと内層繊維シートの厚さが同じか内層側が薄くなっている。従って、第2の領域12の表面を巨視的にみれば、前述の通り、ほぼ平坦な状態になっている。
【0012】
これに対して、第1の領域11においては、接合部7は疎に形成されているので、図3に示すように、接合部7よりも接合部7間の部位の方が大きく突出した状態になっている。その結果、第1の領域11は、内層繊維シート5によって形成された多数の凸部10を有している。凸部10はショーツ1の肌対向面側に形成されている。凸部10はクッション性を有し風合いが良好なものである。凸部10の内部は内層繊維シート5を構成する繊維で満たされている。これによって、凸部10はクッション性に加えて十分な圧縮回復性を発現する。その結果ショーツ1の風合いや使用感が一層向上する。凸部10の圧縮回復性の程度については後述する。
【0013】
一般に凸部10は、パターン配置された多数の接合部7によって取り囲まれて形成されている。例えば、接合部が菱形格子状のパターンとなるように配置されている場合、その菱形格子に対応する形状の凸部が形成される。
【0014】
第2の領域12に凸部を形成させず、且つ第1の領域11に凸部を形成させるためには例えば次のようにする。第2の領域12に関しては、該領域の面積に対する接合部の面積の総和の割合を40〜80%、特に50〜70%とすることで凸部を形成させないようにできる。また、個々の接合部の面積は0.5〜5mm2、特に1〜3mm2とすることが好ましい。一方、第1の領域に関しては、該領域の面積に対する接合部の面積の総和の割合を3〜50%とし好ましくは5〜40%とすることで凸部を容易に形成させることができる。また、個々の接合部の面積は0.5〜5mm2、特に1〜3mm2とすることが好ましい。
【0015】
凸部10は、内層繊維シート5、つまり繊維材料から構成されているので、肌触りやクッション性が良好である。その結果、ショーツ1における着用者の肌と最も擦れ合う部位の一つであるレッグ開口部の周辺領域に多数の凸部10を形成することで、装着感が良好になり、また肌荒れも起こりにくくなる。その上、ショーツ1は、2枚の繊維シートのみから構成されているので、通気性が良好である。従って、着装内が高湿度状態になることが防止され、これによっても肌荒れが起こりにくくなる。通気性の程度は、ガーレー透気度(JIS P 8117)が0.1〜5s/100ml、特に0.1〜3s/100mlであることが、通気性及び後述する耐水性とのバランスの点から好ましい。
【0016】
以上の通り、本実施形態のショーツ1においては、内層繊維シート5及び外層繊維シート6の2枚の繊維シートが一体化してなる1枚の複合シートによって、凸部10が多数形成されている第1の領域11と、凸部が形成されておらず平坦になっている第2の領域12とが形成されている。従って、例えば通常の不織布や布に、凸部を多数有する繊維シートを縫い合わせなどの方法によって取り付けて、本実施形態のショーツ1に類似のショーツを製造する場合に比べて、本実施形態のショーツ1は製造が容易であり、製造経費を抑えることができるという利点がある。
【0017】
また本実施形態のショーツ1に生理用ナプキンや失禁パッドを取り付けて使用した場合、レッグ開口部の周辺領域に形成された多数の凸部10によって防漏効果が発揮されて液漏れが効果的に防止されるという利点もある。更に該凸部10によって生理用ナプキンや失禁パッドが左右方向に位置ズレを起こしにくくなり、これによっても液漏れが効果的に防止される。
【0018】
凸部10を形成することによる圧縮回復性の向上は、凸部10が形成されている第1の領域11の圧縮回復力によって評価することができる。具体的には、第1の領域11を50gf/cm2の圧縮荷重となるまで圧縮し、次に圧縮を解放して該領域の厚みが初期厚みの50%となった時点での応力(この応力を圧縮回復力という)が、好ましくは1〜20gf/cm、更に好ましくは5〜15gf/cmという良好な値となる。圧縮回復力は次の方法で測定される。測定装置としてKES−FB3(カトーテック製)を用い、感度を2×5とする。初期厚みT0は0.5g/cm2荷重下の厚みとする。第1の領域11を圧縮荷重が50gf/cm2になるまで圧縮する(往路)。次に圧縮を解放して(復路)、第1の領域11が初期厚みT0に対して50%(T0/2)になった時点での応力を測定しその値を圧縮回復力とする。
【0019】
先に述べた通り、ショーツ1におけるレッグ開口部の周辺領域は、着用者の肌と最も擦れ合う部位の一つであることから、該領域に繊維材料からなる凸部10が形成されていると、凸部10と着用者の肌との擦れ合いによって凸部10が毛羽立ちやすくなり、その毛羽立ちによって着用者の肌に刺激を与えるおそれがある。これを防止する観点から、凸部10が形成されている第1の領域11は、その耐摩擦性を向上するために摩擦抵抗が低く設定されている。具体的には摩擦係数が0.1〜0.7であり好ましくは0.3〜0.6である。このような耐摩擦性を達成するためには、凸部10を、後述する第1の方法ないし第3の方法を用いて形成することが好適である。耐摩擦性の尺度となる摩擦係数はカトーテック製のKES−SE FRICTION TESTERを用いて測定する。測定各件は感度highポジション、スピードはスタンダートとする。
【0020】
本実施形態のショーツ1が通気性を有することは先に述べた通りであるが、これに加えてショーツ1は耐水性を有することが好ましい。これによって、例えばショーツ1に生理用ナプキンを取り付けた状態において、万が一ナプキンから経血が漏れたとしても、経血のそれ以上の漏れをショーツ1で阻止することができ、着衣が汚れることを防止できる。この観点から、ショーツ1における少なくとも外層繊維シート6が耐水性を有している。外層繊維シート6に加えて内層繊維シート5も耐水性を有していると一層好ましい。これらの繊維シートに耐水性を付与するためには、例えばこれらの繊維シートが疎水性の合成樹脂を原料としている場合には、親水化処理をことさら行わないことで或る程度の耐水性を付与できる。積極的に耐水性を向上させるためには、耐水性の油剤を塗工すればよい。ショーツ1の耐水性は、耐水圧で表して1〜200mmAq、特に10〜180mmAqであることが、耐水性と通気性とのバランスの点から好ましい。
【0021】
凸部10が形成されている第1の領域11における内層繊維シート5の坪量は、30〜80g/m2、特に40〜70g/m2であることが、肌触りがよく、クッション感があり、通気性が良好になる点から好ましい。外層繊維シート6の坪量は、15〜50g/m2、特に20〜40g/m2であることが、ショーツ1の引き裂けを防ぐのに十分な強度が得られる点から好ましい。また、内層繊維シート5及び外層繊維シート6を含む第1の領域11の坪量は、50〜200g/m2、特に60〜150g/m2であることが、肌触りが良く、クッション性に優れ、通気性が良好になる点、及びショーツの強度が十分に保たれる点から好ましい。同様の理由により、第1の領域11の厚み(最大厚み)は、0.6〜7mm、1〜5mmであることが好ましい。
【0022】
凸部10を形成することによる肌対向面の肌触りの良さやクッション感を一層向上させ、また肌荒れを一層効果的に防止する観点から、凸部10は十分に高いことが好ましい。この観点から、接合部の上面を基準とした凸部10の高さhは、0.3〜5mm、特に0.5 〜4mmであることが好ましい。このような高さを有する凸部を形成するために有効な方法については後述する。
【0023】
凸部10の大きさやその面積比率も、肌対向面の肌触りの良さ、クッション感、耐摩擦性を一層向上させる要因となるものである。この観点から、凸部10を平面視したときの大きさ(即ち平面視での面積)は、5〜50mm2、特に10〜30mm2であることが好ましい。また第1の領域11の面積に対する、平面視での凸部10の面積の総和の割合は、30〜80%、特に40〜70%であることが好ましい。
【0024】
十分に高い凸部10を形成するために有効な方法(以下、この方法を第1の方法ともいう)の一つとして、次に述べる方法がある。外層繊維シート6として、潜在捲縮性繊維の熱収縮によって生じた捲縮繊維を含むものを用いる。また内層繊維シート5として、実質的に熱収縮性を有しないか又は前記潜在捲縮性繊維の熱収縮温度以下で熱収縮しない繊維を含むものを用いる。そして、前記潜在捲縮性繊維の熱収縮によって、接合部7間に位置する内層繊維シート5を突出させて凸部10を形成する。
【0025】
詳細には、カード法によって、潜在捲縮性繊維を含む外層用ウエブを形成する。これとは別に、カード法によって、実質的に熱収縮性を有しないか又は前記潜在捲縮性繊維の熱収縮温度以下で熱収縮しない繊維を含む内層用ウエブを形成する。両ウエブを重ね合わせ、熱エンボスや超音波エンボスによって部分的に接合し一体化させる。次いで、外層用ウエブに含まれている潜在捲縮繊維が熱収縮を開始する温度以上で熱処理を行う。これによって外層用ウエブを収縮させると共に、接合部間に位置する内層用ウエブを凸状に突出させる。その結果、両ウエブが不織布化して内層繊維シート5及び外層繊維シート6となり、1枚の不織布となる。この場合、外層用ウエブが収縮し収縮前よりも面積が小さくなることを利用して、レッグ開口部の周辺領域及び股下部(後述する第2の実施形態参照)における凸部形成領域の寸法及び形状を適切に設計すれば、股下部が幅方向に適切な湾曲形状に収縮して、レッグ開口部に相当する部位を材料の切断無しに形成することができるという利点がある。
【0026】
外層繊維シート6に、潜在捲縮性繊維の熱収縮によって生じた捲縮繊維が含まれていることで、外層繊維シート6は、その平面方向へ伸長させた場合に所定の収縮応力を示すようになる。更に、外層繊維シート6及び内層繊維シート5を含む不織布全体としてもエラストマー的挙動を示し、伸縮性を発現する。なお、内層繊維シート5に関しては、伸張可能であればよく、エラストマー的挙動を示すか否かは特に問われない。このように、凸部10が設けられている第1の領域11は、内層繊維シート5の作用によって伸縮性を発現している。ここで、「内層繊維シート5の作用によって伸縮性を発現している」とは、糸ゴムや平ゴムのような線状の弾性部材を用いることなく、内層繊維シート5のみで伸縮性が発現することを意味する。従って、本実施形態のショーツ1においては、少なくとも凸部10が設けられている第1の領域11、つまりレッグ開口部の周辺領域には、糸ゴムや平ゴムのような線状の弾性部材を配する必要はない。
【0027】
第1の領域11において発現する伸縮性は、潜在捲縮性繊維の熱収縮によって生じた捲縮繊維に起因するものなので、第1の領域11を構成する繊維は、その材料がエラストマー樹脂である必要がない。従って、先に述べた特許文献1に記載されているようなエラストマー樹脂からなる不織布を素材としたショーツと異なり、本実施形態のショーツ1では、エラストマー樹脂を用いた場合に特有の肌に密着するような不快な感触がなく、肌触りが極めて良好になる。
【0028】
十分に高いエラストマー的挙動を発現させる観点から、第1の領域11は、その50%伸張時の伸張回復率が50%以上、特に60%以上、とりわけ60〜90%であることが好ましい。伸張回復率は、第1の領域11の流れ方向及び幅方向において値が異なる場合があるが、少なくとも何れかの方向において測定された伸張回復率の値が前記範囲内であれば、十分なエラストマー的挙動が発現する。
【0029】
伸張回復率は、以下の方法で測定される。株式会社東洋ボールドウイン製の引張圧縮試験機RTM−100(商品名)を用い引張モードで測定する。先ず、ショーツ1から第1の領域11を切り出し150mm×25mmの大きさに裁断し測定片を採取する。測定片を引張圧縮試験機に装着されたエアーチャック間に初期試料長(チャック間距離)100mmでセットし、引張圧縮試験機のロードセル(定格出力5kg)に取り付けられたチャックを100mm/分の速度で上昇させて、測定片を伸張させる。測定片が初期試料長の50%、つまり50mm伸びた時点で、チャックの移動方向を逆転させ、チャックを100mm/分の速度で下降させ、初期試料長の位置まで戻す。この間の操作でロードセルで検出される荷重と、測定片の伸びとの関係をチャートに記録し、このチャートに基づき下記式から伸張回復率を求める。
伸張回復率=回復伸び/最大伸び長さ(=チャック間距離150mm)
ここで、回復伸びは、最大伸び長さ(=チャック間距離150mm)からチャックを下降させて、初めて荷重ゼロを記録したときの、最大伸び長さからのチャック移動距離で定義される。
【0030】
以上の方法によって十分に高い凸部を有する不織布を製造する方法は、例えば本出願人の先の出願に係る特開2002−276890号公報に記載されている。
【0031】
十分に高い凸部10を形成するために有効な別の方法(以下、この方法を第2の方法ともいう)として、外層繊維シート6として薄手の繊維シートを用い、また内層繊維シート5として外層繊維シート6よりも厚い繊維シートを用いる方法がある。そして、両繊維シートを接合部7において部分的に接合することで、接合部7間の内層繊維シート5を該接合部7よりも突出させて凸部10を形成する。この場合、内層繊維シート5の厚みが、外層繊維シート6の厚みの1〜5倍、特に1.5〜3倍であると、十分に高い凸部10を効果的に形成できるので好ましい。薄手の外層シート6はその厚みが0.2〜1mm程度であることが好ましい。この厚みは坪量で表した場合15〜40g/m2程度であることが好ましい。
【0032】
十分に高い凸部10を形成するために有効な更に別の方法(以下、この方法を第3の方法ともいう)として、外層繊維シート6として薄手の繊維シートを用い、また内層繊維シート5として蛇腹状に屈曲した繊維シートを用いる方法がある。そして、該蛇腹状の内層繊維シート5における谷部を外層繊維シート6と接合し、それによって該蛇腹状の内層繊維シート5における山部から凸部10を形成する。この場合、凸部10の内部が繊維で満たされるように、蛇腹状の内層繊維シート5の坪量や蛇腹の程度を調節することに留意する。この方法で用いられる薄手の外層シートは、第2の方法で用いられるものと同様のものである。
【0033】
前述の第1の方法ないし第3の方法のうち、ショーツ1に伸縮性を付与できる観点から、第1の方法によって凸部10を形成することが特に好ましい。
【0034】
次に、本発明の第2の実施形態について図4を参照しながら説明する。第2の実施形態については、第1の実施形態と異なる点についてのみ説明し、特に説明しない点については、第1の実施形態に関して詳述した説明が適宜適用される。また、図4において、図2と同じ部材に同じ符号を付してある。
【0035】
図4に示す実施形態のショーツ1においては、その肌対向面におけるレッグ開口部の周辺領域、股下部及びウエスト開口部の周辺領域に、多数の凸部10が形成されている。その結果、肌触りが良好でクッション性の高い凸部10の形成領域が、第1の実施形態に比べて広くなっているので、ショーツ1の装着感が一層良好になる。また、凸部10を前述した第1の方法で形成すると、伸縮性を有する領域が第1の実施形態の場合に比べて一層広くなるので、ショーツ1のフィット性が一層良好になる。従って、例えばショーツ1に生理用ナプキンや失禁パッドを取り付けた場合に、これらの位置ずれが起こりにくくなり、その結果液漏れが効果的に防止される。また、生理用ナプキンや失禁パッドの裏面に取り付けられるショーツ固定用部材として、メカニカルファスナのフック部材を用いた場合には、ショーツ1の股下部に位置する凸部10が、該フック部材に対するループ部材としての機能も発揮する。
【0036】
本発明の使い捨てショーツの変形例として、ショーツの肌対向面に液の吸収機構を具備させて、ナプキンやおむつとして用いられる使い捨てショーツ型吸収性物品となすことができる。詳細には、ショーツの肌対向面における股下部に、液保持性の吸収体を配し、その上を液透過性の表面シートで被覆することで吸収機構となす。表面シートは、その周縁部をショーツの肌対向面と接合する。吸収体と肌対向面との間には液不透過性の防漏シートを配して液漏れを防ぐ。このように構成することで、肌触りが良好で、クッション感があり、肌荒れの起こりにくい吸収性物品となすことができる。しかも、この吸収性物品はショーツ型であることから、例えば通常のナプキンに比べて着用者の身体との密着性が高く、液漏れが起こりにくいという利点もある。
【0037】
このような使い捨てショーツ型吸収性物品の具体例を図5及び図6を参照しながら説明する。図5及び図6については、先に述べた実施形態と異なる点についてのみ説明し、特に説明しない点については、先に述べた実施形態に関して詳述した説明が適宜適用される。また、図5及び図6において、図1〜図4と同じ部材に同じ符号を付してある。
【0038】
図5及び図6に示す実施形態のショーツ型吸収性物品101においては、その肌対向面の股下部に、表面シート112、吸収体113、防漏シート114を備えた吸収部111が配されている。吸収部111は接着剤115によって肌対向面に接合されている。吸収部111はその周囲が、凸部を有さず且つ伸縮性の低い領域である第2の領域12によって取り囲まれている。更に第2の領域12はその周囲が、多数の凸部10を有し且つ伸縮性の高い領域である第1の領域11によって取り囲まれている。このように構成されていることで、吸収部111は、凸部を有しない第2領域12との接着性が良好になる。しかも吸収性物品101は、第2の領域12の周囲に位置する第1の領域11によって肌触りが良好となり、クッション性も高くなり、更に伸縮性も大きくなる。従って吸収性物品101のフィット性が向上する。その上、凸部10が多数存在することによって防漏性が一層高まり、経血の漏れ出しが効果的に防止される。
【0039】
本発明は前記実施形態に制限されない。例えば前記実施形態においては、凸部10は、ショーツ1の肌対向面におけるレッグ開口部の周辺領域、又はこれに加えて股下部に設けられていたが、肌対向面の全域に凸部を設けてもよい。この場合、前述した第1の方法によって凸部を形成することで、ショーツ全体が伸縮性を発現するので、伸縮性を発現させるための部材として一般に用いられている糸ゴムや平ゴム等からなる弾性部材を全く用いなくてもよいという利点がある。
【0040】
また、ショーツ1の通気性を確保しつつ、耐水性を高める観点から、内層繊維シート5と外層繊維シート6との間に液不透過性で且つ水蒸気透過性の多孔性シートを介在させてもよい。該多孔性シートを用いる場合には、外層繊維シート5として、該多孔性シートの表面に静電植毛によって多数の繊維を固着させて形成したものを用いることもできる。
【0041】
また、本実施形態のショーツは一般に白色であるが、これに代えて例えば外層繊維シートに白色以外の着色を施して、ショーツの外観を向上させてもよい。
【0042】
また、第1及び第2の実施形態においては、ショーツのフィット性を一層向上させる目的で、ウエスト開口部やレッグ開口部に、糸ゴムや平ゴム等からなる弾性部材を伸長状態で配してもよい。
【0043】
【発明の効果】
本発明の使い捨てショーツによれば、肌触りが良好で、クッション感があり、肌荒れが起こりにくくなる。本発明の使い捨てショーツは、長期の旅行中や入院中に特に好適に使用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の使い捨てショーツの一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1に示すショーツを展開した状態を肌対向面側から視た平面図である。
【図3】図2におけるIII−III線断面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態の使い捨てショーツを展開して、肌対向面側から視た平面図(図2相当図)である。
【図5】本発明の使い捨てショーツ型吸収性物品を展開して、肌対向面側から視た平面図である。
【図6】図5におけるVI−VI線断面図である。
【符号の説明】
1 使い捨てショーツ
2 前見頃
3 後見頃
4 股下部
5 内層繊維シート
6 外層繊維シート
7 接合部
10 凸部
11 第1の領域
12 第2の領域

Claims (10)

  1. 繊維シートから形成された使い捨てショーツであって、
    前記繊維シートは、肌対向面側に位置する内層繊維シート及び外面側に位置する外層繊維シートを含み、該内層繊維シートと該外層繊維シートとが多数の接合部において部分的に接合されて構成されており、
    前記ショーツの肌対向面における少なくともレッグ開口部の周辺領域に、前記接合部間に位置する前記内層繊維シートによって形成された多数の凸部を有しており、
    前記凸部が形成された領域は、前記接合部が疎に形成されている第1の領域となっており、該第1の領域以外の領域が、前記接合部が密に形成されている第2の領域となっており、該第1の領域においては、該第1の領域の面積に対する該接合部の面積の総和の割合が3〜50%になっており、
    前記凸部が設けられている領域は、前記内層繊維シート及び前記外層繊維シートの作用によって伸縮性を有しており、また摩擦係数が0.1〜0.7になっており、
    少なくとも前記外層繊維シートが耐水性を有している使い捨てショーツ。
  2. 前記第2の領域においては、該第2の領域の面積に対する前記接合部の面積の総和の割合が40〜80%になっている請求項1記載の使い捨てショーツ。
  3. 前記第2の領域は、凸部が形成されておらず平坦になっている請求項1又は2記載の使い捨てショーツ。
  4. 前記凸部が設けられている領域は、該領域を50gf/cm2の圧縮荷重となるまで圧縮し、次に圧縮を解放して該領域の厚みが初期厚みの50%となった時点での応力が1〜20gf/cmである請求項1〜3の何れかに記載の使い捨てショーツ。
  5. 前記外層繊維シートが、潜在捲縮性繊維の熱収縮によって生じた捲縮繊維を含むと共に、前記内層繊維シートが、実質的に熱収縮性を有しないか又は前記潜在捲縮性繊維の熱収縮温度以下で熱収縮しない繊維を含み、
    前記潜在捲縮性繊維の熱収縮によって、前記接合部間に位置する前記内層繊維シートが突出して前記凸部が形成されている請求項1〜4の何れかに記載の使い捨てショーツ。
  6. 前記外層繊維シートが薄手の繊維シートからなると共に前記内層繊維シートが前記外層繊維シートよりも厚い繊維シートからなり、
    両繊維シートが前記接合部において部分的に接合されることで、該接合部間の前記内層繊維シートが該接合部よりも突出して前記凸部が形成されている請求項1〜4の何れかに記載の使い捨てショーツ。
  7. 前記外層繊維シートが薄手の繊維シートからなると共に前記内層繊維シートが蛇腹状に屈曲しており、該蛇腹状の内層繊維シートにおける谷部が前記外層繊維シートと接合されており、それによって該蛇腹状の内層繊維シートにおける山部から前記凸部が形成されている請求項1〜4の何れかに記載の使い捨てショーツ。
  8. 前記凸部が、前記ショーツの肌対向面における股下部にも形成されている請求項1〜7の何れかに記載の使い捨てショーツ。
  9. 前記凸部の内部が前記内層繊維シートを構成する繊維で満たされている請求項1〜8の何れかに記載の使い捨てショーツ。
  10. 繊維シートから形成された使い捨てショーツ型吸収性物品であって、
    前記繊維シートは、肌対向面側に位置する内層繊維シート及び外面側に位置する外層繊維シートを含み、該内層繊維シートと該外層繊維シートとが多数の接合部において部分的に接合されて構成されており、
    前記吸収性物品の肌対向面における股下部に、液保持性の吸収体、該吸収体を被覆する液透過性の表面シート及び該吸収体と該内層繊維シートとの間に位置する液不透過性の防漏シートが配されており、また
    前記吸収性物品の肌対向面における少なくともレッグ開口部の周辺領域に、前記接合部間に位置する前記内層繊維シートによって形成された多数の凸部を有しており、
    前記凸部が形成された領域は、前記接合部が疎に形成されている第1の領域となっており、該第1の領域以外の領域が、前記接合部が密に形成されている第2の領域となっており、該第1の領域においては、該第1の領域の面積に対する該接合部の面積の総和の割合が3〜50%になっており、
    前記凸部が設けられている領域は、前記内層繊維シート及び前記外層繊維シートの作用によって伸縮性を有しており、また摩擦係数が0.1〜0.7になっており、
    少なくとも前記外層繊維シートが耐水性を有している使い捨てショーツ型吸収性物品。
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