JP3962473B2 - 帯電装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定の電荷受容体との間で電荷の授受を行う荷電装置に関し、具体的には、感光体等の被帯電体の表面を帯電する装置、感光体や中間転写体等の被除電体に蓄積した電荷を除電する装置などを含んだ電子写真記録装置、静電記録装置などに適用される帯電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば電子写真プロセスを応用した複写機やプリンタなどの画像形成装置では、上述の荷電装置、すなわち具体的には、帯電装置、除電装置が広く採用されている。
上記の画像形成装置では、感光体ドラムなどの電荷受容体表面を帯電装置により帯電させ、像露光することにより、その電荷受容体表面に静電潜像を形成し、現像剤の付着によりその静電潜像を可視化して現像像を得、その現像像を記録紙などに転写し、定着するというプロセスにより、記録紙上に画像を形成する。このような画像形成装置で用いられる帯電装置としては、従来より、コロナ放電などを利用した非接触帯電方式と、微小ギャップでの放電を利用した帯電ロールなどによる接触帯電方式とがある。
【0003】
コロナ放電を利用した帯電装置は、シールドケース内に電荷受容体の表面と近接・隔離させてワイヤーを張架し、これに高電圧を印加してコロナ放電を発生させ、電荷受容体に所定の電荷を付与するものである。このような帯電装置は、帯電均一性には優れているものの、オゾン、NOX などの放電生成物が大量に発生するため、その対処が必要となり、装置の大型化、高コスト化を招きやすいという欠点がある。また、空気中のごみやトナー、放電生成物、フューザーオイル等により電極ワイヤーが汚れ、帯電が不均一となって得られる画像に欠陥を生じる恐れもある。
【0004】
そのため、最近では、電荷受容体に帯電電極を直接接触させて帯電する接触帯電方式が検討されている。この帯電装置は、電荷受容体表面に接触するように半導電性を有する導電性部材を配置し、その導電性部材に電圧を印加して接触部近傍の微小空隙で放電を発生させることにより帯電を行うものである。このような装置で用いられる導電性部材としては、ロール状やブラシ状のものが挙げられる。この方式では、コロナ放電を利用していないため、オゾン発生量が極めて低いという利点をもつ。また、電荷受容体に接触しているため、装置の小型・軽量化に適しており、現在ではロール型、ブラシ型の帯電装置を用いた画像形成装置が製品化されている。このほか、クリーニングブレードに帯電機能を兼用させるもの(特開平1−93760号公報、特開平2−282279号公報参照)や、フィルム状の帯電部材からなる帯電装置(特開平4−249270号公報参照)が提案されており、各種の接触帯電装置の実用化研究が進められている。
【0005】
しかし、上記の接触帯電装置のうち、導電性の弾性ロールを用いるものでは、ロールの支持装置などが必要となるため、構造が複雑になりやすいという欠点がある。また均一な帯電を行うためには電荷受容体との密着性を良くして、安定した微小空隙を形成する必要があり、ゴムの硬度を低くするなどの対策が必要になる。そのため、ゴム中に多量のプロセスオイルを含有させる必要があり、このオイルが電荷受容体に転移して画質に悪影響を及ぼしやすいという欠点がある。一方、このような欠点を解消するためには、ロールの外形精度を上げるといった方法もあるが、弾性体の外形精度を上げることは非常に難しく、歩留りの低下等といったコストアップにつながってしまう。
【0006】
また、上記帯電装置のうち、導電性ブラシを用いるものでは、上記弾性ロールに比べ、接触を均一にすることは容易であるものの、ブラシの製作に手間がかかる上、ブラシの掃き目が帯電ムラとして画像に出やすいという問題がある。
【0007】
また、ブレード状の帯電電極をクリーニングブレードと兼用する方法では、クリーニング精度と放電に必要な微小空隙の設定を両立させることが困難であり、均一かつ良好な帯電を行うことが難しい。たとえクリーニング機能を兼用させないとしても、電荷受容体に対して帯電装置が常に静止しているため、転写後に電荷受容体上に付着している残留トナーや外添剤などの汚れをため込みやすく、画質欠陥や異常放電を生じてしまうという大きな欠点がある。
【0008】
一方、フィルム状の帯電装置(例えば特開平4−249270号公報参照)では、他の導電性部材に比べて簡単な構成で安定した接触が得やすく、部材のコストも安価であるものの、電荷受容体に押しつけられたまま帯電を行うため、摩擦帯電や帯電電極の振動により帯電電位が不安定になりやすい。また、ブレード状帯電器と同様に、接触ニップにトナーなどの異物が付着して帯電電位が不均一になるという問題点もある。このような問題点を改善するための手段として、上記の接触帯電装置に交流電圧を重畳した直流電圧を印加する方法もあるが、電荷受容体の表面エネルギーが増加してしまうため、クリーニング不良の発生や電荷受容体の磨耗が顕著になるといった問題が生じる。また、フィルム状部材に交流の周波数に応じた振動が起こり、帯電音が発生してしまうという欠点もある。さらに、上記のような交流電圧を重畳した直流電圧を印加する場合は、帯電効率が極めて低いという問題がある。例えば、エネルギー消費効率を算出すると、帯電器の消費電力エネルギーに対する、電荷受容体を帯電させる静電エネルギーの割合は、スコロトロンが0.5%、直流電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加した帯電ロールが2.6%であり、いずれも低効率になっている。
【0009】
このような低帯電効率や電荷受容体の劣化促進などの問題を解決するため、上記の半導電性の電極を電荷受容体に接触させて直流電圧を印加し、電荷受容体を帯電させる帯電装置も再度検討されている。しかし、このような方式では、エネルギー消費効率は27.3%と大きくなるものの、帯電電位が放電開始電圧と帯電電極の抵抗とにより一義的に決定されてしまうため、帯電電極の抵抗ムラや、抵抗の環境変動などによって帯電電位が不均一になってしまうという欠点がある。特に、帯電電極の表面材料として使用される高分子材料は、抵抗のばらつきが0.5桁〜1桁程度あるうえ、雰囲気の温湿度によって2桁程度変動してしまうという性質をもっている。さらに、帯電電極を電荷受容体に押しつけて接触させるので、トナーや放電生成物、空気中のほこり、紙粉といった汚れが帯電電極表面に付着しやすいうえ、このような汚れが付着すると、異常放電や不安定な放電が発生し、かぶりなどの画質欠陥が起こりやすいという欠点がある。この汚れに対する不安定さは、直流電圧を印加する場合に特に顕著となり、汚れが大量に付着することによる不均一な帯電は、特に高画質を目的とする画像形成装置には不向きであるという致命的な欠陥もある。
【0010】
そこで、上記欠点を回避するために、特開平4−232977号公報や特開平5−72869号公報に開示される帯電装置が提案されている。
この帯電装置は、可撓性を有するフィルム状部材を円筒状に形成した帯電電極を用い、これを支持ローラの周面に当接させるように支持して撓ませた状態で電荷受容体に接触させるものである。この帯電電極は、支持ローラの回転駆動により周面が無端移動するようになっており、その移動方向が電荷受容体との接触部で同方向となるように設定されている。また、帯電電極を支持ローラに安定して接触させるため、帯電電極を支持ローラの周面に押しつける押圧部材を設けることもできる。
【0011】
このような帯電装置では、帯電電極と電荷受容体との摩擦帯電が最小限になり、振動による帯電不良の発生を解消できるという利点がある。さらに、トナー等の異物も付着しにくく、不均一な帯電の発生を低減することが可能となる。また、異物が付着しても帯電電極が回転するため、同位置にとどまることがなくなり、縦筋状の画質欠陥の発生を回避することができる。
【0012】
しかし、上記の装置においても電荷受容体に接触するという点においては前述の各種帯電装置と同様であるため、長期の使用により帯電不良が発生し、同じような画質低下を招いてしまう。特にクリーニング装置を用いないクリーナレス画像形成装置では、電荷受容体上に未転写トナーや放電生成物等が付着したまま帯電装置と摺擦されるため、帯電装置表面の異物付着が助長されるという大きな不具合が生じる。さらに、電荷受容体上に複数のカラー画像を重ね合わせ、それを一括して紙に転写するIOI(Image On Image)画像形成装置においては、電荷受容体に接触すると画像が乱れてしまうため、上記の装置を含む接触型の帯電装置は使用不可能であるという致命的な欠陥がある。
【0013】
このような接触型の帯電装置の不具合を解決するため、特開平62−296174号公報や特開平63−75760号公報、特開平1−292358号公報に開示される帯電装置が提案されている。
この帯電装置は、半導電性の平板もしくは湾曲した板を電荷受容体に近接配置させ、その微小空隙に放電を発生されることにより電荷受容体を帯電するものである。したがって、電荷受容体に接触することによる前述の弊害を防ぐことができるため、クリーナレス画像形成装置やIOI画像形成装置においても使用することが可能である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開平62−296174号公報や特開平63−75760号公報、特開平1−292358号公報に記載の帯電装置では、以下に示すような問題点がある。
上記帯電装置では、帯電装置と電荷受容体との距離が2000μm以下と非常に近接しているため、画像形成時のわずかな偏心によるギャップ変動や、画像形成開始時もしくは終了時の電界的な衝撃によって電荷受容体上の異物が帯電装置表面に飛翔してしまう。このようにして付着物が増えると、上記の接触型帯電装置と同様に、帯電不良を起こしてしまうという欠点がある。
【0015】
このような不具合を回避するため、特開平6−194933号公報に開示される帯電装置では、回転するロールを非接触に配置し、異物付着による帯電不良の発生を低減する構成が提案されている。しかし、直流電圧を印加した微小空隙放電では、電荷受容体と帯電装置表面が最も近接する距離が1μm変動すると、電位が約3V変動するため、その変動幅を数μm以下に抑えなければならない。したがって、このような駆動源を持つロールをそのような精度で保持することはほとんど不可能であるという致命的な欠点がある。
【0016】
このような理由から、直流電圧ではなく直流電圧に交流電圧を重畳させた電圧を印加することも考えられる。しかし、前述のように被帯電体に対するダメージが大きいため、寿命が極端に短くなり、特にクリーナレス画像形成装置等では到底用いることは不可能である。
【0017】
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、帯電電極を安定して電荷受容体と非接触になるように保持しながら回転させることにより、均一かつ安定した帯電もしくは除電を行うことが可能であり、長期にわたり安定した画質が得られる帯電装置および除電用帯電装置を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明に係る帯電装置は、 半導電性材料によって円筒状に形成され、表面が移動する電荷受容体と非接触で対向するとともに、周方向に回転可能に支持された帯電電極と、 この帯電電極に帯電用の電圧を印加する電源とを有し、 該帯電電極と前記電荷受容体との対向部付近の微小間隙内で放電を生じさせることによって前記電荷受容体の表面を帯電するとともに、該電荷受容体と前記帯電電極との間で発生する静電気力により、該電荷受容体の表面の移動にともなって該帯電電極がその周方向に回転移動するものとする。
【0019】
このような帯電装置は、帯電電極が電荷受容体と非接触で対向するように支持されており、帯電電極に帯電用の電圧が印加されると、帯電電極は電荷受容体との間に発生する静電気力によって、電荷受容体が一定方向に移動するのにともなって周回移動する。その際、帯電電極と電荷受容体との間でほぼ均一な微小空隙が得られ、安定した帯電が行われる。また、静電気力によって帯電電極が電荷受容体と近接する静電吸引力作用領域が増加し、適切な空隙を保持した放電領域が広がるため、充分な帯電電位を得ることができる。
【0020】
請求項2に記載の発明に係る帯電装置は、請求項1に記載の帯電装置において、 前記帯電電極の外周面に当接され、該帯電電極の変位を規制することによって回転を安定化させる回転安定化部材を有することを特徴とする帯電装置である。
【0021】
このような帯電装置では、帯電電極の外周面と当接する回転安定化部材によって、帯電電極が遠心力等により過度に変形するのが防止されるとともに、電荷受容体側に安定して近接した状態を保つような力が加えられる。このため、帯電電極の回転が安定化し、均一な帯電電位が得られる。また、帯電電極の設置位置に対する自由度も大きくなる。また、帯電電極の真直度、真円度などが不十分である場合でも安定して給電を行うことができ、製造において高精度が要求されず、低コスト化が可能である。
【0022】
請求項3に記載の発明に係る帯電装置は、請求項2に記載の帯電装置において、 前記回転安定化部材は、前記帯電電極の両端部と当接する部分で、前記電荷受容体側へ該帯電電極を押す力が大きくなるような形状を有することを特徴とする帯電装置である。
【0023】
一般に、円筒状薄肉部材からなる帯電電極を用いた場合、電荷受容体の電位が軸方向において均一に除電されていると、帯電電極が電荷受容体との間の静電気力で回転するとき、帯電電極の両端部分の変形が他の部分に比べて大きくなる傾向にある。特に、帯電電極と電荷受容体との間の静電気力が大きいと、両端部分の変形によって帯電電極と電荷受容体との適切な間隙が保てなくなり、帯電ムラによって用紙の両サイドにかぶり状の画質欠陥を生じる。この傾向は、帯電電極の硬度が小さいほど顕著になってくる。しかし、本発明の帯電装置では、回転安定化部材の両端部分における帯電電極への押し付け力が中央部よりも大きくなるように設定されているので、帯電電極の両端部分に過度な変形を生じるのを防止することができる。このため、均一な帯電電位を得ることができ、かぶり状の画質欠陥の発生を防止することができる。
【0024】
請求項4に記載に発明に係る帯電装置は、請求項2又は請求項3に記載の帯電装置において、 前記回転安定化部材は、無端状の周面を有し、前記帯電電極の回転移動にともなって周方向に回転することが可能に支持されていることを特徴とする帯電装置である。
【0025】
このような帯電装置では、回転安定化部材が周方向に回転可能に設置されているので、帯電電極の回転を阻害することがなく、より安定して回転させることができる。また、帯電電極の表面を傷つけにくいという長所も有している。
【0026】
請求項5に記載の発明に係る帯電装置は、請求項2、請求項3又は請求項4に記載の帯電装置において、 前記回転安定化部材は導電性の材料からなり、この回転安定化部材を介して前記帯電電極に帯電用の電圧を印加するようになっていることを特徴とする帯電装置である。
【0027】
このような帯電装置では、帯電電極の外周面に当接される回転安定化部材を介して帯電用電圧が印加されるので、帯電電極の剛性の部分的なムラや偏心、膜厚、真直度のムラなどによって帯電電極の位置が変動しても、帯電電極と接触する回転安定化部材の位置は変化しないため、給電部から放電領域までの距離をほぼ一定に保つことができる。このため、帯電電極の抵抗の変動を抑制することが可能となり、帯電ムラの発生を防止できる。また、帯電電極の支持部材を絶縁性とすることで、放電領域近傍での帯電電極と電荷受容体間の容量の変動が低減され、より安定した帯電電位を得ることができる。
【0028】
請求項6に記載の発明に係る帯電装置は、請求項5に記載の帯電装置において、 前記回転安定化部材が前記帯電電極と当接する位置は、前記帯電電極と前記電荷受容体との対向部における放電領域の両端部からの距離がほぼ等しくなるように設定されていることを特徴とする帯電装置である。
【0029】
電荷受容体は帯電電極と対向する放電領域を通過する間に帯電されるが、回転安定化部材の給電位置を、放電領域の両端部からの距離が等しくなるように設定することにより、放電領域の後端部を通過するときの電荷受容体の帯電電位をほぼ一定にすることが可能となる。このため、帯電電位をより一層均一にすることができる。
【0030】
請求項7に記載の発明に係る帯電装置は、請求項5に記載の帯電装置において、 前記回転安定化部材は、前記帯電電極との当接位置を該帯電電極の周方向に変更可能となるように支持されていることを特徴とする帯電装置である。すなわち、回転安定化部材による給電位置を帯電電極の周方向に変更可能に設置するものである。
【0031】
一般に、帯電電極の帯電性は、帯電装置付近の温度もしくは湿度によって影響を受けるため、印加電圧に対する電荷受容体の帯電特性も変化する。低温低湿環境では、高温高湿環境に比べて空気のイオン化が生じにくく帯電されにくいため、同一の電圧を印加した場合は電荷受容体の帯電電位が変動してしまう。このため、この環境変動が画質に悪影響を及ぼす場合が多い。そこで本発明は、低温低湿環境では帯電電極との接触部から放電領域までの距離が短くなるように回転安定化部材の位置を制御し、給電位置から放電領域までの帯電電極の表面抵抗値が小さくなるように設定する。また、高温高湿環境では帯電電極との接触部から放電領域までの距離が長くなるように回転安定化部材の位置を制御し、給電位置から放電領域までの帯電電極の抵抗値が大きくなるように設定する。これにより、低温低湿環境での帯電電位の低下や、高温高湿環境での帯電電位の上昇を抑止することが可能となり、環境変動に影響されることなく均一で安定した帯電電位を得ることができる。
【0032】
請求項8に記載の発明に係る帯電装置は、請求項5に記載の帯電装置において、 前記回転安定化部材は、前記帯電電極の周方向に複数が設けられており、前記電源は、該複数の回転安定化部材の内の一つを選択して電圧を印加するものであることを特徴とする帯電装置である。
【0033】
このような帯電装置では、例えば低温低湿環境では印加電圧を大きくし、さらに帯電電極との接触部から放電領域までの距離が短く、帯電電極の抵抗が小さくなるように配置された回転安定化部材を使用する。一方、高温高湿環境では印加電圧を小さくし、さらに帯電電極との接触部から放電領域までの距離が長く、帯電電極の抵抗が大きくなるように配置された回転安定化部材を使用する。このように、温度・湿度によって給電位置及び印加電圧を選択することができる。このため、環境の変化による帯電電位の変動を防止して、均一で安定した帯電電位を得ることができる。また、回転安定化部材が複数あるため、帯電電極の回転が安定化し、より均一な帯電電位を得ることができる。
【0034】
請求項9に記載の発明に係る帯電装置は、 半導電性材料によって円筒状に形成された帯電電極と、 この帯電電極に帯電用の電圧を印加する電源と、 前記帯電電極と複数の位置で接触し、該帯電電極を、表面が移動する電荷受容体と非接触で対向させて周方向に回転可能に支持する電極支持手段とを有し、 該帯電電極と前記電荷受容体との対向部付近の微小間隙内で放電を生じさせることによって前記電荷受容体の表面を帯電するとともに、該電荷受容体と前記帯電電極との間で発生する静電気力により、該電荷受容体の表面の移動にともなって該帯電電極がその周方向に回転移動することを特徴とする帯電装置である。
【0035】
このような帯電装置では、電極支持手段によって帯電電極を適切な位置に規制し、より安定して回転させることができるので、帯電電極を電荷受容体側に安定して近接した状態に保持することができる。このため、より均一な帯電電極を安定して得ることができる。
【0036】
請求項10に記載の発明に係る帯電装置は、請求項9に記載の帯電装置において、 前記電極支持手段は、前記帯電電極との接触部分に、該帯電電極の外周面の幅方向にほぼ均等に当接されるブラシを有し、 前記電源から該ブラシを介して前記帯電電極に帯電用の電圧が印加されることとを特徴とする帯電装置である。
【0037】
本発明では、帯電電極がブラシによって支持されるとともに、導電性のブラシを介して帯電電極に給電されるので、ブラシが帯電電極と柔らかく接触し、帯電電極の損傷を防止することができる。また、ブラシにより帯電電極表面に付着した異物や汚れをかき落とすこともでき、帯電電極の状態を良好に保つことができる。
【0038】
請求項11に記載の発明に係る帯電装置は、請求項1から請求項10までのいずれかに記載の帯電装置において、 前記帯電電極が、電気抵抗値が小さい材料からなる内側層とこの内側層より高抵抗の表面層とを有することを特徴とする帯電装置である。
【0039】
このような帯電装置では、帯電電極に電圧が印加されると、低抵抗の内側層を通って電流が流れ、帯電電極と電荷受容体との近接位置で高抵抗の表面層を介して放電が発生する。このため、帯電電極が振動して給電位置から放電領域までの距離が変化しても、安定した放電が可能となり、帯電電位の変動を防止することができる。これは、低抵抗の内側層から高抵抗の表面層を介して放電が行われることにより、コンデンサーを介挿したのと同じような状態となり、高周波数の電流変動をならす効果があるためである。
【0040】
請求項12に記載の発明に係る帯電装置は、請求項1から請求項11までのいずれかに記載の帯電装置において、 前記帯電電極は、可撓性を有するフイルム状部材を円筒状に形成したものであることを特徴とする帯電装置である。
【0041】
このような柔らかいフィルム状の帯電電極を用いることにより、帯電電極の真直度などの外形精度を低くすることが可能になるため、製造負荷を低減することができる。また印加電圧を変化させることにより、簡単に帯電電極と電荷受容体との距離を変えることができるため、温度・湿度などの環境変化により好適に対応できるという利点も有している。
【0042】
請求項13に記載の発明に係る帯電装置は、請求項1から請求項12までのいずれかに記載の帯電装置において、 前記帯電電極に印加される電圧が、前記電荷受容体の表面電位をほぼ0Vとするように設定されていることを特徴とする帯電装置である。
【0043】
請求項14に記載の発明に係る帯電装置は、請求項1から請求項12までのいずれかに記載の帯電装置において、 前記帯電電極は、電子写真法によって像担持体上に形成されたトナー像が転写される被転写体と近接対向するように配置され、 該帯電電極に印加される電圧は、前記被転写体の表面電位をほぼ0Vとするように設定されていることを特徴とする帯電装置である。
【0044】
上記のような帯電装置は、感光体などの電荷受容体、又は中間転写体などの被転写体の表面電荷を除去する除電装置として機能するものである。感光体などの電荷受容体を除電するものとして光除電装置があるが、光による除電を行うと光疲労が促進され、感光体の寿命が短くなるという欠点がある。本発明の帯電装置では、微小間隔での放電により除電を行うため、そのような欠点を解消できる。また、電荷受容体や被転写体に性質によって、直流電圧、又は直流と交流との重畳電圧を適宜に設定することができ、簡単な構成で効率的に除電することが可能である。
【0045】
本願に係る発明の帯電装置における帯電電極の材料としては、半導電性を有するものであればどのようなものでもよく、たとえばポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリカーボネ−ト、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド、PEN、PEK、PES、PPS、PFA、PVdF、ETFE、CTFE等の樹脂、もしくはシリコーンゴム、EPDM、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、ニトリルゴム等の合成ゴムにカーボンブラックや金属粉末、金属酸化物等の導電性の粉末を混入したものを使用することができる。また、エピクロルヒドリンゴム、クロロプレンゴム、EPDMゴム等の有極性ゴムや、酸化チタン、アモルファスシリコン等の半導電性の無機材料を絶縁体の基体上に薄膜もしくは厚膜蒸着して形成してもよい。ただし、有極性ゴムなどは付着力が高く、また表面粗さも粗いため、低付着材料等で表面をコーティングすることによって、よりいっそう均一な帯電電位を得ることができる。また、従来の接触型では使用不可能であった、硬度は高いが精度よく作成することができる金属円筒等を好適に用いることも可能であり、絶縁破壊を防止するため、その表面に上記の各種材料を塗布、もしくは蒸着することによって好適に用いることが可能である。
【0046】
このとき、好ましい体積抵抗率となるように導電性粒子の混入量を調整する必要があり、102 Ω・cm以下では火花放電が発生しやすく、1011Ω・cm以上ではドット状の帯電不良を起こしやすいため、103 Ω・cm〜1010Ω・cmの範囲で使用するのが望ましい。特に、104 Ω・cm〜107 Ω・cmでは、帯電装置に印加する帯電電圧を比較的低く設定することが可能であるうえ、プロセススピードが150mm/sec以上の高速機で使用する場合には、電位変動を小さく抑えることが可能になるため、最も好ましい。
【0047】
帯電電極に印加する帯電電圧は、直流電圧、あるいは直流電圧に帯電開始電圧の2倍以上の交流電圧を重畳した電圧でもいずれでも良い。しかし、直流電圧に交流電圧を重畳した電圧では、電荷受容体および帯電装置表面の表面エネルギーを上昇させ、さらには電荷受容体に対して悪影響を及ぼすことから、直流電圧を用いることが望ましい。
【0048】
帯電電極は円筒状であり、その厚さとしては、10μm〜1mm程度のものが好適に用いられる。最適な厚さは、上述のバインダー材料として何を選択するかや、静電吸引力による回転が停止してしまう条件(主として重さ)などによって異なるが、一般的には薄い程よいといえる。しかし、あまり薄すぎると製造負荷が大きくなったり、耐久性が低下してしまうため、厚さのおおよその目安としては、真直度や同軸度とヤング率を組み合わせて、その指標にするとよい。本発明によれば、ヤング率が500[kg/cm2 ]〜10000[kg/cm2 ]となるように成形された柔らかい電極では、真直度は2mm以下であれば好適に用いることができる。ヤング率が10000[kg/cm2 ]以上の比較的硬い電極では、要求される帯電均一性や電荷受容体の真直度によっても異なるが、真直度は1mm以下、好ましくは0.5mm以下にするとよい。ただし、ヤング率は、同じ材料の場合、厚さを変えても一定の物理量であるが、実際の硬度という観点では、同じ材料の場合、薄いほど柔らかくなる。したがって、上記の目安を参考に、ヤング率が大きい場合には薄くすることによって柔軟性を引き出すことができ、ヤング率が小さい場合には、厚くすることによって耐久性を向上させることができる。
【0049】
帯電電極に帯電電圧を供給する方法としては、後述するように、帯電電極内に保持されている支持部材を用いることも可能であり、またそれとは別に、帯電電極外周面に接触するように給電電極を設けてもよい。
帯電電極に帯電電圧を供給する給電電極の材料としては、導電性を有するものであればどのようなものでもよく、たとえばポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド、PEN、PEK、PES、PPS、PFA、PVdF、ETFE、CTFE等の樹脂、もしくはシリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、ニトリルゴム等の合成ゴムにカーボンブラックや金属粉末等の導電性の粉末を混入したものを使用することができる。また、エピクロルヒドリンゴム、クロロプレンゴム、EPDMゴム等の有極性ゴムや、アモルファスシリコン等の半導電性の無機材料を絶縁体の基体上に薄膜もしくは厚膜蒸着して形成してもよい。ただし、有極性ゴムなどは付着力が高いため、低付着材料等で表面をコーティングするといった工夫が必要である。さらに、上記のような高分子材料に限ったものではなく、例えばSUS、アルミニウム、黄銅等の金属、水、アルコール、液体金属等の導電性液体等も使用することができる。ただし、導電性液体を使用する場合は、液体が帯電電極等に付着・飛散したり、蒸発するのを防止するための機構が必要である。
【0050】
給電電極の形状は、帯電電極表面もしくは裏面に接触することが可能であればどのような形状でもよく、たとえば、スポンジ、繊維、フェルト、ゴム、不織布、フォーム、ブラシ、ウエブ、ブレード、パドル、ゲル、樹脂、金属などからなるブロック体やロール等の回転体、もしくは往復運動をする刷毛状の部材などが好適に用いられる。ただし、帯電装置の形状によっては、静電吸引力による回転力を損なわないよう、接触部の圧力が小さいほうが望ましい場合があり、ブラシ、フェルト、不織布、スポンジ、ロールなどが好適に用いられる。
【0051】
給電電極の抵抗値としては、基本的には帯電電極の抵抗値よりも小さければ十分にその機能を果たすことができる。しかし、環境変化や経時変化による抵抗値の変動を考慮すると抵抗値はできるだけ小さいほうが、より安定した給電を行うことができる。本実験では103 Ω・cm以下に調整すると、最も安定した結果が得られているが、特にこの範囲に限られるものではない。
【0052】
本発明による帯電装置が組み込まれる画像形成装置としては、従来の感光体(被帯電体)のクリーニング装置が備えられている白黒、カラー複写機、プリンタなどが好適である。また、クリーニング装置が備えられていないクリーナレスの画像形成装置、もしくは、疑似的なクリーニング装置が備えられている場合においても好適に用いることが可能である。さらに、トナー像を感光体上に次々に重ね合わせ、最後に一括して紙に転写するIOIプロセスの帯電装置および除電装置(感光体上のトナーの帯電/除電も含む)としても十分に使用することができる。
【0053】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、請求項1に記載される発明の一実施形態である帯電装置を示す概略構成図であり、図1(a)は断面図、図1(b)は側面図である。以下、第1の実施形態と称する。
この帯電装置10は、一定方向に移動可能な電荷受容体1との対向位置に支持されており、半導電性の薄肉状部材を無端移動可能な周面を有するように円筒状に形成した帯電電極2と、この帯電電極2内に挿入され、帯電電極2を電荷受容体1と長手方向にほぼ等しい距離をおいて近接させるように支持する円筒状の電極支持部材3とを有している。さらに、上記電極支持部材3は電源4と接続されていて、該電極支持部材を介して帯電電極2に帯電用の電圧を印加するようになっている。
【0054】
上記電荷受容体1は、例えば円筒状の導体基板1a上に光導電性層1bが積層された構成のものであり、該導体基板1aは電気的に接地されている。そして、帯電電極2との接触部近傍の微小空隙で放電が生じることによって、電荷受容体1の表面が帯電されるようになっている。
【0055】
上記帯電電極2は、フイルム状部材の周長が電極支持部材3の周長よりも大きく形成されており、電圧を印加していない時には、自重によって多少変形するものの、ほぼ真円に近い形状になっている。しかし、図2(a)に示すように、帯電電極2に電圧が印加されると、帯電電極2と電極支持部材3との間に静電気力が発生し、図2(b)に示すように電荷受容体1の方にやや引っ張られるような形状になる。この静電吸引力によって帯電電極2は、常に電荷受容体1に近づこうとする力を与えられるため、電荷受容体1の回転に従動して回転するようになる。この帯電電極2の動作については後述するが、柔らかい帯電電極を用いるほどこの撓みは大きくなり、硬度が高い金属薄肉円筒などではほとんど変形しない。しかし、静電吸引力は、電荷受容体1と帯電電極2との距離に依存する物理量であるため、帯電電極2の硬度によってその距離を適切に調節することにより、どのような電極でも安定して回転することが可能になる。
【0056】
この帯電電極2を構成する円筒状部材としては、厚さが30〜200μm程度の金属円筒状に前述の半導電性材料を塗布した半導電性の部材が用いられている。この円筒状部材は、例えばポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリカーボネイト、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリフッ化ビニリデンなどのフイルム中にカーボンブラックなどの導電性粒子を混入することにより形成されており、好ましい体積抵抗率となるように導電性粒子の混入量が調整されている。このとき、体積抵抗率が102 Ω・cm以下では火花放電が発生し易く、1011Ω・cm以上ではドット状の帯電不良を起こし易いため、103 〜1010Ω・cmの範囲で使用するのが望ましい。特に103 〜107 Ω・cmでは、使用する帯電電圧を比較的低く設定することが可能となり、消費電力を節約できる点でも好ましい。
【0057】
上記電極支持部材3は、帯電電極2への給電を兼ねるため周面が導電性材料で形成されており、例えばアルミニウム、SUSなどの金属、或は体積抵抗率が帯電電極2の体積抵抗率以下になるように形成された導電性高分子材料、例えばポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド、PEN、PEK、PES、PPS、PFA、PVdF、ETFE、CTFE等の樹脂、もしくはシリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、ニトリルゴム等の合成ゴムにカーボンブラックや金属粉末等の導電性の粉末を混入したものを使用することができる。また、エピクロルヒドリンゴム、クロロプレンゴム、EPDMゴム等の有極性ゴムや、アモルファスシリコン等の半導電性の無機材料を絶縁体の基体上に薄膜もしくは厚膜蒸着して形成してもよい。この電極支持部材3は、図1(b)に示すように帯電電極2の長手方向における全長より若干長く設けられており、回転しないように帯電装置内で固定支持されている。
【0058】
上記電源4は、電荷受容体1の帯電工程で帯電電極2に直流電圧を印加できるものである。また、図中の点線で示すように、直流に交流を重畳した電圧を印加するように設定してもよい。この電源4の印加電圧については後述する。
【0059】
このような帯電装置では、電源4から導電性の電極支持部材3を介して帯電電極2に所定の電圧が印加されると、図3に示すように帯電電極2は電極支持部材3との間に発生する静電気力によって電極支持部材3の側に引き寄せられる。この帯電電極2は電荷受容体1との間に発生する静電気力によって、電荷受容体1が一定方向に移動するのに従動して回転する。このとき、帯電電極2は電極支持部材3に支持されながら、長手方向にほぼ一定の静電吸引力を受けるため、電荷受容体1との近接点近傍でその移動方向に若干膨らんだような形状となる。帯電電極2には電源4から所定の電圧が印加されており、帯電電極2と電荷受容体1との近接部近傍の微小間隙で放電が生じ、空気のイオン化が発生する。電極支持部材3に電源4の負極性側が接続されていると、マイナスのイオン又は電子が電荷受容体1側に流れてこれを帯電し、プラスのイオンは帯電電極2側へ到達して中和される。
【0060】
このように上記帯電装置では、帯電電極と電荷受容体との間で均一な微小空隙が得られ、安定した帯電が行われる。また、図3に示すように静電気力によって帯電電極2が電荷受容体1と近接する静電吸引力作用領域が増加し、適切な間隙を保持した放電領域が広がるため、充分な帯電電位を得ることができる。さらに、帯電電極2に半導電性部材を用いたことにより、空隙のどの部分に対しても過大な電流が流れるのを防止することができ、電荷受容体1に対して均一な帯電が可能となる。なお、図3では、静電吸引力の作用を説明するため、帯電電極2が大きく撓んでいるように示されているが、この撓み量は帯電電極2の硬度によって異なり、本実施形態の金属薄肉円筒では、ほとんど撓まないことは明らかである。
【0061】
次に図4に示すような帯電試験装置を用いて上記帯電装置の帯電テストを実施した結果を示す。この帯電試験装置は、電荷受容体1の周囲に、電荷受容体1表面の電位を検知する表面電位センサー11と、表面を除電する除電ランプ13とを有し、該表面電位センサー11に表面電位計12が接続されている。電荷受容体1の回転方向における表面電位センサー11の上流側には本実施形態の帯電装置10が配置され、帯電電極2が電荷受容体1の表面に近接するように支持されている。電極支持部材3には直流電源14が接続され、直流の帯電電圧が印加されるようになっている。この直流電源14は電圧を任意に変えることができるものであり、これに伴って変化する電荷受容体1の表面電位を表面電位計12で測定するようになっている。
【0062】
上記帯電電極2には、ポリフッ化ビニリデン系塗料およびアクリル系塗料を用いて、体積抵抗率がそれぞれ105 Ω・cm、107 Ω・cmとなるように形成したものを厚さ100μmの中空薄肉円筒状SUSにディッピング処理したものと、厚さ1mmの中空薄肉円筒状ガラス上にa−Siを蒸着して同様の体積抵抗率になるように形成したものを使用した。この帯電電極2の径は12.5mmとし、電極支持部材3として、Φ10のアルミ柱を用いた。
【0063】
図5は、上記帯電試験装置を用いた帯電テストにおいて、帯電電極2に直流電圧を印加した際の印加電圧と電荷受容体1の表面電位との関係を示したものである。この図において、直流電源14から0〜−2000Vの直流電圧を印加したところ、電荷受容体1の表面電位は約−1000Vの印加電圧から上昇し始め、−2000Vの印加電圧で約−1000Vに達することが確認された。この間、帯電装置10による異常放電の発生はなかった。また、帯電電極2の材質や寸法、又は電極支持部材3の寸法などの組み合わせについては、上記すべての場合において良好な結果を得た。
【0064】
また、電荷受容体1が回転している時の帯電装置2の回転速度を測定したところ、図6に示すように印加電圧を上昇していくと、約−300Vで帯電電極2は電荷受容体1に従動して回転し始め、約−500Vまでは回転が不安定となり、静止と回転とを不規則に繰り返した。さらに印加電圧を上昇すると、−800V付近から安定して回転し始め、その後は一定速度の良好な回転が得られた。すなわち、適切な印加電圧を設定すると、電荷受容体1との静電気力によって回転が安定化し、均一な帯電が行われることが確認された。なお、上記テストにおいて、帯電電極の回転速度は電荷受容体10回転分の平均値により求めた。このような帯電装置では、帯電電極2を回転させるための特別な機構が必要ないため、装置の小型化が可能となるという利点がある。
【0065】
さらに、一般的に知られるパッシェンの式で示されているように、放電開始電圧は空隙長さの関数であり、空隙長さが大きいほど放電開始電圧は高くなる。この関係を示したものを図7に示す。例えば、帯電電極2が電荷受容体1に接触している場合の放電開始電圧は約−600Vであるが、空隙長さ0.1mmの場合には、放電開始電圧は約−1000Vである。したがって、同じ印加電圧で放電させた場合、帯電電極2が電荷受容体1から離れるほど帯電電位は低くなる。したがって、印加電圧の低電圧化という観点からは、なるべく近接配置したほうが良いといえる。本実施形態では、図5に示されるように、帯電開始電圧が−1000Vであるため、図7より、帯電電極2と電荷受容体1との空隙は約0.1mmであるといえる。この空隙は、特にこの距離に限定されるものではなく、実験では約2mm離間した場合においてもほぼ同等の帯電均一性が得られることが確認されている。
【0066】
図8は、上記帯電装置10が適用される画像形成装置を示す概略構成図である。この画像形成装置は、一様帯電後に像光を照射することによって潜像が形成される感光体(電荷受容体)20を備え、この感光体20の周囲に、感光体20表面を帯電させる本実施形態の帯電装置10のほか、露光装置21、現像装置22、転写ローラ25、クリーニング装置27、及び除電ランプ28を有している。さらに装置内には、用紙24を収容する用紙カセット23、トナー像を定着する定着装置26等を有している。
【0067】
このような画像形成装置では、帯電装置10により感光体20が所定の電位に帯電された後、露光装置21により画像情報に対応したレーザー光が照射され、感光体20の表面に静電潜像が形成される。この静電潜像は現像装置22により現像され、トナーの付着による可視像が形成される。さらに、用紙カセット23から用紙24がペーパーガイド29に沿って感光体20と転写ローラ25との間に搬送され、転写ローラ25によりトナー像が用紙24上に転写される。転写されたトナー像は定着装置26で定着され、1枚の複写画像が形成される。一方、感光体20の回転にともない、感光体20上に残留したトナーはクリーニング装置27で清掃され、除電ランプ28により感光体20表面が除電された後、再び帯電装置10による帯電工程に入る。なお、上記工程において帯電装置10へ印加される電圧には、−1400Vの直流電圧、又は−400Vの直流成分にピーク間電圧2100Vの交流成分を重畳した電圧が設定され、これにより電荷受容体1の帯電電位は約−400Vとなる。このような画像形成装置を用いてプリント像を形成し、帯電装置10の信頼性テストを行ったところ、帯電電位が均一で、図9(a)に示すように画質欠陥のない良好な画像が得られることが確認された。
【0068】
次に、電荷受容体1と帯電装置10との位置関係が帯電特性に与える影響について調べるため、図10に示すように電荷受容体1の周囲の4ケ所に位置を変えて帯電装置10を設置し、それぞれについて上記と同様の帯電テスト及び複写テストを実施した。その結果、(b)又は(d)のように電荷受容体1の側方に配置した場合や、(c)のように下方に配置した場合には、帯電電極2の回転が不安定となった。特に(c)の位置では給電不良が顕著となり、図9(b)に示すように横黒線が帯電電極2の周長の間隔で発生した。一方、図10(a)のように上方に配置した場合には、給電が安定化し、帯電電極2の回転も安定するため、画質欠陥のない良好な画像が得られた。
【0069】
上記帯電装置10は、上記図8に示すような画像形成装置において適用されるが、例えば帯電装置をトナーカートリッジ等と一体化し、画像形成装置に着脱可能に支持されるようにしてもよい。これにより、使用済のカートリッジを回収し、工場で帯電電極2のみを交換すれば帯電装置の再使用が可能であり、リサイクルのために有効であるとともに、低コスト化を実現できる。
【0070】
さらに、上記帯電装置10は、図11に示すように、クリーニング装置を用いないクリーナレス画像形成装置においても同様に適用することができる。この画像形成装置のプロセスは、前述の図8とほとんど同じであるが、電荷受容体30上に残留した未転写トナーはそのまま帯電装置10を通過し、現像装置32で回収される。もしくは、転写装置35によって100%に近い転写を行うことにより、未転写トナーを極力少なくしている。このような画像形成装置では、異物付着という観点から、本実施形態に示される帯電装置のように、感光体30に非接触に配置されるものが最も適しており、本発明を適用することにより、従来はスコロトロンで行われていた帯電装置に比べ、低コスト、オゾンレス、小型、低電圧など、非常にメリットが大きいといえる。
【0071】
図12は、請求項2に記載の発明の一実施形態である帯電装置を示す概略構成図であり、図12(a)は断面図、図12(b)は側面図である。
この帯電装置は、上記図1に示す帯電装置10に加えて、電極支持部材43の上方に所定の間隔をおいて支持される回転安定化部材45を有している。この回転安定化部材45は、長手方向(電荷受容体の進行方向とほぼ直角の方向)にほぼ均等な矩形断面を有するものであり、帯電電極42の外周面と当接して該帯電電極42を電荷受容体側へ軽く押圧するようになっている。この回転安定化部材45を形成する材料としては柔らかいものや平滑性が高いもの、表面エネルギーが小さいものなどが望ましく、例えばポリエチレン、ポリウレタン、シリコーンなどを発砲させたスポンジが用いられる。この他、フェルト、ブラシ、フォーム、不織布等の弾性材料からなるものが好適に用いられるが特にこれに限ったものではない。たとえば、ゴム、ゲル、ブレード、パドル、樹脂、金属などからなるブロック体やロール等の回転体、往復運動する部材なども好適に用いられる。ブラシの材料としては、例えばレーヨン、アクリル、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどの高分子材料が挙げられる。これらの材料からなる回転安定化部材45は、帯電電極42を電極支持部材43に強く押し当てないように、且つ帯電電極42の外周面と当接するような位置に支持される。なお、この帯電装置の他の構成は上記図1に示す帯電装置と同じである。
【0072】
このような帯電装置では、帯電電極42に電圧が印加されると、電極支持部材43との間に発生する静電吸引力によって帯電電極42が電極支持部材43とさらに近接し、電荷受容体41との静電吸引力によって電荷受容体41の移動方向へ引っ張られる。これとともに、帯電電極42の外周面と当接する回転安定化部材45によって、帯電電極42は遠心力等によって過度に変形するのが防止されるとともに、電荷受容体41側に安定して近接した状態を保つような力が加えられる。このとき、帯電電極42にかかる力は、図12(a)に示すように、電荷受容体41との静電吸引力によって電荷受容体41に沿って回転しようとする力FE と、帯電電極42と電極支持部材43との間に働く摩擦力FH と、回転安定化部材45との間に働く摩擦力FS とであり、それぞれの力の向きは図中に示す通りである。従って、FS とFH との和よりもFE が大きければ、帯電電極42が回転することがわかる。実際は、FE は帯電電極42に印加される電圧値と距離に依存し、FH は電極支持部材43及び帯電電極42の表面状態に依存するため、印加電圧および電圧印加時の帯電電極42と電荷受容体41との距離、電極支持部材43及び帯電電極42の設定条件が等しければ、上記の関係を満たすように回転安定化部材45の材質及び位置等を設定すればよいことがわかる。
【0073】
このような帯電装置では、回転安定化部材45が帯電電極42と当接することにより、帯電電極42の回転が安定化し、均一な帯電電位が得られることが確認された。また、帯電装置を電荷受容体41の周囲のどの位置に配置しても、安定した帯電が行われることが確認された。さらに、帯電電極42の真直度、真円度などが不十分である場合でも安定して給電を行うことができ、製造において高精度が要求されず、低コスト化を実現できる。また、直流電圧に比べると回転が不安定になり易い直流と交流との重畳電圧を印加する場合にも、安定した帯電を行うことができ、これとともに、電荷受容体41と非接触に保たれているため、帯電音を低減できるという効果も有している。
【0074】
図13は、請求項2に記載の発明の他の実施形態である帯電装置で用いられる電極支持部材53を示す斜視図である。
この帯電装置は、上記図12に示す帯電装置で用いられる電極支持部材43に代えて、円筒状部材を支持軸53aに等間隔で配置したリブ状の電極支持部材53を有している。この電極支持部材53は、電圧印加時に円筒状部材の周面と帯電電極とが接触するものであり、上記図12に示す帯電装置と比較して帯電電極との接触面積が小さくなるように設定されている。この電極支持部材53の材料としては、アルミニウムと、EPDM及びフッ素樹脂に導電性カーボンブラック粉末などを混入して体積抵抗率が帯電電極より小さくなるように生成したものを使用した。電極支持部材53の材料としては、この3種に限ったものではなく、上述した各種導電性材料が使用できる。なお、この帯電装置の他の構成は、上記図12に示す帯電装置と同じである。
【0075】
このような帯電装置において、電極支持部材53の形状及び材質の効果を把握するため、回転安定化部材の大きさと設置位置とを変えて評価した結果を示す。図14に示すように、回転安定化部材の幅(帯電電極の移動方向における長さ)Cは、2mm,4mm,6mmの3種類に設定した。また設置位置は、回転安定化部材55の周面と電極支持部材53との距離aと、回転安定化部材55の中心線と電極支持部材53の中心線との距離bとを、それぞれ3段階に変えて設定した。回転安定化部材55の材料としてはポリウレタンフォームを用いた。また比較のため、電極支持部材の形状を本実施形態のリブ状支持部材の他、図12に示すような円筒状支持部材についても同様の実験を行った。
【0076】
表1は、各々について帯電テスト及びプリントテストを実施した結果を示したものである。
(以下余白)
【表1】
Figure 0003962473
【0077】
この表において、アルミリブローラとアルミローラとを比較すると、アルミリブローラを用いることにより、回転安定化部材の大きさ及び設置位置につい
て、良好な結果が得られる範囲が広がることが認められた。また、滑性の高いフッ素樹脂ローラを用いても、アルミリブローラとほぼ同様の効果が認められた。一方、摩擦の大きいEPDMローラを用いた場合には、回転安定化部材の設定可能な範囲が狭くなり、設定を厳密に行わなければならないことが分かる。以上の結果から、帯電電極と電極支持部材との摩擦力を下げることにより、回転安定化部材を設けることによって良好な結果が得られる範囲が広がるとともに、安定した帯電が行われることが確認された。さらに、回転安定化部材は、支持部材の中心線よりも図14中右側に(表では前側)に設置することにより、帯電電極の回転安定性が向上し、より均一な帯電電位を得ることがわかった。この場合、電極支持部材と回転安定化部材の間に帯電電極を挟みこむのではなく、帯電電極が回転によって上方に跳ね上がるのを押さえる程度に離間して設置するとよい。
【0078】
図15(a)は、請求項3に記載の発明の一実施形態である帯電装置を示す概略構成図であり、図15(b)は、この帯電装置で用いられる回転安定化部材65を示す概略斜視図である。
この帯電装置では、図12に示す帯電装置で用いられる回転安定化部材45に代えて、長手方向における両端部の厚さT1を中央部の厚さT2よりも大きくして、両端部が突出するように形成した回転安定化部材65を備えている。この回転安定化部材65は、両端部の突出した部分が帯電電極62の両端部に当接するように支持されており、両端部分の帯電電極62を電荷受容体61に押し付ける効果が、中央部よりも大きくなるように設定されている。この回転安定化部材65の材料としては、発砲材料等の図12に示す回転安定化部材45と同様のものを用いることができ、また厚さの異なる発砲部材や硬度の異なる材料などを組み合わせて使用してもよい。
【0079】
本実施形態では、回転安定化部材65の条件は、以下のように設定した。
回転安定化部材の材質 :発砲ウレタン
中央部における電極支持部材63とのギャップ :0.75mm
両端部における電極支持部材63とのギャップ :0.25mm
回転安定化部材の幅W :4mm
回転安定化部材の両端部の厚さT1 :2.5mm
回転安定化部材の中央部の厚さT2 :2mm
なお、この帯電装置の他の構成は、図12に示す帯電装置と同じである。
【0080】
次に、このような帯電装置の動作について説明する。一般に、円筒状薄肉部材からなる帯電電極を用いた場合には、電荷受容体の電位が軸方向において均一に除電されていると、帯電電極が電荷受容体との間の静電気力で回転するとき、帯電電極の両端部分の変形が他の部分に比べて大きくなる傾向にある。特に、帯電電極と電荷受容体との間の静電気力が大きいと、両端部分の変形によって帯電電極と電荷受容体との適切な間隙が保てなくなり、帯電ムラによって用紙の両サイドにかぶり状の画質欠陥を生じる場合がある。この傾向は、帯電電極の硬度が小さいほど顕著になってくる。しかし、本実施形態の帯電装置では、回転安定化部材65の両端部分における帯電電極62を押し付ける効果が中央部よりも大きくなるように設定されているので、帯電電極62の両端部分に過度な変形が生じるのを防止することができる。このため、均一な帯電電位を得ることができ、かぶり状の画質欠陥の発生を防止することができる。
【0081】
このような帯電装置を用いてプリントテストを行ったところ、用紙の両サイドにかぶり状の画質欠陥は発生せず、良好な画質の画像が得られることが確認された。なお、上記回転安定化部材65には発砲部材が用いられているが、ブラシ状の部材など、このほか図12に示す実施形態中で説明される各種の材料および形状のものを用いることもでき、同様の効果を得ることができる。特にブラシの場合は、毛足の長さが異なる2種類のブラシ部材を組み合わせてもよい。
【0082】
図16は、請求項3に記載の発明の他の実施形態である帯電装置で用いられる回転安定化部材70を示す概略斜視図である。
この回転安定化部材70は、上記図15に示す回転安定化部材65と異なり、両端部の幅(帯電電極の回転方向長さ)W1を中央部の幅W2よりも長く設定し、回転安定化部材と帯電電極との接触面積を、帯電電極の中央部よりも両端部で広く取るようにしたものである。これとともに、長手方向における両端部の厚さT1を中央部の厚さT2よりも大きくして、両端部が突出するように形成されている。本実施形態では、回転安定化部材70の厚さはT1を2.5mm、T2を2mmに設定し、幅はW1を8mm、W2を4mmに設定した。この回転安定化部材70の材料は、図15に示す回転安定化部材65と同じものを用いることができ、長さ及び厚さの異なる発砲部材を組み合わせてもよい。なお、この回転安定化部材70を適用する帯電装置の構成も、図15に示す帯電装置と同じである。
【0083】
このような帯電装置においても、帯電電極の両端部で電荷受容体に押し付ける効果を中央部よりも大きくすることができ、用紙端部のかぶり状の画質欠陥の発生を防止することができる。また、帯電電極の横ずれを防止する効果もあり、安定した帯電を行うことができる。このような回転安定化部材70を使用した場合についてプリントテストを実施したところ、良好な画質の画像が得られることが確認された。比較のため、両端部の押圧力又は接触幅を中央部と同じに設定した回転安定化部材を使用してプリントテストを実施したところ、用紙の幅に比べて帯電電極の幅が余り大きくない場合は、用紙の両サイドに僅かながら横筋状のかぶりが発生した。
【0084】
図17は、請求項5に記載の発明の一実施形態である帯電装置を示す概略構成図である。
この帯電装置は、絶縁性の材料からなる円筒状の電極支持部材73と、導電性の材料からなる板状の回転安定化部材75とを有するものであり、回転安定化部材75に電源74が接続されている。この電極支持部材73及び回転安定化部材75の形状は上記図12に示すものと同じであり、この帯電装置の他の構成も図12に示す帯電装置と同じである。
【0085】
このような帯電装置を用いてプリントテストを行ったところ、上記と同様、良好な画像が得られることが確認された。さらに電極支持部材73は、カーボンなどの導電性粉末を混入する必要がないため、帯電電極72との摩擦力を更に低下することが可能であり、帯電電極をより安定して回転させることができるという利点もある。
【0086】
さらに、帯電電極の外部から給電すると帯電電位のムラが改善され、特に高周波のノイズ状のムラがほとんどなくなることがわかった。本実施形態によるこのような効果についてそのメカニズムを図28を用いて説明する。
すなわち、図1に示す帯電装置の場合は、帯電電極は電荷受容体との静電吸引力によって回転するため、帯電電極の剛性の部分的な不均一さや偏心、膜厚、真直度のムラなどによって図28(a)中に実線および破線で示すように、帯電電極の位置が変動し、放電領域近傍の給電部がCからDに変動してしまう。そのため、放電領域から見た抵抗値が変化してしまい、電位のムラが大きくなってしまうのである。また、放電領域近傍の帯電電極と導電性の電極支持部材がくっついたり離れたりするため、図28(b)中に示すたて線の範囲で双方の間隙が変動し、過渡的な容量の変動が生じてしまう。そのため、高周波のノイズがより一層大きくなってしまうのである。しかし、本実施形態では帯電電極の外側から電圧を印加しているので、給電部から放電領域までの距離をほぼ一定に保つことができ、抵抗の変動を抑制することが可能になる。また、電極支持部材を絶縁性にすることで、放電領域近傍での容量の変動を低減することが可能になる。以上の二つの理由から、より安定した帯電電位を得ることが可能なのである。
【0087】
図18は、請求項4又は請求項5に記載される発明の一実施形態である帯電装置を示す概略構成図であり、図18(a)は断面図、図18(b)は側面図である。
この帯電装置は、図中の矢印方向に移動可能な電荷受容体81との対向位置に支持されており、半導電性部材を無端移動可能な周面を有するように円筒状に形成した帯電電極82と、この帯電電極82内に挿入され、帯電電極82を電荷受容体81と接触させるように支持する、円筒状の電極支持部材83とを有している。さらに、直流電源84と接続されている給電電極を兼用した回転安定化部材85が設置されており、上記電極支持部材83との間に帯電電極82を挟みこむように配置されている。
【0088】
帯電電極82および電極支持部材83は図1に示す実施形態と同様のものを用いており、静電吸引力によって帯電電極82は電荷受容体81に近接しながら図中の矢印方向に回転している。回転安定化部材85は、EPDMにカーボンを分散させることにより、体積抵抗が103 Ω・cm程度になるように形成された導電性ゴムロールで、中心は金属のシャフトが挿入されており、図に示される矢印の方向に力Fで帯電電極82に接触しながら従動するように設置されている。この力Fの大きさは、帯電電極82の回転を安定化するためには、帯電電極82と電荷受容体81との間に働く静電吸引力よりも小さいほうがよい。
【0089】
このような帯電装置を用いて図4に示される帯電試験装置による帯電性試験を行ったところ、第1の実施形態と同様に良好な結果が得られた。また、図8に示される画像形成装置および図11に示すクリーナレス画像形成装置を用いてプリントテストを行ったところ、かぶりなどの画質欠陥のない良好な画像が得られることが確認された。また、回転安定化部材85を導電性のゴム材料を用いて構成しているので、帯電電極と柔らかく接触できるため、電極表面を傷つけにくいという効果も有している。さらに、回転安定化部材が自由に回転可能に設置されていることにより、支持部材83との間に帯電電極82を挟みこむようにしても帯電電極82の回転を阻害することがないため、より安定して回転することが可能になるという長所もあることが分かった。
【0090】
本実施形態では、EPDMにカーボンを分散させてロール状に成形したものを使用しているが、もちろんこの構成に限ったものではなく、金属やブラシロールなど、これまでの実施例で使用してきた各種の材料、形状のものを用いることができる。また、この実験では帯電電極82の表面から帯電電圧を供給しているが、図1に示す帯電装置等のように、電極支持部材83を導電性の材料を用いて成形し、帯電電極82の内面から給電しても、同様の効果が得られることは明らかである。
【0091】
図19(a)は、請求項6に記載される発明の一実施形態である帯電装置を示す概略構成図である。
この帯電装置は、図17に示される帯電装置とほぼ同じ構成であるが、給電を兼用する回転安定化部材95の位置が異なり、帯電電極92と電荷受容体91との間の放電開始位置A1 からの周方向の距離と、放電停止位置A2 からの周方向の位置とがほぼ等しい位置で、回転安定化部材95が帯電電極92と接触するように支持されている。なお、この帯電装置の他の構成は、図17に示す帯電装置と同じである。
【0092】
このような帯電装置では、電荷受容体91は、帯電電極92との対向位置で、放電開始位置A1 から放電停止位置A2 を通過する間に帯電されるが、放電開始位置A1 および放電停止位置A2 から回転安定化部材95までの周方向の距離をほぼ等しくすることにより、放電停止位置A2 を通過する時の電荷受容体91の表面電位をほぼ均一にすることができる。このため、帯電電位の変動をより確実に防止することが可能になる。
【0093】
また、図19(b)に示す帯電装置のように、回転安定化部材98に直流電源96に交流電源97を重畳させた電圧を印加し、放電開始位置B1 からの周方向の距離と、放電停止位置B2 からの周方向の距離とがほぼ等しい位置で、回転安定化部材98が帯電電極92と接触するような構成にすることも可能である。上記電源96、97から印加される電圧は、例えば−400Vの直流成分に、交流成分としてピーク間電圧2.1kV、周波数400Hzのsin波を重畳した電圧が設定される。これによって直流に交流を重畳した電圧を印加する場合にも、放電停止位置B2を通過する時の電荷受容体91の帯電電位をほぼ均一にすることができ、帯電電位の変動を防止することができる。
以上のような構成にすることにより、帯電電極92の表面抵抗値が部分的にばらついているような場合においても、常に一定の電圧を印加することが可能になるため、安定した帯電電位を得ることができる。
【0094】
図20は、請求項7に記載される発明の一実施形態である帯電装置を示す概略構成図である。
この帯電装置は、図17に示す帯電装置で用いられる固定式の給電電極兼用回転安定化部材75の代わりに、帯電電極102との接触位置が該帯電電極の周方向に移動可能となるように保持されたロール状の給電電極105が設置されている。
【0095】
この回転安定化部材105は、帯電電極102の上方で支持棒108を介して可動部材107に連結されており、装置内に固定支持されたレール106上を該可動部材107がが摺動することにより、帯電電極102の周面上を移動するようになっている。そして、周囲の温度・湿度が図示しないセンサーなどによって検知され、これに基づき可動部材107の駆動が制御され、回転安定化部材105と帯電電極102との接触部が適切な位置となるように、回転安定化部材105の移動が制御されるようになっている。この回転安定化部材105の位置は以下のように制御される。
【0096】
帯電電極102の帯電性は、帯電装置付近の温度もしくは湿度によって影響を受けるため、図5に示される帯電特性も変化する。低温低湿環境では、高温高湿環境に比べて空気のイオン化が発生しにくく帯電されにくいため、例えば両環境下での同一印加電圧による帯電電位は約50Vの開きがある。このため、この環境変動が画質に悪影響を及ぼす場合が多い。本実施形態では、このような帯電電位の変動を抑制するため、低温低湿では図20中に示す実線のように、帯電電極102との接触部から放電開始位置までの距離が短くなるように回転安定化部材105の位置を制御し、給電位置から放電領域までの帯電電極の表面抵抗値が小さくなるように設定する。また、高温高湿下では図20中に示す点線のように、帯電電極102との接触部から放電開始位置までの距離が長くなるように回転安定化部材105の位置を制御し、給電位置から放電領域までの帯電電極の抵抗が大きくなるように設定する。
なお、この帯電装置の他の構成は図17に示す帯電装置と同じである。
【0097】
このような帯電装置では、周囲の環境に応じて給電位置を制御することが可能であり、温度・湿度の変化によって帯電電位が変動するのを防止することができる。なお、この装置では、環境に応じて給電電極を兼用している回転安定化部材が移動するため、その設定条件によっては、給電状況は良好でも回転が不安定になってしまうことも考えられる。そのような条件が発生してしまうような構成、および帯電電極の材料を選択する場合には、図20中の回転安定化部材105を給電電極としてのみ作用するようにし、帯電電極102の回転を安定化する目的にはもう一つ別の部材を設置すると良い。
【0098】
本実施形態では温度もしくは湿度を検知することによって回転安定化部材105を移動させているが、もちろんこの制御方法に限ったものではない。例えば、長期に使用するうちに帯電電極102の回転が不安定になったり、回転開始時に不安定な動きをする場合などがある。このようなときは、あらかじめ帯電電極の回転状態もしくは電荷受容体上の電位をモニターしておき、その状態によって回転安定化部材105を制御すると良い。
【0099】
このような帯電装置を用いて図4に示される帯電試験装置による帯電性試験を行ったところ、高温高湿環境から低温低湿環境まで安定した帯電特性を示し、帯電電位の差は10V程度まで向上した。また、図8に示す画像形成装置および図11に示すクリーナレス画像形成装置を用いてプリントテストを行ったところ、かぶりなどの画質欠陥のない良好な画像が得られることが確認された。
【0100】
図21は、請求項8に記載される発明の一実施形態である帯電装置を示す概略構成図である。
この帯電装置は、図17に示す帯電装置で用いられる回転安定化部材75および電源74に代えて、帯電電極112の周方向に配置された3本のロール状の給電電極兼用回転安定化部材115a、115b、115cと、該回転安定化部材のうちの一つを選択して電位を付与する印加電圧切替え装置116と、3つの電源114を備えている。
【0101】
上記回転安定化部材115a、115b、115cは、図20に示す回転安定化部材105と同じ構成の導電性ゴムロールからなり、図に示される矢印方向の力Fで帯電電極112に接触しながら従動回転するように支持されている。この力Fの大きさは、帯電電極112の回転を安定化するためには、帯電電極112と電荷受容体111との間に働く静電吸引力よりも小さいほうがよい。
【0102】
上記電源114は、印加電圧切替え装置116を介して回転安定化部材115に接続されており、3本の回転安定化部材にそれぞれ独立して異なる帯電電圧を印加することが可能である。印加電圧切替え装置116は、温度・湿度などの図示しない検知信号によって常に1種の印加電圧と電極である回転安定化部材115を選択可能に構成されている。本実施形態では、低温低湿では印加電圧を大きくし、さらに帯電電極112との接触部から放電領域までの距離が短く、帯電電極の抵抗が小さくなるように配置された回転安定化部材115aを使用し、高温高湿では印加電圧を小さくし、さらに帯電電極112との接触部から放電領域までの距離が長く、帯電電極の抵抗が大きくなるように配置された回転安定化部材115cを使用するように選択される。なお、回転安定化部材115bは、通常の環境で使用するように設定されている。
【0103】
このような帯電装置を用いて図4に示される帯電試験装置による帯電性試験を行ったところ、高温高湿環境から低温低湿環境まで安定した帯電特性を示し、帯電電位の差は5V以下にまで向上した。また、図8に示される画像形成装置、および図11に示されるクリーナレス画像形成装置を用いてプリントテストを行ったところ、かぶりなどの画質欠陥のない良好な画像が得られることが確認された。さらに、回転安定化部材115が複数あるため、1本の回転安定化部材が帯電電極112に給電している際、他の2本はこれまでの実施形態で示された回転安定化部材と同様の役割を果たすため、帯電電極112が安定して回転し、より均一な帯電電位になるという効果も有している。
【0104】
この実施形態では、複数の給電電極と複数の印加電圧を用いているが、帯電特性の環境依存性の影響を排除するための構成としては、図21の構成に限ったものではない。すなわち、各環境によって放電領域から給電部までの抵抗値を制御することにより、同様の効果を得ることができる。したがって、図21の他に、例えば直流電源は1種とし、給電電極を複数有する構成や、電源も給電電極も1種で、給電電極と帯電電極との接触点を変化させる手段を有する構成なども十分な効果がある。
【0105】
以上の結果より、図21の構成にすることによって、帯電電極表面に接触するものが増えるため、帯電電極の回転が阻害されやすくなるという欠点もあるが、適切な位置に設置することにより、回転も安定し、かつ環境依存性もない優れた帯電装置を提供することができることがわかった。
【0106】
図22は、請求項9に記載される発明の一実施形態である帯電装置を示す概略構成図である。
この帯電装置は、前述の実施形態に示される帯電電極とほぼ同じ構成の帯電電極122と、この帯電電極122を内挿し、該帯電電極122の外側を覆うように固定支持された枠体127とを有している。さらに、この枠体127は電源124と接続されており、帯電電極122に帯電用の電圧を印加している。
【0107】
枠体127に用いられる材料としては、導電性を有する材料であればどのようなものでもよく、たとえばポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド、PEN、PEK、PES、PPS、PFA、PVdF、ETFE、CTFE等の樹脂、もしくはシリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、ニトリルゴム等の合成ゴムにカーボンブラックや金属粉末等の導電性の粉末を混入したものを使用することができる。また、エピクロルヒドリンゴム、クロロプレンゴム、EPDMゴム等の有極性ゴムや、アモルファスシリコン等の半導電性の無機材料を絶縁体の基体上に薄膜もしくは厚膜蒸着して形成してもよい。ただし、有極性ゴムなどは付着力が高いため、低付着材料等で表面をコーティングするといった工夫が必要である。
【0108】
枠体127の形状としては、帯電電極122が落下したり不必要に中で動き回らないような構成であればどのような形でも良い。たとえば、メッシュ状の枠体や、帯電電極122の両端部だけをつり下げるようにしたもの、円形に構成された枠体などが挙げられる。また、内側にスポンジなどを張り付けて、帯電電極122の回転を安定にするような構成にしてもよい。
【0109】
このような帯電装置を用いて図4に示される帯電試験装置による帯電性試験を行ったところ、非常に安定した帯電特性を示した。また、図8に示される画像形成装置、および図11に示されるクリーナレス画像形成装置を用いてプリントテストを行ったところ、かぶりなどの画質欠陥のない良好な画像が得られることが確認された。帯電電極122の位置を規制する働きが高いので、より安定した回転が行われることが確認された。
【0110】
また他の構成として、図23に示されるように、枠体128を帯電電極122の両端の非画像形成領域にのみ設置することも可能である。一般に、長期にわたって使用すると、摺擦によって帯電電極122の表面に細かい傷ができてしまうことがあるが、図23のような構成にすることにより、画像領域における帯電電極122表面への接触物がないため、傷などが発生することなく、長期に渡って安定して使用できるという大きな利点がある。
【0111】
図24は、請求項10に記載される発明の一実施形態である帯電装置を示す概略構成図である。
この帯電装置は、図中の矢印方向に移動可能な電荷受容体131との対向位置に設置されており、薄肉円筒状部材を無端移動可能な周面を有するように円筒状に形成した帯電電極132と、この帯電電極132の外側を覆うように固定され、帯電電極132を電荷受容体131と非接触に対向させるように支持する枠体136とを有している。さらに、直流電源134と接続されているブラシ状の給電電極137が枠体136の内側に設置されており、帯電電極132が枠体136内で移動することを防止するためのブラシ状の支持部材133が枠体136の内側に設置されている。
【0112】
帯電電極132は図1に示す実施形態と同様のものを用いており、静電吸引力によって帯電電極132は電荷受容体131に近接しながら図中の矢印方向に回転している。給電電極137は、レーヨンにカーボンを分散させることにより、体積抵抗が103 Ω・cm程度になるように形成された導電性のブラシであり、帯電電極132の回転を妨げないよう、回転方向に若干寝かせた形状で枠体に固定されている。ブラシ状の給電電極137に用いられる材料はレーヨンに限ったものではなく、ポリエステル、ナイロン等のように、繊維状に形成できる材料であればどのような材質のものを用いてもよい。支持部材133は、レーヨン、ナイロン等を繊維状に形成し、給電電極と同様に、回転方向に若干寝かせた形状で枠体に固定されている。また、枠体136は、絶縁性の材料であればどのような材質で形成されていてもよく、例えばポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリフッ化ビニリデン、アクリル、POM、フェノール、フッ素樹脂等の高分子材料が好適に用いられる。また、電荷受容体131に放電しない程度に十分離間して設置する場合には、上記の絶縁性の材料の他に、導電性の材料、例えばポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリカーボネ−ト、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド、PEN、PEK、PES、PPS、PFA、PVdF、ETFE、CTFE等の樹脂、もしくはシリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、ニトリルゴム等の合成ゴムにカーボンブラックや金属粉末等の導電性の粉末を混入したものを使用することができる。また、エピクロルヒドリンゴム、クロロプレンゴム、EPDMゴム等の有極性ゴムや、アモルファスシリコン等の半導電性の無機材料を絶縁体の基体上に薄膜もしくは厚膜蒸着して形成してもよい。
【0113】
このような帯電装置を用いて図4に示される帯電試験装置による帯電性試験を行ったところ、第1の実施形態と同様に良好な結果が得られた。また、図8に示される画像形成装置および図11に示されるクリーナレス画像形成装置を用いてプリントテストを行ったところ、かぶりなどの画質欠陥のない良好な画像が得られることが確認された。また、給電電極137を導電性のブラシで構成しているので、帯電電極132と柔らかく接触できるため、電極表面を傷つけにくいという効果も有している。さらに、支持部材133が帯電電極132上に付着した異物や汚れをかき落とす効果もあるため、帯電装置としての寿命が長くなるという特徴もある。これは、特に汚れが付着しやすいクリーナレス画像形成装置に対して有効な効果であるといえる。また、帯電電極132の位置を規制する働きが高く、給電電極137と支持部材133が帯電電極132の回転を安定化させる効果も有しているため、より安定した回転が行われ、良好な帯電均一性が得られることが確認された。
【0114】
また、この実施形態では枠体136の内部にブラシ状の部材を使用したが、特にこの形状に限ったものではなく、たとえば、スポンジ、フェルト、不織布、ブレード、平滑性の高い板状の部材等を用いても同様の効果が得られる。ただし、上述したように、帯電電極132表面に付着した異物を除去する効果については、特にブラシ状のものが優れている。
【0115】
図25は、請求項11に記載される発明の一実施形態である帯電装置を示す概略構成図である。
この帯電装置は、薄肉円筒状の帯電電極142と、この帯電電極142内に挿入され、帯電電極142を電荷受容体141に対して近接配置するように支持する円筒状の支持部材143とを有している。
【0116】
上記帯電電極142は、低抵抗の内側層142aと高抵抗の外側層142bとを有するものであり、低抵抗の内側層142aで給電電極を兼用する電極支持部材143と接触し、高抵抗の外側層142bが電荷受容体141と対向するようになっている。帯電電極を構成する低抵抗の内側層142aは、前述の実施形態に示した各種の材料が使用可能であるが、高抵抗の外側層142bを形成する材料としては、もちろん同様の材料でも構わないが、エピクロルヒドリンゴム、クロロプレンゴム、EPDMゴムなどの有極性ゴム材料やイオン導電性の材料が好ましい。本実施形態では、帯電電極としてエピクロルヒドリンゴムが用いられており、内側層142aの体積抵抗率が103 Ω・cm、外側層142bの体積抵抗率は1010Ω・cm、厚さはされぞれ50μmに設定されている。また、有極性ゴムは付着力が高いため、外側層142bの表面にフッ素系の低付着材料によるコーティングが施されている。
なお、この帯電装置の他の構成は、図1に示される帯電装置と同じである。
【0117】
このような帯電装置では、電源144から給電電極を兼用する電極支持部材143を介して帯電電極142に電圧が印加されると、低抵抗の内側層142aを通って電流が流れ、高抵抗の外側層142bと電荷受容体141との近接領域で該外側層142bを介して放電が発生し、放電電流が流れる。これにともなって、電荷受容体141と帯電電極142の間に生じる静電吸引力によって帯電電極142は電荷受容体141の方に引っ張られ、この電荷受容体141の周回移動に従動して回転する。
【0118】
このような帯電装置では、帯電電極142が振動して電極支持部材143との接触部から放電領域までの距離が変わっても、安定した放電が可能であり、帯電電位の変動を防止することができる。これは、低抵抗の内側層142aから高抵抗の外側層142bを介して放電が行われることにより、コンデンサーを介挿したのと同じような状態になり、高周波の電流変動をならす効果があるためである。なお、帯電電極142が振動して電極支持部材143との接触部から放電領域までの距離が変わると発生する弊害については、図17の実施形態に示されるとおりである。
【0119】
このような帯電装置を用いて図4に示される帯電試験装置による帯電性試験を行ったところ、第1の実施形態と同様に良好な結果が得られた。また、図8に示される画像形成装置および図11に示されるクリーナレス画像形成装置を用いてプリントテストを行ったところ、かぶりなどの画質欠陥のない良好な画像が得られることが確認された。さらに、帯電電極142の内側に配置された電極支持部材143が給電を兼用するため、帯電電極の外側面142bを傷つけることがなく、長期に渡って安定した帯電を行うことができるという効果も有している。
【0120】
図26は、請求項12に記載される発明の一実施形態である帯電装置を示す概略構成図である。
この帯電装置は、図1に示す帯電装置とほぼ同じ構成であるが、帯電電極152に用いる材料として、高分子材料から構成される可撓性を有するフィルム状の部材を用いている。この帯電電極152は、比較的硬度が高いものとは異なり、静電吸引力によって図26に示されるように、かなり大きく撓む。したがって、電極支持部材153はあらかじめ離しておかないと電圧が印加された時点で、帯電電極152が電荷受容体151に接触してしまうので注意が必要である。
【0121】
このような柔らかい帯電電極を用いることにより、帯電電極の真直度などの外形精度を低くすることが可能になるため、製造負荷が低減するという大きな利点がある。また、印加電圧を変化させることにより簡単に帯電電極152と電荷受容体151との距離を変えることができるため、環境特性などにも優れた帯電装置を提供することができる。
【0122】
本実施形態では、ポリカーボネート、ナイロン、PVdFにカーボンブラックを混入して体積抵抗率を106 Ω・cmに調整した、厚さ50μm、直径12.5mmのフィルム状部材が用いられている。この帯電電極を構成するフィルム状部材としては、特にこれに限ったものではないが、厚さが30〜200μm程度の可撓性を有する半導電性の部材が好適に用いられている。このフィルム状部材は、たとえばポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリフッ化ビニリデン、アクリルなどの高分子材料から形成されるフィルム中にカーボンブラックなどの導電性粒子を混入することにより形成されており、好ましい体積抵抗率(103 Ω・cm〜1010Ω・cm)となるように導電性粒子の混入量を調整している。また、引張弾性率10〜280kg/mm2 程度に設定されているものがよい。なお、この帯電装置のその他の構成は図1に示す帯電装置と同じである。
【0123】
このような帯電装置を用いて図4に示される帯電試験装置による帯電性試験を行ったところ、図1に示される帯電装置と同様に良好な結果が得られた。また、図8に示される画像形成装置および図11に示されるクリーナレス画像形成装置を用いてプリントテストを行ったところ、かぶりなどの画質欠陥のない良好な画像が得られることが確認された。
【0124】
図27は、請求項13および請求項14に記載される発明の一実施形態である帯電装置が適用される画像形成装置を示す概略構成図である。
この画像形成装置はカラーのタンデム型画像形成装置であり、4台の画像形成ユニット162a、162b、162c、162dを有している。これらの画像形成ユニットの構成は、それぞれ図8と同じ構成になっているが、各現像装置にはそれぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーが入っている。また、この画像形成装置には被転写体として、ロール168に張架された中間転写ベルト167が備えられており、この中間転写ベルト167は、イエローユニット162a、マゼンタユニット162b、シアンユニット162c、ブラックユニット162dにまたがって延在し、循環移動するように駆動されている。各ユニットから中間転写ベルト167に転写する際は、転写装置165a〜165dに転写用の電圧が印加される。さらに、4台の画像形成ユニット162a、162b、162c、162dの感光体と中間転写ベルト167には、それぞれ本発明による帯電装置161a、161b、161c、161d、161eが設けられている。但し、本実施形態では、この帯電装置は、感光体および中間転写ベルト167上に残留した電荷を除去する除電装置として機能しており、感光体の帯電用としては、別に設置されている。
【0125】
この画像形成装置では、図中矢印方向に移動する中間転写ベルト167上に、各色のトナーが順次重ね合わさるように一次転写され、その中間転写ベルト167から、転写装置165eによって用紙163上に一括して二次転写されるようになっている。用紙163は、用紙パス164に沿って移動し、定着装置166で定着され、プリント像が完成する。一方、トナーを転写した後の画像形成ユニット162a、162b、162c、162dは、図示しないクリーニング装置によって残留トナーが除去される。そして、本発明の除電用帯電装置161a、161b、161c、161dによって、残留電荷が除電され、帯電装置への侵入電位は0Vに均一化される。除電用帯電装置161a、161b、161c、161dには、図示しない電源から+950V〜+1000V程度の電圧が印加されている。また、二次転写後の中間転写体167は、画像形成ユニット161aに侵入する前に本発明の除電用帯電装置161eによって残留電荷が除電される。除電用帯電装置161eには、図示しない交流電源から、ピーク間電圧が約2.2kV程度のAC電圧が印加されている。
【0126】
中間転写ベルト167は、ポリイミド、ポリカーボネート、PVdF等の高分子フィルムや、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の合成ゴムにカーボンブラック等の導電性フィラーを添加して導電化したもの等が用いられる。転写装置165a〜165eは、シリコーンゴム、EPDM、ウレタンゴム等の合成ゴムにカーボンブラック等の導電性フィラーを添加して導電化したもの等であり、その直径は10〜30mm程度のものである。転写装置165a〜165dには、図示しない電源から+0.5〜1.5kV程度の電圧が印加されており、画像形成ユニット162a、162b、162c、162dからトナー像が静電気力で転写されるようになっている。一方、用紙163へ転写する転写装置165eには、図示しない電源から+1.5〜3.0kV程度の電圧が印加されており、中間転写ベルト167から多重のトナー像が、静電気力で用紙163に一括して転写されるようになっている。その他画像形成ユニット162a、162b、162c、162d内の構成や材料については図8に示す装置と同じである。
【0127】
一般に、画像形成装置の帯電装置に直流電圧が印加されている場合、侵入電位のパターンによって帯電電位が変動しやすくなり、ゴーストという画質欠陥が発生しやすくなるという欠点がある。したがって、特にカラー画像のように高画質が要求される画像形成装置においては、帯電装置の上流側に光除電装置、もしくは放電による除電装置を設ける必要がある。感光体を除電する場合、光による除電を行うと、光疲労が促進され、感光体の寿命が短くなるという欠点がある。したがって、本実施形態に示されるような放電型の除電装置も用いられるが、交流電圧を印加すると、前述のように感光体表面の表面エネルギーが増加するため、他のプロセスに各種の悪影響を及ぼしてしまう。そこで、直流電圧を印加することによってなるべく感光体を劣化させない工夫が必要になるのである。
【0128】
一方、中間転写ベルトは、絶縁性もしくは高抵抗の材料によって形成されるため、何回も転写を繰り返すうちに残留電位が大きくなり、転写不良が発生しやすいという欠点がある。転写ベルトは感光体と異なり光導電性を持たないものが一般的であるため、放電デバイスによる除電が必要になってくる。しかし、転写ベルト上の残留電位は、感光体と異なり、プラスからマイナスまで大きく変動していることがほとんどであり、その大きさは時には2000Vを越えることもある。したがって、転写ベルト等の除電には、どのような侵入電位に対しても常に0V近辺にすることが可能なロバスト性が求められる。そこで、直流電圧ではなく、AC放電を利用する必要が生じる。また、転写ベルトなどの被転写体は、表面エネルギーが増加してもほとんど弊害がないため、AC放電が最適なのである。
以上のことから、本発明による帯電装置を感光体および被転写体の除電用帯電装置として用いることにより、簡単な構成で効率的に除電することが可能になる。
【0129】
このような画像形成装置を用いて図4に示される帯電試験装置による帯電性試験を行ったところ、帯電装置への侵入電位がほぼ均一に0Vとなり、イレーズランプと同等の結果が得られることが確認された。また、図27の画像形成装置を用いてプリントテストを行ったところ、かぶりなどの画質欠陥のない良好なカラー画像が得られることが確認された。
以上の結果から、本発明の帯電装置が感光体および中間転写ベルトの除電用帯電装置として非常に有効であることが明らかになった。
【0130】
上記画像形成装置は、第1の実施形態と同様に、図11に示される、クリーニング装置を用いないクリーナレス画像形成装置に置き換えても同様に適用することができる。クリーナレス装置は、このようなタンデムタイプの画像形成装置に適用することにより、カラー画像形成装置として使用することができる。
【0131】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明に係る帯電装置によれば、帯電電極を電荷受容体に対して非接触に配置しているため、帯電電極の異物付着などを大幅に低減することができる。これにより、安定して電荷受容体との放電領域を保持することが可能となり、均一な帯電電位を得ることが可能である。また、帯電電極の伸直度や同軸度などの精度が多少悪くても、十分に均一な帯電電位を得ることができるため、歩留りの向上が図れるという効果もある。そのうえ、帯電電極の硬度には硬いものから柔らかいものまで広範囲にわたる材料が使用可能であるという利点もある。さらに、電荷受容体に対して非接触であるため、電荷受容体に傷を付けたりすることがなく、またクリーナレス装置やカラー画像形成装置にも、好適に用いることができる帯電装置を実現できる。また、帯電装置としてだけではなく、電荷を除去する除電用装置としても高い性能を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1に記載の発明の一実施形態である帯電装置を示す概略構成図である。
【図2】 上記図1に示す帯電装置であって、帯電電極に電圧を印加した時としない時との状態を表す図である。
【図3】 上記図1に示す帯電装置であって、静電吸引力によって帯電電極が回転する様子を示す図である。
【図4】 上記帯電装置の試験を行うための帯電試験装置を示す概略構成図である。
【図5】 上記図1に示す帯電装置の試験結果を示す図であって、帯電装置に印加する直流電圧と、帯電された電荷受容体の表面電位との関係を示す図である。
【図6】 上記図1に示す帯電装置の試験結果を示す図であって、帯電電極に印加する直流電圧と帯電電極の回転速度の関係を示す図である。
【図7】 パッシェンの法則から導かれる空隙張に対する放電開始電圧の関係を示す図である。
【図8】 上記図1の帯電装置を用いて構成される画像形成装置の概略構成図である。
【図9】 上記図8に示す画像形成装置を用いて得られた画像の例を示す図である。
【図10】 上記図1に示す帯電装置の設置場所を変化させた様子を示す図である。
【図11】 上記図1の帯電装置を用いて構成されるクリーナレスタイプの画像形成装置の概略構成図である。
【図12】 請求項2に記載の発明の一実施形態である帯電装置を示す概略構成図である。
【図13】 上記図12の帯電装置に適用される帯電電極支持部材の他の形態を示す図である。
【図14】 上記図12の帯電装置に適用される設定条件を説明する図である。
【図15】 請求項3に記載の発明の一実施形態である帯電装置を示す概略構成図である。
【図16】 上記図15に適用される回転安定化部材の他の形状を示す概略構成図である。
【図17】 請求項5に記載の発明の一実施形態である帯電装置を示す概略構成図である。
【図18】 請求項4又は請求項5に記載の発明の一実施形態である帯電装置を示す概略構成図である。
【図19】 請求項6に記載の発明の一実施形態である帯電装置を示す概略構成図である。
【図20】 請求項7に記載の発明の一実施形態である帯電装置を示す概略構成図である。
【図21】 請求項8に記載の発明の一実施形態である帯電装置を表す概略構成図である。
【図22】 請求項9に記載の発明の一実施形態である帯電装置を示す概略構成図である。
【図23】 請求項9に記載の発明の他の実施形態である帯電装置を示す概略構成図である。
【図24】 請求項10に記載の発明の一実施形態である帯電装置を示す概略構成図である。
【図25】 請求項11に記載の発明の一実施形態である帯電装置を示す概略構成図である。
【図26】 請求項12に記載の発明の一実施形態である帯電装置を示す概略構成図である。
【図27】 請求項13および請求項14に記載の発明の一実施形態である帯電装置および除電用帯電装置とそれらが組み込まれるタンデム型の画像形成装置を示す概略構成図である。
【図28】 請求項2に記載の発明のメカニズムを説明する図である。
【符号の説明】
1、41、51、61、71、81、91、101、111、121、
131、141、151 電荷受容体
2、42、52、62、72、82、92、102、112、122、
132、142、152 帯電電極
3、43、53、63、73、83、93、103、113、123、
133、143、153 電極支持部材
4、44、74、84、94、104、114、124
134、144、154 直流電源
45、55、65、70、75、85、95、98、105、
115 回転安定化部材
10 帯電装置
11 表面電位センサー
12 表面電位計
13 除電ランプ
14 直流電源
20、30 感光体
21、31 露光装置
22、32 現像装置
23、33 用紙カセット
24、34 用紙
25、35 転写装置
26、36 定着装置
27 クリーニング装置
28、38 除電ランプ
29、39 用紙パス
96 直流電源
97 交流電源
106 レール
107 可動部材
108 支持棒
116 印加電圧切替え装置
127、128、136 枠体
137 給電電極
161 除電用帯電装置
162 画像形成ユニット
163 用紙
164 用紙パス
165 転写装置
166 定着装置
167 中間転写ベルト
168 ロール

Claims (14)

  1. 半導電性材料によって円筒状に形成され、表面が移動する電荷受容体と非接触で対向するとともに、周方向に回転可能に支持された帯電電極と、
    この帯電電極に帯電用の電圧を印加する電源とを有し、
    該帯電電極と前記電荷受容体との対向部付近の微小間隙内で放電を生じさせることによって前記電荷受容体の表面を帯電するとともに、該電荷受容体と前記帯電電極との間で発生する静電気力により、該電荷受容体の表面の移動にともなって該帯電電極がその周方向に回転移動することを特徴とする帯電装置。
  2. 請求項1に記載の帯電装置において、
    前記帯電電極の外周面に当接され、該帯電電極の変位を規制することによって回転を安定化させる回転安定化部材を有することを特徴とする帯電装置。
  3. 請求項2に記載の帯電装置において、
    前記回転安定化部材は、前記帯電電極の両端部と当接する部分で、前記電荷受容体側へ該帯電電極を押す力が大きくなるような形状を有することを特徴とする帯電装置。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の帯電装置において、
    前記回転安定化部材は、無端状の周面を有し、前記帯電電極の回転移動にともなって周方向に回転することが可能に支持されていることを特徴とする帯電装置。
  5. 請求項2、請求項3又は請求項4に記載の帯電装置において、
    前記回転安定化部材は導電性の材料からなり、この回転安定化部材を介して前記帯電電極に帯電用の電圧を印加するようになっていることを特徴とする帯電装置。
  6. 請求項5に記載の帯電装置において、
    前記回転安定化部材が前記帯電電極と当接する位置は、前記帯電電極と前記電荷受容体との対向部における放電領域の両端部からの距離がほぼ等しくなるように設定されていることを特徴とする帯電装置。
  7. 請求項5に記載の帯電装置において、
    前記回転安定化部材は、前記帯電電極との当接位置を該帯電電極の周方向に変更可能となるように支持されていることを特徴とする帯電装置。
  8. 請求項5に記載の帯電装置において、
    前記回転安定化部材は、前記帯電電極の周方向に複数が設けられており、前記電源は、該複数の回転安定化部材の内の一つを選択して電圧を印加するものであることを特徴とする帯電装置。
  9. 半導電性材料によって円筒状に形成された帯電電極と、
    この帯電電極に帯電用の電圧を印加する電源と、
    前記帯電電極と複数の位置で接触し、該帯電電極を、表面が移動する電荷受容体と非接触で対向させて周方向に回転可能に支持する電極支持手段とを有し、
    該帯電電極と前記電荷受容体との対向部付近の微小間隙内で放電を生じさせることによって前記電荷受容体の表面を帯電するとともに、該電荷受容体と前記帯電電極との間で発生する静電気力により、該電荷受容体の表面の移動にともなって該帯電電極がその周方向に回転移動することを特徴とする帯電装置。
  10. 請求項9に記載の帯電装置において、
    前記電極支持手段は、前記帯電電極との接触部分に、該帯電電極の外周面の幅方向にほぼ均等に当接されるブラシを有し、
    前記電源から該ブラシを介して前記帯電電極に帯電用の電圧が印加されることとを特徴とする帯電装置。
  11. 請求項1から請求項10までのいずれかに記載の帯電装置において、
    前記帯電電極が、電気抵抗値が小さい材料からなる内側層とこの内側層より高抵抗の表面層とを有することを特徴とする帯電装置。
  12. 請求項1から請求項11までのいずれかに記載の帯電装置において、
    前記帯電電極は、可撓性を有するフイルム状部材を円筒状に形成したものであることを特徴とする帯電装置。
  13. 請求項1から請求項12までのいずれかに記載の帯電装置において、
    前記帯電電極に印加される電圧が、前記電荷受容体の表面電位をほぼ0Vとするように設定されていることを特徴とする帯電装置。
  14. 請求項1から請求項12までのいずれかに記載の帯電装置において、
    前記帯電電極は、電子写真法によって像担持体上に形成されたトナー像が転写される被転写体と近接対向するように配置され、
    該帯電電極に印加される電圧は、前記被転写体の表面電位をほぼ0Vとするように設定されていることを特徴とする帯電装置。
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