JP3963513B2 - ポリアルキレンオキシド水性分散液およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリアルキレンオキシド水性分散液およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、製紙工程に用いる製紙用薬剤、排水処理用の凝集剤等として使用できる分散安定性に優れたポリアルキレンオキシド水性分散液に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
ポリアルキレンオキシドは、パルプ分散剤、繊維糊剤、凝集剤等の種々の用途に供される有用な水溶性高分子であり、これらの分野においては、一般に１ｐｐｍ〜１５％程度の水溶液として使用されることが多い。
【０００３】
しかし、ポリアルキレンオキシドは、一般に乾燥粉末品として市販されているので、使用時に粉末を水に溶かさなければならない。ポリアルキレンオキシドを水に溶解するに際しては、攪拌された水にポリアルキレンオキシドを少量ずつ添加し溶解していく。その際、ポリアルキレンオキシドそれ自身は溶解度がかなり大きいにもかかわらず、水との親和性が非常に強く、また、含水すると粘着性を有することから難溶性の固まり、いわゆる「ままこ」が生成し易く、短時間で均一な水溶液を得ることは非常に困難である。また、一旦生成した「ままこ」の表面には水和層が形成され固まりの中心部への水の拡散を妨げるため、生成した「ままこ」を溶解するのに溶解時間が大幅に長くなるとともに、操作や設備等の種々のトラブルの原因となる。
【０００４】
これを解決するために、特公昭５３−３２３７６号公報には、グリセリン等の有機溶剤を用いたポリアルキレンオキシドの油中水型サスペンジョンが開示されている。しかし、有機溶剤を使用する方法では、可燃性溶剤使用に関する設備対策が必要となり、また、溶剤は単なる分散剤であり、ポリアルキレンオキシド分散液使用後はそのまま排出されるため環境への負荷が大きくなる。また、有機溶剤自体が高価である等の問題があった。
【０００５】
また、特開平４−２６６９４５号公報には、安定剤としてキサンタンガムを含む濃厚ぎ酸ナトリウム溶液中の非イオンポリマーの流体サスペンジョンが開示されている。
しかしながら、これらのサスペンジョンは分散安定性に乏しく、サスペンジョンを調製してから短期間で固液分離し、液状組成物の流動性が失われてしまう等の問題があった。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
上記の現状に鑑み、本発明は、長期にわたり優れた分散安定性、流動性を保つポリアルキレンオキシドの水性分散液およびその製造方法を提供することを目的とするものである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明において上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ポリアルキレンオキシドを電解質水溶液中に分散させるに際し、分散安定剤として酸化アルミニウムを添加することにより、分散安定性に優れたポリアルキレンオキシドの水性分散液が得られることを見出し本発明を完成した。
即ち、本発明は、ポリアルキレンオキシドを電解質水溶液に分散したポリアルキレンオキシド水性分散液であって、分散安定剤として酸化アルミニウムを含むポリアルキレンオキシド水性分散液およびその製造方法に関する。
【０００８】
本発明において用いられるポリアルキレンオキシドとしては、特に限定されず、例えば、ポリエチレンオキシド、エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体、エチレンオキシド−ブチレンオキシド共重合体、エチレンオキシド−スチレンオキシド共重合体、エチレンオキシド−シクロヘキセンオキシド共重合体、エチレンオキシド−エピクロルヒドリン共重合体等が挙げられる。なかでも、粘度平均分子量が５万〜１０００万のポリエチレンオキシド、エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体が好ましく用いられる。
【０００９】
上記ポリアルキレンオキシドの粒子径については特に限定されないが、平均粒径が１５０μｍ以下の微粒子を用いると好結果が得られる。
上記ポリアルキレンオキシドの含有量は、分散液の全重量に対して１〜４０重量％が好ましい。上記ポリアルキレンオキシドの含有量が１重量％未満であると、本発明の効果が顕著にみられず、ポリアルキレンオキシドの含有量が４０重量％を超えると、均一な分散液を得ることができなくなる。より好ましくは１０〜３０重量％である。
【００１０】
本発明に用いる電解質としては、ポリマーの膨潤を最小にしてポリマーを不溶性にする電解質であれば特に限定されず、例えば、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等の無機アンモニウム塩等が挙げられる。なかでも、水に対する溶解度が大きい点で、硫酸アンモニウムが好適に用いられる。
上記電解質の濃度は、懸濁させるポリアルキレンオキシドの種類によって異なるが、通常、電解質／水の重量比が０．１１以上が好ましい。電解質／水の重量比が０．１１未満であると、ポリアルキレンオキシドが分散媒へ溶解するため安定なポリアルキレンオキシド水性分散液が得られない。より好ましくは電解質／水の重量比が０．４３〜０．８である。
【００１１】
本発明においては、ポリアルキレンオキシド水性分散液の分散安定剤として酸化アルミニウムを用いる。上記酸化アルミニウムの平均粒径は、１〜１０００ｎｍが好ましい。より好ましくは１０〜１００ｎｍの微粉末状の酸化アルミニウムである。
【００１２】
上記酸化アルミニウムの含有量は、電解質水溶液に対して固形分で通常０．１〜１１重量％が好ましく、より好ましくは０．３〜５．３重量％である。酸化アルミニウムの含有量が０．１重量％未満であると、分散効果が乏しく安定なポリアルキレンオキシド水性分散液が得られず、酸化アルミニウムの含有量が１１重量％を超えると、分散液の増粘が著しく流動性を損なうため好ましくない。
【００１３】
本発明においては、分散液の粘度を増加させたるために親水性のシリカ等の無機化合物又は水溶性高分子等を酸化アルミニウムに付加的に添加することもできる。また、使用目的に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を加えてもよい。
【００１４】
本発明のポリアルキレンオキシド水性分散液の製造方法について説明する。
（１）水に分散安定剤である酸化アルミニウムを攪拌しながら添加し、酸化アルミニウムの水分散液を調製する。
（２）この水分散液に電解質を溶解させることにより分散媒を製造する。
（３）得られた分散媒に、ポリアルキレンオキシドの粉末を少量ずつ攪拌しながら添加する。
上記の工程により、本発明のポリアルキレンオキシド水性分散液を得ることができる。
なお、酸化アルミニウム、電解質の添加順序は特に限定されないが、酸化アルミニウムのゾルを用いる場合には、電解質による酸化アルミニウムの凝集を防ぐために上記の順序が好ましい。
【００１５】
【実施例】
以下に本発明の実施例を掲げて更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【００１６】
実施例１
２００ｍｌのビーカーに３５．１ｇの水を加え、攪拌機付きモーターを用いて攪拌しながら、１０．０ｇのアルミナゾル２００（平均粒径１０〜１００ｎｍ、固形分１０％のアルミナ分散水溶液、日産化学工業社製）を一括添加し、約５分間攪拌してアルミナゾルの均一分散液を得た。次に、この分散液に攪拌を継続しながら硫酸アンモニウム２９．９ｇを添加し、完全に溶解するまで充分に攪拌を行い分散媒を製造した。得られた分散媒に、ポリエチレンオキシド粉末（住友精化社製、ＰＥＯ−２７、粘度平均分子量７００万、平均粒径８０μｍ）２５．０ｇを攪拌しながら徐々に添加し、ポリエチレンオキシドが均一に分散するまで充分に攪拌し、ポリエチレンオキシドの水性分散液を得た。
得られたポリエチレンオキシド分散液は、適度な流動性を示し、６０日間室温で静置保存後も流動性が損なわれず、また相分離もみられなかった。
【００１７】
得られた分散液中のポリエチレンオキシドの経時安定性をみるために、一定期間毎に、分散液を水で希釈してポリエチレンオキシドの０．５重量％水溶液を調製し、水溶液粘度の経時変化をＢ型回転粘度計（回転数１２ｒｐｍ）を用いて測定した。その結果、６０日間分散液を室温で静置保存した後も初期の水溶液粘度を保っており、分散液中でポリエチレンオキシドが劣化せず安定に存在していることを確認した。結果を表１に示した。
【００１８】
実施例２〜９
表１に示した配合割合で実施例１と同様にしてポリアルキレンオキシド水性分散液を得た。得られた分散液の安定性をみるために水溶液粘度を測定し、結果を表１に示した。得られた分散液は、実施例１と同様に適度な流動性を示し、６０日間室温で静置保存後も流動性が損なわれず、相分離も見られなかった。また、分散液中のポリエチレンオキシドも実施例１と同様に安定であった。
【００１９】
表１中のＰＥＯは、ポリエチレンオキシド（ＰＥＯ−２７、住友精化社製、粘度平均分子量７００万、平均粒径８０μｍ）を表し、ＥＯ−ＰＯ共重合体は、エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体を表す。
アルミニウムオキサイドＣは、酸化アルミニウム（平均粒径１３ｎｍ、固形分１００％、日本アエロジル社製）を表す。アルミナゾル１００は、酸化アルミニウム分散水溶液（平均粒径１０〜１００ｎｍ、固形分１０％、日産化学工業社製）を、アルミナゾル２００は、酸化アルミニウム分散水溶液（平均粒径１０〜１００ｎｍ、固形分１０％、日産化学工業社製）を、アルミナゾル５２０は、酸化アルミニウム分散水溶液（平均粒径１０〜２０ｎｍ、固形分２０％、日産化学工業社製）を表す。
トクシールＰは、酸化珪素（固形分１００％、トクヤマ社製）を表す。
【００２０】
比較例１
アルミナゾル２００を使用せず、水の添加量を４５．１ｇにしたこと以外は実施例１と同様にしてポリアルキレンオキシド水性分散液を得た。得られた分散液の静置安定性を表１に示した。
【００２１】
【表１】
【００２２】
【発明の効果】
本発明によれば、長期にわたり分散安定性に優れたポリアルキレンオキシド水性分散液が得られる。その結果、本発明のポリアルキレンオキシド水性分散液を水に少量添加するだけで、短時間で均一なポリアルキレンオキシド水溶液を得ることができる。また、取扱の点においても優れた効果を示すと同時に、溶解設備の縮小及び簡略化が期待できる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリアルキレンオキシド水性分散液およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、製紙工程に用いる製紙用薬剤、排水処理用の凝集剤等として使用できる分散安定性に優れたポリアルキレンオキシド水性分散液に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
ポリアルキレンオキシドは、パルプ分散剤、繊維糊剤、凝集剤等の種々の用途に供される有用な水溶性高分子であり、これらの分野においては、一般に１ｐｐｍ〜１５％程度の水溶液として使用されることが多い。
【０００３】
しかし、ポリアルキレンオキシドは、一般に乾燥粉末品として市販されているので、使用時に粉末を水に溶かさなければならない。ポリアルキレンオキシドを水に溶解するに際しては、攪拌された水にポリアルキレンオキシドを少量ずつ添加し溶解していく。その際、ポリアルキレンオキシドそれ自身は溶解度がかなり大きいにもかかわらず、水との親和性が非常に強く、また、含水すると粘着性を有することから難溶性の固まり、いわゆる「ままこ」が生成し易く、短時間で均一な水溶液を得ることは非常に困難である。また、一旦生成した「ままこ」の表面には水和層が形成され固まりの中心部への水の拡散を妨げるため、生成した「ままこ」を溶解するのに溶解時間が大幅に長くなるとともに、操作や設備等の種々のトラブルの原因となる。
【０００４】
これを解決するために、特公昭５３−３２３７６号公報には、グリセリン等の有機溶剤を用いたポリアルキレンオキシドの油中水型サスペンジョンが開示されている。しかし、有機溶剤を使用する方法では、可燃性溶剤使用に関する設備対策が必要となり、また、溶剤は単なる分散剤であり、ポリアルキレンオキシド分散液使用後はそのまま排出されるため環境への負荷が大きくなる。また、有機溶剤自体が高価である等の問題があった。
【０００５】
また、特開平４−２６６９４５号公報には、安定剤としてキサンタンガムを含む濃厚ぎ酸ナトリウム溶液中の非イオンポリマーの流体サスペンジョンが開示されている。
しかしながら、これらのサスペンジョンは分散安定性に乏しく、サスペンジョンを調製してから短期間で固液分離し、液状組成物の流動性が失われてしまう等の問題があった。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
上記の現状に鑑み、本発明は、長期にわたり優れた分散安定性、流動性を保つポリアルキレンオキシドの水性分散液およびその製造方法を提供することを目的とするものである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明において上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ポリアルキレンオキシドを電解質水溶液中に分散させるに際し、分散安定剤として酸化アルミニウムを添加することにより、分散安定性に優れたポリアルキレンオキシドの水性分散液が得られることを見出し本発明を完成した。
即ち、本発明は、ポリアルキレンオキシドを電解質水溶液に分散したポリアルキレンオキシド水性分散液であって、分散安定剤として酸化アルミニウムを含むポリアルキレンオキシド水性分散液およびその製造方法に関する。
【０００８】
本発明において用いられるポリアルキレンオキシドとしては、特に限定されず、例えば、ポリエチレンオキシド、エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体、エチレンオキシド−ブチレンオキシド共重合体、エチレンオキシド−スチレンオキシド共重合体、エチレンオキシド−シクロヘキセンオキシド共重合体、エチレンオキシド−エピクロルヒドリン共重合体等が挙げられる。なかでも、粘度平均分子量が５万〜１０００万のポリエチレンオキシド、エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体が好ましく用いられる。
【０００９】
上記ポリアルキレンオキシドの粒子径については特に限定されないが、平均粒径が１５０μｍ以下の微粒子を用いると好結果が得られる。
上記ポリアルキレンオキシドの含有量は、分散液の全重量に対して１〜４０重量％が好ましい。上記ポリアルキレンオキシドの含有量が１重量％未満であると、本発明の効果が顕著にみられず、ポリアルキレンオキシドの含有量が４０重量％を超えると、均一な分散液を得ることができなくなる。より好ましくは１０〜３０重量％である。
【００１０】
本発明に用いる電解質としては、ポリマーの膨潤を最小にしてポリマーを不溶性にする電解質であれば特に限定されず、例えば、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等の無機アンモニウム塩等が挙げられる。なかでも、水に対する溶解度が大きい点で、硫酸アンモニウムが好適に用いられる。
上記電解質の濃度は、懸濁させるポリアルキレンオキシドの種類によって異なるが、通常、電解質／水の重量比が０．１１以上が好ましい。電解質／水の重量比が０．１１未満であると、ポリアルキレンオキシドが分散媒へ溶解するため安定なポリアルキレンオキシド水性分散液が得られない。より好ましくは電解質／水の重量比が０．４３〜０．８である。
【００１１】
本発明においては、ポリアルキレンオキシド水性分散液の分散安定剤として酸化アルミニウムを用いる。上記酸化アルミニウムの平均粒径は、１〜１０００ｎｍが好ましい。より好ましくは１０〜１００ｎｍの微粉末状の酸化アルミニウムである。
【００１２】
上記酸化アルミニウムの含有量は、電解質水溶液に対して固形分で通常０．１〜１１重量％が好ましく、より好ましくは０．３〜５．３重量％である。酸化アルミニウムの含有量が０．１重量％未満であると、分散効果が乏しく安定なポリアルキレンオキシド水性分散液が得られず、酸化アルミニウムの含有量が１１重量％を超えると、分散液の増粘が著しく流動性を損なうため好ましくない。
【００１３】
本発明においては、分散液の粘度を増加させたるために親水性のシリカ等の無機化合物又は水溶性高分子等を酸化アルミニウムに付加的に添加することもできる。また、使用目的に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を加えてもよい。
【００１４】
本発明のポリアルキレンオキシド水性分散液の製造方法について説明する。
（１）水に分散安定剤である酸化アルミニウムを攪拌しながら添加し、酸化アルミニウムの水分散液を調製する。
（２）この水分散液に電解質を溶解させることにより分散媒を製造する。
（３）得られた分散媒に、ポリアルキレンオキシドの粉末を少量ずつ攪拌しながら添加する。
上記の工程により、本発明のポリアルキレンオキシド水性分散液を得ることができる。
なお、酸化アルミニウム、電解質の添加順序は特に限定されないが、酸化アルミニウムのゾルを用いる場合には、電解質による酸化アルミニウムの凝集を防ぐために上記の順序が好ましい。
【００１５】
【実施例】
以下に本発明の実施例を掲げて更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【００１６】
実施例１
２００ｍｌのビーカーに３５．１ｇの水を加え、攪拌機付きモーターを用いて攪拌しながら、１０．０ｇのアルミナゾル２００（平均粒径１０〜１００ｎｍ、固形分１０％のアルミナ分散水溶液、日産化学工業社製）を一括添加し、約５分間攪拌してアルミナゾルの均一分散液を得た。次に、この分散液に攪拌を継続しながら硫酸アンモニウム２９．９ｇを添加し、完全に溶解するまで充分に攪拌を行い分散媒を製造した。得られた分散媒に、ポリエチレンオキシド粉末（住友精化社製、ＰＥＯ−２７、粘度平均分子量７００万、平均粒径８０μｍ）２５．０ｇを攪拌しながら徐々に添加し、ポリエチレンオキシドが均一に分散するまで充分に攪拌し、ポリエチレンオキシドの水性分散液を得た。
得られたポリエチレンオキシド分散液は、適度な流動性を示し、６０日間室温で静置保存後も流動性が損なわれず、また相分離もみられなかった。
【００１７】
得られた分散液中のポリエチレンオキシドの経時安定性をみるために、一定期間毎に、分散液を水で希釈してポリエチレンオキシドの０．５重量％水溶液を調製し、水溶液粘度の経時変化をＢ型回転粘度計（回転数１２ｒｐｍ）を用いて測定した。その結果、６０日間分散液を室温で静置保存した後も初期の水溶液粘度を保っており、分散液中でポリエチレンオキシドが劣化せず安定に存在していることを確認した。結果を表１に示した。
【００１８】
実施例２〜９
表１に示した配合割合で実施例１と同様にしてポリアルキレンオキシド水性分散液を得た。得られた分散液の安定性をみるために水溶液粘度を測定し、結果を表１に示した。得られた分散液は、実施例１と同様に適度な流動性を示し、６０日間室温で静置保存後も流動性が損なわれず、相分離も見られなかった。また、分散液中のポリエチレンオキシドも実施例１と同様に安定であった。
【００１９】
表１中のＰＥＯは、ポリエチレンオキシド（ＰＥＯ−２７、住友精化社製、粘度平均分子量７００万、平均粒径８０μｍ）を表し、ＥＯ−ＰＯ共重合体は、エチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体を表す。
アルミニウムオキサイドＣは、酸化アルミニウム（平均粒径１３ｎｍ、固形分１００％、日本アエロジル社製）を表す。アルミナゾル１００は、酸化アルミニウム分散水溶液（平均粒径１０〜１００ｎｍ、固形分１０％、日産化学工業社製）を、アルミナゾル２００は、酸化アルミニウム分散水溶液（平均粒径１０〜１００ｎｍ、固形分１０％、日産化学工業社製）を、アルミナゾル５２０は、酸化アルミニウム分散水溶液（平均粒径１０〜２０ｎｍ、固形分２０％、日産化学工業社製）を表す。
トクシールＰは、酸化珪素（固形分１００％、トクヤマ社製）を表す。
【００２０】
比較例１
アルミナゾル２００を使用せず、水の添加量を４５．１ｇにしたこと以外は実施例１と同様にしてポリアルキレンオキシド水性分散液を得た。得られた分散液の静置安定性を表１に示した。
【００２１】
【表１】
【発明の効果】
本発明によれば、長期にわたり分散安定性に優れたポリアルキレンオキシド水性分散液が得られる。その結果、本発明のポリアルキレンオキシド水性分散液を水に少量添加するだけで、短時間で均一なポリアルキレンオキシド水溶液を得ることができる。また、取扱の点においても優れた効果を示すと同時に、溶解設備の縮小及び簡略化が期待できる。
Claims (6)
- ポリアルキレンオキシドを電解質水溶液に分散したポリアルキレンオキシド水性分散液であって、分散安定剤として酸化アルミニウムを含み、電解質が、硫酸アンモニウムおよびリン酸アンモニウムのうち少なくとも１種であるポリアルキレンオキシド水性分散液。
- ポリアルキレンオキシドが、粘度平均分子量５万〜１０００万のものである請求項１記載のポリアルキレンオキシド水性分散液。
- ポリアルキレンオキシドが、ポリエチレンオキシドおよびエチレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体のうち少なくとも１種である請求項１記載のポリアルキレンオキシド水性分散液。
- 酸化アルミニウムの含有量が、電解質水溶液に対して０．１〜１１重量％である請求項１記載のポリアルキレンオキシド水性分散液。
- 酸化アルミニウムの平均粒径が、１〜１０００ｎｍである請求項１記載のポリアルキレンオキシド水性分散液。
- （１）酸化アルミニウムの水分散液を調製する工程；
（２）前記水分散液に、電解質として、硫酸アンモニウムおよびリン酸アンモニウムのうち少なくとも１種を溶解させる工程；
（３）酸化アルミニウムが分散した電解質溶液に、ポリアルキレンオキシドの粉末を添加する工程；
を含むことを特徴とするポリアルキレンオキシド水性分散液の製造方法。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP02599097A JP3963513B2 (ja) | 1997-01-24 | 1997-01-24 | ポリアルキレンオキシド水性分散液およびその製造方法 |
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| JP02599097A JP3963513B2 (ja) | 1997-01-24 | 1997-01-24 | ポリアルキレンオキシド水性分散液およびその製造方法 |
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| JPH10204183A JPH10204183A (ja) | 1998-08-04 |
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Family Applications (1)
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| JP02599097A Expired - Fee Related JP3963513B2 (ja) | 1997-01-24 | 1997-01-24 | ポリアルキレンオキシド水性分散液およびその製造方法 |
Country Status (2)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3963513B2 (ja) |
| WO (1) | WO1998032785A1 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP2838862A4 (en) * | 2012-04-20 | 2016-05-11 | Grace W R & Co | STABILIZED ANTI-MUSSELS FOR CEMENTITIOUS COMPOSITIONS |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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