JP3966921B2 - テーブル装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、簡易構造にして秀れた効果を発揮するテーブル装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、図1に図示したように、第一方向aに移動する第一テーブル31と、第一方向aと直交する第二方向bに移動する第二テーブル32とを積層したテーブル装置(以下、従来例という。)が提案されている(尚、第二テーブル32の上には移動させたい部材を載置する。)。
【0003】
この従来例は、第一テーブル31に該第一テーブル31を移動させ第一ボールネジ35が、第二テーブル32に該第二テーブル32を移動させる第二ボールネジ38が夫々設けられており、この第一ボールネジ35及び第二ボールネジ38は、夫々モーター33a,36aにより回動する螺杆33b,36bに図示省略のナット部材を螺着したもので、該ナット部材に第一テーブル31及び第二テーブル32夫々を連設し、第一ボールネジ35及び第二ボールネジ38を夫々回動させることにより、当該両テーブル31,32が第一方向a,第二方向bへ移動するものである。
【0004】
尚、符号34,37はガイドレール、39,40はガイド体である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来例は第一テーブル31の上に第二テーブル32及び第二ボールネジ38等を設置した積層構造の為に、装置自体の背が高くなってしまい、しかも、第一テーブル31上の重量が重くなる為、第一テーブル31及び第一ボールネジ35にかかる負荷が大きくなり高速駆動性,高応答性に問題が生じ、更に、第二テーブル32を移動させた際、第二ボールネジ38及びセンサー等のコード38aも共に移動することになる為に、コード38aの破損や他部品との干渉が無いように留意しなければならない(実際、テーブル装置に接続されるコード等の配線は数mにも及び、この配線は長ければ長いほど上記欠点は顕著となる。)。
【0006】
従って、従来例は上記構造故に種々の問題点を抱えている。
本発明は、上述の問題点を解決するテーブル装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0008】
第一方向aに移動する第一テーブル1と、第一方向aと直交する第二方向bに移動し前記第一テーブル1に積層される第二テーブル2と、不動部3及び該不動部3に対して直動する直動部4から成り前記第一テーブル1を移動させる為の第一アクチュエーター5と、前記第一アクチュエーター5の直動部4の直動方向と平行に配される不動部6及び該不動部6に対して直動する直動部7から成り前記第一アクチュエーター5と略同一平面状に配され前記第二テーブル2を移動させる為の第二アクチュエーター8と、前記第二アクチュエーター8の直動部7と連設される第一摺動手段9と、前記第二テーブル2に前記第二アクチュエーター8の直動部7の直動方向に対して所定の角度θ1を有する状態で設けられ前記第一摺動手段9と組み合わせられて摺動を実現する第二摺動手段10と、前記第二テーブル2を前記第一テーブル1に対して第二方向bに摺動させる第三摺動手段11とで構成され、前記第一アクチュエーター5及び前記第二アクチュエーター8は設置台 12に固定されていることを特徴とするテーブル装置に係るものである。
【0009】
また、請求項1記載のテーブル装置において、前記所定の角度θ1を45°に設定したことを特徴とするテーブル装置に係るものである。
【0010】
【発明の作用及び効果】
第一アクチュエーター5及び第二アクチュエーター8を適宜作動させ、第一アクチュエーター5,第二アクチュエーター8,第一摺動手段9,第二摺動手段10,第三摺動手段11により、第一テーブル1を第一方向aに、第二テーブル2を第二方向bに移動させる。
【0011】
本発明は上述のように第一アクチュエーター5,第二アクチュエーター8を略同一平面状に配するとともに、第二アクチュエーター8の直動部7の直動方向に対して角度θ1で設けられた第一摺動手段9、該第一摺動手段9と組み合わせられて摺動を実現する第二摺動手段10及び第三摺動手段11を設けたから、従来例と同様に第一テーブル1,第二テーブル2は第一方向a,第二方向bに移動することは勿論、従来例のように装置自体の背が高くなってしまうことがなく、しかも、第一テーブル1上の重量が軽量となる為、第一テーブル1及び第一アクチュエーター5にかかる負荷が軽減され高速駆動性及び高応答性に秀れ、更に、第二テーブルを移動させた際に生じるコードの破損や他部品との干渉が可及的に防止され、その上、簡易構造にしてコスト安となる従来にない画期的なテーブル装置となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図2〜6は本発明の第一実施例,図7,8は第二実施例を図示したものであり、以下に説明する。
【0013】
第一実施例を説明する。
【0014】
第一テーブル1は、図2,4に図示したように適宜な鋼製部材を平面視方形状に形成された板状体であり、この第一テーブル1の上面にして長さ方向両端部には後述する第二テーブル2のガイド体11bと嵌合するガイドレール11a(このガイド体11bとガイドレール11aが第三摺動手段11)が設けられ、更に、裏面にして長さ方向両端部の適所には設置台12の両端に設けられたガイドレール14に嵌合するガイド体13が設けられている。
【0015】
第一アクチュエーター5は、図2,4に図示したように、設置台12の略中程に配設された正逆回転自在(図2中A)のモーター3aにより回動する不動部3としての螺杆3bと、この螺杆3bに螺合して該螺杆3bの回動により該螺杆3bの軸方向へ移動する直動部4としてのナット部材とから成り、この直動部4は前記第一テーブル1に連結されている。
【0016】
従って、螺杆3bを回動させると当該第一テーブル1が第一方向a(図2中左右方向)へ移動する。
【0017】
第二テーブル2は、図2,3に図示したように適宜な鋼製部材を平面視方形状に形成された板状体であり、この第二テーブル2の裏面には該第二テーブル2の長さ方向に対する角度が45°に設定された第二摺動手段10としてのガイドレール10が設けられており、更に、裏面適所には前記第一テーブル1の上面に設けたガイドレール11aに嵌合するガイド体11bが設けられている。
【0018】
第二アクチュエーター8は、図2,3,4,5に図示したように、前記設置台12の略中程に配設された第一アクチュエーター5に同一平面状に並設されており、正逆回転自在(図2中B)のモーター6aにより回動する不動部6としての螺杆6bと、この螺杆6bに嵌合して該螺杆6bの回動により該螺杆6bの軸方向へ移動する直動部7としてのナット部材とから成り、更に、この直動部7の上面には該直動部7の直動方向に対して45°の角度θ1を有する状態で第一摺動手段9としてのガイド体9が固着され、このガイド体9と前記第二テーブル2の裏面に設けたガイドレール10とが嵌合される。
【0019】
従って、上記第二テーブル2の第二方向bへの移動は、第二アクチュエーター8に係る直動部7を図2中左側方向へ移動させた場合、ガイドレール11a,10とで誘導され図2中下側方向へ移動し、これとは反対に、直動部7を図2中右側方向へ移動させた場合には、ガイドレール11a,10とで誘導され図2中上側方向へ移動することになる。また、第一アクチュエーター5のみを作動させ第一テーブル1を移動した場合にも、ガイド体9とガイドレール10とを常時スライド自在となるように設けた為、第二テーブル2は第一テーブル1の移動に合わせて移動する。
【0020】
尚、本実施例は上述のように第二テーブル2のガイドレール10を直動部7の直動方向に対して45°の角度θ1を有する状態に設定しており、この角度θ1を大きくすればする程(90°に近づく程)第二テーブル2の第二方向bへの移動量が多くなり、小さくすればする程(0°に近づく程)第二テーブル2の第二方向bへの移動量は少なくなるものの大きな移動力が得られるなど45°だけに限られるものではないが、この点、45°に設定した場合、平均的な移動量及び移動力が得られることになる。
【0021】
符号1aは第一テーブル1に穿設され、直動体7の移動を可能にする間隙部,3a’,6a’はモーター3a,6a夫々に連設されるコードである。
【0022】
次に、第一アクチュエーター5及び第二アクチュエーター8夫々を表1(基本操作パターン)に従い操作すると、第一テーブル1及び第二テーブル2は図6に図示したように移動する。
【0023】
尚、表1中の±N1はモーター3a,6aを正逆回転いずれか一方に回転させた際のある一定量の回転数,N1×LXは第一テーブル1のモーター3aの回転数N1における移動量,N1×LYは第二テーブル2のモーター6aの回転数N1における移動量を示し、図6中の符号+X,−Xは第一テーブルの移動方向(第一方向)を示す軸,+Y,−Yは第二テーブルの移動方向(第二方向)を示す軸である。また、この場合、螺杆3b,6aは右螺子で且つ同一リードの場合である。
【0024】
【表1】
【0025】
パターン1は、モーター3aを駆動させて回転数を+N1,モーター6aは駆動させず回転数を0に設定した場合であり、第一テーブル1は−N1×LXだけ移動し、第二テーブル2も−N1×LYだけ移動する。これは、第一テーブル1はモーター3aの回転数をN1させたとき−X軸方向に−N1×LXだけ移動することを示し、第二テーブル2はモーター6aを駆動させていない為、第一テーブル1の移動に合わせて−Y軸方向に−N1×LYだけ移動することを示す(図6中6−Aの状態から6−Bの状態へ移動)。
【0026】
パターン2は、モーター3aを駆動させて回転数を−N1,モーター6aは駆動させず回転数を0に設定した場合であり、第一テーブル1は+N1×LXだけ移動し、第二テーブル2も+N1×LYだけ移動する。これは、前記パターン1の逆移動を示し、即ち、第一テーブル1はモーター3aの回転数を−N1させたとき+X軸方向に+N1×LXだけ移動することを示し、第二テーブル2はモーター6aを駆動させていない為、第一テーブル1の移動に合わせて+Y軸方向に+N1×LYだけ移動することを示す(図6中6−Aの状態から6−Cの状態へ移動)。
【0027】
パターン3は、モーター3aは駆動させず回転数を0,モーター6aを駆動させて回転数を+N1に設定した場合であり、第一テーブル1は移動せず、第二テーブル2は+N1×LYだけ移動する。これは、モーター6aだけを駆動させた際に第一テーブル1は移動しないことを示し、第二テーブル2のみ+Y軸方向に+N1×LYだけ移動することを示す(図6中6−Aの状態から6−Dの状態へ移動)。
【0028】
パターン4は、モーター3aは駆動させず回転数を0,モーター6aを駆動させて回転数を−N1に設定した場合であり、第一テーブル1は移動せず、第二テーブル2は−N1×LYだけ移動する。これは、前記パターン3の逆移動であり、即ち、モーター6aだけを駆動させた際に第一テーブル1は移動しないことを示し、第二テーブル2のみ−Y軸方向に−N1×LYだけ移動することを示す(図6中6−Aの状態から6−Eの状態へ移動)。
【0029】
パターン5は、モーター3aを駆動させて回転数を+N1,モーター6aを駆動させて回転数を+N1に設定した場合であり、第一テーブル1は−N1×LXだけ移動し、第二テーブル2は移動しない。これは、前記パターン1とパターン3との組み合わせから生じた結果を示しており、即ち、第一テーブル1は、パターン1において移動量が−N1×LXでパターン3において移動量が0であった為に、その両パターン1,3で設定されたモーター3a,6a夫々の条件を組み合わせたパターン5ではそのまま移動量が−N1×LXとなり、よって、第一テーブル1は−X軸方向に−N1×LXだけ移動することを示し、また、第二テーブル2は、パターン1において移動量が−N1×LYでパターン3において移動量が+N1×LYであった為に、その両パターン1,3で設定されたモーター3a,6a夫々の条件を組み合わせたパターン5ではその移動量が互いに打ち消し合った結果0となり、よって、第二テーブル2は移動しないことを示す(図6中6−Aの状態から6−Fの状態へ移動)。
【0030】
パターン6はモーター3aを駆動させて回転数を−N1,モーター6aを駆動させて回転数を+N1に設定した場合であり、第一テーブル1は+N1×LXだけ移動し、第二テーブル2は+2(N1×LY)だけ移動する。これは、前記パターン2とパターン3との組み合わせから生じた結果を示しており、即ち、第一テーブル1は、パターン2において移動量が+N1×LXでパターン3において移動量が0であった為に、その両パターン2,3で設定されたモーター3a,6a夫々の条件を組み合わせたパターン6ではそのまま移動量が+N1×LXとなり、よって、第一テーブル1は+X軸方向に+N1×LXだけ移動することを示し、また、第二テーブルは、パターン2において移動量が+N1×LYでパターン3において移動量が+N1×LYであった為に、その両パターン2,3で設定されたモーター3a,6a夫々の条件を組み合わせたパターン6ではその移動量が合わさり+2(N1×LY)となり、よって、第二テーブル2は+Y軸方向へ+2(N1×LY)だけ移動することを示す(図6中6−Aの状態から6−Gの状態へ移動)。
【0031】
パターン7はモーター3aを駆動させて回転数を+N1,モーター6aを駆動させて回転数を−N1に設定した場合であり、第一テーブル1は−N1×LXだけ移動し、第二テーブル2は−2(N1×LY)だけ移動する。これは、前記パターン5,6で説明したのと同様にパターン1とパターン4とを組み合わせた結果生じた移動量を示す(図6中6−Aの状態から6−Hの状態へ移動)。
【0032】
パターン8はモーター3aを駆動させて回転数を−N1,モーター6aを駆動させて回転数を−N1に設定した場合であり、第一テーブルは+N1×LXだけ移動し、第二テーブルは移動しない。これは、前記パターン5,6,7で説明したのと同様にパターン2とパターン4とを組み合わせた結果生じた移動量を示す(図6中6−Aの状態から6−Iの状態へ移動)。
【0033】
本実施例は上述のように、第一アクチュエーター5,第二アクチュエーター8を同一平面状に配するとともに、第二アクチュエーター8の直動部7の直動方向に対して角度45°で設けたガイド体9,ガイドレール10を設けたから、従来例と同様に第一テーブル1,第二テーブル2は第一方向a,第二方向bに移動することは勿論、従来例のように、装置自体の背が高くなってしまうことがなく、しかも、第一テーブル1上の重量が軽量となる為、第一テーブル1及び第一アクチュエーター5にかかる負荷が軽減され高速駆動性及び高応答性に秀れ、更に、第二テーブル2を移動させた際に生じるコード3a’,6a’の破損や他部品との干渉が可及的に防止され、その上、簡易構造にしてコスト安となる。
【0034】
第二実施例を説明する。
【0035】
第二実施例は、第一実施例に係るテーブル装置の第一テーブル1及び第二テーブル2夫々を立設状態に設けた場合であり、直動部4には第一テーブル1が連設され、また、直動部7には立設状態の連結体16が連設され、この連結体16にガイド体9に第二テーブル2に設けた直動部7に対して角度θ1で設けられたガイドレール10が嵌合されている(図7,8参照)。符号17は第一テーブル1の両端に設けられた側板である。
【0036】
従って、第一テーブル1は、図7に図示したように、第一アクチュエーター5により第一方向a(図7中左右方向)へ移動し、第二テーブル2は、第一アクチュエーター5,第二アクチュエーター8により第二方向b(図中上下方向)へ移動する。
【0037】
尚、第二実施例は第一テーブル1及び第二テーブル2を立設状態に設けた点において第一実施例と異なるだけで、その余は第一実施例と同様のものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来例の斜視図である。
【図2】 第一実施例の平面図である。
【図3】 第一実施例に係る要部の縦断面図である。
【図4】 第一実施例に係る要部の側断面図である。
【図5】 第一実施例に係る要部の斜視図である。
【図6】 第一実施例に係る第一テーブル及び第二テーブルの移動説明図である。
【図7】 第二実施例の側面図である。
【図8】 第二実施例に係る要部の側断面図である。
【符号の説明】
1 第一テーブル
2 第二テーブル
3 不動部
4 直動部
5 第一アクチュエーター
6 不動部
7 直動部
8 第二アクチュエーター
9 第一摺動手段
10 第二摺動手段
11 第三摺動手段
a 第一方向
b 第二方向
θ1 角度
Claims (2)
- 第一方向に移動する第一テーブルと、第一方向と直交する第二方向に移動し前記第一テーブルに積層される第二テーブルと、不動部及び該不動部に対して直動する直動部から成り前記第一テーブルを移動させる為の第一アクチュエーターと、前記第一アクチュエーターの直動部の直動方向と平行に配される不動部及び該不動部に対して直動する直動部から成り前記第一アクチュエーターと略同一平面状に配され前記第二テーブルを移動させる為の第二アクチュエーターと、前記第二アクチュエーターの直動部と連設される第一摺動手段と、前記第二テーブルに前記第二アクチュエーターの直動部の直動方向に対して所定の角度θ1を有する状態で設けられ前記第一摺動手段と組み合わせられて摺動を実現する第二摺動手段と、前記第二テーブルを前記第一テーブルに対して第二方向に摺動させる第三摺動手段とで構成され、前記第一アクチュエーター及び前記第二アクチュエーターは設置台に固定されていることを特徴とするテーブル装置。
- 請求項1記載のテーブル装置において、前記所定の角度θ1を45°に設定したことを特徴とするテーブル装置。
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JP19123896A JP3966921B2 (ja) | 1996-07-19 | 1996-07-19 | テーブル装置 |
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JP19123896A JP3966921B2 (ja) | 1996-07-19 | 1996-07-19 | テーブル装置 |
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JPH1034463A JPH1034463A (ja) | 1998-02-10 |
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- 1996-07-19 JP JP19123896A patent/JP3966921B2/ja not_active Expired - Fee Related
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