JP3963444B2 - 画像処理方法および画像処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理方法および画像処理装置に関し、詳しくは、インクジェットプリンタなど画像出力装置で用いられるインク等、色材のデータ生成に係るテーブル等の変換関係を求める処理であって、同じ色調の色材で濃度が異なる複数の色材のデータ生成に係る変換関係を求める処理に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、プリンタなどの画像出力装置においてカラー画像をプリント出力する場合、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)およびK(ブラック)の4つの色材が用いられる。例えば、インクジェットプリンタではY、M、C、Kのインクが用いられ、また、電子写真方式の複写機やプリンタではY、M、C、Kのトナーが用いられる。
【0003】
画像出力装置で用いられるこれら色材によって実現される色空間は、通常元の画像データとは異なる色空間を有しており、そのため、画像データに基づいて色材データを生成する画像処理では元の画像データが示す色や階調を忠実にもしくは所望の色等を再現すべく様々な画像処理方法が提案されている。
【0004】
その一つとして、図17に示すものが知られている。この画像処理構成は、図17に示すように、輝度濃度変換部1501、UCR/BG処理部1502、BG量設定部1503、およびUCR量設定部1504を有するものである。輝度濃度変換部1501は、入力された輝度情報である8ビットデータR'G'B'を以下のような式に基づいてCMYへ変換する。
C=−αlog(R'/255)...(1)
M=−αlog(G'/255)...(2)
Y=−αlog(B'/255)...(3)
ただし、αは所定の実数である。
【0005】
次に、UCR/BG処理部1502は、BG量設定部1503に設定されたβ(Min(C,M,Y),μ)、およびUCR量設定部1504に設定された値μ%を用い、CMYデータに対して以下の式で表される変換を行う。
C’=C−(μ/100)*Min(C,M,Y)...(4)
M’=M−(μ/100)*Min(C,M,Y)...(5)
Y’=Y−(μ/100)*Min(C,M,Y)...(6)
K’=β(Min(C,M,Y),μ)*(μ/100)*Min(C,M,Y)...(7)
ここで、β(Min(C,M,Y),μ)は、Min(C,M,Y)およびμによって変わる実数で、この値により、Kインクの入れ方を設定することができる。そして、このUCR量およびBG量は、カラープリンタの色再現範囲と、Kインク(墨)の入れ方に伴うプリンタの粒状度に大きな影響を及ぼすためカラープリンタの色分解処理にとって重要なパラメータとなっている。
【0006】
このように、βの定め方によっては、例えば、Y、M、CのうちKによって置換されずに最小濃度の色の値が0になるのを防ぎ、そのような0の値を含まないY、M、C、Kの組合せを存在させることができる。そして、そのようなデータを生成することにより、彩度や濃度の低下のない画像出力を行なうことが可能となる。
【0007】
ところで、上述の色修正にかかる画像処理は、通常、その色修正を実現するデータを有したルックアップテーブル(LUT)と補間演算を用いて行なわれる。そして、このテーブルの内容は、色材Y、M、C、Kの複数の組合せについてパッチを記録し、それを測色することによって求められる。具体的には、各パッチを構成するY、M、C、Kの信号値が8ビットで表わされる場合、例えば、各色の256値を8等分した0,32,64,…,223,255の値の組合せである4096個の色についてパッチを記録し、その測色結果に基づいて所定の目標(ターゲット)となる色を再現するY、M、C、Kの組合せを求め、これをテーブルデータとするものである。
【0008】
また、近年、インクジェトプリンタ等ではより高画質のカラープリントが求められつつあり、そのための一構成としてマゼンタやシアンなど同じ色調のインクについて染料など色材材料の濃度を異ならせた複数のインクを用いることが広く行なわれている。この構成によれば、画像のハイライト部などの低濃度部においてインクドットの粒状感を低減することが可能となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようなプリンタなどの画像出力装置における再現性の向上を図った画像処理がなされたとしても、プリンタなどにおける実際のプリント(記録)が色材と記録用紙との関係などに起因して不適切となり、結果として所望の画像再現ができない場合がある。
【0010】
図17に示す処理は、基本的に、Y、M、C、Kの4つの色材を同時に用いることを可能とする処理であるため、用いる色材の総量が多くなる傾向にある。特に、低い明度において彩度の高い色を再現しようとする場合はそれぞれの色材の信号値が高くなり、使用するそれぞれの色材の量が多くなる。また、同じ色調のインクについて濃度が異なる複数のインクを用いる場合は、全体的にインクの量が多くなる。
【0011】
このような場合、プリンタによっては、例えば最暗点でのインクやトナーの使用を特に制限していないものがあり、例えばシアンの最大出力時の色材使用量を100%とすると、上記最暗点では4色の色材使用量の合計、つまり色材総使用量が400%となって実際にプリント出力したとき、インクジェットプリンタなどでは、記録用紙のインク吸収特性によってはインクを十分に吸収できずインクの溢れや滲みを生じ、濃度などが正確に実現されないことがある。また、トナーを使用する電子写真方式のプリンタでは、記録用紙のトナー付着特性によってはトナーが十分に記録紙に定着できず、同様に濃度の正確な実現ができないことがある。
【0012】
なお、この問題は、実質的にパッチのデータを生成して記録する場合の問題として生じ得るものである。すなわち、パッチが正確に記録されていない場合、その測色値は当然にそれを記録したプリンタの記録特性を反映したものとはならず、色修正などに係わる正確なテーブルを作成することができないことになる。
【0013】
また、プリンタのランニングコストの点から、プリンタの仕様や出力する画像の種類などによっては、例えば、出力画像の画質を多少犠牲にしてもインクやトナーなどの色材の消費量を抑えるほうがよいとする状況も考えられるが、従来、このような色材消費量の設定をユーザやサービスマンが行なうことができなかった。
【0014】
本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、インクやトナー等の色材の消費量を制限しつつ、その制限された消費量の範囲内で最大限に複数種類の色材による色空間を用いたプリント出力を行うことを可能とする画像処理方法および画像処理装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
そのために本発明では、画像処理方法において、画像出力装置において複数種類の色材を用いて記録媒体にパッチを出力する際の色材の付着特性を考慮して定められる最大色材総使用量を得て、前記最大色材総使用量以下の量であって、ユーザにより設定される情報に基づき決定される規定色材総使用量の範囲内における前記複数種類の色材データの組合せを定め、該定められた複数種類の色材データの組合せに基づいて出力されたパッチそれぞれの測色値に基づき、同じ色調の色材で濃度が異なる複数の色材を含む複数種類の色材のデータ生成に係る所定の変換関係を求める、ステップを有し、前記所定の変換関係を求めるステップは、前記出力されたパッチのうち、前記色材データの組合せを定めるステップで定められた前記同じ色調の色材で濃度が異なる色材のデータの組合せに基づいて出力されたパッチにおいて、前記より濃度の濃い色材データと前記より濃度が低い色材データの合計色材使用量が等しい等色材量のパッチのラインと、前記色材データの組合せを定めるステップで定められた、より濃度が濃い色材のみを含んだ組合せのより濃度が濃い色材データによるパッチの測色値が表す濃度値と等しい等濃度のパッチのラインとを求め、前記色材データの組合せを定めるステップで定められた、より濃度が濃い色材のみを含んだ組合せのより濃度が濃い色材データの濃度ごとに、前記規定色材総使用量の範囲内で当該規定総色材使用量に基づいて求められた、当該より濃度が濃い色材データの濃度に対応する総色材使用量を示す前記等色材量パッチのラインと、当該濃度が濃い色材データの濃度が示す濃度の等濃度パッチのラインと、の交点のパッチを求め、当該より濃度が濃い色材データを、前記求めたパッチの前記より濃度の濃い色材データと前記より濃度が低い色材データに置き換えて前記濃度が異なる複数の色材のデータとすることにより、前記同じ色調の色材で濃度が異なる複数の色材を含む前記複数種類の色材のデータ生成に係る所定の変換関係を求めることを特徴とする。
【0016】
他の形態では、画像処理方法において、画像出力装置において複数種類の色材を用いて記録媒体にパッチを出力する際の色材の付着特性を考慮して定められる最大色材総使用量を得て、前記最大色材総使用量以下の量であって、出力すべき画像の種類に応じて決定される規定色材総使用量の範囲内における前記複数種類の色材データの組合せを定め、該定められた複数種類の色材データの組合せに基づいて出力されたパッチそれぞれの測色値に基づき、同じ色調の色材で濃度が異なる複数の色材を含む複数種類の色材のデータ生成に係る所定の変換関係を求める、ステップを有し、前記所定の変換関係を求めるステップは、前記出力されたパッチのうち、前記色材データの組合せを定めるステップで定められた前記同じ色調の色材で濃度が異なる色材のデータの組合せに基づいて出力されたパッチにおいて、前記より濃度の濃い色材データと前記より濃度が低い色材データの合計色材使用量が等しい等色材量のパッチのラインと、前記色材データの組合せを定めるステップで定められた、より濃度が濃い色材のみを含んだ組合せのより濃度が濃い色材データによるパッチの測色値が表す濃度値と等しい等濃度のパッチのラインとを求め、前記色材データの組合せを定めるステップで定められた、より濃度が濃い色材のみを含んだ組合せのより濃度が濃い色材データの濃度ごとに、前記規定色材総使用量の範囲内で当該規定総色材使用量に基づいて求められた、当該より濃度が濃い色材データの濃度に対応する総色材使用量を示す前記等色材量パッチのラインと、当該濃度が濃い色材データの濃度が示す濃度の等濃度パッチのラインと、の交点のパッチを求め、当該より濃度が濃い色材データを、前記求めたパッチの前記より濃度の濃い色材データと前記より濃度が低い色材データに置き換えて前記濃度が異なる複数の色材のデータとすることにより、前記同じ色調の色材で濃度が異なる複数の色材を含む前記複数種類の色材のデータ生成に係る所定の変換関係を求めることを特徴とする。
【0017】
また、画像処理装置において、画像出力装置において複数種類の色材を用いて記録媒体にパッチを出力する際の色材の付着特性を考慮して定められる最大色材総使用量を得る手段と、前記最大色材総使用量以下の量であって、ユーザにより設定される情報に基づき決定される規定色材総使用量の範囲内における前記複数種類の色材データの組合せを定める手段と、該定められた複数種類の色材データの組合せに基づいて出力されたパッチそれぞれの測色値に基づき、同じ色調の色材で濃度が異なる複数の色材を含む複数種類の色材のデータ生成に係る所定の変換関係を求める手段と、を具え、前記所定の変換関係を求める手段は、前記出力されたパッチのうち、前記色材データの組合せを定めるステップで定められた前記同じ色調の色材で濃度が異なる色材のデータの組合せに基づいて出力されたパッチにおいて、前記より濃度の濃い色材データと前記より濃度が低い色材データの合計色材使用量が等しい等色材量のパッチのラインと、前記色材データの組合せを定めるステップで定められた、より濃度が濃い色材のみを含んだ組合せのより濃度が濃い色材データによるパッチの測色値が表す濃度値と等しい等濃度のパッチのラインとを求め、前記色材データの組合せを定めるステップで定められた、より濃度が濃い色材のみを含んだ組合せのより濃度が濃い色材データの濃度ごとに、前記規定色材総使用量の範囲内で当該規定総色材使用量に基づいて求められた、当該より濃度が濃い色材データの濃度に対応する総色材使用量を示す前記等色材量パッチのラインと、当該濃度が濃い色材データの濃度が示す濃度の等濃度パッチのラインと、の交点のパッチを求め、当該より濃度が濃い色材データを、前記求めたパッチの前記より濃度の濃い色材データと前記より濃度が低い色材データに置き換えて前記濃度が異なる複数の色材のデータとすることにより、前記同じ色調の色材で濃度が異なる複数の色材を含む前記複数種類の色材のデータ生成に係る所定の変換関係を求めることを特徴とする。
【0018】
他の形態では、画像処理装置において、画像出力装置において複数種類の色材を用いて記録媒体にパッチを出力する際の色材の付着特性を考慮して定められる最大色材総使用量を得る手段と、前記最大色材総使用量以下の量であって、出力すべき画像の種類に応じて決定される規定色材総使用量の範囲内における前記複数種類の色材データの組合せを定める手段と、該定められた複数種類の色材データの組合せに基づいて出力されたパッチそれぞれの測色値に基づき、同じ色調の色材で濃度が異なる複数の色材を含む複数種類の色材のデータ生成に係る所定の変換関係を求める手段と、を具え、前記所定の変換関係を求める手段は、前記出力されたパッチのうち、前記色材データの組合せを定めるステップで定められた前記同じ色調の色材で濃度が異なる色材のデータの組合せに基づいて出力されたパッチにおいて、前記より濃度の濃い色材データと前記より濃度が低い色材データの合計色材使用量が等しい等色材量のパッチのラインと、前記色材データの組合せを定めるステップで定められた、より濃度が濃い色材のみを含んだ組合せのより濃度が濃い色材データによるパッチの測色値が表す濃度値と等しい等濃度のパッチのラインとを求め、前記色材データの組合せを定めるステップで定められた、より濃度が濃い色材のみを含んだ組合せのより濃度が濃い色材データの濃度ごとに、前記規定色材総使用量の範囲内で当該規定総色材使用量に基づいて求められた、当該より濃度が濃い色材データの濃度に対応する総色材使用量を示す前記等色材量パッチのラインと、当該濃度が濃い色材データの濃度が示す濃度の等濃度パッチのラインと、の交点のパッチを求め、当該より濃度が濃い色材データを、前記求めたパッチの前記より濃度の濃い色材データと前記より濃度が低い色材データに置き換えて前記濃度が異なる複数の色材のデータとすることにより、前記同じ色調の色材で濃度が異なる複数の色材を含む前記複数種類の色材のデータ生成に係る所定の変換関係を求めることを特徴とする。
【0019】
以上の構成によれば、画像出力装置の画像出力に用いる複数種類の色材の、パッチを出力する際に用いられる記録媒体に対する付着特性を考慮して定められる最大色材総使用量の範囲内で色材消費量制限するための規定色材総使用量を決定し、この規定色材使用量の範囲内でパッチを出力するための複数種類の色材データの組合せを定めて各パッチを出力し、そのパッチそれぞれの測色値に基づき、同じ色調の色材で濃度が異なる複数の色材を含む複数種類の色材のデータ生成に係る色分解テーブル等の所定の変換関係を求めるので、インクやトナー等の色材の消費量を制限しつつ、その制限された消費量の範囲内で最大限に複数種類の色材による色空間を用いたプリント出力を行うことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0021】
(第1の実施形態)
図1は本発明の一実施形態にかかるカラープリンタの画像処理構成を示すブロック図であり、パッチを形成しその測色結果に基づいてテーブルデータを生成する処理(以下、「色分解処理」ともいう)を示すものである。本構成は、以下で説明されるように具体的にはホストコンピュータの例えばプリンタドライバによって実行される処理を示しているが、これらの処理がプリンタ等の画像出力装置側で行われてもよく、あるいはホスト装置と画像出力装置がこれらの処理を分担してもよく、本発明の適用はこれらのいずれの形態にも適用できることは以下の説明からも明らかである。
【0022】
図1に示すように、色分解処理では、色材使用量計算101によって、本実施形態のプリンタで用いるY、M、C、KおよびM、Cについてより染料濃度が薄い、Lm(ライトマゼンタもしくは淡マゼンタ)、Lc(ライトシアンもしくは淡シアン)の6種類のインクそれぞれの色材使用量および最大色材総使用量を計算する。
【0023】
色材使用量は、Y、M、C、K、Lm、Lcのインクそれぞれについて求められるものであり、本実施形態では、それぞれの8ビットが表わす信号値0〜255について0%〜100%として比例関係で計算されるものである。ここで使用量「A」%とは、基本的に、その8ビット信号が2値化等の量子化がなされてプリンタにおけるインク吐出データとされ記録用紙に記録が行われるとき、対応する画素に平均して「A」%の確率でインクドットが形成されることを意味する。しかし、Y、M、C、K各インクの浸透性などを考慮し、インクによっては、信号値0〜255について、例えば、0%〜80%として比例関係で計算してもよい。
【0024】
次に、最大色材総使用量は、上記のように計算した、例えばインクCの色材使用量を100%(すなわち、最大信号値255のときの使用量が100%)としたとき、本プリンタで用いる記録媒体の種類、すなわち用いる記録媒体が、普通紙、コート紙、OHP用紙などのいずれかであるかについて情報を得、これ基づいて記録媒体に上記インクCを最大何%まで吸収できるかが計算されるものである。
【0025】
規定色材総使用量決定102は、上記の計算された最大色材総使用量の範囲内でユーザ等が設定した設定値に従い、規定色材総使用量を決定する。例えば、ユーザは、コンピュータにおけるプリンタドライバによって、ディスプレイ上で設定値の入力を行い、この設定値情報に対応する規定色材総使用量を算出することができる。
【0026】
出力特性パッチ画像作成103は、規定色材総使用量決定102で算出された規定色材総使用量と、色材使用量計算手段101で算出された4つのインクY、M、C、Kの個々の色材使用量を用いて、図5、図6にて詳細に後述されるように、インクのオーバーフロー(吸収できない状態)が起きない範囲で記録できるパッチのデータ作成する。この記録されたパッチは、測色されてプリンタの再現可能なL*a*b*で表される色空間のデータとして求められる。なお、この測色に関する表色系は上例に限られないことはもちろんであり、RGB、L*C*H*等の他の表色系であってもよい。
【0027】
ターゲット設定104は、図10にてその詳細が後述されるように、上記パッチの測色データに基き、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、R(レッド)、G(グリーン)およびB(ブルー)の6色相それぞれについて、各色相で彩度が最大となるターゲットを作成する。そして、基本4色色分解105は、各色相において彩度が最大になるという条件(上記のターゲット)でY、M、C、Kの組合わせを決定する。
【0028】
さらに、6色材総使用量計算106は、上記基本4色色分解105によって求められたY、M、C、K4色の組合わせに基づいて、上記規定色材総使用量を参照しながら濃淡インクM、C、Lm、Lcそれぞれの色材総使用量を算出する。そして、6色色分解107は、Y、M、C、K4色の組合わせ、上記色材総使用量および上記測色データに基づいて、Y、M、C、K、Lm、Lc6色の組合せである色分解テーブルを作成する。
【0029】
図2は、上記画像処理を実行する具体的な画像処理システムを示す図である。
【0030】
同図において、201は画像信号入力装置としての分光光度計を示し、202はコンピュータシステムとしてのパーソナルコンピュータを示す。パーソナルコンピュータ202は、分光光度計201によって読み取られた画像信号を入力し、編集、保管することができ、また、編集等された画像信号情報をディスプレイ203によって表示したり、画像出力装置としてのプリンタ204によってプリント出力することもできる。また、313は、ユーザが上記のパーソナルコンピュータ202の処理、制御に対する指示入力などを行うためのキーボードおよびマウスを示す。
【0031】
図3は、図2に示したシステムにおける特にパーソナルコンピュータ202の主要な要素を示すブロック図である。
【0032】
同図において、301は、マウスおよびキーボード313と信号の授受を行うためのインターフェース(I/F)を示し、302は、同様に分光光度計201等の画像入力機器との間のインターフェース(I/F)を示す。
【0033】
303は、プログラムに従い、パーソナルコンピュータ202の各要素の処理、動作を制御し、また、所定の処理を実行するCUPを示す。304は、図1に示し、また、図4にて後述されるような画像処理等を記憶したROMを示し、305はCPUによる上記処理等の実行において一時的にプログラムや画像データなど格納するためのRAMを示す。
【0034】
306は処理対象の画像を表示したり、操作者へのメッセージを表示するディスプレイ装置203の制御を行うディスプレイ制御装置、307は、コンピュータシステム202とカラープリンタ204を信号接続するためのインターフェース(I/F)、308は、RAM305等に転送されて用いられるプログラムや画像データを格納したり処理後の画像データを保存するためのハードディスク(HD)、309は、コンピュータシステムの各所に保持する様々なデータを外部機器へ伝送したり、外部機器からの様々なデータを受信したりすることが可能なモデムやネットワークカード等の伝送機器314とコンピュータシステムを信号接続するインターフェース(I/F)を示す。310は、外部記憶媒体の一つであるCD(CD−R/CD−RW/DVD)に記憶されたデータを読み込み、あるいは書き出すことのできるCDドライブ、311は、310と同様にFDからの読み込み、FDへの書き出しができるFDドライブを示す。なお、CD,FD,DVD等に画像編集用のプログラム、あるいはプリンタ情報等が記憶されている場合には、これらのプログラムをHD308上にインストールし、必要に応じてRAM305に転送されるようになっている。312は、外部ライン入力315やマイクが接続され、外部からの音声データを入力するためのサウンドインターフェース(I/F)を示す。
【0035】
図4は、図1に示した画像処理、具体的には図2および図3に示した構成において、実行される色分解テーブル作成処理の手順を示すフローチャートである。なお、図4のフローチャートに示す手順を記述したコンピュータが実行可能なプログラムは、予めROM304に格納されている。あるいは、これに代り、外部記憶装置308に格納されているプログラムをRAM305上に読み込んだのちに、CPU303によりそのプログラムを実行することもできる。
【0036】
先ず、ステップS501において、最大色材総使用量と、Y、M、C、K、Lm、Lcそれぞれの信号値を8等分した各信号値について色材使用量を計算する。なお、このパッチデータの設定についてはこれに限られず、どのようなものであってもよく、例えば、信号値をランダムに定めた各色材の組み合わせでもよい。色材使用量は、図1において説明したように、Y、M、C、K、Lm、Lcそれぞれについて、信号値0〜255の256個の信号値それぞれに対応する色材使用量(%)を計算する。また、最大色材総使用量は、本実施形態のプリンタで用いようとしている記録媒体の種類の情報を得、この情報が示す記録媒体が最大吸収可能なインク量(%)を計算する。具体的には、予め定められた記録媒体の種類とそれが吸収可能な最大インク量との関係から求めることができる。以上のように計算された各インクの色材使用量および最大色材総使用量は、RAM305に一時的に記憶される。
【0037】
次に、ステップS502において、上記で求めた最大色材総使用量の範囲内で、規定色材総使用量を決定する。ここで決定される規定色材総使用量は、例えば、上記最大色材総使用量が200%であるときに、規定色材総使用量を150%とする、等の決定であり、ユーザまたはサービスマンがホストコンピュータのプリンタドライバを介して設定した設定値情報に応じて、規定色材総使用量を計算する。これにより、例えば、多少出力される画像の画質が低下するなどを生じる場合があるが、インク使用量を抑えることができるため、プリンタのランニングコストの大部分を占めるインクの消費を抑えることによって、低コスト化を図ることが可能となる。なお、規定色材総使用量が最大色材総使用量に対して小さく設定するほどインクの消費量をより少なく抑えることができることは以下の説明からも明らかである。
【0038】
なお、規定色材総使用量の決定は上例のようにユーザ等が設定した情報に応じて行うのではなく、プリンタドライバ等のソフトウエアが、例えば、プリント出力する画像の種類に応じて自動的に決定するようにしてもよい。また、ユーザ等が設定する設定値に応じた規定色材総使用量がステップS501で求めた最大色材総使用量を超える場合には、その規定色材総使用量の決定を禁止するとともにユーザ等にその旨を報知するよう処理することはもちろんである。
【0039】
次に、ステップS503において、出力特性パッチ画像作成103(図1)により、インクのオーバーフローが起きない範囲でパッチの作成を行う。
【0040】
図5は、出力特性パッチ画像作成103の処理の詳細を示すブロック図であり、図6はその処理の手順、すなわち、ステップS503において行われる処理の詳細を示すフローチャートである。こらの図を参照して、パッチの作成処理を説明する。
【0041】
まず、ステップS1201において、パッチ使用色材組み合わせ決定1101は、パッチを構成するY、M、C、K、Lm、Lcの6色材の組み合わせを決める。本実施形態では、6色材中、Y、M、C、Kの各信号値0〜255を8等分して作られた8の4乗、つまり4096通りの組み合わせを定める。これらのパッチは、図10にて後述されるように、基本4色の色分解テーブルを求めるために用いられるものである。また、M、Lmの組およびC、Lcの組について、図14および図15にて後述されるように、濃インクに換えて、淡インクもしくは淡インクと濃インクを用いるため、その淡インクと濃インクの比率を定めるために用いられるパッチを出力すべく、それぞれ、同様に8等分した8つの信号値の2乗、つまり64通りの組合せを定める。これらの定められた4色材の組合せまたはシアン、マゼンタそれぞれの濃淡2色材の組合せは、一時的にRAM305に記憶される。
【0042】
次に、ステップS1202において、パッチ色材総使用量計算1102は、ステップS1201で決定された色材の組合せのうち、基本4色材の組み合わせについて、ステップS501で計算された各インクの色材使用量を参照しながらその組合せ(パッチ)の色材総使用量を計算する。計算されたそれぞれの組合せごとの色材総使用量は、同様にRAM305に記憶される。
【0043】
さらに、ステップS1203で、パッチ色材総使用量比較1103は、ステップS1202で算出された各組合せ(パッチ)ごとの色材総使用量と、ステップS502で計算された規定色材総使用量を比較し、その組合せの色材総使用量が規定色材総使用量を超えるか否かを判断をする。その組合せの色材総使用量が規定色材総使用量を超えるか否かの情報は、その組み合わせに対応付けられてRAM305に記憶される。
【0044】
次に、ステップS1204では、色材総使用量境界算出1104は、規定色材総使用量を超えると判断された組合せを集め、それらの組み合わせそれぞれについて、規定色材総使用量を超える分の量をC、Mの色ごとに計算し、さらに、次のステップS1205で用いるパッチデータの圧縮率を境界情報として計算しそれをRAM305に記憶する。すなわち、この圧縮率は、規定色材総使用量を超える量の最大量を有するパッチ(後述の図7の点B)の信号値が、規定色材総使用量以内(本実施形態ではこれと等しい値)となるように定められるものであり、距離OBに対する距離ОB′の比に相当する。そして、次のステップS1205ではこの圧縮率で全てのパッチのデータについて均一に圧縮が行われるものである。
【0045】
図7は、上記のように求められる規定色材総使用量の境界をパッチにおいて示す図である。同図は、上記4色材の組合せによって作成され得るパッチを示し、Y、Kの信号を固定してCおよびMの信号値を変化させた場合のパッチが示されている。また、同図では、最小の正方形が1つのパッチを表わし、中間部分のパッチの図示は省略されている。
【0046】
計算される規定色材総使用量を超えない領域と超える領域との境界とは、同図において、1/4の円周で描かれた規定色材総使用量のラインである。なお、このラインは、説明および図示の便宜上円周で表しており、実際は境界のラインは、(Y、K)C、Mの信号値の合計のインク(色材)使用量に換算した値が、一定の規定色材総使用量となるラインである。因みに、C、Mの信号値が同じ割合でインク使用量に換算される場合、このラインは直線となる。
【0047】
Y、Kの信号値が比較的大きい場合には、全体として色材総使用量も大きくなることから、図のようにパッチ画像上に規定色材総使用量のラインが現れる。すなわち、C、Mについての規定色材総使用量を表すラインよりもパッチを構成するCまたはM、あるいはその両方の信号値が大きい場合の、その組合せにより記録され得るパッチは、インクのオーバーフローが起きてしまうためにその記録が正確になされないとともに、設定したインク消費量の制限が適切に行われないこととなる。このため、本実施形態では、次のステップS1205で、全てのパッチについて均一な信号値の圧縮を行い、全てのパッチについて色材総使用量が上記ラインより内側の値となるようにする。
【0048】
すなわち、ステップS1205において、パッチ使用色材組み合わせ再決定1105は、ステップS1204で計算された圧縮率に従い、全てのパッチのM、Cの値を圧縮する。なお、図1にて上述したように、M、Cのうち、色材使用量の計算において換算率(すなわち、総色材使用量に対する寄与率)が異なる色材がある場合には、その色材についてはその換算率に応じた圧縮率とする。例えば、換算率の最大が80%の場合は、上記計算された圧縮率の80%の圧縮率とする。以上の処理により、図7に示す、最も大きく規定色材総使用量を超える点Bは、原点に向かい矢印Aの方向に点B'の所まで圧縮され、図8に示されるパッチ画像のように、パッチ画像の全てのパッチにおける色材総使用量が規定色材総使用量を超えないように調整される。
【0049】
なお、上記の説明では、Y、Kの値を固定してこれらのある値のパッチについて説明したが、Y、Kの他の値のパッチについても同様に処理が行われ、ステップS501で計算の対象とした色材のうち、基本4色Y、M、C、Kの全ての組合せのパッチについて圧縮を行うことはもちろんである。また、上例では、M、Cを圧縮の対象としたが、その対象を他の色材としてもよく、さらには、1次元的、3次元的、または4次元的に規定色材総使用量を計算し、それぞれ1、3または4つの色材を圧縮の対象としてもよい。
【0050】
以上の圧縮処理で基本4色材の組み合わせが再決定されると、本ステップS503を終了する。この処理によって、記録されるパッチは全て規定色材総使用量の範囲内とすることができ、インク溢れなどのない適切なパッチを記録することができる。
【0051】
再び図4を参照すると、次のステップS504では、ステップS503で作成したパッチデータに基づき本実施形態のプリンタ204でプリント出力し、さらに測色する。パッチの測色は、分光光度計201などを用いて行うことができる。測色された各パッチのL*a*b*値の測色結果は、RAM305に一時的に記憶される。また、測色結果の容量が大きい場合は外部記憶装置308なども利用される。
【0052】
そして、ステップS505では、上記測色された範囲内で、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、R(レッド)、G(グリーン)とB(ブルー)6色相のそれぞれについて、それぞれの色相で彩度が最大となる目標色としてのターゲットを設定する。なお、この目標色の表色系は、L*a*b*に限られず、L*C*H*等の他の表色系であってもよい。
【0053】
ターゲットとは、例えばシアンの色相を例にとると、白(White)→シアン(Cyan)→黒(Black)の色の変化が、L*C*平面上でどのように動くかを定めたものであり、これにより色再現にかかる色修正の特性が定められる。本実施形態では、このターゲットはL*a*b*空間の色として表され、その値はL*C*平面においてL*軸(明度軸)からの距離(彩度C*)として表されるものである。そして、具体的なターゲットデータは、L*軸に沿った所定数の点について上記距離のデータとして表される。
【0054】
一般的に、図9に示すように、白(White)→シアン(Cyan)→ブラック(Black)のL*C*平面におけるターゲットは、WhiteからBlackへと明度(L*)が低くなっていく際に、プライマリカラーであるCyanまでは彩度(C*)が高くなり、プライマリカラーからBlackに向かって彩度が低くなるように動く。このターゲットの設定においては、特にプライマリカラーからブラック(Black)に向かって彩度が低くなっていく過程、例えば、CyanからBlackの領域においては一般にKをより多く入れ、そこにY、M、Cを加えるとより彩度が出せることが知られている。
【0055】
本実施形態では、まず、シアンからブラックの領域について、図10に示すL*C*平面で、曲線▲1▼で表される、Kをまったく入れない時のターゲットと、曲線▲2▼で表されるKを最大限に入れたときのターゲットをL*の所定範囲について求める。
【0056】
すなわち、本実施形態では、ステップS504で測色して得られたデータの範囲内で上記曲線(1)と曲線(2)が求められる。具体的には、ステップS503で求めた色材総使用量である境界の各パッチの測色値(本実施形態ではL*a*b*値)を参照して、その範囲内で彩度C*が最大となるようなそれぞれ曲線(1)と曲線(2)を求める。これにより、設定されたターゲットに基づいて次のステップS506で求められるY、M、C、Kの組合せにかかるテーブルデータは、規定色材総使用量の範囲内にあることになる。
【0057】
そして、この2つの曲線において、実際には、L*が高い所、つまり明るいところで早めにKを入れると彩度は高くなるが、Kの粒状感が目立つ、などのトレードオフを考慮し、シアンからブラックの領域においてKの入り始める点Aを定める。この定めた点Aで表されるL*から最暗点のブラックまでは、曲線▲3▼で表されるように、例えばスプライン関数などの所定の連続した関数式で滑らかに繋ぎ、それを白(White)→シアン(Cyan)→ブラック(Black)のターゲットとして設定する。以上のように計算された各色相のターゲットは、RAM305に記憶されるか、容量が大きい場合は外部記憶装置308なども利用される。
【0058】
次に、ステップS506において、ステップS505で設定されRAM305または外部記憶装置308に保存されている各色相のターゲットを実現するC、M、Y、K基本4色の組み合わせを求め、これを色分解テーブルとする。
【0059】
具体的には、ターゲットを表す各L*a*b*値について、その近傍のパッチの測色値である、例えば8点あるいは4点を採り、それらパッチのY、M、C、K値について立方体補間あるいは四面体補間による補間演算を行い、C、M、Y、Kの組み合わせを求めるものである。もちろん、補間方法については上例に限られないことはもちろんである。
【0060】
図11は、以上のように求められたターゲットのうち、白(White)→シアン(Cyan)→黒(Black)のターゲットについて、それぞれC、M、Y、Kの色材量と色材総使用量を示す図である。横軸が白(White)→シアン(Cyan)→黒(Black)と変換する色を示し、縦軸は、各色材の色材量(インク量)については、それらの信号値で、色材総使用量はパーセントでそれぞれ示している。同図において、AはC(シアン)のインク量、BはM(マゼンタ)のインク量、CはY(イエロー)のインク量、DはK(ブラック)のインク量を信号値で表し、Eが色材総使用量である。また、点▲1▼は、シアンの点における総色材使用量の点で、点▲2▼は黒の点における総色材使用量の点である。また、点▲3▼はシアン(Cyan)→黒(Black)の範囲における、ステップS502で決定した規定色材総使用量を示すライン上の一点を示している。この図から明らかなように、基本4色材の組合せについては、全ての組合せについて、その色材総使用量がインク消費量を制限すべく設定された規定色材総使用量の範囲内にあることがわかる。これらのC、M、Y、Kの組合せは以下のステップS507、S508の、基本4色にLm、Lcを加えた6色の色分解テーブルを求める処理に利用するため、RAM305に格納されて本ステップS506を終了する。
【0061】
ステップS507では、ステップS506で求めた基本4色の組合せのうち、M、CをLm、LcあるいはLmとM、LcとCに置き換えて6色の色分解テーブルが求められたときに、各組み合わせについての色材総使用量が規定色材総使用量を超えないよう、予め、6色材の色材総使用量を求める。
【0062】
図12は、この計算結果の一例を示す図である。具体的な計算を図12を参照して説明する。上記で求めた各色相のターゲットを定める基本4色材の組み合わせにおいて、図12における白からシアン(点▲1▼)までの範囲では、図11に示した色材総使用量Eをそのまま用いる。本実施形態では、この範囲で淡シアンを用いないからである。さらに、シアン(点▲1▼)からは、各組み合わせについて、Cを全てLcに置き換えて計算される色材総使用量が規定色材総使用量となるまで上記の置き換えを行い、規定色材総使用量に至った点(組み合わせ)を点▲3▼とし、点▲1▼〜点▲3▼で示される曲線の色材総使用量を得る。これは、同じ彩度を表すのに淡シアンインクの方がシアンインクより多く用いられることから、各組合せでシアンの量として最大に用いることができる量を求めるためである。さらに、点▲3▼〜点▲2▼までの範囲は、点▲1▼〜点▲2▼の曲線に滑らかに接続するよう、例えばスプライン曲線により表される色材総使用量とする。このように計算された色材総使用量のデータは、後の処理のためRAM305に記憶される。
【0063】
次に、ステップS508では、6色色分解処理、すなわち、Y、M、C、Kの基本4色にLm、Lcを加えた6色の組合せによって上述のターゲットを表す関係を定める処理を行う。
【0064】
図13は、図1に示した6色色分解107の詳細な構成を示すブロック図であり、図14は、6色色分解処理の手順を示すフローチャートである。以下、これらの図を参照して6色色分解処理を説明する。
【0065】
まず、ステップS601で、濃淡MC比率計算401は、4色色分解されたY、M、C、Kの各組合せにおけるMとCの割合に基づいて、濃淡マゼンタと濃淡シアンとの比率を計算する。算出方法は、基本4色の各組み合わせにおけるMとCの割合をそのまま濃淡マゼンタと濃淡シアンの比率として用いる。なお、MとLmの濃度比率(稀釈率)およびCとLcの濃度比率が異なる場合には、その濃度比率に応じた重み付けをして上記比率を計算しても良い。算出された、濃淡マゼンタと濃淡シアンの割合は次の処理ステップS602のためRAM305に記憶される。
【0066】
ステップS602では、濃淡MC色材使用量計算402は、先に計算された濃淡マゼンタと濃淡シアンの比率と、ステップS507にて計算された色材総使用量、さらにステップS506で求めた基本4色色分解テーブルの色材データの組合せにおけるYとKの色材使用量を用い、濃淡マゼンタおよび濃淡シアンそれぞれの合計使用量を計算する。濃淡マゼンタおよび濃淡シアンそれぞれの合計使用量は以下のように計算される。
濃淡マゼンタ合計使用量=(色材総使用量−YとKの合計色材使用量)*濃淡マゼンタの比率
濃淡シアン合計使用量=(色材総使用量−YとKの合計色材使用量)*濃淡シアンの割合
そして、計算された結果は後の処理のためRAM305に記憶される。
【0067】
次に、ステップS603において、濃淡マゼンタ色分解403は、上記のように求めた各組合せごとの濃淡マゼンタ合計使用量、ステップS504で出力および測色して得られたMとLmの組合せからなるパッチの測色値、および4色色分解テーブルの色材データの組合せにおけるMの信号値に基づいて、各組み合わせのMを、MとLmの組みまたはLmに分解(置き換え)する。
【0068】
具体的には、ステップS504で測色した各パッチの測色値において、例えば図15に示すように、濃インクとしてのマゼンタ(M)と、淡インクとしてのライトマゼンタ(Lm)の合計色材使用量が等しい等色材使用量ラインと、上記側色値においてLmを含まないMのみの信号値に基づくパッチ(図15において最上位の行のパッチ)の測色値が表す濃度値と等しい等濃度ラインを引くことができる。そして、各組み合わせについて図12にて説明した処理で定められた総色材使用量を示す等色材使用量ラインと、その組合せにおけるMが示す濃度の等濃度ラインとの交点のパッチのLm、Mの信号値を、その組合せのMが分解されたLmとMとする。4色色分解テーブルの色材データの各組合せについて、以上のように計算された結果は後の処理のためRAM305に記憶される。
【0069】
さらに、ステップS604では、同様に、濃淡シアン合計使用量、ステップS504で出力および測色して得られたCとLcの組合せからなるパッチの測色値、および4色色分解テーブルの色材データの組合せにおけるCの信号値に基づいて、各組み合わせのCを、CとLcの組みまたはLcに分解(置き換え)をする。この処理については、ステップS603の処理と同様であるので、その説明は省略する。
【0070】
ステップS604の処理を終了すると、濃淡分解されたマゼンタとシアンのデータを出力して本処理を終了し、これによりステップS508を終えて6色の色分解テーブルを求める一連の処理を終了する。
【0071】
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態では、先ず基本4色について、それらの組合せが規定色材総使用量の範囲内にあるような処理を行い(図4のS501〜S503)、それらの測色値に基づいて4色の色分解テーブルを作成した後(同S504〜S506)、これに基づいて6色色分解テーブルを作成し、結果として、このテーブルにおける6色材の組合せが上記規定色材総使用量の範囲内となるようにするものとした。しかし、本発明の適用はこのような処理に限られず、最初から6色材のパッチデータを作成し(図4のS503と同様の処理)、以降、同様の処理(同S504〜S506)を行って、直接6色材の色分解テーブルを求めてもよい。この場合、6色材のパッチデータ設定では、各色8ビットデータについて8等分する構成では、8の6乗通りの組合せが必要となる。
【0072】
(第3の実施形態)
上記第1の実施形態においては、ステップS603およびS604でそれぞれ行われる濃淡マゼンタ分解および濃淡シアン分解では、4色色分解されたM、Cの信号値を出力し測色した値のうちの濃度値を用いるものとしたが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、濃度色値の代りに明度値(L*)を用いても良く、その場合には図15に示されるようなパッチでは等明度ラインを引くことにより交点からそれぞれの濃淡分解の解を求めることはもちろんである。
【0073】
(第4の実施形態)
本実施形態は、上記第1の実施形態で求めた、色修正にかかる色分解テーブルを用いた実際の記録データ生成にかかる画像処理に関するものである。
【0074】
すなわち、第1実施形態で求めた、6色相のそれぞれの6色分解テーブルデータに基づき、所定の補間方法により、テーブルの格子点を規定するL*a*b*値、またはこれと対応付けられたR、G、B値などの全てに対応する色材信号C、M、Y、Kの組み合わせを求め、LUT(ルックアップテーブル)としてROM304等に記憶させる。
【0075】
なお、この記憶装置については、外部記憶装置308、CDドライブ310またはFDドライブ311、または外部機器であってもよく、外部機器の場合、モデムやネットワークカード等の伝送機器314を介しての際にRAM305に呼び出し使用する。
【0076】
図16は、上記のように作成された色分解テーブルを用いた画像処理の手順を示すフローチャートである。
【0077】
図において、まず、ステップS1001において、入力画像信号を取得する。入力画像信号は、図3に示す分光光度計201を用いて入力されたり、図3には図示しないが、カラーイメージスキャナ等を画像入力機器との接続I/O302に接続し、入力される他、外部記憶装置308、CDドライブ310やFDドライブ311からの入力も可能である。ここで、入力画像信号とは、R、G、B値やL*a*b*値などの色情報である。入力された入力画像信号は、一時的にRAM305に記憶される。
【0078】
次に、ステップS1002において、入力された入力画像信号に対応する最適となる色材信号の組み合わせをRAM305に呼び出された上述のLUTを参照し決定する。
【0079】
そして、ステップS1003では、入力画像信号の彩度を最大限に表した最適となる色材信号の組み合わせを、RAM305を介して出力し、プリンタ204に対して記録信号として供給する。ステップS1003を終えると、本処理を終了する。
【0080】
なお、上記の各実施形態では、色材としてインクの場合を例に取り説明したが、他の色材、例えば電子写真方式にかかるトナーを用いる場合についても同様に本発明を適用できることは以上の説明からも明らかである。
【0081】
(他の実施形態)
また、本発明は上記実施の形態を実現する為の装置及び方法のみに限定されるものではなく、上記システム又は装置内のコンピュータ(CPUあるいはMPU)に、上記実施の形態を実現する為のソフトウエアのプログラムコードを供給し、このプログラムコードに従って上記システムあるいは装置のコンピュータが上記各種デバイスを動作させることにより上記実施の形態を実現する場合も本発明の範疇に含まれる。
【0082】
またこの場合、図4、図6、図14、図16に示した前記ソフトウエアのプログラムコード自体が上記実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、及びそのプログラムコードをコンピュータに供給する為の手段、具体的には上記プログラムコードを格納した記憶媒体は本発明の範疇に含まれる。
【0083】
この様なプログラムコードを格納する記憶媒体としては、例えばフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0084】
また、上記コンピュータが、供給されたプログラムコードのみに従って各種デバイスを制御することにより、上記実施の形態の機能が実現される場合だけではなく、上記プログラムコードがコンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)、あるいは他のアプリケーションソフト等と共同して上記実施の形態が実現される場合にもかかるプログラムコードは本発明の範疇に含まれる。
【0085】
更に、この供給されたプログラムコードが、コンピュータの機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに格納された後、そのプログラムコードの指示に基づいてその機能拡張ボードや機能格納ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上記実施の形態が実現される場合も本発明の範疇に含まれる。
また、上述した種々の特徴点の少なくとも1つを含む構成であれば本発明の範疇に含まれる。
【0086】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、画像出力装置の画像出力に用いる複数種類の色材の、パッチを出力する際に用いられる記録媒体に対する付着特性を考慮して定められる最大色材総使用量の範囲内で色材消費量制限するための規定色材総使用量を決定し、この規定色材使用量の範囲内でパッチを出力するための複数種類の色材データの組合せを定めて各パッチを出力し、そのパッチそれぞれの測色値に基づき、同じ色調の色材で濃度が異なる複数の色材を含む複数種類の色材のデータ生成に係る色分解テーブル等の所定の変換関係を求めるので、インクやトナー等の色材の消費量を制限しつつ、その制限された消費量の範囲内で最大限に複数種類の色材による色空間を用いたプリント出力を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかるカラープリンタの画像処理構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す上記画像処理を実行する具体的な画像処理システムを示す図である。
【図3】図2に示したシステムにおける特にパーソナルコンピュータの主要な要素を示すブロック図である。
【図4】図1に示した画像処理、具体的には図2および図3に示した構成において、実行される色分解テーブル作成処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】図1に示した出力特性パッチ画像作成処理の詳細を示すブロック図である。
【図6】上記出力特性パッチ画像作成処理の手順の詳細を示すフローチャートである。
【図7】上記のパッチ画像作成処理で求められる規定色材総使用量の境界をパッチにおいて示す図である。
【図8】上記色分解テーブル作成処理における上記規定色材総使用量の境界情報に基づくパッチデータの圧縮処理の結果をパッチにおいて示す図である。
【図9】上記色分解テーブル作成処理で用いられる白→シアン→黒のL*C*平面におけるターゲットの一般的特性を説明する図である。
【図10】上記色分解テーブル作成処理で用いられる実施形態のターゲットを説明する図である。
【図11】上記実施形態で求められたターゲットについて、それぞれC、M、Y、Kの色材量と色材総使用量を示す図である。
【図12】C、M、Y、KにLm、Lcを加えた6色材の色材総使用量を求める処理を説明する図である。
【図13】図1に示した6色色分解107の詳細な構成を示すブロック図である。
【図14】6色色分解処理の手順を示すフローチャートである。
【図15】6色色分解処理における濃淡色分解処理を説明する図である。
【図16】上記実施形態で作成された色分解テーブルを用いた画像処理の手順を示すフローチャートである。
【図17】従来の画像処理構成の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
101 色材量計算
102 規定色材総使用量決定
103 出力特性パッチ画像作成
104 ターゲット設定
105 基本4色色分解
106 6色材総使用量計算
107 6色色分解
201 分光光度計
202 パーソナルコンピュータ
204 プリンタ
303 CPU
304 ROM
305 RAM
Claims (10)
- 画像出力装置において複数種類の色材を用いて記録媒体にパッチを出力する際の色材の付着特性を考慮して定められる最大色材総使用量を得て、
前記最大色材総使用量以下の量であって、ユーザにより設定される情報に基づき決定される規定色材総使用量の範囲内における前記複数種類の色材データの組合せを定め、
該定められた複数種類の色材データの組合せに基づいて出力されたパッチそれぞれの測色値に基づき、同じ色調の色材で濃度が異なる複数の色材を含む複数種類の色材のデータ生成に係る所定の変換関係を求める、
ステップを有し、
前記所定の変換関係を求めるステップは、
前記出力されたパッチのうち、前記色材データの組合せを定めるステップで定められた前記同じ色調の色材で濃度が異なる色材のデータの組合せに基づいて出力されたパッチにおいて、前記より濃度の濃い色材データと前記より濃度が低い色材データの合計色材使用量が等しい等色材量のパッチのラインと、前記色材データの組合せを定めるステップで定められた、より濃度が濃い色材のみを含んだ組合せのより濃度が濃い色材データによるパッチの測色値が表す濃度値と等しい等濃度のパッチのラインとを求め、
前記色材データの組合せを定めるステップで定められた、より濃度が濃い色材のみを含んだ組合せのより濃度が濃い色材データの濃度ごとに、前記規定色材総使用量の範囲内で当該規定総色材使用量に基づいて求められた、当該より濃度が濃い色材データの濃度に対応する総色材使用量を示す前記等色材量パッチのラインと、当該濃度が濃い色材データの濃度が示す濃度の等濃度パッチのラインと、の交点のパッチを求め、当該より濃度が濃い色材データを、前記求めたパッチの前記より濃度の濃い色材データと前記より濃度が低い色材データに置き換えて前記濃度が異なる複数の色材のデータとすることにより、前記同じ色調の色材で濃度が異なる複数の色材を含む前記複数種類の色材のデータ生成に係る所定の変換関係を求めることを特徴とする画像処理方法。 - 前記複数種類の色材データの組合せを定めるステップは、前記同じ色調の色材で濃度が異なる複数の色材を含んだ複数種類の色材について組合せを定めることを特徴とする請求項1に記載の画像処理方法。
- 前記複数種類の色材の色は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、およびマゼンタより濃度が薄い淡マゼンタと、シアンより濃度が薄い淡シアンの6種類の色材であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理方法。
- 前記所定の関係は、前記出力されたパッチそれぞれの測色値に基づいて定まる目標色であって、イエロー、マゼンタ、シアン、レッド、グリーン、ブルーの6色相それぞれについて明度を変化させたときの当該明度ごとの最大の彩度の色を目標色とし、該目標色を実現する前記複数種類の色材のデータの組み合わせを求める条件に従い求められることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の画像処理方法。
- 前記イエロー、マゼンタ、シアン、レッド、グリーン、ブルーの6色相における目標色は、それぞれの色相で、L*C*平面において、白→マゼンタ→ブラック、白→シアン→ブラック、白→レッド→ブラック、白→グリーン→ブラック、白→ブルー→ブラックとそれぞれ変化する色であることを特徴とする請求項4に記載の画像処理方
法。 - 画像出力装置において複数種類の色材を用いて記録媒体にパッチを出力する際の色材の付着特性を考慮して定められる最大色材総使用量を得て、
前記最大色材総使用量以下の量であって、出力すべき画像の種類に応じて決定される規定色材総使用量の範囲内における前記複数種類の色材データの組合せを定め、
該定められた複数種類の色材データの組合せに基づいて出力されたパッチそれぞれの測色値に基づき、同じ色調の色材で濃度が異なる複数の色材を含む複数種類の色材のデータ生成に係る所定の変換関係を求める、
ステップを有し、
前記所定の変換関係を求めるステップは、
前記出力されたパッチのうち、前記色材データの組合せを定めるステップで定められた前記同じ色調の色材で濃度が異なる色材のデータの組合せに基づいて出力されたパッチにおいて、前記より濃度の濃い色材データと前記より濃度が低い色材データの合計色材使用量が等しい等色材量のパッチのラインと、前記色材データの組合せを定めるステップで定められた、より濃度が濃い色材のみを含んだ組合せのより濃度が濃い色材データによるパッチの測色値が表す濃度値と等しい等濃度のパッチのラインとを求め、
前記色材データの組合せを定めるステップで定められた、より濃度が濃い色材のみを含んだ組合せのより濃度が濃い色材データの濃度ごとに、前記規定色材総使用量の範囲内で当該規定総色材使用量に基づいて求められた、当該より濃度が濃い色材データの濃度に対応する総色材使用量を示す前記等色材量パッチのラインと、当該濃度が濃い色材データの濃度が示す濃度の等濃度パッチのラインと、の交点のパッチを求め、当該より濃度が濃い色材データを、前記求めたパッチの前記より濃度の濃い色材データと前記より濃度が低い色材データに置き換えて前記濃度が異なる複数の色材のデータとすることにより、前記同じ色調の色材で濃度が異なる複数の色材を含む前記複数種類の色材のデータ生成に係る所定の変換関係を求めることを特徴とする画像処理方法。 - 画像出力装置において複数種類の色材を用いて記録媒体にパッチを出力する際の色材の付着特性を考慮して定められる最大色材総使用量を得る手段と、
前記最大色材総使用量以下の量であって、ユーザにより設定される情報に基づき決定される規定色材総使用量の範囲内における前記複数種類の色材データの組合せを定める手段と、
該定められた複数種類の色材データの組合せに基づいて出力されたパッチそれぞれの測色値に基づき、同じ色調の色材で濃度が異なる複数の色材を含む複数種類の色材のデータ生成に係る所定の変換関係を求める手段と、
を具え、
前記所定の変換関係を求める手段は、
前記出力されたパッチのうち、前記色材データの組合せを定めるステップで定められた前記同じ色調の色材で濃度が異なる色材のデータの組合せに基づいて出力されたパッチにおいて、前記より濃度の濃い色材データと前記より濃度が低い色材データの合計色材使用量が等しい等色材量のパッチのラインと、前記色材データの組合せを定めるステップで定められた、より濃度が濃い色材のみを含んだ組合せのより濃度が濃い色材データによるパッチの測色値が表す濃度値と等しい等濃度のパッチのラインとを求め、
前記色材データの組合せを定めるステップで定められた、より濃度が濃い色材のみを含んだ組合せのより濃度が濃い色材データの濃度ごとに、前記規定色材総使用量の範囲内で当該規定総色材使用量に基づいて求められた、当該より濃度が濃い色材データの濃度に対応する総色材使用量を示す前記等色材量パッチのラインと、当該濃度が濃い色材データの濃度が示す濃度の等濃度パッチのラインと、の交点のパッチを求め、当該より濃度が濃い色材データを、前記求めたパッチの前記より濃度の濃い色材データと前記より濃度が低い色材データに置き換えて前記濃度が異なる複数の色材のデータとすることにより、前記同じ色調の色材で濃度が異なる複数の色材を含む前記複数種類の色材のデータ生成に係る所定の変換関係を求めることを特徴とする画像処理装置。 - 画像出力装置において複数種類の色材を用いて記録媒体にパッチを出力する際の色材の付着特性を考慮して定められる最大色材総使用量を得る手段と、
前記最大色材総使用量以下の量であって、出力すべき画像の種類に応じて決定される規定色材総使用量の範囲内における前記複数種類の色材データの組合せを定める手段と、
該定められた複数種類の色材データの組合せに基づいて出力されたパッチそれぞれの測色値に基づき、同じ色調の色材で濃度が異なる複数の色材を含む複数種類の色材のデータ生成に係る所定の変換関係を求める手段と、
を具え、
前記所定の変換関係を求める手段は、
前記出力されたパッチのうち、前記色材データの組合せを定めるステップで定められた 前記同じ色調の色材で濃度が異なる色材のデータの組合せに基づいて出力されたパッチにおいて、前記より濃度の濃い色材データと前記より濃度が低い色材データの合計色材使用量が等しい等色材量のパッチのラインと、前記色材データの組合せを定めるステップで定められた、より濃度が濃い色材のみを含んだ組合せのより濃度が濃い色材データによるパッチの測色値が表す濃度値と等しい等濃度のパッチのラインとを求め、
前記色材データの組合せを定めるステップで定められた、より濃度が濃い色材のみを含んだ組合せのより濃度が濃い色材データの濃度ごとに、前記規定色材総使用量の範囲内で当該規定総色材使用量に基づいて求められた、当該より濃度が濃い色材データの濃度に対応する総色材使用量を示す前記等色材量パッチのラインと、当該濃度が濃い色材データの濃度が示す濃度の等濃度パッチのラインと、の交点のパッチを求め、当該より濃度が濃い色材データを、前記求めたパッチの前記より濃度の濃い色材データと前記より濃度が低い色材データに置き換えて前記濃度が異なる複数の色材のデータとすることにより、前記同じ色調の色材で濃度が異なる複数の色材を含む前記複数種類の色材のデータ生成に係る所定の変換関係を求めることを特徴とする画像処理装置。 - コンピュータに読み込まれることにより当該コンピュータに、画像処理を実行させるプログラムであって、当該プログラムは、
画像出力装置において複数種類の色材を用いて記録媒体にパッチを出力する際の色材の付着特性を考慮して定められる最大色材総使用量を得て、
前記最大色材総使用量以下の量であって、ユーザにより設定される情報に基づき決定される規定色材総使用量の範囲内における前記複数種類の色材データの組合せを定め、
該定められた複数種類の色材データの組合せに基づいて出力されたパッチそれぞれの測色値に基づき、同じ色調の色材で濃度が異なる複数の色材を含む複数種類の色材のデータ生成に係る所定の変換関係を求める、
ステップを有し、
前記所定の変換関係を求めるステップは、
前記出力されたパッチのうち、前記色材データの組合せを定めるステップで定められた前記同じ色調の色材で濃度が異なる色材のデータの組合せに基づいて出力されたパッチにおいて、前記より濃度の濃い色材データと前記より濃度が低い色材データの合計色材使用量が等しい等色材量のパッチのラインと、前記色材データの組合せを定めるステップで定められた、より濃度が濃い色材のみを含んだ組合せのより濃度が濃い色材データによるパッチの測色値が表す濃度値と等しい等濃度のパッチのラインとを求め、
前記色材データの組合せを定めるステップで定められた、より濃度が濃い色材のみを含んだ組合せのより濃度が濃い色材データの濃度ごとに、前記規定色材総使用量の範囲内で当該規定総色材使用量に基づいて求められた、当該より濃度が濃い色材データの濃度に対応する総色材使用量を示す前記等色材量パッチのラインと、当該濃度が濃い色材データの濃度が示す濃度の等濃度パッチのラインと、の交点のパッチを求め、当該より濃度が濃い色材データを、前記求めたパッチの前記より濃度の濃い色材データと前記より濃度が低い色材データに置き換えて前記濃度が異なる複数の色材のデータとすることにより、前記同じ色調の色材で濃度が異なる複数の色材を含む前記複数種類の色材のデータ生成に係る所定の変換関係を求めることを特徴とするプログラム。 - コンピュータに読み込まれることにより当該コンピュータに、画像処理を実行させるプログラムであって、当該プログラムは、
画像出力装置において複数種類の色材を用いて記録媒体にパッチを出力する際の色材の付着特性を考慮して定められる最大色材総使用量を得て、
前記最大色材総使用量以下の量であって、出力すべき画像の種類に応じて決定される規定色材総使用量の範囲内における前記複数種類の色材データの組合せを定め、
該定められた複数種類の色材データの組合せに基づいて出力されたパッチそれぞれの測色値に基づき、同じ色調の色材で濃度が異なる複数の色材を含む複数種類の色材のデータ生成に係る所定の変換関係を求める、
ステップを有し、
前記所定の変換関係を求めるステップは、
前記出力されたパッチのうち、前記色材データの組合せを定めるステップで定められた前記同じ色調の色材で濃度が異なる色材のデータの組合せに基づいて出力されたパッチにおいて、前記より濃度の濃い色材データと前記より濃度が低い色材データの合計色材使用量が等しい等色材量のパッチのラインと、前記色材データの組合せを定めるステップで定められた、より濃度が濃い色材のみを含んだ組合せのより濃度が濃い色材データによるパッチの測色値が表す濃度値と等しい等濃度のパッチのラインとを求め、
前記色材データの組合せを定めるステップで定められた、より濃度が濃い色材のみを含んだ組合せのより濃度が濃い色材データの濃度ごとに、前記規定色材総使用量の範囲内で当該規定総色材使用量に基づいて求められた、当該より濃度が濃い色材データの濃度に対応する総色材使用量を示す前記等色材量パッチのラインと、当該濃度が濃い色材データの濃度が示す濃度の等濃度パッチのラインと、の交点のパッチを求め、当該より濃度が濃い色材データを、前記求めたパッチの前記より濃度の濃い色材データと前記より濃度が低い色材データに置き換えて前記濃度が異なる複数の色材のデータとすることにより、前記同じ色調の色材で濃度が異なる複数の色材を含む前記複数種類の色材のデータ生成に係る所定の変換関係を求めることを特徴とするプログラム。
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