JP3961381B2 - 内燃エンジン用シリンダ及びその内周面処理方法 - Google Patents

内燃エンジン用シリンダ及びその内周面処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃エンジン用シリンダ及びその内周面処理方法に係り、特に、ピストン摺動面となる内周面にめっき処理を施したアルミニウム合金製の内燃エンジン用シリンダ及びその内周面処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の携帯型動力作業機等に使用されている小型空冷2サイクルガソリンエンジン用シリンダの代表例として、図4に示される如くのものが挙げられる(後述する本発明の実施形態のシリンダ)。図示のシリンダ1は、アルミニウム合金製で、左右一対の柱状膨出部2a、2aが設けられている胴部2と、スキッシュドーム形と呼ばれる燃焼室4が設けられた頭部3と、が一体に形成されており、その外周部には多数の冷却フィン19が形成され、また、前記頭部3には点火プラグ装着用の雌ネジ部18が形成されている。
【0003】
前記胴部2におけるピストン摺動面となる内周面(シリンダボア面)9には、ピストン15により開閉される吸気ポート5及び排気ポート6が、上下に段違いで向かい合うように開口せしめられるとともに、該両ポート5、6と周方向に沿って約90°位置をずらして、前記柱状膨出部2a、2aの内部に、所定厚みを有する内壁7a、7a付きの中空掃気通路7、7が設けられ、この掃気通路7、7の下流側端部(上端部)に、前記ピストン15により開閉される左右一対の掃気ポート8、8が、前記シリンダボア9の前記排気ポート6とは反対方向に向けてやや上向きに形成されている。
【0004】
なお、前記シリンダ1は、前記排気ポート6を二分割する縦断面Fを挟んで対称的に前記一対の掃気ポート8、8が設けられた、所謂シュニューレ二流掃気式のシリンダであるが、掃気ポートをさらに追加して二対設けた、所謂四流掃気式のものも知られている。また、掃気通路の形態としては、図示されている如くの、前記内壁7a、7a付き中空のもの、及び、前記内壁7a、7aが無いもの(前記内周面9側が開口している)ものの他、クランク室から掃気通路を通じて掃気ポートに導かれる混合気をピストンのスカート部に接触させるべく、前記掃気通路の上部に所定厚みを有する半壁を残して、その下部に高さ方向に沿って切欠開ポート部を形成した、半壁付きのものもある。
【0005】
前記した如くのアルミニウム合金製の2サイクル内燃エンジン用シリンダ1は、通常、ハイプレシャーダイカスト法等で鋳造した後、前記ピストン15が摺動せしめられる前記内周面9については、耐摩耗性等を高めるため、めっき処理(めっき皮膜10)を施すようにされる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来、前記シリンダ1の前記内周面9のめっき処理としては、電源として直流電源を用いたニッケル(Ni)系めっきや、クロム(Cr)系めっきが多く採用されている。ところが、この直流電源を用いためっきでは、図3に、前記吸気ポート5、前記排気ポート6、前記掃気ポート8、8等の、前記内周面9に開口するポート部分が示されている(ここでは、前記吸気ポート5を代表として例示)ように、前記内周面9に直流電源を用いためっきを施すと、前記めっき皮膜10(の開口端縁角部)に、盛り上がり部10aが形成されるとともに、花咲きと呼ばれる髭状部10bが形成され、膜厚が不均一で、表面も粗いものとなる。前記めっき皮膜10に、前記盛り上がり部10a等が存在してその膜厚が不均一で表面も粗いと、ピストンの摺動性等が低下し、実用に耐えない。
【0007】
そのため、従来においては、前記めっき皮膜10は、予め仕上げ代を加味して厚めに形成され、めっき後、前記盛り上がり部10aを除去して膜厚の均一化等を図るべく、前記内周面9のホーニング加工や、前記各ポート部の面取り加工等の研削加工を施すことが必要となっており、内燃エンジン用シリンダの製造コストが高くなる嫌いがあった。
【0008】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、ピストン摺動面となる内周面に形成されるめっき皮膜の膜厚の均一化及び平滑化が図られて、ホーニング加工等の研削加工を不要にすることもできる、内周面に高品質で低コストのめっき処理が施された内燃エンジン用シリンダ、及び、かかるシリンダを得ることのできる内周面処理方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成すべく、本発明に係るアルミニウム合金製の内燃エンジン用シリンダの内周面処理方法は、シリンダ内に円筒形状の陽極電極を挿入するとともに、めっき槽からめっき溶液を前記陽極電極内を介して前記シリンダ内に充填しながら流下させて前記めっき槽に戻し、前記シリンダ内と前記めっき槽との間を循環させ、ピストン摺動面となる内周面に、高速極性反転電源を用いてPR(Periodical Reverse)法によりめっきを施すようにした方法であり、この内周面処理方法によりめっきが施された内燃エンジン用シリンダは、ピストン摺動面となる内周面に、ピストンにより開閉せしめられる吸気ポート、排気ポート、掃気ポート等のポートが少なくとも一つ開口せしめられており、前記内周面に、高速極性反転電源を用いたPR(Periodical Reverse)法による、例えば、鉄系やニッケル系のめっきが施されている。
そして、前記高速極性反転電源は、正電流値×正電流時間=正積算量、及び、逆電流値×逆電流時間=逆積算量として、前記積算量に対する前記積算量の比を正逆積算比としたとき、前記正逆積算比を段階的に変えて所定時間ずつ電解を行うものであり、第一段階で、前記正逆積算比を1〜100の範囲内の値として、前記内周面にめっき皮膜を生成する電解めっきを所定時間行い、第二段階で、前記正逆積算比を0.01〜0.9の範囲内の値として、前記めっき皮膜を溶解する電解を所定時間行い、第三段階で、前記正逆積算比を1〜100の範囲内の値として、前記陽極電極に生成されためっき皮膜を除去する電解を所定時間行うことを特徴としている。
【0010】
一方、本発明に係る内燃エンジン用シリンダは前記のいずれかの内周面処理方法により、ピストン摺動面となる内周面に、めっきを施したことを特徴としている
【0011】
好ましい態様では、正電流を流す時間が50ms以下で、逆電流を流す時間が5ms以下とされる。
【0012】
ここで、一般に、極性反転電源を用いたPR(Periodical Reverse)法は、主に、光沢めっきを得る方法として知られている。正電流(正電圧)と逆電流(逆電圧)を周期的に反転させ、めっき皮膜の生成と溶解を繰り返す。逆電時には、電解研磨作用により、凸部が優先的に溶解され、正電時には、凹部への金属イオンの蓄積により、凹部の濃度分極の復極作用が大になり、平滑化が促進される。かかるPR法は、通常、正電流(を流す)時間が15〜20sec、逆電流(を流す)時間が3〜4secで使用され、逆電流時間が短かすぎると、平滑効果が小さくなり、長すぎると、めっき速度が低下する。
【0013】
本発明の内周面処理方法で使用される高速極性反転電源は、主としてプリント配線基板用銅めっきの電源として最近開発されたもので、パルスを制御して、正電、逆電(極性)を、50ms以下の微少な間隔で反転させることができ、しかも、反転ロスが小さいことを特長としており、前記した従来の一般的な極性反転電源を用いた場合に比して、めっき面の高い平滑化効果を期待できる。
【0014】
前記高速極性反転電源を用いてPR法によるめっきを行うにあたっては、正電流値、正電流時間、逆電流値、逆電流時間を所定値に設定する。
【0015】
いま、正電流値×正電流時間=正積算量、及び、逆電流値×逆電流時間=逆積算量として、前記積算量に対する前記積算量の比を正逆積算比とすると、本発明に係る内周面処理方法の好ましい一態様では、前記正逆積算比を1〜100の範囲内の所定値に固定して、電解(めっき)を行うようにされる。
【0016】
具体的には、例えば、正電流値を200A、正電流時間を40ms、逆電流値を800A、逆電流時間を4msに設定する。このとき、前記正逆積算比は、200×40/(800×4)=2.5となり、この正逆積算比2.5で所定時間、例えば、45sec、電解めっきを行うようにされる。
【0017】
このように、高速極性反転電源を用いて、正逆積算比を、例えば、2.5で固定したまま電解めっきを行うことにより、前記した花咲きと呼ばれる髭状部の発生を抑えられ、得られるめっき皮膜は、従来の直流電源を用いた通常のめっきよりはその膜厚の均一化、及び、平滑化が図られるが、ピストン摺動面としては、まだ不十分とされる場合があり、めっき後に、従来よりはるかに必要とされる加工量が少ないものの、ホーニング加工等の研削加工(仕上げ加工)が必要とされる。
【0018】
それに対し、本発明に係る内周面処理方法では、前記正逆積算比を段階的に変えて所定時間ずつ電解を行うようにされる。
具体的には、例えば、第一段階で、前記正逆積算比を1〜100の範囲内の値、例えば、5として、所定時間、例えば、60sec、電解を行い、前記内周面にめっき皮膜を生成する。次いで、第二段階で、前記正逆積算比を0.01〜0.9の範囲内の値、例えば、0.2として、所定時間、例えば、35sec、電解を行い、前記めっき皮膜(の凸部分)を溶解する。これにより、前記正逆積算比を一定値に固定した場合に比して、めっき皮膜の均一化、及び、平滑化が一層促進される。しかし、この第二段階では、陽極電極(アノード)にめっき皮膜が生成されてしまうので、それを除去すべく、第三段階として、前記正逆積算比を1〜100の範囲内の値、例えば、2.5、として、所定時間、例えば60sec、電解を行う。
【0019】
このようにして前記内周面に形成されためっき皮膜は、その膜厚が均一化され、かつ、充分に平滑化されており、さらに、めっき皮膜の表面硬さも、従来の直流電源を用いた場合に比して硬くなり、そのままで、ピストン摺動面として十分実用に耐えられる。そのため、めっき後には、ホーニング加工等の研削加工を行う必要はなく、ブラッシングを行う程度で充分である。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の内燃エンジン用シリンダの実施の形態を詳細に説明する。
本発明に係る内燃エンジン用シリンダの一実施形態は、刈払機やチェーンソー等の携帯型動力作業機に用いられる、アルミニウム合金製の小型空冷2サイクルガソリンエンジン用シリンダであり、図4にその全体縦断面が示されている如くに、該シリンダ1は、左右一対の柱状膨出部2a、2aが設けられている胴部2と、スキッシュドーム形と呼ばれる燃焼室4が設けられた頭部3と、が一体に形成されており、その外周部には多数の冷却フィン19が形成され、また、前記頭部3には点火プラグ装着用の雌ネジ部18が形成されている。
【0021】
前記胴部2におけるピストン摺動面となる内周面(シリンダボア面)9には、ピストン15により開閉される吸気ポート5及び排気ポート6が、上下に段違いで向かい合うように開口せしめられるとともに、該両ポート5、6と周方向に沿って約90°位置をずらして、前記柱状膨出部2a、2aの内部に、所定厚みを有する内壁7a、7a付きの中空掃気通路7、7が設けられ、この掃気通路7、7の下流側端部(上端部)に、前記ピストン15により開閉される左右一対の掃気ポート8、8が、前記シリンダボア9の前記排気ポート6とは反対方向に向けてやや上向きに形成されている。
【0022】
そして、図1に、前記シリンダ1にめっき処理を施している様子が、前記排気ポート6を二分割する縦断面F−で概略図示されているように、前記シリンダ1は、ハイプレシャーダイカスト法等で鋳造した後、前記ピストン15が摺動せしめられる前記内周面9に、耐摩耗性等を高めるため、高速極性反転電源30を用いて、PR(Periodical Reverse)法により、例えばニッケル系のめっき(めっき皮膜20)が施されている。
【0023】
前記高速極性反転電源30は、それ自体周知のものであるが、電流パルスを制御して正電、逆電(極性)を50ms以下の微少な間隔で反転させることができるようになっており、その一方の端子(正電時には+極)31は、陽極電極(アノード)40に接続され、他方の端子(正電時には−極)32は、母材である前記シリンダ1に接続されている。 前記陽極電極40は、例えば白金(Pt)系の材料で、前記内周面(シリンダボア)9より若干小径の外径を持つ円筒形状に作製されており、めっきを行う際には、前記シリンダ1内に同心状に挿入され、その上端部が、前記内周面9の上端と略同じ高さ位置に配在される。
【0024】
そして、本実施形態では、ポンプ60により、めっき槽50からニッケルイオンを含んだめっき溶液Mを、前記円筒形状の陽極電極40を介して前記シリンダ1内に充填するようにされる。この場合、前記めっき溶液Mは、前記陽極電極40の内周側を通ってその上端から外周側に溢れ出すように供給充填され、溢れ出しためっき溶液Mは、前記内周面9部分を通って流下せしめられて、前記めっき槽50に戻され、前記シリンダ1内と前記めっき槽50との間を循環させられる。このようにされることにより、前記シリンダ1全体をめっき溶液中に浸漬してめっきを行う場合に比して、めっき速度を速くできる。
【0025】
かかる構成のもとで、前記高速極性反転電源30を用いてPR法によるめっきを行うにあたっては、正電流値、正電流時間、逆電流値、逆電流時間を所定値に設定する。
本発明に係る内周面処理方法の第一実施形態では、正電流値×正電流時間=正積算量、及び、逆電流値×逆電流時間=逆積算量として、前記積算量に対する前記積算量の比を正逆積算比とすると、この正逆積算比を1〜100の範囲内の所定値に固定して、電解(めっき)を行うようにされる。
【0026】
具体的には、例えば、正電流値を200A、正電流時間を40ms、逆電流値を800A、逆電流時間を4msに設定する。このとき、前記正逆積算比は、200×40/(800×4)=2.5となり、この正逆積算比2.5で所定時間、例えば、45sec、電解めっきを行うようにされる。
このように、高速極性反転電源30を用いて、正逆積算比を、例えば、2.5で固定したまま電解めっきを行うことにより、前記した花咲きと呼ばれる髭状部10b(図3参照)の発生を抑えられ、得られるめっき皮膜10は、従来の直流電源による一定電流を用いた通常のめっきよりは、その膜厚の均一化、及び、平滑化が図られるが、ピストン摺動面としては、まだ不十分な場合もあり、めっき後に、ホーニング加工等の研削加工(仕上げ加工)が必要とされる。
【0027】
それに対し、本発明に係る内周面処理方法の第二実施形態では、前記正逆積算比を、段階的に変えて、所定時間ずつ電解を行うようにされる。
具体的には、第一段階で、例えば、正電流値を逆電流値の1/2、正電流時間を逆電流時間の10倍に設定し、前記正逆積算比を5として所定時間、例えば、60sec、電解を行い、前記内周面9にめっき皮膜20を生成する。
【0028】
次いで、第二段階で、例えば、正電流値を逆電流値の1/20、正電流時間を逆電流時間の4倍に設定して、前記正逆積算比を0.2として、所定時間、例えば、35sec、電解を行い、前記めっき皮膜20(の凸部分)を所定量溶解する。これにより、前記正逆積算比を一定値に固定した場合に比して、めっき皮膜20の均一化及び平滑化が一層促進される。
【0029】
しかし、前記第二段階では、前記陽極電極40にめっき皮膜が生成されてしまうので、それを除去すべく、第三段階で、例えば、正電流値を逆電流値の1/4、正電流時間を逆電流時間の10倍に設定して、前記正逆積算比を2.5として、所定時間、例えば60sec、電解を行う。
【0030】
このように、正逆積算比を三段階に変えて所定時間ずつ電解(めっき)を行うようにした場合には、前記内周面9に形成されためっき皮膜20は、図2に吸気ポート5部分が代表して例示されているように、図3に示される如くの、従来例での大きな盛り上がり部10aや、花咲きと呼ばれる髭状部10bは見られず、その膜厚が約15μmで均一化され、かつ充分に平滑化されている。なお、前記皮膜20の膜厚は、前記した正電流値、正電流時間、逆電流値、逆電流時間、正積算量、逆積算量、正逆積算比等で決定され、ここでは、ピストン摺動面として要求される硬度、摺動性、靱性等を勘案すると、10〜20μmとするのが適当である。
さらに、前記めっき皮膜20の表面硬さも、従来の直流電源を用いた場合に比して、硬くなっており、そのままで、ピストン摺動面として十分実用に耐えられる。そのため、めっき後には、ホーニング加工等の研削加工を行う必要はなく、ブラッシングを行う程度で充分である。
【0031】
以上、本発明の一実施形態について詳述したが、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の変更ができるものである。
【0032】
【発明の効果】
以上の説明から理解されるように、本発明の内周面処理方法によれば、ピストン摺動面となる内周面に形成されるめっき皮膜の膜厚の均一化、及び、平滑化が図られて、ホーニング加工等の研削加工を不要にすることもできる。そのため、内周面に高品質で低コストのめっき処理が施された内燃エンジン用シリンダを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る内周面処理方法により内燃エンジン用シリンダの一例にめっき処理を施している様子を、排気ポートを二分割する縦断面で示す概略構成図。
【図2】本発明に係る内燃エンジン用シリンダの一実施形態における吸気ポート等のポート部分におけるめっき皮膜形成状態の説明に供される部分断面図。
【図3】従来の内燃エンジン用シリンダの一例における吸気ポート等のポート部分における従来例のめっき皮膜形成状態の説明に供される部分断面図。
【図4】本発明に係る内燃エンジン用シリンダの一実施形態を示す縦断面図。
【符号の説明】
1…小型空冷2サイクルガソリンエンジン用シリンダ(内燃エンジン用シリンダ)
5…吸気ポート
6…排気ポート
8…掃気ポート
9…内周面(ピストン摺動面)
15…ピストン
20…めっき皮膜
30…高速極性反転電源
40…陽極電極
50…めっき槽
M…めっき溶液

Claims (3)

  1. シリンダ(1)内に円筒形状の陽極電極(40)を挿入するとともに、めっき槽(50)からめっき溶液(M)を前記陽極電極(40)内を介して前記シリンダ(1)内に充填しながら流下させて前記めっき槽(50)に戻し、前記シリンダ(1)内と前記めっき槽(50)との間を循環させ、ピストン摺動面となる内周面(9)に、高速極性反転電源(30)を用いてPR(Periodical Reverse)法によりめっきを施すようにした、アルミニウム合金製の内燃エンジン用シリンダ(1)の内周面処理方法であって、
    前記高速極性反転電源(30)は、正電流値×正電流時間=正積算量、及び、逆電流値×逆電流時間=逆積算量として、前記積算量に対する前記積算量の比を正逆積算比としたとき、前記正逆積算比を段階的に変えて所定時間ずつ電解を行うものであり、
    第一段階で、前記正逆積算比を1〜100の範囲内の値として、前記内周面(9)にめっき皮膜(20)を生成する電解めっきを所定時間行い、第二段階で、前記正逆積算比を0.01〜0.9の範囲内の値として、前記めっき皮膜(20)を溶解する電解を所定時間行い、第三段階で、前記正逆積算比を1〜100の範囲内の値として、前記陽極電極(40)に生成されためっき皮膜を除去する電解を所定時間行うことを特徴とする内周面処理方法。
  2. 正電流を流す時間が50ms以下で、逆電流を流す時間が5ms以下とされていることを特徴とする請求項1に記載の内周面処理方法。
  3. 前記請求項1又は2に記載の内周面処理方法により、ピストン摺動面となる内周面(9)に、めっきを施したことを特徴とするアルミニウム合金製の内燃エンジン用シリンダ。
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