JP3967855B2 - 物体浮揚装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば音波等の放射圧を用いて物体を浮揚させる物体浮揚装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
物体を空中に浮揚させる物体浮揚装置として、振動手段により振動される振動体の音波の放射圧により振動体の表面上において物体を浮揚させる物体浮揚装置が特開平7−24415号公報、特開平7−137824号公報に開示されている。この装置では平板状の振動体を使用し、浮揚させるべき物体の前記平板状の振動体の表面と対向する面を平面とし、振動体の振動による音波の放射圧により物体が浮揚する。また、前記各公報には物体浮揚装置によって物体を浮揚させた状態で、浮揚物体に向けて圧搾空気を噴射したり、超音波を放射して浮揚物体を走行させることが開示されている。また、浮揚物体を走行させる方法として、振動体を長尺に形成するとともに振動体の一端に振動手段を設けて振動体に撓み振動を起こさせ、振動体の他端にエネルギー変換手段を連結することにより、撓み振動の波を進行波として物体を浮揚状態で走行させる方法が開示されている。
【0003】
しかし、前記物体浮揚装置では、振動体の表面が水平から傾いた状態では物体を所定位置に保持することは難しく、物体に対して横方向の力が作用すると、浮揚物体は容易に水平方向に移動して振動体と対向する位置から外れて落下するという問題がある。また、浮揚物体を走行させる場合も、浮揚物体に作用する推進力を精度良く進行方向に向かって作用させることが難しい。従って、水平方向への移動を規制するガイドあるいは規制部材が必要となる。
【0004】
前記特開平7−137824号公報には前記の問題を解消する手段として、図7に示すように、一対の平板状の振動体51をほぼV字状に配置し、各振動体51をホーン52、振動子53に連結して、振動子53をそれぞれ図示しない発振器に電気的に接続した物体浮揚装置が開示されている。ホーン52にはフランジ部52aが形成され、振動子53及びホーン52を内蔵するケース54に対してフランジ部52aがパッキン52bを介して締結されている。この物体浮揚装置では物体55は両振動体51のなす角度と等しい角度を成す底面(側面)を有し、両底面に振動体51から均等な放射圧を受ける状態で浮揚される。
【0005】
特開平9−202425号公報には、物体浮揚装置を具備した物体搬送装置として、物体より幅の狭い振動体を水平状態で平行に並べ、振動体の音圧によって物体を浮揚させて搬送する構成が開示されている。そして、平行に並べた振動体の外側下面にほぼ全長にわたって断面矩形状の切欠部を形成すると、振動体が発する音波の放射圧は、物体搬送路の幅方向における両縁側が中央に比して大となることが開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
圧搾空気等の加圧空気を利用して物体の浮揚、搬送を行う方式に対して、音波の放射圧を利用して物体の浮揚、搬送を行う方式の利点として、所謂クリーンルーム等雰囲気を清浄に保つべき条件下にて使用される場合に、加圧気体供給手段から噴射される空気の拡散を防ぐ手段が不要になる等、装置の小型化を図り易いということがある。
【0007】
特開平9−202425号公報に開示された物体搬送装置のように、振動体の幅方向の厚さを変えることにより物体搬送路の幅方向における両縁側の音波の放射圧を高める方法では、物体を所定位置から外れないように保持する作用が不十分である。また、振動体を加工する手間がかかるという問題がある。
【0008】
前記図7に示す構成では、浮揚物体は両振動体51から均等な放射圧を受ける状態で安定して浮揚する。しかし、浮揚物体が両振動体51の成す角度と同じ角度の底面をもっている必要があり、例えば平板等のように底面がフラットな物体への適用が困難であった。クリーンルームで搬送する物体としては液晶基板(ガラス基板)やシリコンウェハーがあるがこれらの物体はいずれも薄板である。底面がフラットな物体を浮揚させるには、底面がV字状のケースやボード上に物体を載置する必要があり、手間がかかるとともに安定して載置するのが難しい。
【0009】
本発明は前記の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は平板等のように底面がフラットな物体を、安定な状態で浮揚保持できる物体浮揚装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、平板状の振動体を励振手段で励振させて、振動体の音波の放射圧により振動体の表面上において底面がフラットな物体を浮揚させる物体浮揚装置であって、その表面が前記物体の底面に対して逆方向に内側に向かって傾斜した状態に、かつ前記物体に作用する放射圧が釣り合うように配置し、前記振動体の傾斜角度を水平面に対して水平面と前記振動体の表面との成す角度が3°以下となるように形成した
【0011】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記一組の振動体はそれぞれ互いに離れた側のエッジが前記物体の対向するエッジの近傍でエッジに沿って延びるように配置されている。
【0012】
請求項3に記載の発明では、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記励振手段は先端に前記振動体が一体振動可能に取り付けられたホーンを備え、ホーンの先端面は振動子の軸方向と直交する平面に形成され、ホーン及び振動子が鉛直方向に対して、水平面と振動体との成す角度と同じ角度傾斜した状態で配置されている。
【0013】
請求項4に記載の発明では、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記励振手段は先端に前記振動体が一体振動可能に取り付けられたホーンを備え、ホーンの先端面は、振動子が鉛直方向に延びるように配置された状態で水平面に対して水平面及び振動体の成す角度と同じ角度傾斜するように形成され、ホーン及び振動子が鉛直方向に延びるように配置されている。
【0014】
従って、請求項1に記載の発明では、励振手段で励振される平板状の振動体からの音波の放射圧により、振動体の表面上において底面がフラットな物体が浮揚される。少なくとも一組の振動体から物体に対して斜めに放射圧が作用し、物体は互いに向かい合う水平方向の分力が釣り合う状態で安定に浮揚する。物体の底面に対して直交する方向に放射圧が作用する場合は、物体に水平方向の力が作用するとその力によって物体が簡単に水平移動して振動体と対向する位置からずれて落下する。しかし、物体の底面に対して傾斜した状態で振動体が配置されると、浮揚物体と振動体との間に内側に向かう空気流が発生し、該空気流により互いに向かい合う水平方向の力が存在することにより、物体に小さな水平方向の力が作用した程度では物体は所定位置に安定した状態でとどまる。
【0015】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、物体は浮揚状態においてエッジが振動体のエッジと対向する位置より外側へ移動し難くなるため、物体の対向するエッジが前記一組の振動体の互いに離れた側のエッジに沿ってエッジの近傍に配置されていると、物体は振動体のエッジと対応する位置に安定して保持される。
【0016】
請求項3に記載の発明では、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記励振手段は先端に前記振動体が一体振動可能に取り付けられたホーンを備え、ホーン及び振動子が鉛直方向に対して所定角度で傾斜するように配置されて、振動体が水平面に対して所定の角度傾斜する状態となる。
【0017】
請求項4に記載の発明では、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記励振手段は先端に前記振動体が一体振動可能に取り付けられたホーンを備え、ホーンの先端面は、振動子が鉛直方向に延びるように配置された状態で水平面に対して水平面及び振動体の成す角度と同じ角度傾斜するように形成されているため、振動子を鉛直に配置することにより振動体が浮揚物体に対して所定の傾斜角となるように配置される。
【0018】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、本発明を平板を浮揚保持する物体浮揚装置に具体化した第1の実施の形態を図1及び図2に従って説明する。
【0019】
図1(a),(b)に示すように、物体浮揚装置1は矩形板状に形成された振動体2a,2bを一組(一対)備えている。各振動体2a,2bは矩形板状の物体3の幅W(図1(a)の左右方向の長さ)の1/2未満(この実施の形態ではほぼ1/3)の幅で、物体3の長さとほぼ同じ長さに形成されている。各振動体2a,2bは互いに離れた側のエッジ4a,4bが物体3の対向するエッジ3a,3bの近傍でエッジ3a,3bに沿って延びるように配置されている。各振動体2a,2bはエッジ4a,4b側から反対のエッジに向かって下降傾斜するように配置されている。
【0020】
振動体2a,2bは励振手段を構成するホーン5の先端に図示しないネジにより締結されている。ホーン5は振動体2a,2bの幅と同じ長さの扁平な直方体状に形成され、振動体2a,2bの長手方向中央部において長手方向と直交する状態で取り付けられている。
【0021】
ホーン5は振動体2a,2bが締結される面と反対側の面において振動子6に固定されている。振動子6には所謂ランジュバン形振動子が使用され、一対のリング状のピエゾ素子7a,7bと、ピエゾ素子7a,7b間に配置されたリング状の電極板7cと、ピエゾ素子7a,7bの外側面と当接する位置に配置された金属ブロック8a,8bとを、図示しないボルトによって締め付け固定することにより構成されている。ボルトは金属ブロック8aに形成された図示しないねじ穴に、金属ブロック8b側から螺合されている。両金属ブロック8a,8bはボルトを介して互いに導通された状態となっている。
【0022】
電極板7cは配線9aを介して発振器10と接続され、発振器10の接地端子が配線9bを介して金属ブロック8bに接続されている。発振器10は図示しない制御装置からの制御信号により駆動される。ホーン5と、振動子6と、発振器10とにより振動体2a,2bを励振させる励振手段が構成されている。
【0023】
ホーン5の先端面5aは振動子6の軸方向と直交する平面に形成され、ホーン5及び振動子6の中心軸が鉛直方向に対して、水平面と振動体2a,2bとの成す所定角度θと同じ角度傾斜した状態で配置されている。所定角度θは物体3に対して互いに向かい合う水平方向の分力が釣り合うように作用する放射圧が発生する角度であり、物体3の質量、振動体2a,2bの面積などによって適正値は変化するが、例えば、ほぼ1°前後であり、通常3°以下である。
【0024】
次に前記のように構成された装置の作用を説明する。
前記物体浮揚装置1は例えば搬送車上に装備され、搬送すべき物体3を浮揚状態に保持しつつ搬送車の移動により目的位置まで搬送される。
【0025】
物体3がその幅方向の両エッジ3a,3bが両振動体2a,2bのエッジ4a,4bに揃うように両振動体2a,2b上に載置される。その状態で発振器10の駆動により振動子6が所定の共振周波数(例えば、20kHz前後)で励振され、ホーン5が縦振動してホーン5を介して振動体2a,2bが励振されて撓み振動を行う。振動体2a,2bが撓み振動を行うことにより、振動体2a,2bから音波が放射される。
【0026】
振動体2a,2bから放射される音波の放射圧によって、物体3は振動体2a,2bの表面から浮揚する。両振動体2a,2bから物体3に対して斜めに放射圧が作用し、物体3は互いに向かい合う水平方向の分力が釣り合う状態で安定に浮揚する。浮遊高さは数10〜数100μmである。
【0027】
振動体2a,2bが物体3の中央側に向かって下降傾斜した状態で振動する場合、振動体2a,2bと物体3とにより挟まれた空間に対して、エッジ4a,4b側から内側に向かう空気流A1,A2が発生し、この空気流A1,A2が物体3に水平方向の力を作用させる。振動体2a,2bのエッジ4a,4bと物体3のエッジ3a,3bとが揃った状態で、前記空気流の作用が大きくなる。
【0028】
従来の平板を浮揚させる構成の物体浮揚装置のように、物体3の底面に対して直交する方向に放射圧が作用する場合は、物体3に水平方向の外力が作用するとその力によって物体3が簡単に水平移動して振動体と対向する位置からずれて落下する。しかし、この実施の形態では前記空気流A1,A2によって互いに向かい合う水平方向の力が存在するため、物体3に小さな水平方向の外力が作用した程度では物体3は所定位置に安定した状態でとどまる。なぜならば、両空気流A1,A2の物体3に対する水平方向の力が釣り合った状態で物体3に外力が作用し、例えば、物体3が振動体2aの外側にはみ出す方向に移動されると、物体3に作用する振動体2aの側の空気流A1の力が強くなり、振動体2bの側の空気流A2の力が弱くなる。その結果、物体3に振動体2b側へ移動させるように、即ち元の位置へ復帰させるように力が作用し、外力が作用しなくなると物体3は元の位置に復帰する。
【0029】
この実施の形態では以下の効果を有する。
(1) 一対の振動体2a,2bを、その表面が平板状の物体3の底面に対して逆方向に内側に向かって傾斜した状態に、かつ物体3に作用する放射圧が釣り合うように配置した。その結果、振動体2a,2bと物体3とにより挟まれた空間に対して、エッジ4a,4b側から内側に向かう空気流A1,A2が発生し、物体3が安定した状態で所定位置に浮揚状態で保持される。また、物体3の幅方向(両振動体2a,2bと直交する方向)への移動を規制するカバーを設けたり、物体が所定量以上幅方向に移動したことを検知して物体浮遊装置の作動を停止する等の落下防止対策を不要にすることができる。
【0030】
(2) 一対の振動体2a,2bはそれぞれ互いに離れた側のエッジ4a,4bが物体3の対向するエッジ3a,3bの近傍でエッジ4a,4bに沿って延びるように配置されている。従って、エッジ3a,3bとエッジ4a,4bとが離れた状態に配置された場合に比較して、空気流A1,A2の流れが強くなり、物体を所定位置に保持する機能が高まる。
【0031】
(3) ホーン5の先端面5aは振動子6の軸方向と直交する平面に形成され、ホーン5及び振動子6が鉛直方向に対して、水平面と振動体2a,2bとの成す所定角度θと同じ角度傾斜した状態で配置されている。従って、振動体2a,2bの厚さを場所によって異なるように加工する必要がなく、製造が簡単になる。
【0032】
(4) 対向するエッジ3a,3bが平行な平板状の物体3を安定した状態で浮揚保持することができるため、例えば液晶基板等をケースを使用せずに浮揚保持した状態で搬送できる。
【0033】
(第2の実施の形態)
次に第2の実施の形態を図3(a),(b)に従って説明する。この実施の形態では物体3が大きい点と、物体浮揚装置1が浮揚した物体3を走行させる手段を備えている点が前記実施の形態と大きく異なっている。前記実施の形態と基本的に同じ部分は同一符号を付して詳しい説明を省略する。
【0034】
図3(a)は物体浮揚装置1の背面図、即ち図3(b)を上側から見た図である。平板状の物体3に放射圧を作用させる振動体2a,2b,2cは3個設けられ、図3(a)に示すように、物体3に対して傾斜した状態で配置される一対の振動体2a,2bの中央に物体3の底面と平行に、かつ両振動体2a,2bと平行に延びるように第三の振動体2cが配置されている。図3(b)に示すように、各振動体2a,2b,2cはそれぞれ両端において、ホーン5に締結されている。振動体2cは両振動体2a,2bより幅広に形成され、振動体2cが締結されるホーン5には上下方向に延びるスリット5bが形成されている。
【0035】
各振動体2a,2b,2cの一端側に締結されたホーン5を励振させる振動子6は、発振器10(図3(b)にのみ図示)に接続されている。各振動体2a,2b,2cの他端側に締結されたホーン5を励振させる振動子6は、抵抗R及びコイルLからなるエネルギー変換手段としての負荷回路11に接続されている。
【0036】
この実施の形態の装置では発振器10に接続された振動子6が励振されると、ホーン5を介して振動体2a,2b,2cが撓み振動し、物体3が振動体2a,2b,2c上で浮揚する。振動体2a,2b,2cの振動は負荷回路11に接続された振動子6に伝達され、振動子6を構成するピエゾ素子7a,7bにより機械エネルギーである振動のエネルギーが電気エネルギーに変換される。この電気エネルギーが負荷回路11の抵抗Rでジュール熱に変換されて放散される。そのため、各振動体2a,2b,2cに生じる振動の波が進行波となり、物体3は発振器10に接続された側の振動子6と対応する側から他方へ向かって浮揚状態で搬送される。搬送の停止は発振器10の駆動を停止することにより行われる。
【0037】
この実施の形態では第1の実施の形態の(1)〜(4)の効果の他に次の効果を有する。
(5) 互いに逆方向に傾斜した振動体2a,2bの中央に物体3と平行に配置された振動体2cが設けられているため、物体3の幅が広くても、物体3の撓みが抑制されて円滑に浮揚状態に保持されて搬送される。
【0038】
(6) 物体3を浮揚状態で走行させる手段として、振動体2a,2b,2cに一定方向へ進む進行波を発生させる構成としたので、振動体2a,2b,2cに定在波となる撓み振動を行わせて物体を浮揚させ、圧搾空気を物体3に噴射して走行させる構成等に比較して構成が簡単になる。
【0039】
(7) 物体3が搬送される際、エッジ4a,4b側から内側に向かう空気流A1,A2の作用により、幅方向への移動が効果的に規制されるため、物体3と接触して案内するガイドや、特開平7−137824号公報に開示されたエアーや音波反射部材を振動体2a,2bの外側に設けて物体3の幅方向へのずれを阻止して所定範囲に保持する機構が不要になる。
【0040】
(8) 3個の振動体2a,2b,2cが配置されているが、両側に配置される振動体2a,2bの位置調整を正確に行えば、中央の振動体2cの位置調整は差ほど正確に行わなくてもよく、従来の全ての振動体を物体の底面と平行に配置した装置に比較して、初期の設置の調整が簡単になる。
【0041】
なお、実施の形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
○ 図4(a),(b)に示すように、ホーン5の先端面5aを、振動子6が鉛直方向に延びるように配置された状態で水平面に対して水平面と振動体2a,2bとの成す所定角度θと同じ角度傾斜するように形成し、ホーン5及び振動子6を鉛直方向に延びるように配置する構成とする。この場合、振動子6が鉛直となるようにフレームなどに固定することにより、水平面と振動体2a,2bとの成す角度が所定角度θとなり、ホーン5及び振動子6全体を所定角度θ傾けて設置するのに比較して、作業が簡単になる。
【0042】
○ 大きな物体3、特に幅が広い物体3を浮揚させる場合、物体の幅方向の両側に配設される振動体2a,2bの間に配設される振動体2cの数を、振動体2a,2bの間隔に応じて2個以上としてもよい。また、図5(a),(b)に示すように、振動体2a,2bの間に互いに逆方向に傾斜する振動体2d,2eを配設してもよい。振動体2d,2eを傾斜させる方法は、振動体2a,2bの場合と同様に、図5(a)に示すように、ホーン5及び振動子6全体を鉛直方向に対して所定角度傾斜させて配置する方法と、ホーン5の先端面5aを傾斜させる図5(b)の方法とがある。これらの場合、両振動体2a,2bの間に振動体2cを水平に配置した場合より、物体3を所定位置に保持する効果が向上する。
【0043】
○ 傾斜した状態で配置される振動体2a,2b,2d,2eは必ずしも同じ形状のものが対を成すように配置された構成に限らず、図6に示すように、左右の数が異なっても全体として水平方向に作用する気流の力のバランスがとれた構成であればよい。
【0044】
○ 両側に配置された振動体2a,2bのエッジ4a,4bは必ずしも物体3のエッジ3a,3bと揃った位置に配置される構成に限らず、物体3が両エッジ4a,4bからはみ出す大きさとしたり、物体3が両エッジ4a,4bより内側に位置する大きさとしてもよい。
【0045】
○ 物体3を一対の振動体2a,2bで浮揚させる構成と、一対の振動体2a,2bの間に水平に配置される振動体2cあるいは傾斜した状態で配置される振動体2d,2eを備えた構成のいずれの場合も、物体3を浮揚状態に保持するだけの構成と、進行波を発生させて物体3を浮揚状態で搬送する構成の何れに適用してもよい。
【0046】
○ 第2の実施の形態のように進行波を利用して物体3を浮揚状態で搬送する装置において、物体3の搬送を停止する方法として発振器10の駆動を停止する方法に代えて、各振動体2a,2b,2cの両端に設けられた振動子6をそれぞれ発振器10と負荷回路11とに選択的に切り換え接続可能に構成する。そして、発振器10に接続された状態と、負荷回路11に接続された状態との切換を高速で行って、進行波の進行方向を短時間で切り換えることにより、実質的に物体3を浮揚状態で一定位置に停止させるようにしてもよい。この場合、停止中でも物体3を浮揚状態に保持できる。
【0047】
○ 浮揚状態の物体3を走行させる手段として、振動体2a〜2eに生じる振動の波が進行波となる構成に代えて、振動体2a〜2eに生じる振動の波を定在波とし、浮揚状態の物体3に対して圧搾空気を噴射したり、超音波を放射して物体3を走行させる構成としてもよい。この構成は特開平7−137824号公報に開示されている。
【0048】
○ 底面がフラットで対向するエッジが存在する形状の物体であれば、平板状の物体に限らず、他の形状の物体を浮揚状態で安定して保持できる。
○ 振動体2a〜2eのホーン5への固定はネジによる締結に限らず、接着剤を使用したり、ロウ付けや溶接で固着してもよい。
【0049】
○ 振動子6はランジュバン形振動子に限らず他の振動子を使用してもよい。
○ ホーン5の形状は扁平な直方体状に限らず、ほぼ円錐台状等先端側が細くなった形状としてもよい。
【0050】
前記実施の形態から把握できる請求項記載以外の技術的思想(発明)について、以下にその効果とともに記載する。
(1) 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の発明の物体浮揚装置は、浮揚状態の物体を走行させる走行手段を備えている。この場合、物体を浮揚状態で搬送できる。
【0051】
(2) (1)の発明において、前記走行手段は各振動体の両端に固定された2個の振動子と、該2個の振動子の一方の振動子を励振させる発振器と、他方の振動子に接続されて振動エネルギーを電気エネルギーに変換して振動体に進行波を発生させるエネルギー変換手段とを備えている。この場合、簡単な構成で物体を浮揚状態で搬送できる。
【0052】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1〜請求項4に記載の発明によれば、平板等のように底面がフラットな物体を、安定な状態で浮揚保持できる。
【0053】
請求項2に記載の発明では、物体を所定位置に保持する機能が高まる。
請求項4に記載の発明では、ホーン及び振動子全体を所定の角度傾けて設置するのに比較して、水平面と振動体との成す角度が所定の角度となるように設置する作業が簡単になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は第1の実施の形態の物体浮揚装置の模式平面図、(b)は同じく模式正面図。
【図2】 同じく振動体とホーンの固定状態を示す模式斜視図。
【図3】 (a)は第2の実施の形態の物体浮揚装置の模式背面図、(b)は同じく模式平面図。
【図4】 (a),(b)はそれぞれ別の実施の形態の物体浮揚装置の模式正面図。
【図5】 (a),(b)はそれぞれ別の実施の形態の物体浮揚装置の模式正面図。
【図6】 別の実施の形態の物体浮揚装置の模式正面図。
【図7】 従来の物体浮揚装置の部分断面図。
【符号の説明】
1…物体浮揚装置、2a〜2e…振動体、3…物体、3a,3b,4a,4b…エッジ、5…励振手段を構成するホーン、6…同じく振動子、5a…先端面、10…励振手段を構成する発振器。

Claims (4)

  1. 平板状の振動体を励振手段で励振させて、振動体の音波の放射圧により振動体の表面上において底面がフラットな物体を浮揚させる物体浮揚装置であって、
    少なくとも一組の振動体を、その表面が前記物体の底面に対して逆方向に内側に向かって傾斜した状態に、かつ前記物体に作用する放射圧が釣り合うように配置し
    前記振動体の傾斜角度を水平面に対して水平面と前記振動体の表面との成す角度が3°以下となるように形成した物体浮揚装置。
  2. 前記一組の振動体はそれぞれ互いに離れた側のエッジが前記物体の対向するエッジの近傍でエッジに沿って延びるように配置されている請求項1に記載の物体浮揚装置。
  3. 前記励振手段は先端に前記振動体が一体振動可能に取り付けられたホーンを備え、ホーンの先端面は振動子の軸方向と直交する平面に形成され、ホーン及び振動子が鉛直方向に対して、水平面と振動体との成す角度と同じ角度傾斜した状態で配置されている請求項1又は請求項2に記載の物体浮揚装置。
  4. 前記励振手段は先端に前記振動体が一体振動可能に取り付けられたホーンを備え、ホーンの先端面は、振動子が鉛直方向に延びるように配置された状態で水平面に対して水平面と振動体との成す角度と同じ角度傾斜するように形成され、ホーン及び振動子が鉛直方向に延びるように配置されている請求項1又は請求項2に記載の物体浮揚装置。
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