JP3963516B2 - ニッケル−水素電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電池ケースに、正極板と負極板とを積層してなる極板群を挿入して気密に密閉してなるニッケル−水素電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、小型携帯機器の増加に伴い、二次電池の需要が高まってきている。特に、機器の小型・薄型化、スペース効率化に伴い、ニッケル−カドミウム電池よりも大容量にできる、ニッケル−水素電池が急速に求められるようになった。
【0003】
図1の断面図は、ニッケル−水素電池の極板群の断面構造を示す。この図のニッケル−水素電池の極板群2は、密閉構造の角形電池ケースに挿入される。極板群2は、活物質に水酸化ニッケルを使用する正極板4と、活物質8に水素吸蔵合金を使用する負極板3からなる。正極板4と負極板3は、絶縁のためのセパレータ5を介して積層される。
【0004】
ニッケル−水素電池は、水素吸蔵合金における可逆的な水素の吸蔵放出反応を電気化学的に用いた電池である。負極板3と正極板4の充放電反応の模式図を、図2と図3に示す。充電時には、図2に示すように、水の電気分解反応により、負極板3の水素吸蔵合金8A表面に生成した原子状水素が、水素吸蔵合金8Aの内部に拡散して吸蔵される。放電時は、図3に示すように、吸蔵されていた水素が水素吸蔵合金8Aの表面で水酸イオンと反応して水に戻る。すなわち、電極反応は水素を介して行われ、水素吸蔵合金8Aは水素の貯蔵体として作用する。
【0005】
さらに、ニッケル−水素電池は、充電が進行すると、まず極板容量の小さい正極板が満充電になった後、下記の反応で酸素ガスが発生する。
4OH→2HO+O+4e
【0006】
負極板は、正極板よりも極板容量を大きく設計しているので、理論的に、水素ガスは発生しない。正極板で発生した酸素ガスは、セパレータを透過して負極板に拡散し、充電状態にある水素吸蔵合金の水素を酸化して、下記の反応で水を生成する。
4MH+O→4M+2H
さらに、この反応で生成された水は、下記の式の充電反応で消費される。
M+HO+e→MH+OH
さらに、正極板で生成された酸素ガスは、下記の電気化学的な反応でも消費される。
+2HO+4e→4OH
以上のように、正極板で発生した酸素ガスを負極板で消費して密閉構造としている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
図1に示すニッケル−水素電池は、芯体7の両面に、活物質8である水素吸蔵合金を塗着して負極板3を製作している。この構造の電池は、満充電された正極板4から発生する酸素ガスで、負極板3の劣化が甚だしくなる弊害がある。それは、正極板4が満充電されたときに発生する酸素ガスが、セパレータ5を透過して、負極板3に拡散して、負極板3に悪影響を与えるからである。とくに、正極板4と対向しない、負極板3、すなわち、図1において符号Aで示す、電池ケースと対向する領域の最外側負極板3Aの劣化が甚だしくなる。最外側負極板3AのA領域の活物質8は、正極板4と対向しないので、充電時には、中間負極板3Bよりも充電反応の進行が遅れ、正極板が満充電になって酸素ガスが発生する時には、中間負極板3Bに比べて水素の吸蔵量が少ない状態で酸素アタックを受けることになり、劣化が甚だしくなる。この領域の負極板3が劣化することにより、電池のサイクル特性が低下する。
【0008】
さらに、正極板と対向しないA領域の負極板は、充放電のときに、水素の吸蔵放出反応を効率よくしない電気化学的に活性度の低い領域となるので、実質的に有効に利用されない負極板となる。ケースの内部に有効に利用されない領域ができることは、電池にとって極めて大切な体積エネルギー密度を低下させる欠点がある。とくに、ニッケル−水素電池は、負極板に酸素ガスを吸収させて密閉構造とするために、負極板の極板容量を正極板よりも大きく設計しているので、有効に利用されない部分ができると、体積エネルギー密度が相当に低下してしまう。
【0009】
本発明はさらに、このような欠点を解消することを目的に開発されたもので、本発明の大切な目的は、負極板全体をより効率よく充放電に使用して体積エネルギー密度を改善し、さらに、サイクル特性を改善して電池の劣化を有効に防止できるニッケル−水素電池を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のニッケル−水素電池は、正極板4と負極板3を、セパレータ5を介して積層してなる極板群2を、電池ケース1に挿入している。極板群2の最外側に、水素吸蔵合金を活物質8とする負極板3を配設している。最外側負極板3Aは、極板容量を、正極板4の間に配設される中間負極板3Bよりも小さくしている。
【0011】
ニッケル−水素電池は、最外側負極板3Aの極板容量を、中間負極板3Bの極板容量の30〜70%、さらに好ましくは40〜60%、最適には45〜55%とする。
【0012】
さらに、本発明のニッケル−水素電池は、最外側負極板3Aに、正極板4と対向する芯体7の片面に活物質8を塗着して、電池ケース1との対向面を芯体露出面9とするものを使用している。
【0013】
さらにまた、本発明の請求項2のニッケル−水素電池は、最外側負極板3Aを、正極板4を挟着するようにU曲して積層している。負極板3のU曲部は、芯体7表面の活物質8が除去してなる折曲薄層部6となっており、この折曲薄層部6に連続して、最外側負極板3Aの電池ケース1対向面に芯体露出面9を設けている。
【0014】
【作用】
本発明のニッケル−水素電池は、図4の鎖線で示すA領域の負極板3をなくして、最外側負極板3Aを、正極板4の間に配設される中間負極板3Bの極板容量よりも小さくしている。負極板3の領域Aで示す部分は、正極板4と対向しないために、電気化学的に活性度の低い領域となり、水素の吸蔵放出反応を効率よくおこなわない。電池は、決められた内容積のケースに正極板4と負極板3を挿入するので、A領域の負極板3を無くしたニッケル−水素電池は、A領域の負極板3を、矢印で示すように、正極板4に対向する部分に分配して付加できる。
【0015】
たとえば、図1のニッケル−水素電池の極板群において、最外側負極板3Aと中間負極板3Bの極板容量を6、すなわち、トータルで12とするとき、図4に示すニッケル−水素電池の極板群は、最外側負極板3AのA領域の負極を、他の3領域に分散できる。このため、図4の極板群は、最外側負極板3Aの極板容量を4、中間負極板3Bの極板容量を8としてトータルを12にできる。このため、実質的に水素を吸蔵放出反応する負極板3の極板容量を大きくして、さらに、酸素アタックを受けるが、電気化学的に活性度の低い領域の負極を少なくして、電池の劣化、とくに、最外側における水素吸蔵合金の劣化に起因するサイクル経過時の電池の劣化を防止できる。
【0016】
さらにまた、最外側負極板3Aの極板容量を、中間負極板3Bの半分とするニッケル−水素電池の極板群は、図4の断面図に示すように、芯体7の片面にのみ活物質8を塗着する構造にできる。この構造のニッケル−水素電池は、極板群2を電池ケース1に挿入するときに、活物質8の脱落を有効に防止できる。それは、芯体7に、極板群2を被覆する金属カバーの作用をさせて、極板群2を電池ケース1に挿入できるからである。金属カバーに併用される芯体7は、パンチングメタル等の導電性の板材で、電池ケース1と対向する面を、活物質8の塗着されない芯体露出面9としている。芯体露出面9は、活物質8を除去した芯体7であるので、極板群2を電池ケース1に挿入するとき、極板群2から活物質8が剥ぎ取られて脱落するのを有効に防止する。
【0017】
さらに、最外側負極板3AをU曲して積層してなる極板群2を角形電池ケース1に挿入するときも、極板のU曲部の近傍での活物質8の脱落を有効に防止して、高密度な極板群2を電池ケース1に挿入できる。以上のように、芯体7を直接に電池ケース1に電気接触させる極板群はサイクル特性を改善できる。それは、最外側負極板の活物質が、すべて芯体よりも正極板に対向する面に設けられており、最外側における負極活物質である水素吸蔵合金の劣化を有効に防止できるためである。また、この構造の極板群は、負極板3と電池ケース1との電気的な接触状態を理想的な状態として、高率放電特性も改善できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するためのニッケル−水素電池を例示するものであって、本発明はニッケル−水素電池を下記のものに特定しない。
【0019】
さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲の欄」、「作用の欄」、および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
【0020】
図5に示すニッケル−水素電池は、密閉構造の電池ケース1に極板群2を挿入している。電池ケース1は、外装缶1Aの開口部を封口板1Bで気密に密閉している。図4は、極板群2の断面構造を示す。この図の極板群2は、中間で折りかえしている2枚の負極板3と、3枚の正極板4からなる。負極板3は、中央に帯状に設けた折曲薄層部6でU曲して、その間に、セパレータ5で包まれた正極板4を挟着している。折曲薄層部6は、芯体7両面の活物質8を除去している。折曲薄層部6は、芯体7表面に付着する全ての活物質8を除去することを理想とするが、多少の活物質8が残存しても、折曲できればよい。
【0021】
負極板3は、芯体7の表面に、活物質8である水素吸蔵合金を塗着して製作される。芯体7には、パンチングメタルが使用される。ただ、芯体には、パンチングメタルに代わって、活物質を塗着できる導電性のプレートを使用できる。活物質8は、バインダーを添加した活物質スラリーの状態で負極板3の表面に一定の厚さに塗着される。活物質スラリーは、芯体7の表面に塗着された後、バインダーを硬化させる。
【0022】
負極板3は、芯体7の全面に活物質8を塗着しない。図4に示す負極板3は、U曲する折曲薄層部6において、芯体7両面に活物質8を塗着してない。さらに、最外側負極板3Aの電池ケースと対向する面の活物質8を除去して、塗布していない。最外側負極板3Aは、正極板4と対向する片面にのみ、活物質8を塗着している。この構造の極板群2は、最外側負極板3Aの極板容量を、正極板4の間に配設される中間負極板3Bの極板容量の半分とする。最外側負極板3Aは、中間負極板3Bの極板容量の半分の極板容量を理想とする。最外側負極板3Aの極板容量が、中間負極板3Bの極板容量の半分以下であっても、反対に半分以上であっても、対向する正極板4に対する極板容量とのバランスが悪くなる。最外側負極板3Aの極板容量が半分よりも小さくなると、最外側の水素吸蔵合金の量が少なくなりすぎるため、対向する正極板4で発生する酸素ガスを負極板3で有効に吸収できなくなる。反対に、最外側負極板3Aの極板容量が、中間負極板3Bの極板容量の半分よりも大きくなると、電気化学的に活性度の低い領域が多くなって負極板3が劣化しやすくなる。このため、最外側負極板3Aの極板容量は、中間負極板3Bの極板容量の30〜70%、好ましくは、40〜60%、さらに好ましくは45〜55%の範囲に設定される。
【0023】
最外側負極板3Aは中間負極板3Bよりも極板容量を小さく設計する。ただし、負極板全体の極板容量は、正極板全体の極板容量よりも大きく設計される。満充電になった後の過充電で発生する酸素ガスを、負極板3で消費させるためである。
【0024】
活物質8を芯体7表面に部分的に塗着するには、芯体7の一部に活物質8を塗着し、あるいは、芯体7の全面に活物質スラリーを塗着した後、バインダーが硬化するまえに、活物質スラリーをブレードで掻き落として、芯体露出面9と折曲薄層部6の活物質8を除去する。
【0025】
正極板4は、水酸化ニッケルを保持し、図6に示すように、集電タブ10を基材に溶接している。セパレータ5は、長尺物の1枚の不織布で、袋状にして正極板4を包むように収納して、正極板4と負極板3を絶縁する。
【0026】
以上の構造の負極板と正極板は、以下のようにして極板群として組み立てられ、さらに、電池ケースに入れられてニッケル−水素電池に組み立てられる。
(1) まず負極板3を中央部の折曲薄層部6で、U字状に折り曲げる。
(2) 次に、セパレータ5で包まれた正極板4を、U字状に折り間げられた負極板3の間に挟着する。
(3) 正極板4を挟着する2組の負極板3の間に、セパレータ5で包まれた正極板4を挟着するようにして、図4に示す構造の極板群2を組み立てる。
(4) その後、正極板4の集電タブ10を封口板1Bの正極端子11に溶接して接続する。
(5) 極板群2が、角形で底を閉塞している角筒状の外装缶1Aに挿入される。外装缶1Aは金属ケースである。
【0027】
電池ケース1に挿入された極板群2は、折曲薄層部6を電池ケース1の底面に接触させる。そして、極板群2の最外側負極板3Aとなっている負極板3は、芯体露出面9を電池ケース1の内面に圧接して、電気接続する。この状態で、電池ケース1に挿入された極板群2は、ガタつきが生じることはなく、電池ケース1に挿入される。
【0028】
(6) その後、電池ケース1に開口部から、電解液であるKOH液を注液し、次いで正極端子11を有する封口板1Bを電池ケース1の開口部に挿入する。その後、封口板1Bと電池ケース1開口部との接合部に、レーザーを照射して溶接し、封口板1Bを電池ケース1の開口部に気密に固定して気密に封口する。
【0029】
以上の工程で、本発明の実施例のニッケル−水素電池を試作した。試作したニッケル−水素電池の定格容量は700mAhとした。本発明のニッケル−水素電池が、いかに優れた特性を示すかを明確にするために、比較電池を試作した。比較電池は、極板群2の構造を図1に示す構造とした。すなわち、最外側負極板3Aと中間負極板3Bの極板容量を同一にすると共に、芯体7の両面に活物質8を塗着した。活物質8の塗着状態を変更する以外、その他の構造は、前述の極板群2と同じにした。とくに、芯体7表面に塗着する活物質8の総量も同じにした。作製方法も、前述の実施例のニッケル−水素電池と同一とした。
【0030】
以上の実施例で試作した本発明のニッケル−水素電池と、比較電池のサイクル特性を比較すると、図7に示すようになった。ただし、このサイクル特性は、充電電流と放電電流を1Cとして測定した。この図から明らかなように、本発明の実施例のニッケル−水素電池は、サイクル特性が著しく改善された。とくに、本発明のニッケル−水素電池は、500回の充放電を繰り返した後においても、実質的に使用できる放電容量はほとんど低下しなかった。さらに、比較電池に比べると、内部抵抗の増加も相当に少なく、優れた電気特性を示した。ただし、内部抵抗は初期の内部抵抗を100として相対値を示している。本発明の実施例のニッケル−水素電池が、このように優れた電気特性を示すのは、負極板と正極板をバランスよく対向して配設すると共に、芯体露出面を直接に電池ケースに電気接続して、集電性を改善しているからである。
【0031】
さらに、以上の実施例で試作した本発明のニッケル−水素電池と、比較電池の放電率特性を比較すると、図8に示すようになった。ただし、この図において、鎖線で示す特性は、最外側負極板の極板容量を、中間負極板の半分とし、かつ、最外側負極板に芯体露出面を設けず、芯体を活物質の中心に配設した本発明の他の実施例のニッケル−水素電池の放電率特性を示している。この図から明らかなように、本発明の実施例のニッケル−水素電池は、放電率特性も著しく改善された。とくに、最外側負極板の極板容量を、中間負極板の極板容量の半分として、芯体露出面を設けた実施例のニッケル−水素電池は、極めて優れた放電率特性を示した。このように、最外側負極板に芯体露出面を設けたニッケル−水素電池が最も優れた電気特性を示すのは、最外側負極板と正極板の極板容量が理想的な状態で対向して配設されると共に、最外側負極板の活物質はすべて芯体よりも正極板側に配設されて有効に充放電に利用され、さらにまた、芯体が直接に外装缶に圧接されて理想的な状態で電気接続されるからである。
【0032】
さらに、図に示す本発明の実施例のニッケル−水素電池と、比較例のニッケル−水素電池を、それぞれ1000個作製して、封口板1Bと外装缶1Aの溶接部分の良否の判定した。なお、溶接部分の良否は、ニッケル−水素電池を完成した後、60日間静置して、アルカリ電解液の漏液の有無で封口部の不良率を測定した。
【0033】
実施例で試作したニッケル−水素電池は、1000個製作して、封口部の不良率が0%であった。これに対し、比較例のニッケル−水素電池は、封口部の不良率が1.6%、すなわち、1000個に対して16個の電池が封口部で漏液した。
【0034】
このように、本発明の実施例のニッケル−水素電池が、封口部の不良率を極減できるのは、極板群2の最外側負極板3Aの電池ケース1に接する部分を芯体露出部としているので、極板群2を角形電池ケース1に挿入するときに、極板群2の表面が電池ケース1と接触して削られることがなく、したがって、活物質8が脱落することがないために、外装缶1Aの開口部を、レーザー溶接等の方法で、確実に気密に密閉できるからである。
【0035】
比較例のニッケル−水素電池は、電池ケース1に極板群2を挿入するときに、極板群2の表面に塗着された活物質8が剥ぎ取られて脱落し、脱落した活物質8が、封口板1Bと電池ケース1の溶接部分に付着して不純物として介在し、溶接性を阻害することでピンホール等が発生して、封口性が低下する。
【0036】
以上の比較例のニッケル−水素電池と本発明のニッケル−水素電池は、芯体露出面9の効果を明確にするために、負極板3に塗着する活物質量を同じにした。本発明のニッケル−水素電池は、電池ケース1に挿入するときに、活物質8の脱落を有効に防止できるので、実際にニッケル−水素電池を製作する工程においては、芯体7に塗着する活物質8を多くすることも可能である。それは、活物質8を多く塗着しても、芯体露出面9で極板群2の両面を押圧する状態、いいかえると、金属カバーで被覆する状態で、電池ケース1に挿入できるからである。したがって、本発明のニッケル−水素電池は、活物質量を多くして、高密度な極板群2を電池ケース1に挿入して、しかも、活物質8に起因する液漏れを極減できる特長がある。
【0037】
以上の実施例は、外装缶1Aと封口板1Bをレーザー溶接して気密に固定するニッケル−水素電池を例示して説明した。ただ、本発明は、封口板と外装缶を気密に固定する構造を、レーザー溶接に特定しない。外装缶と封口板は、その他の溶接方法を用いて気密に接合することもできる。またその場合も、前記の実施例と同じような効果が期待できるのは言うまでもない。
【0038】
【発明の効果】
本発明のニッケル−水素電池は、負極板全体をより効率よく放電に使用して体積エネルギー密度を改善できる特長がある。それは、本発明のニッケル−水素電池が、片面を正極板に対向させるが、他の片面を電池ケースに対向させる最外側負極板の極板容量を、両面に正極板の配設される中間負極板の極板容量よりも小さくしているからである。最外側負極板の電池ケースと対向する面は、正極板と対向しないので、電気化学的に活性度の低い領域となる。最外側負極板と中間負極板とを同じ極板容量とする従来のニッケル−水素電池は、電気化学的に活性度の低い領域で、水素の吸蔵放出反応が効率よくおこなわれず、満充電された後の充電で、正極板で発生する酸素アタックを受けて劣化しやすい領域となる。本発明のニッケル−水素電池は、最外側負極板の極板容量を小さくすることによって、電気化学的に活性度の低い領域をなくしている。このため、この部分の負極板は、他の領域に付加し、実質的に水素を吸蔵放出反応して有効に働く極板容量を大きくできる。さらに、酸素アタックを受ける電気化学的に活性度の低い領域の負極を少なくして、サイクル特性を改善し、さらに、高率放電時の劣化を防止できる。
【0039】
さらに、本発明のニッケル−水素電池は、極板群の最外側負極板の電池ケースに接する部分を芯体露出面として、最外側負極板の極板容量を小さくしているので、極板群を電池ケースに挿入する際に、芯体表面に塗着している活物質が電池ケースの開口部で削られて脱落することがない。このため、電池ケースの開口部が活物質で汚れ、これが原因で負極板の外装缶の接合部の気密性が低下することがない。とくに、本発明のニッケル−水素電池は、正極板と負極板とを角形に積層してなる極板群の、最外側負極板の芯体を表面に露出させて、芯体を金属カバーと同等に働かせ、芯体で極板群を保護して、電池ケースに挿入できるので、角形電池ケースに挿入するときに、極板群と電池ケースのコーナー部における活物質の脱落も有効に防止できる。極板群を活物質が脱落しないようにして、電池ケースに挿入できるので、本発明のニッケル−水素電池は、極板群を高密度な状態として、電池ケースに挿入できる。このため、ニッケル−水素電池に切望されている、体積エネルギー密度を改善して、しかも封口板と電池ケースの液漏れを極減できる理想的な特長が実現される。
【0040】
とくに、本発明の請求項のニッケル−水素電池は、最外側負極板のU曲部を、芯体表面の活物質を除去している折曲薄層部とし、この折曲薄層部に連続するように、最外側負極板に芯体露出面を設けている。この構造のニッケル−水素電池は、折曲薄層部から芯体露出面に連続する芯体の表面で、極板群を理想的な状態に保護しながら、電池ケースに挿入できる。このため、U曲してなる極板群を、理想的な状態で、電池ケースに高い密度で圧入できる卓効を実現する。とくに、図1に示すように、活物質が最も脱落しやすい、U曲部の近傍で、活物質の脱落を極めて有効に防止して、極板群を電池ケースに挿入できる特長を実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来のニッケル−水素電池の極板群の構造を示す断面図
【図2】 ニッケル−水素電池の充電時における電極反応を示す概略図
【図3】 ニッケル−水素電池の放電時における電極反応を示す概略図
【図4】 本発明の実施例のニッケル−水素電池の極板群の構造を示す断面図
【図5】 本発明の実施例のニッケル−水素電池の一部断面斜視図
【図6】 図4に示す正極板をセパレータに挿入する状態を示す斜視図
【図7】 本発明のニッケル−水素電池と比較例のニッケル−水素電池のサイクル特性と内部抵抗変化を示すグラフ
【図8】 本発明のニッケル−水素電池と比較例のニッケル−水素電池の放電率特性を示すグラフ
【符号の説明】
1…電池ケース 1A…外装缶 1B…封口板
2…極板群
3…負極板 3A…最外側負極板 3B…中間負極板
4…正極板
5…セパレータ
6…折曲薄層部
7…芯体
8…活物質 8A…水素吸蔵合金
9…芯体露出面
10…集電タブ
11…正極端子

Claims (2)

  1. 正極板(4)と負極板(3)が、セパレータ(5)を介して積層されてなる極板群(2)を、電池ケース(1)に挿入してなるニッケル−水素電池において、
    負極板(3)は、パンチングメタル又は導電性のプレートである芯体(7)の表面に活物質(8)である水表吸蔵合金を塗着したもので、
    極板群(2)の最外側に、水素吸蔵合金を活物質(8)とする負極板(3)が配設されており、正極板(4)の間に配設される中間負極板(3B)は芯体(7)の両面に活物質(8)を塗着するが、最外側負極板(3A)は、芯体 (7) 正極板(4)と対向する芯体(7)の片面に活物質(8)を塗着して、芯体 (7) 電池ケース(1)との対向面を芯体露出面(9)として、最外側負極板 (3A) の極板容量が、中間負極板 (3B) の極板容量の30〜70%であることを特徴とする角形電池であるニッケル−水素電池。
  2. 最外側負極板(3A)が、正極板(4)を挟着するようにU曲して積層されており、U曲部は芯体(7)表面の活物質(8)が除去されてなる折曲薄層部(6)となっており、この折曲薄層部(6)に連続して、最外側負極板(3A)の電池ケース(1)対向面に芯体露出面(9)を設けている請求項1に記載されるニッケル−水素電池。
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