JP3967519B2 - Zn−Mg系電気めっき金属板およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、Zn−Mg系電気めっき金属板およびその製造方法に関し、詳細には建材,家庭電器製品,自動車等の分野において好適な耐食性に優れたZn−Mg系電気めっき金属板およびその製造方法に関するものである。尚、本発明においてめっき対象となる金属基材には、FeやFe基合金の他、Cu,AlやTi等の非鉄金属やそれらの合金が含まれ、その形状については平板板や波板材をはじめとして管材や棒材等の如何を問わないが、以下では代表的な基材である鋼板を取り上げて本発明を説明する。
【0002】
【従来の技術】
建材,家庭電器製品および自動車等の広範な分野において、鋼板等の防食手段としてはZn系めっきが汎用されており、Zn系めっき鋼板の製造方法としては、溶融めっき法,電気めっき法,蒸着めっき法が一般的に採用されている。これまで、Zn合金の組成やめっき法により各種のZn系めっき鋼板が開発されているが、中でも蒸着Zn−Mg合金めっき鋼板(例えば、特開平1−17852号公報)は耐食性に優れていることが知られている。
【0003】
ところで近年、鋼板等の耐食性向上に対する要求は更に高まる傾向にあり、単純に耐食性の向上を図るには、めっき付着量の増加が考えられる。但し、上記蒸着Zn−Mg合金めっき鋼板において、めっき付着量を増加させるためには、めっき時間を長くするか、或いはめっき元素の蒸発量を増すために投入エネルギーを増加させなければならず、製造コストの上昇を伴うものである。そもそも蒸着めっき法は巨大な真空設備等を必要とすることから、他のめっき方法に比べて製造コストが著しく高く、これ以上の製造コストの上昇は上記めっき法にとっては致命的な問題である。またMgは、加熱蒸発時に液相を形成せず固体表面から直接蒸気が発生する昇華性の金属であることから、経時的に蒸発量が変化し、付着量および含有量の安定制御が非常に困難である。しかも、連続操業に適した原料供給方法がない等、操業上の問題もあった。
【0004】
また、溶融めっき法においては、元来その製法の特徴からめっき付着量は多く、現状以上にめっき付着量を増加させると、めっき鋼板のプレス成型時にカジリやフレーキング等といった欠陥を発生させる原因となる。しかも溶融めっき法においては、合金めっきを製造する場合、めっき浴の温度を純Znより高くしなければならない場合が多く、めっき層と素地鋼板との境界部にFeを含む脆弱な合金層が生成し、成形加工時にめっき層が簡単に剥離するという問題も生じる。
【0005】
更に、Zn−Mg系合金めっきの場合、電気めっき法(通常の水溶液による)を採用しようとしても、Mgの標準電極電位が著しく低いため、Mgそのものを析出させることができない。但し、もし電気めっき法を用いてZn−Mg系合金めっきが得られれば、めっき液に含まれる所望金属イオンの量および比率,過電圧(陰極電流密度),通電量等を適宜制御することにより、めっき合金の成分組成や付着量を容易に変更可能である。また電気めっきプロセス中に高温となる部分が無いことから、めっき層と基板界面に脆弱な金属間化合物等が形成されて層間接合力が低下する様な恐れもない。また消費された金属イオンは、可溶性陽極を用いる場合は陽極から、不溶性陽極を用いる場合は系外から該金属イオンを含有する溶液として供給可能であり、工業的規模における連続生産にも好適である。
【0006】
このように、Zn−Mg系電気めっき層を形成することができれば、成形加工性を損なうことなく、耐食性に優れためっき鋼板を生産性よく製造できるものと考えられることから、Zn−Mg系めっき層を電気めっき法により形成する方法の開発が要望されていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に着目してなされたものであり、耐食性に優れ且つ成形加工性および生産性についても優れたZn−Mg系電気めっき金属板及びその製造方法の提供を目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決した本発明のZn−Mg系合金めっき金属板とは、金属基材の少なくとも一方の表面に、Znを主体としMgを含有するZn−Mg系電気めっき層が形成されてなることを要旨とするものである。また、上記Zn−Mg系電気めっき層中にCを構成元素とする成分(以下、C成分と略す。有機化合物が望ましい)を含有させると、耐食性が大幅に向上するので望ましい。
【0009】
上記Zn−Mg系電気めっき層中のMg含有量は、0.08〜40%(質量%の意味、以下同じ)が好ましく、前記Zn−Mg系電気めっき層中のC成分含有量はC元素換算で0.01〜10%とすることが望ましい。
【0010】
本発明に係る上記Zn−Mg系合金めっき金属板は、優れた耐食性(耐赤錆性)を発揮するが、さらに優れた耐白錆性も得るにあたっては、電気めっき層の(002)面の結晶配向性指数を1.0以下とし、また(100)面の結晶配向性指数を0.6以上とすることが推奨される。
【0011】
更には、金属基材の少なくとも一方の表面に、Mgを0.08〜40質量%、有機化合物をC元素換算で0.01〜10質量%含有するZn−Mg系電気めっき層を形成し、更に該めっき層の上に塗膜層を形成すれば、塗装後の疵部及び切断端面部における耐食性と加工性に優れた塗装金属板を得ることができる。この場合、前記電気めっき層は島状に形成されていることが望ましく、さらには上記電気めっき層が形成されていない基材露出面積率が5%以上85%以下であることが望ましい。また、前記電気めっき層と塗膜層の中間層として、クロメート皮膜またはりん酸塩皮膜が形成されていることが望ましく、前記電気めっき層の付着量は0.5g/m2以上40g/m2以下とすることが推奨される。
【0012】
上記課題を解決した本発明のZn−Mg系合金めっき金属板の製造方法とは、ZnおよびMgの金属塩を含有し、更に界面活性剤を含有する酸性水溶液を用いて電気めっきを行うことを要旨とするものであり、化成処理性を高めるにあたっては、電気めっき層の結晶配向性を制御することが望ましい。
【0013】
尚、上記界面活性剤としては、ノニオン系またはカチオン系界面活性剤が望ましく、酸性水溶液中の濃度は0.01〜30g/Lが好ましい。
【0014】
上記ノニオン系界面活性剤としては、ポリエチレングリコール,ポリオキシエチレンアルキルエーテル,ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルよりなる群から選ばれる1種以上を用いることが推奨され、またカチオン系界面活性剤としては、第一級アミン,第二級アミン,第三級アミン,第四級アンモニウム塩および複素環式化合物よりなる群から選ばれる1種以上を用いることが好ましく、特にカチオン性界面活性剤の場合、少なくとも1つ以上のベンゼン環を有することが望ましい。
【0015】
更に、本発明法において電気めっきは、50〜1500A/dm2の電流密度で行えばよい。
【0016】
【発明の実施の形態】
現在広く一般に普及しているめっき液として水を溶媒に用いた電気めっき法によりZn−Mg合金めっきを得ようとしても、Mgの標準電極電位が−2.363Vであり、溶媒である水の電気分解による水素発生電位より著しく低いことから、投入されたエネルギーのほとんど全てが水素発生反応に消費されてしまいMgを電析させることができない。従って、これまで水溶液からMgを単独で電析させることは不可能と言われてきた。
【0017】
しかしながら、本発明者らが水溶液からZn−Mg系合金めっきを得る方法を鋭意研究した結果、ZnとMgに加えて特定の有機化合物(ノニオン系またはカチオン系の界面活性剤)を含有させることにより、Zn−Mg系合金めっき層を電気めっき法により形成できることを見出し、本発明に想到した。更には、本発明に係る電気めっき法により形成されたZn−Mg系合金めっき層には、電解液中に存在させた上記有機化合物に起因するC成分を第3元素として含有しており、このC成分の存在により、本発明のZn−Mg系合金めっき層は、蒸着めっき法により得られたZn−Mg2元合金めっき層より非常に優れた耐食性を示すことも突き止めた。
【0018】
なお、ここで言う耐食性とは、めっきまま(無塗装)での耐赤錆性、耐穴あき腐食性或いは塗装後の塗膜に疵がついた部分や塗装鋼板の端面の耐食性、耐塗膜膨れ性を表す。
【0019】
本発明のZn−Mg−C系電気めっき層の成分組成であるが、Mg量が少な過ぎると、Mgの添加効果が実質的に発揮されず、殊に耐食性においてZn単独のめっき層と格別の差異が認められなくなるので、0.08%以上含有させることが望ましく、0.2%以上であればより望ましい。一方、Mg量が多過ぎると、成形加工性が劣化するので40%以下が好ましく、30%以下であればより好ましく、10%以下であれば更に望ましい。尚、Mgの含有量が増加すると成形性が低下する理由は、脆弱なZnとMgの金属間化合物が多量に形成されるからであると推定される。
【0020】
次にC成分含有量がC元素換算で0.01%未満である場合には、C成分の添加効果が実質的に認められず、耐食性においてZn−Mg2元合金めっきと格別の差異が認められなくなるので、0.01%以上が望ましく、0.05%以上であるとより望ましい。一方、C成分含有量が10%を超えると、めっき外観が黒っぽく変色し粉状の析出物が形成される、所謂“めっきヤケ”現象が生じ商品価値が著しく損なわれるとともにめっき密着性も低下するので10%以下とすることが必要であり、8%以下であると好ましく、5%以下であるとより好ましい。
【0021】
尚、C成分の含有率を測定するにあたっては、公知の燃焼赤外線吸収法や蛍光X線分析法等を用いればよく、例えば前者を用いる場合は、めっき層を予め適当な濃度の硫酸溶液(3〜10%程度が好ましい)等で溶解し、該溶液中に含まれる炭素量を測定することでめっき層中のC成分含有率を測定可能である。後者の蛍光X線分析法は、非破壊で測定可能であるが、母材として鋼板を使用した場合、鋼板中に含まれるC成分の影響を補正することが必要であり、また測定感度の観点からも、燃焼赤外線吸収法を用いることが推奨される。
【0022】
以上の様に、本発明では、MgとCの複合効果によって、各々単独の添加ではなし得ない非常に優れた耐食性が得られるものである。
【0023】
また、MgおよびC以外のめっき層の構成元素は、主としてZnであれば良いが、加工性,塗装性,化成処理性,溶接性,耐黒変性および更なる耐食性の向上等の観点から、Ni,Co,Fe,Mn等の各種金属元素や、SiO2やAl2O3等の酸化物を適宜単独で、または複合して共析させてもよい。
【0024】
本発明に係るZn−Mg−C複合合金めっきの付着量は、特に制限されるものではないが、めっき付着量が2g/m2に満たない場合には、めっきままの状態における耐食性が不十分であるので、2g/m2以上とすることが望ましく、5g/m2以上であれがより望ましい。逆に100g/m2を超える高めっき付着量では、成形加工性やスポット溶接性に問題が生じる他、経済性にも劣るので、100g/m2とすることが必要であり、60g/m2以下が望ましく、40g/m2以下であればより望ましい。また、めっきは母材である金属板の必要な面に施せばよく、片面だけに施しても良いし両面に施しても良い。
【0025】
本発明では、耐食性等に優れるため仕上げ塗装を省略し裸ままで使用することができるが、該めっき金属材の表面には、実使用に際して必要により求められる耐食性,耐疵付き性,耐指紋性,加工性等の各種性能の一層の向上を期して、各種化成処理や塗装を施すことももちろん可能である。この様な化成処理の具体例としては、クロメート皮膜処理やりん酸塩皮膜処理,クリアー皮膜処理等が一般的なものとして挙げられる。
【0026】
これらの中でも代表的なクロメート皮膜処理としては、反応型クロメート皮膜処理,塗布型クロメート処理,電解クロメート処理等が例示され、Cr化合物を主成分とし、耐食性,耐疵付き性,耐黒変性等の品質を向上するために、必要によりシリカ等の各種酸化物や有機シラン化合物、更にはりん酸,硝酸,フッ化物,珪素フッ化物等の各種反応促進剤を含有せしめたクロメート処理を行うことを好ましく採用できる。
【0027】
更に、薄膜クリアー皮膜処理については、該皮膜が有機系樹脂を主体とする場合には、エポキシ系樹脂,ポリエステル系樹脂,ポリウレタン系樹脂,エチレン性不飽和カルボン酸を重合成分として含むエチレン共重合体樹脂,ポリビニル系樹脂,ポリアミド系樹脂,フッ素系樹脂等の有機樹脂成分を主体とするものを塗布すればよく、或いはこれらに耐食性,潤滑性,耐疵付き性,加工性,溶接性,電着塗装性,塗膜密着性等の品質を向上させるため、必要によりシリカ等の各種酸化物粒子や各種りん酸塩等の無機顔料、およびワックス粒子,有機シラン化合物,ナフテン酸塩等を含有せしめた処理液を塗布することが例示される。
【0028】
また、該皮膜が無機物を主体とする場合には、ケイ酸ソーダ,ケイ酸カリウム,ケイ酸リチウム等のケイ酸塩を主体とするものを塗布すればよく、或いはこれらに造膜性,耐食性,潤滑性,耐疵付き性,加工性,溶接性,電着塗装性,塗膜密着性等の品質を向上するため、必要によりコロイダルシリカ等の各種酸化物粒子や各種りん酸等の無機顔料、およびワックス粒子,有機シラン化合物を含有せしめた処理液を塗布することが例示される。
【0029】
上記化成処理皮膜は単独で形成しても良く、或いは目的に応じて種々組み合わせても良い。上記化成処理皮膜の好ましい付着量は、耐食性向上効果等を有効に発揮させると共に経済性も考慮して5〜300mg/m2の範囲から選択するのが一般的であり、また無機質もしくは有機質皮膜の好ましい付着量は、上記と同様の理由から膜厚で0.05〜20μmの範囲が一般的である。
【0030】
また本発明の表面処理板に用いる母材は、自動車,家電製品,建材等の材料として用いられる各種の冷間圧延鋼板が主に用いられる。しかしながら、用途に応じて熱間圧延鋼板や、アルミニウム板等の鋼板以外の金属板を選択することも可能である。
【0031】
次に本発明のZn−Mg−C複合亜鉛合金めっきの製造方法について詳述する。Zn−Mg系めっき皮膜を電気めっき法で形成することは、水を溶媒として用いためっき液に、ZnおよびMgの金属塩と共に、ノニオン系または/およびカチオン系の界面活性剤を添加することで実現できる。界面活性剤は、Mgを電析させるために必要不可欠であるとともに、金属類とともにめっき層に電析され本発明の優れた耐食性を発現させる。界面活性剤をめっき液に添加することで、従来電析が不可能と言われていたMgが電析可能となった理由に関しては現在解明中であるが、恐らく以下の様な理由によるものと考えられる。すなわち、添加された界面活性剤が水の電気分解反応(陰極表面に吸着した界面活性剤が水素イオンの還元素過程)を妨害し、水素発生の過電圧を大きく分極させた結果、陰極表面電位がMgの析出電位に達したものと推定される。
【0032】
ノニオン系,カチオン系の界面活性剤は、単独または種々混合して添加しても良い。いずれの界面活性剤であっても、めっき液中の含有量が0.1g/L未満の場合は、本発明のめっき層中Mg含有量およびC成分含有量を達成することができないので0.1g/L以上とすることが必要であり、0.2g/L以上とすることが好ましく、0.4g/L以上であればより好ましい。一方、30g/Lを超えて添加してもMg電析効果は飽和するとともに、めっきヤケ現象が生じるので30g/L以下とすることが必要であり、20g/L以下であれば好ましく、15g/L以下であればより好ましい。
【0033】
本発明の界面活性剤は、ノニオン系またはカチオン系であれば特に限定されるものではないが、例えば分子量が200〜20000のポリエチレングリコール,RO(CH2CH2O)nH(但し、R:C8H17,C9H19、n:2〜30)であらわされるポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル,RO(CH2CH2O)nH(但し、n:4〜30)であらわされるポリオキシエチレンアルキルエーテル,RO(CH2C2H4O)n(C3H6O)mH,HO(C2H4O)n(C3H6O)m(C2H4O)lH(但し、n,m,l:5〜200)のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルがノニオン系界面活性剤として好ましい。
【0034】
同様にカチオン系界面活性剤としては、第一級アミン,第二級アミン,第三級アミン,第四級アンモニウム塩および複素環式化合物が適用可能である。上記第一級アミンとしては、R−NH2で表されるエチルアミン,プロピルアミン,ドデシルアミン等の脂肪族第1アミンまたはアニリン,0−トルイジン,m−トルイジン,ベンジルアニリン,α−ナフチルアミン,β−ナフチルアミン等の芳香族アミンが例示できる。上記第二級アミンとしては、R−NH−Rで表されるジメチルアミン,ジメチルアミン,ジプロピルアミン,ジイソプロピルアミン等の脂肪族第二級アミン、またはメチルアニリン,エチルアニリン,ジベンジルアニリン,ジフェニルアミン等の芳香族アミンが例示できる。また、上記第三級アミンとしては、RRRNで表されるトリメチルアミン,トリエチルアミン,トリプロピルアミン,トリブチルアミン,トリアミルアミン等の脂肪族第三級アミン、またはメチルアニリン,ジエチルアニリン,トリベンジルアミン,トリフェニルアミン,ジメチルベンジルアミン等の芳香族アミンが例示できる。上記複素環式化合物としては、例えば五員環のピロール,チアゾール等;六員環のピリジン等の様に窒素原子を1個含有するもの;イミダゾール,ピリミジン,チミン等の様に窒素原子を2個含有するもの;トリアゾール等の様に窒素原子を3個含有するもの;これらの複素環がベンゼン環と縮合したインドール,キノリン,メルカプトベンズイミダゾール,メルカプトベンゾオキサゾール,ベンゾチアゾール,ベンゾトリアゾール等;複素環同士が縮合したプリン,プテリジン等;アザビシクロヘプタン;ヘキサメチレンテトラミン等の多環系化合物;またはそれらの誘導体が挙げられる。或いは、上記第三級アミンにハロゲン化アルキル等を反応させることによって得られる第四級アンモニウム塩,例えば塩化ステアリルトリメチルアンモニウム,臭化ステアリルトリメチルアンモニウム,塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等のハロゲン化アルキルトリメチルアンモニウム,塩化ラウリルジメチルベンジルアンモニウム,塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム等のアルキルジメチルベンジルアンモニウム塩,塩化トリペンタオキシエチレンステアリルアンモニウム,塩化トリペンタオキシエチレンラウリルアンモニウム等のハロゲン化アルキルトリ(ポリオキシエチレン)アンモニウムや、上記複素環式化合物にハロゲン化アルキル等を反応させることによって得られる四級化された化合物、例えば塩化ピリジニウム等のハロゲン化ピリジニウム,塩化ブチルピコリニウムクロリド等のハロゲン化アルキルメチルピリジニウム等も用いることが可能である。上記カチオン系界面活性剤のなかでも、その構造中にベンゼン環を1つ以上含むものがより好ましい。
【0035】
まためっき液については、酸性浴(例えば硫酸塩浴や塩化物浴など)が使用可能である。ZnおよびMgについては、硫酸塩,塩化物,酢酸塩,炭酸塩等の金属イオンとして、所望のめっき皮膜組成となる量をめっき液に加えれば良い。また、めっき液のpHについても特に規定されるものではないが、電流効率およびめっきヤケ現象との関係からpHは0.1〜2.0の範囲とすることが好ましい。なおめっき液には、導電性を高めて電力消費量を低減させるため、Na2SO4,(NH4)2SO4,KCl,NaCl等の導電性補助剤を添加しても何ら問題ない。
【0036】
更にめっき条件については、特に陰極電流密度(以下、単に電流密度という)を50〜1500A/dm2にする必要がある。電流密度を変化させることはすなわち陰極表面電位を変化させることであるため、電流密度を適正値に制御し、陰極表面電位をよりMgの析出電位に近づけることは本発明の趣旨に添ったものである。すなわち電流密度が50A/dm2未満の場合、本発明のノニオン系または/およびカチオン系界面活性剤を添加しても所定のMgを電析させることができない。逆に1500A/dm2を超えると陰極表面への金属イオンの供給速度に遅れが生じやすくなり、めっきヤケ現象が生じやすくなる。同時に、めっき電圧が高くなり消費電力が増大することから経済性にも劣る。従って、好ましくは70〜1000A/dm2、より望ましくは100〜800A/dm2である。
【0037】
その他のめっき条件、例えばめっき液温度、相対流速については特に規制されるものではなく、めっきヤケ等の不良が出ない範囲で適宜変化させることができる。例えば、前者については30〜70℃、後者については0.3〜5m/sについて本発明の効果が確認された。なお、相対流速とは液の流れ方向とめっき原板である鋼板の通板方向を考慮した液流速と通板速度の差である。
【0038】
まためっき方法についても特に規定されるものではなく、めっき母材は常法に従って脱脂や酸洗等の前処理を施した後、縦型または横型のめっきセルで電気めっきすればよい。電気めっき法としても、直流(定電流)めっき法やパルスめっき法等の公知の方法を採用すればよい。
【0039】
尚、本発明方法は、水溶液を用いた電気めっき法を採用しているものであることから、プロセス中に高温(最大でも水の沸点)になる部分が存在しないため、本発明に係る電気めっき金属板は、素地金属材との界面に脆弱な合金層等が形成されて層間接合力が低下する様な恐れもなく優れた成形加工性を発揮する。また本発明方法において、Mgは水溶液中にイオンとして存在するため、Zn/Mgのイオン比を容易に変化させることができ、それに伴いめっき層中のMg含有率を任意に制御することが可能であり、しかも消費された金属イオンを水溶液で容易に補給可能である。
【0040】
以上の方法により得られるZn−Mg−C系電気めっき金属板は、耐食性に優れ且つ成形加工性及び生産性についても優れている。尚、上記Zn−Mg−C系電気めっきが発揮する優れた耐食性とは、塩水噴霧試験における赤錆発生までの時間で評価される耐食性である。但し、上記Zn−Mg−C系電気めっきであっても、塩水噴霧試験においてめっき層の腐食が始まり亜鉛系めっきの腐食生成物である白錆が出始める時間については他の亜鉛系めっきと同様に塩水噴霧開始から数時間以内である。従って、耐白錆性に関しても優れた耐食性を確保しようとする場合には、他の亜鉛系めっき金属板と同様に化成処理を行って、そのめっき層最表面に化成処理皮膜を形成させることが推奨される。
【0041】
上記化成処理としては、クロメート処理,リン酸塩処理,薄膜クリア被覆処理などが挙げられるが、いずれの場合であっても、めっき層の結晶配向性によって化成処理性は大きく変化するので、電気めっき層の結晶配向度を制御することが非常に重要である。具体的には、電気めっき層の(002)面の結晶配向指数を1.0以下とすることが望ましく、さらに上記電気めっき層の(100)面の結晶配向指数を0.6以上にすることが望ましい。
【0042】
ここで、本発明に係るZn−Mg−C系複合合金めっきの結晶構造について説明する。本発明のZn−Mg−C複合合金めっきについてX線回折を行ったところ、その結晶構造はMg含有率やC成分含有率に係らずη相Znが支配的であり、その他に一部マグネシウムの酸化物や水酸化物に帰属すると推定されるピークがあり、更にはZn−Mg金属間化合物に帰属すると推定されるピークも認められることがあった。
【0043】
従って、本発明者らは、支配的なη相Znの結晶面方位(結晶面配向指数)を以下の方法にて計算した。
▲1▼ X線回折により測定されたη相Znの各結晶面(hkl)の回折ピーク強度をI(hkl)とする。
▲2▼ 次に、標準亜鉛粉末を用いた場合の各結晶面(hkl)の標準回折ピーク強度値をIs(hkl)とする[添字のsはstandardを意味する]。
▲3▼ これらの値より、Zn−Mg−C系複合合金皮膜の結晶配向指数Ico(hkl)を、以下の式にて定義する(添字のcoはcrystal orientationを意味する)。
Ico(hkl)=[I(hkl)/[I(002)+I(100)+I(101)+I(102)+I(103)+I(110)]]/
[Is(hkl)/[Is(002)+Is(100)+Is(101)+Is(102)+Is(103)+Is(110)]]
【0044】
尚、Zn−Mg−C系複合めっき層にはη相Zn以外の回折ピークも一部現れることがあるが、これらのピークによる影響は小さいので、上記結晶配向指数を算出するにあたっては、これらのピークは無視し、主要なピークであるη相Znの(002),(100),(101),(102),(103),(110)の各面についてのみ計算した。
【0045】
例えば、クロメート処理時の反応性は、上記の方法により測定したη相Znの各結晶面方位の配向性指数の内(002)面と特に関係が深く、Ico(002)≦1.0の場合にクロメート処理時の反応性が良好である。さらに、(100)面とも関係があり、Ico(100)≧0.6の場合にはさらにクロメート処理時の反応性が良好である。この理由については、η相Zn(002)面は稠密面であるため反応性が低く酸による溶解が起こりにくいので、(002)面の結晶配向性が高く鋼板表面に(002)面が大きく配向したものはクロメート処理時の反応性が悪くなるからであると推測できる。また、同様にη相Zn(100)面は稠密面と直角に交わる面であることから、この面が鋼板上に配向した場合には、稠密面である(002)面が鋼板上に配向しなくなりクロメート処理性が向上するものと考えられる。
【0046】
以上の化成処理性の説明は亜鉛の代表的処理であるクロメート処理について述べたが、上記条件を満足する配向性を有するZn−Mg−C系複合合金めっき(以下、配向性Zn−Mg−C系複合合金めっきという)はクロメート処理以外の処理であるリン酸塩処理や珪酸塩処理、或いはチタン化合物やジルコニウム化合物などで処理する所謂ノンクロ処理等の場合にも反応性が向上する。例えば、リン酸塩処理の場合には、上記配向性Zn−Mg−C系複合合金めっきの上に緻密なリン酸塩結晶が成長し、塗装密着性や塗装後の耐食性が良好となる。また、珪酸塩処理の場合には一般的に塗布処理となるため、上記条件を満足しない非配向性のZn−Mg−C系複合合金めっき(以下、非配向性Zn−Mg−C系複合合金めっきという)と上記配向性Zn−Mg−C系複合合金めっきの場合では珪酸塩皮膜の付着量自体は同じであっても、上記配向性Zn−Mg−C系複合合金めっきの場合には、塗布された珪酸塩がZn−Mg−C系複合合金めっきと反応して強固な皮膜となり、その結果、耐白錆性が良好となる。更に、チタン化合物やジルコニウム化合物などの処理の場合にも、上記配向性Zn−Mg−C系複合合金めっき上に塗装されたチタン化合物やジルコニウム化合物がZn−Mg−C系複合合金めっきと反応し、その結果耐白錆性が良好となる。
【0047】
さらにZn−Mg−C系複合合金めっきには、以上述べた化成処理を施した上に更に1μm程度のクリア皮膜を塗布する、いわゆる薄膜クリア皮膜処理を施すことも推奨される。この場合でも、上記配向性Zn−Mg−C系複合合金めっきに対して薄膜クリア皮膜処理を施した場合には非配向性Zn−Mg−C系複合合金めっきに比べて良好な耐白錆性を発揮する。
【0048】
また、上記の様な化成処理を行った上に通常の塗装を施すことも可能であり、上記配向性Zn−Mg−C系複合合金めっきでは塗装を実施した場合でも非配向性Zn−Mg−C系複合合金めっきに比べて良好な塗膜密着性や塗装後の耐食性が得られる。塗装の種類としては、自動車用のカチオン電着塗料,中塗り,上塗りの3コート塗装、家電用のアクリル系やメラミン系などの焼き付け塗料,エポキシ系プライマー,ポリエステル系上塗りなどのコイル塗装、更には粉体塗装、ジンクリッチプライマー等の補修塗装等が挙げられる。
【0049】
次に特定の結晶面方位を有する本発明のZn−Mg−C複合亜鉛合金めっきの製造方法について詳述する。
【0050】
まず、Zn−Mg−C系複合合金めっきを製造するには、水を溶媒として用いためっき液にZn及びMgの金属塩と共に、ノニオン系または/及びカチオン系の界面活性剤を含有させることにより可能であり、上記界面活性剤は、Mgを電析させるために必要不可欠であると共に、金属類と共にめっき層に電析され本発明の優れた耐食性を発現させる上で効果的であることは上述の通りである。
【0051】
次に、Ico(002)≦1.0やIco(100)≧0.6という特定の面方位を有するZn−Mg−C系複合合金めっきを製造するには上記の条件に加え、めっき液の流速を考慮する必要がある。
【0052】
電気めっきの場合、めっき液流速は被めっき物界面へのイオンの供給が得られるめっき層の組成のみならず結晶構造を左右する。Zn−Mg−C系複合合金めっきの場合には流速を遅くするほど結晶配向性はIco(002)が減少してIco(100)が増加するので、化成処理時の反応性は増加する。
【0053】
但し、めっき液流速が遅くなると、被めっき物界面へのイオン供給量が少なくなり、電流密度で決まるだけのイオンが供給されないと、界面では水の電気分解とそれに伴う界面pHの上昇のため正常なめっき結晶が成長しなくなり、灰黒色の密着性の悪いめっき(所謂めっき焼け)が発生する。めっき液組成,浴温,陰極電流密度が一定の場合には、流速がある一定値を下回ると、上記めっき焼けが発生する。この流速を焼け限界流速(Vb)とする。Zn−Mg−C系複合合金めっきを製造するめっき液流速(V)は当然V>Vbでなければならない。一方、Vを増加させていくとIco(002)は増加し、Ico(100)は減少する。このため、VがVbの約3倍を超えるとめっきされたZn−Mg−C系複合合金めっきの結晶配向性は本発明の範囲を超える場合が出てくる。従って、V/Vbを3以下で1を超える範囲内に制御することにより本発明の範囲の結晶配向性を有するZn−Mg−C系複合合金めっきを製造することができる。
【0054】
ところで、塗装鋼板、特にプレコート鋼板は、ユーザーにおける塗装工程を省略することが可能であることから、近年、冷蔵庫,電子レンジ,エアコン等の家庭電化製品、屋根材や壁材などの外装建材に幅広く使用されるようになってきている。塗装鋼板の下地めっき鋼板としては、コストと性能のバランスを考慮して、電気亜鉛めっき鋼板や溶融亜鉛めっき鋼板が使用されることが多いが、近年のユーザーからの低コスト化要求により、下地めっき層の薄目付化も検討されるようになっている。しかし、従来の溶融亜鉛めっきは、製法上から極端な薄目付化(30g/m2以下)が困難であり、また電気亜鉛めっきは薄目付けが容易であるものの、何らかの原因でめっき鋼板に疵がつくと、この疵部の耐食性が確保できない。一方、電気亜鉛めっき鋼板のめっき付着量を多くすると、今度は加工性が悪くなってしまう。従って、めっき付着量が多くなると加工時にめっき層の剥離が生じやすくなり、剥離しためっき層が表面に付着することによって汚れや押し疵の原因となる。
【0055】
そこで本発明者らは、塗装鋼板として下地に特定組成の前記Zn−Mg−C系複合合金めっき鋼板を用い、その上を特定膜厚の有機塗膜によって被覆してみた。その結果、特に薄目付領域において従来のZn系めっき層を下地とした場合に比べて飛躍的に疵部および切断端面部(以下、単に端面部と言う)の耐食性および加工性を向上させることが可能であるとの新たな知見を得た。尚、疵部および端面部の耐食性とは、該疵部や端面部からの耐塗膜膨れ性と、白錆や赤錆等の耐発錆性を言う。
【0056】
上記のZn−Mg−C系複合合金めっき層の上に形成される塗膜の厚さは、1μm以上200μm以下とすることが好ましく、3μm以上100μm以下とすればより好ましい。塗膜の厚さが1μm未満の場合、疵部および端面部の耐食性を向上させる効果が不十分であるとともに、加工性の向上効果についても十分に機能しない。また、200μmを超えて付与しても、疵部および端面部の耐食性向上効果および加工性の向上効果が飽和するとともに、コストアップになる。
【0057】
上記塗膜は、1層でも2層(プライマーおよびトップコート)でも良く、或いは3層以上形成しても差し支えない。塗布する塗料については、特に限定されるものではなく、家電製品用や建材用の塗料、又は自動車用塗料等が使用可能であり、アクリル系塗料,メラミン・アルキッド系塗料,ポリエステル系塗料,エポキシ系塗料,塩化ビニール系ゾル塗料,フッ素樹脂系塗料,ポリウレタン系塗料,ポリアミド系塗料等が例示でき、更にはこれらの各種塗料を変性したものや混合した塗料を用いても良い。更に、色調の調整,意匠性の付与,加工性の向上等を目的として、塗料中に顔料,艶消し剤,ワックス等の公知の添加剤を必要に応じて添加しても良い。
【0058】
塗膜を形成する方法については、前記本発明の膜厚を確保することが出来れば、いかなる方法を用いても構わない。例えば、公知のバーコート法,ロールコート法,スプレー塗装法,静電塗装法,カーテンコート法,浸漬法,電着塗装法(カチオン電着塗装,アニオン電着塗装)等が例示され、複層コートを行う場合には、これらを組み合わせて用いても良い。また、塗料の硬化・架橋方法についても特に規定されるものではなく、使用する塗料に適合した方法を採用すれば良く、公知の焼き付け硬化・架橋法,紫外線硬化・架橋法,電子線硬化・架橋法,常温硬化・架橋法を適宜用いることが可能である。
【0059】
以上の様に特定組成のZn−Mg−C系複合合金めっき層とその上に形成された特定膜厚の塗膜によって、疵部、端面部の耐食性および加工性が向上する理由は、以下のように推察される。
【0060】
まず、耐食性の向上効果についてであるが、例えばZnめっきを下地とした塗装鋼板を例にとると、通常、塗膜の疵部を起点に塗膜下で生じる腐食現象は、Znめっき層が溶解するアノード反応が塗膜下の腐食先端部で起こって更に進行すると言われている。この腐食先端部では、Znが溶解することによって生じたZn2+イオンと水が反応して加水分解により、Zn(OH)2とH+イオンが生成する。このH+イオンによりpHが低下するためZnの溶解を更に促進させ、早期に大幅な塗膜膨れが発生する。ところが、アルカリ土類元素であるMgを金属や水酸化物又は酸化物としてめっき層に含有する本発明の場合には、溶解したMg2+イオンが塗膜下の腐食先端部におけるpHの低下を大幅に抑制するものである。従って、めっき層の溶解反応を遅らせることに起因して、疵部および端面部の耐食性(塗膜膨れ)を向上させるものと推定される。更に、Mg2+イオンは、Znの腐食生成物を安定化させる働きがあり、これによって疵部や端面部の露出部についても安定で緻密な腐食生成物層が形成され、Znの白錆およびFeの赤錆発生を大幅に抑制できる様になったと考えられる。さらには、本発明のめっき層に取り込まれているCは、後述するようにめっき浴中に添加された各種界面活性剤に由来していることから、上層に付与された塗膜との親和性が非常に高く、めっき層と塗膜の強固な密着性を実現する働きを持つ。以上の様な作用の結果、本発明に係る塗装金属板は、非常に優れた疵部および端面部の耐食性を有するものと推定される。
【0061】
次に加工性については、めっき層の上に形成された塗膜が重要な役割を担っているものと推定される。すなわち、延性に富む塗膜は、加工時に大幅に破れることなく基材に追従するため、基材とめっき層の密着性不足によりめっき剥離が生じても、めっき層をそのまま保持することが可能と考えられる。
【0062】
更に、上記本発明の組成を有するZn−Mg−C系複合合金めっき層を、基材表面に島状に析出させることで、疵部および端面部の耐食性、特に塗膜膨れを大幅に向上させることが可能である。この理由については、次のように推察される。めっき層を島状に析出させることにより、塗膜の一部はめっき層と接し、一部は基材と接することになる。腐食先端部においては、前述の通り、めっき層の溶解反応が生じるが、めっき層が溶解している間は、周囲の基材部はカソードとなり、基材そのものの溶解は生じない。従って、基材と接している塗膜部は、健全なまま保たれており、全体として塗膜膨れの進行が著しく抑制されるものと考えられる。以上の理由から、基材露出面積率は、5%以上85%以下とすることが好ましく、10%以上80%以下であればより好ましい。基材露出面積率が5%に満たない場合には、疵部および端面部の更なる耐食性向上効果が発現しにくく、一方、85%を超えると基材の露出面積が大きすぎ、めっき層の溶解に伴うカソード防食能力が基材全面に行きわたらず、却って疵部および端面部の塗膜膨れを助長する恐れがある。
【0063】
本発明において、基材露出面積率を測定する方法は、めっき部と基材表面が明確に判断できる方法であればよく、特別の手法を必要とするものではない。例えば、公知のSEM(走査型電子顕微鏡)による基材表面の観察より、立体的な形状からめっき層の存在する領域とそうでない領域を判別し、画像解析等の手法により面積率を求める方法を用いればよい。また、公知のEPMA(Electron Probe Micro Analysis)によるめっき層構成成分のいずれか一元素(例えばZn)とめっき層構成元素以外の基材構成成分のいずれか一元素(例えばFe)を面分析することにより、基材が露出している領域を容易に判定可能である。判定の容易さや確実さおよび画像解析のしやすさからも、後者の方が推奨され、本発明の実施例においても後者の方法を用いて基材露出面積率を測定した。
【0064】
更に、前記組成のZn−Mg−C系複合合金めっき層と塗膜の中間層として、クロメート皮膜またはりん酸塩皮膜を付与することにより、めっき層と塗膜或いは基材と塗膜の密着性を一段と向上可能であり、その結果耐食性および加工性の更なる向上を図ることが可能となる。また、クロメート皮膜及びりん酸塩皮膜はいずれも不働態皮膜であることから、これら自身によるめっき層の保護効果も著しく期待できる。
【0065】
クロメート皮膜処理としては、反応型クロメート皮膜処理,塗布型クロメート処理,電解クロメート処理等が例示され、Cr化合物を主成分とし、耐食性,耐疵付き性,耐黒変性等の品質を向上するために、必要によりシリカ等の各種酸化物や有機シラン化合物、更にはりん酸,硝酸,フッ化物,珪素フッ化物等の各種反応促進剤を含有せしめたクロメート処理を行うことを好ましく採用できる。これらのクロメート皮膜の付着量は、金属Cr換算で、5〜300mg/m2が好ましく、10〜200mg/m2の範囲がより好ましい。
【0066】
またりん酸塩皮膜処理としては、反応型りん酸塩処理,塗布型りん酸塩処理または電解りん酸塩処理等が例示され、形成された皮膜としては、りん酸亜鉛,りん酸マンガン,りん酸カルシウム,りん酸アルミニウム,りん酸マグネシウム,りん酸鉄等のりん酸化合物の1種または2種以上を主成分とし、耐水密着性,耐疵付き性,加工性等の品質を向上させるため、必要に応じてNi,Mn,Mg等の金属元素を含有させたり、シリカ等の各種酸化物や有機シラン化合物を含有させてもよい。これらりん酸塩皮膜の付着量は、皮膜質量として0.1〜4g/m2であることが好ましく、0.3〜3g/m2がより好ましい。なお、りん酸塩処理の反応性向上,処理の均一化またはりん酸塩結晶の微細化等を目的として、りん酸塩処理の前処理として、TiコロイドやNiコロイド等を含有する処理液と接触させる表面調整処理を行ってもよい。また、前述の各種クロメート処理も含めて、処理前にめっき層表面の汚れ等を除去するために、アルカリや有機溶剤等による脱脂処理を行うことが推奨される。
【0067】
本発明により付与されるZn−Mg−C複合合金めっきの付着量は、特に薄目付領域において従来にない非常に優れた効果を発現する。但し、めっき付着量が0.5g/m2に満たない場合には、疵部および端面部の耐食性が不十分である。逆に40g/m2を超える高めっき付着量では、たとえ本発明の皮膜構成であっても、成形加工時にめっき皮膜の剥離が生じやすくなり、剥離しためっき層による外観不良や押し疵の発生といった問題が生じる。従って、めっき付着量は0.5〜40g/m2の範囲から選定することが望ましく、より好ましくは1〜30g/m2である。また、めっきは母材である基材の必要な面に施せばよく、片面だけに施しても良いし両面に施しても良い。
【0068】
本発明のZn−Mg−C系複合合金めっき層を島状に析出させるためには、前記めっき方法の条件の中で、めっき浴に添加する各種界面活性剤の添加濃度、めっき浴のpH或いは電気めっき時の電流密度を適宜調整すれば良い。また、基材露出面積率は、めっき付着量を変化させることで容易に制御することができる。
【0069】
以下、実施例を挙げて本発明の構成および作用効果を具体的に説明するが、これらは本発明を何等制限するものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更実施することは、全て本発明の技術的範疇に含まれる。
【0070】
【実施例】
実施例1
常法で作製したAlキルド冷延鋼板をめっき母材として用いた。これを脱脂・酸洗後、硫酸塩浴を用いて下記の条件で電気めっきを施した。尚、めっき液には、カチオン系界面活性剤として塩化ラウリルジメチルベンジルアンモニウム(東邦化学工業製 カチナールCB−50)を表1に示す濃度で添加した。
<電気めっき条件>
【0071】
また比較のために、本発明の有機化合物を添加しない場合のサンプルおよび蒸着めっき法によりZn−Mg2元合金めっきを作製した。
【0072】
得られためっき鋼板について、無塗装(めっきまま)の耐食性をJIS Z2371塩水噴霧試験により評価した。塩水噴霧試験240時間後の赤錆発生面積率を下記基準で判定した。また、成形加工性を判定するにあたっては、めっき面を外側にして180°密着曲げ試験を行い、曲げ部にニチバンセロハンテープを付着させ引き剥がし、テープに付着しためっき剥離片を目視観察して下記基準によりめっき密着性を判定した。得られた結果を表1にまとめて示す。
[耐食性評価基準]
◎ : 0%
○ : 10%未満
△ : 10以上50%未満
× : 50%以上
[めっき密着性(成形加工性)評価基準]
○ : 剥離がないか、或いは実用上問題ないレベル
× : 剥離大
【0073】
【表1】
【0074】
表1から明らかなように、本発明の範囲でMgとCをめっき層に含有する実施例No.1〜23は、優れた耐食性およびめっき密着性(成形加工性)を示している。これに対し、めっき層中のMgまたはCの含有率が本発明の範囲から外れる比較例No.24〜27は、耐食性またはめっき密着性(成形加工性)のいずれかが劣っている。なかでも、本発明のカチオン系界面活性剤を添加しなかった比較例No.26は、Mgを全く析出させることができなかった。
【0075】
更に、No.28〜30に示す蒸着めっき法で作製した従来例のZn−Mg合金めっきは、めっき層中にC成分を全く含まないが、同様のめっき層中Mg含有率である本発明の実施例No.4〜6と比較しても耐食性が劣る。
【0076】
実施例2
表2に示す各種界面活性剤をめっき液に添加し、Zn−Mg−C複合合金めっきを作製した。なお、母材および各種めっき条件は実施例1と同様である。
【0077】
得られためっき鋼板について、実施例1と同じ方法で耐食性およびめっき密着性を評価した。結果は表2に併記する。
【0078】
【表2】
【0079】
表2より明らかなように本発明のノニオン系或いはカチオン系界面活性剤を用いた本発明例No.31〜43は、いずれもMgを析出させることができ、耐食性およびめっき密着性に優れる。これに対して、アニオン系界面活性剤を用いた比較例No.44〜45では、Mgを析出させることができず、従って優れた耐食性は得られなかった。
【0080】
実施例3
常法で作製したAlキルド冷延鋼板をめっき母材として用いた。これを脱脂・酸洗後、硫酸塩浴を用いて下記の条件で電気めっきを施した。尚、めっき液には、カチオン系界面活性剤として前記塩化ラウリルジメチルベンジルアンモニウムを添加した。
<電気めっき条件>
【0081】
得られためっき鋼板は反応型クロメート処理液(日本パーカライジング社製 ジンクロム359)によりクロメート処理を行った。一部のめっき鋼板は引き続きクリア皮膜(1μm)を塗布した。
【0082】
これらのクロメート処理を実施しためっき鋼板について、その耐食性をJISZ2371塩水噴霧試験により評価した。評価は白錆発生率により行い、クロメート処理ままの鋼板は塩水噴霧72時間後の白錆発生面積率を測定し、またクロメート処理上に更にクリア皮膜を施した鋼板は塩水噴霧試験240時間後の白錆発生面積率を測定し下記の基準で判定した。
[耐白錆性評価基準]
◎ : 0%
○ : 10%未満
△ : 10以上50%未満
× : 50%以上
【0083】
また、Zn−Mg−C系複合合金めっきの結晶配向性はX線回折装置にてη相Znの(002)面,(100)面,(101)面,(102)面,(103)面,(110)面の各回折強度を測定し、前述の式により求めた。クロム付着量は蛍光X線分析により測定し、Zn−Mg−C系複合合金めっき層の付着量は重量法で、Mg含有量はICP分析で、C成分含有量は燃焼赤外線吸収法にて測定した。
【0084】
得られた結果は表3に示す。
【0085】
【表3】
【0086】
表3から明らかなように、めっき層のIco(002)が1.0を超えるNo.9,10,11,20,24では、良好な耐白錆性を得ることができなかった。またNo.2及びNo.6を参照すると、Ico(100)も0.6以上にすることでより優れた耐白錆性が得られることが分かる。
【0087】
No.17はMg含有量が多すぎる比較例で、No.18はC成分含有量が多すぎる比較例であり、いずれもめっき密着性に問題があった。
【0088】
これに対して、Ico(002)が1.0以下であり、 Ico(100)が0.6以上の本発明例は、いずれも優れた耐白錆性を発揮した。
【0089】
実施例4
実施例3と同様の条件でZn−Mg−C系複合合金めっきを実施した鋼板について、ひき続きリン酸塩処理(日本パーカライジング社製 ボンデライト3312を使用)を行った。更に、メラミンアルキド系塗料(関西ペイント社製 マジクロンC)を20μmの厚さで塗装した。塗装後の試験片はカッターナイフにて素地に達するクロスカットを塗膜に入れた後、塩水噴霧試験(JIS Z2371)を240時間行い、クロスカットからの膨れ幅で塗装後の耐食性を調べた。
[塗装後耐食性評価基準]
◎:0.5mm未満
○:0.5mm以上1.0mm未満
△:1.0mm以上1.5mm未満
×:1.5mm以上
結果は表4に示す。
【0090】
【表4】
【0091】
Ico(002)が1.0以下であり、 Ico(100)が0.6以上の本発明例No.1〜8は、いずれも優れた塗装後耐食性を発揮した。これに対して、Ico(002)が1.0を超え、 Ico(100)が0.6未満のNo.9〜11では、十分な塗装後耐食性が得られなかった。
【0092】
実施例5
実施例3と同様の条件でZn−Mg−C系複合合金めっきを施した鋼板について、珪酸リチウムとコロイダルシリカを主成分とする珪酸塩処理をめっき鋼板上に塗布し乾燥した。付着量はSiとして100mg/m2であった。一部の試験片については更にクリア皮膜を1μm形成した。
【0093】
これらの珪酸塩処理を行っためっき鋼板について、その耐白錆性を実施例3と同様にして評価した。結果は表5に示す。
【0094】
【表5】
【0095】
Ico(002)が1.0以下であり、 Ico(100)が0.6以上の本発明例No.1〜8及びNo.12〜16は、いずれも優れた耐白錆性を発揮した。これに対して、Ico(002)が1.0を超え、 Ico(100)が0.6未満のNo.9〜11では、十分な耐白錆性が得られなかった。
【0096】
実施例6
常法で作製したA1キルド冷延鋼板をめっき母材として用い、MgおよびC量を変化させたZn−Mg−C系複合合金めっき層を形成した。また比較例や従来例として、MgおよびC量が本発明の範囲を外れるものおよび蒸着めっき法で作製したZn−Mgめっき鋼板を作製した。
【0097】
また、一部の試料については、電解条件およびめっき付着量を変化させることにより、Zn−Mg−C系複合合金めっき層の島状析出状況を変化させ、基材露出面積率を変化させた。基材露出面積率の測定は、まずEPMAを用い、加速電圧15kV,電流0.1μAの電子線出力で、300μm×300μmの領域についてFeのカラーマッピング分析を行った。その結果、Feの検出強度が20kcps以上の領域を基材露出部と判断し、画像解析にてその面積率を算出した。
【0098】
上記めっき層の上に、家電用のエポキシ変性メラミンアルキッド系塗料(大日本塗料製デリコン700)をバーコータで塗装し、熱風乾燥炉で焼き付けて、膜厚を15〜25μmに調整した。
【0099】
上記工程で得られた塗装鋼板を所定のサイズに切断し、上下の端面にテープシールを施して保護し、更に供試材中央付近にカッターナイフで素地鋼板に達する疵(クロスカット)を付与した。その後、JIS Z2371に記載の塩水噴霧試験を500時間実施した。耐食性の評価は、左右の端面からの最大膨れ幅およびクロスカット疵からの片側最大膨れ幅を測定し、以下の基準で判定して5段階評価を行った。
<疵部及び疵部の耐食性>
5:塗膜膨れ幅が1mm未満
4:塗膜膨れ幅が1mm以上2mm未満
3:塗膜膨れ幅が2mm以上3mm未満
2:塗膜膨れ幅が3mm以上4mm未満
1:塗膜膨れ幅が4mm以上
【0100】
また加工性の評価については、評価面を外側にして0℃で0T曲げ加工を行い、加工部に接着テープ(ニチバン製セロハンテープ)を付着させ引き剥がし、接着テープに付着した塗膜の多少を観察し、最も良好な密着性である塗膜が全く剥離しない場合を5点、最も密着性が劣る全面剥離を1点として、その間を剥離の程度に応じて4点から2点に分け、5点法で評価した。
【0101】
【表6】
【0102】
下地めっき層のMgおよびC含有率が本発明の範囲内であるNo.1〜19は、いずれも優れた疵部および端面部の耐食性を有し、且つ加工性も良好である。中でも、基材露出面積率が本発明の好適範囲であるNo.10〜19では、特に優れた耐食性及び加工性を示した。これに対して、めっき層のMgまたはC含有率のいずれかが本発明の範囲をはずれるNo.20〜26の場合には、耐食性または加工性のいずれかが劣っていた。また、めっき層のMgおよびC含有率は本発明の範囲内であるが、基材露出面積率が本発明の範囲を超えて大きいNo.27の場合には、耐食性が劣っていた。
【0103】
実施例7
実施例6で作製したZn−Mg−C系複合合金めっき鋼板を基材として用い、更に、その上層に塗布型クロメート処理(日本パーカライジング製ジンクロムZM1300D)または反応型りん酸塩処理(日本ペイント製SD2500)を施し、クロメート皮膜の場合にはCr換算の付着量が30mg/m2となる様に調整し、りん酸塩皮膜の場合には皮膜質量が1.5g/m2となるように調整した。なお、これらの処理を行う前には、アルカリ溶液によるスプレー脱脂処理を施し、更にりん酸塩処理においては表面調整処理を行った。
【0104】
上記のクロメート処理材については、その上にプライマーとしてポリエステル系塗料(日本ペイント製FLC600)をバーコータにて塗装し、熱風乾燥炉で焼き付けて膜厚を5μmに調整した。更にその上層にトップコートとして、ポリエステル系塗料(日本ペイント製FLC900)をバーコータで塗装し、熱風乾燥炉で焼き付けて、膜厚を20μmに調整した。
【0105】
またりん酸塩処理材については、家電用のエポキシ変性メラミンアルキッド系塗料(大日本塗料製デリコン700)をバーコータで塗装し、熱風乾燥炉で焼き付けて、膜厚を15〜25μmに調整した。
【0106】
上記工程にて作製した各種塗装鋼板について、実施例6と同様の方法にて疵部及び端面部の耐食性および加工性を調査した。得られた結果を表7に示す。
【0107】
【表7】
【0108】
めっき層中のMgおよびC含有率が本発明の範囲内のNo.28〜No.49の場合、めっき/塗膜中間層としてクロメート皮膜またはりん酸塩皮膜のいずれを形成した場合であっても、優れた耐食性および加工性を有していた。これに対して、めっき層中のMgおよびC含有率または基材露出面積率のいずれかが本発明の範囲を超えるNo.50〜65の場合、たとえクロメート皮膜またはりん酸塩皮膜を形成しても、十分な耐食性または加工性を確保できなかった。
【0109】
実施例8
実施例6と同様に、常法で作製したA1キルド冷延鋼板を基材として用い、Mg含有量が0.25%,C含有量が0.15%、めっき付着量が0.2〜58g/m2のZn−Mg−C系複合合金めっき鋼板を作製した。また、比較材としてめっき付着量が前記範囲とほぼ同じ電気Znめっき鋼板を作製した。
【0110】
上記めっき鋼板に実施例7と同様に塗布型クロメート処理を行い、更にプライマー塗装を実施し、その上層にトップコート層を塗装した。
【0111】
得られた塗装鋼板について、実施例6と同様にして疵部や端面部の耐食性および加工性を調査した。結果を表8に示す。
【0112】
【表8】
【0113】
本発明のZn−Mg−C系複合合金めっき塗装鋼板を用いて、めっき付着量が本発明の範囲内のNo.66〜72の場合には、いずれも優れた耐食性および加工性を発揮した。これに対して、Zn−Mg−C系複合合金めっき層のめっき付着量が本発明の範囲外である比較例No.73〜74の場合、耐食性または加工性に劣る。更に、めっき層として電気Znめっきを用いた従来例No.75〜80の場合、いずれのめっき付着量でも耐食性が乏しいことがわかる。
【0114】
【発明の効果】
本発明は以上の様に構成されているので、耐食性に優れ、且つ成形加工性および生産性についても優れたZn−Mg系合金めっき金属板及びその製造方法の提供が可能となった。特に本発明のめっき金属板は、従来の表面処理金属材にない優れた耐食性を有しており、めっき皮膜の加工性も優れている。更に、めっき皮膜構成成分比率やめっき付着量を容易に制御可能であるとともに、各種金属イオンの補給方法も容易である等、連続操業性に優れ、且つ蒸着めっき法等によるZn−Mg合金めっきより安価に製造可能である。なお且つ、薄目付領域において、従来製品にない非常に優れた塗装後の疵部及び端面部の耐食性を有しており、また優れた加工性も有する塗装金属板が提供できることとなった。
Claims (10)
- 金属基材の表面に、Znを主体としMgを含有するZn−Mg系電気めっき層が形成されており、前記Zn−Mg系電気めっき層中には、カチオン系の界面活性剤に起因するCを0.01〜10質量%含有し、且つ、前記Zn−Mg系電気めっき層中のMg含有量が、1.0〜40質量%であることを特徴とするZn−Mg系電気めっき金属板。
- 前記電気めっき層の(002)面の結晶配向性指数が1.0以下である請求項1に記載のZn−Mg系電気めっき金属板。
- 前記電気めっき層の(100)面の結晶配向性指数が0.6以上である請求項1または2に記載のZn−Mg系電気めっき金属板。
- 前記電気めっき層の付着量が0.5g/m 2 以上40g/m 2 以下である請求項1〜3のいずれかに記載のZn−Mg系電気めっき金属板。
- 金属基材の少なくとも一方の表面に、請求項1〜4のいずれかに記載のZn−Mg系電気めっき層が形成され、更に該めっき層の上に塗膜層が形成されてなることを特徴とする塗装金属板。
- 前記電気めっき層が島状に形成されてなる請求項5に記載の塗装金属板。
- 前記電気めっき層が形成されていない基材露出面積率が5%以上85%以下である請求項6に記載の塗装金属板。
- 前記電気めっき層と前記塗膜層の間に、クロメート皮膜またはりん酸塩皮膜が形成されてなる請求項5〜7のいずれかに記載の塗装金属板。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のZn−Mg系電気めっき金属板の製造方法であって、ZnおよびMgの金属塩を含有し、更にカチオン系の界面活性剤を含有する酸性水溶液を用いて電気めっきを行うことを特徴とするZn−Mg系電気めっき金属板の製造方法。
- 前記電気めっきを陰極電流密度50〜1500A/dm 2 で行なう請求項9に記載の製造方法。
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