JP3965763B2 - 筆記具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ペン先を一端に取り付けたインキ収容管に、インキと、インキ逆流防止体とを直接充填してなる筆記具に関する。
【0002】
【従来の技術】
ペン先を一端に取り付けたインキ収容管に、インキと、インキ逆流防止体とを直接充填してなる筆記具はよく知られている。
前記インキは、染料や顔料からなる着色剤と溶剤とからなり、着色剤として顔料を用いた場合、結合剤を用いている。尚、溶剤は、水及び水溶性有機溶剤を用いるものと、有機溶剤を用いるものとがある。特に、近年、筆跡の滑らかさ及び筆跡の堅牢性が良好なものとして、着色剤として顔料を用い、溶剤として水を用いたものが多く提案されている。例えば、特開昭63−145380号公報には着色剤として酸化チタンを1〜6重量%用い、更に有色顔料と樹脂粒子とを用いるインキが開示されている。
前記インキ逆流防止体は、インキのインキ収容管からの漏れや乾燥を防止するために用いるものであって、流動パラフィンやポリブテンなどの不揮発性液体を基材として、この基材を微粒子シリカなどでゲル化したもの等が提案されている。例えば、特開平5−270193号公報には、基材としてポリブテンを用い、ゲル化剤として微粒子シリカ(アエロジルR972、日本アエロジル(株)製)を用いたインキ逆流防止体が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記インキ収容管に、前記特開昭63−145380号公報に記載されたインキと、前記特開平5−270193号公報に記載されたインキ逆流防止体とを直接充填した筆記具を連続で筆記した場合、インキがインキ収容管に付着して、インキ残量が確認できなくなるという問題が発生する。
【0004】
本発明は、上記問題に鑑み、連続筆記してもインキがインキ収容管内面に付着することがなく、いかなる使用状況においてもインキ残量確認が可能な筆記具を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ペン先を一端に取り付けたインキ収容管に、インキと、インキ逆流防止体とを直接充填してなる筆記具において、前記インキ収容管は、その内壁に、前記インキ逆流防止体の基材と構造が同じ物質を塗布したものであることを特徴とする筆記具を要旨とする。
【0006】
以下、詳細に説明する。
筆記具のペン先は、従来ボールペンやサインペン、マーカーに使用されているものであって、使用するインキの吐出量を確保できるという条件さえ満たせば問題なく使用できる。
ボールペンのペン先は、ルビーやタングステンカーバイト等よりなるボールを、ステンレスや真鍮などの金属やポリアセタールなどの合成樹脂よりなるボールペンチップに取り付けたものであり、使用するインキの粘度、顔料の粒径により適宜その寸法を調整し使用する。
また、サインペン、マーカーのペン先は、ナイロンやポリエステルなどの繊維を熱硬化型の接着剤で固めたものであり、使用するインキの粘度、顔料の粒径により、繊維の太さや気孔率を調整し使用する。また、必要に応じて界面活性剤などで処理して使用しても良い。
【0007】
上記ペン先を取り付けるインキ収容管は、インキの残量を確認できるように透明、または半透明のものが多く用いられ、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンのものがよく知られている。通常インキ収容管の内径は2〜4mm程度であって、その長さは10〜15cm程度である。
【0008】
インキは筆跡となるものであり、着色剤と、溶剤とを少なくとも含み、着色剤に顔料を用いた場合は、結合剤を使用する。
【0009】
着色剤は、ウォターブルー、メチルバイオレット等の染料や、フタロシアンブルー、カーボンブラック、酸化チタン等の顔料を使用する。
【0010】
溶剤は、水性のインキの場合、水を用い、油性インキの場合、芳香族炭化水素や脂肪族炭化水素を用いる。また、最近の油性インキの溶剤としては、アルコール系溶剤や、セロソルブ系溶剤も多く使用されている。
【0011】
結合剤は、インキ塗膜を紙面に定着させるために使用するものである。
水性インキの場合、具体的には、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ金属塩、同アミン塩、同アンモニウム塩、α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ金属塩、同アミン塩、同アンモニウム塩、といった水溶性樹脂を用いることができる。また、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合物などの水不溶性樹脂などを用いることもできる。尚、水不溶性樹脂は、当然、水性エマルジョン形態で使用する。
油性インキの場合、具体的には、フェノール樹脂、ケトン樹脂、ブチラール樹脂、ポリアミド樹脂などを使用することができる。
【0012】
その他、上記各成分以外、従来、筆記具用の水性インキや油性インキに用いられる種々の添加剤を適宜必要に応じて使用することもできる。
水性インキの場合、例えば、インキの蒸発防止のためにエチレングリコール、グリセリン等の水溶性有機溶剤及びソルビット、キシリット等の糖アルコールを用いたり、粘度調整のためにガァーガム、キサンタンガム等の増粘性水溶性樹脂を用いたり、筆記感を向上させるためにポリエチレングリコール、ポリオキシエチレングリコールポリオキシプロピレングリコール等の潤滑剤を用いたりすることができる。
油性インキの場合、例えば、インキ塗膜に柔軟性を付与するためにフタル酸エステルやセバシン酸エステルなどの可塑剤や、染料を高濃度に用いるためのベンジルアルコール、エステル系溶剤などの可溶化剤を用いたりすることもできる。さらに、水性インキ、油性インキを問わず、防腐剤、防黴剤、防錆剤などを用いることもできる。
【0013】
インキ逆流防止体は、インキ漏れや乾燥防止のために用いるものであって、不揮発性液体及び/又は難揮発性液体を基材として用い、基材単独では粘度が低い場合、粘度を調整するなど必要に応じて増粘剤やゲル化剤を併用したものである。 インキ逆流防止体の粘度は、一緒に用いるインキや、ペン先の種類によっても異なるが、10000〜70000mPa・s(E型粘度計、stローター、1rpm、25℃)が好ましい。
基材として用いる不揮発性液体或いは難揮発性液体は、流動パラフィン、ポリブテン、塩素化パラフィン、シリコンオイル、α−オレフィン等が挙げられ、単独または混合して使用することが可能である。
【0014】
上記増粘剤やゲル化剤としては、アエロジル(日本アエロジル(株)製)などの微粒子シリカ、ディスパロン305(楠本化成(株)製)などの水添ひまし油系のもの、ソロイド(三晶(株)製)などのセルロース系のもの、更に金属セッケン類、ベントナイト等が挙げられる。
【0015】
本発明において、インキ収容管は、インキ及びインキ逆流防止体を直接充填する前に、その内壁にインキ逆流防止体の基材と同種の物質を塗布することが必要である。このことによって、筆記時におけるインキの上記インキ収容管への付着を防止することができる。インキ収容管内壁に塗布する、インキ逆流防止体の基材と同種の物質とは、前記基材と構造が同じ物質という意味である。即ち、例えば、基材としてポリブテンを使用した場合、インキ収容管内壁に塗布する物質はポリブテンであるが、基材として用いたポリブテンと塗布物質として用いたポリブテンとは平均分子量や分子量分布が異なっていても良い。勿論、同一物質を用いることもできる。
【0016】
【作用】
本発明に係る筆記具においては、インキ収容管の内壁にインキ逆流防止体の基材と同種の物質が塗布された後に、インキ及びインキ逆流防止体が直接充填されているので、インキは、インキ収容管の内壁に接触しない。更に、インキ収容管内壁の塗布層とインキ逆流防止体との付着力は、この塗布層とインキとの付着力よりも大きくなる。これは、前記塗布層の物質とインキ逆流防止体の基材とが同種のものであるからである。従って、筆記時においても、インキは上記塗布したインキ収容管内壁に付着しないので、インキ残量確認が可能である。
【0017】
【実施例】
製造例(インキ逆流防止体1)
ポリブテンHV15(日本石油化学(株)製) 96重量部
レオパールKE(千葉製粉(株)製) 1重量部
アエロジルR972(日本アエロジル(株)製) 3重量部
上記各成分を混合し、ホットスターラーで150℃にて30分撹拌しインキ逆流防止体1を得た。
【0018】
上記各成分を混合し、ホットスターラーで150℃にて30分撹拌しインキ逆流防止体2を得た。
【0019】
製造例(インキ逆流防止体3)
エンパラK47(塩素化パラフィン、味の素(株)製) 92重量部
レオパールKE(前述) 5重量部
アエロジルR972(前述) 3重量部
上記各成分を混合し、ホットスターラーで150℃にて30分撹拌しインキ逆流防止体3を得た。
【0020】
製造例(インキ1)
C.I.アシッドブラック2(酸性染料) 10.0重量部
プロピレングリコールモノエチルエーテル 10.0重量部
水 60.0重量部
ジャガーHP60の3%水溶液(ガーガム、三晶(株)製)10.0重量部
上記各成分中、ジャガーHP60の3%水溶液以外の各成分を混合し、1時間撹拌した後、ジャガーHP60の3%水溶液を加えて更に1時間撹拌を行いインキ1を得た。
【0021】
上記各成分中、ケルザンAR以外の各成分を混合し、ボールミルで24時間分散処理を行った後、ケルザンARを加えて1時間撹拌を行いインキ2を得た。
【0022】
製造例(インキ収容管1)
内径3mmのポリプロピレン製筒体を、ポリブテン( ポリブテンLV7、日本石油化学(株)製)の10重量%メチルシクロヘキサン溶液に浸漬した後、80℃で24時間乾燥させ、ポリブテンで内面処理したインキ収容管1を得た。
【0023】
製造例(インキ収容管2)
内径3mmのポリプロピレン製筒体を、エチレン−αオレフィンオリゴマー(ルーカントHC10、三井石油化学工業(株)製)の10重量%メチルシクロヘキサン溶液に浸漬した後、80℃で24時間乾燥させ、エチレン−αオレフィンオリゴマーで内面処理したインキ収容管2を得た。
【0024】
製造例(インキ収容管3)
内径3mmのポリプロピレン製筒体を、塩素化パラフィン(エンパラK43、味の素(株)製)の10重量%メチルシクロヘキサン溶液に浸漬した後、80℃で24時間乾燥させ、塩素化パラフィンで内面処理したインキ収容管3を得た。
【0025】
実施例1〜3及び比較例1〜3
直径0.8mmのボール(材質:超硬)とステンレス製ボールペンチップとよりなるボールペンペン先を、インキ収容管に取り付け、インキ、インキ逆流防止体を充填してボールペンとなした。
実施例1〜3及び比較例1〜3におけるインキ、インキ逆流防止体、インキ収容管の関係は、表1の通りである。
【0026】
【表1】
【0027】
表1の注
(1)インキ、逆流防止体、ポリプロピレン製インキ収容管の欄の数字は、インキ、逆流防止体及びポリプロピレン製インキ収容管の製造番号である。
(2)比較例1は、ポリプロピレン製インキ収容管に不揮発性溶剤及び難揮発性溶剤の処理をしていない例である。
【0028】
以上、実施例1〜3及び比較例1〜3で得たボールペンについて連続筆記試験を行い、筆記後のポリプロピレン製パイプに付着したインキの面積の割合を目視にて測定、更にインキ残量の確認ができるかどうかを観た。結果を表2に示す。
【0029】
【表2】
【0030】
連続筆記条件
実施例1〜3及び比較例1〜3で得たボールペンを用いて、螺旋筆記型筆記試験機にて書き切りまで筆記した。
筆記条件
筆記速度:5cm/sec
筆記荷重:100g
【0031】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明による筆記具は連続筆記した際に、インキのインキ収容管への付着が極少なく、インキ残量の確認もできる極めて良好な筆記具である。
Claims (1)
- ペン先を一端に取り付けたインキ収容管に、インキと、インキ逆流防止体とを直接充填してなる筆記具において、前記インキ収容管は、その内壁に、前記インキ逆流防止体の基材と構造が同じ物質を塗布したものであることを特徴とする筆記具。
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JP06404898A JP3965763B2 (ja) | 1998-02-27 | 1998-02-27 | 筆記具 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06404898A JP3965763B2 (ja) | 1998-02-27 | 1998-02-27 | 筆記具 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH11245578A JPH11245578A (ja) | 1999-09-14 |
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Family Applications (1)
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JP06404898A Expired - Fee Related JP3965763B2 (ja) | 1998-02-27 | 1998-02-27 | 筆記具 |
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1998
- 1998-02-27 JP JP06404898A patent/JP3965763B2/ja not_active Expired - Fee Related
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