JP2005119839A - 物体浮揚装置 - Google Patents

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正己 高三
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Abstract

【課題】複数の共振周波数を有する振動板を励振側の振動子で励振させる際に、振動板全体を効率よく安定してほぼ均一に振動させる。
【解決手段】物体浮揚搬送装置11は複数の共振周波数を有する振動板12を励振手段で励振させて、振動板12からの音波の放射圧により物体13を浮揚させる。振動板12の一端は振動子14に固定されたホーン15に締結され、他端はホーン16に締結されている。振動子14には振動板12の励振側の振動を検出する励振側振動センサ25が設けられ、ホーン16が固定された金属ブロックには振動板12の受波側の振動を検出する受波側振動センサ26が設けられている。発振器22は制御装置27からの制御信号により駆動される。制御装置27は励振側振動センサ25の検出信号と、受波側振動センサ26の検出信号とを用いて、振動板12が定在波を発生し、かつ縞モードで振動板12全体としてほぼ均一に振動するように、発振器22を制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、物体浮揚装置に係り、詳しくは複数の共振周波数を有する振動板を励振手段で励振させて、振動板からの音波の放射圧により物体を浮揚させる物体浮揚装置に関する。
物体を空中に浮揚させる物体浮揚装置として、音波の放射圧を用いる装置が提案されている。そして、長尺の平板状の振動体を使用し、振動体の振動による音波の放射圧により物体を浮揚させ、前記振動体で進行波を発生させて浮揚した物体を移動させる物体浮揚搬送装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。物体浮揚搬送装置は、振動体の一端に励振側(加振側)の振動子が設けられるとともに、他端に受波側の振動子が設けられている。また、励振側の振動子として圧電素子(ピエゾ素子)を使用したランジュバン形振動子が使用されている。圧電素子を使用した振動子では、共振周波数で振動子を励振させることで、振動体を必要な強さ(振幅)で振動させる。振動体に進行波を発生させるため、受波側の振動子には、振動子の振動エネルギーを電気エネルギーに変換し、抵抗で熱として消費する負荷回路が設けられている。
長尺板のように振動板の励振側と受波側とが離れている場合、振動板が励振側で良好に振動されていても受波側では振動が良好に行われない場合がある。そこで、長尺の振動板を励振側の振動子で励振させる際に、簡単な構成で振動板全体を効率よく安定してほぼ均一に振動させることができる振動子駆動用電源装置が提案されている(特許文献2参照。)。特許文献2に記載の振動子駆動用電源装置は、長尺の振動板の一端に連結した励振側の振動子を発振器により励振させて振動板を駆動させ、前記長尺の振動板の受波側の振動状態を検出する振動状態検出手段の信号をフィードバックして前記発振器を制御する制御手段を備えている。
具体的には図6に示すように、振動子駆動用電源装置41は、発振器を構成する主回路42と、制御装置43とを備えている。主回路42は移相制御回路(図示せず)を備え、制御装置43からの制御信号により駆動される。制御装置43には励振側の振動子44に供給される電圧V1を検出する電圧センサ45の出力と、受波側の振動子46から出力される電圧V2を検出する電圧センサ47の出力とが入力されるようになっている。制御装置43はCPU(図示せず)を備え、励振側の振動子44に供給される電圧V1の位相と、受波側の振動子46から出力される電圧V2の位相との差(位相差)が所定の値又は範囲において、出力電圧V2が最大あるいは予め設定された所定以上の値となるように、発振器の出力周波数を制御する。
特開2002−137817号公報(明細書の段落[0015],[0018],[0021]、図1) 特開2003−126778号公報(明細書の段落[0020]〜[0025]、図1、図2)
振動板を励振させる場合、通常は、受波側の振動成分をフィードバックして、励振側の電圧(電流)を励振側の振動成分として制御できる。しかし、長尺の振動板の場合、複数の共振周波数が存在するため、「励振側の電圧(電流)=励振側の振動」とならない振動モードが存在する可能性がある。また、製造の許容誤差によるバラツキ等により、所望の周波数以外の周波数で振動する可能性がある。従って、長尺の振動板の制御に受波側の振動のみをフィードバックすると、受波側のみが良く振動して、振動板全体が均一に振動しない場合が発生する。特許文献2に記載の装置では、振動状態を確認しながら、主回路42を調整することで、振動板を均一に振動させることができるが、調整に手間がかかるという問題があった。また、温度変化や経時変化等でインピーダンス特性が変わった場合に、別のモードで振動する可能性もあった。
本発明は前記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は複数の共振周波数を有する振動板を励振側の振動子で励振させる際に、振動板全体を効率よく安定してほぼ均一に振動させることができる物体浮揚装置を提供することにある。
前記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、複数の共振周波数を有する振動板を励振手段で励振させて、振動板からの音波の放射圧により物体を浮揚させる物体浮揚装置である。そして、前記振動板の励振側の振動を検出する励振側振動センサの検出信号と、前記振動板の受波側の振動を検出する受波側振動センサの検出信号とを用いて前記振動板の励振手段を制御する制御装置を備えている。ここで、「振動板の励振側」とは、振動子に電圧(電流)を加えて振動板を励振する部分を意味し、「振動板の受波側」とは、励振側の振動子から離れた位置で振動板が連結された固定部と対応する振動板の位置及び固定部までの距離が励振側の振動子までの距離より短い部分を意味する。例えば、仮に振動板に振動子が直接あるいは間接的に連結されていても、その振動子に電圧(電流)を加えて振動板を励振させることがない場合は振動板の受波側となる。
この発明では、励振手段で励振される振動板からの音波の放射圧により物体が浮揚される。前記振動板の励振側の振動が励振側振動センサにより検出され、振動板の受波側の振動が受波側振動センサにより検出される。制御装置は、前記両センサの検出信号を用いて励振手段を制御する。従って、振動板が共振周波数を複数有していても、励振側と受波側とが異なる共振周波数で振動されるのを防止して、振動板全体を効率よく安定してほぼ均一に振動させることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記振動板は振動子により進行波を発生するように励振される。この発明では、振動板から進行波が発生するため、物体を浮揚状態で搬送することができる。振動板から進行波を発生させる場合は、振動板を共振周波数より若干ずれた周波数で励振させるのが好ましいため、共振周波数が複数ある場合、受波側の振動のみをフィードバックする制御では励振側と受波側とが均一に振動されない場合生じるが、この発明ではそのようなことはなく、全体がほぼ均一に振動される。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記振動板は定在波を発生するように励振され、前記振動板の受波側はホーンで支持されるとともに、ホーンに前記受波側振動センサが取り付けられている。この発明では、受波側はホーンで支持されるため、受波側にも振動子を設ける構成に比較して構成が簡単になる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記振動板は縞モードで振動される。従って、この発明では、振動板が格子モードで振動される場合に比較して、騒音発生が抑制されるとともに振動板が安定した状態で振動され、信頼性が高くなる。
本発明によれば、複数の共振周波数を有する振動板を励振側の振動子で励振させる際に、振動板全体を効率よく安定してほぼ均一に振動させることができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図1及び図2に従って説明する。図1は物体浮揚搬送装置の概略斜視図、図2は、物体浮揚搬送装置の模式側面図である。
図1に示すように、物体浮揚搬送装置11は長尺の振動板12を備えている。長尺とは振動板12が振動する際の波長の10倍以上の長さを意味する。振動板12は矩形平板状に形成されるとともに、幅が搬送すべき物体13より広く形成されている。また、振動板12は複数の共振周波数を有する長さに形成されている。振動板12の一端側(図1の左端側)にはホーン15がその先端において図示しないネジにより締結されている。振動板の他端側にはホーン16がその先端において図示しないネジにより締結されている。各ホーン15,16は偏平なほぼ直方体状に形成され、振動板12に対してその長手方向両端部において長手方向と直交する状態で取付けられている。
ホーン15は振動板12が締結される面の反対側の面において振動子14に固定されている。ホーン15の先端面は振動子14の軸方向と直交する平面に形成され、ホーン15及び振動子14の中心軸が鉛直方向に延びる状態で配置されている。
振動子14には所謂ランジュバン形振動子が使用され、一対のリング状のピエゾ素子17a,17bを備えている。両ピエゾ素子17a,17b間にリング状の電極板18が配置され、ピエゾ素子17a,17bの電極板18と当接する側と反対側の面に当接する金属ブロック19a,19bを、図示しないボルトによって締め付け固定することにより振動子14が構成されている。ボルトは金属ブロック19aに形成された図示しないネジ穴に、金属ブロック19b側から螺合されている。両金属ブロック19a,19bはボルトを介して互いに導通された状態となっている。
図2に示すように、金属ブロック19aの上端にはフランジ20が形成され、金属ブロック19aはベースプレート21に形成された孔(図示せず)に嵌合された状態で図示しないボルトによりベースプレート21に固定されている。また、受波側のホーン16は、金属ブロック19aを介してベースプレート21に固定されている。
振動板12の励振側に締結されたホーン15を励振させる振動子14は発振器22に接続されている。電極板18は配線23aを介して発振器22と接続され、発振器22の接地端子が配線23bを介して金属ブロック19bに接続されている。発振器22は移相制御回路(図示せず)を備えている。振動子14、ホーン15及び発振器22により振動板12を励振させる励振手段が構成されている。
物体浮揚搬送装置11は振動板12から定在波を発生するように構成され、浮揚状態の物体13に推進力を与える推進力付与手段を備えている。この実施形態では推進力付与手段として、物体13に対して圧縮空気を後方から吹き付けるノズル24が設けられている。ノズル24は複数設けられるが、1個のみ図示している。
振動子14には振動板12の励振側の振動を検出する励振側振動センサ25が設けられている。励振側振動センサ25は振動子14の振動に対応した電圧V1を出力するように構成されている。ホーン16が固定された金属ブロック19aには振動板12の受波側の振動を検出する受波側振動センサ26が設けられている。受波側振動センサ26はホーン16の振動に対応した電圧V2を出力するように構成されている。
発振器22は制御装置27からの制御信号により駆動される。制御装置27はCPU(図示せず)を備え、励振側振動センサ25及び受波側振動センサ26がA/D変換器、インタフェース(いずれも図示せず)を介して、CPUに接続されている。制御装置27は励振側振動センサ25の検出信号と、受波側振動センサ26の検出信号とを用いて振動板12の励振手段を制御する。
制御装置27は、励振側振動センサ25及び受波側振動センサ26の検出信号に基づいて励振側及び受波側の振動成分の大きさ及び位相を演算して、振動板12が定在波を発生し、かつ縞モードで振動板12全体としてほぼ均一に振動するように、発振器22を制御する。
次に前記のように構成された物体浮揚搬送装置11の作用を説明する。
制御装置27からの制御信号により発振器22が駆動されて、振動子14が所定の共振周波数(例えば、20kHz前後)で励振される。振動子14が励振されるとホーン15が縦振動され、ホーン15を介して振動板12が励振されて撓み振動を行う。振動板12から放射される音波の放射圧によって、物体13は振動板12の表面から浮揚した状態に保持される。その状態でノズル24から圧縮空気が噴射されて物体13に推進力が付与され、物体13は振動板12の一端側から他端側へ浮揚状態で搬送される。ノズル24の圧縮空気の噴射を停止することにより物体13の搬送が停止され、物体13は浮揚状態で一定位置に保持される。発振器22の駆動を停止すると、振動板12の振動が停止され、物体13は振動板12上に載置された状態で停止する。
振動板12の励振側の振動が励振側振動センサ25により検出され、励振側振動センサ25から検出信号が電圧V1として出力される。振動板12の受波側の振動が受波側振動センサ26により検出され、受波側振動センサ26から検出信号が電圧V2として出力される。制御装置27は、励振側振動センサ25及び受波側振動センサ26の検出信号である電圧V1,V2を入力し、励振側の振動成分の大きさ(振幅)、位相を演算する。そして、振動板12が全体としてほぼ均一に振動するように、発振器22に振動子14を励振させるための指令信号を出力する。
制御装置27は、振動板12の励振側及び受波側の振動状態が予め設定された所定の範囲からずれた場合は、発振器22の位相及び周波数の少なくとも一方を変更する。そして、励振側振動センサ25及び受波側振動センサ26の出力から、振動板12の振動状態が全体としてほぼ均一な状態に復帰したことを確認したらその条件で発振器22の駆動を継続する。
即ち、制御装置27は振動板12の励振側の振動を検出する励振側振動センサ25の検出信号(電圧V1)と、振動板12の受波側の振動を検出する受波側振動センサ26の検出信号(電圧V2)とを用いて振動板12の励振手段を制御する。振動板12が共振周波数を複数有している場合、励振側の実際の振動をフィードバックせずに、目標とする共振周波数で振動する電圧(電流)を振動子14に印加した場合は、励振側と受波側とで異なる振動になってもそれを確認できず、振動板12の振動が不安定になる。例えば、20kHz付近の共振周波数として19.19kHz及び19.32kHzのように非常に近い周波数があり、励振側と受波側とで異なる振動状態となる場合がある。この場合、振動子と対応する部分の縦振動と、振動板の撓み振動がマッチングせずにアンバランスな振動が生じる可能性が高くなる。
しかし、制御装置27は振動板12の励振側及び受波側の実際の振動をフィードバックして振動板12の励振手段を制御する。その結果、励振側と受波側とが異なる共振周波数で振動する状態を防止して、振動板12全体を効率よく縞モードで安定してほぼ均一に振動させることができる。
この実施の形態では以下の効果を有する。
(1) 複数の共振周波数を有する振動板12を励振手段で励振させて、振動板12からの音波の放射圧により物体を浮揚させる際、振動板12の励振側の振動を検出する励振側振動センサ25の検出信号と、振動板12の受波側の振動を検出する受波側振動センサ26の検出信号とを用いて振動板12の励振手段を制御する。従って、振動板12の励振側及び受波側の実際の振動状態がフィードバックされて振動板12の励振手段が制御される。その結果、振動板12が共振周波数を複数有していても、励振側と受波側とで異なる振動になるのを防止して、振動板12全体を効率よく安定してほぼ均一に振動させることができる。また、予め振動系の環境温度や経時変化に対応した適正振動条件を試験で求めて制御装置27の記憶装置に記憶させておくことなく、温度変化や経時変化があっても、振動板12が別の振動モードで振動されるのを防止することができる。
(2) 振動板12は定在波を発生するように励振され、振動板12の受波側はホーン16で支持されるとともに、ホーン16が固定された金属ブロック19aに受波側振動センサ26が取り付けられている。従って、受波側はホーン16で支持されるため、受波側にも振動子を設ける構成に比較して構成が簡単になる。
(3) 振動板12は縞モードで振動される。従って、振動板12が格子モードで振動される場合に比較して、騒音が抑制されるとともに、振動板12が安定した状態で振動される。
(4) 長尺の振動板12は振動による超音波の放射圧を用いて物体13を浮揚させるのに使用される。振動板12が前記のように安定した状態で均一に振動されるため、長尺の振動板12の振動による超音波の放射圧で物体13を浮揚させる際に、物体13を安定して浮揚させることができる。
(5) 振動板12の振動状態が適正状態からずれた場合、発振器22の出力電圧の位相及び周波数の少なくとも一方を変更することにより、適正状態に調整できるため、制御装置27の構成が簡単になる。
(6) 振動板12は定在波を発生させて物体13を浮揚状態に保持し、その状態の物体13に対してノズル24から噴射される圧縮空気により振動板12の長手方向へ移動させる推進力を与えて物体13を浮揚状態で搬送する。従って、振動板12に進行波を発生させて物体13を浮揚状態で搬送する構成に比較して、励振手段の構成が簡単になる。
(第2の実施形態)
次に第2の実施形態を図3及び図4に従って説明する。この実施形態では振動板12が進行波を発生するように励振され、物体13に推進力を付与する付与手段が設けられていない点が前記第1の実施形態と大きく異なっている。前記第1の実施形態と同一部分は同一符号を付して詳しい説明を省略する。
図3に示すように、振動板12の受波側に締結されたホーン16にも振動子28が締結されている。振動子28は励振側の振動子14と同じに構成されるとともに、振動子28には抵抗R及びコイルLからなるエネルギー変換手段としての負荷回路29が接続されている。負荷回路29には、振動板12の受波側の振動を検出する受波側振動センサとしての電圧センサ30が接続されている。電圧センサ30は振動板12の受波側の振動と同等の振動である振動子28の振動に対応する検出信号として電圧V2を出力する。電圧センサ30の出力は制御装置27に入力される。
制御装置27は、励振側振動センサ25及び電圧センサ30の検出信号に基づいて、振動板12が進行波を発生し、かつ縞モードで振動板12全体としてほぼ均一に振動するように、発振器22を制御する。より具体的には、図4に示すように、励振側の振動の位相と、受波側の振動の位相との差が所定の範囲(例えば70〜110°)となるように制御する。
この実施形態では、振動板12の振動は受波側の振動子28に伝達され、振動子28を構成するピエゾ素子17a,17bにより機械エネルギーである振動のエネルギーが電気エネルギーに変換される。この電気エネルギーが負荷回路29の抵抗Rでジュール熱に変換されて放散される。そのため、振動板12に生じる振動の波が励振側から受波側に向かって一方向へ進む進行波(この実施の形態では振動子14側から振動子28側へ進む進行波)となり、物体13は振動板12の励振側から受波側へ浮揚状態で搬送される。
圧電素子を使用した振動子14では、振動板12に定在波を発生させる状態で効率よく振動させるには、共振周波数で振動子14を励振させる必要がある。これに対して、振動板12に進行波を効率良く発生させる状態で振動させるには、共振周波数ではなく、共振周波数から若干ずれた周波数で振動子14を励振させるのが好ましい。しかし、振動板12が複数の共振周波数を有する場合は、励振側及び受波側の一方のみの振動状態をフィードバックして振動板12を振動させると、励振側と受波側とで異なる共振周波数で振動する虞れがある。この実施形態では、励振側及び受波側の振動状態を制御装置27が励振側振動センサ25及び電圧センサ30の検出信号に基づいて把握し、振動板12が全体として均一な進行波を発生するように発振器22を制御する。その結果、振動板12から均一な進行波が発生する。
この実施形態では第1の実施形態の(1),(3)〜(5)と同様な効果を有する他に、次の効果を有する。
(7) 制御装置27は複数の共振周波数を有する振動板12に進行波を発生させるように振動子14を励振させる。このとき、励振側の振動子14及び受波側の振動子28の振動状態がフィードバックされるため、制御装置27は励振側と受波側との振動の位相差が最適となる状態で励振側の振動子14を最適周波数で駆動することが可能になる。
(8) 受波側の振動子28の振動状態を検出する受波側振動センサとしてエネルギー変換用素子(ピエゾ素子17a,17b)から出力される電圧V2を検出する電圧センサ30が使用されているため、受波側の振動子28の振動状態を簡単に検出できる。
(9) 励振側及び受波側の振動子14,28として、ピエゾ素子17a,17b等を備えた同じ構成の振動子が使用されている。従って、受波側の振動子28の振動状態を電気的に検出するのが容易になる。
(10) 受波側の振動子28を構成するピエゾ素子17a,17bにより機械エネルギーである振動のエネルギーが電気エネルギーに変換され、この電気エネルギーが負荷回路29の抵抗Rでジュール熱に変換されて放散される。従って、前記振動エネルギーを負荷回路29で消費しない構成に比較して、励振側から受波側に向かう進行波を容易に発生することができる。
実施形態は前記に限定されるものではなく、例えば次のように構成してもよい。
○ 第2の実施形態において、長尺の振動板12の受波側の振動状態を検出する受波側振動センサとして、負荷回路29に電圧センサ30を設ける代わりに、第1の実施形態と同様な受波側振動センサ26を設けてもよい。
○ 振動板12を支持する構成として長手方向の2箇所で支持する構成に限らず、3箇所以上で支持する構成としてもよい。その場合、振動板12を複数の振動子で励振させる構成としてもよい。例えば、図5に示すように、振動板12の中央部及び一端部には励振側の振動子14に固定されたホーン15が締結され、振動板12の他端部には受波側の振動子28に固定されたホーン16が締結された構成としてもよい。この実施形態では両振動子14に設けられた各励振側振動センサ25の検出信号(電圧V1a,V1b)と、受波側振動センサとしての電圧センサ30の検出信号(電圧V2)とが制御装置27に入力される。そして、制御装置27はそれらの検出信号に基づいて各励振側及び受波側における振動板12の振動状態を把握し、振動板12に適正な進行波を発生させるように振動子14を励振させる指令信号を発振器22に出力する。長尺の振動板の場合は短い振動板に比べて振動の減衰が大きくなるが、振動板12が複数の振動子14により励振されることで励振効果が高くなり、所望の振幅で振動板12が振動される。また、2個の支持部で支持された状態で振動する従来装置の振動板に比較して、同じ重量の物体13を浮揚させる際の撓み量が小さくなり、物体13を浮揚状態で安定して搬送することができる。
○ 定在波を発生させる場合においても、振動板12を複数の振動子で励振させてもよい。
○ 振動板12に進行波を発生させる場合に、受波側の振動子28を構成するピエゾ素子17a,17bにより振動のエネルギーから変換された電気エネルギーを負荷回路29で消費させない構成としてもよい。この場合、進行波を効率良く発生させるには、励振側と受波側の振動子の振動の位相差を所定の値に保持するとともに、発振器22の出力周波数も共振周波数から所定量ずれた適正な値とする必要がある。しかし、励振側及び受波側の振動状態が励振側振動センサ25及び受波側振動センサ26としての電圧センサ30の出力で検出することにより、受波側の振動状態が適正な状態からずれた際に、発振器22の出力を励振側と受波側との位相差が適切な値となるように容易に制御できる。
○ 振動板12に定在波を発生させて物体13を浮揚状態で保持し、浮揚状態の物体13に推進力を付与する推進力付与手段を設けて、物体13を浮揚状態で搬送する場合、推進力付与手段は圧縮気体(例えば圧縮空気)を噴射するノズル24に限らない。物体13として撓み易い板状部材を搬送する場合、板状部材の幅方向の両端を支持するとともに、板状部材に対して搬送方向への推進力を付与する構成、例えば回転されるローラや無端状のベルトを推進力付与手段として設けてもよい。
○ 物体浮揚搬送装置11は、振動板12が定在波あるいは進行波の一方のみを発生するように振動される構成に限らない。例えば、振動板12が進行波を発生するように励振される状態と、定在波を発生するように励振される状態とに切り換え可能に構成してもよい。例えば、第2の実施形態のように受波側の振動子28に負荷回路29を接続するとともに、振動子28と負荷回路29とを接続する配線の途中に負荷回路29を開閉するスイッチを設ける。この構成では、振動板12の振動は負荷回路29が接続された振動子28に伝達され、振動子28を構成するピエゾ素子17a,17bにより機械エネルギーである振動のエネルギーが電気エネルギーに変換される。スイッチがオン状態の時に振動板12を励振すると、前記電気エネルギーが負荷回路29の抵抗Rでジュール熱に変換されて放散される。そのため、振動板12に生じる振動の波が一方向へ進む進行波となる。また、スイッチがオフ状態の時に振動板12を励振すると、振動板12に定在波が発生する。この場合、電圧センサ30ではなく、受波側振動センサ26が設けられる。
○ 第2の実施形態において、振動板12の両端に設けられた振動子14,28をそれぞれ発振器22と負荷回路29とに選択的に切り換え接続可能、かついずれにも接続されない状態で保持可能に構成する。この場合、発振器22に接続された状態と、負荷回路29に接続された状態との切換を行うことにより、進行波の進行方向を振動板12の一端側から他端側、あるいは他端側から一端側に変更することができる。従って、物体13を浮揚状態で搬送する際、進行波の向きを切り替えることで、浮揚状態で移動中の物体13に制動をかけて所定位置に停止させるのが容易になる。また、物体13の搬送方向を選択することができる。さらに、一方の振動子を発振器22に接続し、他方の振動子を発振器22及び負荷回路29のいずれにも接続されない状態に保持すると、振動板12から定在波が発生し、物体13を浮揚状態で一定位置に保持することができる。
○ 振動センサは圧電素子を利用する場合、振動子と一体構成として、振動用の圧電素子に重ねて締め込むような構成としてもよい。
○ 励振側振動センサ25及び受波側振動センサ26は圧電素子を利用した接触式の振動センサに限らない。例えば、静電容量式の振動センサや渦電流式の振動センサのような非接触式の振動センサを使用してもよい。非接触式の振動センサを使用した場合は、振動センサの質量が振動系に影響を与えないため、配設位置の自由度が高まる。また、振動板12の表面に対向して配設して振動を検出することもできる。
○ 搬送すべき物体13として幅が広く撓み易い板状部材の場合は、振動板12及び励振手段のユニットを複数平行に配置してもよい。この場合、幅の広い物体13を複数の振動板12で安定した浮揚状態で搬送できる。
○ ホーン15,16の形状は扁平な直方体状に限らず、円柱状や円錐台状等先端側が細くなった形状としてもよい。
○ 物体13の形状は矩形等の四角形に限らず、三角形や他の多角形あるいは円形等任意の形状としてよい。
○ 振動板12のホーン15,16への固定はネジによる締結に限らず、接着剤を使用したり、ロウ付けや溶接で固着してもよい。
前記実施の形態から把握される請求項記載以外の発明(技術的思想)について、以下に記載する。
(1) 請求項2に記載の発明において、前記振動板は進行波を発生するように、受波側に圧電素子を有する振動子がホーンを介して固定されるとともに該振動子に負荷回路が接続されており、前記受波側振動センサは、受波側の振動子の出力電圧及び位相を検出する電圧センサである。
(2) 請求項2に記載の発明において、前記振動板の一端側及び他端側に連結された各振動子が、前記発振器に切換接続可能に構成され、励振側と受波側とが切替可能に構成されている。
(3) 請求項2及び前記技術的思想(1),(2)のいずれか一項に記載の発明において、前記振動板には励振側及び受波側の振動子として圧電素子を有する同じ構成の振動子が使用されている。
(4) 請求項1〜請求項4及び前記技術的思想(1),(2)のいずれか一項に記載の発明において、前記励振手段は複数の振動子で振動板を励振させる。
第1の実施形態の物体浮揚搬送装置の概略斜視図。 同じく物体浮揚搬送装置の模式側面図。 第2の実施形態の物体浮揚搬送装置の概略斜視図。 作用を説明するグラフ。 別の実施形態の物体浮揚搬送装置の概略斜視図。 従来技術の振動子駆動用電源装置の概略構成図。
符号の説明
11…物体浮揚装置としての物体浮揚搬送装置、12…振動板、13…物体、14…励振手段を構成する振動子、15…同じくホーン、16…ホーン、22…励振手段を構成する発振器、25…励振側振動センサ、26…受波側振動センサ、27…制御装置、30…受波側振動センサとしての電圧センサ。

Claims (4)

  1. 複数の共振周波数を有する振動板を励振手段で励振させて、振動板からの音波の放射圧により物体を浮揚させる物体浮揚装置であって、
    前記振動板の励振側の振動を検出する励振側振動センサの検出信号と、前記振動板の受波側の振動を検出する受波側振動センサの検出信号とを用いて前記振動板の励振手段を制御する制御装置を備えた物体浮揚装置。
  2. 前記振動板は振動子により進行波を発生するように励振される請求項1に記載の物体浮揚装置。
  3. 前記振動板は定在波を発生するように励振され、前記振動板の受波側はホーンで支持されるとともに、前記ホーンに前記受波側振動センサが取り付けられている請求項1に記載の物体浮揚装置。
  4. 前記振動板は縞モードで振動される請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の物体浮揚装置。
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